令和6年調布市教育委員会第6回定例会会議録 1.日     時 令和6年6月28日午前10時00分~午前11時00分(1時間00分) 1.場     所 教育会館3階 301~303研修室 1.出 席 委 員 教育長            大和田 正 治           教育長職務代理者   細 川 真 彦           委員             福 谷 文 夫           委員             榎 本 竹 伸           委員             千 田 文 子           委員             臼 倉 美 智 1.出席説明員   教育部長           阿 部   光           教育部副参事兼                                    小 林   力           指導室長                      教育部次長          髙 橋 慎 一           教育総務課長         鈴 木 克 久           教育総務課施設担当課長   関 口 幸 司           教育総務課副主幹       市 川 陽 介           教育総務課副主幹       森 木 豊 和           指導室学校教育担当課長   三 井   豊           指導室教育支援担当課長兼                         伊 藤 聖 子           教育相談所長                      指導室統括指導主事      門 田 英 朗           指導室統括指導主事      海馬澤 一 人           指導室副主幹         佐 藤 晋太郎           社会教育課長         泉   健一郎           郷土博物館長         早 野 賢 二           郷土博物館副館長       御 前 智 則 1.事務局出席者  教育総務課総務係長      澤 井 昭 宏 1.会議録署名委員 教育長            大和田 正 治           委員             榎 本 竹 伸 〈会議に付した事件〉 議案第33号 臨時代理の承認について(調布市教育委員会事務局事案決裁規程の一部を改正する訓令) 議案第34号 調布市社会教育委員の解職について ○大和田教育長  おはようございます。ただいまから令和6年調布市教育委員会第6回定例会を開会いたします。        ――――――――――― ―― ――――――――――― ○大和田教育長  日程に入る前に事務局に申しあげます。傍聴を希望する方がいらっしゃいましたら,入場させていただきたいと思います。        ――――――――――― ―― ――――――――――― ○大和田教育長  ここでお諮りいたします。本日審議いたします議案第34号については人事案件であることから,審議を非公開といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  御異議なしと認めます。よって,日程第4の当該議案については非公開とすることに決定いたしました。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第1 令和6年調布市教育委員会第6回定例会会議録署名委員の指名について ○大和田教育長  これより日程に入ります。日程第1,令和6年調布市教育委員会第6回定例会会議録署名委員の指名について。本件については,調布市教育委員会会議規則第29条の規定により榎本委員を指名し,教育長の私,大和田とともに署名委員といたします。よろしくお願いいたします。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第2 報告事項 ○大和田教育長  次に,日程第2,報告事項に入ります。  報告事項をすべて報告いただいた後,一括質疑といたしますので,よろしくお願いいたします。  初めに,関口教育総務課施設担当課長から,令和6年度教育施設主要事業の執行及び進捗状況について報告を願います。関口教育総務課施設担当課長。 ○関口教育総務課施設担当課長  教育施設主要事業の執行及び進捗状況について報告いたします。資料1をお願いいたします。  教育施設の工事につきまして,6月10日現在の進捗状況の報告です。  前回の定例会以降,新たに契約した工事は3件で,学校教育施設が2件,社会教育施設が1件となります。  契約しました工事の概要ですが,№2は,杉森小学校で校庭整備工事を実施します。  №3は,神代中学校で同じく校庭整備工事を実施するものです。  №4の青少年交流館では,設置から年数が経過した空調機の更新を行うほか,一部照明器具を改修する工事となっています。  続きまして,2ページをお願いいたします。№1の写真は杉森小学校校庭整備工事の施工状況で,工事のための仮囲いの設置が完了し,工事に必要な重機も搬入され,校庭の表面の土の撤去作業を進めています。  №2は,青少年交流館空調設備ほか改修工事の施工状況で,既存の空調設備が撤去され,新しい空調設備の設置がおおむね完了した状況です。  報告は以上です。 ○大和田教育長  次に,門田指導室統括指導主事から,令和6年5月における市内小・中学校の事故等の報告について報告を願います。門田指導室統括指導主事。 ○門田指導室統括指導主事  令和6年5月における市内小・中学校の事故等について報告をいたします。資料2をお願いいたします。  令和6年5月は,小学校9件,中学校1件,合計10件となります。  まず小学校についてですが,①発生日,5月7日火曜日,発生場所は通学路,学校管理内の事故となります。対象児童は第5学年。当該児童は,下校中に信号のない横断歩道手前で友達と話をしながら立ち止まっていました。友達と話し終わり,横断歩道を渡ろうとした際,走行してきた自転車の前に急に飛び出すような形で接触をいたしました。病院で受診をし,右腕擦り傷の診断を受けております。  ②発生日,5月9日木曜日,発生場所は体育館,学校管理内の事故となります。対象児童は第4学年。当該児童は,体育の授業中,体育館で体ほぐしの運動,なべなべそこぬけを行っておりました。手をつないでいた関係児童に右側に引き寄せられた際に,左足首をひねりました。その後,保健室において応急処置を施しましたが,痛みがひかないため病院へ搬送しております。病院で受診をし,左足首剥離骨折の診断を受けております。  ③発生日,5月10日金曜日,発生場所はプール,学校管理内の事故となります。対象児童は第3学年です。当該児童は,総合的な学習の時間にプールでヤゴを捕る学習を行っていました。その際に足を滑らせ,プールサイドにあごをぶつけました。病院で受診をし,あご裂傷の診断を受けております。  ④発生日,5月20日月曜日,発生場所は駐車場,学校管理外の事故となります。対象児童は第4学年です。当該児童は,帰宅後,自転車に乗って遊びに出掛けようとしていた際に,自宅マンション駐車場出入口で自動車と接触をし転倒しました。転倒した際に左足を地面にぶつけております。病院で受診をし,左足打撲の診断を受けております。  ⑤発生日,5月21日火曜日,発生場所は校庭,学校管理内の事故となります。対象児童は第3学年。当該児童は,体育の授業中,運動会の団体種目,台風の目の練習をしていました。整列して前方から足元に運ばれてきた竹の棒を跳び越える際,棒に左足甲をぶつけました。病院で受診をし,左足甲の骨折の診断を受けております。  ⑥発生日,5月22日水曜日,発生場所は教室,学校管理内の事故となります。対象児童は第1学年です。当該児童は,給食準備中に両手で配膳用トレイを持った状態で自席に戻ろうとしていました。自席近くまで戻った際に,他の児童の足に引っ掛かり転倒しました。転倒した際に,箸が右上腕二の腕付近に垂直に刺さってしまいました。病院で受診をし,箸は無事に抜け,神経等に係る後遺症もなく,縫合処置を施されることもありませんでした。  ⑦発生日,5月27日月曜日,発生場所は階段,学校管理内の事故となります。対象児童は第1学年です。当該児童は,下校時に校内の階段を2階から1階へ下りている際に足を滑らせて転倒をしました。転倒した際に顔面を床にぶつけております。病院で受診をし,目,頭部打撲の診断を受けております。  裏面をお願いいたします。⑧発生日,5月28日火曜日,発生場所は昇降口,学校管理内の事故となります。対象児童は第3学年です。当該児童は,下校時に昇降口において他の児童と接触をし転倒しました。転倒した際に左手を地面についております。病院で受診をし,左手首骨折の診断を受けました。  ⑨発生日,5月30日木曜日,発生場所は音楽室,学校管理内の事故となります。対象児童は第3学年です。当該児童は,音楽の授業中,いすの上に乗った際に足を踏み外し,いすから落ちました。いすから落ちた際に,左すねがいすの角に当たり裂傷を負いました。病院で受診をし,左足すね裂傷の診断を受け,7針縫合の処置を受けております。  続いて,中学校にまいります。  ①発生日,5月2日木曜日,発生場所は校庭,学校管理内の事故となります。対象生徒は第1学年です。当該生徒は,体育の授業中,校庭で100メートル走の練習をしておりました。カーブに差し掛かったところでバランスを崩し転倒。転倒した際は,他の生徒との接触はありませんでしたが,転倒後,自力では立ち上がれない状態でした。病院で受診をし,右ひざ脱臼の診断を受けております。  報告は以上です。 ○大和田教育長  次に,御前郷土博物館副館長から,一般財団法人調布市武者小路実篤記念館役員人事について報告を願います。御前郷土博物館副館長。 ○御前郷土博物館副館長  一般財団法人調布市武者小路実篤記念館の役員人事について説明をいたします。  初めに,資料3―1を御覧ください。2の理事の欄になりますけれども,阿部教育部長が理事として,続きまして3の監事の欄で泉社会教育課長が監事として,令和6年4月の人事異動に伴い新たに就任いたしましたので,報告をいたします。  続きまして,資料3―2をお願いいたします。