令和6年度第1回調布市青少年問題協議会次第 日時 令和6年7月4日(木) 午前10時から11時30分まで 場所 調布市役所5階市長公室 1 開会 2 会長あいさつ 3 議事 (1) 調布市青少年問題協議会副会長の選出について (2) 調布市青少年問題協議会専門調査員の選出について 4 報告事項 (1) 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針について (2) 令和5年度調布市青少年健全育成方針関連事業の実績報告について (3) 令和6年度調布市青少年問題協議会関係会議及び事業予定について (4) 児童虐待防止センター事業報告について 5 情報交換 (1) 調布警察署からの情報提供 (2) 多摩児童相談所からの情報提供 (3) 中学校校長会からの情報提供 6 その他 【資料】 ・資料1 令和6年度調布市青少年問題協議会委員名簿 ・資料2 調布市青少年問題協議会条例 ・資料3 調布市青少年問題協議会専門調査員設置要綱 ・資料4 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針 ・資料5 令和5年度調布市青少年健全育成方針関連事業の実績報告 ・資料6 令和6年度調布市青少年問題協議会関係事業予定表 ・資料7 児童虐待防止センター事業報告 ・資料8 令和6年度版東京都多摩児童相談所相談概況等 【次回会議】 日程:令和6年10月11日(金) 午前10時から11時30分まで 会場:調布市役所5階 市長公室 令和6年度 第1回調布市青少年問題協議会報告 1 開催日時 令和6年7月4日(木) 午前10時から 2 会  場 市長公室 3 出  席 (1) 委 員 11人        (2) 事務局  5人 4 教育長挨拶 教 育 長: 皆さん,こんにちは。本日,本当に申し訳ないのですけれども,市長が急遽都合が悪くなりまして,私がこの会の代理を務めさせていただきたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。 5 議事 (1) 調布市青少年問題協議会副会長の選出について 調布市青少年問題協議会条例に基づき,副会長を選出。 (2) 調布市青少年問題協議会専門調査員の選出について 調布市青少年問題協議会専門調査員設置要綱に基づき,専門調査員を4名選出。 6 報告事項 (1) 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針について 副 会 長: 続きまして,次第4「報告事項」の(1)令和5・6年度調布市青少年健全育成方針について,事務局から報告をお願いいたします。 事 務 局: 本年度1回目の青少年問題協議会でございますので,現在の調布市青少年健全育成方針の概要について説明いたします。資料4を御覧ください。  調布市青少年健全育成方針は2年ごとに改定を行っており,現在のものは昨年提示したものと同じものとなっております。  なお,今後,令和7・8年度版の方針の策定に向けて,専門調査員会での協議と青少年問題協議会の場での素案の審議を行っていく予定となっております。  さて,この方針ですが,次代を担う青少年が家庭や地域のぬくもりと恵まれた自然の中で,安全かつ快適に伸び伸びと遊び,学び,夢と希望を持ちながら生き生きと育つことを目的としており,家庭,学校,地域,行政が連携して各種の施策を推進していくことを定めております。  この方針では,前段の文章で現状と課題をまとめており,後半で重点的に取り組む内容を重点目標及び推進事項として取りまとめております。  それでは,資料4の2ページ目から3ページ目を御覧ください。こちらに示すとおり,重点目標として,家庭,学校,地域,行政の連携による青少年への支援,青少年の社会参加活動の推進,健全な環境づくりと非行防止活動の推進の3つを定めており,さらに,各目標に基づき実施する推進事項を定めています。  本方針の大きな特徴としましては,成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたこと,SNS等における誹謗中傷の書き込みなど,インターネット上のいじめの問題,家族の介護や看病等を担うことで青少年に過剰な負担がかかるヤングケアラーについて,また,子どもが安全にインターネット等を利用できるよう保護者が制限をかけるペアレンタルコントロールの活用の4点の内容を盛り込んだことが挙げられます。  これらの内容を前段の現状と課題としてまとめており,これらへの対策として様々な事業を展開しており,各種事業の昨年度における実績については次の項目で改めて説明をいたします。説明は以上となります。 副 会 長: 事務局からの報告は以上です。  ただいまの報告,説明について,御意見,御質問とかございましたらお願いしたいと思いますけれども,ございませんか。      (「なし」の声あり) (2) 令和5年度調布市青少年健全育成方針関連事業の実績報告について 副 会 長: 続きまして,(2)令和5年度調布市青少年健全育成方針関連事業の実績報告について,事務局から報告をお願いいたします。 事 務 局: それでは,報告いたします。先ほどの資料4と併せまして,資料5を御覧ください。  先ほど説明しましたとおり,青少年健全育成方針では,重点目標として,家庭,学校,地域,行政の連携による青少年への支援,青少年の社会参加活動の推進,健全な環境づくりと非行防止活動の推進の3つを定めており,さらに,目標ごとに実施する内容を推進事項として設定しております。資料では,方針に定める推進事項に関連する各種事業について,昨年度における実績をまとめたものとなっております。様々な事業がございますので,事務局である児童青少年課での主な実施事業について説明いたします。  1ページ目の中段を御覧ください。重点目標1,家庭,学校,地域,行政の連携による青少年への支援に推進事項として位置づけられている子育てへの支援という項目についてですが,児童青少年課では子育てひろば事業を実施しております。これは,各児童館において,子育て中の保護者及びこれから子育てを始める保護者を対象に居場所の提供と相談,栄養指導,歯科衛生指導等の健康講座を実施するもので,昨年度の実績は,子育ての相談の件数が1,408件,子育て講座等の実施回数が5,049回,助産師相談件数が732件となっております。  続きまして,資料5の4ページ目を御覧ください。同じく重点目標1の推進事項である困難を抱える子ども・若者への支援について,当課では子ども・若者総合支援事業ここあを実施しております。これは,ひきこもりや不登校,無業等の困難を抱える子ども・若者への支援を総合的に実施しているもので,昨年度の実績は,相談事業の延べ利用人数が1万387人,居場所事業の延べ利用人数が995人となっております。  なお,相談事業の延べ利用人数が1万人を超えたのは事業開始以来初となっております。