令和6年度第1回調布市調布飛行場対策協議会議事録 1 日 時   令和6年8月23日(金) 午後2時から午後3時30分 2 場 所   調布市役所5階 市長公室 3 委員出欠  出席10名,欠席6名  ・出席委員   宮沢与和委員,貝沼一朗委員,河原朗委員,熊澤公二委員,高野全世委員,   高橋一明委員,塚本信之委員,野口幸洋委員,箕輪雅則委員,谷治博史委員  ・欠席委員   嵐裕治委員,小林孝委員,小林裕治委員,塚挾道夫委員,富田雅美委員,   林隆委員 4 傍聴者   2名 5 案 件   調布飛行場の諸課題解決に向けた取組について(報告) 塚本会長:  皆さん,こんにちは。これから,令和6年度第1回調布飛行場対策協議会を開催いたします。まずは,事務局から配付資料の確認をさせていただきます。 <事務局から配付資料の確認> 塚本会長:  続きまして,定足数について御報告いたします。事前に欠席の御連絡をいただいている委員は4名ですので,会議開催の定足数を充たしていることを御報告させていただきます。続きまして,本日の傍聴希望者を事務局に確認します。傍聴希望者はいらっしゃいますか。 事務局:  本日傍聴希望者がいらっしゃいます。 塚本会長:  それでは,傍聴の方が入場される間,休憩といたします。 <傍聴者入場> 塚本会長:  本日は,報告事項が1件予定されておりますので,円滑な議事進行に御協力をお願い申し上げます。それでは,次第に沿って進めます。次第の2「調布飛行場の諸課題解決に向けた取組について」です。事務局から説明をお願いします。 事務局:  それでは,本年5月20日に開催されました,調布飛行場諸課題検討協議会の結果概要について御説明いたします。お手元の資料「令和6年度調布飛行場諸課題検討協議会(第1回)開催結果(概要)」を御覧ください。こちらの資料では,協議会当日の結果概要を議題ごとにまとめております。また,各議題名の右側に記載の資料番号は,当日に配付された資料の番号でございます。当日の資料についても,参考資料として配布させていただいておりますのでよろしくお願いいたします。はじめに,資料左上,「開催概要」を御覧ください。本協議会は,東京都港湾局,三鷹市,府中市,調布市の部長級の職員が出席しており,当日の議題は3件ありましたので,順に御説明いたします。  最初に,「議題1 令和5年度関連事業実績及び令和6年度関連事業について」であります。  1点目は,移転促進補助制度についてです。こちらの補助制度は,自家用機を調布飛行場から移転させる協議において,自家用機所有者からの要望に基づき,東京都が創設したもので,昨年10月31日から運用されております。補助対象経費としては,移転先までの交通費のほか,必要な資機材の購入費や輸送費,整備・点検に係る費用などが想定されており,令和6年度においても引き続き本制度を運用するための経費として,1000万円の予算が計上されております。  2点目は,分散移転検討調査についてです。こちらは,全17機の自家用機の分散移転のため,大島空港以外の移転先の確保に向けた調査委託を行うもので,昨年10月の契約不調後に,首都圏近郊の飛行場に関する情報収集等については,東京都が直営で実施する内容に見直すなど,調査内容を精査のうえ再起工し,本年2月に開札,契約となった旨説明がありました。令和6年度においては,大島空港の更なる活用に関して,より一層自家用機を受け入れる体制の整備に向け,新たな格納庫の整備用地等についての検討経費として,2000万円の予算が計上されております。  3点目は,航空機航跡調査です。こちらは,調布飛行場を離陸した航空機が,定められた経路を飛行しているかを確認するため,実際の飛行ルートを調査するものです。調査は夏と冬,それぞれ1週間程度の期間で実施されました。昨年度の夏の調査では,飛行場南側への離陸において,変針する位置が規定よりも明らかに早い機体が1機確認されました。この内容については,前回の協議会で御報告させていただきました。そうした中,今回新たに東京都から報告がありました冬の調査では,飛行場北側への離陸において規定の変針位置の手前で東側に逸れている航跡を確認したとのことです。また,当該機体のパイロットは,夏の調査において変針位置が早かった機体のパイロットと同一であるとのことでした。本件について東京都からは,当該機の操縦者へのヒアリングや当日の気象情報から,変針ではなく,西風の影響により進路が逸れてしまったものであるとの見解と併せて,当該機の操縦者に対して,引き続き,AIP遵守の指導を行った旨,説明がありました。こうした令和5年度の調査結果を踏まえ,地元市からは,東京都に対して,改めて経路を守らない運航者に対する罰則の検討を強く求めるとともに,違反者に対して厳正に対処しなければ,ひとつの気のゆるみが重大な事故につながる旨,指摘しました。なお,東京都では,令和6年度において,より厳格な運行管理につなげるため,航跡調査を継続するとともに,観測精度の向上を図るとし,2000万円の予算が計上されております。  4点目は,大島空港の整備等についてです。本件は,大島空港における給油施設整備に係る工事の状況となります。当該施設は,本年3月に施工完了し,5月16日から使用が開始されたとの説明がありました。また,訓練飛行として,着陸後にそのまま加速して再度離陸する,いわゆるタッチアンドゴーの許可を開始した旨の説明もありました。  次に,資料の右側を御覧ください。「議題2 自家用機分散移転に向けた取組について」です。  はじめに自家用機所有者との協議状況についてです。調布飛行場に登録のある全ての自家用機の所有者を対象に,自家用機の利用状況や移転の意向について,昨年度に引き続き,3回目のヒアリングを実施しているところであり,移転の可能性がある自家用機所有者を中心に,継続的に交渉を行っている旨,説明がありました。しかし,東京都がこれまで目指してきた,令和6年度当初における大島空港給油施設の完成に合わせた自家用機の移転については実現に至りませんでした。こうした状況を踏まえ,地元市からは,東京都に対して,結果が全てと言い続けてきた中,目標であった給油施設の供用開始時での移転が実現されず大変残念であること。全17機を移転させることが約束なので,危機感を持ちながら,改めて移転実現時期の目標設定を行ったうえで,取組を進めることを求めました。  続きまして自家用機分散移転推進委員会における検討状況についてです。自家用機分散移転推進委員会は,自家用機の分散移転推進に向け,東京都の港湾局内に設けられている会議体です。諸課題検討協議会では,本年2月及び5月の開催概要について報告があり,推進委員会においては,自家用機所有者との移転交渉状況を共有するほか,今後の移転交渉に関する取組の検討や,移転実現の目標を令和6年度末に設定することなどの指示があった旨報告がありました。  