以前から1人欠員となっておりました評議員につきまして,令和6年5月24日に評議員会が開催され,新たに木村伸子氏が評議員として選任されましたので,御報告を申しあげます。  説明は以上となります。 ○大和田教育長  以上で報告事項の報告はすべて終わりました。これから報告事項全般に関する質疑,意見を受けたいと思います。質疑,意見のある方はお願いいたします。福谷委員。 ○福谷委員  小・中学校の事故報告,資料2です。小学校の3件に骨折の報告があります。以前も骨折の事案があったときに伺ったのですけれども,骨折の要因については不明というか,いわゆるつかめないという話で,食事や運動などの要因はあるのですが,はっきりとは分からないということで,骨折に関しては,そのような事故がないように,事故を防ぐような指導をというお話がありました。  でも,今回を見ますと,いずれも防ぎようがない事故のように思います。今後このような骨折についての指導については,どのように考えていったらいいかお願いします。 ○大和田教育長  門田指導室統括指導主事。 ○門田指導室統括指導主事  御質問ありがとうございます。骨折の事案についてでございますが,予見が難しい事故があることも事実として認識しております。学校の教育活動中の骨折を含めた事故を未然に防止する取組の1つとしても,日常生活における安全をしっかり子どもたち自身が考えながら生活が送れるように安全教育等を充実させ,取り組んでいくことで,未然防止の取組を学校全体として進めていけるように支援してまいりたいと考えております。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。もう一点いいですか。 ○大和田教育長  はい。続けてお願いします。 ○福谷委員  ⑥の箸が腕に刺さったという,通常使っている箸は刺さるほど鋭利なものだったのかというのも少し疑問に思いました。  あと,もう一点が⑨の音楽の授業中にいすの上に乗ったという事案ですけれども,いすの上に上がらなければならなかった原因があったのかというので,少し教えていただければと思います。2点です。 ○大和田教育長  門田指導室統括指導主事。 ○門田指導室統括指導主事  初めに,小学校の⑥の事故の内容になりますけれども,今回の事案については,日常給食で使っている箸が刺さったという状況でございます。奇跡的にも大きなけがになっておらず,病院においても処置をされることがなかった事案になります。本当に奇跡的な部分もあると認識しておりますが,通常,箸が刺さるということがなかなか想定できない場面での事故であったことは認識しております。学校のほうには,こういった事故も実際報告として上がってきていますので,日ごろの給食指導中における配慮事項として,職員にも周知をしてほしいということで依頼しているところでございます。  続きまして,⑨音楽室における左足すね裂傷の事案についてですが,これは授業中ですけれども,いすの上に乗って活動を行っている場面での事故ということでございました。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。音楽のときにいすに上るというのは,あまり想像ができなかったので,そういう活動があったということですね。分かりました。ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。千田委員。 ○千田委員  私は,先ほどの安全教育について,少し違う視点から意見を言いたいと思います。致し方ないと思われるような事故ですけれども,私が言うのは,統計等の根拠があるわけではないのですが,感じるのは,学校の風土といいますか,何かぴりっとした空気といいますか,そういうものが大事になってくるのではないかと思います。経験知なのですけれども,学校のそういう風土があるところでは,事故はあまり起きていないように思われます。  例えば,ちょっとそれ危ないよとか,こうするといいよとか,やめておきなとか,そのような声掛けが教員から,または子ども同士から自然に発せられるような風土って今,なくなってきていると思います。これは,これまで地域でも家庭の中でも普通にされていた声掛けが何となく疎遠になってきていて,今やもう学校がそれを意識してつくっていかなければならないようなところに来ているような気がします。  ですので,先ほど安全教育を進めていくということでしたが,その中にこういう風土づくりというか,空気づくりというか,目に見えることではないのですが,そういうことも大事にしていってほしいと思います。  私から質問をさせていただきます。資料1です。主要事業の執行及び進捗状況で,2番と3番が小学校,中学校の校庭の整備工事になっていますけれども,この整備工事の中に校庭の芝生化をする学校が入っているかどうか。また,今後芝生化の予定はあるのかどうかお聞きしたいと思います。お願いします。 ○大和田教育長  関口教育総務課施設担当課長。 ○関口教育総務課施設担当課長  この2校の校庭整備工事の中に校庭の芝生化は含まれていない状況となっています。