令和4年度第1回調布市健康づくり推進協議会 母子保健部会 会議録 日 時:令和4年10月4日(火) 19:00~20:34 場 所:調布市文化会館たづくり西館 保健センター2階 予防接種室 出席者:委員6人 欠席者:0人 傍聴者:0人 議 事   1.開会   2.議題 (1)母子保健事業について (2)ゆりかご調布面接について (3)こんにちは赤ちゃん訪問事業について (4)産後ケア事業 (5)乳幼児健診について (6)こどもの相談室について (7)アレルギー相談事業について (8)歯科保健事業について (9)令和3年度新規事業 (10)予防接種事業について   3.その他報告事項   4.閉会 (配付資料)   【資料1】母子保健事業   【資料1―1】令和4年度母子保健事業フローチャート      【資料2】ゆりかご調布面接   【資料3】こんにちは赤ちゃん訪問事業   【資料4】産後ケア事業   【資料5】乳幼児健診   【資料6】こどもの相談室   【資料7】アレルギー相談事業   【資料8】歯科保健事業   【資料9】令和3年度新規事業   【資料10】予防接種事業 ○事務局から(次第1開会)  ・会議の公開の案内   ・出席委員の確認及び会議成立の確認   ・部会長の選出 ○事務局  (1)母子保健事業について  調布市の人口動態。出生数は,これまで約2,000人前後で推移していたが,平成30年以降,毎年約100人前後減少が見られる。参考に令和3年の出生数は1,749人。また,合計特殊出生率も減少している。  資料1―1は,令和4年度の母子保健事業のフローチャート。 母子保健事業全体の流れは,このフローチャートを参考に見ていただきたい。  当日配付の資料1―2の特定妊婦の支援について。この特定妊婦は,児童福祉法第6条に基づく出産後の養育について,出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦のことで,健康推進課では主に妊娠届出やゆりかご調布面接,医療機関や子ども家庭支援センターすこやかなどの関係機関を通じて把握している。地区担当保健師や,すこやかで情報を共有しながら継続支援をしている。  家族背景や本人像を確認しながらチーム間で決定する。  支援の方法や頻度はそれぞれ違うが,継続的に面接や訪問,電話相談,受診動向,関係機関との連携などを行い,出産後も支援を継続している。  妊婦さんとの関係づくりに難しさを感じることが多々ある。妊婦さんは自分の子育てをイメージし,具体化していく中で,自身の育ってきた環境や親子関係を振り返ることがある。新たな課題や困難を前に保健師は妊婦さんと一緒に向き合いながら取り組んでいく。支援を継続する上では,援助技術のスキルや知識が求められている。  昨年度から実施している予防的支援推進とうきょうモデル事業において人材育成プログラムに沿った研修が行われ,昨年は担当者のみ受講したが,今年度は地区担当保健師全員も受講した。学んだことを今後生かしていきたい。  (2)ゆりかご調布面接について  この事業は,母子健康手帳交付時に看護職による面接相談を実施して,妊娠中から産後にかけての相談や情報提供を行うもの。面接を受けた妊婦には,初めての出産や子育てのイメージを持っていただくことを目的に,育児用品や絵本のほかに,今年度はタクシー利用にも可能な商品券を組み合わせた育児ギフトを差し上げている。また,ギフトは郵送対応としている。  令和3年度の面接率については,前年度に比べて低下傾向。出産予定日の二,三か月前に面接の勧奨を行っているが,面接を希望されない方もいる。面接を受けない理由としては,体調不良や流産,あと妊娠届出後の転出,きょうだいで既に面接をしたため,必要性を感じなかったなどが挙げられる。ゆりかご面接を希望されない場合もあるので,妊娠届出時の様子で気になる場合は,地区の担当保健師へ情報提供するなど,早い時期にフォローができるよう努めている。  オンライン面接については,利用数は昨年度に比べると増加している。コロナ禍で外出を控える理由のほかにきょうだいを養育しながら夫婦で面接を受ける方も見られる。今後もこのオンラインによる面接の活用を進めていきたい。  (3)こんにちは赤ちゃん訪問事業について (1)事業概要について。こんにちは赤ちゃん訪問事業は,里帰り訪問の受入れを含むおおむね4か月児までの乳児のいる家庭を対象に,保健師,助産師,看護師が家庭訪問し,健康状態,生活環境の確認及び社会資源の情報提供を行い,切れ目ない子育て支援を図っている。対象家庭のうち,出生通知書の未提出や訪問調整の連絡がつかない場合は,誕生月の翌月,翌々月に勧奨文を発送し,全数訪問に努めている。  保健師などは,連絡会,研修会,事例検討会を通じ,専門知識,訪問技術の向上を図っている。産婦に対し,産後うつの早期発見と早期支援のためのスクリーニング指標を活用し,育児不安,育児困難等があれば,地区担当保健師の継続支援につなげている。  (2)令和3年度実績について。表1の訪問内訳の令和3年度は,保健師16人,委託の訪問指導員として助産師14人,看護師2人体制で訪問を実施。保健師は特定妊婦として妊娠期から継続支援している方,きょうだいの経過観察をしている方,関係機関連絡をしている方などを担当し,助産師は第1子,第2子,看護師は第3子以降を担当。  3~4か月児健診前に訪問した1,515件のうち10%は保健師が訪問。そのほかの90%は助産師,看護師が行い,育児不安が強い方,相談相手がいない方,発育,発達に課題があるなど,継続支援が必要な場合は,地区担当保健師へつないだ。生後28日未満,未熟児の訪問件数は,例年同様の割合。  訪問率は,令和3年度出生数1,749人を分母として,86.6%。令和2年度から1.3%増加したが,ほぼ横ばいでコロナ禍での自粛が要因と考えられる。  未訪問となった285件のうち33%は,コロナが怖いという理由で,令和2年度と同様に多くなっている。中には赤ちゃん訪問は義務ではないから必要ない,他人に来訪されたくないという理由の中にもコロナが怖いと考えている方がいらっしゃる可能性がある。  