7 障害者(児)地域生活支援拠点連絡会 報告書 令和5年度調布市障害者(児)地域生活支援拠点の運営状況について(報告) 1 調布市障害者(児)地域生活支援拠点の概要   平成31年4月より「面的整備」として運用開始   (注)面的整備:必要な機能を地域における複数の機関が分担して担う (1) 拠点の機能   ア 相談   イ グループホーム等の体験   ウ 緊急時の受け入れ体制の確保   エ 人材の確保・養成   オ 地域の体制づくり (2) 構成機関・事業   ・調布市障害者基幹相談支援センター(障害福祉課)   ・障害者地域活動支援センタードルチェ   ・障害者地域生活・就労支援センターちょうふだぞう   ・地域生活支援センター希望ヶ丘             ・・・・・・・・・・ア,オ   ・調布市こころの健康支援センター   ・調布市子ども発達センター   ・調布市知的障害者グループホームすてっぷ共同生活援助事業 ・・・・・・・・・イ   ・調布市地域で支える体制づくりモデル事業(あんしんネット)   ・調布市知的障害者援護施設なごみ短期入所事業   ・調布市在宅障害者ショートステイ事業             ・・・・・・・ウ   ・調布市障害者(児)委託型緊急一時保護事業   ・調布市福祉人材育成センター事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エ   ・調布市障害者地域自立支援協議会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オ   ・市内に所在し,市長が認定する特定相談支援事業所・障害児相談支援事業所 ・・ア,オ   ・市内に所在し,市長が認定する短期入所事業所 ・・・・・・・・・・・・・・・ウ   2 令和5年度の取組状況 (1) 調布市障害者(児)地域生活支援拠点連絡会の開催    ※「サービスのあり方検討会」と一体的に開催   第1回 令和5年9月11日    ・調布市障害者(児)地域生活支援拠点(面的な体制)に関する確認    ・地域生活支援拠点関連加算の確認    ・「地域体制強化共同支援加算」記録書から抽出した地域課題・ニーズの中間取りまとめ   第2回 令和6年3月4日    ・拠点関連加算算定状況の確認    ・「地域体制加算共同支援加算」記録書から抽出した地域課題・ニーズの取りまとめ 【参考】拠点関連加算の算定状況(令和5年3月から令和6年1月提供分まで) 事業所名 登録時期 相談支援 強化加算 体制強化 共同支援加算 障害福祉課 R1年10月 0回  0回  子ども発達センター R1年9月 0回  1回  ドルチェ R1年8月 0回  8回  ちょうふだぞう R1年8月 2回  7回  希望ヶ丘 R1年8月 0回  5回  こころの健康支援センター R1年12月 0回  4回  マーレ相談支援事務所 R1年10月 0回  3回  KIZUNA相談支援センター調布 R3年6月 0回  0回  銀河ケアサービス R3年10月 0回  0回  ポコポコ・ホッピング神代団地 R4年1月 0回  0回  その他(市外事業所) - 0回  1回  市内合計10か所 2回  29回    3 課題の整理  提出された「地域体制共同支援加算 記録書」の内容から抽出した地域課題,ニーズを整理。   ヘルパー事業所の充実・連携 ・在宅生活を支える支援体制の充足。 ・毎日の服薬確認が可能であれば地域生活ができると思われる精神障害者へのサポート体制。 ・毎日を通して近隣のスタッフが安否確認をできる機能をもつサービスの提供。 ・本人及び家族の意向と,対応するヘルパー事業所の対応の限界について。 ・在宅生活を支える支援体制の充足。   多様な居場所 ・特別支援級在籍の児童が不登校になった時の日中の居場所の確保。 ・本人の不調時,安心して休息できる場所が不足している。 ・本人の気持ちが満たされる趣味の活動や仲間とのふれあいがあることが求められるが,社会資源がない。 ・本人像を把握したうえで,地域でゆるやかに見守っていけるような資源があれば望ましい。本人が行きつけとなれるような関係づくりができる店舗など,地域に根付いたサポート体制がほしい。 ・まだ自分は障害や支援の必要な高齢者ではないという方でも気軽に参加できる身近な集い先が必要。   グループホームなど居住の場 (グループホーム) ・精神障害者で身体的な介助が必要な人が入居できるグループホームがほとんどない。滞在型グループホームでも,精神障害者や知的障害者対応のグループホームでは,力不足で対応できない。 (その他) ・生活保護受給者,精神障害,高齢者であることを理由に転居先が見つかりにくい。不動産屋にそうした人についての相談先があることを知ってもらうことで,顔の見える関係性作りをする。 ・医療的ケアが行える入所系サービス。特に夜間の医療従事者が確保できる居住系の福祉サービスは少ない。加齢に伴う諸症状に対しての適切な配慮や支援が行える人材育成が必要。     人材育成 ・効果的な相談支援のスキル蓄積と共有を目的として,具体的な達成目標を設定した上で,支援効果を客観的に予測し,事後評価できるような尺度を取り入れた書式があると良い。計画相談ではモニタリング報告書に本人と振り返りの効果測定を行う欄があるが,支援者自身が効果予測や評価を行うツールは未整備である。