調布市の学校における校庭の芝生化については,東京都の補助事業を活用し,平成20年度に富士見台小学校での実施を皮切りに,平成30年度まで都合13校で,整備面積の大小はありますが,実施してきたところです。  ただ,この13校のうちに北ノ台小学校が含まれているのですが,北ノ台小学校では,児童数の増加に伴って不足教室対策として校舎の増築をした関係で,芝生化をしたところについては,そこに校舎を建てた関係で,実質,芝生化をやっているのは12校という状況になっています。  平成20年度以降から平成30年にかけては,市内の学校では児童数が増えてきていたことから,児童数の多い学校については,芝が利用に耐えられないところを懸念していて,学校でもなかなか整備が進められない状況もあったことから,平成30年度で調布市としては一旦整備を終わらせた状況であります。また,現在では,東京都の補助金も打ち切りになっている状況であります。  整備が続けられなかった一因としては,補助事業と活用するに当たっては,学校と地域が連携して維持管理をしていくというところで補助金を頂くスキームになっていたのですけれども,後年では地域との連携が難しいという状況もあり,対象校がなかなか定まらないような背景もあり,平成30年度で取りやめをしている状況でありますので,今後についても,今のところ芝生化を進めるといったところでは検討していない状況であります。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  私も2校で芝生化を経験しているのですけれども,維持管理の難しさはかなりありました。その一方で,今でも芝生が青々としていて活用した教育活動をしている学校もあるというので,うらやましいと思うところもあるのですが,また,たしか都は,温暖化対策も入れていたかと思いますけれども,今お聞きして,地域との連携,それから予算面とか,そして何よりも,子どもが多くなると本当に芝生ははげていくなというのも実感していまして,難しさもとてもよく理解できます。残念ですが,今のところ難しいということで理解しました。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。榎本委員。 ○榎本委員  資料2の小・中学校の事故の報告,実は直接ここに関係ないかもしれないのですが,今月11日に広島県で中学校の部活中に,野球部の生徒が部員同士でぶつかって頭と打ったという事故がありました。そのときに,学校としてはすぐ病院に搬送して,CTも撮り,最善だったと思われる行動を取っていただいたけれども,帰宅後から容体が悪くなって,別の病院に行ったら,そのまま帰らぬ人になってしまったという事故があったのを皆さんも記憶していると思うのですが,事故というのは,何かあれば起きてしまうのだけれども,本当にその対応でよかったのかどうなのか。広島のまちの教育委員会では,やっぱり落ち度があったと話されているということをニュースでやっていましたけれども,私たちのまちでも,いつこのような事故が起きるか分からないと考えますと,特に頭を打っているということに関しては,もう少し注意しなければいけなかったと思っていますし,また違った配慮が必要だったとも私は思っています。  そこで,小さな事故から大きな事故まで様々あるのですけれども,事故というものに対して,やはり私たちはもう少し細心の注意を払っていかなければいけないと,そのニュースを見て思った次第です。どうか学校の現場でも,その辺のところを大丈夫だと,このぐらいだったら大丈夫だということが絶対ないようにしていただいて,事故に対しては本当に繊細な注意を払うことをぜひこの場でお願いしておきたいと思います。直接関係ない話でしたけれども,機会がございましたので,伝えさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ○大和田教育長  御要望ということでよろしいですか。 ○榎本委員  はい。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかになければ,以上で報告事項を終わります。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第3 協議題   調布市立染地小学校施設整備に関わる基本方針(案)について ○大和田教育長  続いて,日程第3,協議題に入ります。  「調布市立染地小学校施設整備に関わる基本方針(案)について」を議題といたします。本件について関口教育総務課施設担当課長から説明を願います。関口教育総務課施設担当課長。 ○関口教育総務課施設担当課長  調布市立染地小学校施設整備に関わる基本方針(案)について説明をします。資料4をお願いいたします。  調布市立染地小学校は,多摩川住宅の一角に建設され,ロ号棟の第一次入居に合わせて,昭和41年に開校した学校です。多摩川住宅は,調布市と狛江市の2市にまたがる住宅施設として建築されましたが,建物の老朽化や居住者の高齢者が課題となっており,社会経済状況の変化に応じた施設の更新が求められています。  