令和5年度第1回調布市総合教育会議会議録 令和6年2月5日(月) 午後0時55分開会 場所:調布市立第三小学校・調布市立第五中学校 1.出 席 者 7名           市長             長 友 貴 樹           教育長            大和田 正 治           教育長職務代理者       奈 尾   力           委員             細 川 真 彦           委員             福 谷 文 夫           委員             榎 本 竹 伸           委員             千 田 文 子 2.事務局出席者18名           行政経営部長         小 柳   栄           行政経営部次長        宮 田 千 華           行政経営部副参事兼                企画経営課長    伊 藤   宏           企画経営課課長補佐      福 岡 保 宏           企画経営課主任        片 山 実 祐           教育部長           小 林 達 哉           教育部副参事兼指導室長    所   水 奈           教育部次長          阿 部   光           指導室学校教育担当課長    三 井   豊           指導室統括指導主事(学校教育担当)  門 田 英 朗           指導室統括指導主事(教育支援担当)  海馬澤 一 人           教育総務課長         鈴 木 克 久           教育総務課副主幹(調整担当) 市 川 陽 介           教育総務課総務係長  澤 井 昭 宏           第三小学校校長        秋 國 光 宏           第三小学校副校長       八木橋 小百合           第五中学校校長        小 坂   力           第五中学校副校長       沼 本 邦 広 3.議事 (1) 開会 (2) 協議事項 市立小・中学校における英語教育の現状について (3) その他 (4) 閉会 ○小柳行政経営部長 皆さん,こんにちは。 本日はお忙しい中,また寒さ厳しく,この雪の中,御出席いただきまして,誠にありがとうございます。 ただいまから,令和5年度第1回調布市総合教育会議を開催させていただきます。私は,本日司会を務めます,行政経営部長の小柳でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。 はじめに,配布資料の確認をさせていただきます。本日の次第,出席者一覧名簿,席次表,こちらが両面になっておりまして,表が第三小学校,裏が第五中学校での席次となっておりますので,御確認をお願いいたします。また,「外国語教育の充実に向けて」という左方ホチキス止めの資料が1つ。それから,「調布市教育大綱≪第3期≫」です。また本日机上に,「令和5年度調布市立第三小学校学校経営方針」と「本校の目指す児童像」という資料につきましても,置かせていただいています。過不足はございませんでしょうか。 次に,本日の会議の概要を御説明させていただきます。本日は,次第に記載のとおり協議事項が1件,「市立小・中学校における英語教育の現状について」でございます。この英語教育につきましては,教育大綱の中にも,「国際化,デジタル化の進展など,社会の変化に主体的に対応できる力を身に付ける」ことを,3つの基本方針の中のひとつに定めているところであります。また,こちらに調布市総合計画の冊子がございます。この中にも,「グローバルな人材の育成」を施策の1つとして位置づけておりまして,その中でも「外国語指導助手(ALT)を活用した授業の実施等,英語及び外国語活動の充実により,国際感覚や豊かなコミュニケーション能力を育成するとともに,国際社会で主体的に行動できるグローバルな人材を育成」することとしております。このように教育大綱,また調布市の基本計画の中でも,外国語教育についての位置づけをしているところでございます。 こうしたことから,本日は,英語教育の現場を確認させていただきまして,教育大綱等に基づく今後の施策のさらなる推進に役立ててまいりたいと考えております。また本日は,第三小学校及び第五中学校の多大なる御協力を賜りまして,この協議事項の英語教育の現状を実際に皆様にご覧いただく機会を設けていただきました。まずはこの本会議の事務局といたしまして,両校の校長先生を始め,教職員の皆様,並びに教育委員会の御理解と御協力に感謝申し上げます。 ありがとうございました。 本日の流れでございますけれども,まず第三小学校での英語授業を視察いただきまして,その後第五中学校に移動しまして視察を行います。第五中学校での視察終了後に,意見交換もさせていただきたいと考えております。本日の会議の全体時間は,移動時間も含めまして3時間程度を予定しております。 限られた時間ではございますけれども,円滑な会議の上に御協力いただきますようよろしくお願いいたします。 なお,本来であれば,この総合教育会議は,会議の傍聴についてお諮りするところでございますけれども,本日は授業の視察がメインということで,傍聴の受付は行っておりませんので御承知おきください。また本日の会議ですけれども,議事録作成のために,事務局にて録音,それから記録のための写真撮影を予定しておりますので,御了承のほどお願いいたします。 それでははじめに,開会に当たりまして,市長の長友から御挨拶申し上げます。 ○長友市長  こんにちは。どうぞよろしくお願いします。 教育の水準はある程度は経済力に比例するのだろうか。それから,投資として教育に力を入れていく姿勢というのは,地域によって国によって随分違うのだろうかと。そのようなことを考えながら,明治以降だけ考えても急速に先進国の水準も仰ぎ見ながら,一定のレベルを保ってきたのが日本の教育なのかなという漠然とした意識があります。だから一足飛びにこの20年以内のことを考えると,各国の様々な分野における教育への取り組み方というのは,相当差異が生じている。うまく機能している国とそうでない国とある。少し錯覚があるかもしれないと最近思っているのは,アジアで言うと自然科学のノーベル賞を受賞しているのは日本だけでしょうか。