令和6年調布市教育委員会第5回臨時会会議録 1.日     時 令和6年7月31日午前9時30分~午後3時2分(4時間14分) 1.場     所 グリーンホール 小ホール 1.出 席 委 員 教育長                    大和田 正 治           教育長職務代理者               臼 倉 美 智           委員                     福 谷 文 夫           委員                     榎 本 竹 伸           委員                     千 田 文 子           委員                     毛 利   勝 1.出席説明員   教育部長                   阿 部   光           教育部次長                  髙 橋 慎 一           指導室学校教育担当課長            三 井   豊           指導室教育支援担当課長兼                                  伊 藤 聖 子           教育相談所長                      指導室統括指導主事              門 田 英 朗           指導室統括指導主事              海馬澤 一 人           指導室副主幹                 原 田   勝           教科書調査運営委員会委員長          山 田   勝           教科書調査運営委員会副委員長         北 島 陽 子           特別支援学級教科書調査委員会委員長      小 林 美也子           中学校国語科教科書調査委員会委員長      星 野 直 樹           中学校社会科教科書調査委員会委員長      小 坂   力           中学校数学科教科書調査委員会委員長      梶 山 剛 史           中学校理科教科書調査委員会委員長       岡 本 明 久           中学校音楽科教科書調査委員会委員長      佐 藤 政 彦           中学校美術科教科書調査委員会委員長      佐 伯 あつ子           中学校保健体育科教科書調査委員会委員長    佐 藤 祐 介           中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長   宇田川 裕 美           中学校外国語科教科書調査委員会委員長     澁 江   暁           中学校特別の科教道徳科書調査委員会委員長   生 野 まゆみ 1.事務局出席者  教育総務課長                 鈴 木 克 久           教育総務課副主幹               市 川 陽 介           教育総務課総務係長              澤 井 昭 宏           教育総務課総務係主事             陸 田 晃 生           指導室副主幹                 佐 藤 晋太郎           指導室指導主事                林   由佳子           指導室指導主事                小宮山 香 織           指導室指導主事                高 木 克 将           指導室指導主事                岩 田   歩 1.会議録署名委員 教育長                    大和田 正 治           教育長職務代理者               臼 倉 美 智 ○大和田教育長  おはようございます。ただいまから令和6年調布市教育委員会第5回臨時会を開会いたします。  本日の説明のための出席職員及びその席につきましては,この臨時会に限り,配布資料のとおりとしますので,御了承をお願いいたします。  また,審議する内容により,途中で説明員が入れ替わりますので,あらかじめ御了承をお願いいたします。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第1 令和6年調布市教育委員会第5回臨時会会議録署名委員の指名について ○大和田教育長   これより日程に入ります。日程第1,令和6年調布市教育委員会第5回臨時会会議録署名委員の指名について。本件については,調布市教育委員会会議規則第29条の規定により,臼倉教育長職務代理者を指名し,教育長の私,大和田とともに署名委員といたします。よろしくお願いいたします。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第2 会期の決定について ○大和田教育長   日程第2,会期の決定について。  お諮りいたします。本臨時会の会期は,本日から8月2日までの3日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  御異議なしと認め,そのように進めてまいります。  なお,会議の途中で案件がすべて終了した場合は,会期を変更する場合がありますので,あらかじめ御了承ください。        ――――――――――― ―― ―――――――――――  日程第3 協議題   (1) 令和7年度使用調布市立小・中学校特別支援学級教科用図書の選定について ○大和田教育長  日程第3,協議題に入ります。  今臨時会で協議する案件につきましては,調査・研究資料,以下調査資料ということといたしますが,その調査資料の作成について依頼しておりました教科書調査運営委員会から報告がなされました。  この間,教育委員会としては,選定の公平を期するために,委員それぞれが教科用図書に目を通すなど独自に調査をしてきました。こういったことから,委員相互,または委員と事務局,あるいは調査運営委員等との事前の打ち合わせ,情報交換等は一切行わず,本日に至ったものであります。  そこで,選定の手順等ですが,初めに教科書採択の概要と審議の進め方について,海馬澤指導室統括指導主事から説明いただきます。  協議題の(1)では,説明員として出席していただいている教科書調査運営委員会委員長から調査資料の作成及び概要について報告いただいた後,小・中学校特別支援学級教科書調査委員会委員長からの説明とそれに対する質疑を行った上で,採択する教科用図書を選定いたしたいと思います。  協議題の(2)では,先に国語,社会などの教科ごとに説明及び質疑を行います。すべての教科の説明及び質疑が終わった後,国語,書写などの種目ごとに選定を行ってまいりたいと思います。このことについて御異議ございませんでしょうか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  御異議なしと認め,そのように進めてまいります。  (1)に入る前に,海馬澤指導室統括指導主事から教科書採択の概要と審議の進め方について説明を願います。海馬澤指導室統括指導主事。 ○海馬澤指導室統括指導主事  それでは,私から令和7年度に使用する調布市立小・中学校特別支援学級の教科用図書採択及び令和7年度から10年度に使用する調布市立中学校教科用図書採択の概要と審議の進め方について御説明させていただきます。  まず,採択の概要についてでございます。採択は,義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の規定に基づき,市内公立学校を1つの採択地区としまして,義務教育諸学校で使用する教科書を種目ごとに1種採択いたします。  また,採択は,調布市教育委員会の責任と権限において,公正かつ適正に行うこととし,学習指導要領及び調布市教育委員会の教育方針を踏まえた内容の教科書を採択いたします。  そこで教育委員会では,教科書調査運営委員会及び教科書調査委員会を設置し,教科書調査運営委員会に対して教科書について調査・研究を行うよう依頼し,調査資料の提出を求めました。  令和6年度の採択については,小・中学校特別支援学級は令和7年度に使用する教科書,中学校は令和7年度から4年間使用する教科書の採択を行います。  ここで,小・中学校特別支援学級の教科書の採択について申しあげます。小・中学校特別支援学級の教科書の採択は,本市で採択された小・中学校の検定合格図書,いわゆる検定本,または特別支援学校用の教科書目録に登載されている文部科学省著作の教科書,いわゆる著作本,学校教育法附則第9条による教科書,いわゆる一般図書の中から採択を行います。  本来検定本を使用するところですが,小学校及び中学校の特別支援学級で特別の教育課程を編成している場合,学校教育法附則第9条及び同法施行規則第139条の規定により,教科により当該学年用の検定本を使用することが適当でない場合は,当該学校の設置者の定めるところにより,他の適切な教科書を使用することができることとなっているところが根拠となります。  その際,教科書の給与は,原則として1教科につき1学年1種目であり,1教科の中で検定本,著作本,一般図書の3種を併せて給与することはできません。ただし,児童・生徒の障害の程度に著しい差があり,それぞれに応じた指導等を行う場合は,区市町村教育委員会の責任で児童・生徒の状況に応じた一般図書等を選ぶことができます。  また,一般図書を採択する場合の留意事項として,児童・生徒の障害の種類,程度,能力,特性に最もふさわしい内容のものであることが挙げられます。可能な限り系統的に編集されており,教科の目標に沿う内容の図書が適切であり,特定の題材もしくは一部の分野しか取り扱っていない図書,参考書的図鑑,問題集等は適切でないとされています。  価格については,教科書無償給与予算との関係から,前年度の実績を考慮するなど,あまり高価なものに偏らないこととされています。さらに市販の一般図書であるため,絶版や品切れ等になる場合があり,特に絶版のため供給不能となるケースが多いことから,採択に当たっては当該図書が現在も発行されており,さらに令和7年度中に供給可能であるかどうかを発行者に十分確認することとなっております。  本日は,文部科学省著作の教科書,いわゆる著作本及び一般図書も御準備いたしました。実際に御覧いただきながら,調査資料の内容と併せて御検討いただければと思います。  続いて,審議の進め方について御説明いたします。  初めに,小・中学校特別支援学級の教科書の選定をお願いいたします。特別支援学級の設置校ごとに作成した調査資料を特別支援学級調査委員長から一括して報告いたします。その後,質疑を行い,次年度の教科書について一括選定をお願いいたします。  次に,中学校の教科書の選定をお願いいたします。中学校の教科書については,国語,書写,社会,地図など10教科16種目あり,種目ごとに1社を選びます。まず,各教科の調査委員長から調査・研究の概要について報告をいたします。その後,教科,種目ごとに報告,質疑を繰り返し,全教科の報告,質疑が終了した後に,委員の皆様には選定をお願いいたします。  最後に,本日配布させていただいた資料について御説明いたします。資料は,資料1,資料2とあり,資料1は小・中学校特別支援学級教科書調査委員会,資料2は中学校教科書調査委員会が作成した調査資料となっています。また,参考資料としまして,教科用図書展示会において,市民の皆様から頂いた中学校の教科書に対する御意見,御要望等もお渡しさせていただいております。  教科書調査委員会の報告や有識者,保護者,そして市民の皆様から頂いた御質問や御意見等を参考に,教育委員の皆様において御審議くださいますようお願い申しあげます。  それでは,どうぞよろしくお願いいたします。 ○大和田教育長  説明が終わりました。  (1)令和7年度使用調布市立小・中学校特別支援学級教科用図書の選定について協議いたします。  初めに,山田教科書調査運営委員会委員長から調査資料の作成及び概要について説明をお願いいたします。山田教科書調査運営委員会委員長。 ○山田教科書調査運営委員会委員長  それでは,私から小・中学校特別支援学級にかかわる教科用図書調査運営委員会の内容及び小・中学校特別支援学級教科書調査委員会の調査・研究報告書作成及び報告までの経緯について御説明いたします。  教科書調査運営委員会では,小・中学校特別支援学級教科書調査委員会の委員長1人,副委員長1名,有識者1名,市内特別支援学級の代表保護者2名に御協力いただき,教科書採択において開かれた採択を推進するため,調査・研究を進めてまいりました。  令和6年5月17日,第1回目の委員会を調布市グリーンホール小ホールで開催し,この中で調布市教育委員会から令和7年度使用する調布市立中学校及び小・中学校特別支援学級教科用図書の調査・研究について依頼されました。  この依頼を受け,同日に第1回小・中学校特別支援学級教科書調査委員会を調布市グリーンホール大ホールで開催し,この中で調査委員会に対し小・中学校特別支援学級で使用する一般図書等の調査・研究を行い,教科書調査運営委員会に調査・研究報告書を提出することを依頼いたしました。  小・中学校特別支援学級教科書調査委員会から提出された調査・研究報告書の内容については,第3回の教科書調査運営委員会において,小・中学校特別支援学級教科書調査委員会委員長が報告をし,有識者や保護者代表から意見や質問を頂きながら,調査・研究資料としてまとめてまいりました。  有識者からは,学級の実態がよく分かる報告になっている,文部科学省検定本が多くの学校で使用されている,教科書を共有しながら学べることは,交流学習を進める上で重要である,学級の実態に合わせていわゆる星本も使用されており,工夫が見られる,今後も実態に合わせてさまざまなものを使っていただきたいとの御意見を頂きました。  教科書調査運営委員会といたしまして,特別支援学級においては,児童・生徒の実態に応じ,一部を効果的に指導できるようにしていくことの重要性について共通理解を図ったところです。  こうした委員会から提出された調査・研究報告書の検討,協議により,適正かつ公正な採択の確保と開かれた採択とする経緯を踏まえ,調布市教育委員会に提出する調査・研究資料として適切であることを委員会で確認し,令和6年7月12日に報告として調布市教育委員会に提出させていただきました。  まとめさせていただきました調査・研究資料は,資料1に記載があるとおりでございます。  調査・研究資料の作成及び報告までの経緯及び概要については以上となります。 ○大和田教育長  次に,小林特別支援学級教科書調査委員会委員長から説明をお願いいたします。小林特別支援学級教科書調査委員会委員長。 ○小林特別支援学級教科書調査委員会委員長  それでは,これから小学校7学級,中学校3学級における調査・研究を順に御説明いたします。  最初に,第一小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の3ページから8ページを御覧ください。  第一小学校の第1学年の想定される児童の実態は,ペースはゆっくりではありますが,繰り返し指導することで学習を少しずつ積み上げることができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,そのほかの教材と併用しながら個別に支援したり繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,第一小学校第1学年では文部科学省検定本を推薦します。  第2・第3学年の想定される児童の実態は,個別に支援したり繰り返し指導したりすることで,文部科学省検定本による学習をある程度積み上げることができる児童とともに,国語,算数においては,当該学年の文部科学省検定本で学習するより,文部科学省著作本を活用して学習する方法が有効な児童も在籍していると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第2・第3学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数において一般図書における指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,第一小学校第2・第3学年では,文部科学省検定本及び表にある一般図書を推薦いたします。  第4・第5・第6学年の想定される児童の実態は,ゆっくりと繰り返し指導することで学習をある程度積み上げることができ,好奇心が旺盛で通常の学級と教科等での交流が可能である児童とともに,国語,算数においては当該学年の文部科学省検定本で学習するより,一般図書を活用して学習する方法が有効な児童も在籍していると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第4・第5・第6学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数においては児童の障害特性を踏まえ,一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,第一小学校第4・第5・第6学年では,文部科学省検定本及び表にある一般図書を推薦します。  なお,特別支援学級における文部科学省検定本については,小・中学校で採択される教科用図書に準ずるため,通常の学級と同じという表記をしております。  次に,八雲台小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の11~16ページを御覧ください。  八雲台小学校の第1・第2学年の想定される児童の実態は,通常の学級の指導内容の一部を時間を掛けて丁寧に指導することで,意欲的に取り組み,理解できると考えられます。  第3学年の想定される児童は,通常の学級との交流を希望している児童や学年相応に近い段階の教科学習にも一部取り組むことができると考えられます。  第4・第5・第6学年の想定される児童の実態は,個に応じて視聴覚情報の活用の仕方を工夫したり,併せた指導でも複数教科を取り入れて指導したりすることで,意欲的に学び,理解することができると考えられます。また,教科書を参考にした学習をする場面も多く設定されることが考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1~第6学年については,文部科学省検定本の学習内容を参考にし,その他の教材を併用しながら,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることである程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,八雲台小学校第1学年~第6学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  次に,富士見台小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の19~24ページを御覧ください。  富士見台小学校の第1~第3学年の想定される児童の実態は,繰り返しの活動をしながら学んでいく段階ではありますが,単語または2語分程度の意思伝達ができ,児童の実態や発達段階に応じて,平仮名や片仮名,漢字などの文字を読んだり書いたりする力や意欲を高める段階であると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1~第3学年については,文部科学省検定本の学習内容を日常生活と関連付け,その他の教材を併用しながら個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  第4~第6学年の想定される児童の実態は,日常的な言葉掛けで生活の仕方を学び,自分で考えながら活動できる段階であり,日常会話による意思疎通や短い文章や一部の漢字の読み書きができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第4~第6学年についても,文部科学省検定本の学習内容を日常生活と関連付け,その他の下学年の教材も十分に併用しながら,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,富士見台小学校第1~第6学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  次に,滝坂小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の27~32ページを御覧ください。  滝坂小学校の第1・第2学年の想定される児童の実態は,通常の学級の指導内容をゆっくり学ぶことで,少しずつ力を付けていくことができます。小学校入門期の内容をバランスよく学習するためにも,検定教科書を指標として継続して使用することが望ましいと考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1・第2学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,そのほかの教材を発達段階に合わせて併用しながら個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,滝坂小学校第1・第2学年では,文部科学省検定本を推薦します。  第3学年の想定される児童の実態としては,児童のペースに合わせて,ゆっくり丁寧に学習していくことで少しずつ力を付けています。学習内容の定着度に差があるため,第3学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数においては児童の障害特性を踏まえ,文部科学省著作本による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,滝坂小学校第3学年では,文部科学省検定本,文部科学省著作本を推薦します。  第4学年の想定される児童の実態は,児童のペースに合わせゆっくり丁寧に学習していくことで少しずつ力を付けています。国語,算数については,文部科学省著作本を使用する3年生からの継続性を考慮する必要があり,より発展的,抽象的な内容を学習するに当たって,操作が丁寧に説明されていること,写真やイラストで分かりやすく示してあることを重視した図書を使用することで,抵抗なく学習できると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第4学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数においては,児童の障害特性を踏まえ,一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,滝坂小学校第4学年では,文部科学省検定本と表にある一般図書を推薦します。  第5学年の想定される児童の実態は,児童のペースに合わせてゆっくり丁寧に学習していくことで少しずつ力を付けています。シリーズ化されているものは,第4学年の発展編を継続して使用することが効果的であると考えられます。また,より発展的,抽象的な内容を学習するに当たって,実際に操作ができること,写真やイラストで分かりやすく示してあることを重視した図書を使用することで理解を深めることができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第5学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数,家庭においては,児童の障害特性を踏まえ,一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,滝坂小学校第5学年では,文部科学省検定本と表にある一般図書を推薦します。  第6学年の想定される児童の実態は,児童のペースに合わせゆっくり丁寧に学習していくことで少しずつ力を付けています。また,6年生は教科書を参考にした学習をする場面が多く設定することが考えられます。  これらの実態を踏まえ,第6学年については,文部科学省検定本の学習内容を参考にし,その他の教材を併用しながら,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができると考えています。  以上を踏まえ,滝坂小学校第6学年では,文部科学省検定本を推薦します。  次に,染地小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の35~40ページを御覧ください。  染地小学校の第1~第6学年の想定される児童の実態は,通常の学級の指導内容の一部を時間を掛けて丁寧に指導したり,写真やイラストなどの視覚的支援を併用しながら指導したりすれば,意欲的に取り組み,理解できると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1~第6学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,その他の教材を併用したり,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,染地小学校第1~第6学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  次に,北ノ台小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の43~48ページを御覧ください。  