令和6年度第2回調布市公共交通活性化協議会議事録 開会 【事務局】 それでは定刻となりましたので,令和6年度第2回調布市公共交通活性化協議会を開催いたします。委員の皆様には,本日ご多忙の中ご出席賜りまして厚くお礼申し上げます。本日は概ね2時間程度の開催を予定しております。よろしくお願いいたします。 本日の委員の出欠でございますが,C委員,S委員,T委員につきましては欠席の旨をご連絡いただいております。またP委員の代理としてY様,M委員の代理としてX様,V委員の代理としてZ様にご出席いただいております。また副会長のB先生におかれましては,急遽都合のためWebでご参加いただいております。なお傍聴につきまして,本日先着10名まで受け付けることとしておりますので予めご承知おきください。それでは,まず会長から一言,開会のご挨拶をいただきたいと存じます。会長よろしくお願いします。 【会長】 皆さまこんにちは。ようやく本日はデマンド交通の実証実験を今後どうするかという話と,それから具体的に交通計画に向けた調布市の現状診断の方向性をお話ししていただく予定でございます。地域交通が変わらなくてはいけない時に差し掛かっているのが,現実的に日本の場合にはかなり大きいと思っておりまして,誰も取り残さないというSDGsであるとか,障害者権利条約だとかそういう問題も新たに出てきております。それから最近はジェンダーの問題をどう考えていくかということも新たに入ってくると思います。おそらく,バリアフリー局などはなく,ジェンダー共同参画課とかそういうものになっていくかもしれませんし,かなり大きな変わり目となってきますので,交通もそれらと同様にかなり大きな変わり目が来ていると思います。 具体的な例ですと,ライドシェアというのは,私は7,8年前に中頓別で実験をやった時には集中攻撃を浴びて袋叩きに遭っている状態でした。ところが,選挙の直前ぐらいからライドシェアというのが現実味を帯びてきています。これをどう位置付けるかというところで,福祉有償運送,市町村有償運送という運輸上の制度があるのですが,これは自治体がやるべきであると私は思っていて,自治体が主導でそれら人々のモビリティを守るためにやる方向性があるはずだということも,自治体の運輸関係の第一歩なのかなと思っています。 次の段階では,本当はバス交通も自治体にあるべきだと思っているくらいで,ビジネスという形態から住民に対するサービスという方向にどう転換するかが,ここ5年ぐらいの大きな流れかと思っていますので,そういう視点で皆さんも説明を聞いていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。 【事務局】 ありがとうございました。それでは議事に入ります前に資料の確認をいたします。今回タブレット端末または印刷物でお渡しをしております。今回資料が8点ございまして,次第のほか委員一覧,協議会の設置要綱,資料1,資料2,参考資料,その他報告資料1,その他報告資料2になります。それぞれ今回次第に沿って使用いたしますので,過不足ある場合は事務局にお声掛けいただければと思います。 なお本日の協議会は代理出席を含め20名の委員の皆様にご出席いただいております。要項第7第2項に規定する定足数に達しておりますので,ご報告させていただきます。それでは以降の議事進行を会長にお願いしたいと存じます。会長よろしくお願いします。 議題1 地域公共交通計画策定に向けた調布市公共交通の「現状診断」のための取組状況 【会長】 それでは議事に入りたいと思います。本日は2件ございますけれど,もう1件追加報告があると思いますので,速やかな進行にご協力をお願いしたいと思います。まず議題1ですけれども,地域公共交通計画策定に向けた調布市公共交通の現状診断のための取組状況について,事務局から説明をお願いしたいと思います。 【事務局】 それでは,「調布市地域公共交通計画策定に向けた調布市公共交通の『現状診断』のための取組状況」について,ご説明いたします。 本計画につきましては,昨年度中にお示しした令和6年度の取組内容について,本年度第1回活性化協議会により,さらに内容の充実を図ることをご承認いただきました。 本日は,このことについて,7月8日の承認後,8月中までに取り組みました状況について,ご報告させていただきます。 それでは,資料1の3ページをお願いいたします。 こちらは前回協議会にてご承認いただきました内容の再掲でございますが,簡単に振り返らせていただきます。 なお,一部補足しておりますので,その箇所が参りましたらお伝えいたします。 まず「(1)検討のアプローチ」として,データを活用して計画の「目指すべき姿」を示させていただくことといたしました。