例えばGAF尺度等を試行的に取り入れ,援助過程において効果測定を行う方法であれば,ツール開発の負担なく効果測定を取り入れることができるのではないか。   健康づくりの支援 ・医療の話題で専門用語が出ると,状況が理解しづらいことがある。地域の医療ソーシャルワーカーのような存在があると良い。 ・自宅において,どのような食事を準備できるのか,管理栄養士に気軽に質問したり助言を受けたりできる仕組みがあると良い。電話による相談,管理栄養士が常駐する相談窓口の設置,CSWの一員として管理栄養士を配置し,自宅に訪問できる体制の構築など。   医療体制 ・知識不足の状態でサービスを提案し,事業所がリスクを負うことや,安易なサービスの提案をすることを回避できるよう,医療関係者向けに障害福祉制度・介護保険制度の理解を深める機会が必要。 ・医療的ケアを必要とする方の在宅生活を支える支援体制の充足。 ・精神症状が不安定な方や,受診拒否をしてしまう傾向のある方への支援体制。 ・退院後,食事や整容などの生活を見守ったり,支援したりする資源が少なく,生活の質が低下したり, 家族の負担が大きくなる傾向がある。また,主治医に現状をうまく伝えられない,指示を理解することが難しい,病状が不安定な時に過剰な買い物をしてしまうなどの支援ができるような資源がない。   他機関との連携 (介護保険) ・介護保険への移行でこれまで長くかかわってきた計画相談支援が終結するにあたり,本人及び家族,介護保険事業所が安心して支援体制を整えるためにも,最低1年間は相談支援事業所が正規の支援機関として関わることができると良い。 ・障害福祉サービスと介護保険サービスとの交流が少ないため,高齢障害者が適切なタイミングで介護へと移行する時期を逸している可能性がある。 ・障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行について,双方の機関の理解が乏しく,移行がスムーズに行えない。双方の会議に参加したり,現状の共有や事例を共有したりといった,日頃から双方の機関を知る機会が必要。 (医療) ・医療的ケアを必要とする方の在宅生活を支える支援体制の充足。 ・精神症状が不安定な方や,受診拒否をしてしまう傾向のある方への支援体制。 ・3か月くらいの入院をして,退院をしたときに総合的に生活面のサポートができる体制があれば,安心して退院をして地域生活を送ることができるのではないか。 ・退院後も医療機関との調整や産業医,職場に本人の病状などの情報共有を行う地域の医療ソーシャルワーカー。 (その他) ・在宅での24時間支援を支える関係者間の連携ツール ・情報共有が必要な場合にスムーズに共有できるようなツール   複合的な課題・家族全体への支援 ・現行のサービス体系においては,就労継続支援B型の利用により課題達成した後のサービスとして就労継続A型か就労移行支援がある。サービスの移行期の環境変化をどのように支えていくかが重要な過程であり,この時期の取組みが本人の将来にも影響してくる。しかし精神障害のある方については,環境変化への脆弱性を抱え持つことが多い。そのため,移行期間に関わるサービス提供事業者の支援の質を担保する給付体制が必要と考える。具体的には,就労継続支援B型とA型,もしくは就労移行支援事業所のサービスを併用して利用できる体制があればよいと思う。 ・介護者である家族を支え地域と共に見守り,支援者間で連携を図るための体制と仕組み作り ・子どもの支援としての家事援助が利用できる制度。障害福祉サービスは本人の自立を目指すために利用するものであり,本人の子どもの支援の一環として利用すると支援の方向性を揃えることが困難。 ・問題行動がある障害者を支える福祉サービスの充実と,財産管理などを行う支援体制の強化や成年後見人制度の報酬補助の充実。 ・重層的支援体制整備事業が実働すると,世帯単位での支援を行いやすくなるかもしれない。   その他 ・サービスでどの範囲までの内容が行えるか,当事者にとってわかりづらい点がある。 ・利用者の中には,これまでも数名の利用者がそれぞれの目標を持ち,慣れ親しんだ居場所からの環境変化を経験している。これまでの経過に鑑みると,移行期につきものの不安感や慣れ親しんだ環境や対人関係が更新される喪失感を経て,新たな環境への適応などを経験した仲間同士で定期的に集まる,同窓会のような当事者ミーティングがあるとよいと考える。各々の経験を語り合い,共有し励まし合える関係性によって,当事者―支援機関の関係性で育まれる以上のエンパワメント効果が期待できる。また,これから移行期を迎える利用者も当事者ミーティングに参加することで,いくかは移行先に適応できるといった見通しや安心感を得るといった効果も期待できる。 ・月に2回ピアミーティングを開催している。当事者同士で自由にテーマ設定し話し合う場を提供している。ピア活動においては安心できる環境で自己表現し,お互いに支え合う経験を通して,自分と言う存在の再確立を図る効果が期待できる。 ・地域福祉権利擁護事業以上にパーソナルな対応ができ,成年後見制度より制限されない金銭管理サービスが必要。 ・本来の意味でのパーソナルアシスタントシステム。目的や用途,施設の人員等によって制限されない本人の地域生活を支援する枠組みの構成が必要。