これは,市内において事業の認知が高まったことと,生活する上で様々な困難を抱える子ども・若者とその家族が増加傾向にあることが原因と考えられます。  そのほかにも,重点目標2,青少年の社会参加活動に位置づけられた事業として,児童館交歓フェア,児童館まつり,児童館ドッヂビー大会,児童館交流サッカー大会(J’sCUP),児童館交流オセロ大会,ウルトラキャンプといった児童館を利用する児童を対象とした事業や健全育成推進地区委員会との共同開催による調布市青少年健全育成地区親善ソフトボール大会を実施するなど,新型コロナウイルスの位置づけが5類に変更されたことに伴い,様々な事業をコロナ禍前と同様に制限なしで実施したことで,多くの子どもたちに参加いただくことができました。  今後も関係各課,諸団体と連携を図りながら,市内における青少年の健全育成を推進するため,各種事業の積極的な実施に取り組んでまいります。説明は以上となります。 副 会 長: ありがとうございました。  今,事務局からの報告,説明が終わりました。これにつきまして,御意見,御質問等があればお願いいたします。はい,どうぞ。 委  員: では,1点だけ。質問とかではないのですが,来年度に向けて御検討いただければありがたいなと思うのですけれども,多摩児童相談所は調布市以外でも合計5市を管轄しているのですが,調布市は在宅の支援が非常に充実されているし,先駆的にやられているのですね。ですので,私としては,関心として,前年度からどのぐらい件数が増えているのかなというのも見られるとありがたいかなと思うので,来年度の資料に増減が分かるといいかなと思いました。意見です。 副 会 長: ありがとうございます。確かにそうですね。そうすると,前年度との比較。それから,そういうものが積み重なっていけば,経年の変化というものを見てとれますし,そういう形でお願いしていくことはできますか。 事 務 局: 承知いたしました。 副 会 長: よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  ほかに御意見等ございますか。――この実績表だけ見ると,子育てをはじめ,子ども施策というのは様々な形で子ども生活部を中心に,あと,教育,福祉も含めて,本当にこれだけの量の事業を調布市としては展開しているのですね。でも,これはお互いにばらばらにやっているのではなくて,ある程度連携を保ちながら,子ども一人一人の支援に結びつければいいなと思っていますので,今後とも皆様の御意見,御協力をお願いしたいと思います。  よろしいですか。ほかに御意見とかあれば。      (「なし」の声あり)  それでは,次に進みます。 (3) 令和6年度調布市青少年問題協議会関係会議及び事業予定について 副 会 長: 続きまして,(3)令和6年度調布市青少年問題協議会関係会議及び事業予定について,事務局から報告をお願いいたします。 事 務 局: それでは,説明いたします。資料6を御覧ください。  資料6は,青少年問題協議会に関係する会議や児童青少年課での事業について,今年度の予定を一覧にまとめたもので,表の左端にあるとおり,上段に会議,下段に事業として記載しております。  まず,会議の部分ですが,本青少年問題協議会は一番上に記載しておりまして,本日を含め,年3回の開催を予定しており,次回は10月11日,3回目が2月6日の開催を予定しております。  また,その下段には,青少年問題協議会の下部組織である調布市青少年補導連絡会の予定を記載しており,こちらは年4回の開催を予定しております。  他にも,各地区で様々な活動を行っている健全育成推進地区委員会の会長で構成された健全育成推進地区代表者連絡協議会は8月,11月,2月を除く月で開催しており,親善事業として11月24日に開催予定のソフトボール大会に向けたルールの改正や地区での取組に関する情報交換などを実施しております。  また,子ども・若者総合支援事業ここあをはじめとする様々な支援機関で構成される調布市子ども・若者支援地域ネットワークについては年6回の開催を予定しており,11月10日に開催予定の講演会に向けた準備や,各機関の連携強化を目的とした情報交換,課題解決に向けた検討などの取組を実施してまいります。  続きまして,事業についてですが,こちらは児童青少年課における青少年の健全育成に関する諸事業の予定を記載しております。  なお,7月はこども家庭庁が青少年の非行・被害防止全国強調月間として定めており,様々な取組を全国的に集中して実施しております。調布市においても,10日に市内各駅における普及啓発のための広報活動を法務省が主催する事業である「社会を明るくする運動」と連携して実施する予定です。ほかにも市の公式X,LINEなどのSNSを活用した情報発信を実施してまいります。  なお,7月以降の事業としましては,11月24日にソフトボール大会を,12月中旬頃に調布駅周辺でのパトロール活動の実施を予定しております。  また,児童館事業としましては,ウルトラキャンプを長野県南佐久郡川上村において,8月20日から23日の間で開催を予定しており,それ以外にも児童館まつりやドッヂビー大会,サッカー大会などの行事の開催を予定しております。  また,青少年問題協議会が主催となる青少年表彰式については3月9日に開催予定ですが,候補者の募集については前回の令和5年度第3回調布市青少年問題協議会で審議したとおり,6月1日から候補者の募集を開始しており,市報6月5日号への掲載及び市公式ホームページでの公表等を実施しております。  最後に,最下段にその他として記載しております,前回,子ども政策課から報告しました第3期調布っ子すこやかプランの策定スケジュールについて改めて説明いたします。  調布っ子すこやかプランについては今年度末の策定を目指して検討を進めており,10月末頃までをめどに子ども・若者からの意見聴取を行うとともに素案の作成を行い,11月から12月をめどにパブリックコメントの実施を予定しております。その後,3月の策定を目指し,最終調整を行いますが,今年度最後の第3回青少年問題協議会の場で状況の報告を行う予定です。  以上のように,今年度も青少年の健全育成に資する様々な事業を実施してまいります。説明は以上となります。 副 会 長: ありがとうございました。  事務局からの報告は以上です。このことにつきまして御意見,御質問等があればお伺いしたいと思います。  ただいまの報告の中で,第3期の調布っ子すこやかプランというお話がありましたけれども,今後これを策定していくのですが,先日,これについて市長と話す機会がありました。その中で,市長が委員を務めている東京都青少年問題協議会の総会において,東京都子供・若者計画の改定に向けて,市区町村の長としての意見を述べてきたと伺っております。  