そうするとその水準は世界に伍してトップレベルかなと思う一方,コロナの時に露呈したように,最新技術を駆使しながらシステムを構築することに関しては,全然進んでないじゃないかと。シングルイシューで世界中比較したのは,有史以来初めてじゃないかと思うが,その時に露呈した。北欧にも,オセアニアにも,台湾にも負けている と。 それで,今日テーマの英語でありますけれども,最近のことはよく分かりませんが,二十年三十年ぐらい前はですね,平均的に言って英語が少し例外かもしれないけど,それ以外の外国語だと,例えば外国語の専門の教育を大学まで受けても,あまり実践力がないというのはよく見受けられた。そこで少しいびつになっていたかもしれないのは,例えばドイツ語でもスペイン語でもいいけれども,辞書を駆使して古典を読みこなすことができる学生はいるのだが,ただ日常外へ出て行って,通じる言語が身についているかというと,それは別問題だと。 それと並行して二,三十年来言われているのは,捉えようではあるが,アジアの中でも,さっき言ったような高度の教育を授けられた人間が難解な文章を翻訳するというのはある程度できるにしても,一般の平均的なレベルだとか,国際会議における討議への参加用途となると,一般的なインターナショナルな尺度の試験があるわけで,それにおいて英語を日常でよく使う国に負けるのはやむを得ないとしても,非常に小さいアジアの国,経済的には比較にならないぐらい日本より劣っている国にも,若者の英語力は負けることがあるような報道があります。それはおそらくその国の中の全員と比較しているのではないのだけど,高等教育を受けるぐらいのところまで来た人間を比較すると,日本は全然上位でないというか下位にあるということが言われている。例えばそれで何が起きるかというと,日本がお金を出して各国の人間を招聘して会議をやる時に,議長だけは通訳のレシーバーをつけなければいけない,笑いのテンポが議長だけ一拍遅れる,といったことが何十年も前から起きている。それで,国を挙げて英語への取り組みを変えようということで,十年以上やっている。 私も非常に関心はあるので,今回こういうような機会を持って,あの現状を把握するようなことができるというのは,準備していただいた皆さんに感謝をしたいと思っております。 小学校中学校で授業の内容を拝見させていただいた上で,英語への取り組みについてということと,日本の教育のやり方について,自分は自分なりに考えてみたい。昨年来,「市長,内容は全く変わっているんですよ,現場を見ないと」と言われていたので,私も大変いいチャンスをいただいたと理解しております。 今日はよろしくお願いします。 ○小柳行政経営部長 それでは,次第の2,協議事項に入らせていただきます。 本日の議題は「市立小・中学校における英語教育の現状について」でございます。はじめに,市教育委員会の門田統括指導主事から,授業視察の視点について御説明をいただきます。 ○門田統括指導主事  統括指導主事の門田と申します。学校教育を担当しています。 私の方からは,「外国語教育の充実に向けて」の資料を基に御説明させていただければと思います。まず,現在,学校で行われている外国語の教育についてというところでございますけれども,国において,平成29年に学習指導要領が改訂になり,現行の新しい学習指導要領が実施されて,今年度で4年目を迎えております。 その間,外国語教育について大きく変わってきたところといいますと,従前の学習指導要領においては,指導する内容の習得,つまり英語が読める,書ける,話せるといったところまでの内容で構成されていたのですけれども,改訂された学習指導要領においては,話せる,書ける,そういった基本的なスキルを習得した後に,どのように社会であったり,世界であったりと関わっていくかといった,英語を活用してなおかつ探究していくような,そういった力をつけていかなければいけないというふうに,これまでの知識重視の学習から転換を大きく図ってきている概要となっております。現在,英語教育においては,小学校の中学年3年生から,外国語活動という形で,教科に移る前の活動からスタートしています。そして高学年になり,外国語,中学校で英語という形で進んできています。 本日は,小学校の導入段階である中学年第4学年の授業を視察していただきたいと思っております。その後は,第五中学校に移りまして,中学校1年生,中学校導入学年,そして,義務教育段階最後の学年である中学校3年生の授業を見ていただいて,現在の英語教育の大まかな流れを見ていただければと考えております。小学校においては,アシスタント・ランゲージ・ティーチャー,ALTを活用した授業の展開を実施しております。 また,第三小学校においては,ICTの活用も含めて授業展開を工夫していただいていますので,そちらについても,視点として,取り入れていただきたいと思います。また第五中学校の授業におきましては,授業の中で全て教師と生徒がオールイングリッシュで授業を展開していきます。これまでの学習指導要領では示されていなかった新しい授業形態を今実施しているところですので,そこもあわせて見ていただきたいと思っております。資料2ページ目以降は,本日の学習の内容を簡単ではございますが,まとめさせていただいているものになりますので,授業の中で目を通していただきながら,ご覧いただければと思っております。よろしくお願いします。 私からは以上です。 ○小柳行政経営部長 続きまして,第三小学校の秋國校長先生から,学校概要,それから本日視察させていただく授業の視点などにつきまして御説明いただきます。 ○秋國第三小学校長  こんにちは。第三小学校校長の秋國でございます。本日は,雪の中,御来校いただきありがとうございます。 まず学校概要として,配布させていただいた「令和5年度調布市立第三小学校経営方針」,このレジュメの真ん中に学校目標がありますけれど,それに繋がる「子供が元気」というキャッチフレーズで,5つの施策の「確かな学力の定着」中の,「教科担任制を取り入れた指導体制の構築」ということで,本校,コミュニティスクールの推進もありますけれども,今年度から教科担任制を入れた取り組みを推進しています。さしあたり,令和4年度から高学年ということですけれども,本校は今年度から,東京都の小学校教科担任制等推進校の指定を受けて,全学年で教科担任制を推進しています。今日の授業を行う町田主任教諭は,外国語活動も,教科担当として4年生の3クラス全てを教えています。その中の1クラス,4年3組の授業を見ていただきます。 