15ページ 1,障害のあるかたと家族への切れ目のない地域生活の支援 A,生涯にわたる支援 かっこ,Aの1,相談支援 障害のあるかたと家族からの様々な相談に応じ,他分野の機関とも連携しながら必要な支援,サービス等へつなげます。 前計画期間の振返り 平成30年度から基幹相談支援センター,かっこ,障害福祉課に医療的ケアコーディネーター,かっこ,看護職及び相談支援コーディネーター,かっこ,相談支援専門員を配置し, 医療的ケアの必要なかたや市内の相談支援事業所で相談支援を担っていくことが難しいケースの対応に取り組んでいます。 こころの健康支援センターの相談事業では,30代以下の相談者が全体の半数程度と増加傾向にあります。10代の相談者数も増加しており,子ども・若者支援を行う関係機関と連携しながら対応しています。 平成31年4月から,地域生活支援拠点の,面的な体制による運用を開始し,相談支援事業所を中心として連絡会を設置,開催し,機能の充実へ向けた課題抽出を行い,障害者地域自立支援協議会に報告しています。 精神障害者家族等シェルター事業運営費補助について,補助対象団体と協議のうえ,令和3年度よりアパート借上による運営から,民間宿泊施設等を活用した助成方式に変更しました。 地域福祉コーディネーター事業として,令和元年度には市内8つの福祉圏域全てに地域福祉コーディネーターを配置しました。 また,地域共生社会の充実に向けて,令和5年度には重層的支援体制整備事業に移行し,地域福祉コーディネーターを中心として,包括的な支援体制の構築を推進しました。かっこ,福祉総務課 複合的な生活課題を抱える世帯に適切に対応していくため,高齢,障害,健康,児童,教育など各分野の庁内所管部署,社会福祉協議会やホケンジョ等の関係機関で構成される,相談支援包括化推進会議を平成30年10月から設置しました。 また,令和5年度には,重層的支援体制整備事業に移行し,重層的支援会議等の機能を付加して,具体的な支援プランに関する検討や,支援に必要な関係機関との情報共有を図りました。かっこ,福祉総務課 16ページ 調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会は,平成30年3月に,会の設置目的として,精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築の推進を追加し,令和4年度からは抽出した地域課題をもとに3つのグループを作り,協議しています。 毎ネンド,市内福祉事業所で働く職員の専門性向上と職員同士のネットワーク形成を目指し,ちょうふ福祉実践フォーラムを開催しています。 令和2年度,令和3年度においては,コロナ禍の影響によりオンデマンド配信による開催に変更し,実践からの学びあいの機会を確保するとともに,参加者数の維持を図りました。 今後の課題 障害特性に応じた専門相談の充実  一人ひとりの特性やニーズに応じた,どのライフステージにも対応した切れ目のない支援の実現のため,その基礎となる基幹相談支援センターを中心とした相談支援体制の充実が今後も必要です。  発達障害,高次脳機能障害,重症心身障害,医療的ケアが必要なかたなどの相談件数も増えており,様々な障害特性に対応できる相談員の人材・体制の質的,量的な充実が今後も必要です。 包括的・重層的な相談支援体制の整備 高齢福祉,障害福祉,児童福祉,生活困窮者支援など分野別の支援体制のみでは,複雑化,複合化する当事者や家族の抱える課題や,制度の狭間にあるニーズへの対応は困難です。 分野を超えた連携体制,情報交換などの取組を進め,包括的な支援体制を構築していくことが必要です。 また,令和6年4月の精神保健福祉法の改正により,市町村等が実施する精神保健に関する相談支援について,精神障害者のほか精神保健に課題を抱える者も対象になることから,精神保健のニーズに対応していくことが必要です。 家族・家庭への支援  近年,はちぜろごぉぜろ問題,ヤングケアラー,きょうだいなどが話題となっていますが,障害のある当事者の家族,家庭も大きな負担を抱えており,さらにコロナ禍により介護者,家族の孤立化,休息,かっこ,レスパイト機会の減少も懸念されています。  