令和4年度第1回調布市健康づくり推進協議会 成人保健部会 会議録 日 時:令和4年11月15日(火) 18:56~20:36 場 所:調布市文化会館たづくり西館 保健センター2階 予防接種室 出席者:委員4人 欠席者:2人 傍聴者:0人 議 事   1.開会   2.議題     (1)がん検診の現状と今後のあり方について     (2)歯周病検診の受診状況について     (3)健康教育等の取組状況について     (4)受動喫煙防止に関する取組状況について     (5)調布市健康づくり始める会の支援について     (6)調布市国民健康保険の保健事業について     (7)高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について   3.その他事務連絡等   4.閉会 (配付資料)   【資料1―1】調布市の人口統計   【資料1―2】主要死因別標準化死亡比(SMR)の推移   【資料1―3】調布市のがん検診受診状況   【資料1―4】令和3年度申込み制検診 年代別受診者数・受診率(10歳区分)   【資料1―5】5がん精密検査受診状況(性別・10歳区分別)   【資料1―6】調布市がん検診がん発見者数 【資料1―7】HPVセルフチェック導入に伴う子宮頸がん検診申込み状況 【資料1(補足資料)】がん検診の現状と今後のあり方について 調布市健康ガイド 【資料2】歯周病検診の受診状況 【資料2(補足資料)】歯周病検診の受診状況について 【資料3】コロナ禍における健康教育等の取組状況 【資料4】受動喫煙防止に関する取組状況   【資料5】国民健康保険の保健事業について 【資料6―1】令和4年度高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業について 【資料6―2】高齢者の保健事業と介護予防事業の一体的実施報告 ○事務局から(次第1開会)  ・会議の公開の案内   ・出席委員の確認及び会議成立の確認   ・部会長の選出 ○事務局  (1)がん検診の現状と今後のあり方について  令和3年1月1日現在,調布市の人口は微増していて,高齢化率は徐々に上昇してきているものの,21.6%と東京都より1.1ポイント低い状態。男女とも人口が多い年齢区分は20歳以上59歳まで。  調布市の主な死因は,がんが35.8%,高血圧性を除く心疾患が18.4%で,この2つで54.2%を占めている。  次に,主要死因別標準化死亡比(SMR)の推移について。こちらは国立保健医療科学院ホームページに掲載されている2015年を基準とした2011年から2020年の死因別標準化死亡比。なお,乳がんと子宮頸がんについては掲載がされていない。  調布市の特徴としては,全死因は国や都と比較して低い状態。下段の胃の悪性新生物は,国や都と比較して男性は低いですが,国や都ほど改善していない。気管,気管支,肺の悪性新生物については,男性は国と同等だが,女性は上昇傾向で,2019年には国を上回っている。急性心筋梗塞は,男女ともに国や都と比較して高い状況。慢性閉塞性肺疾患について,男性は年々上昇し,2020年は国や都より高い状況。女性は下降傾向にあり,国や都と比較して低い状況。肝疾患の男性も上昇傾向で,国より高く,都と同等になっている。自殺は,男性は全国や都と比較して低いが,女性は高い状況。自殺対策につきましては,第2回全体会で御報告する。  大腸がん検診の受診率は,令和3年度に回復してきているものの,内視鏡による胃がん検診以外は受診率が減少傾向。内視鏡による胃がん検診は,国の指針に基づき,令和元年度に50歳から64歳までの偶数年齢を対象に開始し,令和2年度は66歳と68歳に拡充しているが,コロナ禍でも高い受診率を維持している。一方で,バリウム検査は減少傾向が続いている。胃がん検診以外の受診率は,東京都及び26市の受診率と比較して低い状態。特に肺がん検診が著しく低く,受診率の向上が課題。  次に,令和3年度の申込み制検診の年代別受診者数と受診率について。御自身で申し込むため,いずれも個別通知より高い受診率。  子宮頸がんは,妊娠,出産,子育てといった女性のライフイベントの影響が大きいこと,20歳代後半から子宮頸がんが増加傾向にあることから,昨年度,医師会の先生と検討を重ね,今年度は子宮頸がんの受診率向上の取組として,個別通知の35歳,40歳,45歳の方と申込み制検診対象の25歳から29歳の方を対象に,申込み制検診の募集期間に合わせて,はがきで受診勧奨を行った。25歳から29歳の方には,スマホから申込みできるようにしたところ,令和3年度は55人の申込みだったが,今年度は1,854人と34倍近くの申込みがあった。  要精密検査となった方の精度管理は,医療機関や御本人に文書や電話で5回の受療結果の問合せと3回の受診勧奨を行っている。  胃内視鏡検査は,胃バリウム検査より受診率が高く,100%に近い受診状況。御本人様の同意が得られれば,その場で保険診療として組織検査等を実施できるためと推察している。  胃がんバリウム検診や大腸がん検診については,未受療の方がいる。特に高齢になると未受診者率が高くなる傾向にある。  子宮頸がん検診は,20歳代と60歳代の受診率が80%。  乳がん検診の受診率はおおむね90%台だが,70歳代は87%だった。  電話勧奨で未受診理由を聞き取ると,要精密検査の結果を認識していない方や,自覚症状がないから,大腸がん検診は高齢のため,内視鏡の検査は2年から3年に1回と医師から指示を受けているという方が多くいた。また,改めて受診し精密検査を受けることに面倒と感じる,精密検査の結果を知るのが怖いという方もいた。  若い世代の子宮頸がん検診の受診のきっかけづくりとして,調布市とアフラック生命保険株式会社との包括的パートナーシップに関する協定の下,本年度は23歳と24歳の方を対象に,ヒトパピローマウイルスのセルフチェックを実施。これは,希望者の自宅にセルフチェック検査用キットを郵送し,自身で粘液採取を行い返送してもらい,子宮頸がんの主な原因のヒトパピローマウイルスに感染しているかどうかを調べる検査。ヒトパピローマウイルスセルフチェックと,子宮頸がん検診のQRコードをつけた案内文を個別に郵送し,2週間後にはがきで再勧奨を行った。希望者は,それぞれスマホから申込みができるようにしたところ,子宮頸がん検診の申込者数は令和3年度の15.7倍となった。子宮頸がん検診申込者の増加につながった要因として,ヒトパピローマウイルスセルフチェックで関心を持った,スマホから申し込めた,再勧奨を行ったことなどを推察している。  今年度実施した子宮頸がん検診の受診勧奨の取組から,受診勧奨や申込み方法を見直すことで申込率が向上することが確認できた。国はがん検診を重点的に対応する年齢を69歳以下としているが,調布市の場合,59歳以下は個別通知と申込み制検診が混在している年代である。60歳未満の市民から,がん検診の受診券が届かない,自分が受けられるがん検診はどれかという問合せが多くある。がん予防のための取組を重点的に望まれている60歳未満の年代の市民にとって,自分が受けられるがん検診が分かりにくい構造になっていることに,大きな課題があると考えている。  