今日の授業について,もう一枚の資料,これを本校で今開発中の,板書型指導案というもので作らせていただきました。 従来の指導案の中身を凝縮したものですけれど,この中に,1時間で収まるだろう板書と,単元5時間分の4時間目ですよということが分かるように記載し,1時間の流れは一番下段に時間の構成で示させていただいております。今日の授業の視点は,先ほど統括からもありました,英語を手段として,コミュニケーション能力の素地,要するに伝え合うということにあります。中身は,学校の中の一番自分の好きなところを紹介し合うということで,その英語のセンテンスをALTの先生のネイティブの発音を聞きながら何度も復唱し,後半は,タブレットを使って,自分で作った好きな場所のカードをペアで紹介し合ってカードを集めるというゲーム性を取り入れて,関わり合う場面を多く取り入れた授業を展開したいと考えています。外国語活動なので,その先に繋がる教科指導,中学校の英語嫌いにならないように,英語を使うことが楽しいな,友達と関わることは楽しいなという授業を目指した1時間,本校の英語活動,そういうことを目指していますので,見ていただければと思っています。以上です。 ○小柳行政経営部長 この後,授業の視察に参りますけれども,教室への視察には,秋國校長先生,八木橋副校長先生も御同席いただきますので,視察の間にお聞きになりたいことがございましたら,校長先生,副校長先生にお声がけいただきたいと存じます。なお,第五中学校での視察も連続して行いますので,門田統括指導主事から先ほど御説明いただいた,英語教育の変遷を踏まえ,英語教育について,専門的な人材により,児童の授業の理解度や学習意欲が高まるか,また,ICT機器の活用により,授業の活性化や学習の効率化につながっているか,などの視点で後ほど意見交換の場でお話しいただけたらと考えております。 それでは,授業の視察に向かいます。事務局の案内に従い,移動をお願いいたします。 第三小学校 第4学年 授業視察 午後1時15分 再開 午後2時20分 ○小柳行政経営部長 それでは,会議を再開します。第三小学校での視察お疲れ様でした。ここから第五中学校の視察に移ります。本日は,第五中学校に多大なる御協力を賜りまして,協議事項の英語教育の現状を,実際に,委員の皆様にご覧いただく機会を設けていただきました。先ずは,本会議の事務局としまして,校長先生をはじめ,教職員の皆様の御理解と御協力に感謝を申し上げます。ありがとうございました。 それでは早速ですが,第五中学校の小坂校長先生から,学校概要や本日視察させていただく授業の視点などを御説明いただきます。 ○小坂第五中学校校長  こんにちは。本日は,雪の中いらっしゃっていただき,ありがとうございます。市長はじめ,教育長,教育委員,事務局と,こんなに大勢の方にお越しいただき嬉しく思っています。 まず学校概要ということで,学校要覧がお手元にあるかと思いますが,在籍数が, 737名に2名転入者が入りまして,合計739名,調布の中学校としては,神代中学校の次に子どもの数が多い学校となっています。 教職員の方は,常勤の教員が管理職を含めて35名います。1年生が8学級,2年生が6学級,3年生が7学級,男女の比率もほとんど変わらないというような,あるべき公立学校の姿を目指して教育活動をしているというところです。また,教育委員会の指針の通り,教育目標を定めていまして,知徳体の順番のうち心を最初に持ってきて,徳知体の教育活動を実践しており,子供の在籍数は命の数ということで,一人一人の生きる力を育む教育活動を目指し,実践しているところです。そのほか,時程や部活動は一般的に,5時間目か6時間目まで授業があって,放課後は部活動等に取り組んでいるところです。 先日は1年生の郊外学習として,木島平村でのスキー実習がありまして,子供達が学びを深めたところです。今は2月に入りまして,3年生は受験シーズンということで,先日都立の推薦の発表がありました。推薦者のうち5割弱が合格したということで,悪くない成果です。この後都立一般,私立一般の受験が待っています。2月10日に私立受験がある子が多いです。3年生は受験真っ只中である状況です。 今日ご覧いただくのは,1年生と3年生の授業です。 メインは3年生の授業と考えています。受験真っ只中なのですが,3年生の授業をするのが東京都の中でも活躍している加藤真由子という指導教諭ですので,その授業を30分程度見ていただきたい。またその前に,1年生の授業,今ちょうど第三小学校に行っていただいたということですが,小学校からあがったばかりのつながりの部分,1年生の冒頭最初の10分,15分くらいを見ていただければと思っています。英語は小学校では話す・聞くがメインですけども,中学校に入ると話す・聞く・読む・書くと4技能になって,文法等も中学になってから始まるということで,今日は1年生の方は文法の授業ということで,be動詞の過去形という単元をやる予定でいます。ただ,授業の導入の部分はクイズだとかビンゴだとかから始めて,ウォーミングアップしてから授業に入る。また,3年生の方は10分15分くらい経ってから入っていただくので,メインのところに入っていると思います。 3年生のメインは読みですけれども,活動的に学習をする予定でいますので,グループ学習だとかペアワークを中心に行おうと思っています。1年生の授業者も3年生の授業者も,ベテランの授業者ですので,どのようにでも対応できますので,例えば大人の方々に一緒にグループ入っていただくことも可能で,ただ参加することもできますし,活動に入っていただくこともできます。 英語の授業は今国際化が進んでいる中で,子どもたちに聞いても,英語はとても大事な教科だという生徒がかなり多くいますし,将来国際的な立場に立つような仕事に就きたいというようなこともありますので,学習はコミュニケーションを取るということで,以前の読む書く中心の授業から,完全にコミュニケーションをしっかりと取っていこうという授業スタイルに変えてきていますので,ご覧いただければと思います。   ○小柳行政経営部長 この後,実際に授業を見ていただきますけども,何かこの段階で校長先生に確認したいこと,質問等はございますか? ○小坂第五中学校校長 配布資料について説明します。3年英語科指導略案という資料ですが,3年生の授業をこのように進めますという内容をここに示しています。導入の部分はビンゴや英語の歌を実践し,その後読みのトレーニングをして,今までの振り返りをします。