次に,新たな移転先確保のための取組状況についてです。こちらは,令和5年度に業務委託を予定していた関東近郊にある空港等での自家用機の受入可否等のヒアリングについて,昨年の入札不調を受け,東京都の港湾局職員が直接実施する方法に切り替えて実施しているものです。本年4月22日時点における状況として,大利根飛行場及び竜ヶ崎飛行場にて常駐機の受入れ可能性があることを確認したほか,大利根飛行場において,駐機スポット3機の空きを確認したとの報告がありました。  続きまして,「議題3 その他の確認事項について」であります。  はじめに墜落事故風化防止の取組についてです。平成27年に起きた墜落事故の風化防止のための取組として,港湾局離島港湾部への転入者を対象として,平成27年7月の事故の概要や事故後の東京都の取組に関する研修を実施したとのことです。また,7月を「空の安全月間」と定め,都営空港の管理運営における安全意識の徹底を図るため,令和6年度においても事故の風化防止のための局悉皆研修及び7月26日における黙とうを実施する予定である旨報告がありました。  なお,市におきましても,本年7月26日に,墜落事故から9年経過したことに対する市長メッセージを市ホームページに掲載するとともに,行政経営部職員による黙とうを実施しました。  次に航跡調査結果の公表についてです。こちらでは,令和5年度に実施した航跡調査結果の公表に向けた今後の対応について説明がありました。調査結果の公表は,地元3市と内容を調整したうえで,東京都港湾局ホームページにて掲載することを予定しているとのことでありました。なお,その後,地元3市との調整を経て,7月8日に東京都港湾局のホームページにおいて,令和5年度に実施した航跡調査の結果が公表されております。  最後に調布飛行場に係る取組スケジュールについてです。こちらでは,自家用機分散移転の交渉について,令和6年度末での移転実現に向けて調整を進めていくこと,また,分散移転検討調査については,継続的に他空港の情報を収集し,移転交渉に活用すること,航空機航跡調査については,本年8月に契約し,実施予定であることなどについて説明がありました。  このように,今回の諸課題検討協議会においても,前回と同様に,航空機航跡調査の結果と自家用機の分散移転の推進に向けた取組を中心に説明があり,主にそれらについての地元三市からの要望や質疑に多くの時間を割きました。市としては,東京都が目指してきた大島空港における給油施設の完成に合わせた自家用機の移転が実現されなかったことは誠に遺憾ですが,新たに東京都から示された移転実現時期の目標に向け,自家用機の分散移転等の取組が着実に履行され,実効性ある成果につながることを強く求めつつ,引き続き,東京都における取組の進捗状況を把握するとともに,その内容を踏まえた東京都との協議等に適宜取り組んで参りたいと考えています。  以上,令和6年度第1回調布飛行場諸課題検討協議会の開催結果の概要となります。私からの説明は以上でございます。 塚本会長:  ご発言のある方は挙手をお願いいたします。     河原委員:  議題1のところの一番上の移転促進補助制度の予算額で, R5.1000万,R6.1000万とあり,その下も同じようにR(アール)と記載されていますが,なんか大きさの違いか何かですか。 事務局:   すみません,和暦の「令和」の略になります。   河原委員:  令和5年,6年ということですね。それからもう一つ,資料一番下の大島空港の整備等のところの訓練飛行でタッチアンドゴーとなっていますが,私は,タッチアンドゴーと聞くと米軍空母とかでやるので,民間でもやるのかと思いました。大島空港で行うタッチアンドーゴーは何のための訓練なのか。どんなところに所属している機体が使用するのか教えていただきたいと思います。 事務局:  タッチアンドゴーによる訓練飛行を認めた意図については,大島空港への自家用機の移転を目標にしたものになりまして,対象につきましては資料に記載のとおり自家用機や事業用機等になります。 事務局:  少し補足になります。この後,宮沢先生にも補足いただければと思います。タッチアンドゴーについては基本的に東京都から聞いている内容として,操縦されている方の技量を維持向上させるためのものということで,やはり航空機の場合,離陸時着陸時というのが非常に重要な操作であると聞いています。通常,降りてきたらそのまま滑走路上で止まるわけですけれども,降りてきて滑走路を少し走行して,そのまま離陸してしまう。これがタッチアンドゴーということで,そのような目的で行っているということと,東京都としては当然こういったものは調布飛行場ではできないので,大島空港ではこれまで定期便には認められておりましたが,今回その対象を資料にもありますが,自家用機や定期便以外の事業用機にもその訓練飛行を認めるということで,この大島空港そのものの利便性といいますか,活用のしやすさっていうのを広げたという状況です。   宮沢委員:   タッチアンドゴーは通常の訓練の過程であって,特別なことではないと思います。着陸はパイロットにとって一番困難なところがあるので,その訓練を毎回フルストップで行っていると効率が悪いですよね。1回ストップしないで,そのままタッチアンドゴーで上昇して,それでまた繰り返し着陸を行うことによって効率良く訓練を行うということなので,全然特別なことではありません。 河原委員:  どこでも行われているということですかね。 宮沢委員:   そうです。 河原委員:  再度確認ですが,今の説明と資料の下段で訓練飛行の対象は自家用機や定期便以外の事業用機等となっていますが,自家用機の移転促進のためという感じなのでしょうか。 事務局:   少し先ほど申し上げましたが,大島空港への移転促進を促してきた中で,資料の左上にありますが,移転促進補助制度や,その前段では,格納庫の整備ですね。単純に平場の上に置くだけではなく,海のそばに空港がありますので,塩の害から守るために屋内に停められるような格納庫も作ってきた。それと合わせて,さらにこういった,技量に資するものができるということで,大島空港に移転すれば,日常駐機している空港において行うことができるといった利点もあるだろうということで,移転促進への一つの手段として,東京都が少し対象を広げたと聞いております。   河原委員:  もう一つよろしいですか。資料右側の議題3の墜落事故風化防止取組の中で,前回も記載があったと思いますが,局悉皆研修とあります。この悉皆という言葉の意味が分からないのですが,全員という意味でしょうか。 事務局:  おっしゃる通り局職員全員が対象になる研修ということになります。 河原委員:  わかりました。 