令和5年度第5回調布市公共交通活性化協議会議事録 開会 事務局  定刻となりましたので,ただいまから,令和5年度第5回調布市公共交通活性化協議会を開催いたします。  委員の皆様には,ご多忙の中,ご出席を賜り,誠にありがとうございます。  本日の委員の出欠等でございますが,東京都都市整備局交通企画課のW委員と一般社団法人東京バス協会乗合業務部のL委員におかれましては,欠席の旨,ご連絡をいただいてございます。また京王電鉄株式会社,H委員の代理としてI様に,東京ハイヤー・タクシー協会,M委員の代理としてN様に,国土交通省関東運輸局東京運輸支局,R委員の代理としてS様に,同じく国土交通省関東運輸局東京運輸支局,T委員の代理としてU様にご出席いただいております。  傍聴につきましては本日先着10人まで受け付けることとしておりますので予めご承知おきください。  一点報告となりますが,書面開催いたしました第4回協議会でご了承いただきました,北部地域デマンド型交通実証実験の運行期間延長と乗降ポイント追加について,道路運送法施行規則第4条第2項に基づく地域公共交通会議等において協議が調っていることの証明書を取りまとめさせていただきましたので,ご報告いたします。  それでは会長から一言ご挨拶をいただきたいと存じます。会長,よろしくお願いします。 会長  皆さん,おはようございます。中央大学のAです。今日はデマンド交通の実証実験の結果と,交通計画について議論するわけですけれども,デマンド交通,私は4半世紀前になりますが,25年前に初めて鷹巣町で実証実験をおこないましたが,その後,イタリアが全面的に都市でデマンド交通をやり始めるというフィレンツェがございまして,本当に実施可能なのか,そして現地のレポートを全部翻訳したレポートにしまして,デマンドの適材適所と言いますか,役に立つところとそうじゃないところがあることをつくづく感じております。今回,そういう中での実験だったと思います。もう一つは,ライドシェアというのは5年前に北海道でやり始めたのが,ようやく法律が認められて,地方で今盛んにやり始めていて,東京では果たしてどうなのか,という二つの課題について,それから情報化がここ3,4年激しくて,かなり交通に代替する流れも出てきております。そういう中で新しい時代の流れがあり,そしてさらに電動の二輪車,これは多分,小田急バスや京王バスの方はやや彼らを対抗する交通手段と見ているようですけれども,東急は対抗ではなくて自分たちの交通手段としての役割分担の一つだと見始めて,営業所各地でそういう乗り換え拠点を作っております。このように時代が大きく変わり始めている時期での交通の導入ですので,役所の方も交通事業者の方もかなり難しいと思いますけど,ぜひここを切り抜けて新しい交通をぜひ作っていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 事務局  会長ありがとうございました。それでは議事に入ります前に資料の確認をお願いいたします。本日の資料は,次第に記載しております通り,資料1「北部地域デマンド型交通実証実験について」,資料2「地域公共交通計画策定に向けた令和5年度の取組結果について」,資料3「地域公共交通に関する市民アンケート調査結果」,資料4「調布市ミニバス改定内容(令和6年3月)」以上でございます。また,本日席次表,委員一覧,本協議会の設置要綱を机上配付しております。皆様資料はお揃いでしょうか。ありがとうございます。それでは,以降の議事進行を会長にお願いしたいと存じます。会長よろしくお願いいたします。 会長  では,これから議事に入ります。本日の議題は3件ということですので,速やかな進行にご協力をお願いいたします。 議題1 北部地域デマンド型交通実証実験について 会長  では,これから議事に入ります。  本日の議題は3件ということですので,速やかな進行にご協力をお願いいたします。  まず,議題1ですが「北部地域デマンド型交通実証実験について」ということで,事務局からご説明をお願いいたします。 事務局  それでは,「北部地域デマンド型交通実証実験について」,ご説明いたします。着座にて始めさせていただきます。  お手元の資料「北部地域デマンド型交通実証実験について」に沿って進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。  まず,4ページをご覧ください。実証実験の概要を説明いたします。  令和5年12月25日から,北部地域の新たな交通手段として,デマンド型交通による実証実験を実施しています。当初は3月末までの運行期間でしたが,第4回公共交通活性化協議会で委員の皆様にご了承いただいたとおり,今年の12月28日まで期間を延長する旨を国土交通省に許可申請を行っております。運行日や運行エリア,料金や予約方法に変更はありません。  5ページをご覧ください。  乗降ポイントの一覧がこちらです。運行当初から全部で44ヶ所の乗降ポイントが利用可能となっておりましたが,運行期間の延長に合わせて,9ヶ所のポイントを追加し,乗降ポイントは全部で53か所とする旨を国土交通省に許可申請を行っております。乗降ポイントの追加につきましては,システムの都合により4月1日からの運用が困難となったことから,追加時期を延期いたします。なお,追加時期につきましては,決まり次第,市ホームページ等で広報を行って参ります。  6ページをご覧ください。  さきほどの乗降ポイントを地図上にお示ししたものがこちらです。オレンジ色のマルで表したものが,追加される乗降ポイントとなっております。  7ページからは,利用状況について分析したデータをお示ししています。  8ページをご覧ください。  スライド上部のグラフでは日別の新規登録者数を,下部のグラフでは日別の利用者数を表しています。令和6年2月末までの登録者数は169人となっております。延べ利用者数は120人となっています。  9ページをご覧ください。  利用登録の状況と,実際にデマンド型交通を利用した人についてまとめました。令和6年2月末までに利用登録を済ませた169人のうち,実際にデマンド型交通を予約した人は33人となっています。ページ中ほどのグラフでは,予約を行った人の利用回数を表しています。1回だけ利用した人が約3割,2回利用した人が27%,4~6回利用した人が24%となっております。  10ページをご覧ください。  このページでは,デマンド型交通の予約を行った人の属性をお示ししています。予約を行った人をみると,80歳代が約3割で最も多く,次いで70歳代が約2割となっており,半数以上を70歳以上の方が占めています。居住地をみると,深大寺北町にお住まいの方が36%,深大寺東町にお住まいの方が33%となっている一方,市外の方の利用も18%となっております。  11ページをご覧ください。  乗降ポイントの利用状況に着目すると,スーパー,衣料品店,ドラッグストアや医療機関にアクセスの良い27番の「パレット深大寺店」での乗降が多くなっており,他には32番の「梅の湯」,31番の「ブランチ調布」,2番の「深大寺地域福祉センター」でも利用が多くなっています。  一方,利用がなかった乗降ポイントは15カ所となっています。  12ページからは,令和6年2月末までの乗車人数による利用状況を地図にて表したものになります。円が大きいほど,多くの利用人数があったということになります。  13ページをご覧ください。  デマンド型交通による移動の実態を,乗降ポイント間の利用状況からみると27番の「パレット深大寺店」や32番の「梅の湯」を軸とした利用が比較的多くなっています。  14ページからは,先ほどのスライドの発着地間を,利用人数で地図上に表したもので,線が太いほど利用が多かったことを示しています。  次にヒアリング調査についてです。  15ページからは,2月に行ったヒアリング調査の結果を記載しています。  16ページをご覧ください。  まず,デマンド型交通利用者調査について説明します。これは,デマンド型交通の車両に調査員が乗り込み,デマンド型交通を利用した人に直接聞き取り調査を行ったものです。2月の15日から3日間調査を行いましたが,利用者が少なかったため,サンプル数は4となっております。  調査期間中,「今回が初めて」という方は1人で,その他は「2~3回目」と回答しました。利用頻度は,2人の方が「月に1日程度」と回答しました。  デマンド型交通の利用に関しては,「利用してみたら便利だった」等のご意見を頂きました。  17ページをご覧ください。  次に,デマンド型交通非利用者調査についてご説明します。これは,対象地域内の商業施設付近にて,デマンド型交通を利用しなかった方に直接ヒアリングを行ったものです。2月の16日と17日の2日間にわたり調査を行い,39人の方から回答を得ました。  デマンド型交通を知っているかどうか尋ねたところ,「知らなかった」という方が7割近くでした。デマンド型交通を利用しない理由としては,「知らなかったから」が最も多く,次いで「利用の仕方が分からないから」となりました。他には「料金が高いから」といった理由や,「乗降ポイントが自宅から遠い」「行きたい場所にない」も挙げられました。  今後の利用意向についても,「どのように改善されても利用しないと思う」と答えた方が半数近くで最も多くなっていますが,右上の図,回答者の居住地に示すとおり,運行エリアである深大寺東町,深大寺北町にお住まいの方からの回答が33%となっていることが影響していると考えられます。  18ページをご覧ください。次に,他のデマンド型交通の事例との比較についてご説明いたします。  19ページをご覧ください。  比較対象とする事例は,こちらの5つです。東京都内の事例①と②の2つと,九州のデマンドA,B,Cの3つと比較していきます。  20ページをご覧ください。  運行開始2か月での実績比較の概要をこちらに示しています。