仕事のテレワーク化,男性の育児休暇取得に伴い,父親が訪問に同席する機会が増える一方,父親の希望で訪問自粛に至る家庭も増えている。また,東京都の感染者数の増加に伴い,少しでも安心して過ごせるようにと考える方がいて,長期の里帰りを選択される方が15%と多い傾向。  これらの状況を踏まえ,訪問期間の延長,短時間での訪問,玄関先や庭先での訪問を提案した。それでも訪問希望を得られない場合は,地区担当保健師から電話での体調確認や社会資源の情報提供などを行った。  未熟児養育医療の給付について,令和3年度は51件で,前年度と大きく変化はない。  関係機関連携について。医療機関からの連絡票は123件。コロナ禍で両親学級などのイベントが中止されたこと,分娩の立会いや面会が制限されたこと,外出自粛,移動自粛による不安感,孤立感,家族からのサポート不足が目立った。  また,ほかの自治体からの訪問依頼は24件で,コロナ禍以前の約半数になっており,ほかの自治体への訪問依頼は45件で大きな変動ない。コロナ禍で東京都内への里帰りを控えた家庭が多かったことが予想される。  (3)令和3年度の状況について。第3回,第4回の緊急事態宣言の影響により,令和2年度同様,里帰りの長期化や訪問を控える家庭が2割弱あり,電話での体調確認や玄関先での短時間の訪問などを実施している。コロナ禍の情勢に応じ,必要な市民が訪問支援を受けられるよう柔軟に事業体制を整えることで,産後うつや虐待予防を初め,切れ目のない子育て支援を目指していく。  (4)産後ケア事業について  産後ケア事業は,心身の不調や育児不安などを抱える出産後の母親とその子を対象に助産師等の看護職が中心となり,母親の身体的な回復や心理的な安定を促進することを目的に平成29年度から実施している。  令和3年度は,市内近隣市の施設5か所でデイサービスを実施し,そのうちの4か所でショートステイを実施した。  なお,令和4年度は,自宅に助産師が訪問を行うアウトリーチ型を新規開始し,こちらについては,生後1年未満まで利用可能としている。  申請者の状況について。令和2年に産後ケア事業ガイドラインが改定されて,同居家族の有無にかかわらず,事業の利用を勧奨することが望ましいとされたことを受けて,令和3年4月からは,対象者の要件を見直した。また,窓口での申請のほかに郵送でも受け付けている。  そのほかに出産後の手続を所管する部署の窓口にチラシを配架するなどの周知を行い,前年度と比較して申請者は増加し,母子手帳交付者の24%が申請。ゆりかご調布面接で必ず妊婦を対象に周知し,こんにちは赤ちゃん訪問においても助産師から案内をしている。参考に令和4年9月末時点での申請者数は356人。  申請者の出生順位は,第1子での申請が64.8%。経験したことのない育児への不安から産後ケアを申請して準備しておく方が多い印象。  次に,利用者について。ショートステイは,令和2年12月に開始し,令和3年度は初めて丸1年間通して実施したため,前年度より利用者の増加があった。宿泊日数としては,1泊2日から2泊3日の利用が多い。  なお,令和4年度は,アウトリーチ型を開始し,市内2つの施設で計13人の登録助産師を配置している。毎月26から30件程度の利用があり,母乳のトラブル等の理由で月二,三回利用するケースもある。  また,生後10か月から11か月での卒乳に関する相談も多く見られる。この10月からはデイサービス型,ショートステイ型の新規施設が2か所増えて,より多くの方にサービスを提供して育児不安の解消に努めていく。 <質疑応答> ○委員  赤ちゃん訪問について,何と表現していいかちょっと分からないが,拒否される方というのは増えている印象を皆さん持っているのか。 ○事務局  コロナが理由で拒否されるという方がここ2年ほどの印象なので,それ以外での拒否される方というのは,そんなに大きく変化は感じていない。 ○委員  コロナは何でも使いやすい理由。本当は違うかもしれない。本当は来てほしくないと単純に思っているから,コロナを理由にされてしまっているかもしれない。 ○事務局  そういう方はずっと一定数いる。 ○委員  実際,それで断られて,その後何かトラブルがあったとか,あとは不都合があったり,その後そのように発展するということはあるのか。 ○事務局  ある方もいるので,その場合は3~4か月児健診で関わり始めたりとか,その前の段階で病院から連絡があった場合は,繰り返し連絡をして何とか会えるように赤ちゃん訪問という形でなくても設定したりというように対応している。 ○委員  無理に押しかけていくとどんな感じなのか。受け入れてもらえているのか,それともただ行きましたという実績ができてしまったというだけか。 ○事務局  ケース・バイ・ケースで,近くに寄ったので,御様子を伺いにというので,何か渋々と玄関でお会いすることもできれば,ピンポンしても応答がなかったりというのもあって,そのときはお手紙を置いていくが,それで連絡がなければ次の乳児健診で御様子を伺うというのが多い。妊娠期から気になるお母さんというところでは,割と粘り強く連絡を取ったりして,逆に怒られたこともあった。なかなか難しい。 ○委員  産後ケア事業,裏面の資料のほうに,月齢別の利用状況があり,ショートステイについては,2年度も3年度も0か月と5か月以上のところが少し多めになっているが,利用者の中に第1子が多いという辺りでは,不安が多くて0か月が多いのかなと思うが,この5か月以上も多いというのは,何か利用者の声をつかんでいるか。分かったら教えてほしい。 ○事務局  ショートステイの0か月が多いのは,産後すぐにそのまま少し休息を取りたいということで,出産から続けてショートステイを利用される方の割合が31.5%で,5か月以上の方についてはショートステイの利用が6か月までなので,最後にもう一度まとめてお休みを取りたくて,期限ぎりぎりのところで利用されるという方の声は聞いたことがある。 ○委員  では,お母さんたちの休息とかに役に立っているということか。 ○委員  特定妊婦以外の保健師フォローのものでいいのか。