高野委員:  議題2の自家用機分散移転の交渉についてお伺いしたいのですが,今まで自家用機が移転したということは聞いたことがなくて,色々交渉はしてくださっているのだと思うのですが,これまでに交渉成立したことはあるのでしょうか。 事務局:  今のところ残念ですけれども自家用機の移転の交渉が叶ったという事例がないという状況になります。 塚本会長:  交渉はしているみたいですが,今までで1機もないみたいです。実現しそうになったことありましたよね。だけど途中で駄目になった。 高野委員:  いつも議題にはなっているのですけど,一度も移転したということは聞いたことがないので,今までの状況で移転が実現するというのは考えづらいので,何か他の方法だとか,実現するための策は何かないのでしょうか。毎年毎年これが議題にはなるけども,実現の見通しがない気がしています。 塚本会長:  僕らも富士見町に住んでますが,機体が飛んでるところの下に住んでいますので切実ですよね。本当に1機でも2機でも移転が実現されれば少し希望を持てるのですけどね。なかなか難しいですよね。その点,努力はされているのですよ。 谷治委員:  例えば今回大島でタッチアンドゴーの訓練ができますとか,手を変え品を変えではないですが,条件を付けて,なおかつ今回の新しい大利根飛行場ですが,大島空港では距離的なものがネックだった部分が比較的近郊で,もし移転できるのであれば,という方もいらっしゃるだろうし,先ほども話がありましたが1機移転すると動きが出てくるのだと思うのです。なかなか1機目が動くのが難しい。1機,2機でも動き出すと,「やっぱり動いているんだ」と所有者もそのように考えると思います。 高野委員:  なんかこう突破口っていうのはないのですかね。 塚本会長:  大島は遠いいですよね。本当にホンダ空港とか大利根空港とかに行ければ良いのですけどね。東京都は,そっちも進めているのですか。何もやっていないのですか。     事務局:  今,大島空港を中心にかなり空港内の整備であったり,先ほど申し上げた訓練飛行なども認めるといったこともやってきていますが,それはこれまでにおける自家用機団体などとの交渉において,そういった意向や要望があったということを受けて,東京都もそれに対応するため整備をしてきたというのが実態としてあります。ただ,実際交渉の中で移転が叶っていないというのが現実にあります。  そうなった時に,今少し話がありましたが,例えば大島空港だけで本当に成り立つのかというのもありますので,幾つか関東近郊を中心に東京都は,そもそも駐機するところがないといけませんので,その空き状況であったり,調布飛行場でいう自家用機について常駐として受け入れられるのかどうか,そうしたことを確認をして,それをもとに交渉をしていると聞いています。ただ,実際は先ほどの移転促進補助制度もそうですが,いろいろなものを用意したり整えてきた中にあっても,実際移転していないという実態がありますので,ハード的な整備や場所の確保だけではなかなか進まないんじゃないかというのは,私たちもそうですが,同じ地元の自治体である府中市,三鷹市も同様の意見を持っています。その際,施設整備などのハード面だけではなく,ソフト面ということで,例えばこの飛行場の運用上の取扱いなり,ルールみたいなものの見直しを適正に行うことで,調布飛行場に自家用機を駐機することを抑制できないかとか,そうした様々な角度から,施設整備とかそういう面だけじゃなくて,制度面も含めた対応を検討できないのかというのは申し入れをしてきております。東京都も今やっているものが,もう全て手の打ちようがありませんという状況ではないと思っていますから,今現在も,私ども地元市は東京都とそういったやりとりをしながら協議を続けているといった状況です。 塚本会長:  高野さんは納得しましたか。 高野委員:  言い訳に過ぎないというか。何年,何十年もこの議題がこのペーパーから外れないのではないかというのは,すごく危惧しています。 事務局:  なので,まずは1機。もちろん1機で終わりではなく,17機が対象ですけれども,やはりそこの実績を作れるように東京都には必死に今動いてもらうようにはしています。資料右上の議題2にもありますが,自家用機所有者との協議について,3回目のヒアリングも今年度当初から行われているということですが,やはりその中でも大きな動きがないと認識しております。やはりこれまでのやり方だけでは移転実現が難しいのではないかと思っていますので,さらなる別の手段なり方策を考えていただく必要があると思っております。 塚本会長:  私が言ってはおかしいですが,本当に水虫の足を靴の裏から?いているようなもので,じれったくってしょうがないですよね。きっと言いたいのはそこですよね。大利根空港で駐機スポット3機の空きがあるってありますが,何も進まないのですか。ただ調べただけで,東京都は,そこに移転するといった交渉はしないのですか。 事務局:  いいえ,東京都は何のために空き状況を確認するかというと,当然今,行ける先があるというのを示しながら交渉するということになります。要は,行き先も大島以外何もない中で交渉するだけでは進みづらいのはありますので,今ならここが空いているという情報も併せて交渉の材料,活用しているといった状況です。 塚本会長:  大利根空港の駐機スポット3機の空きに関しては,少し前向きに東京都は交渉しているのですか。 事務局:  駐機スポットというのは今日であれば3スポット空いていますという状況で,場合によってはそこを使いたいという方が他から来れば,例えば今日空き状況を聞いたら,もしかすると一つは埋まってしまっているかもしれない。日々は状況変わるところであります。一定程度,この期間,例えば東京都が交渉を行うので,1箇月,2箇月なり,とりあえず確保できないか,という話も私どもはしているのですが,やはりそれは空港側も経営の問題もありますから,なかなかそこまでには至っていないと聞いています。ですので,日々,交渉を行う際に状況を確認しながら,その空きの状況も相手の方にもお伝えしつつ,協議を進めていると聞いています。 谷治委員:  空きの駐機スポットを東京都が確保するということはできないのですか。もちろん予算の問題もあるのでしょうけど。そういった動きは何かあるのですか。 事務局:  実際にまだそこまでは至っていないですが,東京都とのやり取りの中で,より本気になればそういったことも考えられるのではないですか,ということは言ってあります。やはりそこを確保しておかないといけません。ただ,おっしゃる通り当然経費がかかってくる話ですのでそことの兼ね合いもあるとは思っています。いずれにしても,私どもとしてはそういった観点での要望も出しながら,今協議をしているという状況です。 野口委員:  大島に移転するよりも,新たな移転先として資料で出ているような飛行場への移転交渉をした方が予算は安くなるのではないですか。