○事務局(中村係長)  本日は御多忙の中,御出席を賜りまして,誠にありがとうございます。本日,司会を務めます都市計画課開発景観係長の中村でございます。どうぞよろしくお願いします。  初めに,本日の景観審議会の進め方を御説明いたします。  まず,委嘱式を行います。調布市景観条例第25条第1項第1号に掲げる市民委員が5月31日に任期満了となりましたので,新たに2名委嘱いたします。また,第2号に掲げる学識経験者と第3号に掲げる関係団体が推薦する委員が同じく5月31日に任期満了となりましたが,引き続き委嘱いたします。それぞれ6月1日から2年間の任期となります。  続きまして,同条例第27条第1項及び第2項の規定により,審議会委員の皆様の互選により会長を選出していただきまして,その後,会長から副会長を指名していただきます。その後,案件を報告させていただく流れとなりますので,どうぞよろしくお願いします。  それでは,これより委嘱式を行います。  幸道玲子様,吉田和義様,後藤春彦様,椎原晶子様,石川初様,杉山朗子様,上林典子様,秋沢淳雄様,菅原大輔様,藤山三冬様,10名の方に副市長の田中から委嘱状をお渡しします。  なお,菅原様におかれましては,御都合により欠席の御連絡をいただいておりますので,後日お渡しいたします。  ただいまから,お名前を順番にお呼びいたしますので,大変恐縮ですが,自席で御起立をお願いいたします。      (委嘱状授与) ○事務局(中村係長)  どうもありがとうございました。  なお,調布市景観条例第31条に定める専門部会の委員につきましては3名の方,石川委員,杉山委員,上林委員でございます。委嘱状につきましては,机上配付しておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,副市長の田中から開会の御挨拶を申し上げます。 ○田中副市長  皆様,おはようございます。副市長の田中でございます。  本日はお忙しい中,令和5年度第1回調布市景観審議会に御出席を賜りまして,誠にありがとうございます。本来であれば,市長の長友が出席いたしまして委嘱状をお渡しし,御挨拶申し上げるところでございますが,あいにく出席がかないませんでしたので,私から御挨拶させていただきます。  まず,皆様には,日頃より調布のまちづくりに格別の御理解,御協力を賜りまして厚く御礼を申し上げます。また,大変御多忙の中,このたび,この景観審議会の委員をお引き受けくださいましたことに深く感謝を申し上げます。  委員の皆様には市の景観施策につきまして,とりわけ今期は,景観計画の改定に向け,2年の間,様々なテーマ,課題について御審議をいただく重要な役割を担っていただくこととなります。引き続き,多角的な視点から活発な御意見を賜りますようお願い申し上げます。  さて,平成24年8月に京王線の地下化が実現して以降,中心市街地である調布,布田,国領の3駅の周辺整備が進みまして,最も期間を要しております調布駅周辺の整備も現在,あと少しで完了する段階に来ております。  こうしたまちづくりの進展を踏まえまして,市ではこの9月に,調布市都市計画マスタープランを改定いたしました。新たなマスタープランでは,「住み続けたい緑につつまれるまち調布」の実現に向けて,市全体のまちづくりにおける基本的な方針とともに,7つの分野別の方針と施策を示しておりまして,その1つとして,景観分野を位置づけているところでございます。  こうしたまちづくりの構想につながる景観施策の実現に向けまして,委員の皆様方におかれましては,実践的な視点や専門的な見地から御卓見をいただきますようお願い申し上げまして,令和5年度第1回調布市景観審議会の開催に当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  続きまして,委員となられました方々を御紹介いたします。お名前を申し上げますので,順番に一言御挨拶をお願いいたします。  初めに,景観条例第25条第1項第1号委員になられました幸道玲子様,よろしくお願いいたします。 ○幸道委員  幸道玲子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  景観審議委員は今回3期目となります。今までの経験を生かして,何か調布に具体的な形で反映できる提案をしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○事務局(中村係長)  同じく第1号委員になられました吉田和義委員,よろしくお願いいたします。 ○吉田委員  皆さん,おはようございます。このたび,新しく委員を引き受けさせていただくことになりました吉田和義と申します。  市内に平成26年から住んでおりまして,このたび,委員になりましたので,調布市の景観がより良くなるように尽力できればと思っているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。続きまして,第2号の学識経験者委員になられました後藤春彦委員,よろしくお願いいたします。 ○後藤委員  おはようございます。ただいま御紹介いただきました後藤でございます。  調布の景観行政に関しましては,今,皆さんのお手元にある調布市景観計画,これが景観法に基づいて調布市が景観行政団体になる際につくられたものですが,これの1つ手前の景観基本計画策定からお付き合いさせていただいております。今,調べましたら,2012年4月が景観基本計画でしたので,そのまた2年ぐらい前から皆さんと御一緒に計画づくりに参加させていただきました。  調布市の景観行政の特徴は,民度が非常に高いなと感じております。それは傍聴の市民の方の数も,他の市や区に比べて非常に盛んでして,その辺りが我々のモチベーションを支えてくれているのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。同じく第2号委員になられました椎原晶子委員,よろしくお願いします。 ○椎原委員  今期もお世話になります椎原晶子でございます。  後藤先生と御一緒に景観基本計画の策定のところから御縁をいただきまして,調布市の景観づくりを一緒に歩ませていただいてまいりました。たくさんの市民の方がそれぞれの緑地や駅前や自分の住宅地の景観づくり,まちづくりに本当に親身に取り組んでおられることを実感してまいりました。景観計画ができましてからも,着実に様々なガイドライン,あるいは調布市の駅前の整備の計画等を進めてこられまして,景観計画でできることを着実に積み上げてこられたと思います。  都市計画マスタープランができましたし,調布市全体の計画の中で,景観が形のことだけにとどまらず,これからもまちの人の暮らしですとか,まちへの愛着とかを柔軟につなぐような,潤滑油のような形で住みやすい,緑の多い調布を市民の方々,事業者の方々,市の方と一緒に進めるお手伝いができればと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。同じく第2号委員の石川初委員,よろしくお願いいたします。 ○石川委員  石川初です。よろしくお願いいたします。  私は,母方の祖父母が京王多摩川で,父方の祖父母が調布ケ丘に住んでおりました。もう亡くなったのですけれども。  私自身は,両親の仕事の関係で京都に生まれ育ったのですけれども,結婚とともに調布に戻ってきまして,長男が今年成人しましたので,調布市民を1人,ゼロから選挙権を得るまでに育てました。  学識経験者という名前でお手伝いしているのですけれども,調布市民の1人としても,この仕事に関わることはとても嬉しく,かつ,ちゃんとやらなければいけないなと思っております。よろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。同じく第2号委員の杉山朗子委員,よろしくお願いいたします ○杉山委員  杉山朗子と申します。よろしくお願いいたします。  私は,色彩の研究をやってまいりました。実は,大学は心理学をやりまして,人が何を考えているの,何でこんなことを考えているのというのをやりまして,たたき上げで色の調査をするという形から景観に携わるようになりました。  私も景観基本計画の策定の頃からお手伝いさせていただいているわけですけれども,色というのは,建物の色を考えるということではないのです。ここの景観計画の「ほっとする暮らし」,では,そのための色デザインは,実はキーワードとかテーマのワードだとか皆さんのお考えを具体化するというのが色やデザインなのです。そのようなことを今後もお手伝いしたいし,こういうすばらしいキーワードをテーマに掲げているということを皆さん忘れずに誇りに思っていただきたい。  今回もお呼びいただいたので,さらにその気持ちを強くしております。ぜひ人と自然,先ほど皆さんがおっしゃったように,市民の方々も非常に参加していただいてやってきた審議会だと思っております。皆さんいろいろな力を合わせて,さらにすてきな良いまちにと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。同じく第2号委員の上林典子委員,よろしくお願いいたします。 ○上林委員  上林でございます。よろしくお願いいたします。  私は,地方自治体の訴訟代理人としてふだん活動することが多いのですけれども,都市づくりであるとか,景観ですとか,建築審査会など,行政の委員会の委員にも携わらせていただいております。  調布市は,景観行政団体として,都の中でもかなり早い,記憶だと世田谷区に次ぐ2番目か3番目ぐらいで景観行政団体になられていて,都の中でも景観について先進的に指導されている行政団体だと感じておりますし,先ほど後藤委員がおっしゃっておられましたけれども,民度が非常に高く,市民全体で調布市を良いまちにしようという動きが活発な行政団体だと思っておりますので,私も法的な見地から尽力させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。続きまして,第3号の団体推薦委員になられました秋沢淳雄委員,よろしくお願いいたします。 ○秋沢委員  おはようございます。秋沢淳雄でございます。  私は,調布商工会から推薦と言ったらいいのか,現在,商工会では副会長と商業部会長を役としていただいております。仕事は,地元の布田で米の専門店ということで,商工会でも市民の皆さんが買い物しやすい,暮らしやすい,何とかそんなまちになれるようにということで活動しているのですけれども,今回,景観審議会ということで委員を拝命して,市民の皆さんが調布で暮らしていて良かったなと少しでも思えるように,微力ではありますが,努力してまいりたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。同じく第3号委員の藤山三冬委員,よろしくお願いいたします。 ○藤山委員  NPO法人調布まちづくりの会より参加させていただいております藤山三冬と申します。  調布まちづくりの会は,1998年に策定された都市計画マスタープランを作成するに当たって集った市民を中心にできた会でして,それから25年たちますけれども,その当時より調布のまちづくりについてずっと議論もし,活動もし,その変貌を見てまいりました。開発が進んだ,特に地下化が進んだことでものすごく変貌した調布駅,それから国領・布田駅周辺の姿を目の当たりにして,開発の力のインパクトを強く感じるところですけれども,これを良い方向に維持,コントロールしていくことが景観行政の大事な役割だろうと思っていますので,市民の視点で御提案をさせていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございました。  なお,東京都建築士事務所協会推薦の菅原大輔委員につきましては,本日は欠席となっております。菅原委員は,調布市富士見町にSUGAWARADAISUKE建築事務所や,リビングカフェFUJIMI LOUNGEを主宰されています。また,東京電機大学未来科学部建築学科地域建築デザイン研究室の准教授や,山梨県,港区,渋谷区で景観アドバイザーも務められております。  以上で御紹介を終わります。  なお,ここで副市長の田中におきましては,公務のため退席となります。 ○田中副市長  よろしくお願いします。 ○事務局(中村係長)  それでは,進めてまいりたいと思います。  まず,会長職の選出でございますが,調布市景観条例第27条第2項に基づき,委員の皆様の互選にて会長を選出していただきます。皆様,いかがでしょうか。 ○石川委員  引き続き,後藤先生に会長をお願いすることを御提案いたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございます。ただいま後藤委員を会長にというお声が上がりましたが,後藤委員にお願いしてもよろしいでしょうか。      (「異議なし」の声あり)  後藤委員,よろしいでしょうか。 ○後藤委員  謹んでお受けいたします。よろしくお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございます。それでは,後藤委員,お手数ですが,会長席にお移りいただけますでしょうか。  続いて,後藤会長に就任の御挨拶と,調布市景観条例第27条第4項に基づき,副会長を指名していただきます。後藤会長,よろしくお願いいたします。 ○後藤会長  御指名いただきました後藤でございます。先ほども御挨拶いたしましたように,調布市の景観行政に関しては長くお付き合いさせていただいておりますが,私自身,非常に学ばせていただく重要な場となっております。特に,多くの皆さんから忌憚のない御意見をいただいて,ここでディスカッションしていくことが,実は景観がより良いものになっていく重要な手がかりだと思いますので,私自身は会長というよりも,皆さんの意見をぜひお出しいただけるようなファシリテーターの役目を担えればと思っております。ぜひ御協力のほど,よろしくお願い申し上げます。  それから,副会長でございますが,調布市景観条例第27条第4項に基づき指名させていただきたいと思います。これまでもお願いしてまいりました椎原委員にお願いしたいと思いますが,委員の皆様,椎原委員を副会長にお願いするということでいかがでしょうか。      (「異議なし」の声あり)  ありがとうございます。  それでは,マイクを事務局にお戻しします。 ○事務局(中村係長)  ありがとうございます。それでは,椎原委員,お手数ですが,副会長席へ御移動をお願いいたします。お手数ですが,石川委員,杉山委員,右側の席に御移動をお願いいたします。  続きまして,出席職員の御紹介をいたします。都市整備部部長の渡辺でございます。  都市整備部外環交通担当部長兼参事の代田でございます。  都市整備部次長兼都市計画課長の永井でございます。  都市整備部副参事兼都市計画担当課長の坂本でございます。  都市計画課主幹兼課長補佐の星野でございます。  都市計画課市街地整備担当課長の菊地でございます。  都市計画課市街地整備担当副主幹の東海林でございます。  都市計画課都市計画担当係長の町田でございます。  都市計画課開発景観係主査の加藤ございます。  都市計画課開発景観係の白井でございます。  都市計画課開発景観係の鈴木でございます。  都市計画課開発景観係の小島でございます。  また,この調布市景観審議会の運営に当たりまして,民間コンサルタントの御協力をお願いしております。株式会社アーバンデザインコンサルタント・伊禮でございます。  それでは,これより次第に沿って進行してまいります。初めに資料の確認をお願いします。本日,机上に配付しました資料でございますが,委員名簿,席次表,その後ろにパワーポイントの資料がございます。そのほか,机上資料といたしましては,調布市景観計画,調布市都市計画マスタープランを配架しております。  資料はお手元におそろいでしょうか。よろしいでしょうか。――それでは,後藤会長,よろしくお願いいたします。 ○後藤会長  それでは,令和5年度第1回調布市景観審議会を開催したいと思います。  実は,令和4年度の最後の審議会を私,不覚にも骨折してしまって参加できなくて,皆様に大変御迷惑をおかけしたことをおわびいたしたいと思います。  それでは,本日の定足数につきまして事務局より御報告をお願いいたします。 ○事務局(中村係長)  本日は,欠席が1名,出席が9名ですので,調布市景観条例第29条に規定されております定足数に達しております。  以上です。 ○後藤会長  定足数に達しているということでございますので,審議会を進めてまいりたいと思います。  審議会に先立ちまして,本日の審議会について調布市景観条例施行規則第37条に基づき非公開とすべきかをお諮りしたいと思います。本日の内容は別紙次第のとおりでございます。非公開とする理由が特段ないと思われますが,公開とするということに御異議ございませんでしょうか。    (「異議なし」の声あり)  ありがとうございます。  また,本日の傍聴者の定員でございますが,開催会場の広さを考慮して10人と定めさせていただきました。  本日の当審議会について公開とし,傍聴希望者の入場を承認したいと思います。傍聴希望者につきまして,事務局より御報告いただきたいと思います。 ○事務局(中村係長)  傍聴希望者が1名おります。 ○後藤会長  それでは,傍聴希望者1名の入場をお願いいたします。よろしくどうぞ。      (傍聴者入場)  審議会に先立ちまして,傍聴者の方に申し上げます。当審議会の傍聴に当たりまして,お手元の次第に記載されています「令和5年度第1回景観審議会の傍聴を希望される皆様へ」に記載されております事項をお守りくださいますようお願いいたします。  また,審議途中で新たに傍聴の希望者がある場合は,随時傍聴を認めますので,委員の皆様は御承知おきください。  それでは,審議会を再開したいと思います。本日は,会場の都合で11時45分をめどに進行してまいりたいと思います。議事の進行等につきまして御協力をお願いいたします。  では,議事1,景観計画の運用状況について,事務局より御説明をお願いいたします。 ○加藤説明員  では,景観計画の運用状況について御説明いたします。 (パワーポイント)  お手元のパワーポイント,もしくは正面のスライドを見ていただければと思います。  景観法に基づく届出状況ですが,この届出は,調布市景観計画にのっとり,国分寺崖線景観形成重点地区では,高さが10m以上,または延べ面積500u以上の建築物の新築等の行為,また,開発区域の面積が500u以上の開発行為について届出を出していただいております。  そのほかの地域で4つの景観形成推進地区,そのほかに一般地域については,高さ20m以上,または延べ床面積3,000u以上の建築物の新築等の行為及び開発区域の面積が3,000u以上の開発行為等についての届出を求めているものの集計になります。  令和4年度は,国分寺崖線景観形成重点地区の届出が一番多く14件,うちマンション等の大規模修繕が8件となっています。  また,一般地域の届出が9件,こちらは主に集合住宅の新築が4件と商業施設が1件となっております。 (パワーポイント)  令和5年度に入りまして,4月から9月までの集計になります。令和5年度については,国分寺崖線景観形成重点地区と道の景観形成推進地区の届出がそれぞれ5件となっています。道の景観形成推進地区の新築行為についての3件は,全て集合住宅の新築となっております。 (パワーポイント)  こちらは,平成26年度から昨年,令和4年度までの届出件数をまとめたものです。右側に計が書いてありますが,平成26年の30件から始まっておりまして,平成26年から平成30年度までは30件から40件の届出がございました。令和元年以降は25件前後で推移しているのが現在の状況でございます。 (パワーポイント)  続きまして,景観まちづくり市民検討会活動について御報告いたします。  令和元年度から4年度まで,市民検討会におきましては,駅の景観を全体テーマに置きながら,景観計画の改定に伴う課題探しや市内9駅の特性の掲出など,調査検討を行ってまいりました。  昨年の10月には,前年令和3年度に実施した市内9駅の魅力について取りまとめた内容の発表と検討会メンバーの発見した意図の確認について行いました。  