その主な内容としては,調布市でも子ども・若者計画を含む第3期調布っ子すこやかプランの策定に向けた検討を進めていること,また,18歳を超えると,教育相談所のような教育分野や子ども家庭支援センターのような児童福祉分野において支援の対象から外れてしまうことから支援の輪が途切れてしまうこと,そして,個人情報の取扱いから福祉分野や教育分野での情報連携に課題があることなどが調布市としては課題だということで,東京都青少年問題協議会で発言をしてきたと伺っております。  東京都もこうした市区町村での課題を踏まえまして取組を後押しすると申し上げているようですけれども,施策の強化を図っていただくよう,市長のほうからも改めて依頼してきたと伺っておりますので,本日こういう場ですので報告をさせていただきます。  以上です。  御意見,御質問等ございませんか。      (「なし」の声あり)  それでは,先に進みます。 (4) 児童虐待防止センター事業報告について 副 会 長: 続きまして,(4)児童虐待防止センター事業報告について,事務局から報告をお願いいたします。 事 務 局: 児童虐待防止センター事業報告については,担当である児童虐待防止センター担当から報告いたします。 担  当: それでは,お手元の資料に沿って説明をさせていただきます。  調布市子ども家庭支援センターすこやかに設置している児童虐待防止センターですが,令和3年度から市の直営体制に移行し,児童虐待の通告だけではなく,要保護児童対策地域協議会の枠組みの中で,要支援児童と要保護児童など,妊娠期から子育て期までの保護者とその児童を支援しております。  現在,子育てに関して困難を抱える家庭が顕在化しており,これまで以上にきめ細かな寄り添った支援が必要となっております。  本日は児童虐待防止センターで実施している主な取組について説明をさせていただきます。  主な取組は3点ありまして,児童虐待防止事業,ヤングケアラー支援事業,予防的支援推進とうきょうモデル事業となります。  初めに,児童虐待防止センター事業の取組実績についてです。子ども家庭支援センターすこやかの相談件数と虐待件数について記載しております。令和5年度における子ども家庭支援センターすこやか全体の新規相談件数は2,779件,そのうち虐待に係る新規相談件数は643件となり,昨年度と比較して微増しております。  下の3ページを御覧ください。児童虐待内容別内訳です。令和5年度の内訳について,表の下段とグラフのほうを御覧ください。心理的虐待は全体の54.7%を占めており,次いで,身体的虐待の割合が多くなっております。心理的虐待の中には子どもの目の前で暴力を振るう,大声でどなるなど,いわゆる面前DVが多く含まれております。心理的虐待の割合は今年度は減少しましたが,ここ数年は半数以上の割合を占めておりました。  次のページを御覧ください。相談対象者の年齢別内訳です。すこやかの相談全体では保健相談等が多い0歳児が最も多くなっております。また,児童虐待と判断されたケースについては関係機関からの相談が多い年齢層の件数が多くなっております。通常ですと,児童虐待の相談は未就学児の年齢が多かったのですが,今年度は12歳までの年齢で横並びの状態となっております。  次に,下の5ページ,相談経路別内訳についてです。虐待相談についてはグラフのとおり,児童相談所,保健センター,学校等,関係機関からの相談が多く,関係機関からの相談が全体の約8割を占めています。関係機関からの気づきにより,市内の児童虐待の未然防止につながっています。  次に,6ページ,児童虐待に関わる活動実績等についてです。要保護児童等ケース,要保護児童対策地域協議会の枠組みの中で進行管理を行っているケースについて,令和5年度末時点では837件でした。この件数が児童虐待防止センターで支援を行っている件数となっております。  次に,ヤングケアラー支援についてです。下段の7ページを御覧ください。ヤングケアラーとは一般に,本来大人が担うと想定されている家事や家族の支援などを日常的に行っている子どもとされていて,具体例として絵に示されているような10項目を挙げています。令和6年6月に子ども・若者育成支援推進法にヤングケアラー支援が位置づけられ,子ども期に加え,進学や就職の選択など,自立に向けた重要な移行期を含む若者を切れ目なく支援するという観点から,対象年齢がおおむね30歳未満,状況により40歳未満までとなりました。  ページをおめくりください。令和5年度の市の取組状況についてです。市は家庭内の問題として見えづらいヤングケアラーを早期に発見し,家族の状況に応じた適切な相談窓口や支援サービスにつなげるため,令和5年度から市の監理団体である公益財団法人調布ゆうあい福祉公社にヤングケアラー・コーディネーターを配置したほか,関係機関向けの研修や,ヤングケアラー家庭を対象とした家事・育児支援事業を実施しました。ヤングケアラー・コーディネーターの業務内容は記載のとおりとなっております。  下の図はヤングケアラー・コーディネーター配置後の支援体制についてです。ヤングケアラーの発見から支援の流れについて記載しています。  調布ゆうあい福祉公社にヤングケアラー・コーディネーターを配置したことにより,子ども家庭支援センターと調布ゆうあい福祉公社が連携し,それぞれの分野での専門的知見とスキルを生かし,ヤングケアラーの早期発見や家庭の状況に応じた適切な支援につなげることができるほか,ヤングケアラー・コーディネーターと子ども家庭支援センターが役割を分担することで,児童やその家庭に寄り添ったきめ細かな相談支援が可能となり,学校・児童分野以外に家族の状況が把握できる障害・介護ヘルパーなど,福祉サービス分野からの早期発見がより可能となります。  下の段の9ページを御覧ください。令和5年度の取組の成果ですが,下段の枠に記載したとおり,大きく3点となります。1点目は,子ども家庭支援センターと調布ゆうあい福祉公社が連携し,それぞれの分野での専門的知見とスキルを生かしたことで,ヤングケアラーの早期発見,家庭の状況に応じた適切な支援につなげることが可能となったこと。2点目は,調布ゆうあい福祉公社でヤングケアラーの情報を一元管理することで,市内のヤングケアラーの全体像を把握できるようになったほか,ケアラーの成長段階に応じた切れ目ない支援体制が整備されたこと。3点目は,事業について,関係機関に対し研修を実施するなど,積極的に周知を行ったことから,ヤングケアラーと思われる児童の情報提供が増え,令和5年度は39件の相談につながりました。  ページをおめくりください。ヤングケアラー支援の具体的な支援事例について御紹介いたします。発見当時の家庭の状況ですが,こちらの家庭は父母と大学生の長男,高校生の次男の4人家族。母親は脳血管障害で半身麻痺,高次脳機能障害もあり,要介護状態。父親はサービスの利用を拒否しておりました。その後,父親は末期がんになり入院。近隣に住む母方祖父母の協力はありましたが,次男が家事全般を行っており,そのため,子どもたちから母親への暴言,暴力があり,すこやかのほうにつながりました。