ピンク色の枠で囲んだ調布市のデマンド型交通の数値になりますが,登録者数や利用人員は,他の事例に比べて少なくなっていることが分かります。  21ページをご覧ください。  運行開始後1年間の登録者数の推移をこちらにお示ししています。  登録者数はほかの事例からも読み取れるように,右肩上がりになっていくことから,調布市も右肩上がりで登録者数が伸びていくことを目指していきます。  22ページをご覧ください。  運行開始後1年間の利用者数の推移をこちらにお示ししています。  他の事例では,6か月目から9か月目に利用が大きく伸び,その後落ち着く傾向にあることから,9か月目での利用者数に注目していきます。  23ページをご覧ください。  運行開始後1年間の,1日1台あたりの利用人員の推移をこちらにお示ししています。  採算性を把握することを目的に,1台あたりの利用人員を算出し,比較しています。  現在,調布市の北部地域デマンド型交通では,1人の輸送に数万円の公的補助がかかっている計算になり,これを1万円以内にするには1日1台あたり9~10人程度の輸送人員が必要となり,タクシー料金と同程度(1,000円程度)にするには,さらに70~75人程度の輸送人員が必要となっています。  市の財源にも限りがあることから,利用人員を増やしていく必要があります。  事例①やデマンドAの事例について,1台あたりの利用人員が突出して多いことがわかります。これらの事例の特徴をお伝えすると,事例①は運行エリア内に直接駅へアクセスできるバス路線がなく,駅へのアクセスとしての利用が多いこと,デマンドAについては,路線バスの撤退により,他の公共交通が全くない状況にあると聞いております。  24ページをご覧ください。  登録者のうち一度でも使ったことがある人(ユニークユーザー)をこちらにお示ししています。  この表では,デマンドA,B,Cと比較いたします。  調布市のデマンド型交通は,今のところは他の事例と同等の伸び率にあります。  今後も伸び率を維持するためには,「まずは一度利用してみる」というように北部地域デマンド型交通実証実験に関心を持ってもらう必要があると考えられます。  今後も北部地域デマンド型交通実証実験の実績に注視し,令和6年度予定されておりますアンケート調査等の実施により,北部地域の交通ニーズの把握に努めて参ります。  25ページをご覧ください。次に,周知活動についてご説明いたします。  26ページをご覧ください。  デマンド型交通の実証実験開始前から,市ではさまざまな周知活動を行ってきました。  まず,市報やホームページによる周知活動としては,12月から市報において4回記事を掲載し,実証実験についてお知らせを行ってまいりました。  直近ですと3月20日の市報で,運行期間の延長と乗降ポイントの追加をお知らせしています。市報と合わせて,2回目のチラシ全戸配布も行いました。  また,実証実験開始前には,4回ほど事業説明会を開催しました。その際の資料を,北部地区まちづくり推進準備会マルシェにて配布いたしました。  27ページをご覧ください。  デマンド型交通のアプリ利用については,事業開始前に2回,事業開始後の2月に2回の計4回開催しました。  今年に入ってからは,乗降ポイントの民間施設や公共施設に,チラシを配架しています。  また,各種SNSやホームページを活用した周知活動も行っております。  28ページをご覧ください。  「つながり創出による高齢者の健康増進事業CDC(調布・デジタル・長寿)運動」として,そちらでもアプリの利用方法説明の内容を取り扱っていただきました。  また,3月9日の北ノ台まちづくりネットワーク主催の会合や,3月16日の北部地域まちづくり推進準備会の会合などに参加し,実証実験の利用状況について報告するとともに,地域へのポスター掲示をお願いさせていただいております。  29ページをご覧ください。  これから予定している広報活動として,大きく2つあります。  4月以降に,ガイドブックを公共施設等に配架と,地域団体に配布を予定しております。  なお,ガイドブックは予約の仕方や乗降ポイントの写真等を掲載した内容になっております。  また,デマンド型交通のポスターを順次,公共施設や地域の掲示板に掲示予定となっております。  今後は,北部地域の方々にデマンド型交通をまず知ってもらうために,周知活動を行っていきながら,実証実験を通じて,地域のニーズを把握し,地域公共交通計画の中で今後の地域公共交通について検討を深めてまいります。  北部地域デマンド型交通実証実験についての説明は以上です。 会長  はい,ありがとうございます。  それでは,ただいまの報告につきまして,ご質問,ご意見等ございましたらお願いしたいと思います。 K委員  京王バスのKでございます。よろしくお願いいたします。今事務局の方からご説明があったことについてちょっと補足とお詫びをさせていただきたいと思います。5ページ目に乗降ポイントの一覧がございますが,今回の延長に関しまして,44箇所から9ヶ所の追加をするということで,調布市からも以前からご要望をいただいておりまして,それについて準備していただいていたということですが,ご説明にあった通り,当社のシステムの都合で4月1日に間に合わないということになりました。調布市の方が非常に熱心に活動されている中で,足並みを乱すようなことをしてしまいまして,大変申し訳ございません。少しでも早くできるように,現在調整,準備を進めておりますので,ご説明にあった通りホームページでの周知になるかと思いますけれども,しばらく時間を頂戴できればと思います。大変申し訳ございません。よろしくお願いいたします。  もう1点ですが,19ページ以下で他事例との比較ということで,ご説明をしたいと思います。デマンドA,B,Cは九州ということで,なぜ九州と思われるかと思いますが,当社で提携しておりますシステムベンダーに依頼をしまして,調布のデマンドの比較検証をしたいということで,調布の形に近い事例を出していただきました。具体的な地域については,他の自治体さんとの関係もございまして申し上げられないのですが,九州に比較的強いシステムベンダーでございまして,結果的に九州に集まっているということになってございます。場所としては都市郊外型というタイプですが,調布市と同じように,いわゆる山間部とか,東京都心のど真ん中のような所は除いた,比較的大都市の郊外で近いところを3つ提供いただいたとところでございます。 会長  はい,ありがとうございます。実験の停留所の追加が遅れているということと,それから事例については少し郊外部,九州についてはA,B,Cは都市郊外部ということです。どうもありがとうございました。他にいかがでしょうか。 F委員  17ページの「どのように改善されても利用しないと思う」が49%ということで,回答が深大寺東町と北町だからだと思いますと仰られたんですけど,聞いていてよくわからなくて,どうして改善されても利用しないというふうに思われるのか教えていただけたらと思います。 会長  集計の地名がわからないので,不明の影響が大きいだろうということで仰ったと思うのですが。そこをもうちょっと細かく説明してください。 事務局  ご質問ありがとうございます。こちらのヒアリング調査につきましては,右側の円グラフ,回答者の居住地をご覧ください。深大寺東町,深大寺北町からの回答者の割合は33%となっております。三鷹市やほかの地域の方からもヒアリング調査を行ったところでございます。運行エリアがある深大寺東町,深大寺北町が33%と少ない数字でありましたので,「知らなかったから」とか「改善されても利用しないと思う」といった調査結果になっているのではないかと考えております。 会長  そうしますと,ここに関連する地域での集計と関連しないだろうという地域の集計を分けて出していただく方がよろしいと思いますので,そこを修正してください。 F委員  関連しているところは,知らなかったから「どういうふうに改善されても利用しない」と思うということでしょうか。 会長  ここは,関連する地域に住んでいる人が利用しないのは本当に知らないから知らなくても利用しないのかするのか,知ってから利用するのかどうか,そこが多分ポイントになると思いますので,そこはいかがですか。 事務局  今回のヒアリング調査では,そのような質問を行っておりませんので,今後実施予定のアンケート調査で対応させていただきたいと思います。 会長  多分今の要望は,ニーズがあるのかどうかという基本的な命題ですので,それによって必要性があるのかどうかということにつながりますので,そこはかなり丁寧に調査をされた方がよろしいというご提案だと思います。よろしくお願いします。  他にいかがですか。 D委員  「知らなかったから」というのが圧倒的に多い。サンプル数が少ないのは一つ原因ではあると思うのですけど,周知が広がっていない,だから利用していないっていう側面は否めない。それと,やはり住民とともに周知を広げていくという側面においてもまだ足りていない。あと利用料金が300円ということでここが二の足を踏んでいるというのは,実際我々の会の方にも伝わってきています。コース設定の時も色々話し合いはあったのですけれども,深大寺東町と北町の町の境の所で,もう少し途中で利用ポイントを設けて欲しいという申し入れもしたんですけども,そこは東町,北町じゃないからだめだ,という話で現在に至っています。  確かに,東町,北町を対象にして始めたデマンド交通ではありますけども,その東町,北町の施設あるいはそこに通う人や隣接する人など,その人たちの利便性が確保されていないという現実があります。その方たちはどうしているかというと,地域のボランティアの人たちに頼んでその間を埋めている実績もあるわけです。そしたら,その「知らなかったから」の56%,「どんなに改善されても利用しないと思う」の49%というこの数値はかなり重たい内容だろうと思うのですね。