北ノ台小学校の第1学年の想定される児童の実態は,ペースはゆっくりではありますが,繰り返し指導することで学習を少しずつ積み上げることができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,そのほかの教材と併用しながら,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえております。  以上を踏まえ,北ノ台小学校第1学年では,文部科学省検定本を推薦します。  第2・第3・第4・第5学年の想定される児童の実態は,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,文部科学省検定本による学習をある程度積み上げることができる児童とともに,国語,算数においては当該学年の文部科学省検定本を学習するより,文部科学省著作本を活用して学習する方法が有効な児童も在籍していると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第2・第3・第4・第5学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数において一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,北ノ台小学校第2・第3・第4・第5学年では,文部科学省検定本及び表にある一般図書を推薦します。  第6学年の想定される児童の実態は,ゆっくり繰り返し指導することで,学習をある程度積み上げることができ,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,その他の教材と併用したり,個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,北ノ台小学校第6学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  次に,多摩川小学校特別支援学級における調査・研究です。資料の51~56ページを御覧ください。  多摩川小学校の第1学年の想定される児童の実態は,未定の部分はありますが,小集団の中で繰り返し学習を積み重ねていくことで,その一部を時間を掛けて丁寧に指導したり,児童が意欲的に取り組み,理解を深めていくことができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数,音楽においては,児童の障害特性を踏まえ,文部科学省著作本による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,多摩川小学校第1学年では,文部科学省検定本及び文部科学省著作本を推薦します。  第2学年の想定される児童の実態は,ゆっくりではありますが,繰り返し指導することで,学習を積み重ねることができると予想される児童です。さまざまな教材を併せて丁寧に指導することで,意欲的に取り組み,理解することができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第2学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数においては児童の障害特性を踏まえ,一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,多摩川小学校第2学年では,文部科学省検定本と表にある一般図書を推薦します。  第3学年の想定される児童の実態は,ゆっくり丁寧に繰り返し指導することで,意欲的に取り組み,理解を深めることができると考えます。さらに,教科によってはその他の教材も併用しながら指導していくことで,少しずつ力を身に付けていくことができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第3学年においては,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数,音楽においては,児童の障害特性を踏まえ,文部科学省著作本による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,多摩川小学校第3学年では,文部科学省検定本,文部科学省著作本を推薦します。  第4学年の想定される児童の実態は,ゆっくりではありますが,繰り返し指導することで,通常の学級の指導内容の一部について学習を積み上げることができると予想される児童です。さまざまな教材を併せて丁寧に指導することで,意欲的に取り組み,理解することができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第4学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数においては児童の障害特性を踏まえ,一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,多摩川小学校第4学年については,文部科学省検定本と表にある一般図書を推薦します。  第5学年の想定される児童の実態は,ゆっくりではありますが,小集団の中で繰り返し指導することで,通常の学級の指導内容の一部について,一定の時間集中して学習を積み重ねることができると予想される児童です。さまざまな教材を併せて丁寧に指導することで,意欲的に取り組み,理解することができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第5学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数,音楽,家庭においては,児童の障害特性を踏まえ,一般図書及び文部科学省著作本による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,多摩川小学校第5学年では,文部科学省検定本,文部科学省著作本及び表にある一般図書を推薦します。  第6学年の想定される児童の実態は,小集団の中で繰り返し指導することで,通常の児童の指導内容の一部について,一定の時間集中して学習を積み重ねることができると予想される児童です。さまざまな教材を併せて丁寧に指導することで,意欲的に取り組み,理解することができると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第6学年については,文部科学省検定本による学習の工夫だけでなく,特に国語,算数においては,児童の障害特性を踏まえ,一般図書による指導も必要であるととらえました。  以上を踏まえ,多摩川小学校第6学年では,文部科学省検定本と表にある一般図書を推薦します。  それでは,中学校3学級に移ります。  最初に,調布中学校特別支援学級における調査・研究です。資料の59~61ページを御覧ください。  調布中学校第1学年の想定される生徒の実態としては,小学校の特別支援学級から進学する生徒が多いため,学習の積み重ねてきた状況が個々によって異なることが想定されます。そのため,生徒一人一人に応じた学習課題の設定が必要になると考えられます。  続いて,第2学年の想定される生徒の実態としては,それまでの学習の積み重ねに個人差があり,さまざまな障害を持つ生徒が在籍しています。特に学年に応じた生活年齢の意識付けや自己肯定感の高まりが必要になると考えられます。  最後に,第3学年の想定される生徒の実態としては,学習上,生活上の課題はさまざまではありますが,学習の積み重ねに個人差があり,個別の支援は必要ではありますが,学習にはどの生徒も意欲的に取り組むことが多いと考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1~第3学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,その他の教材を併用しながら個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み重ねることができるととらえています。  以上を踏まえ,調布中学校第1・第2・第3学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  次に,神代中学校特別支援学級における調査・研究です。資料の65~67ページを御覧ください。  神代中学校第1学年の想定される生徒の実態は,神代中学区に住んでいる6年生の児童の在校生観察の様子から,中学校でも頑張りたいという気持ちを持っています。生活年齢相当の教科用図書も可能な範囲で使用しつつ,学習を通じて中学生にふさわしい自己認知に至ることを目指した授業を行うことが重要であると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,その他の教材を併用しながら個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  続いて,第2学年の想定される生徒の実態は,中学校での1年間の学習の積み上げを経て,学習への意欲の回復や自宅学習の習慣の定着が見られ,学校で学んだ内容を自宅で教科書を使用して確認し,さらに定着させるという学びのスタイルができていると考えられます。  最後に,第3学年の想定される生徒の実態は,自立活動や生活単元等の授業を通じて,生活相当の自己認知を身に付けつつある生徒も多くなっていると考えられます。  これらの実態を踏まえ,第1~第3学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,そのほかの教材を併用しながら個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,神代中学校第1・第2・第3学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  続いて,第三中学校特別支援学級における調査・研究です。資料の71~73ページを御覧ください。  第三中学校第1学年の想定される生徒の実態は,個々に基礎的な学力に課題が見られるものの,入学を機に多くの生徒が学習に前向きに取り組みたいという気持ちが高まっています。学習面では,基礎学力の向上を図りながら,生活年齢に応じた教科書を現状に合わせて使用することで,中学生であるという自己認知を高めていくことが重要であると考えられます。  続いて,第三中学校の第2学年の想定される生徒の実態は,個々に学習や生活における課題は見られるものの,多くの生徒が学習に前向きに取り組み,基礎学力の向上を図りながら,生活年齢に応じた教科書を生徒の状況に合わせて使用し,中学生であるという自己認知を高めていくことが重要であると考えられます。  最後に,第3学年の想定される生徒の実態は,個々に学習の理解度に差はあるものの,目的意識を持ち,小集団の中で前向きに授業に取り組んでいる生徒が多く,中学生らしい一般的な話題や会話も少しずつ増えてきており,リーダーとしての役割を果たしている生徒も多いため,生活年齢に応じた学校生活を送ることが望まれると考えられます。  これらの実態の踏まえ,第1~第3学年については,文部科学省検定本の学習内容を取捨選択し,そのほかの教材を併用しながら個別に支援したり,繰り返し指導したりすることで,ある程度学習を積み上げることができるととらえています。  以上を踏まえ,第三中学校第1・第2・第3学年では,文部科学省検定本を推薦いたします。  説明は以上でございます。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  それでは,ただいまの説明について質疑を行います。質疑がございましたらお願いいたします。毛利委員。 ○毛利委員  今回の調査・研究報告については,各クラスの生徒の実態を小まめに分析して,必要な教科書を選んでいただいていると思います。特にこの記載を読ませていただくと,使用イメージがよく分かり,例えば普通学級との共同学習を前提とした使い方など小まめに書いていただいて,状況がよく分かります。  ただ,その中で1つ,染地小学校の記載については,あまり詳しく書かれていなかったのですが,実際のところ,例えば共同学習などもされていたりするのではないかと思いますので,その辺り補足の説明があれば伺えればと思います。  以上です。 ○大和田教育長  小林特別支援学級教科書調査委員会委員長。 ○小林特別支援学級教科書調査委員会委員長  では,ただいまの御質問にお答えいたします。染地小学校の記載につきましては,ほかの学校よりも短いところも多かったかと思われますけれども,大変きめ細かな指導を行っておりまして,通常級の交流も含め,一人一人の個に応じた指導を行っております。  検定本を使っておりますけれども,ICTを含めた一人一人の個に応じた教材も効果的に活用しておりますので,御理解いただけたらと思います。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  ありがとうございます。よく分かりました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。千田委員。 ○千田委員  昨年もとても丁寧に対応されていたことを理解できたのですが,本年度も本当に丁寧にありがとうございました。児童の実態をしっかりととらえられて選定されているということが分かりました。  そして,昨年度より新設の小学校,北ノ台小学校が1校増えたことで,一般図書とか著作本を併用する学校が1校増えたことも理解できます。ただ,併用する学校が毎年同じ学校で,固定化されているのではないかというところが気になるところでございます。今,一人一人に寄り添った指導,個別最適な学びが重要視されているところで,これはこれからもう少し深く考えていかなければならないことではないかと思われるのです。この調査委員会,先ほど有識者の先生のお話は御説明の中にあったのですけれども,保護者代表の方とか実際現場の先生方,併用の学校との交流もあったかと思いますが,どんなお話し合いがされたのか,分かる範囲でお聞かせいただければと思います。 ○大和田教育長  小林特別支援学級教科書調査委員会委員長。 ○小林特別支援学級教科書調査委員会委員長  先日の会では,保護者の方からの御質問は,この説明についてとてもよく分かりましたという評価を頂いた以外に,中学校における生活年齢という言葉が何度か説明の中で出てきたのですが,それはどういう意味ですかと言う様な御質問はありました。それについてお答えさせていただいた次第です。  様々な学校の教員同士の交流,または様々な話し合いの中で,千田先生の御指摘にありましたように,一般図書または著作本を使っている学校と検定本のみを使っている学校が毎年ある程度固定化されているというのは,御指摘のとおりだと思います。  検定本を使っている学校も非常に細かく教材を各校で工夫してつくっていて,それが継承されているというところも1つの実態としてあるのだと思いますが,設置校長会としても今後検定本のみならず,著作本や一般図書の使用の在り方について,今後協議していきたいと思います。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  分かりました。今後もよろしくお願いいたします。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。  それでは,私から1点だけ。今,質問が出たのですけれども,文科省の検定本以外に一般図書を採用している学校が幾つかありますが,一般図書を採用するに当たって注意とか配慮した事項は何かありますか。具体的に何か教えていただけたら有り難いのですけれども。小林特別支援学級教科書調査委員会委員長。 ○小林特別支援学級教科書調査委員会委員長  たくさんある中から選ぶわけですから,本当に何度も読んで先生たちが選んでいる次第なのですけれども,ポイントといたしましては,視覚優位な子どもたち,それぞれの障害特性に合わせてどういう教材を選ぶと最も効果的に学習が収束していけるかというところを考えています。  例えばゆっくり学ぶ子のための国語や算数などというのが複数校で採用されているのですが,この教科書につきましては,例えば算数ですと数の基礎的な概念を獲得させるために,優しいタッチの挿絵で抵抗感なく読めていく,分かりやすい内容になっている。国語につきましても,言葉についての概念が非常に分かりやすいというように,教科書もとてもいいのですけれども,それ以上に様々な障害を持っている子どもたちにとって有効ではないかということで選んでいるところです。こうしたものを選ぶことによって,上の学年との系統性も図りながら,様々な方面で多角的に考えながら選んでいる実態があります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。さまざまなお一人お一人の子どもたちにとって一番いい効果的な一般図書ということで選んでいただいたと理解いたしました。本当にありがとうございました。  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  ここで,各委員からお考えを伺い,本市小・中学校特別支援学級で使用する教科書を選定していきたいと考えておりますので,御協力をお願いいたします。  ただいまの説明等を受けまして,各委員から御意見がございましたらお願いいたします。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  特にないようですので,それでは,お諮りいたします。  小・中学校の特別支援学級で使用する教科書につきましては,それぞれの児童・生徒の発達状況や理解の程度に応じて,さらには児童・生徒の特性に応じて使用する教科書を選定する必要があると考えております。  また,課題としてとらえております一人一人の児童・生徒の実態に応じた教科書を選定することができるよう,教科書にかかわる調査・研究を保護者の意見も参考にしながら,継続的に取り組む必要があるととらえております。  今回の採択につきましては,今後の課題解決のための取り組みを踏まえながら,現状,児童・生徒と直接かかわっていらっしゃる担任の先生方の御意見を尊重することが重要であると判断されます。このことから,本件は原案どおり選定することといたしたいと思います。これに御異議ございませんか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  御異議なしと認めます。よって,本件は原案どおり選定することと決定いたしました。        ――――――――――― ―― ―――――――――――   (2) 令和7年度~10年度使用調布市立中学校教科用図書の選定について ○大和田教育長  (2)「令和7年度~10年度使用調布市立中学校教科用図書の選定について」,協議いたします。  これ以降,調査運営委員会委員長からの説明の後,各教科の教科書調査委員会委員長から説明を受け,教科ごとに質疑を行ってまいります。なお,説明の順序につきましては,選定の都合により調整してまいります。  初めに,山田教科書調査運営委員会委員長から調査資料の作成及び概要について説明をお願いします。山田教科書調査運営委員会委員長。 ○山田教科書調査運営委員会委員長  それでは,私から中学校における教科書調査運営委員会の内容及び中学校教科書調査委員会の調査・研究報告書作成及び報告までの経緯について御説明いたします。  教科書調査運営委員会では,教科書調査委員長及び副委員長,各教科書調査委員会の委員長10名,有識者1名,市内中学校の代表保護者2名に御協力いただき,教科書採択において開かれた採択を推進するため調査・研究を進めてまいりました。  令和6年5月17日,第1回目の委員会を調布市グリーンホール小ホールで開催し,この中で調布市教育委員会から令和7年度使用調布市立中学校及び小・中学校特別支援学級教科用図書の調査・研究について依頼されました。この諮問を受け,同日に第1回中学校教科書調査委員会を調布市グリーンホール大ホールで開催し,この中で調査委員会に対して調査・研究を行い,教科書調査運営委員会に調査・研究報告書を提出することを依頼いたしました。  また,中学校各教科教科書調査委員会を実施している間に,教科用図書の見本本に関しては,市民の皆様を対象に展示会を行いました。期間は令和6年6月14日金曜日から6月30日日曜日まで,中央図書館と分館の市内3箇所で市民の皆様から御意見を募集いたしましたところ,39人の方々から64件の御意見を頂きました。お寄せいただいた御意見については,参考資料に記載させていただいておりますとおりでございます。御意見については,教育委員にお渡しし,御覧いただいて本日に至っております。  そして,中学校各教科調査委員会から提出された調査・研究報告書の内容については,第2回の教科書調査運営委員会において各教科調査委員会委員長から報告して,有識者や保護者代表から質問や御意見を頂きながら,調査・研究報告書としてまとめてまいりました。  有識者からは,実際に使用する生徒の視点から検討されていることがよく分かる内容になっている,保護者や地域の意見を聞くなど,公正性,透明性のある運営となっている,教科書のQRコードや二次元コードなどの情報をどのように活用していくかが重要である,発達段階に応じ学びが深まる内容になっているかについて議論していただいていることがよく分かったなどの御意見や御助言を頂きました。  教科書調査運営委員会といたしましては,デジタルコンテンツを使用した学習が充実するよう,ICT機器の活用について市の施策と関連付けることや,発達段階に応じて学びが深まるように示していくことなどについて共通理解を図りました。  こうした委員会から提出された調査・研究報告書の検討,協議により,適正かつ公正な採択の確保と開かれた採択とする経緯を踏まえ,調布市教育委員会に提出する調査・研究資料として適切であることを委員会で確認し,令和6年7月12日に報告書として調布市教育委員会に提出させていただきました。  まとめさせていただいた調査・研究資料は,資料2に記載があるとおりでございます。  教科書調査運営委員会の内容及び答申までの経緯については以上です。  続きまして,各教科の調査・研究の概要について御説明いたします。  調査・研究の基本的な方針といたしまして,各教科書会社の優れている点を見つけ出すということに視点を置いて取り組みました。  具体的な調査・研究に当たりまして,次に挙げる7点について確認してまいりました。  1点目は,学習指導要領の狙いや調布市立中学校に在籍している児童の実態を踏まえた基礎的,基本的な内容を押さえたものであるかどうか。  2点目は,内容,構成や分量が適当であるかどうか。  3点目は,生徒の発達段階を考慮した分かりやすい表現や表記がなされているかどうか。  4点目は,使用上の便宜として生徒が使いやすい工夫がなされているかどうか。  5点目は,学習指導要領の内容についての目標を達成するための工夫がなされているかどうか。  6点目は,教科書編集上の特筆すべき事項において,他教科との関連や特別支援教育への配慮が図られているかどうか。  7点目は,教科の特性に基づき,踏まえておく必要のある内容や新しい視点として取り入れられている内容にはどのようなものがあるかといった点についてです。  私からの説明は以上になります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。  それでは,これから教科ごとに各教科の委員長から説明をお願いいたします。資料と併せて前方のスクリーンも御覧ください。  初めに,星野中学校国語科教科書調査委員会委員長から国語科,国語と書写について説明をお願いいたします。星野中学校国語科教科書調査委員会委員長。 ○星野中学校国語科教科書調査委員会委員長  これから国語及び書写についての調査・研究を報告いたします。国語の調査・研究対象の教科書は4社です。  まず,東京書籍について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,新しい作家の作品を積極的に採用しています。古典教材は,基本的な作品が採られていますが,教科書に掲載する箇所に工夫が見られます。  次にB,構成・分量としましては,学年が上がるにつれ,文章量が増え,適切であると思われます。1年生の最初の教材を音声に関するものにするなどの工夫が見られます。教材の配列,構成は各学年とも発達段階に即したものとなっています。  次にC,表記・表現としましては,学年に応じて字のフォントが変更されており,考慮されています。  次にD,使用上の便宜としましては,生徒の色覚に配慮したデザインとなっています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各学年ともに最終ページに1年間の学習の見通しが立てやすくなる「言葉の力」一覧が掲載されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,フォントや色に配慮がされています。  最後にG,その他としましては,QRコードが配され,個別に学びを深めることができるようになっています。  