令和5年度 第2回 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会 議事録要旨 日  時 場  所 令和6年2月5日(月) 19時〜19時40分 各施設〈Zoom会議〉 出席者 1 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会委員16名  (東京都立調布特別支援学校は代理出席) 2 事務局(福祉健康部子ども発達センター) 議事次第 1 子ども発達センター長あいさつ 2 委員自己紹介 3 議題 (1) 調布市における医療的ケア児の状況 (2) 令和5年度第2回実務者会の報告について (3) 「調布市立小・中学校における医療的ケアガイドライン(案)」について 4 その他 【配付物】 資料1 調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会委員名簿 資料2 「調布市立小・中学校における医療的ケアガイドライン」解説 資料3−1 調布市立小・中学校における医療的ケアガイドライン(案) 資料3−2 様式1〜7 資料3−3 参考様式 資料3−4 調布市立○○学校医療的ケア実施要領(案) 議事録 1 子ども発達センター長あいさつ 2 委員自己紹介 3 議題 (1)  調布市における医療的ケア児の状況 < 事務局 >  令和5年12月時点で,18歳未満の医療的ケア児の人数を障害福祉課,健康推進課とともに確認した。全体で18歳未満の医ケア児の方は現在29人である。内訳としては未就学児が11人,小学生が13人,中学生が3人,義務教育を終了した方が2人である。  全体で在宅人工呼吸器を使用している方が現在3人,うち24時間使用されている方が2人である。  令和5年度から開始している,医療的ケア児の情報を共有するための医療的ケア児データベース事業の登録状況について,現在13人の登録がある。 (2)  令和5年度第2回実務者会の報告について < 委員(障害福祉課) >  令和5年11月17日に実施した。内容としては,まず実務者会の開催時点での市内の医療的ケア児の概況と,医療的ケア児データベースの登録状況について事務局から報告を行った。続いて,来年度就学予定の医療的ケア児2名について,市の就学相談において,都立府中けやきの森学園が適切であるとの判断が出されたことを共有した。そのうち1名の方は,特別支援学校で行える医療的ケアの該当にならないため,保護者の付添いを求められているが,市立小学校に通うきょうだいがいることから,保護者は就学を迷っているとの報告があった。  また,保育園の入園を希望している医療的ケア児についても共有した。2名の方から入園申込みがあった。保育園の申請に当たり,現状では受入れが可能であるかを保護者が保育園に確認するという仕組みになっているが,保育園側としては,訪問看護や加配の職員をつけてもらえるか分からない段階で受入れ可能と保護者に伝えることはできないため,保護者によっては困惑したとの話があった。医療的ケア児の就園支援については就学と同様に課題が多く,実務者会や庁内の保健師の連絡会の中で引き続き話し合っていく予定である。 < 会長 >  就学先を迷われている方がいたとのことだが,その後どのようになったか。 < 委員(指導室) >  先日,保護者と教育委員会と東京都の推進室の統括指導主事も入り,面談を行った。保護者は付添いが不可能ということで就学猶予を希望されていたが,本来であれば学校には通わせたいとの希望もあった。このケースの場合は東京都の医療的ケアの項目に入っていないため非常に難しかったが,モデル事業として始められないか2月の検討会にかける方向で東京都が動いているという話を受け,保護者は東京都のけやきの森学園に希望を戻された。 < 会長 >  保育園の申請があった2名についてはいかがか。 < 委員(保育課) >  入園申込みを2名の方からいただき,2名とも内定が決まった。  2名とも保育園で面接を行う。訪問看護ステーションとも調整を行いながら,預かり時間等検討を進めていく。 (3)  調布市立小・中学校における医療的ケアガイドライン(案)について < 委員(学務課) >  指導室と学務課において医療的ケアのガイドラインの作成を順次進めている。