その後,今年の1月に慶應義塾大学大学院石川研究室の学生に,来街者,市外の方の視点で「中心拠点のまちなみ」についての調査発表を行っていただき,この3月に中心拠点のまちなみの調査研究のまとめを行い,石川先生から総括をいただきました。 (パワーポイント)  また,会の活動記録として,ちょうふ景観だより58号から60号を発行しています。前回の審議会の際にも御報告させていただきましたが,58号の表紙に書いてあります,市民検討会のメンバーがいろいろ調査した中で抽出したテーマとして,「見下ろす」「空と夕日」「人がつくる」,この3つのテーマは,今後の景観計画改定に向けた検討においても,市民検討会からいただいた調布市の景観のポイントになるすてきな課題になるのではと感じています。  石川先生,市民検討会について何か補足があればお話しいただけますでしょうか。 ○石川委員  「見下ろす」,それから「空と夕日」「人がつくる」という切り口で,改めて調布の駅の周辺の景観を再発見するといいますか,学生のフィールドワークの成果として発表したのですけれども,その前の市民検討会で,市民の皆さんから出たキーワードだったのです。そこが今回はとてもうまく連携ができたと思います。学生がただ興味本意で見て回ってしまうと,観光客視点や,ちょっと面白いところみたいな感じで,生活の実感から乖離してしまう傾向があり,一方で,市民の皆さんは日常を御覧になっているので,改めて調布を見直すという機会もそれほどないし,もう少し機能的な関心が高いことが多いのですけれども,それが何かうまく連携できて,景観の魅力の発見のやり方としてはなかなか面白いやり方ができたなと思っております。  この方法をうまく取り入れて,今後,駅前だけではなくて,調布の様々な場所での景観の再発見につなげていけると面白いのではないかと思っています。  以上です。 ○加藤説明員  ありがとうございます。  石川先生をはじめ,景観審議会のメンバーの方にも市民検討会に御参加いただいていまして,今お話しいただいた「見下ろす」の写真は,たしか幸道委員が撮られた写真だったと思います。様々な形での市民の御意見をいただいて,市民検討会,景観だよりといったものを作らせていただいております。 (パワーポイント)  今年度,令和5年度の市民検討会の活動につきましては,令和元年から行ってまいりました駅の景観に関しての調査検討の資料や写真がたくさんございまして,こちらの調査データ等をまとめて1冊の冊子を作成したいと考えております。  また,年明けの1回を,この景観計画に見直しに向けて,検討会メンバーでもお話し,検討いただければといったところに充てたいと考えております。  説明は以上です。 ○後藤会長  ありがとうございました。  景観計画の運用状況についてということで,スライド1から8まで使って御説明いただきました。何か御質問,御意見があればいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。特にございませんか。  「見下ろす」「人がつくる」「空と夕日」という非常に魅力的なキーワードを発見いただきました。俯瞰的にまちを眺め下ろすというのは,構造的に理解する視座を得ることになると思いますし,一方で,「人がつくる」という写真も良いなと思うので,ストリートに立って,ストリートの目線からまちを眺める。それも単に建物の表情だけではなくて,その道を行き交う人々が,実は様々な視覚情報を発信していて,にぎわいがそこから感じられたりするのだろうと思います。  その2つの視点,鳥瞰的な視点とストリートに立った視点をつなぐのが,この調布の「空と夕日」というキーワードなのだと思うのです。先ほどもどなたかがおっしゃっていましたが,この調布市景観計画のサブタイトルが「人と自然が織りなすほっとする暮らしがみえるまち調布」,これ,たしか千葉大の木下先生が,いろいろな意見が出てきたのを1行にまとめてくださったと記憶しているのですが,この「ほっとする暮らし」というのと,駅に降り立ったときの夕日が非常にシンクロして私は理解しているのです。都心から調布に戻っていらっしゃって,駅を降りて,夕餉の支度がそこかしこから聞こえてくるような状況にほっとする感覚,このまちへの帰属意識を確認するようなことがあるのではないかと思いまして,2つの視座をつなぐところに「空と夕日」があるのが非常に魅力的だなと思いながら,先ほどの御説明を伺っていました。  ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。――それでは,議事の2に移りたいと思います。  「景観計画の見直しに向けて」ということで,向こう2年,この景観審議会の重要なミッションが景観計画の見直しだと思います。事務局より御説明をお願いいたします。 ○加藤説明員  それでは,議事2,「景観計画の見直しに向けて」について御説明いたします。 (パワーポイント)  調布市景観計画は,平成26年2月に策定,現在まで9年が経過し,先ほど御報告したように,届出関係で総計295件の受付実績から,運用において幾つかの課題が生じています。  また,現行の計画には,社会経済情勢の変化や上位関連計画の改定などにより,必要に応じて計画の見直しを図ることとしています。  現計画策定後に,京王線の地下化,駅前広場,都市計画道路の整備,上位計画である調布市基本計画や都市計画マスタープランの策定,夜間景観やデジタルサイネージ,プロジェクションマッピングなどの新しい技術の出現など,現景観計画の見直しが必要と思われる課題が挙げられています。 (パワーポイント)  こちらは,本計画の位置づけを示した図になります。国や都の景観施策の動向,上位計画である調布市基本計画や調布市都市計画マスタープランの策定や関連計画の改定などを踏まえ,現景観計画の改定について検討を行うものです。 (パワーポイント)  こちらは,改定までのスケジュールの案です。令和5年度の今回の審議会から見直し事項等の検討を令和6年度まで行い,令和7年度末の策定のイメージでございます。景観審議会の皆様には,今年度は2回,令和6年度以降は適宜開催を想定しておりますので,よろしくお願いいたします。 (パワーポイント)  こちらは,景観計画の改定に向けた検討フローになります。今年度は現況と関連情報の整理把握と現行計画の検証を行い,令和6年度以降,計画見直しの方向性の検討と現景観計画の見直し案を作成した上,パブリック・コメント等を経て景観計画を改定したいと考えております。  改定検討に当たっては,当審議会への意見聴取のほか,市民検討会やアンケート,ヒアリングなどを通じて市民意向を反映するとともに,東京都などの関係機関協議を行ってまいります。 (パワーポイント)  続きまして,国,都,市の景観やまちづくりに関する動向について御説明いたします。  景観法につきましては平成17年に策定されましたが,当初は国が定めた景観方針や景観基準を目安に,各自治体が景観形成重点地区等を定めてまいりましたが,運用から18年が経過し,より地域自治体に即した形での重点地区の設定や方針などの見直しを図るよう,運用指針の一部が改定されています。  これらを実施することで,他の関連行政機関が行っている電柱地中化などの事業に伴う補助を認めていくなどの事業連携が行われるようになってきております。 (パワーポイント)  東京都は,令和2年に夜間における景観の形成に関する方針を景観計画に新たに追加しております。 (パワーポイント)  また,都市整備局では,建物などに光や映像を映し出すプロジェクションマッピングのガイドラインを作成しています。調布駅周辺では,ラグビーワールドカップの際に,調布駅前広場で巨大デジタルサイネージやプロジェクションマッピングを活用した大規模なイベントが開催されました。下に写っている写真2枚は,そのときの写真です。左側がトリエB館の建物にラグビーの試合を映して皆さんで見たり,その周辺にイベントとしてのデジタルサイネージ等を撮って集まってきた方がこの右側の写真になります。  夜間景観やプロジェクションマッピング,デジタルサイネージなど,新しい技術の導入に伴う景観的な配慮が新たに求められています。 (パワーポイント)  調布市における一番上位の計画として,調布市総合計画がございます。本年令和5年度を起点に,令和12年度末までの計画において,景観については,景観まちづくりの推進をテーマに,調布の自然,地域の個性を生かした景観価値の向上,街並み・景観保全に向けた規制・誘導,地域における景観意識の醸成,公共サイン計画の整備・運用を掲げています。 (パワーポイント)  また,昨年度の2回の景観審議会でも皆様から御意見をいただきましたが,調布市計画マスタープランをこの8月に策定いたしました。都市計画マスタープランは,令和5年度から令和24年度までの20年間を想定した市の都市計画の基本的な考え方を示すものであり,市におけるまちづくりの総合的な指針となるものです。 (パワーポイント)  従来の都市計画マスタープランでは,主に調布市が景観行政団体になったことや,京王線連続立体交差事業及び京王線の地下化に伴う調布駅,布田駅,国領駅周辺を対象とした中心市街地を改定のポイントに置いた内容でしたが,新たな都市計画マスタープランは,市全体の将来都市構造をイメージしたプランとなっています。 (パワーポイント)  新たな都市計画マスタープランでは,中心市街地において多様な都市機能を誘導していくことや,市内外の来訪者が広がりを持った活動をしていただくため,回遊性,滞在性の向上を目指しています。  調布駅を中心拠点として位置づけ,そのほかの8駅を地域拠点とした生活拠点や水と緑の拠点,文化・交流の拠点を定め,それぞれの拠点を結ぶ,交流,崖線,緑,水の軸を位置づけ,これらを有機的につなぐことにより,各拠点間のネットワークの強化を図っていきます。  また,歴史的,文化的資源を生かした景観形成として,旧甲州街道などの歴史や業務,商業,文化,コミュニティなどの集積を生かし,まちの中心地にふさわしい市街地の形成を図っていきます。 (パワーポイント)  分野別方針としての景観分野につきましては,深大寺通り周辺及び国分寺崖線景観形成重点地区,道,駅,水,農の景観形成推進地区周辺の景観方針をベースに,実現に向けた施策を位置づけています。 (パワーポイント)  実現に向けた施策としまして,従来の都市計画マスタープランから新たに拡充,新設した内容として,赤字で書いておりますが,深大寺通り沿い,国分寺崖線沿いの開発や計画を適切に誘導し,崖線の自然景観と周辺住宅との調和を図る魅力ある景観整備と豊かな地域資源のネットワーク化により,回遊性,滞在性の向上を図る。市内9駅それぞれの特性に応じた景観形成の方針を定め誘導を図る。などを組み込んでいます。 (パワーポイント)  こちらは,都市計画マスタープランに記載している市内の主なまちづくりの動向を示したものです。京王線連続立体交差事業については,平成24年の地下化に伴い,既に事業は完了しています。  中心市街地のまちづくりについては,調布駅前広場の整備及び調布・国領間の鉄道敷地上部の整備を,令和7年度末完成を目途に作業を進めているところです。  京王多摩川駅周辺地区まちづくり計画については,京王電鉄と市が連携し,地元自治会や地区協議会,商店会の方々と協議を重ね,用途地域の変更等を踏まえた地区計画条例の改定を行っています。  つつじヶ丘駅・柴崎駅周辺のまちづくりは,開かずの踏切解消に向け,当該地区における京王線の連続立体交差事業を見据えた検討を行っています。  深大寺・植物公園周辺については,深大寺が計画している白鳳仏殿の建設に伴い,深大寺通りの整備や,寺前,参道の整備に向け,関係機関と調整を行っています。  下布田遺跡整備の推進については,史跡下布田遺跡を史跡公園として開園するため,国庫補助事業の史跡整備補助事業を活用し,開園を目指しています。 (パワーポイント)  ここからは,現行計画の検証として,景観計画に記載した取組状況について御説明いたします。こちらは,平成26年度から令和4年度までの届出件数をまとめたものです。先ほど報告させていただいたものの再掲となります。  総計が295件,届出内容の件数が多い順として,建築物の新築が107件,修繕と思われる色彩変更が58件,その他が52件,次いで開発行為49件となっています。 (パワーポイント)  こちらの表は,平成26年度から令和4年度までの景観法に基づく届出状況をまとめたものです。国分寺崖線景観形成重点地区の115件が,他の地区と比べても一番件数が多い数字となっております。  こちらは,国分寺崖線景観形成重点地区の要件が,景観形成推進地区及び一般地区より届出対象の要件が厳しいため,建築行為,開発行為においてきめ細かく確認が行われている結果と見ることができます。  そのほかでは,一般地域が63件,道の景観形成推進地区で46件,駅の景観形成推進地区が34件,全ての建築行為,開発行為が届出対象となっている深大寺通り周辺景観形成重点地区では,対象件数の少なさから18件となっています。  そのほか,水の景観形成推進地区については13件,農の景観形成推進地区については6件の届出となっています。 (パワーポイント)  国分寺崖線景観形成重点地区の次に届出の多い,道の景観形成推進地区の届出件数とその内訳になります。  主要幹線沿いを道の景観形成推進地区としておりますが,一番多いのが甲州街道の20件,次いで旧甲州街道の10件,品川通りの8件と,東西を結ぶ道路沿いの届出が多いのが特徴となります。街道沿いなので,やはりマンションや店舗併用住宅の届出件数が多く見られています。 (パワーポイント)  道の次に届出が多いのが駅の景観形成推進地区です。その内訳として,届出が一番多いのが調布駅の24件,次が国領駅の4件,仙川駅の3件となっております。駅周辺ということから,用途としては店舗及び店舗併用住宅が半分以上となっています。 (パワーポイント)  景観の届出は,通常,建築確認申請の30日前までに提出いただいておりますが,開発行為,また,建物の新築の場合は,届出提出前のさらに30日前に事前協議書を提出いただいております。  事前協議の段階で外構立面図に外壁の色を仮にでも提出いただき,景観アドバイザー,本日御参加いただいております杉山先生に色彩等の確認をしていただいておりますが,その確認後に事業主に説明することでスムーズに行く等の理由から,昨今では早めに提出いただける事業者が増えております。 (パワーポイント)  こちらは,景観アドバイザーの活用状況です。事前協議届出に伴う景観相談が60件,市民検討会等を含めた景観学習に御協力いただくものとして45件となっております。 (パワーポイント)  事前協議届出に伴う景観相談の内訳としましては,建物の外壁の色彩等の御相談が103件と一番多く,次いで都市景観,建物の構造等が27件,屋外広告物については6件となっています。 (パワーポイント)  ここからは,景観学習の取組について報告させていただきます。景観学習の1つである調布市景観まちづくり市民検討会は,平成24年に策定した景観基本計画の作成に伴い,公募で参加者を募集し,お集まりいただいた市民の方々です。 (パワーポイント)  調布市景観計画策定後は,景観に関する様々なテーマを題材に,調査や御検討をいただき,その資料等を基に,市ではこれまでに調布市景観形成ガイドライン,屋外広告物編,身近な景観づくり編,緑の景観づくり国分寺崖線編などを作成いたしました。 (パワーポイント)  また,平成29年度から30年度にかけて,市民検討会で深大寺と国分寺崖線の調査検討の成果を取りまとめ,「『調布の景観』―深大寺・国分寺崖線ガイドライン編―」という冊子を作成いたしました。 (パワーポイント)  調布市景観計画の特徴としまして,市内20校ある小学校区の範囲で景観計画区域を分割し,それぞれのエリアに対する景観まちづくりの方針を示しており,この地域ごとの景観まちづくりを進めていくため,それぞれの地域で活動のある地区協議会などに出向き,説明会などを行ってまいりました。 (パワーポイント)  先ほど説明しました「『調布の景観』―深大寺・国分寺崖線ガイドライン編―」を教育委員会の校長会で御紹介させていただいたところ,小学校3年生,4年生で使用する「わたしたちの調布」という社会科副読本の改訂のため,写真等の提供や編集作業の協力要請をいただくとともに,『調布の景観』で使用した資料を基に,深大寺小学校3年生全クラス――3クラスでしたが,実際の授業を市の景観担当が行うなどの成果を上げることができました。  今後もこの社会科副読本の改訂のタイミングに合わせて,可能であれば,各小学校区別の地域まちづくりを題材に,景観まちづくりの内容を取り込めればと考えております。 (パワーポイント)  大学連携としましては,早稲田大学,慶應義塾大学院の学生に御協力いただき,調布市の土地や風景を題材にした短編映像を作成していただいたり,景観まちづくり市民検討会の題材テーマについて,学生ならではの視点で調査,検討いただいたものを発表いただいたりしております。 (パワーポイント)  景観まちづくりの取組や市民検討会の取組について,市民の皆様に伝えるため,ちょうふ景観だよりを平成23年度から令和4年度まで,現在,計60号の「だより」を発行しております。 (パワーポイント)  調布市景観計画に記載しておりませんが,景観法で定められた景観協定について,緑ケ丘2丁目地区と入間町の成城学園「庭園の街」の2か所と景観協定を締結しております。  景観協定とは,景観計画区域内の1つの土地の所有者や借地権者の全員の合意で結ばれた良好な景観形成に関する協定のことですが,調布市内では,今御紹介した2か所の場所と景観協定を締結しております。 (パワーポイント)  最後に,調布市では年に1度,無作為に抽出した満16歳以上の3,000人の市民の方を対象に,市民意識の行動について伺った結果を報告書にまとめています。  こちらの図は,景観計画に作成した平成26年から令和4年度にかけての景観に関するデータです。調布を住みやすいと感じている市民の割合,深大寺周辺の景観が優れていると感じている市民の割合,駅周辺の利便性が高いと感じている市民の割合,中心市街地が魅力的であると感じている市民の割合,こちらについては,平成26年度から比べますと,おおむね右肩上がりで良い数値として挙がっていますが,市内に優れた景観があると感じている市民の割合は上下があり,横ばい傾向が続いております。  私からの説明は以上です。 ○後藤会長  御説明,どうもありがとうございました。  それでは,御質問いただきたいと思いますが,いかがでしょうか。どうぞ。 ○幸道委員  2点ほど質問させていただきます。  実は私,深大寺に住んでおりまして,深大寺通り街づくり協議会のときの事務局長をやっておりました。そのときに私たちのほうでは,寺前通りと深大寺通りは無電柱化ということで,深大寺の御住職も含めまして満場一致で決定していることなのですけれども,現在,白鳳殿を建設するということで,あの周辺の寺前通りを含めて参道のところも,市でいろいろと整備をするというように進行している状態だと思うのですが,この無電柱化というのはそれに入っているのでしょうか。  深大寺は調布にとっても大事なところではありますが,東京都にとってもとても大事な観光地でもあります。14ページのところ,「積極的に無電柱化を図るべきである」と景観法でも書いてありましたので,こういった方向で進めていただければなと。当時,東京都から補助金が出るという話もありましたので,部長,いかがでございましょうか。 ○後藤会長  御回答はどなたからでしょうか。 ○東海林副主幹  御質問ありがとうございます。今,幸道委員おっしゃったように,14ページのところに,関連行政との連携ということで,「積極的に無電柱化を図るべき」と書いてあります。  今,御紹介があったように,深大寺通り,主要市道5号線については,平成29年に白鳳仏国宝指定以降,今,白鳳仏を安置する白鳳仏殿の建設を深大寺さんは考えていらっしゃるという中で,主要市道5号線,深大寺通りの改良に向けて,今,市とお寺さん含め,関係機関と協議をしている状況になっています。  深大寺につきましては,今お話があったように,市ではまちづくり協議会の意見を伺いながら,街なみ整備基本計画を策定して,それに基づく街なみ環境整備事業を平成25年から実施しています。