父親は後に亡くなっています。  当初は支援機関の情報はばらばらであり,情報共有がされておらず,必要な支援が行き届いていない状態でした。そのため,関係機関とケース会議を開催し,情報共有を行い,この家庭に必要な支援を検討した結果,介護の区分変更,ヘルパー派遣,デイサービス等の利用の調整や子どもとの面談によるメンタルケア等の支援を行うことができました。ヤングケアラー・コーディネーターにもつなぎ,その後はヤングケアラー・コーディネーターが主となり,この家庭の定期的な支援を行っております。  この春,次男は大学へ進学し,現在は市外で単身生活をしております。長男は自宅に残り,大学院に進学しましたが,次男が家事で担っていた部分が大きく,祖父母も高齢となり,支援が大変となってきているため,今後は長男のケアの負担が増加する可能性があります。18歳以上のため,引き続きヤングケアラー・コーディネーターが支援を継続しています。  下段の11ページを御覧ください。ヤングケアラー支援の相談体制のイメージです。各関係機関でヤングケアラーを発見した場合は,ヤングケアラー・コーディネーターが子ども家庭支援センターと連携しながら,既存の介護・障害サービスや,5年度から実施しているヤングケアラーに特化した家事・育児支援サービスを提供していきます。また,必要に応じて,要保護児童対策地域協議会や相談支援包括化推進会議とも連携しながら取り組みます。  今後はケアの負担が大きくなる高校生世代を中心に積極的に周知を行っていくほか,18歳以上になっても支援が途切れることがないよう,子ども・若者支援地域ネットワークと連携を図りながら,ヤングケアラーとその家族の支援ができるよう,体制強化に努めてまいります。  支援に当たっては,子ども生活部,福祉健康部,教育委員会が組織横断的に連携し,関係機関を通じて,ヤングケアラーとその家族を社会的な孤立に陥ることがないよう確実に把握するとともに,ヤングケアラー・コーディネーターと連携して,ヤングケアラーとその家族の支援ができるよう体制整備を図ってまいります。  ページをおめくりください。最後に,予防的支援推進とうきょうモデル事業についてです。児童虐待対応件数が増加している中,令和2年12月の東京都児童福祉審議会による「新たな児童相談のあり方について」において,予防的支援の抜本的強化に関して提言がされました。  右の図を御覧ください。虐待による死亡事例のうち,0歳児が65%。そのうち4分の3が生後3か月までに集中しています。妊娠期からの支援がなければ,出産直後の虐待予防には間に合わないということです。このことから妊娠期から家庭訪問による積極的なアプローチ等により,子育て家庭と信頼関係を構築しながら,家族のニーズやリスク要因等を把握し,適切に支援することで児童虐待の未然防止を図ることを目的として,東京都は令和3年度から予防的支援推進とうきょうモデル事業を実施しました。  期間は令和3年度から6年度までで,参加自治体は墨田区,大田区,渋谷区,調布市の4自治体です。支援対象者は25歳以下の初産妊産婦を対象とし,児童福祉部門,母子保健部門が連携し,妊娠期から産後1歳まで継続して支援しています。また,支援に当たっては,東京都医学研究所,多摩児童相談所の職員の方にも御協力,御指導をいただきました。  下の13ページを御覧ください。こちらのモデル事業で具体的な支援をした事例を紹介しています。下線部分が特に好評のあった支援となっております。モデル事業担当の職員だけではなく,母子保健担当の保健師や子ども家庭支援センターの職員も加わり,一緒に支援に取り組みました。  ページをおめくりください。現在までの事業の効果についてです。妊産婦が日常生活の中でどのぐらいゆとりを持っているかを,経済,体力,時間,精神,生活の5項目を各10段階で,ゆとりをどの程度感じるか,アンケートを取り,妊娠早期の結果を基準とし,その後の推移を示したものです。点数が低いほどゆとりがなくなり,体罰のリスクが高まります。モデル事業に当たっては,このゆとり度を上げるように支援を行います。  図1を御覧ください。妊娠早期からの変化について,既存の支援とモデル支援での得点の変化を示したものです。既存の支援では出産後,ゆとりがなくなっていきますが,モデル支援では妊娠早期より支援に入り,そのときの状況に応じた支援を行っているため,妊娠より,ゆとり度が上がっており,ゆとりを持って,妊娠,出産を迎えることが分かります。  また,隣の図2を御覧ください。産後鬱のリスク指標に用いるエジンバラの得点ですが,図2のとおり,従来の支援では点数が高く,産後鬱になるリスクが高まっています。モデル支援ではエジンバラの得点が低い結果となり,産後鬱のリスクが低下しています。  最後に下の15ページ,市として取り組んだことです。上段は妊婦に渡したもの,一緒に作ったものの例です。支援者はサービスありきではなく,それぞれの妊婦さんの希望に沿ったオーダーメイドのプランを提案し,支援を行いました。下段については,家庭内の事故による通告に対して,転落と誤飲予防のための啓発動画を小児科医の秋山先生の監修で作りました。よろしければ,後ほど御覧ください。  今後も予防的支援に心がけ,安心して子育てできるまちづくりを進めてまいります。説明は以上となります。 副 会 長: ありがとうございました。  児童虐待防止センターからの報告は以上であります。ただいまの報告,説明を受けた中で御質問,御意見等がありましたらお伺いしたいと思います。  ただいま大きく3点,児童虐待防止事業,それから,ヤングケアラーの支援事業と,最後,予防的支援ということで,とうきょうモデルのお話がございました。児童虐待の件数は微増という…… 担  当: そうですね。昨年度は一昨年度と比べると微増という結果となりました。 副 会 長: なっているのですね。本当はあってはならない数字なのですけれども。  あと,お聞きしたいのですけれども,先ほどの事例でもありましたけれども,支援をずっと行っていくのですが,子どもが大学とか大学院まで進学して,その後,どのぐらいまで支援は続くのですかね。 担  当: 先ほどの事例で申しますと,母親のほうが1度施設に入ったのですけれども,また戻ってきてしまったということで,徐々に低下しておりますので,そのうちには施設という形で,今,検討を進めていますので,施設に入った段階でヤングケアラーの対象ではなくなるかと思います。  祖父母の方も入院とかされてしまったりして,かなりお手伝い,支援をしていくのが大変になってきていますので,要介護度も結構ありますので,今後は施設のほうを検討ということで御家族からはお話があります。 副 会 長: 子どももヤングケアラーと言いながら,30歳,40歳まで対象を広げるというお話もありましたけれども,限りなくありますよね。その対象の親御さんがどこか施設に入るまでは,結果的には子どもたちがある程度世話をするみたいな。 