要フォローと情報提供と赤ちゃん訪問と事業担当フォローは何がちがうのかよく分からない。 ○事務局  保健師フォローの中に,特定妊婦も含まれている。ただ,情報提供の中にも妊娠の経過途中から特定妊婦に変更する方もいる。逆にフォローのなかった方から突然出てくる場合もある。フォローのタイミングと関わる頻度が少しちがう。  ゆりかご面接,出産病院からの連絡内容を事業担当と地区担当保健師が協議して決めている。 ○委員  どうやって判断するのか。情報提供と赤ちゃん訪問は,どっちがよりフォローが必要なのか。 ○事務局  情報提供の方が,少し早めの関りを始めている。 ○委員  では,保健師フォローの情報提供は妊娠中にアプローチするということでいいか。 ○事務局  状況による。 ○委員  どういう振り分けをしたか,そこでチームアセスメントをどのように振り分けて,その後,その人たちがどうであったかという振り返りができることが事業評価になると思うと,情報提供でくくるのではなくて,どう振り分けたのかというところが大事なような気がした。待ちでよかったのか,もっとこっちから先に行ったほうがよかったのかというのが大事な気がする。これだと面接者の人がどう振り分けたかというだけなので,それでチームアセスメントでどうやって,なので必要なところがちゃんとここで拾えたのか,やはりその後,待ちではなくて,この人は早いほうがよかったのだという件数が多かったのかみたいなものが事業評価になる。 ○委員  資料1の表2,乳児死亡と新生児死亡,平成30年の欄を見ると,新生児死亡というのが調布市では1.5,東京都では0.5,なぜかここの数字だけが東京都と調布市が突出して違うような気がするのが,何か原因というのがあるのか。 ○事務局  原因はちょっと…… ○委員  これは人でいいのですよね。1.5人とか0.5人という表現でいいのですよね。 ○事務局  人口1,000人に対して。 ○委員  対しての人ですよね。要するに単位が。何かここだけ随分突出して調布市があるけれども,ほかは0.何人ぐらいだから,何か特別な理由があるのかなと思って,ちょっと教えていただければと思ったが,不明ということでよろしいか。 ○事務局  はい。 ○事務局  (5) 乳幼児健診について  まず,(2)実施状況について。新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言や感染拡大状況に応じ,5月から8月の間,集団健診と個別健診を選択制にして実施している。  それを踏まえて,受診率については,3~4か月児健診,6~7か月児健診,9~10か月児健診については,受診率が80%台で横ばいが続いている。1歳6か月,3歳児健診は6ポイント,9ポイントと両者ともに低下している。  また,個別健診の割合が令和2年度と比較すると大分低くなっている。令和2年度は個別健診のみの時期もあったが,集団健診と個別健診を選択できるハイブリッド方式に途中から変更している。令和3年度は,ハイブリッド方式のみで実施し,結果,市民の方は個別ではなく集団健診を選択された方が多い結果になっている  この状況は,専門職への相談,歯科健診も同じ日に受けたいなどの希望があったことも理由の1つと考えている。また,3~4か月児健診での助産師への相談や3歳児健診での視能訓練士による視力の検査を希望する方がいることもある。  全体を通して,親子の交流の場が少なく,同年代の児の様子が分からない,情報交換ができないなどの声は,令和2年度同様,昨年度も多く聞かれた。  また,感染症対策として,令和3年度も各健診につき,月3回から4回に増やし,対象者の少ない月は3回として,1回に集まる人数を減らし,実施をしていた。今年度も同様,受け付け時間の分散,会場配置の工夫なども継続している。  また,国の方針に基づいて,1歳半健診は2歳,3歳児健診は4歳を超えても受診可能としている。  次に,未受診者の状況。未受診者把握は,児童虐待防止対策として,目視により安全確認をする目的の1つでもある。①3~4か月児健診未受診者理由だが,上から2番目,個別健診の協力医療機関での受診が一番多く見られる。続いて,下から3番目の転出,次いでほかの区市町村での受診。里帰りなどによって,ほかの区市町村での受診が多く見られた。  ②1歳6か月児健診の未受診者の理由は,下から3番目の転出のための未受診者の方が一番多く,次いで一番上,転入者が他市での受診を済ませてきた方が多い。  ③3歳児健診の未受診者の内訳は,保育園在園確認で終結にした方が一番多く,次に一番上,転入前に他市での受診が多く,次いで下のほうにある転出が未受診者としての理由が多い。  未受診者に関しては,受診状況の確認のアンケート用紙も必ず送付している。その返信の中で,育児のことや保護者の健康状態など,心配なことの記載があった方については,その都度,地区担当保健師が中心に電話フォローや訪問など必要な支援につなげている。  (6)こどもの相談室について  こどもの相談室は,生活習慣や言語発達,運動機能について経過観察が必要なお子さんや育児への不安が強い保護者に対して,心理士や言語聴覚士などの専門職と保健師が個別相談やグループ相談を行っている事業。昨年度,令和3年は,新型コロナウイルス感染症拡大により,一部の事業を中止しているが,その代わりに対面ではなく電話相談などを行ったり,グループの内容を変更,工夫して実施している。  まず,個別相談の実施状況について。予約率は,こころの相談,ことばの相談ともに95から100%ぐらいで,うんどうの相談はそれより少し低い。予約者数の参加率についても80%から100%で,風邪などでキャンセルをされる方はいる。参加率も例年どおりのような形で推移をしている。  この相談室につながった経過としては,乳幼児健診からの紹介が最も多く,続いて保護者から直接連絡,次いで,例えばこころの相談からことばの相談へ紹介するなど,各相談間での紹介が多い。その他,地区担当保健師のフォローで相談を利用するに至ったケースが各相談の紹介と同じぐらいの割合で見られている。  次,グループワークについて。どんぐりグループとくるみグループという名称で実施している。