先ほども,おっしゃっていましたが,1機でも移転すると多分流れていくと思うのです。ただ,やはり船や,飛行機で飛んでいって大島に置くというのは,人間は陸続きであったらすぐに行けますけど,そうしたことを考えてあげないとやっぱりなかなか進まないですよね。僕も移転が進むとは思えないですよね。だから大島空港への移転のためにお金をかけてもね,意味がないお金だったと思いますよね。もっと別のことを考えるべきで,せっかくここに新たな移転先を書いたわけですから。ここに交渉しないのであれば書く必要ないですよね。 事務局:  もちろん大島空港をこれまで整備してきて,それをもって交渉してきた経過を踏まえても,東京都も当然それだけでは難しいという認識はあります。新たな移転先の調査検討ということで当然距離的なものも含めてですが,地続きのところの空き状況なども調べ始めているという状況もありますので,要は移転先は大島でなければならないわけではないと思っています。 言うなれば,調布飛行場の登録が抹消されることが目的になりますので,その移転先が大島空港であろうが大利根空港であろうがホンダ空港であろうが,どこかに移転していただければ構わないということですから,より確度の高いところを持って,交渉すべきと考えています。 高橋副会長:  根本的に皆さんが思っていることは,私たちみんな同じなのですが,一体なんでこの話が進まないのかと皆さん思っていると思うのですよね。我々は飛行機が墜落した時,東京都と交渉した中で,自家用機が調布飛行場に置いておける権利というのが極端にすごく強いんだな,ということを感じたのですよね。だから,当てにもならない大島空港に置けますからそっちへ行ってくださいと言って,「整備できました。誰か行ってくれますか?」と言った時,最後に手を挙げたいというくらいの感覚であると思うので,「じゃ行きましょう。」ということは,なかなか大変なのだなと思います。それだけ動かない,粘っていられるということがあると,東京都がいくら空港の行き先を作ったりなんかしても歯がゆい答えになりますよね。それで結果的には,誰も手を挙げませんでした,ということで,多分これが今のやり方でやってても,高野委員が言われたように,令和6年度はこのように動きしましたが,成立しませんでしたという答えが見えているよう気が皆さんしてると思うのですよね。今の自家用機所有者の権利が強くて,強制的に移転させるみたいなことができない中で,こうやっているから歯がゆい交渉が続いているのだなと思うのですね。だけど,これではしょうがないって我々も分かっているのだけど,こんだけ東京都の優秀な人たちがいたりしてやっていても,その自家用機の17機がどこかへ行けって言えないのだという現実があるのが本当に歯がゆく思うのですね。だから,また市の方とか,皆さんが一生懸命,東京都に言って,それで東京都が行ったものを自家用機所有者が「分かりました」という形態ができない限り,この堂々巡りが続くような気がするのが本当に残念なのですよね。 高野委員:  東京都がやはりキャスティングボートを握っていて,私たちはただ報告を聞くだけで,調布市の職員の皆さんもすごく頑張ってくださっていると思うのですが,結局は東京都に頼むしかない,陳情するしかない,お願いするしかない,というあたり,どうもこう決まらないというか,なんとももどかしい。致し方ないにしても,やはりそこかなと思う。 高橋副会長:  東京都に我々がいろいろ言っても,東京都が自家用機に対して言ったりすることができないというか,弱いという中で,こういう案を提案しているという感じはしますよね。せっかくこうした準備をお願いしますと言って,東京都が受けたものを自家用機所有者団体との交渉のところでなかなか成果が出てこない。これ出てくるわけないですよね。飛行機に乗って大島まで行ってというのに誰が手を挙げますか。だから,強く自家用機の皆さんに分散移転をさせる方法がないという中での交渉だから,こんなことになってしまっていると思うのですよね。 塚本会長:  東京都も困っている部分もあって,あんなに大島空港の整備にお金をかけて,給油施設を作っても誰も行ってくれない。本当は東京都は税金の無駄遣いしているなって言われても,文句言えないですよね。見通しというのも,なかなか東京都も甘いのではないかと思うし,その前に既得権みたいなものもあるから難しいのかもしれないですけど,本当に我々地元としては,皆さん同じ意見だと思いますよ。全然進まないですよね。市が,一生懸命努力してくれていることは分かりますよ。何もしていないなんて言っていません。でも,やはり1機でも移転してくれれば,やったなって感じがするのだけど。そこの部分が難しいですよね。最初は,2機とか言っていて,上手くいくかなと思ったら最後駄目だったですよね。だから市の皆さんのことすごくよく分かりますよ。 高橋副会長:  三町や市から東京都にいろいろ言ったりしていて,それで東京都が今度,大島にこういうものを作ります,というようなやり取りは見えるのですが,それが今度,東京都と自家用機所有者の人たちとの交渉について,やっているのか,やれているのか,できないのか,という部分があまり見えてこないというのはありますよね。 事務局:  私たちも東京都と地元三市での定期的な協議の場で報告を受けるのみになりますから,当然自家用機所有者との協議の場にはもちろん私たちもいられませんので,相手の方の反応であったり要望であったりは,東京都と地元三市の協議の場で,その状況について確認しています。おっしゃる通りやはり,都営空港でもありますし,そこを例えば地元三市がそれぞれ直接何かできるかというと,そういう立場にはないっていうのもあります。ただ,単にお願いをするだけではないと思っています。実際は東京都が実施することに対して,皆様からこういった御意見もいただきますから,じゃそれだけじゃなくてこういうことはできないのかとか,こうやるべきじゃないかとか,それが遅々として進まない時にはやはりそこを指摘して,この間,説明して約束したのだからやっているべきでしょ,ということの指摘も踏まえて行っている状況です。また,先ほどもありましたが,自家用機について大島だけじゃなくて他の空港にも移転といった話があったかと思いますが,今17機の登録がある自家用機全てが,いつも調布飛行場にいるわけではないという実態もあります。聞いているところですと,10機ないし10数機は大体調布飛行場にありますが,逆に言うと残りの5機なり6機は通常調布飛行場以外にいることが多いという話も聞いています。それであれば拠点はもう既にそちらなのではないですかという話もしています。そこを捉えて,交渉の突破口みたいなものはないでしょうかと,そういった話もさせていただいています。