がん検診の周知方法や重点的に実施する対象者の年齢,実施方法など,がん検診全体の体制整備が必要。今後,医師会の御協力を得ながら検討していきたいと考えている。特に受診率の低い肺がん検診は,現在,40歳以上の方を対象に申込み制で実施していますが,年々受診者が減少しており,平日の集団検診の限界を感じている。加えて,東京都がん検診の精度管理のための技術的指針が,結核検診等で撮影した胸部レントゲン写真を肺がん検診として二重読影することで,肺がん検診の実施としてよいと変更されていることから,まずは来年度,医師会の先生の協力を得ながら,肺がん検診について精度管理を含めた実施方法等を検討していく予定。  また,精密検査の受診勧奨についても,受診勧奨通知文の内容,不安を軽減できるよう,精密検査方法の紹介,啓発資料の作成など検討し,受診率向上に努める。 <質疑応答> ○委員  子宮がん検診の受診率がかなり上がった,スマホで申込みができると申込みやすくて。子宮がん検診の対象は若い人だが,もう少し上の方がどうなのだということも考えないといけない。周知方法をいろいろ考えることによって,少し受診率を上げることが可能だと思うので,また一緒に検討していければと思う。  あと,肺がん検診の要精密検査の受診率は結構低い。 ○事務局  肺がん検診に関しては,受診者が少なく,確認をしているが,連絡がつかない方もいれば,やはり自覚症状がないからという方もいる。 ○委員  大腸がん検診の精密検査の受診率がかなり低いのは,何となく分かるような気がする。検便で異常があっても,内視鏡をやると異常がない方もいるし,やっていただいたほうがいいと思うが,ただ,肺がん検診はレントゲンで異常影を見つけて引っかかっているわけなので,本当に病気の方の可能性は高いと思う。では何をやるかというと,多分,CT検査に次は進むのでしょうから,大腸がん検診の場合は大腸の内視鏡でちょっと負担がかかる検査だけれども,CT検査自体は特に痛いとかそういう検査ではないのと,本当に病気がある確率が高いと思うので,要精密検査の率を上げていかないと駄目なのかもしれない。   肺がん検診の受診率が低いのは,調布では特定健診とか後期高齢者健診は結核検診なので,(肺がん検診として)一緒には医療機関でやっていないので,別にやっているところが一番の原因だと思う。結核検診のレントゲンを二重読影で肺がん検診に適用していいということなので,ぜひその辺を特定健診とかと一緒にできるようになれば,受診率は上がると思うので,ぜひ来年以降やっていけるように協議していきたい。ただ,予算の関係もあるのでなかなか難しいと思うが。 ○委員  極めて丁寧な資料の解析,すばらしいと思いますし,調布の特徴が見えてきたと思う。私は,今日の資料,主要な死因別の標準化死亡比(SMR)の推移というのがとても大事な資料かなと思って見ていた。特に全死因,全ての死亡を見ても,2015年全国基準を100にしてあるが,全国比較しても調布は100以下になっている。それから,各年の全国基準を100にしても,95か96か分からないけれども,調布は常に100より下がっている。これが男性。女性も同じように,全国に比較してSMRは低い。というように考えると,調布は長生きだというのがこれで一目瞭然だと思う。  図が小さくて分かりにくいので,イラスト化したり分かりやすくして,市の広報などにも上手に活用して,調布が長生きの大きな背景は,全ての死亡原因をひっくるめてやったら,全国を100にしたときにはこのように95か96か,今,数字は分からないけれども,経年的に見ても低下傾向にあるということを,ぜひ調布の市民の多くの人に理解してもらう上では,非常に役立つ資料と思った。男性も女性もほぼ同じような傾向だというのは,すばらしいと思う。  あと,受診率の向上のための様々な創意工夫というのも,もちろんそれはそれですばらしいことだと思う。  極めて個人的な意見だけれども,90歳を過ぎてから,がんなど見つけなくても,私は個人的にはいいと思う。それよりも,がんを成長させない,増殖させないための最大の要因は体温なので,腸内の免疫機能を高める。腸内細菌は実は水素を出すのだけれども,水素で体温が上がると,がんの発育が遅れる。皆さんあまり信じないかもしれないけれども,コロナで40度の熱が3日間ぐらい出ると,がん細胞が死ぬことが最近分かってきたし,最も温かい心臓にがんはありませんので,体をしっかり温めて,前向きに豊かに生きることを応援するという意味も大事だと思うので,がんの検診というのは基本的には,がんを見つけることが最大の目的だけれども,私は,そっちも大事なのですが,もっと大事なのは,こちらに書いてあるように,がんをつくらない努力を一緒にそれと併せてやるというプログラムのほうが,トータルの死亡というように考えたら,はるかに有効かなと思っている。 ○部会長  調布の女性の自殺が最後,上がっているのですけれども,この辺,考察みたいなものはどうか。 ○委員  一般的な傾向で分かってきたのは,今回のコロナの影響で若い女性の,子どもがいる人も含めてだが,収入が減って自殺がやたら増えてきたというのは,全国傾向です。むしろ都市部のほうがそれは強い。もう一つは,小中高校生の死亡原因の第1位が自殺になっている現実は,世界的に見たら,とんでもない話なので,これもそうだが,95歳の人が自殺しても僕はあまり悲しくは個人的には思っていないけれども,やはり20代,30代の,しかも,これから夢のある小中高校生の死亡原因の第1位だというのは,本当にみんなで総力を挙げて対策に取り組む必要性が特に高いと思う。  特に若い人が亡くなると,平均寿命もがくんと大幅に下がるけれども,SMRも非常に影響を受けるので,ぜひその辺の対策をみんなで知恵を絞っていくといい。あまりいい答えになっていないが,よろしくお願いする。 ○部会長  未受診対応ということで,この未受診の方に,ニーズアンケートや,なぜ精密検査を受診しなかったのかというアンケートは事後に行っているのか。 ○事務局  電話勧奨をしているときに,未受診の理由を聞き取っていて,わざわざ行くのが面倒だとか,結果,要精密と書いているはずなのだが,御本人としては,自分は精密検査が必要だと思っていなかったという回答や,大腸がんなどは特に自覚症状がないからとか,検査が怖いから,何年か前に受けたので今回は見送りますとか,先生にも次でいいよと言われたというようなことが多くある。 ○部会長  全国的にもやはり,時間が取れないとか,いろいろ理由をつけて来ないみたいなのだが,せっかくそういう調査のデータがあるのであれば,そういうのも生かせるので,よろしくお願いしたい。  それから,ヒトパピローマセルフチェックは,調布独自か。アフラックと一緒にやっているということで,ネットで検索すると,これと調布の検診と出てくるので,大変有効なことであると思う。さらに進めていくと,これから若い子どもたちのがんが減っていけばさらによい。特に子宮頸がんに関する,ヒトパピローマウイルスの勉強会,教室みたいなものを開催して,お母さんと娘と親子一緒にやると,ヒトパピローマのワクチン接種の受診についてお母さんがやめときなよとか言ってしまうと多分やらないと思うので,親子そろって教育するという考え方はどうか。 ○事務局  今,中学校などでアフラックさんががん教育を実施しているのだが,今後,調布市もそこに,お時間をちょっと頂戴して,ワクチン接種と併せて啓発をしていくことと,大学生向けに啓発なども行っていきたい。中学生と親御さんというのはまだやったことはないが,そこも今後検討していきたいと思う。 ○部会長  それと,この検査キットというのは結構値段が高いのか。 ○事務局  高いと言うべきか,高くないというか,何とも難しいところ。手軽さはあるものの,これは子宮頸がん検診ではなく,リスク検査でしかないので,これで安心してしまって,この検査のみで終わって,子宮頸がん検診を申し込んでいない方も中にはいると思われる。きっかけづくりとしては利用していきたいと思っているが,やはり本来の子宮頸がん検診をしっかり受けていただくというところを強化していきたいと思っている。 ○委員  部会長からも今御質問,御意見いただいたが,子宮頸がん検診のアフラックとの連携の効果については,所管部署としてはあったという認識でよいのかと,改めて,アフラックとの連携,次年度以降の方向性があれば,教えていただければと思う。 ○事務局  一定程度はあった。やはりセルフチェック検査をしたと同時に,子宮頸がん検診の案内をして,両方申し込んだ方がいた。HPV検査を受けてみてこれなら,というところで,多分初めての方にとっては診察台に乗るのはちょっと怖いとかあったと思うのだが,医療機関で受けることもイメージができてという部分もあったと思う。そういう意味では一部効果はあったと思ってはいる。もう一つの25歳から29歳の方の,セルフチェックは行わない,はがきで受診勧奨したほうでも,子宮頸がん検診の申込みは上がっている。総合的にいろいろな対応を世代に合わせて実施していくことが大事と思っている。 ○事務局  (2)歯周病検診の受診状況について  個別通知の総受診者数を見ると,いずれも女性が2倍近く高く,年齢別の受診率でも女性が高い状況。受診率推移を見ると,男性の45歳は低下してきているものの,ほかの世代は横ばい状況。70歳が7%台と高く,50歳が4%台と低くなっている。女性は,年齢が上昇するにつれて受診率が低くなっている。5年間の平均の性別,年齢別受診率は,35歳から60歳までは同様の傾向だが,70歳になると男女の差は小さくなっている。次に,申込み制検診の受診者数は,令和元年度以降,受診者数と受診率がともに低下しています。受診率は,個別通知に比較して高いものの,申込者数ががん検診等の申込み制検診と比較して低い状況。  その経過を踏まえ,以前から,20歳女性に子宮頸がん検診と一緒に歯周病検診の案内を実施していたが,今年度は申込み制の歯周病検診の周知と申込者数の増加を目的に,20歳男性に受診勧奨の通知を郵送した。  次に,申込み制検診の年代別受診者数の推移だが,40歳代と50歳代が多くを占めている。個別通知の受診結果は,要精密が60%台,要指導が20%台,異常なしは10%未満のまま推移している。申込み制検診の受診結果は,要精密が平成28年度は85%,平成29年度から令和3年度は50%から60%台,要指導は平成28年度が5.2%,平成29年度から令和3年度は30%台,そして,異常なしは10%前後で推移している。  申込み制検診は,個別通知と比較すると,要精密の割合が若干低くなり,要指導の割合と異常なしの割合が増加している。歯周病検診は歯周病の予防と早期発見,早期治療の開始につなげ,口腔の健康の保持ができることを目的としている。また,近年,糖尿病や認知症など,全身疾患との関連性があることが分かり,口腔だけでなく,生活習慣病の発症や重症化を予防し,社会生活を営む上で必要となる心身機能の維持向上に重要であることも分かってきている。  個別通知の受診者の6割が要精密となっている結果から,より若い世代の受診率向上に取り組むとともに,口腔ケアの必要性の啓発や具体的な予防ケア方法の周知などの取組が必要ではないかと考えている。 <質疑応答> ○部会長  この検診票の中の要精密というのは,虫歯とか欠損があった場合も要精密になるが,この6割というのはそれが含まれているのか。それとも,含まれず,CPI2以上の方だけなのか。 ○事務局  含まれている。 ○部会長  では,虫歯の人も含まれている6割という解釈でよろしいか。 ○事務局  はい。 ○部会長  それから,今,骨太の方針で,歯科の毎年の健診を国民全部というのが言われているところだが,今後,全身疾患のことも考えながら,調布市としては,今は年代別とか申込みになっていて,義務でやっているのは18歳までなので,それ以降の健診のほうを,多分国はやらないで,市町村に下りてくると思うが,毎年やる方向で検討されるか。まだ制度としてはっきり出ていないのだけれども,骨太の方針では国民皆歯科健診というのが方針として出ているので,その辺はまだ検討されていないのか。 ○事務局  国のほうが国民皆歯科健診の実施方法について今後検討するとなっている。国の検討結果を見てからと思っている。 ○部会長  分かりました。もう一点質問,全身疾患と関係するので,誤嚥性肺炎が,高齢者保健事業実施計画で調布市がデータヘルス計画の中の資料で3.1%となっております。これは,東京都の中でトップ。だから,調布は誤嚥性肺炎が多いのかなというイメージ。データから考えると,結局,誤嚥性肺炎の主な原因というのがやはり口腔内の細菌からということなので,この辺の兼ね合いがあり質問したが,どうか。 ○事務局  健康推進課はレセプトデータをちょっと持っていないので,保険年金課がもし分かればと。 ○事務局  特に保険年金課でも今お示しできるデータがない。 ○部会長  誤嚥性肺炎という病名が調布ですごく多いのだが,先生のほうで何か思い当たるところは。 ○委員  分からない。口腔ケアとかそちらのほうが,高齢者の方はなかなか難しい。でも,普通に生活している方でも,時々,誤嚥性肺炎を起こす人はいる。そういう方は多分,口腔ケアの問題が大きいのかも。 ○部会長  調布市が3.1%ということで,本当に東京都でトップなので。千代田区が次で3.0%で,平均だともうちょっと低かったので,これは調布の特徴かなと思い,やはりデータを調べているときに口腔と関係があることで気になっていたので,質問した。 ○委員  教えていただきたいのだが,やはり歯周病の予防のためには口腔ケア,ブラッシングの仕方とかが一番大事だということになりますよね。 ○部会長  おっしゃるとおり,口腔細菌なので,やはりセルフケアが一番ですし,本当に生活習慣の1つとしてブラッシングをいかにうまくやっていくか。それを若いうちから高齢までずっと続けていきたいので,やはり小学生の学童期から始めて,なるべくならカリエスフリーが,歯科口腔衛生に関しては一番よいと私は考えている。でも,やはりセルフケア。 ○委員  要精密検査になって受診された方には,ブラッシングの仕方とかはいろいろ細かく指導している。 ○部会長  歯周病のちゃんとした検診から,欠損,う蝕に関して,大体そこまで来ると,今度パノラマのレントゲンを撮って,口腔内全体を指導していきながらということになる。 ○委員  多分,歯ブラシしない人はいないと思うが,その仕方がなかなかね。 ○部会長  そう。その指導が難しい。 ○委員  歯周病予防のための正しいブラッシングの仕方みたいなものが一番大事なのだろう。 ○部会長  そう。それが難しい。やはり子どもたちにも,自分に合った歯ブラシの仕方というのを3年生でやっているけれども,歯列も変わってくるし。基本的には歯周病も進んでしまうと,骨の造成というのはほぼないので,やはり進めないことが一番肝心かと考えている。 ○委員  調布の女性の方の虚血性心疾患が比較的多いというのは,歯周病が虚血性心疾患に関係するという報告もあるし,糖尿病のコントロール状況も悪くすれば,やはりそれが動脈硬化につながって,心筋梗塞とかにつながるリスクもあるので,歯周病検診の受診率も上げてしっかりケアすることによって,そちらの内科的な疾患のほうの発病の低下みたいなのも期待できるので,ぜひ歯科医師会の先生方とも一緒に医師会もやっていきたいと思う。 ○委員  ブラッシングのことが今話題になっているが,基本的には,厳しい歯垢はブラッシングだけでは取れないので,歯科衛生士の力を借りて,歯垢をしっかり取るという認識をもっと広めないと,セルフケアのブラッシングだけでうまくいくわけない,というのは,もっと伝えてもよいのではないか。  それから,今やっとだけれども,幾つかの病院は各フロアに歯科衛生士を常駐させるぐらいの時代が来て,つまり手術をする前に口腔ケアをちゃんとやって歯周疾患を一定程度予防しておかないと,手術は成功するけれども,感染症で死んでいくので,そんなことが今やっと大幅に改善しつつあるのはすばらしいことなのですけれども。  あと,国民皆歯科健診が間もなくうまくいくのだろうと私は思うが,そういう流れの中で,歯科健診をもっと充実させるという意味では,特に子どもをちゃんと視野に置いて,かつ,ブラッシングだけではなくて,ぜひ痛くなくても歯科衛生士の力を借りて歯垢をちゃんと機械的に取ってもらうという,そんな流れをつくっていただいたほうが,もっと効果が上がるのではないかというのが私の私見。 ○部会長  周術期口腔ケアってありますよね。横浜とかでは,大きい手術の前に必ず口腔ケアをするという方針を市で決めてやっているところもある。現状,この辺だと慈恵第三病院とかの先生に医療連携で文書出しをお願いしている。患者さんは今度手術があるので口腔ケアしてくださいと来るのだが,できれば文書を持ってきてもらいたいなというのをずっと慈恵第三病院にお願いしているが,なかなか文書まで持ってきてくれないので,文書を作る方向で,何らかの形で行政も協力していただくことで,患者さんもいろいろなことが情報として入るのかなと。手術の前に先生に言われたという方がほとんどなので,そういう情報もある。 ○事務局  (3)の健康教育等の取組状況について  (1)骨粗しょう症予防教室は,新型コロナウイルス感染拡大防止のために,参加者が密にならないよう定員を36人から30人に減らし,受付時間の分散化などの工夫を行っている。65歳,70歳のための骨密度検診は,実施日の1週間前に日時の連絡を行ったが,定員に対し7割から9割の来所だった。  一方,18歳から64歳未満を対象とした,あなたの骨の健康度チェックは,定員オーバーになりやすく,断る方もいることから,来年度は実施回数を4回に増やす予定。  (2)今から始める健康づくりシリーズのうち,生活習慣病をテーマにした健康教育は,1回当たりの定員を20人に減らして実施した。参加率と参加者の満足度は高い状況だが,申込者数が減少している。令和4年度はテーマに,がんなどの予防として免疫機能向上を加えたほか,周知ポスターを一新した。今年度は2回実施しているが,申込者数が2倍に増加している。今後も定期的にテーマや周知方法の見直しを行っていく。  学童編は,新型コロナ感染拡大を受け,令和元年度から令和3年度まで中止していた。今年度は,学童からの希望も多く,命をテーマにして35館中29館で実施した。  (3)子宮頸がん検診啓発のキャンペーンを今年度から開始した。子宮頸がんの受診を促すチラシは,アフラックの協力の下,作成して,市役所関連施設のほか,医療機関,民間スポーツ施設やスーパーに配架した。また,京王線調布駅改札近くのトリエA館地下1階コンコースと市役所2階ロビーでは,啓発グッズも同時に配布。コンコースに配架した啓発グッズは,朝置いた場合は夕方にはなくなり,夕方置いた場合は翌朝にはなくなる状況だった。  ピンクリボンキャンペーンは,昨年度に引き続き,10月の1か月間,同じく京王線調布駅のコンコースで実施した。また,味の素スタジアムで開催されたスポーツまつりに,アフラック生命保険株式会社と協同したブースで啓発を行った。乳がんモデルの展示も行ったことで,直接モデルに触るなど,ふだん出会えない若い世代の方々に啓発できたと思う。来年度以降も他機関と連携しながら啓発を行っていく。  (5)日常的な身体活動量の増加を目的に,令和2年度にウォーキングマップを作成した。令和3年度に作成したウォーキングマップを活用したイベントを実施予定だったが,新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止。そこで,コロナ禍でも取り組めるよう,ウォーキングマップと併せてストレッチやトレーニング方法を動画配信した。ウォーキングマップは市役所の総合受付や調布駅前観光案内所に配架してあり,希望する市民が来所すると伺っている。新型コロナウイルス感染症の影響がある状況でも実施可能な健康教育活動の方法を引き続き検討していく。 <質疑応答> ○委員  健康づくりシリーズの各テーマでいろいろ実施していると書いてあるが,これは具体的にどういう,講演みたいなものか。スライドか何か。 ○事務局  保健師,管理栄養士,歯科衛生士,運動指導員の4人で対応していて,テーマとしては今年,免疫向上を入れたのだが,あと高血圧と糖尿病,高脂血症,フレイルがあり,それぞれのテーマに合わせて,病気のことを保健師が説明し,栄養士から食事面,歯科衛生士からそれぞれの病気に対しての歯の口腔ケアのこと,運動指導員からは運動の実技を,コロナ禍なので激しいものではなく,椅子に座ってできるとか,椅子の周囲でできるようなことを実施している。 ○委員  病気の説明,指導の資料は出来合いのものがあるのか。それとも,各担当する保健師さんが考えて作っているのか。 ○事務局  市販のパンフレットを使っている。 ○委員  どういうものを使っているのか,後で見せてほしい。 ○部会長  コロナ禍ということで,高齢の方が3年間ぐらい,おうちから出ない状況で,本当に久しぶりに来た方々の感想では,私,ずっと家にこもっていて,人ともしゃべらない,動かない,机の上のお菓子ばかり食べていたんでというお話をよく聞くので,まだコロナも終わっていないけれども,そういう高齢者の今後が心配だが,引きこもった高齢者への対策は何かあるか。 ○事務局  高齢者支援室で65歳以上の方の施策を実施しているので,健康推進課ではあまりやっていないが,高齢者支援室のほうは,10筋体操を動画で流したり,集まる場づくりをするとかというのをいろいろ実施している。 ○部会長  このコロナというのは大変な影響が今後も出てきそうな気がするので,健康教育のほうをよろしくお願いしたいと思う。 ○事務局  高齢者支援室と相談したり,高齢者の介護予防と保健事業の一体的な実施のほうでそういった事業も実施しているので,こちらでまた確認していく。 ○事務局  (4)受動喫煙防止に関する取組状況について  まず初めに,(1)調布市受動喫煙防止条例の概要について。この条例は,市の受動喫煙防止の柱となっているもので,令和元年7月1日に施行している。この条例にあることをしっかりと推進することが,市の受動喫煙防止の最も重要なことと考えている。  ざっくりと条例の概要を。1つ目,禁煙区域の設定。調布市内の駅前広場だとか駅周辺の路上,路上等喫煙禁止区域というが,そういったところや学校,児童福祉施設などに隣接している路上,また市の施設,公園,広場等を禁煙と定めている。  2つ目が子どもへの取組。通学路における子どもへの配慮について定めており,調布市の通学路の電柱には啓発のための看板が設置されている。  3つ目が啓発,教育の推進。これは後ほど(3)の市の取組で説明する。  4つ目が市民,事業者の責務について。条例によりまして,市民の方とか事業者の方々は受動喫煙防止に努めなければならないことを定めている。  次に,(2)課題。課題として,この条例の認知率を上げている。毎年行っている調布市民の方々を対象とした調査の結果,令和4年2月時点で条例を知らない方が47.9%いた。今後,より一層の周知啓発を行い,条例の認知率の向上を目指していく。  最後に,(3),市が行っている取組について。1つ目が,調布市受動喫煙防止条例の周知。(2)の課題でも述べたとおり,条例を知らない市民が約4割以上いらっしゃるため,条例を理解してもらうための取組を実施している。路上での表示とか広報活動,チラシの全戸配布とか様々なキャンペーン,過料の対象となる路上等喫煙禁止区域でのパトロールなどを実施して,条例を知る人,守る人を増やしていく。  追加で配付したピンク色の冊子は11月20日に全市民の方々のおうちにポスティングするチラシ。御家族で見ていただけるように,クイズ形式で,表面が質問,裏面で答えといったような形で作成しており,全市民へのポスティングのほか,医師会の方々とか歯科医師会の方々に御協力いただき,市内の医療機関で掲示をしていただく予定。  市の取組の2つ目,子どもへの取組。受動喫煙は,当然,体が未発達な子どもへの影響が大きいため,また,たばこは若いうちに吸い始める方がほとんどであるため,たばこの有害性について子どもたちに直接授業をしている。こちらも,医師会の方々とか歯科医師会の皆様の御協力をいただきながら実施している。  3つ目が,禁煙相談の実施。医師による禁煙相談を年1~2回実施している。医師の方が問診,相談を行い,相談者の健康状態に合った禁煙方法について提案している。  4つ目が路上等における受動喫煙についての個別相談・対応。苦情があった店舗などを直接訪問して,受動喫煙防止の協力を直接依頼するなどしている。  5つ目が,庁内連絡会の開催。受動喫煙対策を市役所全体で横断的に推進するため,施設を管理している部署とか教育の部署,また,まちづくりや生活環境の部署などを招集して会議を開催している。  そのほかにも,調布市たばこ対策推進協議会など,市内の受動喫煙防止を推進するための会議等を通して,受動喫煙防止を推進していく。 <質疑応答> ○委員  いろいろ周知に関してチラシも作っていただいたみたいなので,医師会の各医療機関で掲示をお願いしたいと思っている。地道にやっていくしかない。一番これが有効だというのはなかなか思い浮かばないので,地道に啓発していくしかないと思う。  それとあと,禁煙相談,昨日,1人行ったけれども,妊婦に対する禁煙指導とかは保健師さんがやっているのか。それで,肺がん検診に来た方にそういう指導をするのも保健師さんか。 ○事務局  コロナ前は実施していたが,今,コロナで会場内に人が停滞してしまうというところがあって,展示物だけにしている。コロナがもう少し落ち着いたら再開したいと思っている。待合の会場があまり換気できるところではなく,そこで話してしまうと,というのがあり,今は中止している。 ○委員 市民の方に禁煙指導する保健師さんの,たばこに関する勉強会みたいなものは時々やっているのか。 ○事務局  東京都が主催する研修などに参加している。 ○委員  この間,禁煙相談のときに,2人保健師さんがいらっしゃって,ちょっといろいろ質問されたが,今,たばこ問題も,加熱式たばこの規制をどうするかとか,そっちのほうにだんだん移ってきているので,そういう新しい知識みたいなものも知っておかないと,市民の方にしっかり指導できないと思う。ぜひ時間をいただければ,また調布のたばこ対策ネットワークのほうからいつでも講師を派遣するので,そういうアップデートの知識を積み重ねておかないと。加熱式たばこが増えていて,何で増えているかというと,加熱式なら害がないと思い込んでいるような方もいっぱいいらっしゃるので,加熱式たばこがどういうものか,どういう毒性があるのかということを,指導するほうもしっかり知識として蓄えておかないと駄目だと思うので,ぜひ保健師さん向けの勉強会みたいなものも開催していただければと思う。  あと,禁煙相談なのだが,やはり禁煙外来に行っていただくのが一番効果的な方法だとは思うが,禁煙薬が今,発がん性物質が入っていたという問題で,まだ生産できていなくて,開店休業な禁煙外来が多いので,そこはなかなか難しいが,ぜひ勉強会は開催していただければ手配します。 ○事務局  ありがとうございます。よろしくお願いします。 ○委員  これもすばらしい取組だと思うが,ただ,残念ながら,日本はまだまだ喫煙天国なので,アイスランドはたばこの自動販売機を撤去して,寿命ナンバーワンになっているから,日本は本当に手遅れ。  もう一つ大事なのは,これは(受動喫煙啓発チラシ)この大きさか。A3になるのか。 ○事務局  その大きさです。 ○委員  私も高齢者だけども,高齢者には字がちょっと小さいので,まだ間に合うのだったら,もうちょっと字を大きくしていただいたほうが絶対いいのが1つ。  あと,一番大事なのは,喫煙は麻薬なので,麻薬だというところがもう少し全面に出てほしい。本人が悪いわけではない,これだけ自由にたばこが吸える,小中高校の教育をほとんどやってこなかった日本の責任なので,私も人間ドックの仕事をやっていてつくづく思うけれども,たばこやめましょうと一言言っただけではほとんど効果はない。たばこやめるのは簡単だよ,20回もやめたよというのが大体通例で,そのぐらい難しい。だから,トライしてやめても,自尊心を傷つけないようにというメッセージのほうが最近多くなってきたように私は個人的に思っているぐらいで,どこかに麻薬だということをそれとなく入れてほしい。  あと,無煙たばこというか煙の出ないたばこも,発がん性という意味では害は同じなので,第三者にたばこの煙が行かないという面ではメリットがあるかもしれないけれども,ぜひ情報の中には追加してほしいと思う。  この表の文字はとても大きいから分かりやすいけれども,裏はもうちょっと大きくなるのだったら,していただきたい。 ○部会長  やはり子どもたちの教育,ニコチン依存症になる前に,手をつけないという教育は大変大事だと思うので,ぜひ進めていってもらいたい。  あと,JTが無料のたばこの灰皿を配布するというチラシを,商工会が配布している。