続きまして,三省堂について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,各学年ともに物語文や説明的文章,古典のほかに話す・聞く活動,書く活動,情報のまとめ方等情報教育について取り扱われています。②については,各学年ともに「つけたい」力という領域別教材一覧が巻頭に載せられており,各単元において学習指導要領の重点を置く項目について表でまとめられています。  次にB。構成・分量としましては,1学年の「竹取物語」では,冒頭と月への帰還の場面一部が原文で書かれているものの,物語全体の大部分は簡単に現代語訳でまとめられています。  次にC,表記・表現としましては,物語の挿絵,説明的文章の写真資料,古典分野の資料,イラストなど視覚的な情報が多く配置されています。  次にD,使用上の便宜としましては,各学年ともに巻末資料が100ページ以上付いていることに加えて,巻頭にも資料が付いており,現行の教科書よりも厚さや重量が増しております。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各学年の巻頭に「思考の方法」というチャートを紹介する内容が取り扱われており,それらのチャートを活用した言語活動が紹介されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,デジタルコンテンツ内ではUDフォントが使用されています。教科書の上段,下段で情報が区別され,学習内容がまとまりをもって表記されています。  最後にG,その他としましては,QRコードからは朗読音声やデジタル漢字ドリル,解説動画,資料映像などを見ることができます。また,「話し合いの様子を録画して活動を振り返る」など,ICT端末を使用した個別最適な学びへとつなげる取組がされています。  続きまして,教育出版について報告いたします。  A,内容の選択についてです。②については,人とのコミュニケーション力を高める教材や命と向き合うことができる教材が用意されています。基礎・基本を考慮し,各教材から何を学ぶのか最初に確認できるようになっています。  次にB,構成・分量としましては,「少年の日の思い出」や「走れメロス」などの主要作品は3学期に扱う構成になっており,蓄積された学習や経験が生かされる構成となっております。  次にC,表記・表現としましては,表記・表現ともに考慮が見られます。字間や行間が適度に空いており,見やすい工夫がされています。  次にD,使用上の便宜としましては,大きな単元を設定し,そこにさまざまな種類の文章等を配置する工夫がなされています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,基礎的な学習内容を習得してからそれらを活用して高める学習内容になっています。教材によっては学習活動の流れとして学習手順が示されています。入試に似た問いに挑戦できる「学びのチャレンジ」が設けられています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,見やすい工夫がなされ,UDフォントが用いられています。  最後にG,その他としましては,特に古典においてQRコードが多く取り入れられ,デジタルコンテンツが豊富です。  続きまして,光村図書について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,各教材に指導事項と対応した「学びへの扉」を掲載することで,学習指導要領の趣旨と対応に配慮されています。②については,学校生活に関連のある学習場面を設定していることにより,児童・生徒の発達段階を十分に考慮した内容となっています。③については,巻末の指導事項と対応した「学びのカギ」に語彙を広げるための「語彙ブック」により,基礎・基本の確実な定着を助けるよう意図されています。  次にB,構成・分量としましては,学年が上がるにつれて日常生活から社会生活への広がりがある話題,内容の教材が設定され,生徒の発達段階に配慮した構成となっています。  次にC,表記・表現としましては,教材の指導事項ごとにページが色分け,統一された構成になっているほか,「学びのカギ」では例示が多く取り入れられています。  次にD,使用上の便宜としましては,学習事項や「語彙ブック」が巻末に資料としてまとめられており,学習事項が活用しやすく,使いやすいよう工夫されています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,学習指導要領に定める言葉の特徴や使い方に関する事項について「情報整理のレッスン」などの教材を設けて取り扱うことにより,基礎的・基本的な知識や技能の習得を図るとともに,それを活用して思考力,判断力,表現力等を高める内容になっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,UDフォントの使用や色に頼らず識別できる図表を配置するなど,ユニバーサルデザインへの配慮がなされています。  最後にG,その他としましては,書き込みや自己採点が可能な漢字,文法等の問題が収録されています。  以上で国語の調査・研究の報告を終わります。  続きまして,書写の調査・研究を報告いたします。調査・研究対象の教科書は4社です。  まず,東京書籍について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,初めに筆の持ち方,姿勢,墨の擦り方等を確認する部分があり,基礎・基本を確認することができます。  次にB,構成・分量としましては,基礎・基本の確実な定着を助ける構成・分量であると思います。「書写テストに挑戦」などが配置され,基礎・基本の定着の助けとなっています。  次にC,表記・表現としましては,挿絵が多く,分かりやすく使用されています。  次にD,使用上の便宜としましては,3年間分の掲載がされているため重量については多少やむを得ないと思われます。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,お礼状や年賀状の書き方を学習する際,話し合い活動を取り入れています。日常生活の中で学んだことを生かすことを促すような活動が配置されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,特別支援教育,ユニバーサルデザイン等に対する配慮がなされていて,UDフォントについての説明があります。  最後にG,その他としましては,QRコードが配され,個別に学びを深めることができます。  続きまして,三省堂について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,1学年では字形の整え方や筆遣い,筆順,仮名,大きさと配置,行書の特徴などについて取り扱っています。②については,2学年では行書における省略や筆順の変化,仮名の行書,場面に応じた書体の使い方などについて取り扱っており,3年生では文字文化の豊かさ,身の回りの文字について取り扱っています。  次にB,構成・分量としましては,「学習のはじめに」というページがあり,毛筆,硬筆における正しい姿勢や道具について写真で紹介されています。  次にC,表記・表現としましては,挿絵,実物写真,筆遣いの見本,書体が活用されている例など,視覚的な情報が多く配置されています。  次にD,使用上の便宜としましては,巻頭に「自分の字をよりよくするために」というページがあり,教材の構成や学習の流れについて視覚的にとらえることができます。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各学年とも「書きを学ぼう」という毛筆や硬筆におけるポイントやこつが教材と関連付けて提示されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,デジタルコンテンツ内ではUDフォントが使用されています。  最後にG,その他としましては,QRコードからは朗読音声や解説動画,筆順の確認,資料映像などを見ることができます。  続きまして,教育出版について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,基本点画が学習できる「天地」から始まり,学習指導要領に沿っている内容,教材であります。②については,学年ごとの課題が明示されています。③については,筆記具の種類や使い方,書くときの姿勢などが写真付きで解説されており,基礎の定着を助ける内容になっています。  次にB,構成・分量としましては,発達段階によって課題の難易度が上がる内容になっています。分量に関しても十分であります。  次にC,表記・表現としましては,基本的な知識,技能の解説において易しい日本語で表現されています。  次にD,使用上の便宜としましては,実用的な表現力を高める取組が織り込まれており,工夫されています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,個で考えるだけでなく,グループで話し合う場面を想定した活動例が挙げられています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,振り仮名が振られています。また,UDフォント,カラーユニバーサルデザイン,CUDが用いられています。  最後にG,その他としましては,デジタルコンテンツが多く取り入れられています。  続きまして,光村図書について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,全教材に学びのポイントを示した「学びのカギ」を設け,他の学習や日常生活でも学んだ基礎・基本,原理・原則が活用できるように配慮されています。③については,巻頭に「中学書写スタートブック」を設け,書写の基礎・基本を分かりやすく示しています。  次にB,構成・分量としましては,1教材1事項となるように教材を構成し,学習の狙いを焦点化することで,効率的に力を付けられるよう配慮しています。  次にC,表記・表現としましては,作品の写真や図はカラーユニバーサルデザインに配慮されていて,分かりやすく見やすいようになっています。  次にD,使用上の便宜としましては,「書写ブック」が取り外せるようになっており,手本を見ながらの硬筆練習がしやすくなっているなど,使いやすく工夫されています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,手書きの良さや毛筆,硬筆の使い分けについて話し合う場面を取り入れるなど,言語活動を取り入れた内容になっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,学習に集中できるよう,紙面構成は余白を大きく取り,すっきりとした構成にすることで,ユニバーサルデザイン等に対する配慮がなされています。  最後にG,その他としましては,毛筆での題字の書き方が動画で確認できるようになっています。  以上で書写の調査・研究の報告を終わります。 ○大和田教育長  以上で国語科の説明は終わりました。ここで国語科,国語と書写の質疑を賜りたいと思いますけれども,委員の皆様から質疑,意見がございましたらお願いいたします。毛利委員。 ○毛利委員  国語科について,1つ質問と皆様の検討状況について教えていただければと思っております。  現代において,日本語を使ったコミュニケーションというのはとても重要で,少し掛け違えると大きなトラブルになるような文字文化が進んでいると思います。その中で語彙数は大変重要になってくるのではないかと思うのですが,例えば英語の教科書では2,300が理解でき,800が使えるという具体的な目標が出ているのですが,国語に関してはどれくらい分かって,どれくらい使えるようになるといいかという目安があるのかどうか。私は知らないので,教えていただければと思いますのと,その辺りについてもし学習を進める上でどういうことが重要なのかということが話されているようであれば教えていただければと思います。 ○大和田教育長  星野中学校国語科教科書調査委員会委員長。 ○星野中学校国語科教科書調査委員会委員長  今の御指摘のとおり,基本的には語彙数とか語彙についてのどれくらいかということについては,数字的な明示はございません。普段授業を行って,教科書を活用しながら進めていく上で,言葉についての解説を補足として付けてくれている教科書会社も結構あります。  時代が変わってくる部分と扱われている作品の時代設定等も含めて,理解しづらい部分も最近増えてきております。今回の改訂の中である教科書会社については,教材を差し替えるという形で今の子どもたち,児童・生徒たちに理解できるようなものに差し替えていることが増えてきております。  また,代表作品として「走れメロス」とかは各会社で扱っているのですけれども,言葉についてもなかなか難しい言葉があります。ですので,その辺りは授業展開をしながら教員で補足説明していくとか,具体的に生徒に調べさせて,これは一体どんなことを言っているのだろうということを学びながら,児童・生徒たちの語彙力の向上に努めている状況でございます。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  状況がよく分かりました。ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  国語科は,国語と書写の2つから成っている教科です。その中で国語本体と書写の教科書は,同一の出版社によるものがよいのか,それとも必ずしも同一でなくてもよいのか,その辺り委員会で話題になったかどうか教えていただけたらと思います。 ○大和田教育長  星野中学校国語科教科書調査委員会委員長。 ○星野中学校国語科教科書調査委員会委員長  御指摘のとおり,基本的に同一の出版であることは多いかもしれませんが,私の今までの経験では,違う会社で採用されているということもありました。その辺りは特に問題ないと思います。  その辺りについて,委員会では特に話題に上がることもなかったので,詳細については相談して話をしていないのですが,各会社の特性とか使い勝手のよさの部分についての話は,委員会で行っておりました。 ○大和田教育長  臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。千田委員。 ○千田委員  先ほどの委員長の話にもあったのですが,ここにきてQRコンテンツの内容が大幅に増えて,国語科でも常にタブレットを持っていなければならないという状況も出てくるのではないかと思ってしまうところなのです。ただ,国語科の特性としては,本当にそれでいいのかというところも大いにあって,もし調査委員会の中でQRコンテンツの活用について話題になっていたら教えていただきたいと思います。 ○大和田教育長  星野中学校国語科教科書調査委員会委員長。 ○星野中学校国語科教科書調査委員会委員長  今の千田先生のお話の中で,私自身も国語というのは文字文化ですので,それを中心に学んでいくのがいいかと思うのですが,委員会の話題でもやはり国語は言葉に接する,文字を学んでいく,お互いにコミュニケーションを取るための言語活動をしていくというのが必要になります。  その方法とかやり方とか具体的にどうしたらいいか分からない場合,QRコンテンツはかなり役立っていくと思うのです。情報を集めたいというときに,今の時代,ストレートに着信を見たり確認することが必要になってくる場面が多くあります。そういうときにQRコンテンツを活用できればということで,そればかりではなくて,大事なところは押さえてという形での話は少し出たところでございます。よろしいでしょうか。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  分かりました。ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で国語科,国語と書写の質疑等は終了いたしました。  なお,教科用図書の選定につきましては,各教科の説明及び質疑終了後に順次行ってまいります。  次に,小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長から社会科,地理的分野と歴史的分野と公民的分野と地図について説明をお願いいたします。小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長。 ○小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長  社会科は,地理的分野,歴史的分野,公民的分野,地図と4つの分野の計21の教科書で調査してまいりました。  まずは,地理的分野の4社について報告させていただきます。  まずは東京書籍です。  A,内容についてです。①については,問いを中心とした課題解決的な学習の構成になっており,学習指導要領に基づき適切です。②については,各単元の導入部に小学校で学習した内容を振り返るページがあります。③については,授業の最後にまとめに当たる「チェック&トライ」が設けられており,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,ここに記載してあるとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各章のまとめでは数種類の思考ツールが掲載されており,思考力,判断力,表現力等を高める内容となっています。また,各章の導入,まとめでは,個人学習とグループ活動を行う「みんなでチャレンジ」という内容が取り上げられており,言語活動を取り入れた活動が可能です。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他については,ここに記載のとおりです。  続いて,社会科,地理的分野の教育出版です。  A,内容についてです。①については,章を見通した学習課題に基づいた学習が行えるようになっており,学習指導要領に基づき適切です。②については,単元の最後に「確認」するところがあり,学びを整理しやすくなっております。③については,キーワードが目立つようになっており,関連する資料も提示されていて,基礎・基本を定着しやすくなっております。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,この記載のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,各章のまとめでは数種類の思考ツールが掲載されており,思考力,判断力,表現力等を高める内容となっています。また,章のまとめではグループで話し合うコーナーが設けられております。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,社会科,地理的分野の帝国書院です。  A,内容についてです。①については,単元を通した学びが行える構成となっています。②については,生徒の発達段階を十分に考慮した内容です。③については,1単位時間の学習の最後に「確認しよう」「説明しよう」が設けられており,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,導入からまとめで見開きが分かりやすい構成になって適切です。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,単元の振り返りで文章や思考ツール等を使ってまとめられる内容となっています。また,「アクティブ地理」という特設ページが設けられており,言語活動を取り入れた学習が可能です。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,日本文教出版です。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づいた適切な内容です。②については,資料が豊富かつ本文が簡素にまとめられています。③については,授業の最後に「確認」「表現」が設けられており,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,見方,考え方が示されており,「スキルアップ」というコーナーが随所に設けられています。また,「学び合い」や「議論してみよう」などのコーナーが随所に配置されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,歴史的分野調査・研究を報告します。調査・研究対象の教科書は9社です。  まず,東京書籍について報告します。  A,内容についてです。①については,問いを中心とした課題解決的な学習の構成となっており,学習指導要領に基づき適切です。②については,「小学校の社会で習ったことば」が章の導入で挙げられています。③については,1時間の学習の最後にまとめに当たる「チェック&トライ」が設けられており,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各章のまとめでは数種類の思考ツールが掲載されており,思考力,判断力,表現力等を高める内容となっています。また,個人活動とグループ活動を行う「みんなでチャレンジ」という内容が取り入れられており,言語活動が可能です。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,歴史的分野の教育出版です。  A,内容についてです。①については,問いを中心とした課題解決的な学習の構成になっており,学習指導要領に基づき適切です。②については,丁寧な文体で小学校の既習事項が分かりやすくなっています。③については,欄外に用語説明があり,基本用語が確認しやすく,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  B,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  E,学習指導要領の工夫としましては,各項目の「確認」や「THINK」のコーナーの発問で,基礎的,基本的な知識や技能の習得及びそれを活用して思考力,判断力,表現力等を高める内容になっています。また,「表現」では言語活動を取り入れた内容になっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,歴史的分野の帝国書院です。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき内容,教材が適切で,課題解決学習にも適しています。②については,小学校からのつながりもスムーズで,生徒の発達段階を十分に考慮した内容です。③については,「学習を振り返ろう」の内容を活用して,基礎・基本の確実な定着を助ける内容です。  次にB,C,Dとしましては,御覧のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,各時代における内容が示され,基礎的,基本的な知識や技能の習得ができます。それを活用して思考力,判断力,表現力等を高めるような構成,内容になっています。また,「アクティブ歴史AL」や「ほかの人と話し合って章の問いを考察しよう」のページなど,言語活動を取り入れた活動に教科書を活用できる内容になっています。  次にF,Gは御覧のとおりです。  続いて,歴史的分野,山川出版です。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき,各時代を正しく配置し,適切です。②については,小学校の調べ学習が導入に盛り込まれています。③については,「まとめ」のページで基礎・基本の定着を助ける内容になっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,「~世紀の世界」が各時代のまとめにあり,思考を深める内容になっています。また,単元の最後に発表しやすい言語活動を意識した「まとめ」を取り入れ,対話的な学びが可能です。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,歴史的分野の日本文教出版です。  A,内容についてです。①については,問いを中心とした課題解決的な学習の構成になっており,学習指導要領に基づき適切です。②については,物事の背景や理由に着目し,歴史的事象を理解することができるよう考慮されています。③については,重要語句を中心に,内容が簡潔にまとめられており,基礎・基本の定着を助ける内容になっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,各章のまとめでは「チャレンジ歴史」というページが複数の資料を基に課題解決を図り,思考力,判断力,表現力等を高める内容となっています。また,各項目で「表現」という学習内容を説明する問いで言語活動ができるようになっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,歴史的分野の自由社です。  A,内容についてです。①については,資料が豊富かつ本文が簡潔にまとめられており,学習指導要領に基づいた構成,内容となっています。②については,小学校で学んだ人物が序章でまとめられています。③については,人物についての記述が多く,それが基礎・基本の定着を助ける内容になっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,調べ学習のページやコラムが豊富で,「時代の特徴を考える」のコーナーもあり,考えさせる内容です。