感染予防のため,1部屋3から5組程度,2部屋に分けて昨年度は実施している。中にはコロナを理由に参加をちゅうちょする方や待機期間が長くなった方がいて,希望を伺いながら電話相談を含めた個別相談への変更や地区担当保健師が訪問などでフォローするなど,継続して支援を行うようにしている。さらに,必要に応じて子ども発達センターを案内している。  また,感染対策としてグループ内で行うプログラムは,ほかの親子との接触をしないものや,親子で個別に楽しめるような工夫,個々の子どもの様子に合わせて内容を調整するなど,柔軟に対応できるよう担当者間で丁寧に打合せをして実施している。  昨年に引き続き,乳幼児健診同様,外出を控えて,同年代のお子さんと触れ合う機会が少ないお子さんや,保護者同士の交流の経験が少ない親御さんが多くいた。外出頻度が減った親子にとってグループは通う場所ができたり,保護者の心配事を話せる場であったり,時には在宅勤務の父親と日程を合わせて参加するなど,子どもについて夫婦で理解することにつながったという感想などもいただいている。  次に,親子で遊ぼうセミナーは,隔月で実施している1歳6か月から2歳ぐらいまでの子を対象にしたグループ。こちらはグループが中止となったことや部屋の広さに合わせて参加人数を5から7組程度に変更して実施したことから,昨年度は,利用者数が減少している。  一方で,児童館職員の話から,保護者から子どもの発育や発達について相談がよく寄せられていると伺い,担当職員と児童館職員との間で内容を検討し,今年度は児童館の施設を活用して,言語聴覚士による子どもの育ちや関わり方のお話や,保育士から遊びの工夫の紹介,親子で遊ぶ体験ほか,対象年齢を限定せずに児童館に遊びに行ったついでに自由にこの事業に参加していただけるような新しい試みを行う予定。  次に,マロングループについて。この事業は,どんぐりグループ,くるみグループよりも発達に課題がありそうなお子さんを対象に実施している。マロングループについては,全6回の内容でプログラムを組んでおり,その中でも2回ずつ繰り返しプログラムを実施することで,保護者もお子さんも変化を実感しやすいメリットがあると思っている。  (7)アレルギー相談事業について  (2)医師相談について。平成30年までは毎月実施していたが,令和元年度から専任の小児アレルギーエデュケーターの看護師を雇用したことにより,奇数月に年6回実施している。  令和3年度は,新型コロナウイルス感染拡大状況に応じながら6回開催,そのうち2回は相談者の体調不良などで中止しており,計4回実施することができた。相談件数は6件。  初回の相談者の主訴で多いのが,複数回答で,食物アレルギーとアトピー性皮膚炎。相談の結果,かかりつけの医師に再度相談を勧めたり,精密検査票を発行して,アレルギーの専門病院を受診していただくこともあった。  (3)日常相談について。令和元年度は,専任看護師2名体制だったが,令和2年度以降は,専任の小児アレルギーエデュケーターの看護師が1名体制で相談を受けている。  具体的な相談内容は,記載のとおり。乳幼児期の皮膚のトラブルについて最も多く聞かれ,スキンケア方法について,具体的な話などをしている。  初回相談の結果は,相談員が継続フォローを行う以外に,医師相談につなげたり,アレルギー専門病院を紹介したりしている。  続いて,(4)スキンケア教室。生後3か月から6か月未満のお子さんを対象に,スキンケアの大切さについて話をするとともに,小児科の麻生医師にミニ講座をしていただき,保護者からの質問などにも対応していただいている。  令和3年度は昨年度に引き続き,新型コロナウイルス感染症防止のため,定員を例年の30組から20組に制限して実施している。まん延防止等重点措置発令中に1回中止となったが,2部制にして1回の参加人数を制限するなど,対応に工夫しながら計5回実施している。  教室では,その他小児アレルギーエデュケーターが体の洗い方や保湿の方法を実際に赤ちゃんで実施している動画なども見ていただきながら伝えている。  (5)食物アレルギー教室について。令和2年度から新規の事業で2年目となる。 令和3年度は,年3回実施予定で取り組んだ。生後4か月から1歳未満のお子さんの保護者を対象に食物アレルギーについて正しく理解し,不安を軽減し,適切に離乳食を進めていけるような内容を伝えている。  スキンケア教室同様,新型コロナウイルス感染症防止のため,定員を30組からこちらも20組に制限して対応している。まん延防止重点措置発令中に1回中止し,計2回実施している。  内容は,管理栄養士による乳幼児期に多い食物アレルギーの原因になりやすい食材について,離乳食の進め方などを伝えるとともに,小児アレルギーエデュケーターによる食物アレルギーとは何かという講話の実施。  参加者のアンケート結果から,離乳食とアレルギーの関係や,離乳食を進める上でのアレルゲンになりやすい食材の取扱いについて知ることができたと感想をいただいた。  (6)アレルギー講演会について。アレルギーに関する正しい情報や知識の普及を図る目的で年に1回講演会を開催している。令和3年度も昨年同様,新型コロナウイルス感染症防止のため,集客はせず動画配信で実施している。東京都はアレルギー疾患に関する子どもの実態を把握するため,令和元年度に3歳児全都調査及び施設調査を実施。その結果,小児のアレルギー性鼻炎が増加傾向にあり,特に調布市では保護者の関心が高い内容であったことから,小児のアレルギー性鼻炎をテーマに昨年度は実施した。  配信期間は,スギ花粉の時期に合わせて令和4年2月から5月とした。配信期間終了日には,視聴数は1部が277回,2部が200回だった。  (8)歯科保健事業について  健康推進課では,法定健診である1歳6か月児健診と3歳児健診において,歯科の集団健診を実施している。新型コロナウイルス感染拡大防止対応として,従来行っていた健康教育を中止して,パネル掲示やパンフレットの配付について工夫して実施するとともに,個別相談を行っている。直接お子さんの口腔内の歯磨き指導は現在も中止としているため,模型や写真媒体などを使いながら保護者への説明を行っている。  