このため,平成29年9月に多摩川住宅地区地区計画が定められ,現在では団地内の各住宅地区において,各管理組合では,建て替え推進決議が順次進められているところです。中でもホ号棟においては,既に建て替え工事が進捗中にあり,今後,他の号棟においても順次,建て替えが進められた場合には,子育て世代の入居により,染地小学校の児童数の増加が見込まれております。既存の校舎は築後54年以上経過しており,校舎の老朽化対策が課題であるほか,地区計画の進捗状況に合わせた校舎の建て替えが検討課題となっています。  こうした状況を踏まえ,染地小学校の将来的な建て替えを進めていきたいと考えており,令和6年度は,染地小学校の施設整備について基本構想の策定を進めます。このため,新しい学校づくりを進めるための施設整備にかかわる基本的な考え方,方向性を示す調布市立染地小学校施設整備に関わる基本方針を定め,基本構想の策定を進めていきたいと考えています。  資料の1ページをお願いいたします。1の施設整備に至る経過については,ただいま説明したとおり,これまでの経過について記載をしています。  続いて2ページ,2の施設整備の基本方針(1)基本方針検討に当たっての考え方についてですが,基本構想の策定に向け,調布市教育大綱,調布市教育委員会教育目標,調布市教育委員会基本方針に基づき,染地小学校施設整備にかかわる基本的な方針を示すものです。参考までに,調布市教育委員会教育目標と調布市教育委員会基本方針を記載しています。  この教育目標,基本方針を踏まえ,3ページを御覧いただきまして,(2)施設整備の基本方針に記載のとおり,基本方針を定めます。施設整備の基本方針としては,1点目として,ア,高機能かつ多機能で変化に対応し得る弾力的な教育環境の整備,2点目として,イ,健康的かつ安全で豊かな教育環境の確保,3点目として,ウ,地域の生涯学習やまちづくりの核としての施設の整備を基軸とし,今後新しい学校づくりを進めるために資料に記載の11項目を基本方針として定め,基本構想の策定を進めていきたいと考えています。  続きまして,資料4ページをお願いいたします。上段(3)対象となる施設として,染地小学校の現状の施設概要等を記載しています。  最後に下段の3,今後のスケジュール(予定)ですが,令和6年度は基本構想を策定します。施設整備に当たり,現段階においては設計施工一括方式によるPFI事業スキームによる施設整備を検討しており,令和7,8年度は,そのための事業者選定の準備を進めていく予定です。令和9年度以降のスケジュールについては,PFI導入可能性調査の結果を踏まえ検討していきたいと考えています。  説明は以上です。よろしく御協議の上,御決定くださいますようお願いいたします。 ○大和田教育長  以上で説明は終わりました。本件について質疑,意見等がありましたらお願いいたします。細川教育長職務代理者。 ○細川教育長職務代理者  染地小学校が新たに生まれ変わるという基本方針(案)でありますが,とても期待しているところであります。子どもたちが学校に行くことを楽しみに,わくわくするような空間デザインを考えていってほしいと願うところであります。  これから細かいことは決まっていくのでありましょうけれども,現時点では,多分これから5年後,10年後の進み具合はなかなか予見できないような時代にありますけれども,これからの子どもたちがどのような未来をつくっていくのかというところにおいて,例えば,今では想像ができないような動画でありますとか,3Dでありますとか,そういったものが当たり前になるかもしれません。そういうことも何か想定しながら計画をつくっていっていただきたいというのが願いとしてあります。  その中で少し気になったところなのですけれども,3ページのイ,健康的かつ安全で豊かな教育環境の確保という中の一番上の丸でありますが,ポストコロナの新たな日常の実現に向けた学校づくりという記載があります。これは前回の四中・若葉の説明の際に記載されたものでありますけれども,これが今現時点において,ポストコロナまた新しい日常というワードでもって,どのようなイメージが浮かぶのか。例えば,染地小が動き出すのが5年後,6年後とすると,そこにポストコロナというワード,新しい日常が当てはまるのかどうか。そういったところを考えてもいいのかと思うのですが,その点いかがでしょうか。 ○大和田教育長  関口教育総務課施設担当課長。 ○関口教育総務課施設担当課長  これまでのコロナ禍を受け,既存の学校で対応できていなかったというか,今後考えていかなければいけないところでは,まずコロナ禍においては換気をしなければいけなかったということ。特に夏場については,窓を開けながら空調をやっていくという矛盾していた行為をしていたわけですけれども,ここをどう改善していくかということでは,脱炭素に向けても省エネだったりということで,そういった空調設備の在り方,換気設備の在り方も今の時代に合ったものに変えていかなければいけないというところ。手洗いの徹底というところでは,蛇口についても非接触型にしたほうがいいのではないかというのがコロナ禍でありましたので,そこも含めて,将来的には例えば自動水栓を入れていくとかということで,非接触型に変えていく視点が必要ではないかと考えています。  