また,「対話とまとめ図のページ」で言語活動ができるようになっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,歴史的分野の育鵬社です。  A,内容についてです。①については,学習のまとめで思考力を高める内容になっています。②については,「歴史の流れと先人の活躍」で小学校からの導入が図られています。③については,学習のまとめが設けられており,基礎・基本の定着ができるようになっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,「学習のまとめ」など調べ学習のページやコラムが豊富で,考えさせる内容が多いです。また,単元の間にある「歴史絵巻」には分かりやすい発問があり,導入としてだけではなく,既習事項の確認として言語活動ができるように工夫されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,歴史的分野の学び舎です。  A,内容についてです。①については,「学習内容の構造化と焦点化」を重視し,各時代の特色を理解できるように留意されています。②については,生徒自身で歴史像をイメージすることができるよう,各章の関連が図られています。③については,「~を振り返る」など,基礎・基本の確実な定着を助ける内容です。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,生活の困難を乗り越えようとする人々の姿など,主体的に社会の形成に参画しようとする態度を培うことができるように図られています。また,「学習のまとめ」では言語活動を取り入れた内容になっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,歴史的分野の令和書籍です。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づいた適切な内容であります。②については,小学校の学習も踏まえた構成で,全体として平易な文です。③については,小学校で学んだ人物,文化がまとめられており,基礎・基本の定着を助けています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,各章の複数箇所に「考えよう」という発問があり,教科書の内容を活用して,思考力,判断力,表現力等を高める内容となっています。また,さまざまな逸話を盛り込み,多様な視点を用いた言語活動が可能です。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,公民的分野の報告をいたします。公民的分野は6社です。  まず,東京書籍について報告いたします。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材です。②については,各章の「導入活動」と「まとめ活動」には共通の題材が使われ,学習の流れをつかみやすいよう配慮されています。③については,各単元の最後に基礎・基本のまとめができるように模式図など学習内容を整理できるように工夫されています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,各見開きの「チェック」では基本事項を確実に身に付ける狙いが,「トライ」では説明する課題があり,力を付けられるようになっています。また,単元ごとに深めようとして,学習内容を調査し,まとめる工夫がされています。  F,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,教育出版について報告します。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき内容,教材が適切であります。②については,生徒の発達段階を考慮した比較的理解しやすい内容です。③については,必要な政治,経済の用語などが網羅され,基礎・基本の確実な定着を助ける内容です。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜については,御覧のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,各見開きの「確認」では,基本事項を身に付ける狙いが,「表現」では説明する課題があり,力を付けられるようになっています。また,章ごとに「学習のまとめと表現」として,学習内容を調査し,まとめる工夫がされています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,帝国書院について報告いたします。  A,内容としましては,①については,学習指導要領に基づき,適切な内容,教材であります。②については,導入部分では問題提起をして,生徒が資料などを基に学習を進めることができるように配慮されています。③については,本文の脇に用語説明が載っており,基本用語の確認がしやすくなっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜については,御覧のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各見開きの「確認しよう」では基本事項を確実に身に付けられる狙いが,「説明しよう」では説明する課題があり,力を付けられるようになっています。また,章ごとに深めるために学習内容を調査し,学習を深めるために学習内容を調査し,まとめる工夫がされています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他については,御覧のとおりです。  続いて,日本文教出版について報告します。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材であります。②については,主権者としての社会参画を促すなど,発達段階が考慮されています。③については,重要語句を中心に内容が簡潔にまとめられています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,見開きの「確認」では基本事項を確実に身に付けられる狙いが,「表現」では説明する課題があり,力を付けられるようになっています。また,単元ごとに「チャレンジ公民」として,学習内容を調査し,まとめる工夫がされています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  続いて,自由社について報告します。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき適切です。②については,導入部分では問題提起をして,生徒が資料などを基に学習を進めることができるように配慮されています。③については,重要語句が太字になっており,分かりやすくなっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,「アクティブに深めよう」では,説明する課題があり,力を付けられるようになっています。また,章ごとに「学習の発展」として学習内容を調査し,まとめる工夫がされています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,育鵬社について報告いたします。  A,内容についてです。①については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材です。②については,導入部分では問題提起をして,生徒が資料などを基に学習を進めることができるように配慮されています。③については,重要語句を中心に内容が簡潔にまとめられています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,記載のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,各見開きの「確認」では基本事項を確実に身に付けられる狙いが,「探究」では説明する課題があり,力を付けられるようになっています。また,単元ごとに「学習のまとめ」として学習内容を調査し,まとめる工夫がされています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  次に,社会科,地図の調査・研究を報告いたします。調査・研究の教科書は2社です。  まず,東京書籍です。  A,内容についてです。①については,問いを中心とした課題解決的な学習の内容,構成で適切です。②については,各単元のキャラクターが気づきを提供できるようになっており,振り返りがしやすくなっています。③については,テーマごとに色分けされ,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  次に学習指導要領上の工夫としましては,随所にあるキャラクターの問いが思考力,判断力,表現力等を高める内容です。また,取り組みやすい言語活動を行えるような発問が随所にあります。  次に教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,御覧のとおりです。  続いて,帝国書院です。  A,内容についてです。①については,問いを中心とした課題解決的な学習の内容構成で適切です。②については,各単元に小学校での地図学習を振り返るコーナーがあります。③については,テーマごとに色分けされ,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成,C,表記・表現,D,使用上の便宜としましては,御覧のとおりです。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,随所にある「地図で発見」という問いが思考力を高める内容です。また,地域に関連した簡単に答えられる発問が随所にあります。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項,G,その他としましては,記載のとおりです。  長くなりましたが,社会科は以上です。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで社会科,地理的分野と歴史的分野と公民的分野と地図の質疑を賜りたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がありましたらお願いいたします。榎本委員。 ○榎本委員  この協議,また選定に当たって,調査の基本は教科書のよいところを探し出すとお話がございました。その上であえてお聞きしたいことがございます。今回の社会科の歴史的分野の図書は9社という多くの会社から提供がございました。  歴史は,国際的な問題も含めてそれぞれの立場による事実の受け止め方や認識による多彩な見方,判断が伴うと私は考えております。私も注意深く各社を拝見させていただいたところです。当然,検定本ですから,学ぶ図書としては問題ないと考えております。しかしながら,先ほど申しあげましたように,事柄のとらえ方や表現など,各社特色ある内容であったことも事実であり,今述べましたようにデリケートな部分でもあるのかなと認識しております。  そこで調査委員会の委員長様にお尋ねしたいのですけれども,私から感じる中で,この教科書は我がまちの子どもたちに本当にふさわしいのだろうか,どうなのだろうかと悩む会社の図書も私としてはございました。その辺の包まれてしまうような内容を委員会の皆さんがきちんと協議されたのか,ぜひ教えていただきたいと思います。ただし,この教科書のここがだめだとかということではなくて,そういうことをきちんと協議されているか,意見を皆さんで出し合っているかということをお尋ねしたいと思っています。よろしくお願いいたします。 ○大和田教育長  小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長。 ○小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。調査・研究の中では,山田委員長からありましたようにここに出された7つの項目について協議したところです。内容については,学習指導要領に基づきここに記載されてあるとおり,適切と調査の中で研究したところです。さまざまな国際的な立場に立ってだとか,さまざまな見解の視点に立ってというところでの調査・研究の中での協議はしておりません。  以上です。 ○大和田教育長  榎本委員。 ○榎本委員  様子が分かりました。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございますか。千田委員。 ○千田委員  私からは,教科書と少し距離が離れてしまうのですけれども,社会科の歴史でも公民でも地理でも,実際にその場に行って見学したり,取材したり,体験したりということがとても大事になってくるのかと。百聞は一見にしかずということで大事になってくるのかと思いますが,認識不足で知りたいのですが,中学校の3年間で修学旅行を除いて何年生でどのような社会的な体験をしているか教えていただけたらと思います。 ○大和田教育長  小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長。 ○小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。今の御質問は,社会科の教科としてということでしょうか,それとも学校行事も踏まえてでしょうか? ○千田委員  教科としてです。 ○小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長  教科としての体験活動という意味ですか。それは,どこか現地に出向いてといったことでしょうか。フィールドワークみたいな形ですか。教科としては,各校にそれぞれの教育課程の編成が任されているので,8校そろってどこかに行くということは特にしていません。ただ,フィールドワークみたいなことは工夫してやっている学校もあるかもしれませんが,そこのところは把握しておりません。  現実にできることとしては,今これだけICTの活用ができますので,類似体験等はICTなどのコンテンツを利用していると思います。申し訳ないのですけれども,詳細については,8校それぞれの強化としてのフィールドワーク等の実態は把握しておりません。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  社会科見学的なところとか,職場体験的な部分とかその辺りの社会科の学習としての位置づけはいかがですか。 ○大和田教育長  小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長。 ○小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長  社会科の教科としてということでお答えさせていただいたのですが,教科は総合的な学習の時間等との関連を深めるのが当然行われているところです。今,千田委員から御指摘のあった各中学校で行われている職場体験は,社会科の時間で行われているというよりは,総合的な学習の時間等で実施しております。  各学校は,地域の実態に応じて教育委員会と連携しながら職場体験を実施しています。その中でそれぞれの社会科と関連しながら体験は,各学校で工夫しながら行っているところです。職場体験は,各中学校で3日間実施しています。また,それに関連して社会科とつなげて,その後の自己学習としては,社会科の教科として学習している学校もあるかと考えています。  また,社会科見学についてですけれども,教科として行っている学校は少ないと考えています。学校行事として,都内巡りだとか鎌倉への校外学習などは実施しておりまして,それの事前学習として教科の時間を使ったり,また事後学習として教科の時間を使ってまとめの学習をしたりしている実態はございます。  以上でございます。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  分かりました。現地に行って見学するとか体験するというのは,確かに総合的な学習の中身でもあろうと思いますが,私も今回,中学校の社会科の教科書をずっと読んでいて,いろいろなことが関連してきて,総合的に見ていかないと中学校の社会科は深まらないのかと思いましたので質問いたしました。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。毛利委員。 ○毛利委員  私からは,公民的分野について質問させていただきたいと思います。中学校は義務教育最後の課程ということで,この後社会に出る若者もいるかと思います。その中で自分と社会とのつながりという視点が公民の中に含まれるのではないかと思いますが,その辺りの日ごろの教育活動等と教科書との関連について,何か研究されたことで特筆すべきことがあれば教えていただければと思います。 ○大和田教育長  小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長。 ○小坂中学校社会科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。御指摘のとおり,公民は中学校第3学年で学習する内容となっております。子どもたちが社会に出ていく義務教育最後の学年で,社会との強いつながりという意味で公民の学習をしているところでございますが,それぞれの自分事としてとらえるところでの学習は今深まっているところかなと考えています。  ただ,教科書調査委員の中でそれぞれの教科書がどれだけ深くなっているかだとか,次の上級学校や社会に出たときに,どのように役に立つだろうということでの一つ一つの教科書についての調査はしておりません。  以上でございます。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  ありがとうございました。様子が分かりましたので参考になりました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で社会科,地理的分野と歴史的分野と公民的分野と地図の質疑等を終了いたします。  ここでしばらく休憩とさせていただきます。午前11時35分に再開ということにさせていただきますので,よろしくお願いいたします。  なお,この休憩をもって各教科の説明員の入れ替えを行います。御説明ありがとうございました。 休憩 午前11時27分        ――――――――――― ―― ――――――――――― 再開 午前11時35分 ○大和田教育長  それでは,再開いたします。  次に,梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長から数学科について説明をお願いします。梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長。 ○梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長  それでは,数学科の調査・研究を報告いたします。  調査・研究対象の教科書は7社になります。  まず,東京書籍について報告いたします。42ページを御覧ください。  A,内容の選択としましては,内容・教材は適切であり,生徒の学習内容の理解を助けるQRコンテンツが豊富に盛り込まれています。また,繰り返し取り組めるだけの問題量もあり,基礎的,基本的な知識,技能の習得,定着を確実に助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,適切な内容,分量の問題が配列されており,知識,技能やそれらを活用する力が段階的に身に付く内容となっています。また,QRコンテンツでは,生徒の主体的な学びを支え,個別最適な学びにも対応するつくりとなっています。  次にC,表記・表現としましては,読みやすい紙面で二次元コードが定位置に配置されており,生徒の集中を妨げない工夫があります。また,具体的な写真を多く用いるなど,日常生活と結び付け,数学への興味,関心を高める工夫があります。  次にD,使用上の便宜としましては,記載内容を御一読ください。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,問題解決的な学習を重視し,数学的な見方,考え方を働かせ,振り返らせる工夫が随所に見られます。また,多様な意見が出やすいように対話シートが準備されており,自分の考えを表したり,共有したりする際,役立つ工夫もあります。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,他強化との関連がある内容には印が付いており,教科横断的に学習に取り組める工夫があります。また,見方,考え方についても「数学の目で振り返ろう」で明示されています。  次にG,その他としましては,記載内容を御一読ください。  続いて,大日本図書について報告いたします。43ページを御覧ください。  Aとしましては,記載内容を御一読ください。  次にBとしましては,学年進行とともに問題量などが増加していくなど,考慮,工夫が見られます。また,巻末に補充問題を設ける構成で,基礎・基本の定着を助ける工夫があります。  次にC,Dとしましては,記載内容を御一読ください。  次にEとしましては,全体を通して数学的な見方,考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質,能力を育成させる内容となっております。  次にFとしましては,さまざまな職業との関連が大きなスペースを使って図られています。また,学習の目当てや重要事項のまとめもはっきりと示してあり,重点が理解しやすいものとなっています。  次にGとしましては,シミュレーションソフトだけでなく,CBTに対応したコンテンツなども充実しております。  続いて,学校図書について報告いたします。44ページを御覧ください。  Aとしましては,記載内容を御一読ください。  次にBとしましては,必ず学習する内容と興味,関心や習熟度に応じて学習する内容がバランスよく配分されています。また,子どもたちのノートの使い方や節末の「確かめよう」など,基本的な問題が各章に配置されている工夫があります。  次にC,Dとしましては,記載内容を御一読ください。  次にEとしましては,子どものノートの使い方を明記し,章のまとめ問題で習熟度別に内容を確認でき,個に応じた基礎的,基本的な知識,技能の習得と,それを活用した思考力,判断力,表現力等を高める内容となっています。また,自分の考えを伝え,他者の考えを認められる仕掛けがあります。「数学的活動のページ」では,問題解決に向けた話し合いを通して,対話的に学習が進められる工夫も見られます。  次にFとしましては,「高校へのかけ橋」というタイトルで,中学校内容との関連のある題材を取り上げ,高等学校の数学に興味,関心を持って取り組むことができます。  次にGとしましては,記載内容を御一読ください。  続いて,教育出版について御報告いたします。45ページを御覧ください。  A,Bとしましては,記載内容を御一読ください。  Cとしましては,考えるべき事柄,例題を基にして解いてみる問題などが区別されており,大変参考になります。また,用語,記号は必要なものに精選してあり,以降の学習に利用できるものに限定が図られ,カラー印刷も適切なものとなっています。  次にDとしましては,記載内容を御一読ください。  次にEとしましては,具体的な問題場面を多く設定しており,数理的に考察,表現し,問題を解決する能力を高めようとしていると判断できます。また,「学んだことを活用しよう」の中に説明する問題が含まれていることから,子どもたちの話し合い活動を取り入れる工夫もあります。  次にFとしましては,章末の「数学の広場」などで高等学校数学へつながる発展的な学習内容に取り組めるようになっています。さらに,中学校数学での学習と関連付けてあるため,分かりやすいものとなっています。また,紙面デザインなども適切であり,生徒が集中して学習に取り組める体裁となっています。  次にGとしましては,記載内容を御一読ください。  続いて,啓林館について報告いたします。46ページを御覧ください。  A,B,Cとしましては,記載内容を御一読ください。  次にDとしましては,例題から問題演習の流れがまとまっており,分かりやすいものとなっています。また,スモールステップで問題解決ができるように工夫されており,大問を幾つかの小問に分けるなどの工夫もあります。  次にEとしましては,基礎的,基本的な知識や技能の習得に関しては適しています。また,「話し合おう」「説明しよう」の課題等があり,言語活動を取り入れたものとなっています。  次にFとしましては,全体的に見やすく分かりやすい構成となっています。また,重要な語句等に関してはルビが振られており,どの生徒にも分かりやすいものとなっています。  次にGとしましては,「問題発見・解決の流れ」など学習に向けて踏まえておく内容が書かれており,工夫されています。また,章や節の導入部分では,日常生活に関連付けた内容が紹介されており,数学を学習することの意義を感じさせる工夫もあります。  続いて,数研出版について報告いたします。