案の状態であるが皆様に御意見をいただき運用の開始に進めていきたい。  資料については,1つ目が,ガイドライン本体の案。調布市立学校において医療的ケアを実施する場合の対応方法について記載している。2つ目がガイドラインに付属する各種申請書類。医療的ケアを学校で実施するにあたり,保護者から御提出いただく書類の案となっている。今後,保護者の負担をなるべく減らしていくため,関係機関と調整し可能な範囲で様式の統一化をかけていきたい。3つ目は,調布市立○○学校医療的ケア実施要領(案)。実際に医療的ケアの子が入学をする段階で当該校が作成する。  まず1つ目の医療的ケアガイドラインの案については,医療的ケアへの対応の在り方を示すものである。調布市立学校で医療的ケア児を安全安心に受け入れるための考え方,役割,手続方法を示している。ガイドラインの有無によって,これまでの就学手続きが大きく変わるということはない。原則的には発達関係等で悩みがある状況であれば,就学相談から進め,その中で医療的ケアについても検討する。入学後の医療的ケア児の状況を基に,柔軟に対応していきたいと考えている。このガイドラインの運用は,令和6年度当初からを予定している。校内での実施の可否も含めて検証をさらに加え,内容をブラッシュアップしたうえで運用開始としたい。  2つ目の各種申請書類については,ガイドラインの内容に基づいて学校で医療的ケアを開始するまでの手続きに係る様式となっている。参考様式の部分は東京都の指針を参考に作成したものであるため,具体的に医療的ケアを担当してもらう訪問看護ステーションが実際に使用している書式があれば,代用を検討する。様式については,保護者負担の軽減という観点から可能な範囲で調整する。  3つ目,調布市立○○学校医療的ケア実施要領(案)は,実際に入学をすることになったときに当該校において作成する。当該校では,実施要領に基づいて医療的ケア安全委員会を作り,指導医の先生方の御協力を得ながら会議の運営をする。  また,文部科学省において,実際にガイドラインを策定する場合,医療的ケア運営協議会(関係機関,保護者の方々を交えて,管理していく組織)を作るよう規定されている。ただ,既に設置されている同種の会議体を活用することもできるという記載がある。この会議がそれにふさわしいのではないかと考えているところであり,現時点で何か別個の組織をつくるということではなく,この連絡会で相談をしながら,ガイドラインのブラッシュアップ,そして運営開始後の進行管理を行っていきたい。  医療的ケアガイドライン案は,現時点ではある程度広く実施できるような形で記載をしているが,実際は学校施設の老朽化等があって,全てが満足にできる状況ではないため,さらに検討していきたい。 < 会長  >  学務課の説明について疑問や何か御質問,御意見等あるか。 < 委員(障害福祉関係機関) >  医療的ケアの項目11項目の中に排便管理の項目がない。例えば浣腸だと家でされてきて,学校ですることはあまりないと思うが,お腹が張ってしまったときのブジーなど,排便管理が入ってない理由が何かあれば,教えていただきたい。 < 委員(学務課) >  11項目は,看護師がいれば比較的容易に学校の中でできるとされている項目を,東京都の様式になぞらえて記載している。実施をするということになれば,やはり学校の先生ではできないので,訪問看護ステーションに委託をして実施をするということが想定される。必要な医療的ケアによってある程度オーダーメード的につくらざるを得ない。学校の現状を踏まえながら,具体的にどの範囲まで実施できるのかを考えた上で,11項目についても削る,もしくは増やすことを今後考えていく。今の段階では,都の様式になぞらえて11項目を示している。改めて相談していきたい。 < 委員(障害福祉関係機関) >  医療的ケア児の医療ケアスコア表が厚生労働省から出されており,放課後等デイサービスや児童発達支援では,医師がつけた点数に基づいて看護師の配置がされている。その表の項目を参考にしながら検討いただけるといいと思った。 < 委員(教育関係機関) >  本校で医療的ケアを実施している基となるのは都のガイドラインである。