その中に今お話があった無電柱化のメニューも入っているという状況になっています。  今お話しさせていただいた,当初,街なみ環境整備事業の中に入っていなかった白鳳仏殿の検討というところで,今そちらのほうに尽力させていただいていますが,この街なみ計画が令和6年度で一度期間を終えることになります。  まだ現行のメニューの中で実施ができていないものもありますので,まずはこの当該期間の振り返りをしつつ,その新たな計画をつくるために,今後動いていきたいと思っています。  市の位置づけとしましては,令和4年3月に,無電柱化推進計画を策定しています。その中で優先検討路線というものがあるのですけれども,市内で5か所を位置づけしていますが,その中に深大寺通りが入っています。  優先的に何を検討するかというと,無電柱化を推進していきたいのですけれども,歩道が狭いという部分もありますので,どういった手法でできるのかというところを検討していく路線ということで今,深大寺通りも位置づけられていますので,先ほど申し上げた次期の街なみ環境整備計画,街なみ環境整備事業の中で,どのような形で実施ができるかも含めて,今後引き続き検討していきたいと思っていますし,この内容については,まちづくり協議会の皆さん,地元の皆さんにも当然御意見を伺いながら,しっかりつくっていきたいと考えております。  以上です。 ○幸道委員  すみません,今言われたのは深大寺通りですけれども,寺前通りも一緒ですか。 ○東海林副主幹  はい,一緒でございます。すみません,失礼しました。 ○幸道委員  分かりました。  では,2つ目の質問です。先ほど22ページのところに,回遊性・滞在性という形で向上を図りますということが書いてあったのですが,深大寺というところは観光地ではあるのですが,観光バスで来たときに,滞在時間が圧倒的に短いのです。例えば,多摩地区の観光の途中に,ああいうところに観光バスが行って,トイレ休憩のために深大寺に寄るという形の滞在の仕方をしているのが多い。なぜかというと,見どころが少ないから。神代植物公園と深大寺だけだとちょっとという話を何度か聞いたことがありまして,この回遊性・滞在性ということを考えるのであれば,ホタル園とか,かに山とか,あちらのほうも連続した形で行けるので,そこを広げたような形でここの地区を考えていくことはできないのかなと思っておりますが,いかがでしょうか。 ○後藤会長  ありがとうございます。御回答はどちらでしょうか。 ○星野主幹  22ページに記載しています都市計画マスタープランからの抜粋となります。委員がおっしゃるとおり,回遊性・滞在性の向上を図りますということで,都市計画マスタープランは20年の計画となっておりますので,今言った御意見等も踏まえながら,今後具体的に検討してまいりたいと思います。 ○幸道委員  それに付随しまして,柏野小学校の南側の畑が非常に多かったところに,突然,電信柱がニョキニョキと立って住宅地ができました。あそこは本当に良い景観だったところが,ああいう形になったのは,私も景観審議委員として今3期目ですけれども,何かできなかったのだろうかというところで非常に悔やまれたのです。あの景観は市民にとっても非常に大事な景観だったと思うのですけれども,現行のいろいろな法律とか,市の縛りでは何もできなかったのでしょうか。  回遊性を考えると,あそこは景観としてすごい大事な財産だったと思うのですが,あの建て売り住宅と電信柱が5,6本立ってしまったことで,あそこはすごく台無しになったと私は思っております。いかがでしょうか。 ○後藤会長  いかがでしょう。 ○坂本副参事  深大寺・佐須のかに山の南側のところだと思うのですけれども,御存じだと思うのですが,あの地区は,市としましても,農の風景育成地区ですとか,都市計画マスタープランで言ったら農の里,そういったところに位置づけて,農の風景を保全していこうという取組を進めている地区でのことだったので,環境保全審議会などでも議論されていますので,できる限り農の景観が保たれるように,市としても努力していきたいと考えているところです。 ○後藤会長  よろしいですか。ありがとうございます。では,加藤さん。 ○加藤説明員  こちらの関連計画の整理,景観法といったところで,国の動向ですとか,東京都の動向だとかといったところで,こちらの御案内をさせていただいております。  景観のところと直接つながるかといったところはあるのですけれども,国の動向としましては,大まかに国が定めた当初の景観法から,各自治体が考える景観の考え方にもう少し推移していっていいのではないかといったところで,指針が一部変わっております。なので,こちらで御紹介させていただいたところでは,重点地区化されているところですとか,景観計画の見直しを行ったところ,実は今回の景観計画の改定に伴っても,国の補助金の中で景観改善推進事業補助金といったものを頂く形をとらせていただいております。そういったものを使うことによって,別の補助金も取りやすくなったところにつながるといったところで,こちらは御紹介させていただきました。  特に,回遊性とか滞在性といったところは,前都市計画マスタープランにも載ってはいるのですけれども,今回の都市計画マスタープランでより具体的にというのか,地域的なものができていければといったところで載せさせていただきました。そういった意味では,取りやすい形が取れてきたのかなと思います。  以上です。 ○後藤会長  今の幸道委員が御指摘された建て売り住宅の開発によって電柱が立ってしまったというのは,例えば農の景観形成推進地区の開発行為にカウントされているものなのでしょうか。それよりももっと規模が小さいものなのですか。 ○加藤説明員  今回委員からお話があった件については,この景観計画の届出対象ではないです。 ○後藤会長  もう少し規模が小さいからあの届出にならなかったという案件ですか。 ○加藤説明員  はい。国分寺崖線重点地区であれば,500u以上の開発であれば届出対象になったのですが,今回の地域については,国分寺崖線の地域に入っていなかったといったところで,届出対象が3,000u以上にはなってしまいます。 ○後藤会長  先ほど届出状況の表を出していただいたときに,私も農の景観形成推進地区の件数が6は低いな,小さいなと思ったのですが,それはまさにサイズの大きなものでないと事前に市が把握できない仕組みになっている。この辺りについても,今度の新しい景観計画で少し議論すべきことかなと思っています。  何か補足はございますか。 ○加藤説明員  現状の中で重点地区化しているところが深大寺通りと国分寺崖線で,特に国分寺崖線については,まず東京都景観計画の中で定められた重点軸になっています。そこ以外のところを重点地区化するかといったところは,いろいろな御意見だとかお考えはあると思いますが,そういった点も,今回見直しを図る点では御審議いただく内容になってくるのかなと思っております。  以上です。 ○後藤会長  ありがとうございます。景観形成推進地区が4つございますが,例えば駅というのは,にぎわいをどんどん増やしていこうというタイプのものに対して,農と呼んでいるのは保全型なので,そこも同じような仕組みで4つの景観形成推進地区を考えていくのか,少し守るタイプの景観形成と,攻めるというのはおかしいかもしれませんが,より活用していくようなタイプの景観形成地区とあるのかなと思っています。これは,この改定でまた議論すべき重要なポイントをお示しいただいたのだと思います。ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。藤山委員,どうぞ。 ○藤山委員  ちょっと質問で,先ほど市の方から,無電柱化の計画があるところが5路線と聞いたのですけれども,深大寺以外のところはどこのことをおっしゃっているのかを確認させてください。 ○後藤会長  ありがとうございます。いかがでしょうか。 ○東海林副主幹  御質問ありがとうございます。先ほど私のほうで申し上げた優先検討路線,主要市道5号線深大寺通りのほかに,路線名が数字になってしまって恐縮なのですが,主要市道6号線,これが神代植物公園通りです。あとは,主要市道31号線,仙川の日向通り,主要市道10号線が上ノ原通りになります。それで先ほど申し上げた主要市道5号線,深大寺通りと,市道北137号線が寺前になります。この計5路線という形になります。  以上です。 ○藤山委員  旧甲州街道は入らないということですか。特にないということでしょうか。 ○後藤会長  どうぞ。 ○代田担当部長  では,私のほうから。無電柱化推進計画については,基本的に調布の市道を対象に計画を策定しています。今,藤山委員からお話があった旧甲州街道は都道になりますので,私ども市の推進計画には入っていないということでございます。  以上です。 ○藤山委員  入っていないとしても,把握はされていらっしゃるということではないのでしょうか。都道だから,あそこ沿いはノータッチです,知りませんというわけでもないような重要な通りだと思いますが。 ○東海林副主幹  ありがとうございます。今,部長からお話しさせていただいた市道,都道というところがありますが,旧甲州街道については,歩道が狭いというところも我々は認識しています。まちづくりは,土地利用が動くタイミングですとか,ある程度の面的な整備の中でどうしても進めていくことになりますけれども,様々な都市計画制度があります。例えば,市内で14か所ありますけれども,地区計画ですとか,そういう制度もある中で,歩道を拡幅するような形,まずスペースをどう取るかというところで,我々,都道の部分について無電柱化をするというところの判断ができない状況でありますが,市としては,歩行空間をどう確保していくかというところは非常に重要な課題として認識していますので,今後もそういう課題認識の下,どの時期にどの場所ができるかというところは今のところはっきり申し上げられませんが,課題としてはしっかり捉えながら,しっかりまちづくりを進めていきたいと考えております。  以上です。 ○藤山委員  ありがとうございます。  