本日のミッションというのがありますが,これが今日の授業の狙いで,ゾルバとラッキーの話を読んで内容を掴むとなっています。その中で活動の手順のところで,話し合い班4人グループになってそのミッションを達成するために皆で話し合ったり活動したりして活動的に取り組んでいくという流れになります。 1年生の方は,be動詞の過去形と書いてあるのが,今日の授業内容です。単元指導計画の二次という10時間扱いの最初の授業ということで,今日は過去形の文章表現の運用を高める授業を実践します。この授業は最初の導入の部分をご覧いただきますので,メインのところまでは行かないと思います。 また,その他に「五中だより」という本校が毎月出している学校だよりを配布させていただきました。中学校教育活動アンケート集計結果ということで,保護者や生徒へのアンケート結果もあわせて載せていますので,ご覧いただければと思います。 以上です。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございます。それでは,この後教室に移動したいと思いますけども,今校長先生からお話いただきましたように,この後14時35分から10分間程度1年C組,その後,3年D組の方に教室を移動して,視察を行いたいと思います。 それでは,御移動をお願いいたします。 第五小学校 第1学年・第三学年 授業視察 午後2時35分 再開 午後3時30分 ○小柳行政経営部長 授業の視察お疲れ様でした。私たちの時代と全然違った授業で,貴重な見学の機会を頂きました。これからの時間は意見交換の場ということで会議の冒頭, 第三小学校にてお伝えしましたとおり,英語教育の変遷を踏まえ,英語教育における授業の理解度や学習意欲,また授業の活性化,学習の効率化などの視点から,お話していただければ幸いでございます。なお,ご質問等がありましたら,それも含めてお一人ずつご発言いただきたいと思います。 それでは,はじめに,千田委員からお願いしてよろしいでしょうか。 ○千田委員 よろしくお願いします。今日はありがとうございました。 今,小柳部長が我々の時代と全然違うというお話でしたが,私もちょっと前置きさせていただきます。英語学習はなかなか成果が見えにくくて長年の課題だったと思います。私自身が60年前に中学1年生で初めて英語に触れた時は,教える先生の専門が社会科の先生でした。案の定私は全く自分の発音や会話や作文には自信が持てなくて,それでそのまま大学を卒業してしまいました。これは本当に苦々しい思いでした。私の世代,私の周りは,多くの友達が,だいたいそういう環境だったので,もうなんとかごまかしてここまできて,人生もそろそろ少し終わりに近づいてきています。しかし,これからの子どもたちは,それではいけないなといつも思っていました。やはり今日の授業を見て三小,五中もですが信頼できる教師の指導が大事だと思いました。この先生の発音だったら,外国に行っても通じるだろう,この先生が教えてくれるなら,コミュニケーション取れそうだなど,そういう信頼がおけるような指導者に多くあってほしいと思いました。それから学んだことを実際に試すことができる。今日も試していましたが,そういう環境が学校からちょっと広がって地域や社会にそういう環境があることが,これからの子どもたちにとっては重要だと思いました。 今日の授業で,デジタルの活用など工夫されていましたけれども,ぜひ小中の連携で一貫性のあるプログラムだと良いと思いました。その中でやはりデジタルを活用しながらで良いので,今日もあんまり取り残されている子はいなかったのですが,でもやっぱり一人でも取り残さないというような,教育を進めていってほしいと思いました。 立川にできた東京グローバルゲートウェイに体験学習に行くようになりましたが,これは大変大事なことだと思いました。ひょっとしたら,調布にも英語ができるネイティブの人たちが,地域でいらっしゃるかもしれないので,そういった人たちを発掘して英会話の交流ができるような環境ができたらいいなという夢を持ってしまいました。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。続きまして,榎本委員,お願いいたします。 ○榎本委員 今日は小学校中学校とても楽しい授業で,よくわからない自分にも,よくわかる授業だったと思っています。小学校でも中学校でも,「お気に入りの場所」の会話練習をやっていて,偶然なのか,それとも連携をしてか分かりませんが,単語自体は中学校になっていけば当然難しいものが出ていましたけれども,小学校でもやった経験,体験したものがまた振り返ってできるというのは,非常に学びとしては効果があるのではないかと思いました。小学校も中学校も児童生徒が積極的に授業に関わっていて,自己表現をしている。それでみんなで意見をし合ったり,それを取りまとめて発表したり。コミュニケーション能力を高めるためにというところでしょうけども,その姿を見ていて,英語の授業は極めて変わったのだと改めて思った次第です。 また,三小では,リモート授業を受けている子がいて,ちょうどリモートのタブレットの横に座っていたのですが,前半は一生懸命に彼も喋っていてそれで,この児童に先生は声をかけるのかかけないのか?どうなのだろうと。どうするのが正しいか私は分かりません。だけれど一生懸命参加していた。後半戦になったら声が聞こえなくなったので,疲れちゃったのかなと思いました。だけれども,クラスの中にいなくてもクラスの雰囲気またはそのクラスの友達と同じ時間に学べるというのがやっぱりリモートの良さかなと思いました。今申し上げたように,リモートの子供に対して声をかけるのが効果的なのかどうなのか,私はよく分かりませんけども,その辺どのようになっているのかお聞きしたいと思いました。 特に三小の子どもたちが授業終了のチャイムが鳴って,もう終わりという頃に,もう終わりかと言った子がいて,本当に楽しんでいるのだなって,楽しみながら学べるというのは,こんなにいいことないというのが私の印象です。以上になります。今日はありがとうございました。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。続きまして,福谷委員,お願いいたします。 ○福谷委員 今おっしゃったように,三小で授業が終わる時に,え,もう終わり。という声があって,もうその一言で,授業の内容がよく伝わってきたって感じがしました。昔だったら,授業の内容の中で,先生が言ったのを生徒が反復してというのが繰り返されるのですけど。