令和3年度有所見者数や,う歯の罹患率は,(2)の実績の表1のとおり。乳幼児健診の際,お伝えしたように受診率はやや下降ぎみではあるが,個別健診で内科健診をした方が歯科健診を受けるために集団健診を受診することもあった。  歯と口腔の健康づくりに早くから取り組む家庭のほかに,子どもの対応に悩んだり,子どもの発育状況によって,口腔内のケアを含む栄養摂取や日常の生活習慣のサポートが必要な家庭も見受けられる。保護者の困り事に寄り添い,できることから一緒に考える視点で歯科衛生士が対応するとともに,保健師や栄養士と連携を図ってサポートをしている。  表2,こども歯科相談室について。これまでは1歳6か月児健診以降のお子さんを対象とした健診を表にあるとおり,半年,または1年を節目に6歳まで歯科健診を実施していた。今年度から1歳0か月から1歳1か月児を対象とした1歳児歯科教室を開始している。この新しい事業を開始した経過としては,令和3年度から開始した1歳児を対象としたファーストバースデーサポート事業のアンケート内容で歯と栄養に関する相談が多く寄せられたため。そこで,これまで実施していた「わくわく育児教室」を再編して行った。  1歳児歯科教室では,医師による健診のほかに,歯科衛生士と栄養士による集団教育や個別相談を実施している。内容は歯磨きの方法や習慣づけの目的,栄養士からは離乳食完了期から幼児食への移行について,生活リズムをつくる大切さを中心に伝えている。  全体を通して令和2年度は,5か月間相談室を中止したこともあり,利用者はかなり減少し,令和3年度もその影響が残っていた状況。今年度は少しずつ利用者数は増えている。また,3歳6か月以降は,幼稚園や保育園など所属のある子がほとんどだが,受診者の内容を見ると,一概に所属のない子が利用しているわけではない現状。今後は,SNSなどを活用し,相談室の必要性を周知するとともに,利用者の確保に努めていきたいと思っている。 <質疑応答> ○委員  歯科相談について,歯科相談を利用している方というのは,非常に子どもをちゃんと見ているような方が多いのか。例えばこれは小学校に入るまでずっと続いているわけだが,小学校に入ってからだと,今後は虐待につながるような歯科の治療をしていないような方がそこで上がってきたりするわけだが,そういうことがこの乳幼児期の時期から兆候が見られたり,分かったようなことはあるのか。 ○委員  私も健診に行かせていただいているのですが,この表に表れるように,う蝕の罹患率というのは,非常に下がってきている。まず1歳6か月であるとか3歳ぐらいの子たちの健診,口腔内を見ても,まず虫歯のある子は少ない。それが通常だと思う。ただ,その中に家庭環境の問題,虐待等の問題で,う蝕の治療を受けていない子もまれにいる。ですから,そういうときには保健師さんとか衛生士さん,現場にいる人たちにちょっとどうなのという話はするけれども,必ずしも経済的な問題等もあるので,それが虐待だとかとイコールにはならないと思うが,1つの虐待の早期発見という意味では,我々歯科治療は一翼を担っていると思っている。  最近,お子さんも1つ家庭で少ないので,みんな歯のコンテストみたいに連れてくる。とても口の中がきれいで。5歳,6歳までは多分う蝕の罹患率は非常に低い。ただし,小学校へ行くようになって,親元から離れて,例えばお友達ができたり,自分でおうちに帰ってきたときに,どうしても親からの目が離れるので,う蝕の罹患率というのは,私たちの感覚からすると,2歳とか3歳というより5歳以降,小学校に行く,就学してからのほうが高いのかなという印象を持っている。そんなところでよろしいか。 ○部会長  3歳児健診でう歯の罹患率が5%前後というのは大体どこでも。 ○委員  全国もっと低いところもあるが,調布市は決して悪くないと思う。もちろんこれ以上いい数値のところも実際ある。 ○委員  今我々の口腔内で乳歯の時期,6歳ぐらいまで乳歯の時期があるが,低アルカリフォスファターゼ症という病気がある。要するに酵素の欠乏が早期に出ると,通常6歳ぐらいまで乳歯で維持されるものが4歳ぐらいで歯が抜けてきてしまう。フォスファターゼというのは歯とか骨組織をつくる重要な酵素なので,所見としては健診時とかもそうだが,歯というのは基本的に交換しますから,ただ,特徴的なのは,乳歯の根がそのまま抜けてくる。残ったまま。それは乳歯を維持する歯周組織が成人と同じように歯周病になるように抜けてくることがある。乳歯の交換というのは,基本的に後続永久歯が生えることによって,根の吸収をもって抜けてくるのが正常な交換。  ですから,4歳以下で特に前歯が,ぶつけたとか外傷以外で,早期に失っているような人がいたら1つ疑うというか,小児のほうでそういうお話が体の成長等であるのかどうか分からないが,もしまたそういうことがあるようなら,今後,所見に入れてもらうのも1つなのかなと思っている。 ○委員  話は少し伺ったことがあって,私は内分泌の医師なもので,一応窓口にさせていただいていることではある。気をつけて拝見したいとは思っているが,確かに小児病院とかにいたときにそれっぽい子は,思い起こせばという子はいるが,今は普通に開業医をしている中では,今のところそんなにすごく高頻度ではなかなかお会いすることがない。 ○委員  特に我々の世界でも最近言われるようになったので,以前からあったことだろうが,それほど着目はされていなかった。歯科健診の中でも,我々がこういうものを発見したときに小児科の先生とやり取りできることもこれから必要かと思う。その節はまたよろしくお願いしたい。 (9)令和3年度新規事業について ○事務局  (1)ファーストバースデーサポート事業について  この事業は1歳前後,特に心身ともに成長が著しく,新たな育児の悩みが出てくると同時に,健診などの行政の関わる機会が少ない時期に育児アンケートによって状況を把握して,子育てに関する情報提供や必要な支援につないでいく事業。対象者へは,育児パッケージとして子ども商品券と東京都からの子育て情報誌を送付している。