障害のある当事者だけでなく,その家族一人ひとりもそれぞれが望む生活を送れるよう,家族,家庭にも目を向けて支援を展開していくことが必要です。福祉につながっていない人にも支援が届く体制,相談しやすい窓口づくりが求められています。 17ページ 取組の方向性 障害特性に応じた専門相談の充実 基幹相談支援センター,かっこ,障害福祉課,市内3か所の相談支援事業所,こころの健康支援センター,子ども発達センターを中心とした相談支援体制を維持,継続しながら, 一人ひとりの多様なニーズや障害特性に対応できるよう,発達障害,高次脳機能障害,重症心身障害,医療的ケアが必要なかたなどの専門相談の充実を含め各相談機関のスキルアップを図ります。 相談窓口の市民全体への更なる周知に努め,どこにどのように相談したらよいかがわかりやすい,ひらけた相談窓口を目指します。まだ相談窓口につながっていない人にも支援を届けることができる,市民が利用しやすい環境づくりを進めます。 サービス等利用計画を作成する相談支援専門員の量的充実を図るとともに,市内相談支援事業所により構成する,サービスのあり方検討会により,相談支援の質の向上に努めます。 包括的・重層的な相談支援体制の整備 令和5年度に移行した重層的支援体制整備事業のもと,高齢福祉,障害福祉,児童福祉,生活困窮者支援などといった分野別の支援体制では対応が困難な地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため, 引き続き,組織横断的な連携のもと,相談支援,参加支援,地域づくりに向けた支援を一体的に実施します。 精神保健福祉法の改正により,精神障害者のほか精神保健に課題を抱える者も対象になることから,支援者が精神保健のニーズに気付けるよう,包括的・重層的な相談支援体制の中で取り組みます。 家族・家庭への支援 障害のある本人だけでなく,きょうだい児者や介護者,かっこ,高齢の親,ヤングケアラー等への支援を含め,家族・家庭全体が抱えるニーズを的確に把握し,受け止め,関係機関と連携しながら支える体制づくりを進めます。 障害のある人も,結婚・出産・子育て・親の介護などのライフステージや,友人・交友関係などの生活全体において,一人ひとりが生涯にわたって充実した日常生活,社会生活を送ることができるよう支援の展開を図ります。 18ページ かっこ,補足,重層的支援体制整備事業 国は,令和3年4月に施行された社会福祉法の改正により,地域共生社会の実現に向けて,相談支援,参加支援,地域づくりに向けた支援を一体的に実施する新たな事業として,重層的支援体制整備事業を創設しました。 市は,高齢福祉,障害福祉,児童福祉,生活困窮者支援等の分野別の支援体制では対応が困難な,地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズへの対応を充実するため,既存の相談支援の取組等を踏まえて,令和5年度に重層的支援体制整備事業を開始しました。 今後も組織横断的な連携により,包括的な支援体制の構築に向けた取組を推進します。 重層的支援体制整備事業の図が示されています。 19ページ 重層的支援体制整備事業の事業計画のイメージの図が示されています。 20ページ 主要事業 ナンバー,Aの1の01,基幹相談支援センター 事業概要 地域における市内の相談支援事業所の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを障害福祉課内に設置し,総合的な相談業務を実施します。 今後の方向性 市内相談支援事業所に対してスーパーバイズを行い専門性や支援体制の強化を図ります。 また,市内の特定相談支援事業所において対応が困難な事例や重複障害の事例の対応を関係機関と連携を取りながら行います。担当は,障害福祉課。 ナンバー,Aの1の02,障害者相談支援事業 事業概要 障害福祉課と市内3か所の相談支援事業所等がともに連携し,障害者及びその家族からの相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を提供するとともに,障害者に対する権利擁護のために必要な支援を行うことにより,自立と社会参加の促進を図ります。 