全く飽きないで反復させているというか,ゲーム性があって,何度も何度も同じ言葉を言っていると思うのですけど,その飽きない反復練習に非常に感心しました。 あと,中学3年生の授業で,僕は読み取れなかったけど,その物語を読むっていう活動から,今度は使える,話すというふうに自然にそれができているというのは,すごく組み立てが良いなと思いました。先ほど榎本委員が言っていましたけれど,小学4年生の授業で扱っていた「This is my favorite place.」が中学1年生の授業でも使われていたので。 偶然かなと思ったのですけど,分かりやすかった。 ただ単に,話すとか聞くとか書くとかっていうのを,機械的にでなくて,こういう風な形で活動としての授業ができているというのは,英語にとっては非常にいいと思いました。僕はいつも思うのだけど,学校の中で教師が指導の主体ではあっても,活動の主体は子どもであるべきだと思っていましたので,それが感じられる授業の展開を見られてよかったと思います。 ありがとうございました。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。続きまして,細川委員,お願いいたします。 ○細川委員 ALTの先生でなくても,皆さん発音がとてもいいのが驚きでした。先生方は帰国子女なのかとか留学経験があるのかと思えるくらい発音が良かったので。特に小学校の先生などは,これができる先生ばかりではないのかというところは少し心配ですけれども,それについては先生の力,教員の力というものが,素晴らしいものがあるということがよく分かりました。 他の委員の方もおっしゃっているように,授業自体が,子どもたちが積極的に関われる作り方をよく先生達がしているという,そういう組み立て方を非常に工夫しているということもよく分かりました。それは門田統括がおっしゃっていたように,あくまでも英語を使って,その先のコミュニケーション,それをどう使っていくのかというところを目指して作っているのだという,そういう最終的な目標というものがきちんと共有されていて,理解としてあるからこそそうなっているのだろうと思いました。子どもたちは,ただ受け身で聞いているだけではなくて,嫌な子もいるかもしれませんけれども,話さなければならない。これは何か伝えたいとか話したいと思わせるような,そんな作りをすることによって,長文の読解でもきっと一生懸命チャレンジする。それも話し合っている様子を見ても,みんなでああじゃない,こうじゃないと言いながら,理解をお互いに深めていくというような授業のあり方というものは,今の新しい学習指導要領のこの主体的・対話的というところに,非常に適していて,それに則ったということでしょうか,そうした形でよい授業を見させていただいたと思っております。 ただやはり心配なのが,ついていけない子,こういうコミュニケーションが苦手な子がやっぱりいるでしょうし,英語についても,小学生から始めたことによって,先ほど三小の秋國校長がおっしゃっていましたけれども,英語嫌いになる子が実際にいるのも私も知っています。そういう中で先生方もご苦労があると思うので,そうした点については少しお聞きをしたいと思っています。 これもう本当に市長がおっしゃったように,経済の格差というものがそのまま学力の差に繋がっている現状というものがある中で,理解が難しい子たちにどのようなフォローができるのかというところを,先生方が考えてくださっていると思うので,そうした点についても,少しお聞きできればありがたいと思います。 英語を使う,英語を学ぶということは,そもそもは自らとは異なる文化とか異なる世界観とか,自分とは異なる他者というものに出会っていく,そういう作業だと思います。 今の自分の世界観というのが超えていくような,それが楽しいと思ってもらえるような授業づくりというものをまたこれからますます進めていっていただきたいと思うところです。そのためにも先ほど少し話がありましたけれども,国際交流協会とかそんなのもあるわけです。今外国ルーツの子どもたちも増えているという中で,それをプラスに転じて使っていくことも検討できるのではないかなと思った次第です。以上です。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。続きまして,奈尾教育長職務代理者,お願いいたします。 ○奈尾教育長職務代理者  私は,中1の時の英語の担任が男の怖い先生で,英語の授業はちゃんと受けて,宿題は一度も忘れたことはないし,自分の記憶している限り,1年生の時は満点でした。ところが2年生になった時に,女の優しい先生に変わって,そこでまた勉強すればよかったのですけれども,もう英語はやりたくないという気持ちがあったかもしれない。そこから私の英語学習が止まって,後悔しきりなのですけれど,最近の横文字カタカナの多い文章が多くて,どうしても必要な時は改めて辞書引いて訳してとても時間がかかる。 買い物に行って会計を待っていたら,あそこでやってくださいって,パネル操作なんですね。それでお金入れればいいかと思ったら,その前の操作がいろいろあって,お札どこに入れるのだろう?となって。結局は店員さんに全部やってもらって店を出る。そういう恥ずかしい思いをしております。今の時代は,そういう意味では,幸せだと私は思います。 楽しい学習というのは,幼い子供たちの身につく学びになっているのではないかなと思います。今日見学した小学4年生の先生,あの飄々とした指導力というのは本当に羨ましい限りなのですが,秋國校長に,三小にはこれぐらいの能力を持った先生は何人くらいいますかと尋ねたら,首をひねって答えてくれませんでした。おそらく何人かいらっしゃると思うのですけれども,優秀な先生はやはり増やしていかないとならないです。あの学年あのクラスだけではいくら交換授業をやるなどしても,教科担任制にしても,私は広がらないと思う。努力をされていますけれども,この外国語の指導力アップのための研修をもう少し充実させていくというのも,一つあるのではなかろうかと思います。それから,楽しく学ぶっていうことだけれども,やはりその学習の繰り返しですから,楽しく学んだことがどれぐらい身に付いているのかというのが,この授業でもちろん評価は大事になるわけです。ある学期を通じてとか,学年を通してとか過ごしてきた中で,外国語に触れる何か行事でもいいですし,あるいはTGG(Tokyo Global Gateway)へ行って試すのもいいでしょうし,そういう環境,流れを作っていくことも大事ではなかろうか。