お願いだけではなく,そういった交渉なり,やり方の提案であったり,あとは現在の状況に対する指摘などもさせていただきながら,私たちは東京都との協議に臨んでいます。それは調布市だけで言うのではなく,三鷹市や府中市と思いを同じにする中で,東京都に対応しているといった状況です。 高野委員:  先ほど高橋副会長がおっしゃった,飛行機のオーナーの方にもそういう会議に出席していただくっていうのは,すごく私はいい案だと思うのですね。その人たちが本当にその気になっていただかなければ,いくらハード面を強化しても,移転する気にはなっていただけないと思います。やはり問題意識を持っていただいたり,思考を少し変えていただかないと。そうしたソフト面と,やはり両方でいった方がいいと思いますので,やはりオーナーさんにも,ぜひそういう会議に立ち会っていただいた方がいいような気がします。 事務局:   例えば東京都と地元市で協議している場に自家用機所有者がいることが実際の効果としていいのかどうかというのはあるかと思います。ただ単に意見を言っているだけではなくて,どうしたらいいだろうっていう,言うなれば方策を意見交換するときもありますので,やはりそういったところを詳らかにすることが本当にいいのかということはあります。少なくとも地元3市からの意見も踏まえて考えた方策を,うまく相手方に説得できるようなやり方で交渉にあたっていただくこと。それが,現時点では第一かなと思っています。ただ,その状況を私たちは細かく把握しながら報告を待つだけではなくて,結局あれはやったのか,やるはずだったけどどうでしたか,ということも,こちらから能動的に働きかけ確認していくということも大事かなと思っています。やはり地元市が何の確認もしていないと,ともすれば,時間だけが過ぎてしまうなんてこともあります。なので,今回実現はできなかったですが,今年度当初,大島空港における給油施設の供用開始と合わせて移転実現を目指すというのが一つの東京都の目標でありましたから,その間においては私たちも東京都の進捗状況というのは確認をしていました。今回移転が叶わないという事実が出て,それで終わりではなく,先ほどの説明の中にもありましたが次なる目標としては,この令和6年度内なので来年3月というのが,今度リミットになりますけれども,そこに向けてどうやっていくのかというのはありますから,やはりそこを目指すのであれば,いつまでにどういう状況,交渉をまとめるなりしておかないと,ある日突然できる話じゃないと思いますので,そういったことについても,東京都にも意見を言いながら,あとは取組状況を確認しながら今後も進めていきたいと思っています。 野口委員:  オーナーさんとの距離は縮んでいるのですか。例えばオーナーさんからこういう条件が出ているとか,こういう条件であれば動いてもいいとか,そういった話はあるのですか。 事務局:  そういった話も確認はしているのですが,正直,距離感が縮んでいるということは感じてはいません。交渉はしているけれども,相手のスタンスなり考えは全然変わっておらず,スタンスが軟化しているということもないと感じています。私たちも今おっしゃる通り,条件が出されれば交渉の仕方なりが出てくるのかなと思っていて,その相手のいうなれば条件闘争みたいになってこないと進まないのだろうな,という話もしていますので,やはり相手の求めているものなり,その条件を引き出すことも含めてやってほしいということは,言っている状況です。なので距離が縮んでいるかというと,そこまでは正直なかなか感じられてはいません。 河原委員:  今,聞いていて,前回も提案したのですけれども,要するに,例えば私がオーナーであったら恐らく移る気はしないと思います。皆さんも恐らくオーナーだったらそうだと思います。何でと言われたって移りたくないというのが本音だと思うのですよね。もし,私が言われて移りたいと思えるのは,例えば大島へ行った方がこんなに得になるとか,安く済むとか,いろいろな補助が出て安く済むとかがあれば移転するかもしれない。そうした条件がない限り,他には移りたくないというのが,オーナーの本音だと思うのですよ。それで前回,今回も出てきましたが既得権が強いというようなことですよね。例えば,事業用機の場合は,どんどんメンバーが入れ替わり更新されているのです。メンバーが1機に対して何十人もいたりするわけです。それがずっと更新されるので,永久になくならないのですよね。自家用機も,代替わりみたいことができるのでしょうか。   事務局:  自家用機の所有の形態として,いわゆる本当の個人で持たれている方もいれば,グループで持たれている方もいるので,今の話からすると通常の個人であれば,恐らくその方の代で終わる可能性も見出せるのかなと思いつつ,グループになってしまうと結局グループのメンバーが入れ代わり立ち代わり,そのグループ自体がなくならなければ続いてしまうのではないかという御意見だと思っています。今の運用のルール上だと,続いていくことは可能ということになります。 河原委員:  いわゆる既得権の通常の考え方だと,その時に所有していた人が既得権があるのであって,そのグループ全体が既得権を持っているわけではないので,そこをきちんとすれば,今現在のメンバーは更新できないとか,機体更新が続いても,調布飛行場に別の機体を入れることはできないよとか。メンバーとか機体の交代が出来ないとなれば,少なくとも,これは未来永劫続くということではなくなると思います。展望が見えると思うのです。そのくらいのことをしないと,先ほども言ったようにオーナー側は恐らく移る気は全くないと思うのですよ。条件が良ければ移ってもいいよぐらいの話だと思うので,だから1機もなかなか移転しない。たまたま竜ヶ崎の近くに住んでいるからいいよ,という話があるかもしれないですけど,そんなことは期待できないのでね。だから,やはり出ていってもらうような仕組みにしないといけない。これはずっと続いて,結局毎年この協議会でも,今年も1機も移転できませんでした。次の年もまた1機も移転できませんでしたという話が永遠に続くと思うのですよ。なので,東京都に調布市から,そうしたことを提案できないかなと思います。やはり既得権の問題では,機体なり人なりが,今の現状で固定すると。今持ってる人が既得権があるのであって,新しいメンバーに既得権があるというのは,それはちょっとひどいのではないかって話だと思うのですよね。そこら辺ができれば,恐らく未来永劫という話ではなくなるのかなと思っています。 高橋副会長:  ただ,そうしたことを変えていく場合,その前のところに遡って変えるというのは,なかなか難しいとこがあるのですよね。飛行機が墜落した時に見舞金を出すということで東京都の条例が変わりましたが,そうすると,その変わった以後に発生した場合は見舞金が出ますというのが一般にあるのですが,あの時は遡って見舞金を出してくれという動きして,実際遡って皆さんにもそれが使えるように何とかしたのですが。