あと1点についてですが,先ほど御案内のあった,「調布の景観」を取りまとめられたということや,ちょうふ景観だよりを発行されているということで御紹介があったのですけれども,私などはこういう場に出させていただいていたり,市民検討会に出たりという中でこういうものを目にすることはあるのですが,一般の市民の方,あるいは調布まちづくりの会のメンバーのように,比較的関心が高い人でも見たことないという話が通常なのです。この辺りのものはどういうところに置かれているのかというのをまず教えていただきたいということと,せっかく良いものをつくっていらっしゃるので,もう少し目に触れるような取組をしないのかというところをお聞きしたいなと思いました。 ○後藤会長  ありがとうございます。いかがでしょうか。 ○星野主幹  景観だより等の周知につきましては,市の関連施設等に配架等させていただいております。公民館等を含めて図書館ですとか,そういったところなのですけれども,あと,紙媒体で発行部数も限られているということもありますので,バックナンバーも含めてホームページ等でも閲覧できるようになっております。  委員のおっしゃるとおり,情報発信は意識啓発ということでとても重要かと認識しておりますので,今後はSNSですとか,そういった媒体等も使いながら,いろいろ工夫して周知を図ってまいりたいと考えております。ありがとうございます。 ○藤山委員  ぜひよろしくお願いします。ホームページにあっても,たどり着くのはなかなか容易ではないので,SNSや市報にちょっと御紹介いただくなど,積極的な取組をお願いしたいなと思いました。 ○後藤会長  ありがとうございます。どうぞ,補足。 ○加藤説明員  御質問ありがとうございます。「だより」については,今お話しさせていただいた,年間で3部,4部と定期的に発行させていただいています。こちらの「調布の景観―深大寺・国分寺崖線編―」実は市民の方が見られる機会があまりないのかもしれないのですけれども,実は産業振興課ですとか,住宅課ですとか,他の課が深大寺を巡る事業を市内外の方に御参加いただいたときに,一緒にかなり配布させていただいていまして,最初300部作った後に,また300部増版させていただいております。そういう機会がございましたら,お声がけいただけいただければ配布できるようなところはあるのですけれども,お声がけいただく前段階でこれを知っていただくといったところが問題なのかなと思っております。  校長会等でも御紹介させていただいたときに,最初こちらの御紹介の中から,市内の学校の実際の授業に携わるといったところにも関連づけて御参加させていただくという形でも使わせていただいております。  以上です。 ○後藤会長  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。杉山委員。 ○杉山委員  2つほどお願いしたいと思います。  この資料の17ページのところですけれども,調布市の総合計画というところでお聞きしたいのは,まちの将来像の「とも生き ともに創る 彩りのまち調布」と。その「彩り」というのをちょっと教えてください。このワードは,下の説明文を読んでも,何を言っているのかあまりよく分からないのです。これが1点です。  もう一つは,農の景観のところでも,お聞きしたのですが,3,000u以上でないと届出対象ではないというのがあって,そういったことは多摩川寄りのところでも起きていると聞くので,その辺の状況把握はしているのかなというところです。  それに絡めてですけれども,野川とか多摩川のそばの景観は,アドバイザーをやっていても,実はあまりよく見ないというか,情報が上がってくるわけでもなく知らない。まして,私は市外から来ているものですから,あまり身近でないというか,歩く機会ないのでちょっと心配。野川や多摩川はどうなっているのかなと。25ページの届出状況の水の景観推進地区のところはどうなっているのかなと,そういった状況把握などは景観の担当者の皆さんがなさっていらっしゃるのかなという確認を伺いたいと思います。 ○後藤会長  いかがでしょうか。 ○永井次長  都市計画課長,永井でございます。  まちづくりの関係の「彩り」については,総合計画を策定する段階で,市民の総合計画策定推進委員の皆様に1年半以上かけて御議論いただいたのですが,その中で今,総合計画基本構想の基本目標として定められております,例えば子育て,教育,福祉,スポーツ,また,コミュニティだったり,そういった調布のまちの様々なキーワードをどう表現しようかといったときに,様々な色がありますということで,それを「彩り」として表現したいと認識しております。  以上でございます。 ○後藤会長  もう一つ,水の話はいかがでしょうか。 ○星野主幹  2つ目の御質問の農の推進地区の件なのですけれども,農地とか緑地関連につきましては,私ども都市計画課で生産緑地等の業務を行っておりまして,担当しております緑のセクションですとか,農政のセクション等とも連絡しながら,その辺りの情報共有を図っているところです。  あと,推進地区と重点地区につきましては,カウントの仕方としまして,複数の地区に被っているような部分につきましては,それぞれの地区の特徴を踏まえた形で景観の協議を事業者とさせていただいております。  以上です。 ○後藤会長  野川と多摩川はどうだろう。 ○加藤説明員  野川と多摩川については,水の景観形成推進地区という形をとっておりますが,前段の中での調布市の景観の重点地区,推進地区,一般地区といった中では,重点地区を除いたところは,建物ですと全て20m,開発等ですと3,000uが対象になっております。それだけの規模でない場合は,景観の届出は出てこないです。ただし,畑等を宅地に換えてしまう,もしくは生産緑地を解除して住宅化するとなりますと,開発行為に当たってきます。  以前,景観の担当は景観係だったのですが,2年ほど前から開発景観係になっております。同じ係の中で,開発行為の手続が出てきたときは,土地に動きがあったといったことは確認ができています。生産緑地だったところ,もしくは畑だった,雑種地だったところを住宅にするといったところ,500uを超える場合ですと届出が必要になってくるので,そこの把握はしております。  以上です。 ○後藤会長  今,9年間で295の届出,これが行政事務としてはまだ余裕がある数字なのか,もういっぱいいっぱいなのかという御質問をさせていただくとどうなのでしょうか。窓口がもうパンクしてしまうということに近いのでしょうか。 ○星野主幹  295件という件数につきましては,当初,計画を施行する段階で想定しておりましたのが年間40件程度ということです。ただ,職員の体制につきましては,少しスリム化している部分もありますので,いっぱいいっぱいということではなく,あるいは届出をしていただく事業者の方も御理解いただいておりますので,おおよそ適正な,当初想定していたぐらいの届出の件数なのかなと我々は考えております。 ○後藤会長  ありがとうございます。ほかに。どうぞ,幸道委員。 ○幸道委員  私が景観審議委員になるときに,論文を書くといった審査があったものですから,それでちょっと調べたときに,調布市は23区などと比べると緑被率が圧倒的に高かったのです。それを担っていたのは,畑もそうですけれども,生産緑地だったと思うのです。この生産緑地というのは,相続が起きると物納ではなく,どうしてもお金で払わなければいけないということで,手放さざるを得ないと。  農家の方たちは,自分たちが調布で育ってきているから,これがほかのものになるのは忍びない,本当なら市に買い取ってほしいけれども,市が買ってくれない。生産緑地というのは,優先的に市が買い取るようになっているけれども,実際そういう事例が出ると市が買えないということで,泣く泣く民間に売らざるを得ないのだという話も聞きましたが,今,市が生産緑地として指定していて,買い取っている率というのはどんなものなのでしょうか。 ○後藤会長  いかがでしょうか。 ○星野主幹  今年度で言いますと,市で買取り申出が出たものにつきまして,買取りに至ったものは2件になっております。分母は概ね50件くらいの中の2件です。あと,東京都が神代公園のところで1件です。 ○幸道委員  実は,深大寺の周辺で神代植物公園水生植物園に隣接した,たくさんの緑があるところですけれども,個人の方が持っているところですが,あそこが販売されてしまうと,深大寺の景観も大分変わってくると思うのです。それは調布市が買い取れるかと言ったら,多分できないところ。では,どこかが買い取ってくれるかというのは,1つの可能性としては,水生公園は都の公園ですし,深大寺城は国指定の史跡になりましたから,そういったことを察知したときに,例えば市ができない場合は都にお願いするという連携はできているのでしょうか。深大寺周辺に住んでいる者として,あそこを良いと思っている方たちにとってみると,あそこがまた宅地化されてしまうと,もう景観が台なしになると思って,今,危機感を持っているところなのですけれども,そこで市がどのように動いてくださっているのか,ちょっと伺いたいなと思っております。 ○後藤会長  いかがでしょうか。 ○町田係長  生産緑地の地区につきましては,第一として,制度の趣旨としては農業を続けていただく,農業従事していただくというのが農地としてはあってほしいというところがあるのですけれども,仮に農業に従事されている方が御相続も含め,体調面も含め,もう従事できない,農業を続けられないといったときに,個人,所有者から買取りの申出が出されます。  通常の手続ですと,それを我々でお受け取りした際は,当然市の中で各セクションに活用の意向調査を行ったりですとか,市から東京都に取得の要望とか意向がないかという調整は行います。その上で,それでも都合がつかないときであっても,農業委員会を通じて,JAとかそういったところを通じて,周辺の農業に従事されているような方々に,代わりに農業を続けられないかですとか,そういったところを細かく聞き取っていって,それでもやむを得ない場合には,民間での取引をされるという形になります。  御指摘のとおり,そういう調整は我々も行ってはいるのですけれども,なかなか全てについて都合がつくわけではないというのが現状でございます。 ○幸道委員  先ほど50件ある中で,できたのは2件だと。この数字はどう判断すればいいのでしょうか。低いのでしょうか。それは市として精いっぱいやってこうだったということなのですか。それとも,もっとほかにやりようがあるのでしょうか。  例えば今,緑を守りたい,この環境を守りたいという意識の高い方は調布市に多いと思うのです。そういったことをつまびらかにして,クラウドファンディングを行うとかというやり方もあるのかなと思うのです。今ちょっと考えただけですけれども,何かもうちょっと……。やはり調布は緑が多いところですし,先ほどの「ほっとする」というところにもつながってくると思うので,この緑を守ることを市として積極的に関与していただきたいと市民としては思っております。 ○後藤会長  50とは1年間の数字ですか。 ○星野主幹  はい。 ○後藤会長  周辺の市や区に比べて50分の2というのはどうでしょう。 ○東海林副主幹  今お話があった50件は,先ほど御説明したように相続が発生したり,場合によっては公共事業の区域内に入っているので,生産緑地を解除せざるを得ないという,大きく言うとその2パターンがあるかと思います。その中で,昨年度は50件のうち2件買取りというところで,我々は今,業務をやっている中で,限られた財源の中で,全ての生産緑地を買い取るのはまず不可能だと思っています。  そんな中で,先ほどから出ている深大寺・佐須地域ですとか,農の保全をしていくエリアについては環境部の所管になりますけれども,調布市ふるさとのみどりと環境を守り育てる基金,取得目的を限定した基金というもの,これは緑に限らず,市では基金を持っていますけれども,その中でどうしても優先順位をつけざるを得ないのですが,できる限りの取得をしていく中で,先ほどから申し上げている,全てを取得するのが難しいというところが現状になっています。  事業を行う,例えば公園を作ったり,道路を作ったりというところの事業区域内に生産緑地がある場合は,当然将来的に事業を行っていく部分になりますので,先行取得という意味合いで取得をする事になっていきますが,先ほどから出ている深大寺・佐須ですとか,深大寺,お寺の周辺については,なかなか事業という枠組みではない,エリアとして保全していくべきところについての取得は,我々としては,非常に取得をしたい部分もあるのですが,財源が難しいという部分もありますので,そこについては,市内全域でどこを優先していくのかはしっかりと捉えながら,今後もやっていかなければいけないのかなと考えております。制度としてはそのような形になっております。  以上です。 ○後藤会長  財源の問題には限りがあるのですけれども,今,優先とおっしゃったのが結構重要で,イギリスなどですと,農地の保全は非常に厳しいのですけれども,6段階のグレードに分けているのです。絶対守らなければいけないところから,条件が整えば開発しても致し方ない。ここは守らなければいけないというところをあらかじめ設定しておく必要があるのだと思うのです。  ですから,一律に生産緑地を同じように扱うということではなくて,幾つかのグレードをつけるのも,この次の景観計画の中の取組の宿題なのかなと思ってお話を伺っていました。  ほかにいかがでしょうか。では,杉山委員,石川委員,手が挙がった順番で。 ○杉山委員  先ほどの質問でお答えいただいたときに,なるほどと思い「彩り」というワードについていろいろ検索してみました。彩りというのは,どちらかというと色を塗るということなのです。色とりどりというのがおっしゃっている内容なのです。多様性とか多彩とか,そこのところは意外と皆さん勘違いしていて,類語辞典とかいろいろチェックしてみたのですけれども,やはりワードはすごく大事なのです。  例えば,「彩り」というと,配色することとか,私の商売には非常に関係するのだけれども,何かのテーマとかワーディングしていくときには,いろいろな観点で他方面から御検討いただきたい。  たまたま私は色屋なので,こういうワードに対してはすごく気になるのです。なので,景観計画系の皆さんたちは御承知いただいてほしいというお願いでございます。  今後こういったものなどにも,意外とささいに日本語は難しいところがあって,それこそ多様な意味を含みます。それから,使い方,時代によって方向性が変わってくることもございますので,ぜひ今後とも御検討いただければと。お願いでございます。 ○後藤会長  ありがとうございます。それでは,石川委員,お願いします。 ○石川委員  今日ということではないのですけれども,あらためて三鷹市とか狛江市とか世田谷区の景観計画における国分寺崖線の扱いを知りたいなと思いました。  国分寺崖線は市の境界が入り組んでいるので,景観計画の図からは三鷹市の部分がごそっと抜けているのですけれども,先ほど幸道委員から回遊性の御指摘がありましたが,人は市境を越えて移動しますし,地形も植生も川も自治体の範囲を越えてつながっていて,そこを横断しているのがむしろ国分寺崖線の特徴だと思われるので,隣接自治体でこれをどのように考えているのかというのは,今後景観の関連の方針を検討していくのに重要なのではないかと思いました。  いろいろと難しいかもしれませんが,国分寺崖線連絡会議とか,そういう景観要素でつながっているところが集まって,今どういうことを考えているとか,これから国分寺崖線をどういう方針でやろうみたいなことを話し合うような場があっても良いのではないかと思いました。 ○後藤会長  ありがとうございます。東京都の景観基本軸も含めて,周辺市区との関係でどなたか御回答いただけますか。 ○星野主幹  委員おっしゃられたように,国分寺崖線につきましては,東京都の景観計画の中で位置づけられていまして,今,景観行政団体で言いますと,北は立川市,三鷹市――狛江市は景観行政団体ではないですけれども,南は大田区まであろうかと思いますので,この辺りはもともと東京都からも,景観行政団体になる段階で広域的な考え方で取り組むようにと言われております。  景観行政団体のブロック会議等もございますので,多摩部を中心としておりますけれども,三鷹市も計画の改定等に取り組んでいるかなと思いますので,その辺りは情報共有をしながら,また,審議会でもその辺りを報告させていただきながら,改定に取り組んでいきたいと考えております。 ○石川委員  ありがとうございます。例えば,21ページのダイヤグラムとかも,天文台の緑とか入っていると印象が全然違ってくると思うのです。どういう位置づけの中で調布市の景観を,特に深大寺とか国分寺崖線を捉えているのかというのが,ここだけで考えていてもちょっと分かりにくいと思います。 ○後藤会長  ありがとうございます。逆に狛江は景観行政団体ではないのですか。 ○星野主幹  はい。 ○後藤会長  ほかにいかがでしょうか。吉田委員,どうぞ。 ○吉田委員  失礼いたします。1つ感想と申しますか,意見と質問がございます。  景観学習という御説明がございまして,とてもすてきな取組だと思いました。しかも重要だという感想を持ちました。その後にも,小学校区の校区別の景観まちづくりということも書かれてございます。  と申しますのは,景観につきましては,市民参加とか,市民参画が非常に重要だと言われておりますけれども,その市民の中には子どもも入ると思うのです。ですから,子どもの意見を反映させたりとか,子どもがどう思っているのかというのを捉えたりというのは併せて大事ではないかと思います。そうしますと,やはり景観学習が重要だということが分かってくるのではないかと考えました。  でも,いきなり子どもたちにどうしたいと聞いても,なかなか答えが得られないかと思いますので,まず子どもたちが身近な景観を理解したり,あるいは身近な景観に親しみを持ったりするような機会をつくることが大切ではないかと思います。その1つとして,学校区ごとの景観に注目するというのはとても良いアイデアではないかと考えました。  そこで質問でございますが,先ほど深大寺小学校で授業実績があったということを伺いましたけれども,小学校,あるいは小学校の学区と連携するような取組を今後もお考えなのかどうか,その辺りについて教えていただければと思います。いかがでございましょうか。 ○後藤会長  いかがでしょうか。どうぞ。 ○加藤説明員  ありがとうございます。実は私の手元に持っているのが,小学校3年生,4年生の社会科の授業のときに使う社会科副読本です。吉田委員は以前市内の小学校の先生で授業も持たれていたとのことですが,「わたしたちの調布」という調布市内のことを勉強するものなのですけれども,最初の授業で自分が住んでいる,自分の小学校の周りのまちを勉強するのです。どういった街並みがあるとか,自然があるだとか,街なかであれば,デパートがある,スーパーがあるとかといったことを,自分たちで調べてきて,それについて発表するという単元が2時間ぐらいございます。  授業を行ったのが深大寺小学校でしたので,小学校の周りを回ってきて,幸道委員が御参加されている深大寺まちづくり協議会の活動の中で行った,電柱を茶色にしたりですとか,自動販売機の周りを茶色にしたりですとか,100円パーキングの看板を,通常だと黄色と黒のものを白と黒に変えたりとか,要は地域の方々が景観を良くしようといった活動の中で,独自で民間事業者,企業さんに御協力いただいて,そういったことをやっていると授業の中でお話させていただきました。要は,まちづくりをやっていく中では,市もやっているけれども,市民もつくっているのだよと。  その他には,小さい橋のところにお花を置いたりですとか,ポイ捨てたばこを拾ったりだとか,雪が降ったら雪かきをしたりだとかといったところで,みんなの通学を守っているといったお話をさせていただきました。  市内に20校小学校がございますが,多分こういったところはいろいろな形でできると思っております。ただ,その単元を学校毎に作成するのはなかなか過酷なものがあるかもしれないのですが,そういったことも可能であれば,チャレンジできればと思っています。  