お金のかかることですけれども,本人にかかる問題でもありますから,そこは整理しておくといいかなと思っています。いずれにしても,都・市はあらゆる機会に予算を投入してやっているわけですので,有効な活用がなされているか,チェックはやはりしなくてはいけないですね。 例えば,今日のALTの方の活用があれでいいのかどうか。個人的には町田先生だけで授業できたのではないかな,そういうことさえ分からない。そして,ネイティブの先生が同じ時間来るのであれば,もっと別な使い方ができてもいいのではないか。 あるいは,もう少し少人数にしてもいいし,膨らましてもいいしという,そういう活用の仕方の工夫をする必要があるのではなかろうか。 分からないままに2時間学習させていただきました。ありがとうございます。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。続きまして,大和田教育長,お願いいたします。 ○大和田教育長 両校の校長先生,本当にありがとうございました。今日一つの科目をじっくりとこれだけ見させていただいたのは,教育委員さんたちにとっても初めて,私も初めてだったのですが,大変いろんな意味で参考になりました。各委員さんから出た話と同じなのですけど,やっぱり自分が受けた時の英語教育と今日現実に見させていただいた英語教育をどうしても比較してしまいますよね。とんでもなく違うものですから,その辺が時代の流れといいますか,新しい学習指導要領に基づいた今の英語教育というものを目の当たりにさせてもらったというのが,印象的でした。自分たちとどうしても比較してしまうと,昔は英語の授業にしても,先生が読んで,それをオウム返しして読むので,教室がシーンとしていた。しかし,今日見させていただいたら,途中でグループになったり,生徒同士が意見交換したり,主体的対話的を実践しているからだと思いますけれども,あのような授業風景は自分たちが通ってきた経験にはなかったです。 そういうところに少し驚かされているところがあります。 私はこういう立場で少し考えているのですけど,数年前から英語教育を小学校にまで入れてきたのですが,この新しく小学校から始まった英語教育の効果というのが,どういう形で現れていくのかというのがすごく楽しみでもあり,不安な気持ちも持っています。小学校から始めたこの英語教育で日本の子供達がある程度の歳になった時に,本当に自分たちとは違って,英語圏の人達と意思疎通がもっとできているのか,それともそんなに変わらないのか,その効果が楽しみだなという気持ちがあります。以上です。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。委員の皆様それぞれからご意見ご感想をいただきましたけれども,それを踏まえて,長友市長,所感をお願いします。 ○長友市長 今日こういう機会を得られるということで,私自身も非常に強い関心を持っていたので,小学校中学校で体験できてよかったというのがまず正直な感想です。体験できてよかったと思うのだけれども,その上で率直に言えば,以前から考えている色々と疑問に思ったりしていることは,払拭できないなということがある。例えば,今日小学校の授業では,あのような授業を1年通してどれぐらいの頻度でやるのでしょうか。 ○所指導室長 3年生と4年生は,外国語活動なので,週1時間だが,5年生6年生は週に2時間です。 ○長友市長 例えば,ああいう授業があって,振り返って考えてみると,今日見たもので,「私のお気に入りの場所」っていうセンテンスを忘れないと,忘れないで記憶に留めるとする。そうすると年間100のセンテンスですね。それで,それは学校に聞くのではなく,文部科学省に聞く話だけれど,小学生について,どこまで何を達成すればいいと思っているのでしょうか。 ○所指導室長 小学生に関しましては,コミュニケーション能力の素地を作っていくということなので,正確な英語だとか,そういうものが扱えるというよりも,使った英語が伝わった楽しさだとか,伝え合う喜びだとかそういうことを養うことになっています。 ○長友市長 なるほど,確かにそういう達成度はあるかもしれない。見ていた感じではあるかもしれない。 ただ,100コマ年間費やす価値があるかというのは,分からない。先ほど教育長が言われたことと被るかもしれないけれど,分からない。全員が外国語を流暢に喋るというのはあり得ないわけだけれども,本格的に英語を勉強しようとする時に,何らかの土台というか,先に繋がるような効果があればいいなと思ってやっていると思うのだけれども,効果があるか私には分からない。それから,辞書を引いて,一生懸命書かせて10年やるけど,誰も喋れないというのにもう懲りてああいうことになっているのだろうと思うので,それはそれでとは思います。ただ,もちろん日本語ほどには誰もならないけれど,グレードアップして上達していこうとするのであれば,どこかでかなり集中的にやらせる必要がある。 だから文部科学省が英語教育の小学校にまで広げて導入しようとしたような時に,日本人も外国人も携わって,こういうようなカリキュラムを考えたはずだから,もうそれを5年,10年ぐらいやるのであれば,1回総括した方がいいのではないかと,現場に行ってね。今日のように現場に行って,自分たちはこういうような単元を取り入れるべきだと考えたけれども,自分たちが発想した時と比べてどうなのだろうということをやはり検証してはっきりさせた方がいいと思います。そして,続けるなら続けるで,どう調整していくかっていうのを考えた方がいいと思う。 アルファベットの言葉を使う,それも日本語とは全く異なる言語を使うことに対して,アルファベットを使わない人間がもつ抵抗感や違和感を少し取り除くというのにはいいのかもしれない。小学校を見ても,中学校を見ても,そうは思いました。だから先ほどから申し上げているように,その先のことを考えて,あのまま高校に行って,どういう勉強するか知らないけれども,その甲斐があるのだろうかというのは分からない。 さっき言ったように,その中の多分10%でも,私は1%ぐらいいればいいと思うのだけれど,本格的にやろうという人間には,やはり違うやり方をやらないと,例えば苦痛ではあるけれども,その45分なり1時間に英語のシャワーを浴びせて,全く聞き取れないところから,自分の頭の中でセンテンスをだんだん形作って,ものすごい難行苦行苦痛を乗り越えて初めてその後がある。 