議員提出議案第7号 国民健康保険制度へのさらなる公費拡充による財政支援等を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 令和6年3月18日 提出者 調布市議会議員 山根 洋平 賛成者 調布市議会議員 磯邉 隆 同 阿部 草太 同 古川 陽菜 同 宮本 和実 国民健康保険制度へのさらなる公費拡充による財政支援等を求める意見書 国民健康保険制度(以下「国保」という。)は、中高齢者が多く加入し、一人当たり医療費が増加している。一方、被保険者の所得水準に対し、他の健康保険制度に比して保険料(税)の負担率が高いなどの構造的な問題を抱えている。 平成30年度には国保の制度改正が行われ、都道府県が財政運営の責任主体となり、国から約 3,400億円の公費拡充による財政基盤の強化が図られた。しかし、全国知事会の政策要望では、国保の構造的課題を踏まえた新たな財政支援が求められている。また、保険者においても、一般会計からの法定外繰入れの解消や、統一保険料に向けた取組など、財政運営の健全化に向けた対応が求められている。 しかしながら、国保が抱える構造的な問題に加え、少子高齢化の進展や、高年齢者雇用安定法の改正を受けた70歳までの就業機会の確保といった雇用環境の変化などの社会的・経済的要因により、国保の安定的運営が困難な状況が続いている。 特に被保険者数の減少は顕著である。人口減少や団塊世代の後期高齢者医療制度への移行などにより、国保被保険者が年々減少している中、国の施策である社会保険適用事業所の拡大は、安定した収入が見込める給与所得のある被保険者を減少させる要因となっている。今後においても、人口減少や令和6年度のさらなる社会保険適用事業所の拡大によって、負担能力の低い被保険者数の割合がますます増加することが見込まれている。 こうした状況の下で保険料(税)率の改定を進め、仮に被保険者の負担が増すこととなったとしても、保険料(税)収入の確保にはつながらず、法定外繰入れの解消が見込めないという深刻な課題が生じることとなる。本市の国保財政においても、法定外繰入れの解消に向けた道のりが遠のくといった状況であると言える。 これらの新たな問題は、1保険者が対応できる範疇を大きく超えていることから、財政運営及び制度運営の課題に対応するため、より次元の高い支援や措置が必要となっていると言える。したがって、調布市議会は政府に対し,下記のとおり要望する。 記 1 国保財政の安定化に向けて、被保険者の減少や所得水準に対する保険料(税)の負担率の高さなど、構造的な問題を解決できるよう、国においてさらなる公費の拡充など財政支援を図ること。 2 法定外繰入れの解消による国保財政の健全化に係る取組や、保険税率等に影響しないよう、国の施策や社会的・経済的な要因による保険者の責に帰することができない特別の事情による保険料(税)収入の落ち込みなどの補?について、法定内による繰入れとなるよう基準等の見直しを図ること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年3月 日 調布市議会議長 井上 耕志 提出先 内閣総理大臣   総務大臣   厚生労働大臣   衆議院議長   参議院議長