障害者地域活動支援センター,ドルチェ,かっこ,身体障害,高次脳機能障害。 障害者地域生活・就労支援センター,ちょうふだぞう,かっこ,知的障害。 地域生活支援センター,希望ガオカ,かっこ,精神障害。 今後の方向性 今後も関係機関の連携を強め,相談支援専門員の技量の向上を目指し,自己決定,エンパワメントの視点を重視し,その人らしい自立にむけた支援を行っていきます。 また,サービス等利用計画作成対象者の拡大に対応するための体制を整備し,一人ひとりのニーズに対応した支援をします。担当は,障害福祉課。 ナンバー,Aの1の03,こころの健康支援センターの運営,かっこ,相談事業 事業概要 精神障害者及びその家族の中心的な相談機関として,生活相談と併せて就労支援,通過型の訓練事業等を行うことで,精神障害者の社会復帰の促進を図ります。 今後の方向性 関係機関との連携を図り,精神障害者及びその家族の相談支援を行い,精神障害者の自立と社会復帰を推進します。利用者の状況に応じて子ども・若者を対象とした相談窓口との連携を図りつつ,中学卒業後や,高校生等の相談にも対応できる体制を構築します。 また,新規相談に素早く対応できる体制を構築し,初回の相談の期間短縮に努めます。 担当は,障害福祉課 21ページ ナンバー,Aの1の04,発達障害者支援体制整備推進事業 事業概要 発達障害者が地域で自立した生活を営むことができるよう,社会生活への適応のために必要な訓練や生活支援,就労準備支援,家族等に対する相談及び助言その他の支援を実施するため, 発達障害者に対する相談支援を提供する拠点をこころの健康支援センターに整備し,発達障害者に対する支援を推進します。 今後の方向性 こころの健康支援センターを拠点として,発達障害のあるかたの生活相談や社会参加に関する相談に応じるとともに,普及啓発や地域のネットワーク構築を図ります。 また,新規相談に素早く対応できる体制を構築し,初回の相談の期間短縮に努めます。 担当は,障害福祉課。 ナンバー,Aの1の05,高次脳機能障害者相談支援事業 事業概要 障害者地域活動支援センター,ドルチェへ事業を委託し,高次脳機能障害者ジ及びその家族等に対する相談支援を実施します。医療機関,就労支援センターその他関係機関との連携を図り,高次脳機能障害者ジへの支援を促進します。 関連する研修会を周知し,関係職員の知識の普及を促進します。 今後の方向性 高次脳機能障害についての理解を促進するため,市民向けの講演会やサポーター養成講座等の啓発活動を継続して実施します。研修会等の周知も継続し,関係職員の知識と能力向上を図ります。 担当は,障害福祉課。 ナンバー,Aの1の06,身体障害者・知的障害者相談員 事業概要 市に登録された障害当事者及びその家族が,地域における身近な相談員として,心身障害者の様々な相談に応じ問題の解決や地域活動への参加などを支援します。 身体障害者相談員5人,知的障害者相談員4人。 今後の方向性 今後も障害者福祉のしおりやホームページを通して市民に周知を図ります。登録した相談員には連絡会や研修会を通して資質の向上を図ります。担当は,障害福祉課。 このページには上にも音声コードが貼付されています。 21ページの続きです。 ナンバー,Aの1の07,生活困窮者自立支援事業 事業概要 就労の状況,心身の状況,地域社会との関係性その他の事情により,現に生活に困窮し,最低限度の生活を維持できなくなる恐れのあるかたを早期に発見し,個々の状況に応じた就労支援等を継続的, 包括的に提供することで,生活の立て直しを図り,早期の自立を促進することを目的としています。 ワンストップ型の相談窓口,かっこ,自立相談支援機関を設置し,様々な相談支援や関係機関との連絡調整等を行うことにより,生活困窮者の自立を支援します。 今後の方向性 引き続き,生活困窮者の自立に向けて支援を行っていきます。 担当は,生活福祉課 22ページ ナンバー,Aの1の08,調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会 事業概要 こころの健康支援センターを事務局として,市内の精神保健福祉に関わる医療機関,事業所等による連絡会を実施しています。