ここの苦情のところにもあるように,店舗の外の喫煙所からの煙が,うちも前から煙が来て嫌なのだけれども,きれいなJTが作った無料の灰皿があって,それを商工会が全部に配布しているので,もしできれば市のほうから,なるべくそういう周知はやめてほしいというのを言っていただけるとありがたい。 ○委員  条例の周知状況のところだが,前年度と比較して割合は悪くなっているか。 ○事務局  はい,知っている方の率が前年度と比べて悪くなっている。 ○委員  担当としては,原因はどんなものがあると思うか。 ○事務局  原因は複数あると考えていて,1つ目が,令和元年7月に施行したときからの時間の経過があること。2つ目が,市の条例は令和元年7月なのだけれども,その後に東京都が受動喫煙防止条例をつくり,こちらが非常に話題になって,飲食店でもたばこが吸えなくなったりしたというところが非常に大きかったので,それと交ざってしまっているような状況があると思う。  特に20代の回答の中で条例を知っているという方が少なくなっており,ただ,20代はたばこを吸わない方が多い世代なので,たばこを吸わない方が増えた分,たばこの条例について興味がない,吸わない方は関係ないということで,たばこを吸わない方が増えた分,条例の認知度が下がってしまっているというところが推測できると思う。 ○委員  大事な条例ですので,引き続き周知啓発に努めてもらいたいと思う。 ○事務局  (5)調布市健康づくり始める会の支援について。  調布市民健康づくり始める会は,第1次の調布市民健康づくりプランをきっかけに発足した会。平成18年度発足から今年で17年目。会員数は,昨年度末,令和4年3月31日時点で271人,うち男性が77人,女性が194人。会員数は,イベントを全て中止した令和2年度末より100人余り減少している。また,会員の平均年齢は77.8歳。新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため,約2年間のイベントを中止していたことで,会員登録の機会が減少し,会員数が減少したと推察している。  令和3年10月に会員限定でウォーキングイベントを再開した。このときは,久しぶりのウォーキングイベントで,皆様,疲れた様子を見せる会員の方もいたが,それぞれ皆さんの笑顔も見られ,再開を心待ちにしていたことがうかがえた。  その後も,新型コロナウイルス感染症の感染拡大や気象条件によってウォーキングイベントを中止する日程もあったが,令和4年度からは,運動部会のほか,こころの健康づくり部会や,歯と口腔の健康づくり部会の活動も再開している。久しぶりの再会に喜ぶ姿や,活動を楽しんでいる様子から,コロナ禍での人との交流の機会を継続していくことが,高齢者世代にとっても重要であると再認識している。会員の多くは御高齢のため,コロナ禍で外出できなかったことによる脚力や筋力低下など,影響はとても大きいと感じた。  今後も社会活動の参加機会をできるだけ確保できるよう,引き続き会員の皆さんと協議しながら進めていく予定。また,運営スタッフの高齢化が活動を継続する課題となっているが,会長は20周年まで始める会の活動を希望しており,安全に活動が持続できるよう,また継続して運営スタッフの育成について,会員と協議しながら模索していきたいと考えている。 ○事務局  (6)調布市国民健康保険の保健事業について。  まず初めに,特定健診・特定保健指導について。令和3年度は,新型コロナウイルス感染症対策を行い,個別健診,集団健診とも予定どおりに実施した。新型コロナウイルス感染症による影響を受けた令和2年度と比べると,実績値では4.1%の増加が見られた。  また,市では,独自の取組として,ほかの健診を受診された方に健診結果提供の協力を呼びかけている。表では,その他と記載されている部分。提供いただけた方は,健診受診者とみなし,受診率の上昇にも寄与している。  また,受診率の向上を図るため,令和3年度までは対象となる方へ電話による受診勧奨を実施していたが,今年度から勧奨方法を圧着はがきでの全受診対象者への通知に変更した。この効果等については,今後検証していきたいと思っているが,はがきを見た方からの電話の問合せや予約希望の訴え等もあるので,一定の効果は感じている。  今後も引き続き医師会の先生方にも御協力をいただきながら,コロナ禍でも安心して健診を受診していただける体制づくりに努めて,受診率の向上に注力していきたいと思う。  続いて,特定保健指導。事業利用者数は令和2年度と比べ微増はしているが,対象者自体の増加があり,利用率としては0.1%の減少が見られる。  また,こちらを希望されなかった方の理由として,電話での聞き取り等を行った際,健診は年に1回の健康状態の確認の機会,権利として希望される方が多い印象だが,保健指導に関しては,時間がないですとか,自覚症状がなく困っていない,必要性を感じていないといった声が聞かれている。この方たちに,どのように働きかけていくと行動変容につながるのか,引き続き今後の勧奨方法を模索していきたいと思っている。  なお,調布市では,65歳以下の保健指導未利用者に関しましては,御自身で歩数や体重を記録していただける冊子と万歩計をプレゼントするという,自分でチャレンジという事業を行っている。  また,特定健診の結果返却で説明を受ける際に,先生方から特定保健指導の利用をお勧めされた方は,利用への意識やモチベーションが高い印象があるので,引き続き対象となる方へぜひ利用勧奨を行っていただけるように,医師会の方々とも連携を図りながら事業を進めていきたいと思う。  また,データヘルス計画と同時期に策定予定の第4期の特定健診・特定保健指導の実施計画の改定では,従来のプロセス評価からアウトカム評価を基本としていくというような方針が示されているので,今後,事業運営につきましても国の手引や今後示される目標値等を参考にしながら進めていきたいと思う。  続きまして,国保ヘルスアップ事業について。  データヘルス計画の位置づけとしては,記載のとおり。調布市の基本計画に基づき,生活習慣病の重症化による合併症の予防に重点を置いた保健事業に取り組んでいる。今年度は,令和5年度に向けて,次期計画策定に向けた準備を今後進めていく予定。  糖尿病重症化予防事業について。健診結果と糖尿病のレセプト及び受診歴がある方から対象者の方を抽出し,対象となる方へ事業案内のプログラムを送付している。効果的な指導が行えるよう,主治医の先生方と受診の状況や検査値,また内服状況を共有させていただきながら,連携を図り,プログラムに参加していただくように努めている。支援期間としては半年間。  近年は,事業開始からのプログラムの参加希望者が減少傾向にあったため,今年度,利用者の増加を図るために,幾つかの変更を行った。具体的な内容として,1つ目は,委託先の変更に伴い案内文書のデザインを一新したこと,2つ目としては,案内文書の送付枚数を削減したこと,3つ目としては,対象者の抽出基準の見直しを図ったこと,4つ目としては,医師会の担当の先生に御協力をいたただき,事業開始前に医師会の先生方宛てに協力依頼文書を作成していただき,事前に事業の周知啓発を行ったこと。この結果,令和4年度は20名の方に申込みをいただき,参加希望者の大幅な増加につながった。  