あと,これは直接学校教育ではないのですけれども,やはり避難所機能を考えたときに感染者との動線分離というところでは,ゾーニングも新たに考えていかなければいけないのがコロナ禍での課題であったかと思っています。そういったところを新しい学校にどう取り入れていくかということを意識して,ポストコロナという表現を残したという状況であります。 ○大和田教育長  細川教育長職務代理者。 ○細川教育長職務代理者  ありがとうございます。内容的には非常によく分かるものでありますが,これから5年後,10年後,先を見据えた計画の方針として考えたときに,内容は非常に適切でよく分かるのですが,このワードを使うのが,果たしてどうなのかなとちょっと疑問に思います。皆さんでまた検討していただければありがたいと思うところです。  と同時に,もう1つお願いがあるとすれば,これは四中・若葉のときにもお話をしていることでありますけれども,これからコミュニティスクールを進めていく,地域と学校が一体となっていくという中にあって,やはり保護者や地域の声を聞く機会を多くつくっていただきたい。また,適切な情報提供も行っていただきたい。  そして,さらに言いますと,こども基本法などの成立もありますというところから考えますと,子どもの声を聞く。例えば,今の1年生は,もしかしたら新しい校舎を使えるかもしれません。1年生に限らずですが,授業の中ででも,子どもたちが対話をしながら自分たちの未来の学校を思い描いてく,意見を出し合って,こんな学校ができたらいいねなどというような授業もつくっていったり,その子どもたちの声を拾い上げるような形をつくっていけると,学校が新しくなるということが子どもたちにとっても楽しみになる大きなものになっていくのではないかと思いますので,そんなことはぜひやっていただきたいという意見として要望を述べさせていただきます。 ○大和田教育長  ただいま御意見を大きく2つほどいただきましたけれども,それは今後の協議の中でもう一度検討させていただくということでよろしいでしょうか。 ○細川教育長職務代理者  はい。ぜひお願いいたします。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。千田委員。 ○千田委員  私も今,細川教育長職務代理者がおっしゃった最後のお話と全く同じ思いで,子どもの声を聞く機会を持ってほしいというのは強く願うところです。ぜひそれは実現してほしいと思います。  これから検討し始めるということで,本当に小さな希望だったりもするのですけれども,2つ,3つ今のうちに希望を述べさせてもらおうかなと思います。  まず1つは,染地小学校というと,私の中では多摩川の自然を生かした環境学習が盛んな学校というイメージが強いのですけれども,そのほかにもたくさん体験活動をしていらっしゃる学校で,ぜひ地域の特色を生かした教育活動が進めやすい施設。どういうのと言われても,出入りがしやすいとか,少し具体的には今難しいのですが,学校の要望も聞きながら進めていただきたいというのが1つ。  2つ目は,地域コミュニティの拠点とありますけれども,あそこは団地の中の学校というので,団地の中はやはり学校が中心になるイメージが強いと思います。夏祭りとかが盛んなところでもあるので,その夏祭りとか,それから夏場の高齢者の避難所みたいなところなども想定できたらいいなと思います。  そして,最後ですが,私も団地に何年か住んでいた経験があります。その中で大きな台風が来ると,やはり多摩川の決壊がすぐに頭に思い巡らされて,夜も眠れないときも何度かありました。特に1階,2階に住んでいらっしゃるお宅の方々は心配なところがあったかと思います。以前にも決壊した場所もありましたが,決壊のときにでも避難所になる機能といいますか,子どもたちが学校にいるときはもちろんですけれども,多摩川が決壊だというときに,高いところにということがどうしても考えられると思いますが,そのような場所も,もし可能であればぜひつくっていただけたらというので,今,勝手な思いを2,3述べましたが,何か1つでも入りましたらうれしいです。 ○大和田教育長  ありがとうございました。ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  それでは,今,教育長職務代理者,それから千田委員も含めて,この構想についての御意見を承りましたので,特にお二人からは,子どもの意見をどこかで取り入れた形での構想づくり,あるいは地域の特色を生かした教育活動をとか,夏祭りの例が出ていましたけれども,そういう地域のコミュニティを大切にした学校づくり,それから多摩川決壊時においても,子どもの居場所があるような形があればいいという御意見もいただきましたので,ただいま出た意見をもう一度事務局のほうで検討させていただいて,本日の御意見を踏まえた形で,事務局に一任させていただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。