47ページを御覧ください。  Aとしましては,「Link補充」としてQRコードが用意されています。生徒の個々の状況に合わせてこれを読み取って学びを進めていくことができる学習の個別化が図られています。  次にBとしましては,記載内容を御一読ください。  次にCとしましては,生徒同士の対話のやりとりが教科書に記載されており,生徒目線での疑問や論理の展開を目で追うことができます。  次にDとしましては,記載内容を御一読ください。  次にEとしましては,キャラクターの対話形式で書かれているため,文字だけでは表現し切れない考え方が分かりやすい工夫となっています。「学んだことを活用しよう」では,身に付けた内容を活用しやすく工夫が見られます。また,「TRY」として言語活動を取り入れることのできる題材が準備され,事業者の工夫が期待されます。  次にFとしましては,数学旅行の中でSDGsに関係する話題が書かれており,日常の数学とのつながりも多く扱われて,生徒の興味,関心をより引き出す工夫があります。  次にGとしましては,デジタルコンテンツの質がとても高く,生徒が自分で発展的な内容を考えることができます。また,調布市全体で用いているスタディーエイドの教科書データがあり,教科担当の活用の幅,子どもたちの活用の幅が広がります。  最後に,日本文教出版について報告いたします。48ページを御覧ください。  Aとしましては,適切な内容で「大切な見方・考え方」として,生徒にも分かる表現でどのように見方,考え方を働かせるのかが具体的に示されています。  次にB,C,Dに関しては,記載内容を御一読ください。  次にEとしましては,課題量は十分であり,生徒自身の学習進度によって追加で課題に取り組める配慮があります。また,「学び合おう」のページには,話し合いを通して学びを深めていくための対話シートも準備されています。  次にFとしましては,小学校算数の学び直しができるようになっており,さらに学習指導要領の範囲を超える発展的な内容にも取り組めるように工夫があります。  次にGとしましては,記載内容を御一読ください。  以上で報告を終わります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで数学科の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がありましたらお願いいたします。福谷委員。 ○福谷委員  理科では数学をツールとして用いていますが,必ずその数には単位とか意味があるわけですけれども,数学では必ずしも数自体には理科のような単位がないわけで,どちらかというと数の決まりとか仕組みという形で扱われると思うのです。ただ,導入の段階では教科書を見ましたら,やはり理科と同じように速さとかいろいろな形で数自体に意味を持たせて展開しています。  私が何でこんなことを聞いたかというと,正負の情報についてはそういう速さで扱っているのですけれども,除法については算数の掛け算から逆算してマイナスの負の数についての説明がされていたので,それはそうかなと思って。何が言いたいかというと,委員会の中で数の仕組みとか決まりと,理科のようないろいろな数に意味を持たせた導入の部分,数学では扱うときに比重はどうなのかなという話題というか,話し合いがあったかどうかお聞きしたいと思いました。よろしくお願いします。 ○大和田教育長  梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長。 ○梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長  福谷委員,ありがとうございました。質問いただいた内容ですが,2回の数学科の会議の中で導入に関しては特に重点的に見ていきました。特に数の意味を持たせる内容であるとか,除法の導入であるとか,具体的な例を示していただきましたけれども,子どもたちが興味,関心を持って導入題材にどうやって当たれるか,全教科書を通して見てそういった観点で調べています。なので話題としては,全教科書の導入部分が現在の調布市の子どもたちにとってどれがいいのだろうかという判断で見させていただいています。  私から以上になります。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。やはり導入では具体的な生活というものに密着せざるを得ないというか,そういう感じで数学も見させていただきました。  以上です。ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  御説明ありがとうございました。私からは,若手教員,仮に1年目から5年目ぐらいの教員が指導するということにおきまして,どういう観点が大切なのか,その辺り委員会で話題になったかどうか教えていただけたらと思います。お願いいたします。 ○大和田教育長  梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長。 ○梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長  2回の会議の中で,まずは子どもたちが自学習を進める上で,教科書の中でどれがいいだろうかという話であるとか,今お話しいただいた若手教員が指導する上で,例えば問題の配列であるとか,先ほど福谷委員からも質問いただきましたが,導入が子どもたちにとって身近なもので,かつ指導者としても取り組みやすいかという観点で調査を行いました。 ○大和田教育長  臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございますか。千田委員。 ○千田委員  2つ質問があるのですが,基本的なことなのだろうと思いますが,数研出版のGの③に,調布市全体で用いているスタディーエイドの教科書データは全然理解していなかったのですが,具体的にどういうものでどういう活用をされているか教えていただければと思います。 ○大和田教育長  梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長。 ○梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長  数学の定期考査の問題であるとか,日々子どもたちが活用する教材をつくる際に,スタディーエイドというツールが大変使いやすい状況がございまして,調査委員会を開く前に各学校の数学の教員に全体に周知を図ったところ,スタディーエイドを使うことができるのであれば,数研出版は特筆することができるよねという話になっています。  なので,特にスタディーエイドがなくて数学科の指導ができないということはないのですが,調布市が2つ前のときに数研出版を使っていた流れがあって,現在数学科の教員の中でこのアプリソフトを使って問題をつくる場面が非常に多いので,それがそのまま活用できるとさらに子どもたちに幅を持たせることができるかという話題になっています。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  ありがとうございます。もう1つ質問なのですが,実はある出版社の教科書の中に,必ず身に付けてほしい基本的な問題にマークが付いていたのです。これは,必ず解けるようになりたい問題としてあって,個に応じた指導を可能にしているのかと。これから個別最適な学びを推し進めていく中でも大事なところなのかと。ただ,私にとっては初めて見つけたところだったので,もしかしたら委員会の中でも他社にもそういうものがあるとか話題になっていたかどうか教えていただきたいと思います。ちなみにその出版社は東京書籍でした。 ○大和田教育長  梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長。 ○梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長  ありがとうございます。東京書籍以外も今,千田委員がおっしゃるとおり重要な語句等については重点的に例えば太字になってあったり,色分けされたりしているのですけれども,東京書籍に関しては特記すべき内容だろうということで話題になっていました。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  分かりました。ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございますか。臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者   先ほどのスタディーエイドの件なのですけれども,スタディーエイドというアプリケーションは,現在ここで名前が挙がっている数研出版以外の教科書でも使用できるというアプリケーションということですよね。 ○大和田教育長  梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長。 ○梶山中学校数学科教科書調査委員会委員長  今,臼倉教育長職務代理者から御質問のあったとおりで,数研出版以外の教科書でももちろん使用は可能です。 ○大和田教育長  臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で数学科の質疑等は終了いたしました。  次に,岡本中学校理科教科書調査委員会委員長から理科について説明をお願いいたします。岡本中学校理科教科書調査委員会委員長。 ○岡本中学校理科教科書調査委員会委員長  理科の調査・研究の報告をいたします。調査・研究対象は5社となります。  まず初めに,東京書籍について御報告いたします。50ページになります。  内容,教材は適切であり,各分野バランスよく構成されています。実験,観察についての説明も丁寧で,体験活動を大切にした内容になっています。  また,例題,章末問題,単元末問題は,基礎・基本の定着が図れるような内容となっています。  各単元の巻末にある「学習内容の整理」では,すべてに仮名が振ってあり,生徒の発達段階を考慮した構成となっています。  また,主要な言葉の部分は書体の大きさが大きく,難しい漢字には振り仮名が振っていて,見やすく分かりやすくなっています。  図や表などの色はシンプルに表現されており,色覚に関する個人差に配慮されています。  サイズは幅広のAB判で,本文横の写真や脚注も大きく取れていて,見やすくできています。重量は,1年生用は少し軽くなっており,形,サイズとも適切です。  各単元の最初にあるこれまでに学んだことなどの既習事項の振り返りから始まり,つまずきやすい内容には「例題」「練習」などの項目を設定するなど,基礎・基本を押さえるよう工夫されており,「構想 調べ方を考えよう」などの項目があり,探究の過程に直結した活動も配置されており,思考力,判断力,表現力を高める工夫がされています。  また,対話例を適切に配置し,自分の考えを持ち,他人の考えを尊重し協働的に学習する態度を育て,話し合うことで深い学びにつながるように構成されています。  続いて,大日本図書について報告いたします。51ページを御覧ください。  発達段階を十分考慮した写真や図が各ページで多く使用されており,視覚的にイメージしやすく理解しやすい内容となっています。  また,章ごとに章末問題,単元ごとに単元問題と細かく問題が用意されていて,演習を通して知識の定着を図る工夫がされています。  章の最初には,小学校の振り返りが載っており,復習としても分かりやすくなっています。また,初めに課題設定があり,課題解決に向けて観察,実験を計画して,分析,解釈できるような学習活動となっています。  構成・分量は,説明文の長さが適切な分量であり,簡潔に分かりやすく,内容を理解しやすい構成となっています。  また,思考力,判断力,表現力を高める内容として,読解力問題を設けており,活動しやすい構成になっています。  教科書のサイズは,生徒が持ち運びやすいものになっています。  特別支援教育に対する配慮として,多くの図や写真では,色合いがシンプルで見やすく工夫されています。  また,デジタルコンテンツは,実験の動画が視聴でき,作図やグラフ作成もデジタル入力で活用することができます。  続いて,学校図書について報告いたします。52ページを御覧ください。  基礎的な科学知識の定着を助けるための内容が豊富で,実験や観察の内容も充実しています。また,反復学習ができるような内容が組み込まれていて,特に練習問題の内容がよく,生徒が確実に学習内容を身に付けられるような工夫がされています。  発達段階に応じて難しい表記はなく,文章を読んで生徒が理解できる内容になっていました。  また,サイズについては,幅が広いため,1ページ当たりの空間に余裕があり,見やすく,全体的に生徒の発達段階に適したつくりです。  学習指導要領上の工夫として,学習のまとめが「用語を覚える」「基本問題に慣れる」という順序であるため,基礎的な知識を習得できます。  また,探究活動では「気づき」という項目があり,実験を始める前の導入として予想を立てさせるときに,生徒同士の言語活動ができる内容となっています。  また,写真が大きく見やすいため,ユニバーサルデザインに配慮されており,すべての生徒が理解しやすいようなつくりになっています。  さらに,SDGsに関する補充資料が追加されており,現代の課題についても取り上げられています。  デジタルコンテンツの内容が充実していて,資料集の代わりとしても活用できる内容となっています。  続いて,教育出版について報告いたします。53ページを御覧ください。  説明が分かりやすく,簡潔に明記しており,基礎の定着を図るための構成・分量となっています。特に実験内容や手順が分かりやすく明記しています。また,見開きで内容が完結していること,重要な語句については赤字で表記されており,一目で分かりやすくなっています。  言語活動については,「疑問を見つける」や「疑問」という項目があり,話し合いのきっかけができるような内容になっています。  特筆すべき事項として,「発展」という項目では,上級学校との関連が図れていること,また重要語句には振り仮名を振り,誰でも読みやすい教材となっています。  実験で扱う器具については,「基礎技能」という項目で分かりやすく説明しています。  新しい視点としては,日常生活に関係する内容が細かく説明している,関係する内容について他教科にまたがって説明があるということです。  デジタルコンテンツでは,必要に応じて補足となる内容がQRコードとして数多くあり,学習に対する理解の支援にもなる構成となっています。  最後に,啓林館について報告いたします。54ページを御覧ください。  章ごとに「用語の確認」や「この章でたいせつな考え方」などの項目で要点をまとめていること,自宅でも復習できるよう大切な用語の確認ができるコンテンツがあることが基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  併せて大切な部分,見せたい部分が明確になった分かりやすい写真や説明のイメージがわきやすい図や写真の掲載となっています。  また,使用上の便宜といたしまして,単元ごとに進めるための番号表記がないため,発達段階や各学校の状況に合わせて順番を選択して授業を進めることができる構成となっています。  重量については,各学年でページ数が異なり,発達段階に応じたものになっています。  学習指導要領上の工夫としまして,探究の進め方という項目は分かりやすい説明であり,実験や観察も探究の進め方どおりに構成されています。そのため,生徒は疑問から課題,課題から仮説,仮説から観察・実験,そこから結果,結果から考察という課題を解決していくための順序が明確で定着しやすくなっています。  教科書編集上の特筆すべき事項としまして,部活ラボ,お仕事ラボ,深めるラボ,防災減災ラボ,お料理ラボなど,学びの内容を身近な課題や他教科と結び付けられるコラムが載っています。  また,実験ポイントとなるやり方や実験事故の予防や対処法など,重要な部分は説明書きとともに絵でも表されており,視覚的にも理解しやすい構成となっています。  以上で理科の調査・研究報告を終わります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで理科の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がありましたらお願いいたします。福谷委員。 ○福谷委員  4点あるのですけれども,1点ずつでよろしいですか。 ○大和田教育長  はい。 ○福谷委員  まず1点で,教科書に載らなくても現場で展開すればいいのかと思ったのですけれども,理科は何のために学ぶのかという導入についての話題はありましたでしょうか。 ○大和田教育長  岡本中学校理科教科書調査委員会委員長。 ○岡本中学校理科教科書調査委員会委員長  導入についてというところなのですけれども,話題としてはまず生徒がすごくイメージがつきやすい身近なもので導入がなされているかどうかというところをポイントとして各教科書を確認していましたので,一番最初に出ておりました。  以上です。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。2点目ですけれども,理科の学びで各教科書を見ますと,研究へのステップということで見られるのですが,課題を見つけようとかどうしてだろうというのが初めに提示されていました。そうではなくて,まず観察,実験が提示された後,そこから生じる疑問とか関心というステップが大事かなと私は思うのですけれども,探究への提示についての教科書の扱いについて何か話はありましたでしょうか。 ○大和田教育長  岡本中学校理科教科書調査委員会委員長。 ○岡本中学校理科教科書調査委員会委員長  探究についてというところなのですけれども,いろいろなアプローチが話題になりました。やはりいろいろなアプローチの仕方の中で,一番生徒が取っつきやすい,分かりやすいところから,探究についてのアプローチについてもいろいろな教科書で話題にさせていただきました。  以上です。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。3点目になりますけれども,各教科書を見比べますと,個々の単元でアプローチの仕方が違うのに気がつくのです。特に2年生の電気と電圧,気象のところなのですけれども,各単元の扱いのアプローチの仕方みたいなので教科書を見る段階で何か話題があったかどうかお聞きしたいです。 ○大和田教育長  岡本中学校理科教科書調査委員会委員長。 ○岡本中学校理科教科書調査委員会委員長  ありがとうございます。今,単元の中で電気,電圧というお話がありましたけれども,特に生徒の中でもイメージしにくいもの,電気,電圧もそうですし,普段日常生活にあまりない物理分野についても,どのようにアプローチしていくのに役に立つ資料があるのかなというところも特にポイントとして話題に上がっております。  以上です。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。最後に,これも現場でやればいいのですけれども,理科室や実験器具についての扱い等に教科書が編集されている場合と,使っていない教科書もありまして,これは現場で実験室での約束とか使い方とか実験器具の何とかというのをやればいいのであって,教科書に必ずしもなくてもいいかなと思うのですが,教科書を選定する委員会でそういう話題はありましたでしょうか。 ○大和田教育長  岡本中学校理科教科書調査委員会委員長。 ○岡本中学校理科教科書調査委員会委員長  ありがとうございます。器具の使い方,安全につきましては,もちろん教員で指導いたします。ただ,具体的にどのような操作方法で行っているのかというのは,分かりやすい動画を使って,改めて理科室でも先生方で指導するというところで,もちろん分かりやすいというところでは話題にはなっていました。  以上です。 ○大和田教育長  福谷委員。 ○福谷委員  ありがとうございます。以上です。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  それでは,ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で理科の質疑等は終了いたしました。  次に,佐藤中学校音楽科教科書調査委員会委員長から音楽科,一般と器楽合奏について説明をお願いいたします。 ○佐藤中学校音楽科教科書調査委員会委員長  音楽科の調査・研究を報告いたします。  まず初めに進め方なのですけれども,音楽(一般)と器楽合奏に分かれておりまして,これはまとめて報告したほうがいいのか,それぞれ一回切って報告したほうがいいのか,教育長,そちらを教えていただけますでしょうか。 ○大和田教育長  まず音楽(一般)で御説明いただいた後に,合奏でまた説明いただくほうがよろしいのかと思います。佐藤中学校音楽科教科書調査委員会委員長。 ○佐藤中学校音楽科教科書調査委員会委員長  承知いたしました。それでは,まず音楽(一般)から説明していきたいと思います。  調査・研究対象の教科書は,音楽(一般),2社です。  まず,教育出版の音楽(一般)について報告いたします。56ページを御覧ください。  A,内容についてです。Aの②については,「ドレミの歌」から「大地讃頌」まで,発達段階に考慮しさまざまな楽曲を通して演奏能力を高めることができる教材を使用されています。  また,「Active!」のページでは,曲の特徴を比べることで,主体的,対話的な学びに結び付くワークシートが使われています。  ③については,教材の目当てや学びのポイントが見開き左側に簡潔に記されており,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,単元ごとの説明資料の分量が豊富であることや,観賞教材のページに時代を表す年表や関連する絵画が記されており,基礎・基本の確実な定着を助ける構成となっています。  次にC,表記・表現としましては,挿絵や写真などの資料が豊富で,楽曲に合った写真やイラストが楽譜と同じページに記載されており,楽曲をイメージしやすい表記・表現となっております。  次にD,使用上の便宜としましては,歌唱,鑑賞,創作ごとのページ構成となっており,使用上の便宜が図られています。また,紙質が丈夫で,軽く,扱いやすくなっております。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,歌唱,創作,鑑賞それぞれの項目において単元の導入部分で基礎的な事項を習得させ,終末においては話し合う活動を設定し,学習の定着を図る工夫が見られます。また,リズム創作や「Active!」のページでは,お互いの意見交換ができるワークシートが使われ,言語活動が推進できるようになっています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,折り込みページを使用したり,紙質を変えたりすることで,特別支援教育に対する配慮が見られます。  最後にG,その他としましては,「まなびリンク」によりウェブサイトと関連付け,動画の視聴やワークシートのダウンロードが可能となっております。  次に,教育芸術社の音楽(一般)について報告いたします。57ページを御覧ください。  A,内容についてです。②については,基礎から発展まで生徒の発達段階を考慮した内容や教材が使用されています。③については,「ワークシート」や「学びのコンパス」のページにより,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,歌唱から始まり,表現方法の工夫,リズム創作と着実に読譜や演奏能力を定着させる構成となっています。また,QRコードにより歌唱曲のパート別やピアノの音源や動画を視聴でき,基礎・基本の確実な定着を図る構成となっております。  次にC,表記・表現としましては,楽譜や音楽記号,作曲者,楽器の挿絵などが適宜使用されており,見やすく工夫されています。また,イラストの吹き出しにより鑑賞のポイントやアドバイスなどが分かりやすく表記されております。  次にD,使用上の便宜としましては,歌唱,鑑賞,創作の指導領域によって見開きの帯が色分けされ,使いやすい構成になっております。また,紙質が上質で破れにくく,印刷が鮮明になっております。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,歌唱,創作,鑑賞それぞれの項目において,単元の導入部分で基礎的な事項を習得させ,終末においては自ら考える活動が設定されており,学習の定着を図る工夫が見られます。また,「ワークシート」や「学びのコンパス」のページにより,思考を深められる言語活動が取り入れられています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,写真や図により内容が理解しやすいように編集されていることや,淡い色を使用することで特別支援教育に対する配慮が見られます。  最後にG,その他としましては,QRコードの資料や音源の質が高く,自主学習として活用できる内容になっております。  以上,音楽(一般)の研究調査・報告になります。  次に,教育出版の器楽合奏について報告いたします。60ページを御覧ください。  A,内容についてです。②については,さまざまなアンサンブル活動を通し,他者と協働して表現することにより,主体的,対話的な学びに結び付く内容になっております。