昨年の対象者は,市内に住所を有する令和3年4月1日以降に1歳の誕生日を迎えた方へアンケートを送付した。  表1は実績。アンケートの発送数が1,814通,回収は1,751通で回収率が96.5%。この困り事の内容によって,支援方針を決めて保健師や栄養士,歯科衛生士などの専門職から保護者へ連絡を取って相談対応し,必要に応じて継続した支援を行っている。回収した1,751通のうち,地区の担当保健師がフォローしたのは12.5%。  表2は返信があったアンケートに記載された主な困り事の内訳。各分野から多い項目を掲示した。アンケートには保護者が意外に率直に困り事を記入してくださる方が多く,上の子の対応や食事については食べむらがある,歯科については仕上げ磨きを嫌がるなど,よく1歳台に見られるお子さんや家族についての困り事が書かれてあるほかに保護者の疲労感やいらいらしやすいといった,特にお母さんの体調や精神面の不調についての記載も見られた。  また,コロナ禍のため,同年齢の子と関わる機会が少ないといった新型コロナウイルスの影響による育児の悩みも見られている。アンケート内容からフォローの必要な方に対しては,電話フォローを行っているが,お子さんが1歳前後になると復職する保護者も多く見られて,連絡がなかなかつながりにくい状況にもある。今後,アンケート内容を踏まえ,どういった支援が求められているか,既存の事業の内容も含めて今後も考えていきたい。  (2)多胎児家庭支援事業について。 この事業は多胎児を養育する家庭に対して,身体的や精神的な負担を軽減するために移動経費の補助と相談支援事業を実施している。  移動経費補助では,平成30年4月から令和4年3月31日までに生まれた3歳未満の多胎児を同一世帯で養育する家庭を対象に,保健師や助産師が一軒一軒家庭訪問や面接相談を行って,多胎児に係る母子保健事業を利用するためのタクシー利用支援として育児パッケージ,昨年度は交通系のICカードを配付した。  相談支援事業については,保健師,助産師,栄養士が多胎児の養育経験のある家庭等の交流会や専門職による講座等の実施及び多胎児に関する相談などに対応して適切な支援につないでいる。  移動経費補助の申請状況について。対象となる81件に案内を送付し,全員の方に訪問または面接を通じて育児パッケージを渡した。  続いて,社会資源の活用について。家庭訪問等で育児状況を把握したところ,平均3つから4つの社会資源を活用していることが分かった。また,保護者からは双子を連れての移動が本当に大変で,なかなか相談に行けなかったり,祖父母が遠方でサポートがなく,睡眠不足だなどとつらい時期を過ごされた方が多く見られた。さらに,同じ双子を育てる保護者同士での情報交換や大変さを共有できる場があれば,参加してみたいという意見もあった。ふたご・みつごの交流会も実施した。  昨年度は,感染拡大のため,1回のみの実施だったが,今年度は6回を予定している。参加者からは,先輩ママに双子育児のコツや,育児用品の選び方などを教えてもらったり,交流会での出会いをきっかけにその後も連絡を取り合うなどのつながりもある。  今後も孤立化しないような取組の1つとして参加者が増えるよう実施日の工夫や周知を行っていく。  (3)東京都出産応援事業について。 この事業は,コロナ禍において子どもを産み育てる家庭を応援,後押しすることを目的とした事業。対象となる家庭は,専用ウェブサイトに登録し,アンケートに回答することで10万円分のポイントが付与され,希望する育児用品や子育て支援サービスを申し込むことができる。  市は,東京都との委託契約により,対象家庭の抽出と専用ウェブサイト利用登録に必要な専用IDを記載したカードの配付を担っている。本事業の事業期間は2年間で,対象は資料のとおり。  昨年度の実績は,令和3年1月1日から令和4年1月31日生まれの合計1,992件に配付。これまで里帰り等の不在で38件の戻りがあったが,3~4か月児健診での周知や声かけを行い,お渡しできていない件数は1件のみ。  表2は,東京都から報告のあった実績数。本年度からはIDの利用登録がない家庭に対して登録勧奨を行っている。登録勧奨は年2回の実施となり,第1回は4月に72世帯に送付した。2年間の限定的な事業ではあるが,対象家庭には漏れなく早く支援を届けられるよう努めていく。  (4)予防的支援推進とうきょうモデル事業について。  この事業は,家庭訪問など,積極的なアウトリーチ等によって,子育て家庭と信頼関係を構築しながら,家庭のニーズやリスク要因を早期に把握して適切に支援をしていき,児童虐待を未然に防ぐことを目的としている。  対象は25歳以下の初産妊産婦の家庭で,支援期間は妊娠届出時から産後1年まで。子ども家庭支援センターすこやかと母子保健部門が連携し,きめ細やかなニーズ把握と訪問などの直接的な支援を行う。  実施期間は令和3年度から5年度までで,令和4年,今年度8月からは本格実施。  このモデル事業は,調布市のほかに渋谷区,大田区,墨田区,計4区市町村が行っていて,これらから報告された取組の成果は東京都医学総合研究所がデータ収集,効果測定を行い,将来的には都内区市町村に情報提供していくような流れとなっている。  また,支援を必要としている家庭のサインをいち早く察知し,支援につなげるため,保健師は人材育成プログラムに沿った研修を受講している。  この本事業とは別に,今年度8月にモデル区市町村合同で令和3年10月から令和4年3月にあった虐待事例について振り返りを行った。また,同時期の特定妊婦については表1のとおり。  表2の調布市の虐待受理件数について,半年で総数が293件あり,そのうち2歳未満の件数が35件,そのうち初産が5件。今回,この5件について考察して,下記にまとめた。  まず1点目,乳幼児期に子育て世帯と接点を持ち,親の生の声を聞いていくメリットは大きい。これら5件とも保護者からのSOSの発信だった。特に2件については,令和3年度の新規事業であるファーストバースデーサポート事業から。このファーストバースデーサポート事業のアンケートの内容から,ささいなことにいらいらして子どもをたたいてしまうといった内容を把握し,保健師がまず相談ベースでつながって,その後,子ども家庭支援センターにつながるというようなことがあった。