今言ったようなことで,現在既得権を持ち,それ以後に既得権を持った人からも,それが効きますみたいな逃げができてしまうので,なかなか今,既得権を持っている人たちだけに,それを持たせておくということが,恐らく優秀な東京都の職員の人たちもいろいろやっているのでしょうが,なかなかそこまではできない状態なのかなとは思うのですよね。 事務局:  今ご意見にもありましたが,資料右上の議題2の中で移転困難という書き方がありますが,言うなれば動きたくないと,言われているということなのですよね。そういった方々をどう動かせるのかっていうのは,やはり容易ではないっていうのは理解をするところではあるのですが,とは言っても容易でないから仕方ないですよね,という訳にはもちろんいかない。そうした時に,今,御提案もありましたが,運用ルールのことであると思っていますので,そういった側面での東京都への協議はこれまでも行っている状況もありますので,今後どういった見直しをすると効果的なのか,硬い話をすれば法的な面も含めてクリアできるのかということ。それをしっかり東京都の中でも法務部門も当然ありますので,しっかり相談,確認しながら進めていきたいと思っています。 塚本会長:  既得権というのは,法律を変えないと無理ですよね。そこは遡って東京都に真面目に考えてもらわないと,僕らが生きている間には解決しないなって感じで,みんな思っていますよね。 高橋副会長  今,既得権的に東京都もお願いするだけで,分散移転してくださいってやっているような状態が現実ある中で,どういう方法があるのか,という考えがなかなか出てこない。調布飛行場では今度運用がこう変わりましたとか,そうした方法によって,そこに居づらいみたいに持っていかないといけない。ただ,移転してくださいって言って手を挙げる人がいないという状態が続いているので,運用の中で,そこに居づらいとか,そういった切り口を見つけない限り,今のまま移転してください,手を挙げてくださいだけでは,なかなか動かない気がしています。調布飛行場の運用方法が今度こういう風に変わりますとかいうことによって,多少,今置いてる自家用機の人達も居づらくなる部分もあるかもしれない。ただ,移転してくださいと言って,手を挙げてくださいっていうことをやっていても,いつになっても手を挙げる人はいないだろうなと思います。先ほど言われたように,竜ヶ崎に自分の家があって,それだったら,私そこに行きます,みたいな人がたまたま出てくれば移転する人が出てくるかもしれない,ということぐらいしか,手は挙がらないだろうという現実がありますよね。 塚本会長  我々はずっと三町協議会でやっていましたが,うるさく分散移転,分散移転って言っていましたが,結局,東京都としては大島に行くしかないから,予算掛けて大島空港を整備したわけですよね。我々が色々と言ったおかげでそうなったのだけど,それが何の結果も生み出していない。私自身だって自家用機を持っていたら,行かないですよね。近いし,今の状態でここを飛んでいた方がいいですよ。大島まで行ってまた帰ってくるなんて言うのは面倒くさいですよね。その辺を考えたら大島というのはちょっと無理があったんじゃないのかなって思っています。今になって言うのもおかしいですけど。あの時は,どこかに早く移転してもらいたいと我々は思っていたし,もっと素直に行けるかなと思ったのですけど,なかなか絵に描いたようにはいきませんよね。 高橋副会長:  あの時,我々は大島に移転とは言っていませんのでね。分散移転をしてくださいっていうのは市民の願いということで東京都に要望を出していますが,そうした中で,大島空港を整えて移転させるという話が出てきた。調布市や地域の人が大島空港を整備して,そこへ分散移転してくださいとは,一つも言ってない中で,なぜ大島が出てきたのか。それは自家用機所有者と東京都との話し合いとかでそのようなことになったのですか。 事務局:  そうですね。大島空港の整備のきっかけになったのは,自家用機所有者の方々に意向確認を行う中で,その移転先とし大島であればという声が出ていたと伺っています。 塚本会長:  あの時,ホンダ空港や竜ケ崎とかの辺りで探して,移転してくれと言ったのですよ。大島なんて全然言っていませんよね。 事務局:  大島空港は都営空港でもありますので,整備や調整を行う場合には,恐らく東京都としてはやりやすいということも一つにはあったと思っています。さきほどホンダエアポートなど,いくつか出ていますが,やはり民間空港の場合には当然に,民間の経営方針や考え方もありますので,そういった意味でも実際に,自家用機所有者の方からの声もあった。いわゆる都営空港で自分のところの施設なので手を入れやすい,そういったことも含めて,まずは大島空港の整備ということになったと認識しています。それが今,そこだけではどうも上手くいかないっていうのも正直分かってきたのもあり,先ほど申し上げたような竜ケ崎,ホンダ,大利根といった近郊の民間も含めた空港への移転も視野に,場所の確保に向けた確認を始めているという状況にあります。 塚本会長:  分散移転については,最後にまた高橋副会長から色々と言っていただきたいと思いますが,とりあえずこのことに関してはずっと言っていても同じで,進まないですよね。また,この次の時に,もうちょっと市の方も東京都に一生懸命に言って努力していただいて,1機でも結果が出るように言ってくださいよ。住民はもう下で寝ていられないって言ってくださいよ本当に。みんな切実なんですよね。東京都はみんな他人事なのですよ。その辺りは強く言ってもらいたいなと思います。 河原委員:  おそらく色々な飛行場を移転先として出しても移転は進まないと,そういうやり方ではしょうがないんだと。東京都はアリバイを作っているだけでね,やっていますというポーズだけだと思いますね。 高橋副会長:  ただ重要なことは,これは続けていかなければいけないということです。我々がそこで,しょうがないなって現実を思いながらも,東京都には今の形を続けていってもらわない限り,それこそ駄目なので,それは続けていってほしいと思います。 塚本会長:  この状況を調布市は切実なんだということを東京都に言っていただいて,もうちょっと親身になってもらわないと,皆さん集まっている意味がないですよね,本当に。 よろしくお願いします。 箕輪委員:  航跡調査の件で伺いたいのですが,夏季と冬季で2回やられていてそれぞれ7日間。夏季は142機,冬季は137機ですかね,1日20機余りが離発着されているということなのですね。今年度は観測精度を向上させると書いてありますね。実施の時期なのですが,結局飛行機は気温が高いと飛び立ちにくいのですね。