先ほどから明るい楽しい環境で,それを否定はしないけれど,それはやはり次の段階にどう繋げていくのかという話がなければ。それを押してでも100時間やるか,150時間やるか。前から言っているけれど,もし国語の時間を削っているとしたら,本末転倒で,それは馬鹿げた話だとは思う。別に主要科目は削っていないとかいう話も聞いたことありますけども。 ですから,やはり難しいものだなと。どうやるかというのと,続けるなら続けると,やっぱり修正をしていかないと。 ああやって少しずつ,全く脳裏にも念頭にもなかったアルファベットの世界と少し接触をして,街でもしかして外国人に何か尋ねられたとき,一生懸命臆せず対峙できる,それで一言でも通じると嬉しいもの。 1970年,昭和45年の大阪万博の時にマクドナルドか何か買って「How much?」,これが私の通じた初めての英語でした。やはり通じれば,嬉しかった。そういうようなところに抵抗感なく向かっていくという感じはまあ使えるかなと思います。本当に一生懸命,文部科学省に聞くだけじゃなくて,我が町の中で続けていくにしても,いろいろ考えてやればいいと思います。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。今皆様からそれぞれ質問を含めて,ご意見を伺いました。これを受けて,小坂校長先生からひと言いただけますでしょうか。 ○小坂第五中学校校長 今日は本当に,ご覧くださいましてありがとうございました。外国語教育というか,英語については,色んなご意見がある中で,私たち現場は学習指導要領に則ってやるしかないので,学習指導要領に示された通りにやっていくっていうのは,もう現場に課された使命だと思っています。 結果としてどんな力がついているのですかというのは,感覚の中でしか今の段階では分からないと思いますけど,英語に関してはリスニングの力は明らかについています。これは数年前とは比べ物にならないくらいに。その理解力は,リスニング力がついていきながら,ネイティブの人の話を聞いても,1回に理解することが確実に増えている。 教員が英語で話したことを,もうみんな分かっているという感じで理解している。理解力っていう意味では確実についている。何パーセントぐらいというのは検証していないので分からないですが,英語嫌いが小学校から始めて増えたっていうのも実際にはあり,英語科の教員の感覚としては2割ぐらいが中1の始めから英語は苦手だと感じている。では,何を狙っているのでしょうっていうところですが,中学校として,子どもたちはなぜこういうふうな学習をしているのですかと言ったら,やはり受験があるからというのは,確実にあります。 私事なのですが,うちの甥っ子も姪っ子もアメリカ人です。弟の奥さんも,妹の旦那さんもアメリカ人です。 日本に住んでいて,日本の公立学校に通いましたけど,英語の成績は「3」です。ネイティブですよ。それで,日本の英語は難しいと。なぜならば間違いを指摘する学習だからですね。 アメリカの人なんて文法がどういうふうになっていようが全然関係ないので,コミュニケーションを取りたいわけだから,コミュニケーションツールとして外国語を活用しているのに,間違いを指摘するのが受験英語だから。これは子供としてはせっかく頑張っていて,コミュニケーションを取れているのに,バツをつけられてしまっている。ここで,モチベーションのところでどうなのかなというのは,私はよく感じました。受験にあるから間違いを指摘しなければいけない。そうすると,間違いたくないから間違えないような英語を一生懸命喋ります。ところが,アメリカに行くと,アフリカ系の人だとかいろんな人がいますけど,文法発音を気にしているアメリカ人はいないですね。 ちゃんとコミュニケーション取れるかを気にしているので,日本人が英語文法間違えることを,誰も気にしていない。ただ,日本の教育は,受験があるから,間違いを指摘しなければいけない。 オランダは英語がネイティブではないですが,小学校卒業段階にほぼネイティブぐらいに喋れるようになります。 これはやはり小学校時代の英語の教育に予算をつけていますし,毎日やっていますから。でも日本人は週2回のおっしゃる通り,50分やって。 では,どの程度喋れるようになったかというと,もちろんしゃべれるようにはならないですね。ただ慣れ親しむことができるし,興味関心を持って,それで中学校でさらに進んだ英語の学習をすれば,中学校英語を完璧に理解して流暢に話せたら,絶対に外国で困ることはない。中学校の英語を流暢に使える,それが本当は狙いたいところだと私は思いますけども,そこまで本当にできるのかっていうのは,私たちはそれを目指してやっていますけども,子ども達がやはり気にしているのは受験,そこは絶対にあります。 一方で,外国に行って活躍したいですという子どもは,以前に比べたら確実に増えていると思います。 国際的なことに興味を持っているとか,外国人と接したいとか,将来留学がしたいだとか,そういうことを言う子はたくさんいるというのが現状だと思います。現状の英語学習については,色々な課題もあるし,色々なプラスの面もあると思っています。 学校としては,今後も続けていきたいと,思っています。 ○長友市長 まったく校長のおっしゃる通りだと思います。それは全国一律で,こういう目標のためにやろうと決まっているから,その範疇の中で,ただぜひあの情報の中で工夫して,1クラスの中の何パーセントはどれぐらいの英語の親しみ方になるのだろうということだと思います。あまり言うと気障になるけれども,ヨーロッパでも母国語が英語でない国の英語力には差がある。昔はこういう言い方をした。「大国は英語が通じない。」大国にはイタリアとかフランスとかスペインといったラテン系の国が入ります。 一方,中小国は英語をやらないと生きていけないと思っているから通じる。今おっしゃったようにオランダは定評ありますよね。 北欧も上手い。 ただ,私はベルギーにもいたのだけど,ベルギーはオランダ語とフランス語は公用語で,英語は公用語ではないですよね。そこで英語をやらなければいけないと言ったら,その3ヶ国語をやったらもう小学校のカリキュラムは語学だけで,真っ赤ですよ。最初に申し上げたように,その国にはその国の実情があって,やらねばならない度合いがあり,それから距離の近さですかね。 私はドイツ語をあまり知らないけど,他の言葉というのは語順一緒ですよ,ラテン語起源の言語っていうと。単語が違うだけだから,それは習得が早い。