事務局の取り組みのありようが私ちょっと足りていないと思うのです。  19ページの,先ほどK委員からも説明があった,デマンドAからCの事例が,調布に似ているからという話は一定の理解ができるのですけど,隣接の三鷹市を例にすると,深大寺北町は三鷹市大沢地区の隣の地域なので,この三鷹市大沢地区の人たちがデマンドを利用しようとすると北町および東町の中を通って利用しているのですよ。跨いで行っているのです。ここのところって,住民感情としては深大寺北町の人たちからすればやっぱり利用しづらいよね,という思いにつながっているのではないのって。  元々,この今回の活性化協議会を始めたときに,委員の構成とかっていう話もありましたが,会長から指摘があって,ここに障害者団体や老人の団体の方が入っていません,という話があったと思うのです。私が調べる限り,他市の構成からいくと,公共交通活性化協議会はそういう団体が二つまたは一つどちらかが入っている実例が多いと思うのですね。そういう目線からも,本当に費用対効果だけで追いかけて良いのだろうか。もしそういう観点に立つのだったら,北部地域を交通不便地域にしたことの是非についても関わってくる話だと思うのです。基本ルールがしっかりしていないから,数値だけを追いかけることになるのではないかと僕は思うのです。この結果が出たことを踏まえた私の意見です。 会長  はい,ありがとうございます。D委員から,知らないとかあるいは改善ができていないという,利用しない理由が極めて本当に大きいというのが一つと。それから周知が広がっていないということとか,運賃が300円でやや高めだとか,市境界のポイントをちゃんと捉えていないとか,それから委員の構成に障害者,高齢者が入っていないと。そして同時に費用対効果で考えて良いのかというこの点が指摘されました。  どうも少しきちんと考えると,バスを走らせるかどうかの基本はやはりそこにニーズがあるかどうかというのが第一点なんですね。ニーズがあるかどうかっていうのは同時に対象者がどんな人間か,誰が対象者になるのかというところを述べているということが極めて大事で,そこのところを既存のバスで救済できない,あるいは道路が狭くてバスが通せないとか様々な理由があると思うのですが,一体誰を対象にするのかっていう時にこのデマンド関係を最初にやるときには,スウェーデンでデマンド交通をやったときに障害者の福祉型のドアツードアではコストが高くつくので,それを安くするために都心部までの間ミーティングポイントを150m以内だけ歩けばデマンドで行けるよ,っていう流れを作ってスウェーデンでやれたと。それからその他の過疎的な地域では本当に公共交通が無いからデマンドをやったとか,それぞれ戦略がきちんとしています。  調布市の場合障害者や高齢者が入っていなくて,人数がカバーできていないのではないかという問題が指摘されたと思いますので,ここはしっかり考えないといけない。それから既存交通ですと,バスを運行するための始まりの時間と終わりの時間,いわゆる朝の便と夜の便,これがサービス水準の一つですけど,それから2つ目のサービス水準は,運行頻度が30分とか15分に1本とかそういう運行頻度がちゃんとしているか,始終の時間がちゃんとしているか,運行頻度が一定程度以上あるか,みんなが使いたい運行頻度であるかどうか,それから3つ目が,運賃が使えるだけの運賃の額になっているかどうか,それからルートが皆さんの希望するルートにちゃんとあるかどうか。そういうところが一般バスを考えるときのサービス水準です。ここで,サービス水準を考えるときにデマンドと一般のバスとではサービス水準が違ってくるはずなので,デマンドのサービス水準とは一体,市民が希望するサービス水準は何かをちゃんと考える必要性がある。そこが十分考えきっていない。  それからもう一つ,A,B,Cという比較がありましたけれど,ここで私はわからないのが,その地域にどの程度の人口が住んでいるかということ。既存バス路線がちゃんとこうあって,バスがこの程度運行していてこの程度交通の不便なところがあるんだよっていうところがはっきりしていないので比較できないですよね。だから比較にならない比較もやっているというところなので,苦肉の策でやっていると思うのですが,ここにニーズがあるのかどうかっていうところがもっと大事なところで,もう少しそこをちゃんと吟味しないと今後も同じような流れになってしまうと思います。  それからニーズについては,周知についてはスウェーデンとか色んなところでも私は2,3年かかると見ています。こういうデマンド交通が本当に人々に周知されて使われるのは,そうすると2,3年先まで伸びていくはずですので,そういう意味では時間というのもすごく大事な要素だと,宣伝も大事な要素であるというのも事実です。そういうことで今佐々木委員がご指摘された点が,ニーズがあるのかどうかというところがかなり大事な点ですので,せっかく実験をやっているので今後この地域をどういう形で考えていったらいいかの材料を集めるということも含めて,運行実験を継続するというやり方を考えた方が良いのかなというふうに多分ご指摘されたのだろうと思います。どうもありがとうございます。  他にいかがですか。 副会長  事務局に一回確認したいことがあるのですけれども,会長からもお話がありましたけれども,17ページのところでサンプル39名ということですけれども,金曜日,土曜日でヒアリングされたと。ちょっと伺いたいのが時間帯で,どのぐらいの時間帯にお聞きになられたのか,一日中張っていたのかとか。それから年齢層はどうだったのかとか,どういう方にお答えいただいたのか,そのあたりの詳細って何かデータはあるのでしょうか。  なぜこんなことを聞くのかというと,要するにヒアリングに応じてくださった方たちがどういう交通手段で普段生活されていて,そもそもこういった公共交通に転換する可能性が低いという方たちがターゲットだったのではないかなと思いますし,人数が少ないということもありますし,そのあたりは調査の仕方に関わる問題になってくるのでちょっと確認をさせていただきたいと思った次第です。つまり,このデータの信頼性があるかどうかの確認です。 会長  はい,データの被験者の基本項目は一体何かということです。 事務局  16日金曜日,17日土曜日,両日の午前中にパレット深大寺店やマツモトキヨシなどの商業施設が集まる南台と,ブランチ調布でヒアリング調査を行いました。買い物に来ている方にお声がけをさせていただき,デマンド型交通のヒアリング調査をさせていただきました。 副会長  ということは,答えてくれそうな方に答えていただいたという形で,年齢までは取れていないと。そうすると,あくまでもこれも参考という形になると思うのですよ。とりあえずその午前中にお買い物に来られた方たちを対象にヒアリングしてみたところこのような回答だったという形だと思うのですね。今後ぜひやっていただきたいのは,これを一定期間の中で曜日を変えたり,天候を変えたりして聞きに行っていただきたいなということなんですね。満遍なくなるべく協力していただくって形で年齢層別に取っていただくとかそういった工夫をしていただくというのも。とりわけヒアリング調査ってやっぱり難しいのですよね。アンケートと違ってその時々で聞いて,気分次第で答えてくれたり答えてくれなかったりどうしても出てきてしまうところがあるのですね。そのあたりを考慮された方がまずよろしいかと思うので,そういった調査設計を再度検討していただくというのがよろしいかと思います。  場合によってはこれがもしかしたら覆るかもしれなくて,単純に知らなかったって勿論絶対知らないですよね。なので,例えば今度知るきっかけを作るにあたってオープンハウスをやっていただくとか,地域公共交通計画の方ではいろんなことを取り組みとしてやられていると思うのですね。策定する計画のほうではやられていると思うのですけど,こちらの方でやっているかどうかと言ったら恐らくそこまで手が回っていないのかなという気がしています。  これは勝手に私が言う話ですけど,一つ提案としては,実験をするのであればモニターさんという形で協力してくれる方を選定して,その方にできたら乗っていただいて改善点を洗い出していただくっていうのも一つの方法だと。それは日中時間帯,定時に来ないとかあるいは早朝の時間だとここで渋滞をするポイントがあってそこで例えば来ないとか,色んな形が見えてくるのですね。こちらで運営する側で見ているだけじゃなくて,利用者がどういうことを思っているのかということについては,できたらモニターさんとして協力してくれる方を選定するのも一つの方法かもしれないということでご提案したいと思います。以上です。 会長  はい,どうもありがとうございます。実験をやるのにモニターとしてぜひやってくださいということです。ちょっと私からもう一つ申し上げたいことが,ここで知らなかった,使わなかった人というのが多分移動困難が全然ないような人で他の交通手段をいっぱい持っている人と,本当に移動困難を持っているけれどデマンドの所まで行けないとか,そういう人もいらっしゃると。だから高齢者と障害者の人たちが需要対象として少なくともあるなと見られる領域ですので,そういう人たちが何パーセントくらいここに転換してくださるかというところを今回の実験ではやっていないですよね。だから,モニターという場合にはそういう障害者,高齢者の方にお知らせして,それが自分たちの移動の様式に合うかどうかもチェックされると良いと思います。  例えばモニターを,障害者,高齢者を20人とか30人定めたとすると,一般の人を10人とか20人定めたりすると,一般の人はこれを使わないで逃げちゃう人もいるし,使う人もいる。障害者,高齢者の人はこれを使うけど逃げちゃう人はもっと移動困難があるという人もいらっしゃると思いますし,あるいは時間が合わないとか遠いから無理だという人もいらっしゃると思うので,多分ターゲット層は障害者,高齢者などがかなり近い層だと思うのですね。