③については,単元の導入には楽器演奏の際の姿勢や奏法が記載されており,学びの狙いからまとめの曲までを見通しをもって指導でき,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,易しい楽曲により取り組みやすい内容構成になっています。また,写真や学習を主体としたページ構成により,基礎・基本の確実な定着を助けるようになっております。  次にC,表記・表現としましては,折り込みページに運指表が載っており,見やすく工夫がされています。また,楽器の構え方や奏法等が写真や図で分かりやすく表現されています。  次にD,使用上の便宜としましては,楽器ごとに色分けされたインデックスにより検索がしやすくなっています。また,軽量で丈夫な紙質になっております。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,「表現の仕方を調べよう」のページでは,お互いの意見交換ができるワークシートにより,言語活動を推進することができます。  次にF,教科書編集上の特筆すべき項目としましては,「Let’s Try!」では難易度の高い曲が紹介されており,上級学校への接続が見られます。また,1ページ当たりの情報量を少なくし,余白を多く取ることで,特別支援教育に対する配慮が見られます。  最後にG,その他としましては,SDGsの目標の表記があります。また,まなびリンクではウェブサイトと関連付け,発展的な内容を視聴することができます。  最後に,教育芸術社の器楽合奏について報告いたします。61ページを御覧ください。  A,内容についてです。②については,アンサンブルや楽器でメロディの選曲が,生徒の興味,関心を引き,主体的に学習に取り組める内容となっております。③については,琴の曲において伝統的な曲だけではなく,J-POP等の楽曲を掲載させており,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっております。  次にB,構成・分量としましては,発達段階を考慮してさまざまな楽曲を取り上げ,基礎から応用に向けた構成になっております。適切な分量となっております。  次にC,表記・表現としましては,イラストの吹き出し等により演奏のポイントが分かりやすく表記されています。また,色合いが柔らかく,楽器の構え方や奏法等が写真で分かりやすく表現されています。  次にD,使用上の便宜としましては,ページの帯全体が楽器,アンサンブル,資料などに色分けされており,使用上の便宜が図られています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,基礎的な楽器の奏法を習得し,「My Melody」では自ら考え,旋律をつくる活動があり,思考力,判断力,表現力を高める内容が設定されています。また,「学びのコンパス」のページにより,言語活動や創作活動を推進することができます。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,写真が見やすいように配置されていることや,淡い色を使用することで特別支援教育に対する配慮が見られます。  最後にG,その他としましては,QRコードにより楽譜の読み方や楽器ごとの奏法動画,演奏音源を視聴することができ,知りたい情報をすぐに収集することができます。  以上で音楽科,器楽合奏の報告を終了いたします。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで音楽科,一般と器楽合奏の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がありましたらお願いいたします。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  それでは,質疑なしと認め,質疑を打ち切ります。  以上で音楽科,一般と器楽合奏の質疑等を終了しました。  ここでしばらく休憩とさせていただきます。午後1時30分に再開ということにさせていただきますので,よろしくお願いします。  なお,この休憩をもって各教科の説明員の入れ替えを行います。ご説明ありがとうございました。 休憩 午後0時28分        ――――――――――― ―― ――――――――――― 再開 午後1時30分 ○大和田教育長  それでは,再開いたします。  午前中に引き続き,各教科の説明を行ってもらいます。  次に,佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長から美術科について説明をお願いいたします。佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長。 ○佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長  美術科の調査・研究を報告いたします。  調査・研究対象の教科書は3社です。  まず,開隆堂出版について報告します。  A,内容の選択としましては,①,②ともに適切なものとなっています。③については,美術の基礎・基本が巻末に折り込み資料でまとめられており,基礎・基本の定着に役立つものとなっています。  次にB,構成・分量としましては,①,②ともに適切なものとなっています。  C,表記・表現としましては,①については記載のとおりでございます。②については,写真,文字等の発色が全体的に柔らかめです。また,写真の大きさや配置が独特です。  D,使用上の便宜としましては,①,②について美術1,美術2・3の構成は,中学生にとって使いやすく,重量等も標準的なものとなっております。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①,②ともに記載のとおりでございます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については安全・防災教育への関連が図られています。②については,書体や色遣いの面で考慮されています。  G,その他としましては,①,②については記載のとおりでございます。③については,導入やワークシートなどより実践的な内容となっています。  次に,光村図書について報告いたします。  A,内容の選択としましては,①,②ともに適切なものとなっています。③については,美術の基礎・基本としてまとめられた別冊資料が大変充実しており,基礎・基本の定着に役立つとともに,多くの学校で購入している副教材,資料集の代わりとして使えるものとなっています。  次にB,構成・分量としましては,①,②ともにバランスのよい構成・分量となっていて,特に写真の配置は美術科らしい美しい構成となっています。  C,表記・表現としましては,①については生徒の気持ちに寄り添った表現となっており,書体や大きさ,色の使い分けにより,見やすく,分かりやすい表記となっています。②については,写真が鮮明で美しく,異なる写真の大きさも配置が安定していて見やすく,情報を認識しやすい工夫がされています。  D,使用上の便宜としましては,記載のとおりでございます。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①,②ともに記載のとおりでございます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については他教科とのつながり,道徳科とのつながりがマークや吹き出しで分かりやすく示されています。②については書体や色遣いのほか,写真や資料のレイアウトもユニバーサルデザインを考慮し,整然と見やすいものとなっています。  G,その他につきましては,①,②については記載のとおりでございます。③については,紙面の美しさのほか,デジタルコンテンツの高精細画像や解説動画,360度立体写真など,全体的に美術館さながらのつくりで,美術書のように見ごたえのある仕上がりになっています。  次に,日本文教出版について報告します。  A,内容の選択としましては,①,②ともに適切なものとなっています。③については,美術の基礎・基本が巻末に折り込み資料でまとめられており,基礎・基本の定着に役立つものとなっています。  次にB,構成・分量としましては,①,②ともに適切なものとなっています。  C,表記・表現としましては,①については記載のとおりでございます。②については写真の発色は標準的です。また,写真も文章も多く,各ページの情報量は多めとなっています。  D,使用上の便宜としましては,①,②について美術1,美術2・3上,美術2・3下の構成のため,1冊当たりの重量の軽減が図られています。生徒は,2・3年次に上下2冊を課題に合わせて使用することになります。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①,②ともに記載のとおりでございます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については道徳科とのつながりが各ページの下に幾つか示されています。③については,書体や色遣いの面で考慮されています。  G,その他としましては,①,②については記載のとおりでございます。③については導入や表現のヒント,技法などの解説があり,習得や活用に生かすことができるようになっています。  以上で美術科の報告を終わります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで美術科の質疑を受けたいと思いますが,委員の皆様方から質疑,意見のある方,お願いいたします。千田委員。 ○千田委員  説明ありがとうございました。画集さながらの教科書になっていたり,それからQRコンテンツで作品を360度の方向から見ることができたりということは,すごい進化していると思いました。  それで,残念ながら,私が,QRコンテンツから入ることがなかなか難しかったので見ることができていないのですが,美術作品を鑑賞する視点から教科書,紙面にあるものとQRコンテンツで鑑賞するものとそれぞれのよさがあるだろうと思うのです。その辺り今回,教科書を調査されていた先生方はどんな感想をお持ちになっているかをお聞かせいただけたらと思います。 ○大和田教育長  佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長。 ○佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。美術科の目標にあります生活や社会の中の美術という側面と,美術文化と深く豊かにかかわる資質,能力を育てるという2つの側面が鑑賞にはあります。紙面の中では生活や社会の中の美術が流れを汲んで提示されていまして,美術文化との深い豊かなかかわりという面においては,デジタルコンテンツがかなり有効であると考えます。  生徒のクロームブックで教科書によっては読み取りにくい場合もあるのですけれども,ほとんどすべてのコンテンツが問題なく表示することができました。  以上です。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  分かりました。それは,各社共々デジタルコンテンツは充実しているということで捉えていいですか。 ○大和田教育長  佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長。 ○佐伯中学校美術科教科書調査委員会委員長  それぞれに特徴があります。3社ありましたが,開隆堂につきましては,身近な題材などのデジタルコンテンツが豊富であるというところです。光村につきましては,名画ですとか名作の立体画像ですとか超精密画像ですとか,そのような美術文化にかかわるところがかなり充実していて,画像も美しいものとなっています。日文に関しましては,作品をつくる際の資料の充実が図られているという3社の特色がございます。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  大変よく分かりました。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  それでは,ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で美術科の質疑等は終了いたしました。  次に,佐藤中学校保健体育科教科書調査委員会委員長から保健体育科について説明をお願いいたします。佐藤中学校保健体育科教科書調査委員会委員長。 ○佐藤中学校保健体育科教科書調査委員会委員長  保健体育科の研究調査を報告いたします。研究対象の教科書は4社です。  まず,東京書籍について報告いたします。  A,内容についてです。①,②については適切な内容,教材となっています。③については,各章の章末資料にコンテンツ資料や練習問題が充実し,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,①については発達段階を十分に考慮した構成・分量となっており,図や資料も見やすく配置されています。②については各項に提示された学習課題を追うことで,得られた知識を基に思考する内容が明確になり,理解が促される構成となっています。  次にC,表記・表現としましては,①についてはフォントの種類や大きさの使い分けによってとても見やすく表記されています。②については資料や挿絵のバランスがちょうどよく,情報の認識がしやすく記載されています。  次にD,使用上の便宜としましては,①については見つけるから課題の解決,広げるといったように1時間の流れがマークと一緒に示され,課題発見から活用までの流れが明確で分かりやすくなっています。②については発達段階に適したサイズとなっています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,①については学習課題を追うことで得た知識を活用するにおいて,事例を客観的に思考,判断できるような内容となっています。さらに広げるにおいて,自己の生活に照らし合わせ,思考力,判断力を高められるように工夫されています。②については各項の流れの中で個人で考えを文章でまとめたり,仲間と話し合ったり,表現したりなど,言語活動が促されるような工夫がされています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については各章の始まりに道徳科との関連が必ず記されているほか,自然環境や地震等の理科との関連,食生活や栄養素等の家庭科との関連が簡潔に記されており,系統的,発展的な学習につながるように配置されています。②については書体や色遣いの面でユニバーサルデザインが考慮されており,見やすいものとなっています。  最後にG,その他としましては,②,③については見開きの右下,巻末スキルブック等に二次元コードが配置されており,マークシートや動画,シミュレーションや思考ツールなどのさまざまなデジタルコンテンツが豊富に掲載されています。  続いて,大日本図書について報告いたします。  A,内容についてです。①,②については適切な内容,教材となっています。③については各章の学習のまとめで重要な言葉を中心に確認することができ,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,①,②ともに記載のとおりとなっています。  次にC,表記・表現としましては,①については発展段階を十分考慮した表現となっています。②については1単位時間の構成が左ページは本文,右ページが資料と統一され,数値を比較したり,データの変化に着目したりしやすいように工夫されています。  次にD,使用上の便宜としましては,①については学習課題の確認から学習のまとめまでの流れが分かりやすく工夫されています。②については記載のとおりとなっています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,①については本文や資料から得た知識を基に,やってみよう,話し合ってみようを活用して学習に取り組むことで,主体的,対話的で深い学びにつなげることができるよう工夫されています。②については話し合いのための発問があり,対話を膨らませることができるなど,言語活動を意識した活動が設定されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については図や表を視覚的に理解できるように配置することにより,発達段階や理解の程度に応じて学習を進められるよう工夫されています。②については記載のとおりとなっています。  最後にG,その他としましては,③については各章の最後にまとめ問題を二次元コードで配置することで,これまでの学習で得た知識を確認したり,振り返ったりすることができるように工夫されています。  続いて,大修館書店について報告いたします。  A,内容についてです。①,②については適切な内容,教材となっています。③については各章のまとめ問題が3領域別で整理されており,基礎・基本の定着を助ける内容となっています。  次にB,構成・分量としましては,①については発達段階を十分に考慮した構成・分量となっており,図や資料も見やすく配置されています。②については関連する内容やページ等が明記されており,学習の系統が分かるように工夫されています。  次にC,表記・表現としましては,①,②ともに記載のとおりとなっています。  次にD,使用上の便宜としましては,①については学習課題の確認から学習のまとめまでの流れが分かりやすく工夫されています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,①については学習のまとめでは発展的な課題提示がされており,自分事として考えたり,判断したりする力を高められる内容となっています。②については各項の学習のまとめにおいて,言語活動を意識した発問などが設定されており,対話を膨らませる活動が設定されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,②については書体や色遣いの面でユニバーサルデザインが考慮されており,見やすく工夫されています。また,フォントの使い分けによって重要な語句を視覚的に把握しやすいように掲載されており,主体的に知識や課題をとらえる助けとなっています。  最後にG,その他としましては,③については保体クイズにトライやウェブ保体情報館では,自己の課題に応じた情報活用ができるように工夫されています。その他のデジタルコンテンツでは,短い時間で情報を学習できるように配慮されています。  続いて,Gakkenについて報告いたします。  A,内容についてです。①,②については適切な内容,教材となっています。③については重要語句をキーワードとして設定されており,知識を身に付けるために工夫されています。  次にB,構成・分量としましては,①,②ともに記載のとおりとなっています。  次にC,表記・表現としましては,①については発達段階を十分考慮した表現となっています。②については図や資料の配置やバランスは標準的であり,整理して記載されています。  次にD,使用上の便宜としましては,①については学習課題の確認から活用までの流れが分かりやすく工夫されています。②については発達段階に適した形,サイズとなっています。  次にE,学習指導要領上の工夫としましては,①については提示されている学習課題や実践課題に取り組むことで,解決に向けた思考を促し,判断する力を高めることができるよう工夫されています。②については言語活動を意識した発問などが設定されており,対話を膨らませる活動が設定されています。  次にF,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については安全・防災教育への関連が図られています。②については書体や色遣いの面でユニバーサルデザインが考慮されており,見やすいものとなっています。  最後にG,その他としましては,③については生徒が自分でワークシートを活用することができるように,1単位時間ごとにデジタルコンテンツが掲載されています。また,リンクではさらに知識を付けることができるように,関連サイトへ案内する工夫がされています。  以上で保健体育科の報告を終わります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで保健体育科の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がある方はお願いいたします。臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  ご説明ありがとうございました。保健体育は実技教科なのですけれども,ICT活用の視点がどうもイメージができないのです。効果的な指導の事例を1つか2つで結構ですので,御紹介いただければと思います。  以上です。 ○大和田教育長  佐藤中学校保健体育科教科書調査委員会委員長。 ○佐藤中学校保健体育科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。保健体育科では,実技の面と保健の面,2つの面を授業で進めます。今説明を上げた保健の面では,各社ごとにいろいろなデジタルコンテンツを生徒自身が自分で活用することで,確かな情報を得ることができます。  実技に関しては,今現在,各中学校で行われているICTの活用としまして,まず1つは自分たちの活動を実際にクロームブック等を用いて撮影して,それを観察する,また友達や自分の動作の観察だけではなく,自分の動作を撮影したものをため込み,それを各単元ごとに最初の動作と終わりの授業の動作等で比較をする。そこで自分の課題に対しての練習の効果を客観的に判断するなどといった活用をしています。 ○大和田教育長  臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  よく分かりました。ありがとうございます。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で保健体育科の質疑等は終了いたしました。  次に,宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長から技術・家庭科,技術分野と家庭分野について説明をお願いいたします。宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長。 ○宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長  これから技術・家庭科の教科書の調査・研究を報告いたします。調査・研究対象の教科書は東京書籍,教育図書,開隆堂の3社です。  では,まず技術分野より発行者ごとに御報告いたします。  まずは東京書籍です。  Aについては,第1章の材料と加工の単元において,材料ごとではなく,「切断」「切削」など加工の作業別に分けられていて,その中で木材や金属,プラスチックなどの材料が併せて紹介されていることで,題材に縛られずに学習することができます。また,各単元においては,問題解決例が見開き1ページに問題解決の流れとともに明示されているため,その道筋の立て方がイメージしやすい構成となっています。  Bについては,「ガイダンス」において多くの製品,技術が写真などの画像とともに例示されるなど,資料が豊富に掲載されています。特に「技術の見方・考え方」が1つの製品を例にして1ページに簡潔に分かりやすくまとまっています。コンピューターの基本操作についても,主要ソフトの使用法なども細かく例示されています。  Cについては,学習の導入でページの初めの「レッツスタート」の欄にキャラクターのせりふの形式で問い掛けがあり,学習課題を考えやすくしているとともに,そのキャラクターが随所で説明することで,生徒の思考を補足することができます。また,製品や技術の例示が写真に加えイラストでの詳細な説明があったり,示し方もフローチャートなどが使用されたりしており,学習の流れが分かりやすくなっています。  Dについては,記載のとおりです。  Eについては,各単元で章が3つから4つに明確に分かれており,章ごとに「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」と重点が分かりやすく分かれています。  Fについては,ガイダンスページで小学校での学習内容との関連を単元ごとに丁寧に示すなど,つながりが意識されています。  Gについては,デジタルコンテンツとして動画資料が多く用意されており,1つの作業について左利きでの例も併せて示すなど,生徒の実態に合わせた内容が準備されています。また,生徒自身が操作できるシミュレーターなどのコンテンツがあり,授業において活用できる教材が多く掲載されています。  次に,教育図書です。  Aについては,問題解決の流れが4コマ漫画で描かれるなど,イラストで親しみやすいものとなっています。製作に関するものとしては,「題材例」「プチ問題解決にチャレンジ」などのタイトルで,各単元に製品の製作手順までが載った具体的な題材例が掲載されています。  Bについては,「ガイダンス」の項目では製品,技術の例示よりも問題解決の具体的な例示が多く取り上げられています。  