今でも,フランス人は気取っていて,分かっているのに英語で喋ってくれないっていう迷信があるのだけど,あれは大間違いで,1970年代まで英語を使うことがなかったからないだけ。最近はもう随分力入れないとやっていけなくなったから,違うと思いますよ。それから全然やっていなくても,高校ぐらいになって3ヶ月ぐらいイギリス行くと喋れるようになる。やはり語順文法が一緒だから。 ところが,アルファベットを使ったことがない全く違う異言語の漢字の国からアクセスするのだったら,それはヨーロッパ人でさえこれぐらいやるのだからという観点で言えば,ものすごくやらなければ,それは身につかないですよ。だから最初に言ったように,文部科学省は何を目標に,何パーセントの日本人にどのレベルの英語身につけさせようとしているのかというところをはっきりさせないといけない。中学校でも話す英語,小学生でも英語を始めたのはいいと思います。ただそれを総括して,10年やった時に,基礎自治体も協力して,現状はこんな感じです,こうやった方がいいのではないですかという提言も出しながら,それでやっていくしかないと思う。さっきから否定的なことばっかり言っているつもりはない。いい芽が出てくるような気はします。是非,小坂校長のような,幅広い見方をしておられる先生がやっていただけばいいんじゃないでしょうか。 ○小柳行政経営部長 他にご発言のある方はいらっしゃいますでしょうか。 本日は実際に第三小学校,第五中学校の授業を視察する機会をいただいて,連続性をもって英語教育が推進されていることが分かりました。 ○長友市長 高校入試のリスニングは聞いたことがないけれど,年々レベルを上げているのですか。 ○小坂第五中学校校長 リスニングとスピーキングもありますので,レベルは上がっていまして,比重も以前に比べると上がってきています。スピーキングはどうやって採点しているのか,もちろん採点基準はあるのですけども,難しい。 ○長友市長 そこでかなりの点を取ろうとしたら,この学校でやっていることだけでは駄目でしょう。 ○小坂第五中学校校長 でも中学校英語の範囲内で,私たちもやっているようなものを基準に,テストを実施するので,ネイティブのように喋ってくださいっていうテストではないです。 その基準はちゃんとクリアしている。リスニングはネイティブの音声です。実情は塾に行っている子が多いですが,基本的にはテスト問題は学校の授業でやっているものでできるというのがあります。 ○小柳行政経営部長 皆様,御発言ありがとうございました。本日の意見交換はここまでとさせていただきます。それでは,次第の3, その他ということで,事務局から事務連絡をお願いします。 ○事務局担当者 本日の議事録は,後日皆様に御確認いただく予定としておりますので,御協力くださいますようよろしくお願いいたします。 ○小柳行政経営部長 それでは,全体を通じて,皆様から何か御発言等はございますでしょうか。 ○榎本委員 先程少し質問させていただいたのですけれども,タブレットで授業を受けている子ども達に対して,教室から先生が声を掛けるといったことはどうなのでしょうか?教えてください。 ○所指導室長 タブレットで授業に参加しているお子さんにつきましては,それぞれ状況が違います。不登校でなかなか入っていけない子は,声を掛けてもらうのが少し嫌だなというような感じがあれば,授業中は声を掛けないで,後ろから先生が見て声を掛けるなどします。普通に休んでいる子ですと,教師が指導をしているときにどう思う?という形で声を掛けたりとか,休み時間になると,タブレットに向かって言葉掛けがあったりします。よって,ひとりひとりのケースによって違うという形になっています。 ○榎本委員 分かりました。ありがとうございます。 ○福谷委員 調布ならではということで,私は八中でバスケ部の顧問だったのだが,アメリカンスクールと練習試合をして,選手は先方の学生,審判が先方の先生で,非常にいい体験ができたと感じた。交流とかはやったことはないですけれど,外語大とかがあるわけだから,調布ならではということでそんなことも思ったりした。 また,定期テストの中にもリスニングがあって生徒たちは答えていますので,かなり授業の中にも入ってきているのではないかと思っています。 あと,以前の総合教育会議の時に,市長がタブレットのことで,読み書きの障害については非常に効果がある反面,どうなのかなということで,読書を推奨していたのがすごく印象に残っている。学校の中で,朝読書とかビブリオバトルをやったり,四中の子だった子が多摩川で川の図書館というのをやったり,学校だったら学級文庫があったりして,そういう読書を通した英語学習も考えられ,英語の絵本なんかも中学生としても,親しみやすいのではないかと,読書の推奨があったことから思いました。 そして,確かにいま校長先生がおっしゃったように受験があって,英語もやっていますよね。はい,以上です。 ○小柳行政経営部長 ありがとうございました。 学校の図書室にも英語の本は結構あるのですか。 ○所指導室長 はい,配架しています。中学校それぞれ工夫したり,小学校も取り組んだり,みんなで見られる大きな英語の絵本だったり,それぞれ工夫しています。 ○長友市長 短期でもいいから,中学生ぐらいをね,夏休みに外国へやるようなことをね。たとえ1週間や10日でも感じることありますよ。そういうようなことの積み重ねで,自分で工夫してできないことを少しでもっていうところはね,絶対身につきますよ。もう自分でこうやりたいと思った時ね。それからブレイクスルーしてガーンと伸びたとか,スポーツとかも何でもそうだけども,それは大きいですよね。是非ね,そういう予算を今後つけられるかなと思って。こういうような授業も新規にあっていいんじゃないですかっていう言い方はできると思うんだよね。 ○小柳行政経営部長 本日の総合教育会議を受けて,調布の今後の英語教育に,どんな方向性があるのかということの一つの参考になる視察だったかと思います。本当にありがとうございました。今,全体を通じてご意見をいただきましたが,他によろしいでしょうか。 特に無いようであれば,これをもちまして,令和5年度第1回調布市総合教育会議を終了とさせていただきます。本日はご多忙の中,皆様ご出席いただきまして,ありがとうございました。改めまして,今回の視察対応にご協力くださいました小坂校長先生をはじめ第五中学校の教職員の皆さんに厚くお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。