プロペラが空気を押し込む力が弱くなるので空気が薄く気温が高い日が一番そうなる。事故の日も多分すごく気温が高かったと思うのですが。8月の後半だと気温が下がってくるのかなと思うのですね。なぜ,8月後半の時期なのかっていうのと,それと多分今7月ぐらいが一番暑いのではないかと思うのですね。体感的なものなので,観測データを取ってみないと分からないですが,本来は,運航する有視界飛行の間の気温が一番高い時期に計測していただく方が良いのではないかと。航跡を取るだけであれば,別にいつ取っても同じだと思うのですが,実際に高度まで取って測定するのであれば,気温が高い時に,飛行経路をきちんと計測する方がより精度が高くなると思うのですね。これを取っている理由というのは,恐らく安全に飛行していただいているかどうかっていうことだと思うのです。気温が高い時は運航が難しいので,それをもう少し精度を高め,実施時期を検討することによって,もう少し精度が高くなるのではないかと,それが二つ目です。  三つ目は議題2のところにある所有者の区分のところです。企業が10機,団体が5機,個人が2機とあり,先ほど事務局の方がおっしゃったように調布飛行場にない時もあるって伺ってます。実際にどの機がいつからいつまで,どこにいたという記録は多分出てくると思うのですよ。そうすることによって,調布飛行場から早く出ていったください,分散移転してくださいって言っているけど,実態はもしかしたらもう実質的には分散移転しているかもしれないですよね。住所は調布にあるけど住んでいるところは神奈川県ですみたいなものってあると思うのですよ。なので個人情報とかって言うと思うのですが,フライトレーダー24とかで,どの機がどこを飛んで行ったかも分かるってことですので,どの機がどの飛行場に駐機しているかというのは,知る権利があるのではないかと思うのですね。それによって調布飛行場にずっと置きっぱなしの機体があるのか,調布飛行場を拠点にして行き来する飛行機が多いのか,それとも他にあって調布飛行場に寄るという日が多いのかが分かると思いますので,そういったことを調べていただくのはお願いできたりしますでしょうか。その3点です。 事務局:  調査の時期について,なぜ8月なのかという理由までの確認は正直できていないのですけれども,やはり一週間という短く限定された期間の中で,より多くの航跡を捉えるために,南風の時は南に離陸,北風の時は北に離陸,そうなると夏と冬といった季節がはっきりと分かれている時に行うことで,風向きがあれこれ一週間の中で変わってしまうと,基本的に設置は片方にしかしていないようなので,夏は南側に飛ぶもの冬季は北側に飛ぶものということで設定をされていると聞いています。ただ,今年度も8月ぐらいの契約と聞いていますので,いずれにしても,それ以降の日付になってしまうと思いますが,この調査については,当然今後も継続してもらいたいとずっと言っていますので,その辺も今後の協議においてはと思っています。順番が前後しますが,この調査自体がもともとは,地元の方々からも離陸した際に曲がり始めていいポイントがありますよね。例えば南側であれば中央道を越えたところから多摩川までの間で右か左どちらかに曲がりますというルールがあるのですが,随分手前に曲がっているのではないか,という電話だったりをいただいたりして,そういったことをずっと東京都にも確認を求めてきました。住民の方は早く曲がっているおかしい,でも東京都に聞けば「いや問題なかったですよ。」で,その確認方法が目視であったというご報告をさせていただいたことがありますが,やはりそれを客観的に捉えて誰もが納得する形での捉え方してはどうですか。それはひいては,ルールはしっかり守らせることに繋がるってことは安全にも繋がるというのもあります。そうした経緯で令和5年度から初めて実施したということになっています。あと。先ほどありました,一番気温の高い時期,夏場であれば高い時期ということについて,その辺りも東京都との協議の中で,そういった御意見もいただいたということで,今年は難しいかもしれませんが,令和7年度以降継続する際の検討材料にしてもらわないといけないかと思います。もし一番暑い時期に実施するということであれば,事務的な話をすれば契約を早めてもらわないといけませんので,そういったことも含め,こちらとしては,早めの意見出しが必要だと聞いていて思いました。  最後いただきました個別の状況ですが,当然,東京都は調布飛行場での離陸着陸の状況であったり,駐機の状況という情報は持っているかと思います。それで一番今思ったのは,やはり個別の状況をしっかり確認することで,もしかすると今,まんべんなく交渉をしているのではなく,その実態に応じて,場合によっては注力して交渉する相手が定まるということもあるのではないかと受け止めましたので,そういった観点からも東京都には少なくともそういった状況をしっかりと把握と整理した上で,より実効性が上がる交渉につなげてほしいと。そんな観点からも今後協議をしていきたいと思いました。以上です。 谷治委員:  今の続きになるのですが,議題1のところの点線囲みの地元市からの意見・要望に関して東京都の反応はどういう感じなのでしょうか。 事務局:  議題1のところで主に航跡調査でルールを守れていなかったということで,罰則などの厳しい対応が必要だということで申し入れをしています。 東京都としては,今すぐに罰則を設けるかまでは回答をもらっていませんが,やはりより厳しい対応,検討が必要であるという話はもらっています。その前提として,航跡調査の精度をより高める。これがもう疑いの余地がないというくらいに精度を高めていくということも両面でやらなければいけないと,話をいただいてます。なので,今年度の航跡調査は昨年度と少しやり方を変え,去年はレーダーや音を捉えてやっていたのですが,それに加えて,組み合わせになるかもしれませんが映像解析といった手法も考えていると聞いておりますので,そうしたレーダーや映像を組み合わせて,より航跡の把握精度を高めていくとも聞いております。 塚本会長:  御意見よろしいですか。それでは,御意見がないようですので,学識経験者の宮沢先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 宮沢委員:  私は前回,皆さんのいろいろな御意見が厳しすぎるのではないか,というような発言をしました。有視界飛行は目視での飛行なので,道路とか飛んでいる人たちから見れば,はっきりしたものという認識はないのではないかということで,安全ということを考えた時に少し厳しすぎかなという発言をしてしまったのですけれども,資料の点線で囲まれたところ,これは基本的にルールがあればそれは守らなければいけないのだと。そこはその通りで,そこのところで議論していくということについて何も私は言うことはありません。  