Cについては,問題解決をするための考え方や流れが段階ごとに具体例が示されていたり,矢印で表記されていたりするなど,分かりやすくなっているとともに,全体的にも要所で漫画調の人間キャラクターが登場し,吹き出しで内容を説明することで,生徒の理解を促すことができます。  Dについては,記載のとおりです。  Eについては,「スキルアシスト」という別冊が組み込まれており,工具などの使い方や技能の自己評価を確認できるようにまとめてあるため,復習しやすく,生徒が自発的に活用しやすくなっています。  Fについては,記載のとおりです。  Gについては,デジタルコンテンツがQRコンテンツとしてまとまっており,ものづくりにかかわる作業紹介の動画やPDF資料を見ることができます。  最後に,開隆堂です。  Aについては,材料と加工の単元では,内容が材料ごとのページで手順がまとめられており,木材,金属,プラスチックの順に取り上げられています。  Bについては,「ガイダンス」では身近な製品を取り上げ,特に1つの製品について掘り下げて説明がされています。また,日常生活の中で実際に活用されている製品が多く取り上げられております。  Cについては,学習を始めるに当たり各ページの導入において,関連する図や写真と「○○をしよう」または「○○はなぜだろうか?」という形式の文章で学習課題を示すことで明確になっています。また,要所で漫画調の人間キャラクターが内容を説明することで,理解が深まるとともに,キャラクターの吹き出しに書かれた内容が課題解決や考え方のヒントにもなっています。  Dについては,記載のとおりです。  Eについては,各ページの終わりに学習内容のチェック欄が設けられており,ページごとに振り返りができるようにすることで,主体的な学びにつなげています。  Fについては,特別支援や色覚,人権教育に関する編集協力として,専門家の協力を得て作成されています。  Gについては,デジタルコンテンツが作業方法や技能についての動画が多く用意されておりますが,一部外部コンテンツとしてユーチューブなどの一般のウェブサイトにつながる仕様になっております。  では,次に家庭分野について御報告いたします。  初めに,東京書籍です。  Aについては,基礎的,基本的な事項について「いつも確かめよう」というページで調理や裁縫の基礎がまとめられていることで,生徒が作業の際に見直ししやすくなっております。  Bについては,小題材の初めに目標や学習課題が提示され,最後には「まとめよう」や「生活にいかそう」といったまとめの活動が示され,主体的な学びにつながります。  Cについては,生活の課題と実践において,実践例として生徒が実際に作成したレポートが掲載されており,参考になります。また,スナップ付けでは正しい例とよくある間違い例があったりすることで,生徒が自ら気づくことにもつながります。  Dについては,記載のとおりです。  Eについては,生活の課題と実践のページでは,課題の決め方,計画の立て方,まとめと発表の仕方,計画やまとめの読み方,聞き方が具体例に示されていることで,見通しをもって学習することができます。  Fについては,記載のとおりです。  Gについては,デジタルコンテンツの種類も動画や資料だけではなく,材料に関するクイズ,ワークシート,思考ツールなど8種類ございます。  次に,教育図書についてです。  Aについては,基礎基本について「調理の基礎を知ろう」や資料欄で調理や裁縫の基礎についてまとめています。  Bについては,写真や資料を多く配置し,情報量が多くなっております。小題材において,目当て,見つめる,学ぶ,見つめてみよう,振り返るのステップの構成となっており,主体的な学びにつながります。  Cについては,教科書には詳細な説明も提示された家庭内事故について,住まいの全体を俯瞰したイラストが掲載されています。生徒が自分で考える活動をするには,デジタルコンテンツのワークシートの活用が必要となります。  Dについては,記載のとおりです。  Eについては,章末にある「学びを生かそう」にある記録レポート用紙はまとめ方が提示されていて分かりやすく,生徒がイメージしやすいものとなっています。  Fについては,記載のとおりです。  Gについては,デジタルコンテンツについて,ページ右下の二次元コードを読み取るとリストが示されるとともに,外部のサイトにアクセスするものもございます。  最後に,開隆堂についてです。  Aについては,基礎・基本については,「調理の基礎」や「基礎・基本を知ろう」というページで,調理や裁縫の基礎についてまとめられております。また,二次元コードを要所のページの右上に表示し,さらに関連する本文にはQRマークが付いて分かりやすくなっています。  Bについては,小題材において学習の目標と学習課題が示されています。特に学習課題では,生徒に考えさせる質問となっており,生徒の主体的な学びにつながります。  Cについては,生活の課題と実践において,実践例として生徒が実際に作成したレポートや実践や発表の様子がさまざま掲載されており,生徒が見通しを持ったり,イメージを膨らませたりしやすくなっています。  Dについては,記載のとおりです。  Eについては,章末の学習のまとめでは,各観点の設問があるとともに,十分な記入欄が設置されています。また,「やってみよう」「考えてみよう」「調べてみよう」「話し合ってみよう」と言語活動につながる項目の種類が多く掲載されています。  Fについては,特別支援や色覚,人権教育に関する編集協力として,専門家の協力を得て作成されています。  Gについては,デジタルコンテンツについては二次元コードを読み取ると,そのページの内容に該当する動画や資料の画像が提示され,すぐ再生できるようになっています。また,外部のウェブページにアクセスするものもあります。  以上で技術・家庭科についての御報告を終わります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで技術・家庭科,技術分野と家庭分野の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がある方はお願いいたします。毛利委員。 ○毛利委員  調査の報告ありがとうございました。私からは,2点質問させていただきたいと思います。  まず1点目なのですが,技術分野について,調布では中学生は1人1台キーボード付きのクロームブックを使わせていただいていることになっておりまして,各教科に向けて活用していくということがある意味大事となっております。その活用の基礎を学べるのが技術分野になるのではないかと思うのですが,教科書に載っているコンテンツやどのように教えるかというところに関して,よろしければ委員会の中で何か検討があったりですとか知見があったら,1つ2つ紹介いただければと思います。まずそれでお願いします。 ○大和田教育長  宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長。 ○宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。ICTを活用した授業はどの教科でもやっているもので,その基礎となる使用の仕方を技術科で担っているところも多分にあるかと思っております。こちらに書かせていただいたとおりなのですけれども,やはりICTの活用が分かる内容は,コンピューターの基本操作がございまして,そちらでしっかりと授業でそのページを使いながら,実際に子どもたちがクロームブックを使いながら授業をすることで,技能を高めているという実態がございます。  その方法につきまして,まずはどのようにタイピングするのかという基礎を始めてから,その後授業でも使っておりますが,技術としてもレポートを作成させたりしながら,技能を高めていくという授業があるかと思っております。  以上です。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  ありがとうございました。イメージがわきました。参考になります。  続いてもう一点なのですが,家庭分野で質問させていただきます。家庭分野の教科書を見ますと,調理の部分,それから消費者としてどう振る舞うかという一消費者としての活動についての部分,それから地域や家庭,特に子育てにつながる部分の3分野があるかと思うのですが,教科書によってその登場順が違っているのですが,そのことについて委員会の中で何か意見が出ていたり,知見などあれば紹介いただければと思います。 ○大和田教育長  宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長。 ○宇田川中学校技術・家庭科教科書調査委員会委員長  御質問ありがとうございます。家庭分野におきましてはAからCの内容がございまして,その内容を各教科書会社がどのように並べるかというところは違うところがあるかと思います。  東京書籍は,家族,家庭から始まる流れになっているのですけれども,教育図書と開隆堂については,学習指導要領のA,B,Cの内容の順番に取り上げられております。その違いがこの3社ではあるかと思っております。  教科書を使うに当たって,各題材についてはいろいろと関連させながら学習することでありますが,流れについては年間指導計画は各学校の教員が決めているところもございますので,どちらのメリットもデメリットもあるかと思います。東京書籍のような流れで授業をやっていきたいという年間指導計画を立てている学校であれば,教科書どおりの流れになるかもしれませんが,各学校で流れが違う場合は,行ったり来たりということはあるかと思いますので,各内容でそろっているほうが使いやすいという学校もあるかもしれません。それは学校の実態に合わせながら使っていくということになりますので,そこで生徒の実態,各学校の実態に合わせるというところで,メリット,デメリットはどちらもあるかと思います。  以上です。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  ありがとうございました。各学校で検討して,必要に応じて前後させて使っているということですね。よく分かりました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で技術・家庭,技術分野と家庭分野の質疑等は終了いたしました。  ここでしばらく休憩とさせていただきます。再開は午後2時15分とさせていただきます。 休憩 午後2時7分        ――――――――――― ―― ――――――――――― 再開 午後2時15分 ○大和田教育長  それでは,再開いたします。  次に,澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長から外国語科,英語について説明をお願いいたします。澁江小学校外国語科教科書調査委員会委員長。 ○澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長  外国語科の調査・研究を報告いたします。調査・研究対象の教科書は6社です。  まず,東京書籍について報告いたします。  A,内容の選択についてです。②については,多くの国や地域,世界機関,日本文化等を均等に取り上げており,生徒の発達段階を十分に考慮した内容です。③については,各パートにPracticeとActivityがあり,基礎・基本の定着を助けます。また,教科書に英文を書くスペースがあるので,さまざまな方法で活用が可能なつくりとなっております。  B,構成・分量としましては,①については,1年Unit 1ではbe動詞と一般動詞を導入しています。小学校の外国語活動でしっかり英語を習得している生徒たちにとっては,表現できることが多く,楽しく授業に取り組める構成となっています。  C,表記・表現としましては,①表記・表現については,生徒の発達段階を十分に考慮した分かりやすいものになっています。Practiceに出てくるイラストや表現が文法事項の定着に大いに役立つものと思われます。  D,使用上の便宜としましては,①についてはセクションごとに本文,新出文法事項,練習問題,アクティビティがあり,着実に英語を身に付けることができます。②については,サイズがA4で扱いやすく適切です。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①についてはセクションごとのPractice,Activity1,2,Unit Activity,Stage Activityというスモールステップで思考力,判断力,表現力などを高める内容となっています。②については,Unit ActivityとStage Activityの最後に顔文字で自己評価をするところがあり,生徒たちが自分の上達を確認したり,振り返ったりすることができます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については社会科や家庭科などと連携が図れる単元や「将来のなりたい自分」についての考えを深めることができる話題や単元があります。②については,文字のフォントや写真など,特別支援教育に対する配慮が十分なされています。  G,その他としましては,③デジタル教科書については,教科書本文の音声や練習問題の英単語などを聞くことができるため,自宅学習に活用できます。画像を拡大することもでき,見やすいつくりになっております。  次に,開隆堂について報告いたします。  Aの内容の選択についてです。②については,パジャマで登校(1年),職場体験(2年),良い睡眠とは(3年)など,生徒の興味や発達段階を十分考慮しています。③については,単元の冒頭にScenes,Turning Inがあります。生徒たちが題材に興味を持ち,基礎・基本の定着を助ける内容となっております。  B,構成・分量としましては,②については,1年PROGRAM 1でbe動詞,PROGRAM 2で一般動詞を導入しています。1学期の最初に時間を掛けてbe動詞と一般動詞の復習と確認ができる構成となっています。  C,表記・表現としましては,①表記・表現については,生徒の発達段階を十分に考慮した分かりやすいものとなっています。特にScenesでは漫画のようなレイアウトにすることで,学習内容を易しく見せることができています。  D,使用上の便宜としましては,1についてはPROGRAMの最初にあるScenes for Basic Dialogsでは単元で学習する言語材料がまとめられています。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①については単元の冒頭にSpeak&Writeがまとまって記載されています。また,単元の終わりのReview&Retellで単元の内容を確認し,それを応用したActionがあります。幾つかの単元を学習した後,Our Projectという話す活動や書く活動を通して思考力,判断力,表現力等を高める内容となっております。②については,言語活動が単元の初めと終わりにあるので,生徒の実態に応じた順番で指導することができます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については海外の文化や最近の話題を多く取り扱っています。また,2・3年生では最先端技術やロボット等の内容もあります。単元学習が終わった後,生徒たち自ら学習し続けられる内容となっております。②については,文字のフォントや写真など,特別支援教育に対する配慮が十分なされています。目次の横にSDGsの目標が書かれており,意識しやすくなっております。教科書の両脇に単元のどこまで進んだかが点と線で明記されていて,分かりやすいです。  G,その他としましては,③デジタル教科書で新出単語を学習したり,選択問題に取り組んだりすることができる単語アプリがあります。また,デジタル教科書に音声と絵が現れ,英語や文字を少なめにしているため,自宅でリテリングの練習ができるようになっています。音声重視の学習を推進したつくりになっています。  次に,三省堂について報告いたします。  A,内容の選択についてです。①については,身の回りの問題や社会的な課題が題材になっているため,英語の授業を通して生徒がこれらの問題や課題について考えるきっかけとなります。②については,各学年の発達段階に応じたテーマが選択されています。ストーリーや話題が中学生にとって身近で興味がわき,話の続きが知りたくなるような題材を扱っています。  B,構成・分量としましては,①については2・3年生の長文読解は分量も十分な読みごたえのある分量となっています。②については,文法事項を定着させるためにLanguage Focusのページがあり,分かりやすくまとまっています。  C,表記・表現としましては,①についてはコミュニケーションの場面を自然に切り取ったようなイラストが生徒の興味をさらにかき立てるつくりになっています。サイドストーリーとしてスピンオフ漫画があり,生徒が英語に親しむ足掛かりとなるつくりになっています。  D,使用上の便宜としましては,報告書にあるとおりです。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①については各Lesson後にGoal Activityが設定されており,思考力,判断力,表現力等を高められるようになっています。4技能5領域がバランスよく配置されています。②については,Lessonの初めに基本文を導入し,その表現が使われている場面を確認することで,文法事項や文構造の理解を深めることができます。その後,学んだ表現を活用して言語活動に取り組むことができ,段階を踏みながら学びを深めることができます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①についてはほかの教科で学んだ内容を英語の学びと結び付けることで,学習内容の理解をさらに深め,より広い視野を持つことができるつくりになっています。ほかの国や偉人に関する内容を取り入れていて,社会科などとの関連が図られています。  G,その他としましては,③についてデジタル教科書において自分の発音を確認することができる発音チェックの機能があります。デジタル教科書は,資料映像が再生できたり,フラッシュカードの機能が付いていたりと,機能が充実しています。  次に,教育出版について報告いたします。  A,内容の選択についてです。②については,本文で出てきた単語の中で「小学校の発信語」という枠があり,小学校での既習内容を確認しながら復習することができます。③については,基本文や文法事項をレッスン末で単元として復習することができ,定着を図ることができます。  B,構成・分量としましては,②については各ページで扱われている英文量が多く,十分な学習内容になっています。  C,表記・表現としましては,②については写真が多く,生徒にとってよりイメージしやすく,身近に感じることができるつくりになっています。③については,挿絵は多めでビジュアルを通してイメージしやすくなっています。  D,使用上の便宜としましては,②については他社と比べて一回り小さいB5サイズであり,持ち運びやすくなっています。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①についてはペアでのやりとりを一問一答式で行うページがあり,即興的なやりとりの力を伸ばすことができます。②については,豊富な言語活動が取り入れられており,実際のコミュニケーションの中で既習の表現を自由に活用することができます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①について1年生は日常生活に焦点を当てた内容,2年生は環境問題や働くことなど社会的な側面に焦点を当てた内容,3年生は将来のことを意識することができる内容となっていて,他教科との関連が図られています。  G,その他としましては,③についてデジタル教科書は録音・再生機能があり,ネイティブの音声と自分の音声を比較できることで,英語力を上達させることができます。  次に,光村図書について報告いたします。  A,内容の選択についてです。②については,中学生にとって身近な話題やリアルなせりふ,話の展開など,生徒の興味,関心を引く内容になっています。③については,Active Grammarのページなど,キャラクターと一緒に基本文や使い方を確認でき,知識だけでなく英語を使う力も身に付けることができます。  B,構成・分量としましては,①については巻末「CAN-DO List」がカラーで見やすく,到達目標を随時確認できるため,見通しをもって学習を進めることができます。②については,Active Grammarのページなど,カラフルで見やすく取り組みやすい構成になっております。  C,表記・表現としましては,①については人権上配慮された題材や登場人物の設定となっています。性別を特定しない代名詞として,theyを使用する場面があります。②については,主語と動詞を色だけでなく,形でも識別できるようになっていて,色覚特性のある生徒への配慮があります。また,挿絵や写真が多用されていて,内容をイメージしやすくなっています。  D,使用上の便宜としましては,①については巻末付録が充実しており,ページ構成も紙面の大きさに変化を付けるなど工夫されています。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①については英語を使う目的,場面,状況が分かりやすい構成です。また,夢中になるような題材や話の内容をリアルな表現が使用されているため,ストーリーを楽しみながら,基礎的,基本的な知識や技能を身に付けることができます。②については,登場人物になり切って発信する言語活動が多く,思考力,判断力,表現力等を高めることができます。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については理科や社会,美術だけでなく,多文化共生の意識を育む教材や資料が使われています。また,SDGsに関する題材も幅広く取り上げられています。②については,基本文など重要箇所は太い線ではっきり囲んであり,ほかの情報と区別され,重要表現は太字になっており見やすくなっています。また,発達段階を考慮して英語の書体が変わっていて,日本語に対してもUDフォントが使用されています。  G,その他としましては,②についてはLet’s Talkという巻末資料やスピーキングテストや読み?活動などさまざまなコミュニケーション活動に活用できるつくりになっています。③については,デジタル教科書に自分の声を録音できる機能があるなど,機能が充実しています。ルビ振り対応や画面の明るさ設定など,ユニバーサルデザインにもたけています。  最後に,啓林館について報告いたします。  A,内容の選択についてです。②については,生徒の興味,関心を引きつける題材や日常的な話題から,社会的な話題まで,多様な題材が扱われています。③については,Target sentenceを用いたListen,Speak,Writeという構成で基礎・基本の定着を助ける内容になっています。  B,構成・分量としましては,①については巻末「CAN-DO List」がカラーで見やすく,到達目標を随時確認できるため,見通しをもって学習を進めることができます。巻末のWord BoxやWord Listを使用することで,より一層基礎・基本の充実を図ることができます。  C,表記・表現としましては,①についてはさまざまな人種や民族が登場し,国際理解,異文化理解を深めることができます。また,ジェンダーに配慮した設定になっています。②については,見やすい色合いの配色がなされており,小学校の単語やTool Boxなど,それぞれのカテゴリーが分かりやすくなっています。また,挿絵や写真が多用されていて,内容がイメージしやすいつくりになっています。  D,使用上の便宜としましては,①については巻末付録の充実やページ構成も工夫されています。  E,学習指導要領上の工夫としましては,①についてはUnitのTargetコーナーで文構造,文法事項についての説明があり,Focus on Formでは言語材料が系統的に整理されていて,基礎・基本的な知識や技能の習得につながっています。Sceneなどを通してコミュニケーションの目的,場面,状況などを明示しています。Let’s Listen,Listen&Talkで聞くことの思考力,判断力,表現力を育成することができます。②についてはEnjoy Chattingを設定し,即興的にやりとりする力の構成を図ることができます。また,Let’sシリーズでは実生活に即した場面や題材を取り上げていて,活用しやすいです。  F,教科書編集上の特筆すべき事項としましては,①については聞く,読む量を段階的に増やしていて,高校英語と接続を図っています。その後のアウトプットの活動も設定されています。②については,発達段階を考慮して英語の書体が変わっています。1年生ではユニバーサルデザインフォントが使用され,前半のUnitはWriteのパートでは4本線が引かれています。  G,その他としましては,③についてはデジタル教科書でTarget解説動画やスライドなど復習や自主学習に活用できるなど,内容が充実しています。使用アイコンなど多機能なデジタルコンテンツとなっています。  英語科の調査・研究報告は以上になります。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで外国語科,英語の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がありましたらお願いいたします。