そこのところを上手くやるのと,あとは交通不便だから駅まで何らかの交通手段で安く行けないかと考える層がどこまで留まってくれるか。この辺りが,ニーズもそうだと思いますので,その努力を払っているのも理解は必要じゃないでしょうか,ということが長野先生の仰ったことだと思いますので,どうぞよろしくお願いします。  他にいかがですか。 K委員  先ほど会長のほうから,比較対象の事例の特徴の説明が足りないと比較にならないっていうご指摘があったので,そのご指摘に100パーセント応えられないところがありますので,次回,今度お出しするときにはこちらも踏まえてアナウンスしたいと思います。  デマンドA,B,Cについては先ほど申し上げた通り,当社から調布市さんに情報提供させていただいたものになります。上から3番目に経緯というところがございまして,デマンドAに関しては巡回バスの置き換えということで,バスが完全になくなってしまって,それに対してデマンドを運行する形でやっております。全く他の手段がない,という特徴がございます。デマンドBに関しましては,幹線路線バスの補完ということで,いわゆるフィーダーと呼ばれています。幹線道路を通る駅へのバスが走っているところから,住宅街に向けてデマンドを運行するという特徴があります。デマンドCについては,少し特徴が薄くなってしまうのですが,高低差のある丘陵地域ということで,数事例というと3例くらい必要かなということで無理やり出してもらったところがございまして,高低差のある丘陵地域というのは移動困難というのが出てくる可能性がございますので,今回のエリアは高低差という課題はあまりないかもしれないですけど,参考として載せております。人口分布に関しては,AとBに関しては今回の実施区域より少ない程度と認識しておりますが,今回のご指摘を踏まえまして少し整理,調査して,参考になるようにしていこうと考えております。 会長  ありがとうございます。これは,デマンド交通を導入する時に他の交通手段で考えるかどうかというのはほとんどなかった地域ですか。みんなデマンド交通をやるという地域だったのですか。 K委員  AとBに関してはそうだと聞いております。Cについては車両がかなり小さいものでやっているという実態がございますので,道路幅員含めてかなり選択肢が狭まっている地域ではないかと思います。 会長  たまたま横浜の丘陵地域で,道路が狭くてバスの入れない地域に去年調査に行って,ここでどういう手段をどう使えるかっていう非常に厳しい所で,坂道の上というようなところがあって,そして人口密度も100人くらいは超えている地域。それで,ここは人口密度がどのくらいかっていうのをぜひ知りたいところです。大体,30人や40人以上じゃないとバスがなかなか成り立たないので,じゃあデマンドでやりましょうとかそういうような流れもありますので,人口密度も是非整理に入れてください。どうもありがとうございました。他にいかがですか。よろしいですか。  そうすると,ここのところでの議論は今までやられた実験をもう少し丁寧にフォローして次の調査に臨んでいただいて,せっかくやり始めたので適正なデータをこういう交通不便地域でどうしたらいいかっていうところの方向性を示せるような,そういうようなデータが取れるとよろしいかなと思いますので,ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それでは,この件についてはご意見なければ次の議題に進みたいと思います。 議題2 地域公共交通計画について 会長  それでは,議題2の「地域公共交通計画について」,事務局から説明をお願いいたします。 事務局  それでは,「調布市地域公共交通計画策定に向けた令和5年度の取組結果について」ご説明いたします。  お手元の資料2をお願いいたします。2ページをご覧ください。  本年度の主要な取組につきましては,赤枠に示すとおり,公共交通に対するニーズの把握と基本方針と目標,具体的な事業計画を検討することとして,取り組んでまいりました。  3ページをご覧ください。  本市の公共交通を取り巻く状況について,人口はピークを迎えますが,10年又は15年先もほぼ変わらず推移すると見込んでおります。但し,高齢化率は全国的な傾向と同様に本市も高くなっていくものと考えております。  地域的には,住宅地が市全域に分布しており,京王線各駅周辺に公共施設又は商業施設が集まっております。  4ページをご覧ください。  公共交通の現状ですが,鉄道駅やバス停が,概ね市内全域をカバーするように分布しております。しかし,一部地域では公共交通が利用しにくい状況となっており,高齢化などを踏まえると,今後対応が必要であると考えております。  これまでの調査等による公共交通の満足度は,全体として70%台を維持してまいりました。但し交通機関別では満足度には差が生じております。  なお,現在はコロナ禍などによるテレワーク等の移動を必要としない生活様態が多面的に広がりつつありますので,公共交通の利用者数は生活様態の変化前には戻らないであろうと想定しております。  この新型コロナウィルス感染拡大の影響は,本市でも顕著に現れ,調布市ミニバス北路線の大幅減便などとして表面化いたしました。こちらにつきましては,北部地域に巡回バス,デマンド型交通という形で対策を行っており,現在に至っております。  現在は利用者が一定の回復傾向にある中で,運転手不足が顕著となっており,既存の交通網の維持に支障が出てまいりました。この運転手不足については,一過性のものではなく,今後も続くものであると報道を含む多方面から情報を得ており,対応の検討が必要となっています。  5ページをお願いいたします。  本市の移動特性は京王線利用による都心方面への移動を中心として,京王線各駅又は京王線とアクセスする交通機関の利用などが高い傾向となっております。また,中央線,小田急線へのアクセスも一定の需要がございます。  居住地からの移動は,駅周辺では徒歩,離れた地域ではバス・自転車などを乗り継いでいます。  6ページをお願いいたします。  これらの状況を踏まえ,市民の生活における交通利便性の向上を目指し,市民アンケート調査,懇談会,公共交通事業者ヒアリング等によりニーズの把握を行ってまいりました。  7ページをご覧ください。  こちらは昨年12月から1月に実施いたしました市民アンケート調査の概要です。対象人数は16歳以上の市民6,000人を対象に12月10日から実施いたしました。2,129人の方からご回答いただき,回答率につきましては35.3%となっております。  調査結果につきましては,個人属性などを確認させていただき,外出について目的別で移動の状況など伺っております。調査内容は表のとおりですが,アンケートの集計結果につきましては,資料2とは別に資料3を用意しました。本日は時間に限りがございますので,一部抜粋でのご説明とさせていただきます。  それでは資料3の1ページをお願いいたします。  アンケートの回答は女性55%,男性44%となりました。また,下の図表のように16歳から75歳以上までの方,万遍なく回答いただけたと思っております。  次の2ページですが,こちらは就業及び就学等の状況,3ページと4ページにつきましては居住地域の一覧とその分布図です。地域分布も大きな偏りのない調査結果を得ることができたと思っております。  5ページをお願いいたします。  こちらでは,お一人で外出が可能であるか,また,徒歩による移動可能な距離等の調査結果となります。両データにより,日常の移動や鉄道駅又はバス停まで,おおむね300m以内であれば,95%の方が休まずに歩いて移動できると回答しています。  6ページから39ページまでの調査結果につきましては,資料2の8ページから12ページに取りまとめておりますので割愛させていただきます。  資料2にお戻りいただき8ページをご覧ください。  こちらは外出目的別の調査結果となっております。通勤通学は市外への移動需要が高い結果となっております。また,買い物や通院では,市内を移動する交通網の必要性が高いことが伺えます。  このため,本市における公共交通の利用状況を考える場合,市外及び市内の交通網が,どちらも欠かせない地域であることがわかります。  9ページをお願いいたします。  こちらは既存の交通事業別の満足度となります。お手元の資料3では43ページから52ページとなっておりますので,後ほどご覧いただければと思います。  交通機関別の結果に差は出ておりますが,アンケート結果からは,業務員対応や車内環境,情報発信など企業努力によるところが大きい設問については満足度が高い傾向でありました。後ほどご説明する事業者ヒアリングの一例ですが,京王電鉄株式会社様では,現在,車内環境の対応といたしまして,各車両の防犯カメラ設置により利用者の乗車中における安全向上を進めていると回答いただきました。またタクシーの場合,不満傾向が4割弱となっていますが,過去にあった乗務員とのやり取りが回答に反映する傾向が多いようです。さらには,高齢者人口が増加傾向でございますので,自宅と病院間の移動について,比較的ドアtoドアでの移動を求める世代の利用は増加傾向であると思われます。この世代からタクシーに対して,通院時に満車で配車されなかった,または配車に時間がかかったとのご意見を比較的多くいただきました。バスに関しましては,利用時の天候や運行に関する交通事情,道路事情など二次的要因が評価に影響するところがございました。バスはタクシーと違い,1便ごとに不特定多数の方に対して運行しているため,路線が遠回りしている,バス停区間が遠すぎる,バス停に停車ばかりして時間がかかるなど,同乗者全体を鑑みた意見とは異なり個人的な利用の視点から感じる過不足が,思いのほか統計値に影響してしまっていると思われました。  