そこに明文化されてない部分で,しかしながら学校の中の保護者にきちんと理解していただきたいことを校内の実施細則としている。  学校は医療機関ではないことを踏まえ,健康安定時に行われているケアの範囲内で行う,そうでない場合実施できない場合もあるということを保護者に御理解いただいた上で,医療的ケアを実施している。あくまで児童・生徒の登校時の体調が安定していることを前提に,保護者と学校(看護師や担任,管理職の判断を含む)とで今日の体調だと大丈夫であろう,今日は退院後すぐなので難しいかもしれないといった判断をその都度することもある。在校中の体調を見て,学校の医療的ケア実施が安全かどうか見極め,もし難しい場合は連絡をして保護者に対応していただく場合もあり,その辺りを保護者に理解していただいた上で教育現場で安全に医療的ケアをやることが大事であると思っている。そのほかにも,本校でやっていることで参考になることが何点かあるかと思うので,またお伝えしたいと思う。 < 委員(学務課) >  東京都の内容をある程度引用させてもらっているが,ガイドラインの中に,学校において医療的ケアを実施する条件を記載している。学校は医療機関ではないという前提があるので,日常的に保護者の方が行っている医療的ケアであること,当日に体調不良があれば実施できないこと,保護者の協力が必要であることを御理解いただくことも含めて,条件として記載している。細則については御教授いただき,御相談をさせていただければと思う。 < 会長 >  中心静脈栄養が項目に入っていないということを今回初めて知り,ほかの実施項目を見ていると,むしろ中心静脈栄養のほうが,簡単とは言わないが一般的であるため,何で入っていなかったのかというのは少し疑問な部分がある。ただ,2月からモデル事業が始まるということで,慣れている看護師であればそれほど難しい手技ではなく,恐らくモデル事業はうまくいってくれるのではないかと思っている。そうすれば,いろんな方が御利用するうえでハードルがまた1つ下がるのではないかなと思っている。  また訪問看護師が学校に訪問する場合,特に子どもとなると,依頼する看護師によっては難しいと言われてしまうことがもしかしたらあるかと思うが,その辺りはどうか。ほかの自治体を含めて,割とスムーズに見つかるものなのか。見つかるときは見つかるとしか言いようはないのだと思うが,どうなのか。 < 事務局 >  保育課から聞いた話として,保育園で医療的ケアが必要となった場合には,もともと御自宅に訪問している訪問看護事業所がお子さんの状況を分かっているので,そちらにお願いできるよう依頼をしていくというのは伺ったことがある。日頃から医療的ケアが必要な方だと,ゼロベースから探すということはあまりないと考えられる。同じ事業所が学校にも訪問することを必ずお受けいただけるかどうかは難しいところなのかもしれないが,関わりのある訪問看護事業所の中で探していくということが,手順としては考えられる。 < 会長 >  確かにそのほうが保護者の方も安心感があると思うし,そういう形になるのかなと今,説明を聞いて感じた。一地域のクリニックとして,在宅でケアが必要な子どもになかなか入り込めてないという実情が正直あり,今後,地域の医師もやっていかなければいけない,特に小児科もやっていかなければいけないというのは,自覚している。なかなかそういう機会に恵まれず,保護者の思いもあるので難しいところもあると思うが,今こういう時代なので,少しずつ地域に根差してやっていくことは理想だと思う。またいろいろと皆さんの御意見を教えていただければと思っている。  ガイドラインについては,本日御発言いただいたことを踏まえて,学務課を中心に庁内でさらに検討していただきたい。 4 その他 < 事務局 >  今年度の連絡会は今回で最後となる。本連絡会の任期は2年なので,来年度も引き続きお願いしたい。来年度の連絡会について,今年度と同様に年2回の開催を予定。  新年度の異動などで委員の変更が必要となった場合には,事務局まで御連絡をいただきたい。  今回の議事録と議事録要旨を作成し,委員の皆様に御確認いただいた後,議事録要旨を調布市のホームページに掲載予定。第1回の議事録要旨については,既に掲載済み。 以上をもって第2回調布市医療的ケア児支援関係機関連絡会を終了する。 ――了――