担  当: そうですね。御自宅のほうでケアをしていくとなると,やはり年齢が上がっていってもそのままヤングケアラーからケアラーという形になっていくと思いますので,その点ではゆうあい福祉公社がもともとケアラー支援を行っていましたので,切れ目なく支援は行えるかと思います。 副 会 長: そちらのほうにつなげていくということですね。 担  当: はい,やっていくようにはなると思います。 副 会 長: 分かりました。ほかに御意見,御質問のある方はいらっしゃいますか。      (「なし」の声あり)  それでは,先に進めさせていただきます。 6 情報交換 (1) 調布警察署からの情報提供 副 会 長: 続きまして,次第5「情報交換」に移ります。  (1)調布警察署からの情報提供ということで,調布警察署からの御報告をお願いしたいと思います。 委  員: まず最初に,不良行為少年の補導状況について説明いたします。まず不良行為少年とはどういうものがあるかというと,飲酒,喫煙,家出,無断外泊,深夜徘回,風俗店営業所立入り,これはゲームセンターのことです。調布市の令和4年の合計が57件,昨年が170件,今年5月末時点では126件となっております。  昨年170件の内訳は,無断外泊1件,深夜徘回が83件,風俗店営業所立入りが86件。今年5月末時点の126件の内訳は,喫煙が4件,深夜徘回が17件,風俗店営業所立入りが105件ということで,ここで見て分かるのは,昨年,ゲームセンターの立入りが86件に対して,今年は5月末時点でもう105件というところで,これ特徴になっているのかなと。  ゲームセンターについては,保護者とだったらいいのですけれども,16歳未満の中学生は18時以降1人で入ってはいけないのです。あとは,18歳未満の高校生は22時以降1人で入ると,また補導の対象になってしまう。保護者といれば,また別なのですけれども。  中高生はその辺りの認識がないので,今後は警察から学校への情報発信をする予定ではございますけれども,そのような特徴があります。  続いて,事件や通告関係の事例です。触法少年による家庭内暴力。概要は,自宅内において,スマホ依存症になっている中学生が昼夜逆転の生活から不登校気味になり,母親から注意されたことに激高し,就寝中の母親を布団の上から金属製の棒で数回殴り,さらに止めに入った父親に対しても棒等で殴るなどの暴行を加えたものということで,児童相談所に書類通告しています。  続きまして,触法少年による落書き事案。複数の生徒がマンションの配電盤や壁,公園等の公共物にスプレーやマーカーペンで複数箇所に落書きした器物損壊事案です。これも同じく書類通告しております。  続きまして,触法少年による不同意わいせつ,旧強制わいせつという罪名となりますけれども,夜間,市内の公園において,同級生の生徒に対し,草むらに押し倒し,着衣の下に手を忍ばせて胸をもむなどのわいせつな行為をしたものとなります。これも児童相談所に書類送致しております。  続きまして,これは闇バイトの関係となります。私電磁的記録不正作出・同供用,窃盗です。概要は,不正に入手した他人名義のクレジットカードの番号を利用して同人になりすまし,インターネット通信販売業者から商品を窃取しようと企てたものとなります。被疑者は携帯電話機を使用し,通信販売サイトにアクセスして商品の購入を申し込み,配送先を当署管内のコンビニエンスストアに指定して配送させ,同店店員から被疑者が品物を受領し,窃取したものとなります。これは管内居住の大学生19歳となっております。これも事件送致いたしております。以上となります。 副 会 長: ありがとうございました。  ただいまの報告につきまして,ご質問等があればお伺いいたします。 委  員: 補足ですが,万引きは低年齢化しています。小学生でいえば低学年が増加しており,逆に中学生のほうが少ない。小学生の万引きの低年齢化というのが特徴なのかなと。 副 会 長: 不良自体も最初の説明の中では,この5月までの集計で去年を上回るような勢いで増えているというお話がありましたけれども,それはやはりコロナとは関係していますか。 委  員: 関係していると思います。ただ,先ほどの風俗店営業所の立入り。警視庁全体で見ると,令和4年が4,486件なのですね。去年が2,659件で,警視庁全体の中ではゲームセンターの立入りは減っているのです。だけれども,調布市は増えている。 委  員: 御報告いただいた触法少年は何歳の子どもを指すのでしょうか。 委  員: 触法少年というのは14歳未満の子どもとなります。 委  員: そんなに件数が多いんですか。 委  員: 最近,調布署の少年を取り扱う事案で,触法事案が多いのですよね。 委  員: 警視庁の東京都内全体の傾向とは少し違うとおっしゃっていましたよね。 委  員: ゲームセンターの件ですね。先ほども副会長がおっしゃったコロナの5類が影響しているのかなと。 委  員: 急にみんな外に出始めたと。 委  員: そうですね。 委  員: それと,ゲームセンターに何歳以下の人は何時以降入ってはいけないとかはあまり知られていないのではないかという気もして。 委  員: カラオケボックスなどは入り口のところに貼っていますよね。 委  員: ゲームセンターも貼っています。 委  員: そうです。実はゲームセンターも貼っているのです。 委  員: では,お店のほうで注意をしていただくとかして。悪気があって入っていない可能性もありますよね。だから,その辺も学校とよく連携していかないと。 委  員: そうですね。それが課題なのです。 委  員: 課題は課題で,親御さんのほうが分かっていなかったりします。 委  員: そうですよね。そうだと思います。悪気は全然ないのではないかなと。クレーンゲームなど,そんなに別に犯罪に直接結びつくようなイメージもないですし。 委  員: ないですけれども,小学生などは18時前から遊び始めていて,夢中になって時間を超えてしまったというのが多くて。我々は少年補導員をやっているので,たまたま補導しに行くと,結構小学生がいたりします。 委  員: どういうことが触法になるのかということを知る必要があるんですかね。 委  員: ゲームセンターは触法ではないです。触法というのは,今,言った家庭内暴力だとか,落書きの器物損壊だとか,不同意わいせつが触法になります。 委  員: なるほど。それにしても,調布市内でどういう犯罪が子どもの中で起きているかということを知ってもらうのがいい反面,何か誘発してしまうような,危険と隣り合わせなのかなと思いながら聞いていたんですけれども,それにしても,ちょっとゆゆしき問題かなと聞いていて思いました。 委  員: すみません。1点,よろしいですか。先ほどおっしゃったように小学生が18時前からクレーンゲームをやっていて,18時を少し過ぎて,そこにたまたま警察の方がぐるっと見回りしたときにいると,この数に入るということでしょうか。 