こういったケースを通じて,乳幼児期に頻回に子育て世帯と接点を持って親の生の声を聞いていくメリットは大きいと思われる。  ②のメンタルの課題を持ちながらの子育てには大変な苦労がある。振り返りの5件のうち4件にメンタルの課題があった。メンタルの課題を抱えながらの子育てに大変な苦労があると改めて感じた。最近は妊婦さん自らメンタルの課題を開示してくれることがあり,把握後は節目の健診などで丁寧に聞いていくことが大切だと思う。  3番目の虐待通告される家庭に夫婦間の理解不足や怒りの感情コントロールの課題がある。この5件に共通していたことは,夫婦間のコミュニケーションやお互いの理解不足,また,アンガーコントロールという課題があると感じた。  ④と⑤については,私たち行政側の業務の仕方についての考察。依存症や被虐歴は児童虐待の要因になり得る背景だけれども,把握がしづらいということが改めて分かった。職員の意識や聞き取りの技術がさらに必要かと思われる。  もう一つは,妊婦面接は,調布市では特に妊娠の初期に行われることが多く,出産や産後のイメージがない中で,妊婦さんのニーズが出にくいと感じている。また,就労している妊婦さんも多く,要支援の方でもなかなか連絡がつきにくい状況がある。妊娠初期の面接だけでなく,後期にかけても妊婦さんと接点を持てるともう少しニーズや相談事が出てくるかと思われる。  続いて,令和3年4月から令和4年3月の間に満2歳になった児童のうち,通告に至らなかった特定妊婦9件についても同時に振り返りを行った。先ほど通告事例が上がったお母さんの平均年齢は約33歳だったが,特定妊婦の平均年齢は25.2歳だった。この9件のその後の経過だが,保育園に入園したのが5件,養育支援訪問事業につながったのが2件,実家と同居が1件,特別養子縁組が1件だった。なるべく早い段階から支援につながって,妊婦の孤立化と負担軽減を図ることが必要なのだと改めて感じた。  この事例の振り返りで,5点の考察を今後は整理していき,妊婦の面接票の見直しを含む業務の見直しを図り,今後も取り組んでいく予定。 (10)予防接種事業について  まず,(1)のHPVワクチンについて。厚生労働省の検討部会,調査会において,接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められ,今年度から積極的勧奨が再開した。  また,積極的勧奨の差し控えにより,接種機会を逃した方に対して,公平な接種機会を確保する観点から,積極的勧奨を差し控えている間に定期接種の対象であった方にキャッチアップ接種を実施している。  事業内容は,表1のとおり。今年度は積極的勧奨が再開した初年度になので,中学1年生から高校1年生までの女子3,648人とキャッチアップ接種対象者9,543人に個別通知をした。  表2は,小学6年生から高校1年生の令和3年度と令和4年度の接種状況の比較。3年度と4年度で個別通知の意味合いは異なるが,3年度も4年度も通知対象学年は同じになので,今年度の接種者数はほぼ前年度並み。今後も同程度で推移することが見込まれる。  表に記載はないが,参考までに令和3年度は3,696人に通知し,1回目接種者は623人で通知者数の16.9%,2回目接種者は547人で14.8%,3回目接種完了者は413人で11.2%が接種している。  表3は,キャッチアップ接種の接種状況。二十歳以下を中心に接種が進んでいる。6月下旬に通知を送付しており,通知後の7月以降に月150回程度の接種報告が上がっている。  接種対象者の中には,接種後の副反応が怖い,接種率はどのくらいかなど,接種することに不安がある方からの問合せが寄せられている。個別通知には,厚生労働省の対象者向けリーフレットを同封しているが,それに加えて,調布市ホームページに相談窓口の連絡先を掲載するなど,情報提供に努めている。  次に,(2)日本脳炎ワクチンについて。日本脳炎ワクチンは,製造が一時停止されたことから出荷調整が行われ,厚生労働省の通知に従い,令和3年度に4歳と9歳になる方の積極的勧奨を見合わせましたが,今年度において該当者への通知送付が完了している。  表4のとおり,令和3年度の4歳,9歳の接種率は明らかに低下している。接種期間終了まで十分な期間があるが,接種忘れのないよう定期的に市報やホームページで発信していく。  最後に,子どもの定期予防接種ではないが,予防接種事業の一環になので,(3)インフルエンザワクチンについて報告。今年度はオーストラリアで例年より早く流行したことや,新型コロナワクチンとの接種間隔の規定が廃止されたことにより,需要の増加が見込まれている。東京都においては,新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を想定し,高齢者の重症化による医療負荷を軽減する観点から接種費用の補助事業を実施する。  これにより,今年度は65歳以上の高齢者のインフルエンザワクチン接種費用は無料。小児について助成事業はない。9月16日付の厚生労働省通知によると,今シーズンのワクチンの供給は記録が残る中で過去最大になり,比較的早期にワクチンが供給されるとの報告がある。 <質疑応答> ○委員  ファーストバースデーサポートのほうで,たくさんの率直な回答が返ってきているという中で,虐待につながるようなつぶやきも返ってくるというような説明があったかと思う。お母さんたち,コロナ禍で同年齢の子と関わる機会もなければ,お母さん同士愚痴を言い合うような機会も少ないので,夜1人書面に向かうとそういうものを吐き出したくなるというようなものがもしかしたらあるのかなと思うと,健診のほうもそうだが,たたいていますか,これをしていますかというような質問をするよりは,お母さんに自由につぶやきを書いてもらえるほうが危険な状況が察知できるのかなとちょっと感じたので,健診のほうも健やか親子21の質問を取り入れて,国でビッグデータにしてというようなこともあるかと思うが,やはり健診の場を捉えて,お母さんたちの本当の率直な気持ちを聞き出して,必要な支援につなぐことのほうが大事なのではないかとこの話を聞いて感じたので,ぜひその辺のところ,国からは求められるところかと思うが,できるだけ健診がお母さんたちの相談の場になるようにやっていただけたらと思った。 ○委員  訪問を拒否するとか健診に来ないという方ほど大事なケースかと私は思っていて,その辺をどうやって埋めていくのか。未受診の方もとても大事だということでフォローしているとは思うが,私の経験上は,訪問したときに拒否する方,訪問してほしくないという人ほどやはり保健師の側からいうと,長い経過の中では心配だったケースが多かったので,拒否しているケースに関しては,私が長らく思っているのは,家庭訪問でなくてもいいのではないか。会う方法があれば,ほかの方法でもいいと思っていて,訪問してほしくないとか,コロナで来てくれるなとかという理由で会えないような方については,安全な場でお会いするのはどうだろうかという,家庭訪問以外の方法,児童館でもいいので,子どもさんを扱っているようなところでお会いするというなら,部屋を片づけていないお母さんとか,プライドが高く他人の目を気にする方等には,会いやすいのかなと思うので,あまり家庭訪問だけに固執しなくてもいいのかなと。  特に虐待ケースに関しては,そのように工夫していたので,すごくそれの受入れがよかったので,私の昔の経験だけれども,訪問はどうしても家を1回見たいというのはあるのですが,ちょっとそれを棚上げして,まずは会うことを大切にしたい,と私は思っている。安心できる人たちなのだということを会って実感してほしいと思っていた。  それから,ファーストバースデーサポート事業,1歳児頃というのは,とても育てにくいというか,今までおとなしかった子がいろいろな主張をしてくる再接近期といわれる時期なので,親としてはちょっとびっくりするような,私は1歳,2歳というのは,子育てはゼロ歳より難しいと思っているけれども,こういう事業が始まってすごくうれしいと思った。  あと,もう一つ,最後のほうのとうきょうモデル事業で,保護者からのSOSがということがとても印象的なのだが,この方たちの4件のメンタルの課題は何だったのだろうというのを質問したい。  それと私は前から,私の主張ではないのだが,EPDSをやるときに,普通は産後には3枚セットなのだが,妊婦では2枚セットでやろうという提案を大事にしたいと思っている。EPDSを推奨している母子衛生研究会の先生方(吉田敬子・山下洋ドクター方)の著書を参考にしている。それをやっているかどうかというのをちょっとお聞きしたい。 ○事務局  家庭訪問は私たちも,どうしても難しい方もいらっしゃるので,最近は児童館を利用して,そこでお部屋を使わせてもらっていることが多い。児童館の職員の方々もすごくその辺りを御理解してくれていて,お子さんを少しの時間見てくれて,そこはとても活用させてもらっている。  それから4件のメンタルの件について,1件目は,統合失調症の病歴があった方,鬱病の既往があった方,パニック障害のあった方とか,そういったことが聞かれていた。  必ずしも妊娠期に分かったわけではなく,途中の経過でお母さんからお話があったり,医療機関情報があったり。妊娠したときにお話をしてくださる方もいらっしゃるが,なかなか把握はしにくいところもある。 ○委員  アンケートとEPDS,2点,妊婦さんの場合,そこにメンタルの項目があるので,妊婦のときにそれでも見つかる方もいると私は思っているので,ぜひ必要そうな人にやってほしいと思っている。 ○事務局  今私たちは3点。 ○委員  3点ですけれども,妊婦の場合2枚に。2点セット。ボンディングをやらない。 ○事務局  ケースに応じて取り組みたいと思っている。  あと,ファーストバースデーサポート事業だが,電話がつながらなかったりしていて,すれ違いになる方も中にはいて,その場合,1歳半健診が数か月後に出てくるので,そこでまた経過を見せていただいたりもしている。 ○委員  最後報告で依存症や親の被虐待歴はなかなか把握しづらいというのがある。これに関しても,私ちょっと思っていることがあるのだが,いろいろなリスクを見ていると,たくさんリスクを持つ方を見ると,背景にこういうことがあるというのがよくあると思う。  本人がお酒を飲んでいるとか,昔すごくつらい思いをしたのだというのはなかなか言いづらいし,それを否認したい状態もあるので,こちらはそれがあるかどうかというのは確かめたいところだが,なかなか本人が言いづらいことは,むしろ逆に少し待ったほうがいいと思っている。いろいろなリスクが多くある方については,こういうことがあるかもしれないという前提の中で注意して,その方のいろいろな思いも温かく受け止めながら,継続し続けることが大事かと私は思っていて,この人たちは安全なうれしい人たちなのだと,相談していい人だと思った段階で少しずつ心配事が出てくると私は思っている。  親子の危機を避けるために“事情聴取”したくなるが,実際にそういう安全な人たちに相談したいという信頼関係をつくることが第一歩かと思っている。すごく難しいケースほど言わないので,こっちは本当のことを言っていないという勘を大事にしたいと思っている。 全体を通して ○委員  食物アレルギーのときもそうだったが,何かヒヤリハット的な困り事でもう少し出していかないと,こんなことがあってよかったですで終わってしまわないほうがこういう会議はいいのではないかと思う。こんなことで困っていたのだけれども,どうしたらいいかだとか,そういうものがある程度出てこないと,なかなか次に行かないのではないかとちょっと思う。  よかったことはとてもいいのだけれども,それを続けていくことは大切だと思うので,やはり食物アレルギーなどでもヒヤリハットがいっぱい出てきて,それで進んでいくので,何かそのようなことを出していただけたほうが本当はいいのではないかと思う。  今後の協議会の日程につきまして,第2回全体会を年明け,令和5年3月20日月曜日に行いたい。                                  ――了―― - 23 -