10ページをお願いいたします。  こちらにつきましても資料3の59ページから87ページを取りまとめたものになります。アンケート調査結果をパーソントリップの区分けでクロス集計したものです。地域別で満足度60%未満の交通手段は5つありました。  11ページをお願いいたします。  市民の皆様が考える交通機関に対する重要度,満足度の分析結果です。  10ページ及び11ページにつきましては,一定の結果として掲載をしておりますが,時勢によるもの,企業努力によるもの,運行する地域の環境が大きく影響するもの,このようなものが混在しておりますので,今後,計画策定までに引き続き分析をしながら活用してまいりたいと思います。  12ページをお願いいたします。  こちらはデマンド型交通の実証実験を行っておりますので,本市全域に実施するアンケート調査としての側面を活用して,市内全域での認知度と利用傾向,お住まいの地域に導入した場合に交通事情が解消されるかなどを伺っております。今後,交通不便地域に対する事業計画を検討する中で,デマンド型交通を検討・導入するような場合に活用してまいります。デマンド型交通の調査結果につきましても,資料3の53ページから57ページに記載しておりますので,後ほどご参照ください。  次に13ページをお願いいたします。  こちらは昨年12月に実施いたしました懇談会についてです。平成28年に公共交通を利用しにくい地域といたしました5地域と,令和5年中に路線バスが大幅減便となりました1地区の計6ヶ所で開催し,限られた参加人数ではございましたが,貴重なご意見を伺いました。  14ページをご覧ください。  各地域の概要ですが,深大寺北町・東町地区では主にデマンド型交通に関するご意見をいただきました。この地域にデマンド型交通は適していると考えるが,今後実証実験を進めていく中で利用者の観点を重視して進めてほしい。このことに多くのご意見をいただいたと思っております。次に富士見町・下石原地区ですが,この地域からは新たなバス路線の導入ではなくデマンド型交通などの運行形態が合っているのではないか,また買い物は調布駅周辺など地域外に出る必要があることに不便を感じている,そして東西の移動手段がないなどご意見をいただきました。次に多摩川地区ですが,地域的に多摩川を渡った矢野口方面へのバス移動を望む声がございました。また路線バスやミニバスの交通網も充実しては欲しいが,鶴川街道の渋滞への影響などデメリットを及ぼす側面も気になるとご意見を伺っております。次に右上の緑ケ丘地区です。こちらはミニバス東路線の運行に対して評価をいただくご意見が多かったのですが,現行の運行ルートに地域差を感じており,運行路線を変えてほしいが道路事情や三鷹市との隣接地域であることなど,地域的条件を解消しないと具体的な運行ルートを検討,要望することができない状態であるとご指摘をいただいております。次に入間町地区です。この地域は令和5年中に路線バスが減便となり,移動時間や乗り継ぎなどが減便前と比較して,とても負担に感じていると伺っております。優先的には病院や公共施設へのアクセスを確保してほしいとのご意見があり,現状解消のためデマンド型交通の実証実験も実施してほしいなど,減便対応を望むご意見が中心となりました。布田・染地・国領町・多摩川地区では国領駅又は慈恵病院など,国領地域の主要施設への直行便を求める声と,路線バスの一部運行経路で,バス停の設置距離を狭めてほしいなどとご意見をいただいております。その他,個人的なご意見も多々いただいておりますが,懇談会を開催したことにより地域性を踏まえた公共交通に対する貴重なご意見を伺うことができたと考えております。  15ページをご覧ください。  これまで利用者を対象とした調査結果をお伝えしてまいりましたが,ここからは,本市で運行される交通事業者にヒアリングをした結果を紹介させていただきます。内容といたしましては,事業者ごとの運行状況,営業状況,どのような運送ができるか,現状の利便性,安全性,持続性などを伺い,維持向上する場合の課題と,課題に対する取り組みや運行いただく上でのアイデア,運行している事業者から見える本市の特徴など,各設問に対し現時点で回答できる範囲で伺っております。  16ページ・17ページをご覧ください。  こちらはヒアリング内容を交通機関別に取りまとめたものです。これまでの生活様態の変化から生じる影響や運転手不足などを起因とする傾向は各分野とも一致しております。どの交通事業者も,運転手の採用などは,他業種との人材の取り合いの状況の中で,離職防止なども含め,いろいろな工夫をされているということがわかりましたが,人材不足解消には至ってはいないと伺っております。また,輸送人員につきましても,コロナ禍以前には戻らないと一致しております。また,同じ交通事業者間であっても,回答の内容に濃淡が生じるところがございました。こちらにつきましてはそのまま掲載しております。  それでは,バスの運行事業者からお伝えしますが,乗務員不足や労働条件の見直し,または利用者の“出かけることなく完結する新たな生活様式の浸透”などにより,供給側および利用者側の双方に,既存の運行を困難とする要素が内在するとのことです。利用者からの要望は多岐にわたりますが,公共交通の持続を念頭に需要のバランスをとり,現在では赤字路線などの見直しが必要となっており,今後も深刻化すると伺っております。それとは別に,現在,路線バスに自動運転を,また環境配慮にEVバスなどに取り組まれています。  鉄道については,コロナ禍以前の輸送人数に回復はしていないということですが,本市近郊の輸送力は以前とほぼ変わらず確保していただいていると伺っております。近年は安全面の取り組みに注力されており,ホームドア,車内及び駅構内の防犯カメラ設置などを進めていらっしゃいます。但し,安全面の確保につきましては,技術系社員の採用が課題となっていると伺うことができました。  次に一般タクシーです。コロナ禍以前に回復傾向ではありますが,事業者ごとに差があるようです。また時間帯では22時以降は相当厳しい状況で,以前のようには戻らないと予測されております。乗務員については,高齢化を懸念する回答が多く見受けられました。また,乗務員確保にも様々な取り組みをされておりますが,教育にかける時間とその費用に相当の負担が生じているとのことです。また,これまでの取り組みにつきましては,多摩地域各所でグリスロの運行,タクシーおよび小型バスでのデマンド型交通の実証実験を実施していることも伺うことができました。今後,本市の移動手段について検討する場合に,詳細を伺えればと思っております。なお,ライドシェアに関してトラブル防止を検討すべきとのご指摘をいただいております。一例では,駅周辺での乗車待ちによる混雑,渋滞などです。  最後に,その他のタクシーです。民間救急事業,介護タクシー事業,福祉有償運送サービスなど医療,介護などの福祉関係の利用時を中心とする事業者にヒアリングしました。主な利用層は高齢者または体の不自由な方々となります。こちらの分野にアプローチしましたのは,全世代ではなく,高齢者の移動手段を中心に対応する地域などに協力を求めるということも想定しておりますが,それとは別に,本市の交通資源として,本業および本業以外でどのような輸送が可能な分野であるかを確認し,今後の交通対策に協力を得るためです。感染予防により高齢者が利用を控えるケースもあるようですが,事前予約しても予約が難しい時間帯があったり,当日予約はそもそも難しいなど,こちらも多忙な業界のようです。なお,介護タクシーなどは,白ナンバーの車で業務が行えたり,福祉有償運送では自家用免許で行えたりと,事業が始めやすい一面があるようで,同業者として法令順守に心配をする声がありました。この分野につきましては,福祉関係の法規制などこれから確認していく状況ではございますが,このヒアリングを機会として,この分野との関係を構築していきたいと考えております。なお,バス,タクシー全般といたしましては,乗務員などの人材確保に要する必要経費と雇用条件の整備などに負担が増すなか,安全面や環境面への配慮,新技術の導入などに取り組まなければならず,また新たなモビリティの導入や規制緩和などについて,競合する可能性がある,または同じ公道を利用する移動手段として,その動向にも注視していかねばならず,改めて現在の交通事業者は厳しい環境のなか,急激な変化を求められているということを理解することができました。また,本市の特徴については,全ての交通事業者が“調布市は交通事情が恵まれている地域である”と認識されていることがわかりました。このご意見は広域に事業展開し,各地域の状況を踏まえて比較することができる企業各社の見解ですので,貴重な視点であると考えます。そのほか,今回のヒアリングでは,各社から本市の交通対策に対する厳しいご意見もいただいております。交通分野が国全域で大きく変動している時期であることを踏まえて,大小様々な施策の優先順位と費やす人的労力や予算のバランスなどを定めて進めていかなければいけない,このようにご意見をいただきました。  既存の交通網の維持が難しい状況のなか,行政も交通事業者も地域交通の更なる発展を模索することは重要ですが,現在の公共交通を利用する方々に対し,現状の限りある移動資源を確保すること,確保が難しい場合などの対策に力を注ぐことが優先なのではと運行する立場からのご意見をいただいております。  18ページをお願いします。  ここまでニーズ調査の結果,本市の公共交通の問題点・課題点について,以前から生じているもの,現在の様々な変化から発生しているもの,技術革新や規制などにより今後明らかになっていくものなど様々なものがございました。このような多岐にわたる問題点・課題点について,市全域を俯瞰して整理し,次のように取りまとめました。調布市の概況として,今後,公共交通利用の基盤となる人口規模に大きな変化は生じませんが高齢者比率が上昇していく状況であること,今後も本市全域で鉄道駅へのアクセスが重要となるということが見えてまいりました。