委  員: 補導の対象者になってしまうのです。 委  員: 補導になったら,その後どうなるのですか。 委  員: 補導票を作成して,後で保護者に連絡を入れます。保護者からは,子どもから聞いております,これから注意しますというように処理顛末を聞き,それを補導票の下に書くような流れとなります。 委  員: わかりました。またいろいろ勉強させていただきたいと思います。 副 会 長: では,まだ報告事項が残っていますので,先に進めさせていただきます。 (2) 多摩児童相談所からの情報提供 副 会 長: 続きまして,多摩児童相談所から情報提供をお願いしたいと思います。 委  員: 毎年ボリュームが多くてすみません。なるべく端的に御説明させていただきます。  スクリーン番号4番です。最近のトピックとしては,先ほど子ども家庭支援センターのほうでは虐待の通告件数が横ばい,あるいは微増だというような御報告がありましたけれども,児童相談所のほうは減りました。29年度も一旦下がりましたけれども,その後,また上がっているのでまだ予断は許さないかなと思いますけれども,最近のトピックとしては数年ぶりに下がったというようなところがございます。  スクリーンの5番です。児童相談所で取り扱う相談内容としては虐待が5割以上というような状況です。虐待の対応に明け暮れているというのが実情です。  逆に非行というのはパーセンテージでは少ないのですけれども,警察からも説諭されながらさらに児童相談所の指導も受けなさいということで,子どもも親ももう警察に説諭されたのだからいいではないかというようなマインドなので,なかなか応じてくれないということがあったりして,数の割にはかなりエネルギーを要する。そういうこともあります。  まだ体感レベルなのですけれども,最近深刻だなと思っているのは,学校でもそうかと思うのですけれども,自殺をほのめかす,死にたいということを発する子どもが多かったり,実際に本気で死ぬつもりはなくても,自傷行為をしてしまう子どもが増えてきているなと感じています。  これは他の市でしたけれども,学校の校長先生や教育長も一緒に入っていただいて,児童相談所の職員も子ども家庭支援センターも一緒に午後10時過ぎまで公園にいる子どもを茂みから見守っていたというようなことも最近ありまして,青少年の自殺に関しては深刻化してきているのではないのかなと感じているところです。  それと,下のスクリーン6は,児童相談所の虐待通告です。通告元は警察からが約5割を占めていますので,児童相談所の通告件数の増減は警察からいただく件数に反映されているところが特徴となっています。  めくっていただいて,全国と東京都内の虐待通告の件数の推移なのですけれども,これは令和4年度までしか出ておりません。右肩上がりなのだと。尋常ではない増え方をずっとしてきているのです。通告件数のほうも,約10年で虐待の件数は4.4倍増えているけれども,それに対応するワーカーの数というのは1.8倍にしか増えていないということで,人員配置が進んでいない状況です。  下段が,多摩児童相談所のワーカーの状況となります。深刻なので知っておいていただけるとありがたいかなと思っているのですが,一番右の欄が経験年数と書いてあるのです。経験年数ゼロ年というのは,今年1年目の選手です。0,0,0,0,0,0,0,1,1,1,1,1,1,1,1,3年未満の職員が5割以上になっています。  ちなみにですけれども,円グラフを2つ載せていますが,多摩児童相談所の管内の人口規模でいうと,政令基準では47名の福祉司が必要と定められています。47名の福祉司が配置されて初めて児童相談所が社会から要請される使命を全うできるのだというような数です。  この47名に対して,実員は29名にとどまっています。29名のうち1名は区の職員が研修派遣という形で来ているので,プロパーは28名です。ですから,20名近く欠員の状態の中で使命を全うしろというのは,はっきり言って,もう全うできません。もう崩壊している状態なのです。  さらにその崩壊している実員の中で,どのくらいの経験年数,キャリアを持っているのかという構成比が左側のグラフです。さっきもお話ししたとおり,3年未満が5割を超えているような状況。昔,私が20年近く前に福祉司になったときには,児童福祉司が一人前になるには10年かかると言われました。最近はさすがに10年も続けられない人たちが多いので,3年やったら一人前とみなそうということになっています。その考え方でいっても,一人前の仕事ができる職員が半数以下ですよね。それをこれだけ欠員がある中で支えているというような状況です。非常に厳しい状態です。  厳しい状態というのは,児童相談所にとって厳しいということもそうですけれども,東京都の子どもたちの安全だとか,健やかに育つ権利だとか,そういうものが危機的な状況なのですよというところを社会も認識していただかないといけないのかなと思っています。  次,スクリーン9です。これは虐待通告の件数の推移ですけれども,これを管内の各5市別に分けたものです。左側が当所で受けた虐待件数を市別に分けたものです。一番上が調布市になりますけれども,数年前までずっと多摩児童相談所といえば,調布市の件数が断トツに多いのだと言われていました。ただ,推移を見ると,いろいろな取組の成果もあるのだと思いますけれども,近年,減少が続いている状態です。逆に府中市が増え続けていて,昨年度はついに府中市が一番多くなったという結果となりました。  右側が各市の子ども家庭支援センターが受理した虐待件数の推移です。各市の子ども家庭支援センターは総じて令和4年度は減少に転じていますけれども,先日,府中市の要保護児童対策地域協議会に出たときには,令和4年度389件でしたが昨年度は約500件に増加していました。この辺はまだ検証できていないそうです。すこやかは微増,あるいは横ばいの状態です。多摩市は349件から昨年度は353件なので,調布市と同じぐらいの感じかなと思います。ほかの2市は未確認ですけれども,そのような状況でございます。  虐待の通告件数がカウントの仕方が今年度から変わります。何が変わるのかというと,虐待の通告を受けて,子ども家庭支援センターもそうですけれども,受理をしてから調査をする。関係機関に調査をさせていただいたり,親子と直接対話したりした結果,これは虐待ではなかったという非該当というのですけれども,非該当で終わったケースはカウントしないことになりました。  我々としては非常に不本意ですね。結果として非該当で終わったけれども,対応に要するエネルギーというのは該当するケースも同じなので,それをなかった,ゼロにされるというのは非常に不本意ですけれども,そういうことになってしまうということを皆さんは知っておいていただければいいなと。単純に減ったわけではないのですよと。来年の速報値が8月以降,そのうち出ると思いますけれども,そういう御理解をいただけるとありがたいかなと思っています。  