よろしいですか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  それでは,御異議なしとのことでございますので,さよう決定いたします。ただいま意見が出たことについて,事務局のほうでもう一度協議をさせていただいて,構想の中に生かしていただきたいと思いますので,そういうことで御一任いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第4 議案   議案第28号 臨時代理の承認について(調布市教育委員会事務局事案決裁規程の一部を改正する訓令) ○大和田教育長  続いて,日程第4,議案に入ります。  議案第33号「臨時代理の承認について」を議題といたします。本件について市川教育総務課副主幹から提案理由の説明を願います。市川教育総務課副主幹。 ○市川教育総務課副主幹  議案第33号「臨時代理の承認について」,御説明いたします。お手元に資料を御用意ください。  本件は,かがみ文下段の提案理由にあるとおり,調布市教育委員会事務局事案決裁規程の一部を改正する訓令について,施行日までの間に教育委員会が招集されるいとまがなかったことから,教育長が臨時代理により処理いたしましたので,調布市教育委員会の権限委任等に関する規則第4条第2項の規定により,その承認について提案するものです。  改正理由について御説明いたしますので,3枚おめくりいただいたA4横の新旧対照表を御覧ください。  詳細の説明の前に概要をお話しいたします。市では,事務の簡素化,効率化を図り,迅速かつ適切な処理を行うために,調布市事案決裁規程の一部を改正しました。そのため,本改正に倣い,調布市教育委員会事務局事案決裁規程について,文言の不整合や規定と実務の不整合を是正するために改正を行うものです。  それでは,詳細の説明をいたします。お手元の新旧対照表ですが,表の右側が改正前,左側が改正後の規定で,変更点は赤字下線で表示しています。  1ページの第6条を御覧ください。ここでは,市長の権限に属する事務で教育委員会に補助執行させるものがポイントとなるため,初めにその内容を説明いたします。自治体の長である首長と教育委員会の職務権限は,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中で規定されており,教育財産の取得や処分,教育委員会が所掌する契約や予算執行については,首長の権限とされています。しかし,教育事務の円滑かつ能率的な処理や予算執行の統一的,合理的実施の観点から,首長の権限を教育委員会に委任し,市の規定に倣い運用している実態があります。  この間,市の規定改正に合わせて教育委員会の規定を随時改正してまいりましたが,細かな文言の不整合が発生するとともに,教育委員会の規定であるという位置づけから,予算執行に必要な市長部局各課を合議先として記載できないなど,事務の実態にそぐわない内容となっておりました。  このことから,今回の市長部局の事案決裁規程の改正のうち,教育委員会に影響が生じる財務に関する事項をすべて市長部局に合わせるとともに,今後,市長部局の規定が改正された場合でも,教育委員会の規定を改正することなく市長部局に合わせた事務が行えるよう,資料左側の改正後,第6条第2項2行目後段にあるように,「調布市事案決裁規程別表第1第3項の規定を準用する」といった文言を明記します。  また,この間,財務に関する決裁区分については,市長部局における副市長決裁と教育委員会における教育長決裁が同等となるよう整合させていたことを踏まえ,副市長を教育長に読み替えることを明記いたします。  今回の改正により,改正前は個別に定めていた補助執行に係る表が不要となることから,資料1ページ下段から7ページ中段にかけて記載の3,財務に関する事項と7ページ中段から12ページにかけて記載の別表第2,補助執行に係る決裁事案を削除いたします。  説明は以上です。よろしく御審議の上,御決定くださいますようお願いいたします。 ○大和田教育長  以上で説明は終わりました。これより質疑を求めます。これは市長部局でも事案決裁規程を市長決裁まで全部変えましたので,それに関係するところ,教育委員会の事案決裁規程も整合性を整えて変えてきたという内容でございますので,よろしいでしょうか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  それでは,質疑なしと認め,質疑を打ち切ります。  お諮りいたします。本件については原案どおりとすることで御異議ございませんか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  御異議なしとのことでありますので,さよう決定いたします。  それでは,次の議案は非公開と決定しておりますので,ここで傍聴者の方は御退席をお願いいたします。本日も傍聴ありがとうございました。        ――――――――――― ―― ――――――――――― 非公開        ――――――――――― ―― ――――――――――― ○大和田教育長  ここで,令和6年6月30日をもって任期満了となります細川教育長職務代理者から一言ごあいさつをいただきたいと思います。