情報交換及び,相互理解を深めることで連携強化を図っています。 今後の方向性 精神障害者が地域で安定し,自立した生活を送るため,各関係機関が課題解決に向けた取組を行うとともに,情報交換及び連携することで,支援につなげていきます。 担当は,障害福祉課。 ナンバー,Aの1の09,調布市子ども・若者総合支援事業,かっこ,ココア 事業概要 社会生活を円滑に営む上で困難を抱える子ども・若者を対象に,相談・居場所・学習支援をとおして,進学や自立に向けた支援を行います。 今後の方向性 利用者の状況に応じて関係機関との連携を図りつつ,困難を抱える子ども・若者への支援を推進します。 担当は,児童青少年課。 その他関連事業 ナンバー,Aの1の10,地域で支える体制づくりモデル事業,かっこ,あんしんネット 事業概要 知的障害者及び発達障害者を地域で支えていく体制づくりを目的としています。 地域への障害理解や相談機関の普及啓発,アウトリーチ支援,地域のネットワーク体制の整備,また,緊急相談窓口を設置し,知的障害者,発達障害者の緊急時に必要に応じてショートステイやヘルパー派遣などを行います。 担当は,障害福祉課。 ナンバー,Aの1の11,精神障害者家族等シェルター事業運営費補助 事業概要 調布精神障害者家族会との協働により,家族等の一時的な避難・休息場所を確保し,相談その他の必要な支援などの応急的な支援活動を行う事業への補助を実施し,精神障害者及び家族等の社会復帰や自立の促進を図ります。 担当は,障害福祉課。 このページには上にも音声コードが貼付されています。 22ページの続きです。 ナンバー,Aの1の12,民生委員・児童委員事業 事業概要 民生委員・児童委員として厚生労働大臣から委嘱を受け,地域の人々の生活状況を把握し,必要な人々に必要な援助を行うこと,地域の人々の生活の向上や地域福祉の向上を目指して関係行政機関と協力して様々な社会福祉活動を行うことを役割としています。 市には調布市民生児童委員協議会が組織化され,上記のような活動をするため,委員相互の連携や民生委員・児童委員として必要な勉強会など,自己研鑽を行っています。 担当は,福祉総務課。 ナンバー,Aの1の13,総合福祉センター相談事業 事業概要 対面又は電話による福祉全般に関する各種相談や問い合わせに応じ,傾聴,情報提供及び各関係機関への連絡・紹介を行います。 担当は,福祉総務課。 23ページ ナンバー,Aの1の14 相談事業,かっこ,市民相談 事業概要,家庭相談,心の相談の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行います。 担当は,市民相談課。 ナンバー,Aの1の15 福祉人材育成拠点の整備,かっこ,ネットワーク構築 事業概要,市が運営費補助を行う調布市福祉人材育成センターにおいて,障害福祉サービス事業所,関係機関等による情報交換や勉強会等の開催を通じて,事業所間・職員間のネットワーク構築と連携強化を図ります。 担当は,障害福祉課。 コラム だれもが生きやすい地域に 約2年近く,策定委員会に関わらせてもらい,自らの意見を発するとともに,いろいろな人たちの意見を聞き,発見することや考えることが多くありました。 もっともっと視野を広く持たなければと改めて思いました。委員になった当初,自分が障害当事者としての思いを計画に反映してもらおうとしていました。 しかし障害者に関する計画であっても,障害の有無に関係なく様々な人たちが調布市に住んでいてよかったなと思えるような土台になるものだから,あらゆる方向から考えて意見を出せるように心がけました。 毎回,委員のみなさんのだれひとり取り残されない地域にしたいとの熱い思いを感じ,自分がこの地域に住んでいることをうれしく思いました。 この思いを持つ人たちが一人でも増えれば,素敵な地域になっていくに違いないと感じました。 この計画に盛り込めなかったこともまだまだありますが,計画が1つ1つ実現し,より多くの人たちが住んでいてよかったと思える地域になっていくことを願っています。 あきもと たえみ,かっこ,本計画策定委員,市民公募