また,京王線各駅を結ぶ南北方向に伸びる路線バスによる輸送量を確保することが重要となり,減便などが生じた場合の対策についても検討する必要があります。移動特性やニーズからも,既存の公共交通機関と連動した,または必要に応じて周辺自治体とも連動した公共交通ネットワークが必要と考えます。既存の交通機関を中心として様々な移動手段を活用し,本市の公共交通の連動性を高めていくことを基盤に計画したいと考えております。  19ページをご覧ください。  このように問題点,課題点にアプローチしていくなかで,このページに示すとおり,上位関連計画等や社会要請である「まちづくりとの連携」,「安全・安心・快適」,「持続可能」といった観点を考慮し「SDGs」,「ポストコロナ」,「バリアフリー計画との整合」,「ゼロカーボンシティの実現」を目指してまいります。  20ページをお願いいたします。  このように,これまでご説明してまいりました内容を踏まえ,地域公共交通に係る基本方針について4つの案を設定いたしました。  「高齢者の移動を支える公共交通ネットワークの構築」  「鉄道駅と連動した公共交通ネットワークの構築,アクセス性の確保」  「交通不便地域,運転手不足による既存バス路線の減便に応じた移動手段の確保」  「周辺市の公共交通ネットワークとも連動した公共交通ネットワークの構築」  なお,各基本方針に対する現状や問題の関係性は下表の通りです。  この基本方針に,次の21ページの事項を組み合わせて,具体的な事業計画案を検討してまいります。こちらにつきましては,今後の協議会等の議論を踏まえて更新していく予定です。  22ページをご覧ください。  こちらは今月初旬に実施いたしましたオープンハウスについてです。計3日間実施いたしまして,延べ95人の参加があり,ここまで委員の皆様にご説明いたしました,これまでの活動や現在の問題点,課題点などをお伝えして参りました。  23ページをご覧ください。  最後に令和6年度の予定です。事業計画の案について,地域別に意見交換を行い,必要に応じて関係各所と協議をしてまいります。その後,計画の素案についてご審議いただき,パブリックコメントを実施の上,計画策定をしてまいります。  内容は以上となります。最後の24ページでございますが,こちら21ページと同内容のものを載せておりますので,ご承知おきください。私からは以上です。 会長  はい,ありがとうございます。それでは,ただいま報告がございました地域公共交通計画に向けた5年度の取組結果についてということですけど,ご意見等ございましたらお願いいたします。 D委員  13ページ,懇談会を6地域で行ったということでありますけど,各会場の参加人数を教えてください。 会長  懇談会13ページですかね,6地域でやられたけど参加者は,ということで,5地域プラス入間地区でしょうかね。 事務局  下石原地域福祉センターで実施した会は4名となっております。富士見地域福祉センターは参加者2名,緑ケ丘地域福祉センターは参加者7名,入間地域福祉センターは参加者3名,深大寺地域福祉センターは参加者7名,このようになっております。 会長  5地区ですか。 事務局  会場名でお伝えして申し訳ございません。まず多摩川地区は参加者4名です。富士見町・下石原地域は参加者2名です。緑ケ丘地域は参加者7名です。入間地区が参加者3名です。深大寺地区が参加者7名です。以上になっております。 会長  よろしいですか。 D委員  この布田と染地はどこの地区になる? 事務局  布田・染地・国領町・多摩川地区ですが,こちら7名となっております。 D委員  そうするとこれ全部足せばいいってこと?そういう数字をちょっと書いて欲しい。  それと,もう一点が19ページ。これからの基本方針案ということで、これをベースに進められるってことだと思いますが,24年度問題があることはみんな承知している内容だと思いますが,その中にライドシェアとかそれから市民ボランティアの活用とかそういう視点も,この中のどこかに盛り込んでもいいのではないかなと思うのですけどいかがですかね。 会長  いかがですか。ライドシェアとか市民ボランティアを入れたらどうかという意見ですけれども。 事務局  ご意見ありがとうございます。ライドシェアについては,4月から一部解禁に向けて進められていますので,ライドシェア,市民ボランティアの活用についても今後検討していきたいと考えております。 会長  はい,よろしいですか。他にいかがですか。 G委員  第三小学校地区まちづくり協議会のGでございます。16ページにバスの中の取り組みで,ちらっと新しい交通手段として自動運転という言葉が出ているのですが,ぜひ交通計画の中に自動運転を盛り込んではいかがでしょうか。と申しますのは自動運転というのはもう事業者だけではできなくて,ぜひ行政とのコラボが必要だと素人ながら思います。それで運転手が限られているということを補完するとかですね,減便になるというところを回避するためにも,自動運転というのは今後必要になってくるのではないかなと思います。福井県の永平寺町で去年の5月に自動運転のレベル4で運行が始まりました。それで思ったのですけれども,ぜひこの辺のところを調布市としても交通計画としてなかに,ちょっとそういうことを展望して視野に入れていただけたらなと思います。 会長  ありがとうございます。自動運転が永平寺などではレベル4でやっていますので,調布市でもそういう項目を入れてください。ここの取り組みで自動運転による路線バス運行って書いてはありますけれども,これでよろしいですか。  ということで自動運転をもうちょっと強化してくださいということですね,ありがとうございます。他にいかがですか。はいどうぞ。 C委員  社協のCです。先ほどD委員がおっしゃった13ページのところですね,懇談会が開かれたとのことで,社会福祉協議会の方でも地域福祉コーディネーター,地域の困り事を考える,そういった職員ですとか,地域支えあい推進員という職員が,福祉圏域8圏域にそれぞれ2名ずつ配置しています。この懇談会にぜひお誘いをとお声掛けもいただいたのですけれども,職員には周知をいたしましたが,どうやって誘ったらいいのかわからないという声もありました。ご案内できるような何かそういった,何を目的にどういった声を聞きたいのか,どういう人をお誘いしたいのかという案内があると,より地域の方の声が聞けるかと思います。令和6年度でも,また地区別意見交換会の開催を予定しているかと思うのですけれども,ぜひ,例えば地域を知る民生児童委員の方ですとか,障害者の方,高齢の方,こういった方に多く参加していただいて,地域の方の声を拾えればいいかなと思いますので,ぜひ案内等を作るのであれば協力いたしますので,良い会にしていただければなと思います。はい。私からは以上です。 会長  はい,C委員ありがとうございます。地域福祉コーディネーターが地域に2名ずついるということで,特に高齢者・障害者を含む移動困難な人に対する対策を立てるのに格好の支援者と見ていますので,ぜひご協力をいただいたらどうですかね。  ここで特に17ページですかね,民間救急事業とか,介護タクシー事業,ここで有償運送サービスという言葉ではなくて,福祉有償運送と言いますので,書き換えておいてください。それで,こういうシステムは今調布ではどのようになっているのか実は公共交通の現況の中で一つも出てこない。23万人の調布市の90.9%が困難では無いという回答とすると,残りはどのくらいかというと23万人に対して2万数千人いらっしゃると。この2万数千人の交通についてどうするかというところがやや弱い。ということはSDGsを書いていても,DE&Iという,簡単に言うとダイバーシティとエクイティ,平等ではなくて公平という意味ですね。公平と平等とは違います。平等はみんなが平均的にやると。公平というのは,たった1人の人が足りない場合にそこを支援していく,誰も取り残さないという考え方がエクイティにあるのですね。そういうことも考えると基本的なモビリティを支援するという項目が一つもない。それについてちゃんとやらないと,今C委員が支援しますよって言っていても,取っ掛かりがつかめないのではないかと。そこの道筋をここにどこかにしっかり入れてくださいということがC委員のご意見ですので,そこを入れないとせっかくやられた計画が移動困難な人に対して一つもやらないよということになりますので,公共交通でどうやるかということについても,新しい公共交通を生み出していくという,福祉有償運送ではなくて,他の交通でカバーするということもありうると思いますので,そういうことをしっかり書き上げてくださいということだと思いますので,せっかく地域の繋がりがちゃんとできそうで,多分支え合うという意味では,最も社協との連携また災害時にも社協との連携がとても重要ですので,そこが今までの公共交通にはほとんど欠けていましたので,これから先調布市はそこを頑張るぞというぐらいの意欲を出してほしい。ということだと思いますのでぜひよろしくお願いします。  他にいかがですか。 F委員  緑ケ丘・仙川まちづくり協議会です。資料4は次の議題ですので,ここでお聞きしちゃいけないのかなと思っておりましたけれども,ご当地ではミニバスの減便という事実が,突然のように街中で3月の初めぐらいからミニバスが減便になったよと,1時間に1本ずつになるという話がありました。本当に写真にあります懇談会ですが,先ほども書いてありますがまち作りというキーもあるなかで申し訳ないですが,全くご連絡がなかったのですね。私は交通のところにも2年ぐらい来ておりますが。 会長  すいません,これは議題4でちょっと説明しますので,よろしいですか。 F委員  分かりました。 会長  もう一度後で,はい。K委員どうぞ。 K委員  京王バスのKでございます。