細川委員長職務代理者,よろしくお願いいたします。 ○細川教育長職務代理者  この3箇月,この席に座っていることにずっと違和感を覚え続けてまいりました。私が10年近く前からPTA連合会の会長をしているころからずっと,教育長職務代理者というのは,このたび逝去された奈尾力先生でありました。先生の御逝去が残念でならないと同時に,今,この任を大過なく終えられたのも,先生の御指導のおかげと深く感謝をしているところであります。また,教育委員の皆様,教育長を始めとする事務局,教育委員会職員の皆様,本当にお世話になりました。ありがとうございました。  4年前,教育委員の職を拝命するに当たって,心に留めた言葉があります。それは,2009年2月に今と同じようにガザを攻撃していたイスラエルにおいて,エルサレム賞という文学賞を受賞し,その授賞式に臨んだ作家の村上春樹さんの言葉です。「どれほど壁が正しく,卵が間違っていたとしても,それでもなお私は卵の側に立ちます。」という言葉です。  村上春樹さんは,我々一人一人のかけがえのない魂を壊れやすい殻を持った卵に譬え,その前に立ちはだかる硬く大きなシステムを壁と譬えました。正直に申しあげますと,教育委員会という硬く大きなシステムの前に私にできることなどあまり多くはないなという思いを持っていましたし,現に今でも本当に限られているなと感じているところではあります。それは,もしかしたら職員の皆様も同じように考えられるところなのかなと想像したりもいたします。  しかし,教育委員会制度におけるレイマンコントロールという観点から言えば,学校にかかわる地域の人たちやPTA,そして子どもたちと日々接しているからこそ伝えられること,また伝えなければならないことはあるのだろうと自負をしていたところはあります。  具体的な例を挙げれば,私が住職をしている寺で実施している子ども食堂に来ている子や,毎日のように遊びに来る子どもたち,その中には大変厳しい家庭環境,養育環境にある子もいれば,実際に不登校になっている子もいます。その子どもたちや家庭の側に立って,その目線で教育施策をチェックすることが私に課せられた役割だと思い定めて委員の任を務めてきたつもりであります。果たしてそのようにできたかどうかは,私が自分自身で評価しかねるところではあります。失礼を承知で言えば,その子どもたちが,調布の教育委員会や学校って悪くないじゃんと思ってくれればうれしいと思っています。  この4年間で多くのことを学ばせていただきました。その1つは,教育委員会の職員の皆様が本当に真面目に誠意を持って,献身的に日々の職務を遂行されているということであります。それは,この中に入ってみなければ知ることができませんでした。職員の皆様の熱意によって,不登校支援策を始めとする先駆的な調布の教育行政が進められているということは,本当に心強く思っているところです。  これからは,また一個人として地域,学校,子どもたちとかかわり続けていくことになりますけれども,その折々に教育委員会の皆さんの御努力の姿は声を大にして伝えていきたいと思っております。  最後にもう一度,村上春樹さんの言葉を引用したいと思います。「国籍や人種や宗教を超えて,我々はみんな一人一人の人間です。システムという強固な壁を前にした,一つ一つの卵です。我々にはとても勝ち目はないように見えます。壁はあまりにも高く硬く,そして冷ややかです。もし我々に勝ち目のようなものがあるとしたら,それは我々が自らのそしてお互いの魂のかけがえのなさを信じ,その温かみを寄せ合わせることから生まれてくるものでしかありません。」という言葉です。  これからもお互いの魂の温かみを寄せ合いながら,よりよい調布の教育環境をつくってまいりましょう。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。長くなりました。ありがとうございました(拍手)。 ○大和田教育長  細川教育長職務代理者,どうもありがとうございました。  それでは,ここで教育委員の皆様と私たち並びに事務局を含めて,花束と記念品を贈呈させていただきたいと思います。      (花束贈呈) ○大和田教育長  細川教育長職務代理者,どうもありがとうございました。しかしながら,任期は6月30日までですので,よろしくお願いいたします。        ――――――――――― ―― ――――――――――― ○大和田教育長  以上で今定例会に付されました案件はすべて終了いたしました。  これにて令和6年調布市教育委員会第6回定例会を閉会いたします。どうもありがとうございました。             調布市教育委員会会議規則第29条の                                                 規定によりここに署名する。                                            教育長                                    委員