またそれとは別に,教科書の後半に消防のお仕事ですとか,キムチ屋さんのお話などいろいろなお仕事の説明があるのですが,市内全域の中で言うと,やはり深大寺は,調布市内の子どもたちもだるま市ですとか,お正月ですとか,一度は行ったことがあるところなので,お寺の仕事やおそば屋さんの仕事について,その単元でもまた入れられないかなといった話をさせていただきましたが,残念ながら採用いただけませんでした。  ただ,メンバーの先生方からも,深大寺は遠足や日帰りで行けるところなので,つながりがあり題材として面白いというお話もいただけていましたので,改定が8年置きぐらいなのですけれども,次回,そういったところにまた関われればと思っております。  以上です。 ○吉田委員  ありがとうございます。よく分かりました。  身近な地域を振り返るということがすごく重要だと思いますので,小学校第3学年の社会科に身近な地域の学習がございますし,中学校の社会科ですと,地理的分野に身近な地域の地域調査という単元がございますので,ぜひこれからも学区域とか学校との連携を深めていただければなと思いました。どうもありがとうございました。 ○後藤会長  ありがとうございました。この景観学習は,調布の景観計画の1つ重要な特徴ですので,ぜひこれは今後も深めていっていただきたいなと思いますし,もしわがままを許していただけるのだったら,次回の景観審議会に「わたしたちの調布」を1冊ずつ頂けると,我々もそこから勉強し直したいと思うのです。それはできたらで構いませんのでちょっと確認いただければと思います。  ほかにいかがでしょうか。椎原委員。 ○椎原委員  今の調布の景観計画をつくるときも,小学校区単位での景観学習やまちづくりを推進していくことが大事だろうという話が随分ありまして,それが今の設定にも生きているということは,ありがたいことだと思っています。  今,吉田委員も言っていただいたように,小学3年生,4年生で学び,また中学で学び,その子たちが大人になってもまた調布のまちづくりに関わっていくということがつながっていくと,代々,調布の緑や暮らしを大事にしてくださる方が住み続けることにつながるかと思います。  一方で,小学校,中学校の先生もお忙しくて大変と伺っております。身近な地域の教材,「わたしたちの調布」は当然引き継がれていくと思うのですけれども,小学校区単位の細かい特徴を知ったり,都度学んだりするのに,学校の先生が転勤で回っていったりすると,先生のほうが新しく来た人みたいなケースもおありになると聞きました。なので,こうした景観審議会委員や市民委員会などから地区ごとの情報を提供するとか,景観学習と大学連携みたいな形で,関連ある先生方の研究室で研究する人がいたら,学校区単位で何か調査したことを学校に提供したり,一緒に何かやってみるとか,もう少し一歩踏み込んで,学校ごとに体験しながら学ぶ機会を先生や子どもたちと一緒に持てたらなと思いました。  あともう一点,先ほどの生産緑地の件なのですけれども,50件中,市が2件,都が1件買い取ってくださったという話ですが,47件は買い取れないということは宅地化しているということで,それがどんどん進んでいく傾向にある状況にあると思うのです。でも,それを大変だとか難しいということ以上に何ができるかと考えると,市が買い取らない場合,ほかの農業営業者さんにあっせんをして,手が挙がればそういう方に引き継ぐこともできるけれども,3か月以内にできなければ解除して宅地化という制度だと思うので,何とか農業者として手を挙げられる人を個別に当たるのも良いのですが,何かみんなでやる農業法人のようなものを作って,大それた話かもしれないですけれども,そうした生産緑地を引き受けられるような組織みたいなものを育てていくと良いのかもしれないと今ちょっと勝手に考えました。 また関連の皆様とよく御相談していければと思います。 ○後藤会長  ありがとうございます。特に御回答は要らないですか。 ○椎原委員  何か,もしそうした可能性があればと,道が開けないものかと思っております。 ○後藤会長  いかがですか。 ○渡辺部長  生産緑地の件は,何人かの委員の方々から御質問,御意見等を頂戴しているところであります。件数で見ますと,比率としては非常に低い状況でございます。一方で,調布の場合,まだ生産緑地は比較的に残っている状況でございますので,それぞれ相続等が発生したものを市が買取るというのは,財政状況等から考えましても,非常に難しいというのが現実でございます。  そうした中で,市の環境部が所管している計画等々において,そうした中でも,この地域についてはしっかりと緑を保全する,残していくことを計画に位置づけをして,そこについては市として生産緑地の買取り申出等があったときにしっかり買取りをし,保全していくという流れで今いろいろと手を打っているところでございます。  ただ一方で,そうした中で,幸道委員から冒頭御質問がございましたけれども,一部では情報の行き違いなどもあって,市でなかなか取得できなかった土地などもございまして,これについては,市もそれをしっかりと反省いたしまして,今後はそういったエリアについて,しっかりと買取りをしていくということで進めていこうと考えているところでございます。  また,やはり農地でございますので,原則はそこで営農が継続されることが市にとっても一番望ましいことだと思っております。その辺りについては,農協とも連携して,まずはそちらを優先して,どなたかそこで営農していただける方を探していただきつつ,それでもなかなか継続がかなわない場合,行政として何かしら活用ができないかということでそこを検討するという流れは守りつつ,先ほど御提案いただいたような新たな形がとれないかどうかというところについては,改めて農政の所管をしている部署等とも相談させていただきたいと思っております。  以上でございます。 ○後藤会長  ありがとうございます。上林委員,いかがですか。 ○上林委員  もう時間が差し迫っているので,控えようと思ったのですけれども,今の生産緑地の問題については,2022年問題というのがあって,今,2023年で,それは過ぎようとしているところなのですが,行政が買い取るとか,農地をそのまま貸し付ければ,そのまま農地としての活用,相続税だとか納税猶予の制度はありますし,また今,特例として10年延長もできておりますので,それは全体的に考えていかなければいけない政策的な問題なのかなと思っております。  あと1つだけ伺いたかったのが,調布市としては,景観協定が2個所なのですけれども,例えば府中市は結構積極的に,景観協定が20箇所ぐらいあったかなと思っていて,景観協定はもちろん所有者とか事業者主導のところもあると思うのですが,自治体としての姿勢も結構反映されるところかと思うのです。調布市としては,景観協定についてはどのように捉えて,どのような形で取り組むお考えでいらっしゃるのか,ちょっとお伺いしたいと思いました。 ○後藤会長  ありがとうございます。いかがでしょうか。 ○星野主幹  景観協定につきましては,委員おっしゃるとおり,府中市は全国的にも数多く協定を結んでおりまして,景観行政団体ごとで重点にしている施策が異なる部分もあるのですけれども,調布市は,届出に基づく規制誘導を主としてやっているのですが,景観協定につきましても,早い段階で事業者からそのような申入れがありましたら,引き続き我々としても,自主的に取り組んでいただく制度としてはとても魅力的な制度だと考えておりますので,機会等ありましたら,今後も取り組んでいくことを考えております。 ○後藤会長  ぜひ事業者にやってみたいなと思っていただけるようなPRも含めてお願いしたいと思います。  もう一つ,39ページのスライドについて,特に御質問がなかったのですが,私がさせていただきたいのが,確かに大方,右肩上がりなのですけれども,オレンジ色の,市内に優れた景観があると感じている市民の割合が,平成27年にぽんと上がっているのは何か分析されているのか。  あと,グレーの線がやはり平成29年に一度伸びています。この辺り,分析,考察されていますでしょうか。 ○星野主幹  景観のグラフのオレンジの線につきましては,おっしゃるとおり27年に突出していまして,このときもちょっと話題になりまして,記憶が定かではないので,次回以降調べてお答えできたらと思います。  あと,28年,29年のところで中心市街地というのも,京王線の地下化等に伴う開発の進捗等が大きく関係しているのかなと個人的には思っております。  オレンジの部分につきましては,先ほどおっしゃられたように,実は最高値で89.8%ということで,今回の基本計画上も今,目標値は90%になっております。最近80%の前半ぐらいになっておりますけれども,こちらも目標としてはその辺りを考えておりますので,景観計画の改定に絡めて取組を進めてまいりたいと考えております。 ○後藤会長  ぜひオレンジの分析をお願いしたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。当初予定していた時間を過ぎてしまいましたが,よろしいでしょうか。――それでは,議事2を終了したいと思います。  本日の御用意いただいた議事は全て終了いたしました。ほかに何か皆様からございますか。よろしいですか。――事務局から何か連絡はございますか。 ○事務局(中村係長)  今後の予定についてになりますけれども,次回の景観審議会は,来年の2月21日水曜日に予定しております。時間や場所につきましては,決まり次第,改めて御連絡いたしますので,どうぞよろしくお願いいたします。  また,連絡事項として,机上の資料についてなのですが,調布市景観計画とマスタープランにつきましては,持ち帰りにならないようにお願いいたします。  以上になります。 ○後藤会長  ありがとうございます。  議事進行に御協力いただきまして,ありがとうございました。改めて御礼を申し上げます。  議事録につきましては,署名委員を輪番制で指名しておりますが,秋沢委員が途中退出のため幸道委員にお願いしたいと思います。  これをもちまして,令和5年度第1回調布市景観審議会を終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。                             ――了―― - 40 - - 1 -