右の3つの丸が重なる図がございますが,大きくは「都市・地域の現状把握」や「交通の現状把握」,「移動制約者の現状把握」の三つの事項につながるデータを収集し,そのデータを活用した客観的な分析を行ってまいります。 次に「(2)計画において重視する考え方」ですが,こちらについては第1回協議会の説明を経て,少し内容を補足しております。 計画において重視する考え方として,高齢者や子ども,心身に障害を持つ方など移動に制約を持つ方々に対し,自立して移動できる機会を増やし,公共交通の利用が快適になるよう取り組み,右下の図のようにデータを活用,整理した現状把握について,移動における公平性を高めていくことを目指します。 次に「(3)計画策定・推進体制」ですが,計画策定・事業推進・計画及び事業の検証又は計画改定など,施策を具体的に推進するために,各方面が協力して取り組む体制づくりをしていく。このように進めさせていただけることとなりました。 これらの承認のもと,7月8日から8月末までに次ページ以降の取組を進めてまいりました。 それでは,4ページをお願いいたします。 この間の取り組みについては,大きく①から④に分類して取り組んでおります。詳細は次ページ以降でご説明いたしますが,①の「人の移動に大きく関係するデータを活用した空間的な分析」として,現在,収集を進めている行政又は運行事業者などの保有データを複合して,本市の地域公共交通を検討するための「現状」と「あるべき姿」について,視覚的に把握できるように作業を進めております。 また,②として,①の作業に資する「移動制約に関するデータの収集・整理」についても進めております。 ③の勉強会とは,国が示す交通施策の方向性や専門家の現状認識と今後の見解,また,それらを踏まえた本市の地域交通に関するディスカッションなど,現在求められている地域公共交通について,適切な認識を備えるための取り組みを行っております。 ④は勉強会の一環として,机上で整えた図や地域の声などを元に計画作成を進めるだけでなく,それが各地域にとって本当に適切な内容か,または地域の現状,実態を十分に取り入れた判断であるのか,それをどのように確認していくかなどを議論しつつ現地視察を実施したものです。 これらの具体的な内容を次ページ以降でご説明いたします。 なお,地域公共交通計画策定のアプローチを前回改めさせていただきましたので,調布市総合交通計画やその他関連する計画等などとの内容精査を進めていくことも,順次進めております。 5ページをお願いします。 前ページの①にありました「現状」と「あるべき姿」の視覚的な把握についてですが,収集したデータを用いてGISによる空間分析を進めております。 左下に図を掲載しておりますが,本市地図上に位置情報を持つデータを重ね合わせた図になります。この図は「バス停や鉄道駅から一定の距離がある地域を示すデータ」と「その地域に居住する高齢者の人口を示すデータ」を複合して視覚化したものです。 その他,バスルートやバス停,都市機能誘導区域,都市計画道路のほか,崖線なども落とし込み,各種データを視覚化してまいります。 なお,位置情報として取得するデータ群の一例を右下に掲載しております。 6ページをお願いいたします。 5ページのように視覚的な把握をするための情報として,昨年度までに実施したアンケートなどによる交通に関するニーズの収集・整理に加え,次の情報の収集に努めております。 まず,交通計画として運行経路検討の前提となる道路などのインフラや運行本数,運行時間帯などのサービスに関するデータ,人口分布,人流に関するデータなどを収集し,交通需要に対し交通網が十分な地域と不十分な地域の把握につなげていきます。 また,個人や世帯の属性別の移動に関するデータを収集し,運行経路や運行本数だけによらず,適切な移動手段の確保が難しい方々の把握につなげてまいります。現状の交通機関を利用するには,個人の年齢,心身の状態,経済的制約などにより難しいが,福祉関連事業などを利用するまでには至らない方など,検討に資する情報収集を進めながら,その定義の検討と合わせて進めております。 次に道路幅員や主要施設などの都市基盤や崖線などの地形についても,計画の在り方に大きく影響するため,「適切な移動手段の種類や規模」につながるように情報収集しております。 最後に既に実施されている福祉関連の移動に関する事業の把握ですが,この分野を中心に行政全般の移動に関する事業把握につなげてまいります。 下の表も一例ですが,取得を進めるデータを記載しています。前ページの位置情報データも重複して掲載しております。 7ページをお願いいたします。 こちらは,取り組みの一例についてご報告させていただきます。 本年度になって国の検討会より「中間とりまとめ」が新たに示されました。 