それで,下が先ほど警察からいただく通告件数が児童相談所の数に反映しますという話をしたのですけれども,それはこのグラフで見ていただければ分かるかなと思います。当所は調布警察署,府中警察署,多摩中央警察署とあるのですけれども,令和5年度については府中警察署が微増ですが,多摩中央警察署も調布警察署も減少に転じているので,その結果として,当所の虐待通告の件数が減少に転じているのではないかなと思っています。  続いて7ページ目の上段です。死亡事例検証報告からというところです。これも昨年度お話しさせていただいたのですけれども,先ほどの児童虐待防止センターからの報告のなかで予防的支援モデル事業についての説明がありましたが,それと同じような内容となります。  ここのグラフで反映されている数値は毎年,こども家庭庁から毎年度報告が出ています。虐待による死亡の件数の推移を表したものです。  真ん中の50から始まって50で終わっている線グラフです親からの虐待死で認定されている数です。死亡した子どものうち,5割から6割が0歳児です。そのうちの4割がゼロ日で死んでいます。直近でも都内で練馬区でしたけれども,先月,6月20日でしたか,死亡には至りませんけれども,22歳のお母さんが産んだばかりのお子さんを放置したと。ごみ捨て場に捨てたというようなことで,生きていてくれて本当によかったなと思いますけれども,そういうことがどこで起きてもおかしくない状態です。  0日で死んでしまう事例がそれだけあるというのは何を示唆しているのかというと,もう生まれてからの支援では遅いということなのです。我々の反省として,よく相談に来られる方に,何かあったら相談してねと。困ったら相談していいんだからねと言います。でも,人は本当に困ったら相談できない生き物なのだという考え方で取り組んでいるのが今,調布市が取り組まれている予防的支援の根本の考え方です。この考え方は福祉や保健に今までなかったことだと思います。何かあってから対応するのが行政の福祉サービスなのだと考えられてきましたが,それでは駄目なのだと。そこに今,調布市は令和3年度から必死に取り組んでいただいているというところなのです。  もう一つ,このモデル事業の考え方として素晴らしいのは,子どもの福祉,最善の利益のためにと我々大人は言うのですけれども,だから,子どもに何かしてあげようとしますよね。だけれども,そうではなくて,子どもの幸福度を上げるためには親の幸福度を上げる必要がある。親の子育てをするというのは親の子育てを甘やかすことではないのだという考え方です。この考え方で取り組まれていて,もうエビデンスとして公表してもいいぐらいの成果を出しています。  これは今,モデル事業の中でやっていますので,調布市の中でさえ,モデル事業だからやれるのだよねという空気があるようです。でも,これは身近でやっているから,そんなにすごいことだなとか,すばらしいことだなと実感が得られないかもしれないですけれども,26市では調布市だけが取り組んでおり,23区まで入れると,4区市だけしか取り組んでいない。もっと外に目を転じてみても,全国でも取り組んでいないことです。去年の国内の虐待防止学会で発表されました。  世界で見ても,ニュージーランドだとかイギリスだとかアメリカだとか,限られた国での限られた中でしか実践されていないことを先駆的に取り組み,結果も出しています。私の立場からお願いするのは,モデル事業で終わらせないということです。モデル事業の期間は今年度で終わりますけれども,大変だけれども,必要な取組なのだという気持ちを持っていただいているので,その気持ちを絶やさないでほしい。そのためにはやはり周囲の部署,市役所内は当然ですけれども,関係機関も,「我がまちでは非常にすばらしいことをやっているのだ」ということを調布市を挙げてチアアップしていただきたい,誇りを持っていただきたいです。  あと,非行については先ほどお話がありましたとおり,当所のほうで受理をした件数の推移をスクリーン14で示していますけれども,さっきお話があったとおり,警察のほうで補導された子どもたちのごく一部ではありますけれども,それでもトレンドとして見てとれるかなと思います。コロナが始まったのが令和2年度の前後からですよね。それで減りましたけれども,また増えてきています。  児童相談所で扱う非行の中で一番多いのはやはり親子不調で,虐待も中に入っていますけれども,家にいることによって,家で虐待を受けるというのもありますし,居心地もよくなかったりというのもあったりしています。親子不調の一番多い原因としては,やはりスマホとゲーム依存による激しいけんかです。  めくっていただいて,スクリーンの15ですけれども,家庭養育優先の原則についてというのは,特に福祉分野の人たちには最近浸透されている用語ではありますけれども,根拠の条文としては児童福祉法の3条の2に書かれています。これは3つのフェーズに分かれており,行政の責務として一番優先しなければならないことは,子どもが親からも住み慣れた地域からも離されないように支援をするのが行政の責務なのだということがうたわれています。これを地でいっているのがすこやかで,さっきの予防的支援というのはその最たるものですよね。これを何とか事業展開できるように。事業展開していくためには,やはり金と人が必要となります。だから,今日は市長にお話ししようと思って来たのですけれども,お会いできなくて残念でした。必ずお伝えいただければと思います。  最後ですけれども,施設等の措置状況を載せました。家庭養育優先の原則に基づいて,なるべく子どもが住み慣れたまち,おうちや地域から切り離されないように在宅支援を充実させていく。それでもなお,やはり家庭から切り離さなければいけないという親子はいます。その親子,子どもがどのくらいいるのかという状況です。多摩児童相談所のほうでいろいろな福祉施設だとか,里親だとかに措置をして,今,家庭で生活できないお子さんがどのくらいいるのかというのがこの棒グラフです。  やむを得ず,家庭から切り離さなければいけないときに,まず一時保護をします。一時保護というのは,大体2か月ぐらいの期間します。その結果,虐待している親だったら親に注意をする,非行の子だったら子どもにも親にも注意をして改善を促す。それでも帰れなかった子たちの数値です。  調布市は他市と比べて施設等で暮らしている子どもが少ない。一時保護されても家庭に帰れているということだと思います。何で帰れているのかというと,これは私の仮説なのですけれども,恐らく調布市の在宅の支援のサービスが充実していて,子どもが家での居心地が悪くても他に居場所があったりだとか,親との関係は悪いけれども,地域の中で子どもを救ってくれたり,癒してくれる大人がいるのではないか。なので,ぜひともこれからも在宅支援サービスを予防的支援も含めて取り組んでいただけるようにお願いしたいなと思います。