G委員の方から自動運転の話がありましたが,事業者の取り組みということで当社が提出したものから引っ張ってきているのかなと思いますので,一応,計画とは直接関係ないですけれども少しご紹介したいと思います。自動運転の実証実験を都合4回やっておりまして,自動運転に関してはいろいろな立場の方がいろいろな研究・勉強をなさっているのですけれども,バスを運行している立場の者から感じたことになります。先ほどG委員もおっしゃった「行政の方も取り組んでいかないと」というお話がまさにその通りでございまして,我々のような運行事業者ですとかシステムを開発しているベンダーさん,そういった方々が頑張っているだけでは上手くいかないと。例えば道路の整備ですとか,信号協調など,そのようなインフラ面において行政の方々のご支援やお力添えが不可欠かなと感じております。で,実はそれだけではなくて,もう一つ大事な要素が一般の方々の歩み寄りというのも大事だなというふうに感じています。というのも,自動運転は基本的には機械ですので,不測の事態に弱いという側面がございます。例えば調布市内で自動運転をやろうとして調布駅の北口に自動運転の車が入ることをちょっと想像してほしいのですけれども,30分も立っていればわかると思うのですけど,ロータリーの中を堂々と横断する自転車がいるとか,こういうことをされてしまうと,自分たちの車でちょっと安全に走行することができなくなってしまう。学校のグラウンドなど何もないところを自動で走らせることは簡単にできるのですけども不特定多数の一般車,自転車,歩行者がいる道路で自動運転を安全に走らせるというのは結構ハードルが高くて,それをシステム側だけで全て解決しようとするとハードルがものすごく高くなります。一方で道路環境ですとか,一般の方々・地域の方々のご協力とご理解で,そのハードルを下げるということは結構できるのかなというふうに感じています。単純に交通ルールを守るというようなところから実現に近づくのかなと思いますし,あと別の地域においても一度,多摩市の方で実証実験したことがありましたが,住民の方から乗務員も運転する人もいない得体の知れない車が自宅の近所を走るのが嫌だと言われたことがございます。まあわからんでもないかなと思います。でも逆に言うとそういうご意見が多いとなかなか導入できないものですので,その方は今までよく知らない得 体の知れないものということでしたので,こちらから,きちんとお伝えしていく義務があるのかなとは思うのですけども,地域の方々もそういうものに関心を持っていただいて,知ってもらって,実際に乗ってもらう。そういうちょっとした歩み寄りがあるとハードルも少し下がるのかなと感じているところですので,先方の計画等々に反映させるのであれば,そういう3者の共同の取り組みという形で盛り込むのがよろしいのかなと感じた次第です,以上です。 会長  はい,ありがとうございます。自動運転の可能性は,レベル5でシオンというスイスの町の7年前の実験を見に行ったり,あるいは日本全国で実施しており,いくつか見させてもらったのですが,雪道などは大丈夫でしたが,多分調布では相当難しいだろうと私も思っております。それで一つは,やるのだったらどこかのメインストリートで「ここでやりますよ」というのを,具体的に示しながら住民を教育していかなければ実現しないと思っています。私が今一番やってほしいのは,駅の駅前広場から入ってきたとき,あるいは普通の停留所に正着できる自動運転を,これは非常に簡単だと思うので,そこを市と協力してやっていただくことによって,障害を持つ当事者あるいは高齢者の人たちが安全にバスの乗り降りができるのですね。そのことをどこもやらない。自動車局が本当はやってほしい課題,だいぶ前から挙げているのですが,もう10年以上前からずっと言っています。イギリスでは,そのために街路ブロックの形状を斜めに変えたりして,法律的にはオーバーハング,バスがしてもいいよということに変えてやっていますので,そういう本当にわずかな努力さえすれば今でもできる,即できますので,ぜひやってほしいと。それは定着すればとてもいいのにねと思うものがやれてないですね。だから,自動運転の大きなものは調布では,住民教育と一緒に実験的に何年かかけてやりながら住民も慣れていく,そういう必要性が高いと思いますので,そういう実験をぜひ,京王帝都でもやっていただけたらと思います。ありがとうございます。  他にいかがですか。はい,D委員どうぞ。 D委員  資料の3で基本的な確認をさせてもらいます。1ページのところですが,年齢区分を60歳,高齢者のところがそれまでの20代から50代と切り方と違うのですが,これは何か意味があるのでしょうか。20代,30代と区切りの仕方をしていますけど,60歳から64歳で区切っていますよね。 会長  多分,これは高齢者が統計的には65歳以上だからそのようにしたのですね。この60代というと,高齢者と非高齢者がごっちゃになっていると。  60代にいつでも変換はできるとは思うのですが,高齢者,前期高齢者を取り扱うためにこうしたのではないのでしょうか。 D委員  では65歳から75歳まではその真ん中と,そんなイメージですね。  あとすいません,もう一点,5ページ。1人で歩けるのはどの程度ですかという質問ですけど,1kmという言葉が出てきて私ちょっと正直言って驚いています。私が知っている高齢者が普通で頑張って歩けるのは,100mが一つの目安だと私は思っていたのですけど,こんなに元気に歩けるのですねこれ,という疑問があって,我々も福祉関係から聞いていた100mって一体何なんだろうと正直思っています。 会長  100mは何かということですか。なんで100mなんですか。 D委員  これって,元気な人が答えているということになるのですね裏返しすると。ということは本当に困っているとか,弱い人たちの立場のところまで声が届いていないっていう裏返しだと想定できるのかなと想像を膨らましてしまいました。 事務局  はい,お答えします。こちらについては回答いただいたのをそのまま載せているものですが,回答いただくにあたり,市民に対して無作為抽出で6,000名の方に送付をさせていただいています。今の調布市における人口構成とかそういうのをそのまま縮小した形でのサンプルということで考えてございますが,この結果の取り扱いについては今後の検討の中でいろいろと議論も必要かなと思いますので,しっかりと検証していければと思っています。以上です。 会長  はい,どうもありがとうございます。おそらくサンプリング調査で23万のうち6,000というと相当の分析はできるというそういう前提にあったと思うのですが,それはそれでよろしいでしょうと。ただ移動困難な人たちの,本当に困難な状況や多様性がありますので,そこには手が届いていませんねというのが多分D委員のご指摘だと思いますので,もう少し移動困難を重点的に捉えて,そこをきちっと整理しないと,C委員のところでせっかく何とか頑張りますよって言っている社協との連携が取れていないと思いますので,ぜひそこも併せて考えてくださいということだと思います。どうぞよろしくお願いします。 副会長  Bです。19ページのところをご覧いただきたいのですけど,これは事務局にお願いというか,1点こういうデータを取ってみていただいという要望になるのですけれども,先ほど社会福祉協議会のC委員もお話いただいていると思うのですが,移動困難っていうところにスポットを当てた場合の,いわゆる庁内で持ってるデータですね,ここを確認していただきたいと思っていて,一つは何かというと,地域包括ケアの関係になるかと思います。総合事業の中で,移動支援の中でもメニューはかなりありますので,訪問でいいとかそれからここも欲しいとか,それからボランティア送迎に関わることなど,そういうものを福祉側でニーズとか状況を把握している可能性があるかと思うのですよ。そのあたりを掘り下げていただくと,公共交通の潜在ニーズに関わる部分のデータの分析ってできる可能性が出てくるのですね。そうすると新たに調査をするというよりは,既存の福祉の計画の中から抜き出してきて社協さんにどういう協力をしていただければいいかというようなところとのマッチングをしていただくというところが一つ要望としてあるかなと思っています。ですので,その辺りを少し把握していただきたいというのが一点です。それは何に関係してくるかというと,地域公共交通計画というものは,やはりステージを一歩上に上げて交通まちづくりを進めていこうという観点になると思うのですね。そこには市民の皆さんへの教育的な問題であったり哲学的なところの浸透であったり,そういったところに繋がってくる部分になってきますので,そこを少し意識していただく中で例えばオープンハウスをこれだけやっているのであれば,例えば乗り方教室とか,公共交通に乗ったことがないため,いろいろメリットがわからないという方がいらっしゃった場合にどういう対応を取ればいいかとか,これ結構全国的にやっている事例でもあるので,そのあたり調べてみていただけるといいと思います。私もいくつか事例持っているので,ぜひそのあたり協力したいと思いますので引き続き検討を続けていただきたいと思っております。 会長  はい,どうもありがとうございます。せっかく社会福祉協議会ないしは福祉部門で相当データがあるはずですよね。それをぜひ取ってくださいということです。  他にいかがですか。よろしいですか。では最後の議題に入ります。 議題3 調布市ミニバスの改定について 会長  「調布市ミニバスの改定について」ということで事務局からお願いいたします。 事務局  お手元の資料4をご用意ください。こちらは調布市ミニバスで3月以降に運行改定したものを取り上げております。  まず西路線・北路線につきましては,3月16日土曜日から料金改定を行いました。この理由につきましては,昨年以降,京王バス株式会社の路線バスは暫定運賃で運行しており,同様にミニバスも暫定運賃で運行しておりましたが,今回,路線バスが暫定運賃を解除するため,併せてミニバスも運賃改正しております。