また,現状の交通機関については,人口減少,労働者人口の減少や働き方改革による労働環境の変化,コロナ禍を経た生活動態の変化,燃料費を含む物価高など,国が課題としているものの影響が,バスを始めとする本市交通網にも顕在化してまいりました。 このため,本市においても「中間とりまとめ」で示された方向性と現在の交通施策や公共交通の動向について,並行して理解を深めていくとともに状況把握に努める必要があります。 このことについて,当協議会のA会長と中央大学研究開発機構の竹内准教授のお計らいにより,勉強会として土木計画学講習会の参加を含む計4回の機会をいただき,現在に至っております。 第1回の勉強会については,第1回協議会前に開催いただき,昨年度の協議会によるご指摘に対して,国が示した「中間とりまとめ」と,移動制約者に対するアプローチを題材に解説いただき,本年度第1回協議会にて直近の方向性を取り入れることができました。 また,第2回勉強会は,第1回協議会の振り返りとともに,本市の地図上に位置情報を含むデータを反映したものを何点か用意いたしまして,その着眼点,課題抽出,活用方法などをレクチャーいただきました。 土木計画学講習会は,一般参加者としての出席ではありましたが,本市関係者計8名の参加枠を確保していただき,バス・デマンドバスによる輸送の計画について複数の専門家による講演を拝聴し,また,専門家を含む参加者合同の相談会を行っていただきました。 第3回は現地視察を実施いたしました。詳細については次のページでご説明いたします。 8ページをお願いいたします。 第3回勉強会として実施いたしました現地視察の概要となります。 視察箇所の要件として,バス停や鉄道駅から離れている地域のうち,高齢化率が高い,人口密度が高い,子どもが多い,バス交通の満足度が低い,崖線,河川,市境などを複合した11か所について視察いたしました。 また,深大寺地域福祉センターでは,視察箇所を一例に,地域特性から生じる課題を仮定し,アプローチ方法,対策などディスカッションを行っていただきました。 これにより,今後,このような地域特性を持つ地域の移動手段を検討する場合の着眼点,情報収集,整理について,準備を開始することができました。 このように,前回の協議会以降2か月弱ではありますが,位置情報を有するデータで作成した資料の有用性を確認できたことや,検討手法を取得できたこと,今後もさらに検討が必要な事項が生じる可能性があることなど,計画に対するアプローチについて,一定の成果を得たと考えております。 9ページをお願いいたします。 ご説明いたしました①から④の取組より,計画推進について一定の成果を得ることができたと考えておりますが,その反面,今後留意すべき事項についても見えてきました。 現在想定する主なものとしては,(1)として移動制約者の定義やデータ収集についてです。 当然ながら,移動制約者に関するデータについては,個人情報を有するデータの活用も必要と考えております。計画に個人を特定する情報は掲載しませんが,データ収集時は個人情報ですので,所定のルールに沿った手続きが必要です。 またデータを構成する項目のうち,取得すべき項目の選定などにも時間を要します。 さらに,本市における移動制約の定義やアプローチについて,福祉分野の取り組みとの重なりを踏まえて整理することにも時間を要すると考えております。 このように,取得データの取得や分析,活用などについては,今後も詳細な検討が必要と考えております。 当然,分析結果については検証をおこない,追加の分析の必要性,関係各所に対する説明など,段階を追った手続きを経て計画に反映していくものと考えており,これらの手順が多数生じると思われます。 また(2)のとおり,運転手不足などを起因とするバス交通等の影響及び動向の把握です。 現在,交通機関の実情は大変厳しいものと多方面から伺っております。このような環境下において,市内で運行いただく交通事業者の内実を踏まえない計画となっては十分な意味を成さないこととなります。 一例として,本市におけるバスの運行改正について,本年3月以降は減便を中心としたものになっており,どこまで輸送量の維持ができるか注視している状況です。このような動向をしっかりと押さえた計画策定はもとより,現状における地域交通の可能な限りの維持にもつなげていくことも重要な場面となっております。 最後に,(3)のとおり,地域公共交通計画は,関係各所と協力して作成することが骨格となってまいります。 当然,各種データにより導いた分析結果などにつきましても,共有,協議する必要がございます。 このような留意事項につきましては,「現状把握」を適切に行うために十分な時間を確保することが必要と考えており,また,今後も策定を進める段階で色々な課題が生じてくると考えております。 