長くなりましたが,以上です。 副 会 長: ありがとうございました。  ただいまの説明について,御質問等がある方,いらっしゃいますか。      (「なし」の声あり)  よろしいですか。では,先に進めます。 (3) 中学校校長会からの情報提供 副 会 長: 続きまして,(3)の中学校校長会からの情報提供ということでお願いします。 委  員: 私からは不登校のこととSNSのこと,いじめについての3点を少しお話ししたいなと思っています。  不登校だけではなくて,特別な支援が必要な生徒も含めてなのですけれども,東京都は今,不登校の数は6%台ぐらいになっています。それと,特別な支援が必要な生徒,これは発達障害等で支援が必要な生徒は通常学級に8.8%いると。だから,約1割が確実に何らかの個別の支援が必要な子どもたち。この個別の支援が必要な子どもたちを学校だけで行うのは非常に難しいので,関係機関の方々に非常にお世話になっているということです。  今年度から学校は全校にスクールソーシャルワーカーが配置されまして,いわゆる福祉司の方,スクールカウンセラーは今までも最低2日は勤務していたのですけれども,スクールソーシャルワーカーもいますので,いろいろな関係機関とつなぎやすくなったなと思っています。なので,個別の支援が必要な子どもたちに対する支援を本当に充実させなければいけないですし,そういう状況がある。不登校も特別な支援が必要なお子さんも全部そうですけれども,一般化されづらいです。やはり個別のケースが多いので,個々に対して対応していかなければいけない。そのためにはやはりどうしても人が必要ということになってしまう。  そんな中,学校としては週1回,特別支援校内委員会,不登校検討委員会というのを行っていて,昨日休んだ子,または昨日こんなことを言っていたとか,さっきも死にたいという言葉が出るとか,そのようなことも吸い上げて,どういう支援が必要なのだということを検討して関係機関につなげていく。そのためには見る目が非常に大事になってくるのかなと思っています。  そのぐらい今,個別の支援が必要な生徒が増えてきているし,あるデータによると,少年院などに入っていた子の8割ぐらいは発達障害だったのではないかと言われています。今は少年院に入っている子,以前に比べると非常に減っていますけれども,やはり特別な支援が必要な子どもが増えたわけではなくて,見る目が変わって,対応が変わってきたと。そういうことだと思うので,このように見ていくというのはとても大事だと思っています。  そういう取組を不登校だとか特別な支援が必要なお子さんに対しては各校やっているかなと。  あと,SNSについてですけれども,これはほとんどの生徒指導,生活指導はSNSの問題がほぼ絡んでいます。SNS関係なく,問題行動はないよというのは本当にまれで,ほとんどがLINEトラブルだとか,インターネットを介したものだとか,いじめに関してもそうですけれども,そういうものが大体絡んでいて,各学校ではSNS学校ルールというのを策定して,学校からはSNS家庭ルールというものをつくってくださいということを発信しています。  では,SNS家庭ルールをどのくらいつくっていますかというアンケートをしても,7割ぐらいです。本当は10割欲しいのです。でも,そのぐらいの数になってしまうのは,やはりSNSのトラブルというのは,スマホだとか携帯電話は学校は全然買い与えていないわけで,家で買い与えているわけですから,それについての対応は学校がする,買っているのは親という状況がどうしても出てきてしまいます。  ただ,学校の人間関係で起きているわけですから,学校の責任というのは十分感じなければいけないのですけれども,スマホを買い与えている親の責任というのをやはりどうしても指導したときにはそれを感じてしまいますし,それを保護者に対していくのをやり続けて,この問題は未然防止も含めて,家庭と一緒にやっていかないといけないのかなと。  SNSに関しては,未然防止については本当に調布警察にもセーフティー教室などでお世話になっていますし,いろいろな未然防止の取組をしているところですけれども,やはり100%それが子どもに伝わるかというとなかなか難しいところもあるかなと思っています。  最後,3点目ですが,いじめについてですけれども,いじめは今の定義で考えると,いじめが起こらないわけがないので,今の定義ですと,いじめは当然起きます。人間関係で心理的,身体的苦痛を感じたものは全ていじめと捉える考え方でいえば,人間関係で苦痛を感じないほうがむしろないのではないかと思うので,いじめは確実に起きる問題だと思います。  これについて,学校いじめ対策委員会というのを設置しており,いじめの端緒やいじめの疑いがあるところは全部取り上げます。毎月,子どもにいじめに関するアンケートをしていますが,アンケートの結果,ゼロという月はないですね。確実に何件かは出ます。  それについて一個一個対応していますが,やはり複数絡んでいる。  いじめの問題というのは,これだけずっと言われていても何でなくならないのか。やはり人間関係の中では必ずトラブルが起きますし,未然防止をしてもやはり思いというのはありますので,その中で起こさないように言葉の指導や,先ほどのように本当に予防的というのは大事だなと。未然防止ほど大事なものはないなと。未然防止でどれだけ子どもたちに伝えるかというのが学校の肝になっているのかなと。そのように日々感じています。  ただ,おおむね子どもたちは本当によく頑張っているし,昔のような反社会的な行動を起こす子ども,昭和の荒れた学校みたいな子は本当に少なくなってきて,その分,個別対応が確実に増えてきているかなと。そのように思っていますが,それも全部学びに変えながら,子どもたちが成長していくことを願って,日々取り組んでいます。以上です。 副 会 長: ありがとうございました。  ただいま中学校の校長会からの情報提供ということでお話がございましたけれども,このことについて御質問,御意見等があればお伺いしたいと思いますが,よろしいですか。      (「なし」の声あり)  それでは,先に進めます。  このほかに各委員から報告とか意見等がありましたらお伺いしたいと思いますけれども,いかがでしょうか。      (「なし」の声あり) 8 その他 副 会 長: それでは,最後になりますけれども,次第6ということで「その他」ですが,事務局から次回の日程等についてお願いいたします。 事 務 局: 次回でございますが,令和6年10月11日の午前10時から,会場は同じくこちらの市長公室での開催を予定しております。よろしくお願いいたします。 副 会 長: ありがとうございました。  それでは,以上で本日の議題は全て終了いたしました。これで令和6年度第1回調布市青少年問題協議会を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。       閉 会