次に東路線ですが,こちらは3月16日土曜日をもって,運行本数,運行時刻の改正をおこなっております。内容は運行本数が平日  35本から18本,土曜日曜日休日が35本から17本となっております。詳細につきましては資料4の裏面に改正前,改正後の時刻表を用意しましたので,よろしくお願いいたします。また,東路線につきましては4月1日月曜日から運賃改正も予定しております。こちらにつきましては,小児のICカード利用時でありまして改定前が110円,改定後が50円となっております。それ以外の運賃につきましては変更ありません。簡単ではございますが,以上となります。よろしくお願いいたします。 会長  はい,どうもありがとうございます。F委員,先ほどの質問をお願いします。 F委員  先ほどの東路線はご当地でございますのでちょっと質問ですけれども,突然のことに地元の人たちは困っておりまして,運行本数が半分になるのだという話でありますので。あと最近開催されました12月の懇談会に関しましては,ほぼほぼ知らなくて,そのときに出席された緑ケ丘1丁目自治会長に聞いたのですが,減便の話はそのときに出なかったと聞いております。ですので地元といたしますと,突然減便になりましたが自治会長は「まだ全部がなくなったわけではなくて,1日1便でも残ったね」,「運転手さんが少なくなって,満足に回れなくなったんだって」と。そのように住民の方の中でも話しております。それも仕方がないかという感覚を皆さん持っていらっしゃったのですが,杏林から仙川まで大きな通りがありまして,そこの路線バスは普通に定時に来ております。しかし,結局住宅街の中に入って運行できるのがミニバスであって,本当に高齢者の方がほぼほぼ移動できないというか移動困難になってしまうことになりますので,本当に皆さん困られているだろうなと思います。現状としては国の方針などいろいろあり,運転手さんの数が少なくなっていると聞いておりますので仕方がないなとは思っておりますが。今後は深大寺で運行しているデマンド型交通がうちの地区でも可能なのかということを教えていただきたいと。  資料3におきましても仙川地区では利用したい意向が非常に高くありますし,そういうものがあったら利用したいという要望はもう既に出ているのではないかなと思いますので,そのようなところをちょっとお聞きしたいなと思います。 会長  はい,ではお願いします。 事務局  はい。ご質問ありがとうございます。今回のミニバス東路線の減便につきましては,運行事業者からは主に運転手不足が原因と説明を受けており,営業しております区域全域の路線維持について検討されている中で,仮に市から補助金があったとしても,東路線の維持は難しいと伺っております。  また,市民の方々への周知については,運行事業者にご協力いただき,バス停等の掲示をできるだけ早く行うよう依頼するとともに,市報3月5日号にも掲載し,できるだけ早く市民の皆様に知っていただくよう対応いたしました。  また,深大寺地区のデマンド型交通については,利用実績も踏まえて今後検証して参ります。緑ケ丘地区などでもご要望があることを把握しておりますので,その地域のニーズに合った交通手段になるのか今後検討していきたいと思います。 会長  はい,ありがとうございます。今の65歳以上の高齢者が一般バスに乗れない状況でミニバスがなくなったら,外出できない場合にどう救済するかと考えたとき,17ページで書いてある民間救急事業だと多分,1回予約すると数千から万単位のお金が飛んでいきます。1万円以上に多分なる。それからその下の介護タクシー事業も,これは個人でそれぞれ自分が引き受けて,駄目だったら他の業者にお願いするということで,2000年以降に介護認定された,いわゆる青ナンバーで運行する事業者にお願いすると,多分万単位のお金かかると。  そうすると福祉有償運送がサービスできるかっていうと,調布市福祉有償運送の許可を得た人たち福祉有償運送のサービスを受けた人はイ・ロ・ハ・ニ…という規定があってイは身体障害で最後知的障害とかそういう人たちが入りますが,その枠に入らない高齢者となるのですよ。ということは,移動に本当に困っちゃう。それに対して何の手立てもないのが今の調布市です。そこをC委員がやられている社会福祉協議会と相談して,どういう交通システムでやるかが最も急がれているのに,そこにほとんど手が行ってないですね。公共交通というのであれば,誰も取り残さないように,1人の困っている人を救済できるような,公共交通を仕立ててみてください。それをやらないと,ずっとこのまま行きっぱなしで,バスが減便になったらそれで終わりだよと,地域の人に何のサービスもなくなるということがあるので,そこは役所の知恵の出しどころだろうと。そのところが今欠けているので,首都圏全体もそうですけれども,日本社会が,そこについて,福祉有償運送みたいな,ボランティアでやるっていうのは日本だけです。アメリカもイギリスもフランスもみんな公共がそこをやって,アメリカは1990年には法律で決めているぐらいというところまできていて,日本はそこで手を抜いたのですね。手を抜いたところが自治体にそのまま公共交通で行ってしまっているので,それをやらずしてSDGsなんて,恥ずかしくて言葉一つも言えないですよね。そんな言っちゃいけないような言葉を,ここでは堂々といちばん最後のページで言っているわけです。誰も取り残さないというSDGsを言うのなら,もうちょっとまともにそのあたりを考えてくださいと。そこが,間が抜けている交通計画です。だから,まともに交通計画をやる意思があるなら,本当に誰も取り残さない交通計画と環境問題も,NOxあるいはCO2が少ないような交通計画を本当に頑張る意欲があるなら,少し交通計画もしっかりしてください。ということが,私から彼女が言った意見から見るとそういうことがとても大事なのだと。だから,本当に今何が問題かを捉えてないんじゃないかっていうのが,私から感じるところですね。だから真面目に,もう少し今の問題を解決しようという姿勢を持って,公共交通計画に臨んでいただきたいというところが,ある程度皆さんの意見の中にも出てきたと思いますのでぜひ頑張ってください。  ということでよろしいですか。  他に。ご意見ございますか。どうぞ。 D委員  この資料4の東路線のことで,経験則から申し上げられるのは,私達北路線のところはミニバスが9割減便になると,ある日突然通知されたということを振り返ってしまうのですね。私たちからしましたら,言い方が不謹慎かもしれませんが「まだ半分ですから」と私は思ってしまうのですが,そういうことではないですよね。やはり地域には各団体,もっと言うなら地区協があるわけで,そういう場もね,市がそのように考えているならば,ちゃんと意思伝達しないと駄目ですよね。私たちのときも,そのことはもう地域の中で非常に不安に,後から出てくるのです。なんで突然なのと。もっと相談をするという姿勢があってほしい。多分住民の方だって「無理ということだよね」,「言い過ぎてはいけないよね」って思っている人もいます。そこを説明会しましたと言っている。だから先ほど参加人数を聞いたのです。ちゃんと末端まで届いているのって。せっかく調布には地区協議会があるのだから,そういうところから,これを突然だって言われたら身もふたもない話だから。先ほど社協さんの話もまたある意味,非常に大事な要素だと僕は思っていますよ。なんかちょっとその計画を作る上で,あるいはこう計画を作らざるを得ないというのであれば,もう少し連絡を密にしてほしい。以上です。 会長  はい,ありがとうございます。突然なくさないでくださいというご意見として承りたいと思います。特に交通というのは突然なくなると住民は本当に困りますので,できれば事前にきちっと連絡をすると。それから鉄道を残そう,バスを残そうという住民の意見も非常に大事ですけれども,僕は鉄道残すバスを残すということではなくて,住民のモビリティを確保しようという考え方に変えてほしいのです。  つまり,バスがなくなったらモビリティが1-0では困ってしまう。つまり,モビリティ,外出ができるような状況に考えていけば,バスやめたらバスの代わりの何かの交通手段がそこで動いているという,そういうまちづくり全体で考えていくっていうことがとても大事なので,そこが公共交通計画で今,特に弱いところなのですね。そこをぜひ頑張って,バスを減便したり止めたりするということの代替はどうするか,地域のモビリティが本当に困っているのであれば,そこはバックアップしますとか,何らかの形を取れてないのですね。そこが問題だというご指摘だと思いますので,ぜひそこも考えていただきたいというところですね。どうもありがとうございました。  他にいかがですか。12時過ぎましたので,このくらいにさせていただきたいと思います。それではいろいろ申し上げましたけれども,地域交通の今回のバスの運行についてはぜひ頑張って,新しいデータをちゃんと取って,どうしたらいいかを考えるためにやるということをぜひやっていただきたいと。地域公共交通のこの計画に向けた今回のレポートというのは,まだまだ修正の余地があると思いますので,考え方から方向性までしっかり考えてもう一度修正をしてくださいという意見が皆さんから出ましたので,ぜひそうしていただきたいと思います。  以上で全ての議事が終わりましたので,このくらいにさせていただきたいと思います。それでは事務局に司会をお返ししたいと思います。 閉会 事務局  委員の皆様には本日も貴重なご意見をいただき,誠にありがとうございました。また次年度の協議会につきましても,引き続きよろしくお願いをいたします。事務局からは以上でございます。 会長  はい,どうもありがとうございました。それでは,令和5年度第5回調布市公共交通活性化協議会を終了いたします。ありがとうございました。