参加者の方の経過を見ていくと,生活習慣の改善の取組の後押しをこのプログラムによって行うことができ,行動変容も実際見られている。また,長期的視点としては,健康寿命の延伸や医療費削減の面からも意義があるプログラムとなるので,今後も医師会の先生方とも相談させていただきながら,プログラム,事業の進め方について検討を重ねていきたいと思う。  また,糖尿病のレセプトがあり,過去1年間に歯科のレセプトがない被保険者の方に関して,歯周病が糖尿病の合併症であることの啓発と,健康推進課で実施している申込み制の歯周病検診の周知のリーフレットと検診案内のチラシを送付している。糖尿病と歯周病の関係の啓発についても,重要な健康課題の1つだと考えているので,今後もどのようにしたらより広く周知を行っていけるかということを引き続き検討しながら,進めていきたい。  3番の受療勧奨について。目的,概要については記載のとおり。  各検査項目の抽出基準に関しては,厚生労働省の標準的な健診・保健指導プログラムや人間ドック学会の基準値を基に,医師会の担当の先生と相談し決定している。  該当する方へ送付している案内は,資料の下段に掲載している内容。過去3年分のデータの数値と併せて,該当年度の検診結果の数値をグラフ化し,受診レベルにある人には色つきで表記をしている。さらに,送付対象者の中で受診の優先順位の高い方に関しては,通知後に看護職より電話勧奨で現状の確認,受診勧奨及び保健指導を実施しております。その後,数か月後に受診したかどうかのレセプトの確認を行い,効果の測定をしている。表に受診率を記載している。  令和2年度は,新型コロナウイルスの影響による外出や受診控えの傾向が保健事業全体に見られたが,令和3年度は実際に受診につながった方の受診率が3月,8月ともに増加しており,通知や電話勧奨の効果を感じている。健診は受診して終わりとならないように,今後も必要な方への受診勧奨を継続して進めていきたい。  続いて,令和元年度より慢性腎臓病(CKD)の該当者の方に関して,CKDとはという説明と受診の必要性を記載したリーフレットを送付している。こちらも送付対象者の方より電話での問合せが来たり,その後の受診につながったというようなレセプトの結果もあるので,こちらのほうも続けて経過を見ていきたい。  (4)薬剤併用禁忌回避予防啓発事業について。概要としては,記載のとおり,例年一定期間のレセプトから,併用して服用すると重篤な副作用が出現する可能性がある併用禁忌・回避とされている薬剤を抽出し,その結果を各医師会の先生方に情報提供して共有している。その後,先生方に御検討いただいて,各会の皆様や医療機関等に周知啓発文書を送付したり,情報共有を図っている。  令和3年度は,該当者,併用禁忌が2人,2組。また,併用回避は66名,102組いらっしゃった。特に医師会等に加入されていない医療機関,薬剤薬局については,当課から直接情報提供等を行っている。  また,4月,10月をお薬手帳活用周知月間としまして,各医療機関にポスター掲示や声かけに協力をいただいている。今後も引き続きこちらの啓発につきましては活動を続けてPRしていきたいと思っている。  医療費分析につきましては,記載のとおりです。  令和5年度は,令和6年度から実施となります第3期のデータヘルス計画の策定に向けて,国の動向等を踏まえながら準備を進めていく予定。その際,三師会の先生方をはじめとして,各課の皆様にもいろいろと御協力いただくこともあるので,どうぞよろしくお願いいたします。  最後に,新型コロナウイルスの影響への対応。こちらは,昨年度から特定保健指導と糖尿病重症化予防での面接において,ICTの活用を開始した。希望の方には対面形式だった面接をオンラインでも選択できるようにして,事業を展開している。今年度は特定保健指導でも糖尿病の重症化予防でも数名ずつこちらを希望される方がいらっしゃったので,今後,利用後のアンケート等で感想等を確認していきたいと思う。 <質疑応答> ○委員  特定保健指導は委託した業者さんがやっているのか。 ○事務局  保健指導に関しては,事業のほうに委託している。 ○委員  業者さんというのは,数はそんなにないのか。 ○事務局  あまりないので,今までだと,例年,交互に,事業者が2社ほどで行っていたというような状況。 ○委員  具体的には何社ぐらいの応募で決めているのか。 ○事務局  今まで多くされていたところは2社ほど。 ○委員  それは選定の際に,どういう指導をするか内容とかも吟味して決めているのか。それとも,予算の関係みたいなのが重視されて。 ○事務局  契約については,その年その年,単年度で競争入札をしており,それで価格の安いほうが落としているということなので,その年により内容はそれぞれ変わっているが,その年に落とす業者が変わってきているというような状況。 ○事務局  特定保健指導については,多くのところが委託で行っているが,調布市では直営というのも委託以外に行っていて,値が著しくよろしくない方の指導は,市の職員が担当して直接指導という形で行っている。 ○委員  どういう指導をしているかという内容も大事かなと思って,ちょっとお聞きしたのですが,今度さっきおっしゃったアウトカム評価が入ってくるので,時間をやればというより,多分成果ですよね。ただ,あまり請け負うような業者さんがいないと,競争も起こりにくいので,内容も画一的になりやすいのかもしれない。その辺も受診率が上がらない原因の1つなのかもしれない。ありがとうございました。 ○委員  特定保健指導,一言で言うと,成果はあまりないというのが全国の専門家分野の共通理解。実はこの研究を私はずっと長年やってきたが,生活習慣が好ましい人は長生きするという研究はもちろんあって,私の研究もそういう研究なのだけれども,よく調べてみて分かったのは,生活習慣が好ましい人は,収入と学歴のある人。  だから,生活習慣が好ましくなれるような人が長生きしたのであって,生活習慣が長生きにつながったわけではない。そこをぜひみんなにも理解してもらって,やはりたばこを吸わざるを得なくなったとか,体重を上手にコントロールできなくて,自己効力感だと様々な要因がほぼ小・中学校時代に多分出来上がってくるのだろうと思う。だから,たばこを吸わなくても済むというのは,基本的に夢があって,前向きに生きる子どもにちゃんと育ってもらわないと,結局,たばこに手を出して,犯罪に手を出すのと同じなので,やはり自己効力感というか,前向きに豊かに,夢を持って生きる,そういう子どもたちをしっかり構築するほうが,私は早道だろうと思う。  ただ,めちゃくちゃな生活習慣とか喫煙,体重もそうだけれども,そうなった人を悪者にしないで,なぜそうなったかを考えると,やはりそれは被害者の1人だと捉えていただいて,そこに丁寧なサポートが必要なことは確かで,私もそんなサポートをしているけれども,本当に難しい。やはりたばこをやめること1つだって大変なのだけれども,体重をコントロールするなんて簡単ではなくて,だから,これは事実上,失敗しているというのが私の見方。  だから,これに精力を注ぐよりは,多分,子どもたちが同様な生活習慣病予備軍が家庭で育っているだろうと推測されるから,場合によっては,その家族とか子どもとかも含めたサポートをぜひやってもらえないかなというのが本音。 ○部会長  医療費の分析だが,医科レセプトにおける歯周病疾患の有無による患者1人当たりの医療費の分析というのは,どのようになっているか教えていただければ。 ○事務局  医療費の分析に関しては,すみません,本日お持ちしている資料が疾患のものになっていて,歯周病疾患のレセプトの部分に関しまして今手持ちで持参していないので,またこちらで確認しまして,後日報告させていただけたら。 ○部会長  自分で持っているのは東京都のデータだが,この2つの疾患に関しては,歯科のレセプトが入っているのと入っていないのでは医療費が全然違っているので,その辺,調布の状況を教えていただければと思い質問した。 ○事務局  (7)高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について  事業目的・概要だが,主に75歳以上の東京都後期高齢者医療広域連合被保険者を対象に,健康寿命の延伸,生活の質の向上を目的として広域連合から市が受託し,国の交付金交付基準に従った方法で保健事業と介護予防を一定的に実施するものであり,保険年金課が関係機関との調整やデータ分析に基づく健康課題の把握等の企画調整を行い,高齢者支援室が具体的な支援を実施するもの。  関連する計画としては,広域連合高齢者保健事業実施計画と,調布市高齢者総合計画。  東京都高齢者医療広域連合から受託事業として実施しているが,保険年金課だけで完結する事業ではない点がほかの事業とは異なる点。  従来から健康推進課が市民に行っている健康教育,健康相談,保険年金課,国民健康保険の特定健診やヘルスアップ事業などの保健事業と,高齢者支援室が行っている介護保健と介護予防事業を加え,東京都広域連合が75歳以上の方の保険者として実施している保健事業やフレイル予防などの一部を市に委託し,各自治体が必要な支援を実施するようにということになっている。  保険年金課が庁内連携のため一体実施推進連絡会の事務局となり,庁内の情報共有や意見交換,委託を受ける事業の内容を検討している。また,国保データベースシステムなどを活用した調布市の地域の健康課題の分析内容を,各課の事業計画等の参考にもしていただいているところです。実際の高齢者への支援は高齢者支援室が主に担い,家庭訪問等の個別的支援や自主グループ活動をなさっている通いの場への支援を実施している。  まず,個別的支援について。今年度は,後期高齢者医療制度に御加入かつ81から85歳のうち,健診,医療,介護を4年間利用していない健康状態が不明な方に家庭訪問し,質問票や血圧測定,健康相談などを通して状況の把握,そして必要な医療や介護等のサービスへつなげることを念頭に行っている。  後期高齢者健診の受診勧奨をタイムリーに行うため,受診期間に合わせて訪問できるよう対象者を年4回抽出している。  9月末現在,4月から9月生まれまでの13人が終了している。うち1人は訪問時に血圧が高く,1人での受診に不安を感じていらしたため,御家庭にも状況をお伝えし,医療機関へ付き添っていただけることになった。その後,健診を受診し,現在は内服治療を開始されている。  一方で,家庭訪問で健診や受診勧奨を行ったものの,その後,受診されず,2か月後に御自宅で突然死をなさった方もいらっしゃった。  今年度は,80代前半にもかかわらず,歯がない,少なくても放置している方が比較的多く,その方々は友人との交流が少ない印象。また,血圧の正常値が分からず,血圧が180の100などでも治療の必要はない,普通だと考えていると話す方も複数人いた。お若いうちから歯を失うことの影響や定期的な歯科受診の必要性,血圧をはじめ健診結果の受け止め方について,さらにお知らせしていく必要があると感じた。こちらについては,健康推進課や国民健康保険の担当部署と連絡会等で共有する予定。  続きまして,通いの場への積極的支援。去年度と同じ,後期高齢者医療制度御加入の75歳以上の方も参加している10の筋力トレーニングを行っている自主グループに加え,ひだまりサロンの圏域ごと1か所ずつ追加し,年間16か所に拡大して実施中。8月,9月の新型コロナ流行期にはキャンセルや申込みが一時止まったが,10月末現在,10か所に回った。  昨年度の分析で得た各圏域の健康課題を含めながら,フレイルやその予防についての講話,お口のフレイルの予防体操の実技,高齢者の質問票を用いた個別相談などを通し,健診や治療の継続,生活習慣病のコントロールを続けること,運動,栄養,お口の健康,社会とのつながりについてお伝えしている。各グループからいただける時間や参加人数も毎回異なり,その都度,プログラムを組み立てて実施している。  実施した健康相談,質問票の結果,運動機能の衰えのリスクが高い方が一番多く,次に,御自身の健康感や心の健康感について満足ではない方が多く見られた。反面,グループ活動されている方々なので,社会参加の衰えのリスクがある方はいなかった。引き続き,比較的お元気な方々にフレイル予防の普及啓発も実施していく。  最後に,この事業には庁内だけでなく,関係機関の皆様にも保健事業,介護予防事業に御協力,御理解いただき,ありがとうございます。 <質疑応答> ○部会長  ハイリスクの方へのアプローチに関して,どういう方がハイリスクなのかというスクリーニングはされているのか。 ○事務局  ハイリスクのアプローチというものも,国の基準では,健康状態が不明者という方があり,そのところで健診を受けていなくて,医療を受けていなくて,介護サービスも使っていないという,市が電話番号もよく分からないような方のところにお手紙をお出しして訪問しているので,待っていてくださる方もいらっしゃれば,お手紙が届いたことも忘れている方や,いいから帰ってくれ,お断りしますという方も,いろいろいらっしゃる。 ○部会長  そのハイリスクの方が本当に心配な方たちだなというイメージがあったので,調布では結構多いのか。 ○事務局  一般的な人数かと思うが,後期高齢者は基本的には96%ぐらいは何らかの医療機関に受診されているし,さらに介護と健診を受けていない方になるので,人数としてはそれほど多い数ではないと思う。 ○委員  認知機能が低下することもあるし,あと,80代前半ぐらいまでは,毎年健診を受けても,85を超えると,もういいやみたいな感じで受けなくなる人も結構いる。 ○事務局  受診率としても,実際に施設などに入っている方も被保険者としてはいるので,健診は受けないけれども,施設にいるところで毎月お医者さんが来て,診察を受けている方もいると思う。 ○委員  認知症検診も始ま,その辺も一緒に見ていければいいと思う。 ○部会長  調布はまだ高齢化がちょっと低いが,今後,超高齢化社会に向けて大変重要な事業だと思うので,よろしくお願いします。 ○部会長  この協議会に関しては,市民の方も参加していないし,専門職とか職域の方が出ていて,やはりデータ分析というのが非常に大事だと思う。データがあって,分析,協議と出てくるので,詳しいデータがあると分かりやすいと思う。 ○事務局  今後の協議会の日程につきまして,第2回全体会を年明け,令和5年3月20日月曜日に行いたい                                  ――了―― - 26 -