毛利委員。 ○毛利委員  調査ありがとうございました。たくさん見ていただいたようで,調査・報告のほうとても参考になります。私からは,1つ感想と質問をお願いしたいと思います。  まず,私も教科書にすべて目を通させていただいて,中学生に帰ったときの気持ちで読んだのですけれども,最近の教科書は中に同年代のキャラクターが登場していて,とても分かりやすい表記の感じがするのですが,その中でちょっと気になったのが,例えばある会社の教科書なのです。ニューヨークから転校してきましたというキャラクターの設定があるのですけれども,例えば髪の毛が金髪で,目が水色でというステレオタイプな身体的特徴をそのままずばり書いてしまっているものがありました。  英語を学ぶ目的としては,より多くの人とニュートラルにコミュニケーションをするためのツール,そのために勉強しているのに,こう言うと語弊があるかもしれませんが,先入観を持たせてしまうのはどうなのかなと思うのです。我々大人は先入観があるので,背景ですとか話の流れが容易に想像できて便利かもしれませんが,これからを担う中学生にとって,その先入観は逆にマイナスになると思うのです。スポーツ選手でも明らかに日本人で,日本語の名前を持っているけれども,全く日本語はしゃべれず,コミュニケーションは英語であったり,肌の色も髪質も全然違って,背もめちゃめちゃ大きいけれども,日本の義務教育を受けていて,日本語が達者で,もちろん日本の文化も分かる人もいらっしゃいます。  それぞれニュートラルな気持ちでコミュニケーションできる必要があると思いますので,そういったところの設定が濃過ぎるのが令和7年の教科書としてちょっと残念かなと感じた次第です。  そこで質問なのですが,研究会の中でそのようなキャラクターに関しての話題がもし出ていたら教えていただければと思います。 ○大和田教育長  澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長。 ○澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長  研究会の中では,当然いろいろな人種的なものとか性別的なものが多様な人を扱っている教科書のほうがいいねという話題にはなりました。一昔前の教科書に比べると,金髪で英語の発音が上手という子だけではなくて,アジアの子とかアフリカとかオーストラリアの方とか中国とか,いろいろなところのキャラクターが扱われている教科書が多いと思いました。  あとは,絵についてそれぞれの教科書で特徴的なものがあって,見ていて子どもたち受けしそうな絵から,昔っぽい絵だなという感じのものもありまして,それも見ている中ではこの絵が一番いいねという話題は出ていました。  以上です。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  ありがとうございました。話題に上っていて,先生方でいろいろと検討していただいていたということが分かれば,私もイメージが湧きました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。千田委員。 ○千田委員  御説明ありがとうございました。私が心配するのは,英語への苦手意識を持つ生徒が少なからず多くなっているというか気になるところなのですが,苦手な理由もいろいろあると思うのですが,やはり個に応じた学習とか個別最適な学びの辺りに期待したいと思うのです。  苦手な生徒への学びをサポートする内容について,私もその視点でずっと見たのですが,1社だけ見つけました。教科書の紙面2,3とその辺りのところを載せている会社もあったのですが,あとはなかなか見つからなかったのです。QRコードで家庭学習を推奨しているところがたくさんあったのですが,なかなか見つからず,その辺り調査委員会で話題になっていたら,具体的に教えていただければありがたいです。 ○大和田教育長  澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長。 ○澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長  やはりどの教科もそうだと思いますけれども,得意,不得意は生まれてくると思います。特に英語の授業が小学校から行われることになって,一昔前と比べると苦手というよりは,発音も耳もいい生徒が増えてきているように思います。  あとは,英語は昔から語学学校とか英語学習を進めている子は,特に英語力があるというのもありますので,中学校最初の段階で差は結構あったりしますけれども,個別最適な学びとしまして,デジタル教科書はすごく優れていると感じました。私たちが学生のころと比べると,英語の単語の発音を聞くことができる。昔は文字から想像して何となく読んでそれが間違っているということが多くありましたけれども,今は単語をタッチすれば発音が出てくるとか,本文も全部音が聞けるということで,興味,関心さえ持たせれば,家庭学習をどんどん伸ばしていくことができるのではないかということで,英語科の課題としてはいかに苦手意識をなくして,興味,関心を持たせるかというところが大事だということが話題に上がりました。  以上です。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  デジタルコンテンツを活用するということのメリットは,私にも大変分かるような気がするのですが,あえてある会社は,そこの紙面において個別に一人一人の学習をサポートするような中身があったものですから,質問させていただきました。  ただ,やはり教室の中にはなかなかついていけずにというお子さんも何割かいらっしゃるのかと思いますけれども,デジタルに結び付ける辺りの工夫なども多分たくさんされるのだろうと思いますが,そういう紙面の会社があったものですから質問しました。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかに御質問ございませんか。榎本委員。 ○榎本委員  例えば東京書籍に教科書に英文を書くスペースがあるので,さまざまな方法で活用が可能であると御説明いただきました。ほかの教科書でも当然書き込むスペースなどがあったりするのですけれども,書き込むときに子どもたちはシャーペンとかを使っているのでしょうか。そうすると先が非常にとがっていると思うのですけれども,書いたり消したりという作業の中で,紙質はこれで十分なのかとか,先生方御協議いただいたのか,その辺をお尋ねしたいと思います。 ○大和田教育長  澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長。 ○澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長  紙質に関しては,どの教科書もカラーで,ノートのような紙質というよりは,写真のような紙質で,書きやすさといえばノートには劣るというところは話題に出ていました。東京書籍だけではなくて,ほかの教科書にも自分でメモを取るとか書くスペースはあります。  以上です。 ○大和田教育長  榎本委員。 ○榎本委員  ありがとうございました。大変参考になりました。 ○大和田教育長  ほかにありますか。  私から1点だけ。先ほど澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長の説明の中で出ていましたけれども,前回と今回,英語で一番違うのは,数年前から小学校の教育課程の中で外国語が取り入れられて,教育課程として位置づけられました。それで初めて今回,中学校の教科書の改訂に当たっているのですけれども,小学校と中学校の連携という観点からすると,英語科として出版会社が同じほうがいいのか,それとも出版社が同じでなければいけないというものでもないのか。その辺の話題が出たのかどうか。出なかった場合は,委員長個人の意見でいいのですけれども,その辺のお考えはどうなのかお聞きしたいと思って質問しました。  澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長。 ○澁江中学校外国語科教科書調査委員会委員長  小学校からの連携という話題はあったのですけれども,教科書会社が同じかどうかという話題はありませんでした。教科書会社に関しては,小学校と中学校で同じ会社の必要はないと思います。小学校ではいろいろな表現を使った活動がメインでされていると思いますけれども,中学校になりますと教科書を読んだり書いたりということが増えてきまして,そこの中でこれは小学校でやったという表現に出会うことは多いと思いますが,キャラクターとかが統一されているということはないと思いますので,特に同じ会社でないと不都合であるということはないと思います。  ただ,途中で教科書が変わるような場合,1年生から2年生,2年生から3年生で教科書のチェンジが行われた場合に会社が変わってしまうと,連携が変なことになって不都合が出てくるというのは話題に上がっておりまして,もし教科書を変えるのであっても,1年で使った教科書はそのまま2・3年度に続けて使えるのがいいのではないかという話題になっておりました。  以上です。 ○大和田教育長  ありがとうございました。  ほかにございますか。      (「なし」との声あり) ○大和田教育長  ほかにないようですので,以上で質疑を打ち切ります。  以上で外国語科,英語の質疑等は終了いたしました。  次に,生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長から特別の教科道徳について説明をお願いいたします。生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長。 ○生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長  私からは,特別の教科道徳について調査・研究を報告いたします。特別の教科道徳の調査・研究対象の教科書は7社です。  それでは,調査の視点ごとに各社の特徴を報告いたします。  東京書籍について報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき発達段階を考慮した適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容になっています。  Bの構成・分量については,マークで構成を分かりやすく示していて,教材のユニット化で基礎・基本の確実な定着を助けるものとなっています。  Cの表記・表現は,読みやすく,分かりやすく,見やすく内容を深めるための効果的なものとなっています。  Dの使用上の便宜については,巻頭に道徳科の授業や教科書の使い方についての説明があり,有効です。重量,サイズも適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,「考えよう」「見つめよう」で思考力,判断力,表現力等を高める内容になっています。また,単元の要所に演じてみる問いやどのようなせりふを言うかなど,グループで考え,発表する問いがあり,言語活動の活性化につながるものとなっています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,小学校の教材が付録に掲載されていたり,同じ登場人物が3学年すべての教材に登場していて,変化や成長が見とれることとか,ユニバーサルデザインフォントの使用,QRコードから利用できる音読の再生速度が変えられるなどといったことが挙げられます。  Gのその他についてです。QRコードからすべての読み物教材の朗読,ワークシート,教材によって動画資料,他教科との関連資料を閲覧できます。  教育出版について報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  Bの構成・分量につきましては,適切です。教材のユニット化で基礎・基本の確実な定着を助けるものとなっています。  Cの表記・表現は,題名の下の問いが効果的です。教材は読みやすく,挿絵,写真等も分かりやすく見やすいです。  Dの使用上の便宜については,巻頭に道徳科の授業についての説明があり,有効です。重量,サイズ等も適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,教材に関連した役割演技など,思考力,判断力,表現力等を高める内容となっていて,言語活動を取り入れ,実践しやすい内容になっています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,小・中高へと学びをつなげていること,ユニバーサルデザインフォントの使用や改行位置の配慮などが挙げられます。  Gのその他についてです。QRコードからすべての教材の解説資料,教材によっては動画資料,ウェブツールも閲覧できます。  光村図書について報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき発達段階を考慮した適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  Bの構成・分量については,適切です。テーマを持ったユニットが設けられていて,基礎・基本の確実な定着を助けるものとなっています。  Cの表記・表現は,題名の右に内容項目がマークや言葉で示され,発達段階を考慮しています。挿絵,写真,図も見やすく,内容を深めるための効果的なものとなっています。  Dの使用上の便宜については,巻頭に道徳科の授業について学習の内容や学習の仕方についての説明があり,有効です。重量,サイズ等も適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,「考えよう」の問いが教材の内容をさらに深く理解するものになっていて,思考力,判断力,表現力等が高められる内容となっています。「やってみよう」「チャレンジ」は,言語活動を取り入れた活動になっています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,小学校の教材が付録に掲載されていたり,系統的,発展的に学習できる教材を取り入れていることや,ユニバーサルデザインフォントの使用などが挙げられます。  G,その他についてです。QRコードから教材によって朗読,動画資料を閲覧できます。  日本文教出版について報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容になっています。  Bの構成・分量については,適切です。ユニットが設けられていて,基礎・基本の確実な定着を助けるものとなっています。  Cの表記・表現は,登場人物が題名の下にイラストや写真で紹介されています。挿絵,イラスト等は見やすく,適切です。  Dの使用上の便宜については,巻頭に「道徳科での学びを始めよう」があり,有効です。重量,サイズ等も適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,プラスワンなど,思考力,判断力,表現力等が高められる内容となっています。言語活動を取り入れた活動も設定されています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,ほかの教科などとの関連が示されていることや,ユニバーサルデザインフォントの使用などが挙げられます。  G,その他についてです。QRコードからすべての読み物教材の朗読,ワークシート,教材によって動画資料,補助資料を閲覧できます。  Gakkenについて報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容になっています。  Bの構成・分量については,適切です。初めに道徳科で学ぶこと,考えることが示され,基礎・基本の確実な定着を助けるものとなっています。  Cの表記・表現は,キーフレーズやマークが発達段階への考慮になっています。挿絵,写真等は見やすく適切です。  Dの使用上の便宜については,教材の下段にメモ欄があります。重量,サイズ等も適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,「考えよう」など思考力,判断力,表現力等が高められる内容となっています。「話し合おう」という言語活動も設定されています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,教材に関連する現代的な課題がマークで示されていることや,ユニバーサルデザインフォントの使用などが挙げられます。  G,その他についてです。QRコードから教材によって動画資料,画像資料,ワークシート,デジタルツールを閲覧できます。  あかつき教育図書について報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき発達段階を考慮した適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容になっています。  Bの構成・分量については,発達段階を踏まえたものとなっていて,適切です。初めに道徳の時間について説明があり,基礎・基本の確実な定着を助けるものとなっています。  Cの表記・表現は,題名の右上に4つの視点のマークを示し,発達段階を考慮したものとなっています。挿絵,写真等も分かりやすく,見やすいです。  Dの使用上の便宜については,巻末に毎学期分の学習の記録があり,有効です。重量,サイズ等も適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,自分との対話が設定されていて,思考力,判断力,表現力等を高める内容になっています。「マイ・プラス」ではテーマを掘り下げる言語活動も設定されています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,巻末には現代的な課題等とのかかわりや他教科,領域とのかかわりが一覧で示されていること,ユニバーサルデザインフォントの使用などが挙げられます。  G,その他についてです。QRコードから教材によって動画資料,ウェブリンクを閲覧できます。  日本教科書について報告します。  Aの内容の選択については,学習指導要領に基づき適切な内容,教材を扱っていて,基礎・基本の確実な定着を助ける内容になっています。  Bの構成・分量については,適切です。初めに「クラスのみんなと道徳授業を創り出そう」があり,基礎・基本の確実な定着を助ける内容となっています。  Cの表記・表現は,マークやルビが発達段階への考慮になっています挿絵,写真等は見やすく適切です。4コマ漫画,漫画教材も多くあります。  D,使用上の便宜については,学習指導要領順に教材が配置されています。重量やサイズ等も適切です。  Eの学習指導要領上の工夫では,話し合い中心の教材があり,思考力,判断力,表現力等が高められる内容となっています。ウェルビーイングカードをきっかけにする言語活動も設定されています。  Fの教科書編集上の特筆すべき事項については,巻頭にテーマ別の目次があることや,ユニバーサルデザインフォントの使用などが挙げられます。  G,その他についてです。QRコードから教材によって動画資料,画像資料,外部リンクを閲覧できます。  以上で特別の教科道徳の調査・研究報告を終わります。 ○大和田教育長  ありがとうございました。以上で説明は終わりました。  ここで特別の教科道徳の質疑を受けたいと思います。委員の皆様から質疑,意見がございましたらお願いいたします。千田委員。 ○千田委員  教科書とちょっと離れるのですが,中学校は教科担任制ですよね。そうしますと,道徳は担任の先生が教えているのでしょうか。 ○大和田教育長  生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長。 ○生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長  学習指導要領でも触れているのですが,担任に限らず教員には,得意,不得意がありますので,それを生かしてローテーション指導しておりますので,多くの教員が1つのクラスの生徒とかかわり,評価も1人の教員ではなく多くの教員がかかわっているのがどの学校でも実施されている内容だと思います。 ○大和田教育長  千田委員。 ○千田委員  分かりました。私のイメージでは,担任の先生が自分のクラスの道徳の授業を進めていらっしゃるのかと思っていましたので,それだと研究がなかなか進まないのかと心配したところがありますが,そういうシステムになっていますと,より深く研究がされて,授業が進むということが考えられますね。ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  御説明ありがとうございました。特別の教科道徳は,教材が命とよく言われていました。そうした中,今回出版社によりましては,今現実を生きている著名人,有名人,スポーツ選手等が題材になっている教科書が見受けられました。現実を今生きている現存の人物によりますと,社会的な評価がまだ確立されていない方もいますし,この後もなかなか難しいこともときにはあるかと思います。  先日,国民的英雄とまで言われているある野球の選手が,海外に渡って大活躍している。その選手を陰になり日なたになりサポートしていた通訳が犯罪を犯すということで裏切って,その通訳の生き方が道徳の教材として扱われていたという事例がありました。  そういう点につきまして,教材に取り扱われる人物について,委員会でどういう話題になったのか教えていただけたらありがたいです。 ○大和田教育長  生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長。 ○生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長  今話題になっている人たちが教材として挙げられていることについては,生徒たちの興味,関心を引きやすい,導入で食いつきがいいということは話題になりました。  ただ,今お話にあったとおり,その人物が道徳として扱われているにもかかわらず,この間も体操の選手でしたか,喫煙とかでオリンピックに出るのをやめたという話がありましたが,道徳でいろいろ扱っているにもかかわらず,そうではない面が次の日にニュースで話題になるという危険性はあると思います。  ただ,学校で指導するに当たっては,これから先のこととか小さいときのこととかすべて引っくるめて教材として使うのではなくて,その優れた取組についてスポットを当てて指導していくという方向ではないのかなと思っています。次の日には覆ることもあるので,努力して頑張ってきた人がそうでなかったとなると,教育もやりにくいなと思っていますから,注意が必要だなと思っています。 ○大和田教育長  臼倉教育長職務代理者。 ○臼倉教育長職務代理者  ありがとうございました。 ○大和田教育長  ほかにございませんか。毛利委員。 ○毛利委員  道徳に直接関係あることではなかったのですけれども,今思い出してしまって申しあげさせていただくのですが,QRコードなどで詳しいコンテンツを見るときに,手元のノートブックからインターネットに接続できていないといけないと思うのです。  調布の中学生たちの接続環境について念のため確認させていただくと,教科書の選定の参考になるのかなと思いましたので。教科書自体の内容ではないのですが,教科書を選定する上で補足になるかと思いますので,質問させていただければと思ったのですが,どなたに質問したらいいか分からないですが,お願いします。 ○大和田教育長  生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長,お願いします。 ○生野中学校特別の教科道徳教科書調査委員会委員長  調布市では大分環境を整えていただいているので,問題ない場合が多いかと思いますが,万が一問題があったとしても,教員の端末がプロジェクターで投影できますので,道徳のコンテンツの場合には一人一人が違った作業をするというよりは,同じものを見ている場合が多いですから,投影することで問題なく授業が進むかと思います。 ○大和田教育長  毛利委員。 ○毛利委員  ありがとうございます。ほかの科目も大体そんな感じと考えてよろしいですか。参考になりました。ありがとうございます。 ○大和田教育長  それでは,以上で質疑を打ち切ります。  以上で特別の教科道徳の質疑等は終了いたしました。  協議の途中ではありますけれども,本日の協議はここまでとし,明日,引き続き協議いたしたいと思いますが,御異議ございませんか。      (「異議なし」との声あり) ○大和田教育長  異議なしとのことでありますので,さよう決定します。  それでは,明日8月1日木曜日午前9時30分に第5回臨時会を再開いたしますので,午前9時15分に御参集をお願いいたします。  これにて令和6年調布市教育委員会第5回臨時会を散会いたします。本日はどうもありがとうございました。           調布市教育委員会会議規則第29条の                                                 規定によりここに署名する。                                            教育長                                    委員