航跡調査については,私も研究者として飛行データー解析や,将来技術とかをやってきたので正直突っ込みどころを感じてしまうところがあって,それはここでお話ししてもしょうがないと思いますので控えますが,その会議体に,技術的な経験者は参加しておられるのかという点が気になりました。なぜなら,しっかりとしたものがあって行われているというのではなくて,今回こうであった,次はこうしようとか,そういったことが行われているのかなということを感じました。計測方法については,技術的にはある程度成熟しているところでもあると思いますので,その技術に関してしっかりとしたアドバイザーや顧問など,そういった方がおられるのかなと少し気になりました。 事務局:  実際,東京都との会議においては地元市の職員と東京都職員になっています。いわゆる航空の専門家がいるわけではないのですが,航空局の勤務を経験された方が参加いただいていますので,そういった意味では一定の見識があるのかなと思っています。ただ,そういった方が大勢いるか,そういった専門家との組織があるかというと,そういうわけではないのですが,東京都としても自分たちだけでは賄えないところは,関係機関にも確認しながら進めているのではないかと思っています。 宮沢委員:   そのあたりですね,もう少し適当な人が参加していれば良いのではないかと思います。このような方法が本当に使えるのかどうか,ここでは差し控えますが,一言で言えば,技術的な面で物足りなさを感じました。 事務局:  そのあたりはまた場合によっては詳しいご説明を,別途宮沢先生にさせていただきつつ,逆に私達がどう東京都に対して話していったら良いかというのも,この場ではないかもしれませんがアドバイスいただけると有難いと思います。 宮沢委員:  蛇足になりますが,最初の頃はマルチラテレーション方式とおっしゃっていましたね。はっきり言えばマルチラテレーション方式というのが一番良いはずです。それがどこかで消えてしまって,恐らく,マルチラテレーション方式は計測ポイントを3つ程度,複数持たなければいけないとか,しっかりとした技術がなければいけないとかあるので,お金も掛かるのだろうと思います。予算の問題があったのかとは思います。何と言いますか,継ぎ接ぎだらけというと少し失礼かもしれませんが,色々やっているところもあるので,これから運行者に指導していくという話があった時に,少し迫力に欠けるのではないでしょうか。技術的な話になりますが,トランスポンダーというのが必要なのですけれども,それが一番キーなのです。機体に搭載されていると思いますが,どのようなものが搭載されているか,スイッチを入れているかどうかといったこともあるので,きちんとした技術的なアドバイザーがおられると良いと思いました。 事務局:  分かりました。 ありがとうございました。そういった御意見も踏まえて今後御相談させていただけたらとい思います。 塚本会長:  それでは本日の報告事項は以上です。本日の御意見をまとめたいと思いますので,その内容を踏まえていただいて,副会長から総括をお願いしたいと思います。 高橋副会長:  皆さん本日はありがとうございます。我々がこの会をやっていく中で,一番重要だと思ったのは調布の墜落事故を風化させないということがあると思うのですね。その中で,墜落した自家用機があるということで,早く分散移転してほしいというのが住民の願いで動いております。ただ,皆さんから御意見が出たように今の状態ではなかなか進まないという現実を見ながらいつも会議をしております。我々ができることというのでは,やはりその分散移転とともに安全対策というのが住民としたら一番だったのですよね。事故以後,東京都もいろいろな点で自家用機の運航に対して安全対策を取っているということがありました。それはそれでいいのですが,その中で飛行機がルールを守らず早く曲がってしまったり,そういう人がいっぱいいるという御意見を住民の皆さんから聞いた中で,航跡調査を行い,確かに早く曲がる飛行機がある。そういう現実をまず見ることができたと。その中で,今回ルールを守っていないという現実があって,我々にとっては安全対策をいくらしてもらっても,そういうルールを守ってない飛行機もあるという現実を知った中で,唯一できることは,飛行機が二度と墜落しないようにしてほしいというのが住民の願いだと思うのですね。それをいかに今度,調布市の職員の皆さんには,安全対策をしているという中で,ルールを守らない人がいる現実が少しでもあったということを重く受け止めていただいて,今後東京都の交渉に当たっていただきたいなと思うのですね。まずは今は安全対策で飛行機が二度と墜落しないようにしてほしいと,住民はそれが第一だと思います。ルールを守らない飛行機が出たということを知ると本当に安全対策してくれているのですかと,そういうことがないよう,ルールを守っていただくよう最低限してくださいということを言っていただきたいというのが,皆さんも,お気持ちの中にあるのではないかなと思っています。まとめにはならないと思いますが,何しろ二度と墜落しないためのことを言い続けていただく中で,自家用機が早く調布飛行場からいなくなってほしいということが総意と思っていますので,よろしくお願いしたいと思います。  分散移転については,先ほど令和5年度は不成立でした,それで令和6年度にまた交渉しますというのが東京都の流れですよね。それをやっても無駄でしょって言うのではなく,それはやり続けていただかないと自然に今度は,東京都の方で予算をカットしてきたり,風化させられてしまうので,それは続けていっていただく。それからもう一つは,ルールを守ってもらう以外,我々は安全対策として安心感はないので,守らない場合は罰則だとか,そういった方向の切り口もまず一つ作ってもらえたらいいのかなと思います。 塚本会長:  ありがとうございました。それでは事務局でまとめていただいて市長へ報告お願いします。東京都に対してもよろしくお願いします。本日,委員の皆さんが言ったことは東京都に厳しく言っていただきたいと思います。  これで本日の報告事項は終了になります。事務局から事務連絡等はありますか。 事務局:  本日の会議録につきましては,事務局で整理したうえで,各委員に送付させていただこうと思っております。委員の皆様に御確認いただいた後に市ホームページに公開予定でございますので,御承知おきください。次回の開催は別途御連絡をさせていただきますので,よろしくお願いいたします。なお,本日の報酬の支払につきまして9月中にさせていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。事務連絡は以上になります。 塚本会長:  以上をもちまして調布飛行場対策協議会を終了いたします。委員の皆様,お疲れ様でした。