これらも踏まえて,今後,検討を進めてまいりたいと思います。 簡単ではございますが,説明は以上です。 【会長】 はい,ありがとうございます。それではこれから質疑に入りたいと思います。何でも結構です。ご質問がある方は挙手いただき,所属と名前を仰ってから発言いただきたいと思います。 皆さまの発言の前に私からコメントさせていただきますと,9ページに移動制約者の定義付けやデータの収集とありますけれども,ずいぶん昔,英国のナショナル・トラベル・サーベイという調査がありました。ここには移動制約者の項目が沢山入っていて,私とそれから近畿大学の東條先生とそれぞれ大阪と東京で移動制約者がどのぐらいいるかという調査をした結果,かなりいるということが分かりました。当時,軽度のものも含めて扱うと25%ぐらいだったと覚えています。 ところが,日本の国土交通省が実施した当時のパーソントリップ調査では,大阪では移動制約者の項目が少し含まれていたのですが,東京の調査では項目が無かったという状況で,国自体が率先してデータをきちんと作っていないという面もあります。したがって,パーソントリップ調査というのは10年に一度,大きな都市から順番に小さい都市を対象に行っていますが,調布についても移動困難者,移動制約者のデータを項目として入れていないと思います。 そのため,パーソントリップ調査結果では集計できず,データがないなかで対策をどうしていくかという問題点が生じているのですが,現状の移動制約に関しては詳細な解析をしないといけない状況です。本当に移動制約者が増えてきていることと,国も今年度から計画に移動制約者という項目をいれましたので,これからきちんとデータを準備して対策を考えましょうという流れが,この(1)の意味としてありますのでご理解ください。 もう一つ,5ページのところに地図がありますが,今までバス停から 300m離れているところは交通不便地域となっていますが,若い人は 300mの移動は全く問題ないですが,高齢者のなかには300mでも行けないという状況もある。それらのデータを一律にして交通不便地域を考えるのでは十分ではない,というような議論もこれから必要になる。 それからもう一点は,住民からの要望で「うちは不便だ」というご意見があると思いますが,不便の定義をきちんとしないと,本当に不便なのかどうかわからない。それから,山の一軒家で人里離れたところに住んでいる人がいて「交通が不便だからバスを通してください」というのも大変な問題であるという議論もあります。そして,調布市でもバスが通れるのは幅員が 5.5m以上でないと通れない。そうすると,5.5m以下のところで駅から遠いところに住んでいる人は,不便を承知して住んでいるのか,承知しないで住んでいるのか,ここも認識をきちんとしていただかないといけないのかなと思います。 それから災害についても,今,能登半島が大変なことになっていますが,能登半島の今回の洪水被害箇所など,すでに500カ所位,どこが崩れるやすいなどのデータを国交省として持っており,危険なところには住まないということについても,住民はもう少し責任を持って考えていただいても良いのかなと思います。あるいは公共交通が不便なところは不便であることを自覚して住んでいただくことも今後においては必要になってくるのかなと思います。高齢になると,そのようなところに住んでいると自動車がない限り移動できないこともありますので,そこも考えて土地の選択をする必要があるのかなと思います。そのような意味で,公共交通における不便地域の概念自体も捉え直す必要性があるというところで,この5ページは書いてあります。これらが勉強会の中で議論した一つでもあります。以上,簡単に補足をしました。 皆さまからご質問,ご意見はいかがでしょうか。いきなり難しいかもしれませんので,ここの部分の質問は後からでも結構ですので,次の北部地域デマンド型交通実証実験について事務局からご説明いただいてということにしたいと思います。 議題2 北部地域デマンド型交通実証実験について 【事務局】 それでは,「北部地域デマンド型交通実証実験について」ご説明します。 資料は,資料2「北部地域デマンド型交通実証実験について」という資料を使用させていただきます。 1ページめくっていただきますと,本日の目次になっております。本日の主な内容は「北部地域デマンド型交通の運行実績」と「今後の方針について」の2点になります。 では,まず3ページをご覧ください。 北部地域デマンド型交通の運行実績について,8月末までに収集したデータを基にご報告をさせていただきます。 4ページをご覧ください。 デマンド型交通の利用者数は延べ905人,一日あたりの平均利用者数は4.6人でした。 天気別でみると,雨の日の利用者がわずかに増える傾向にあります。 5ページをご覧ください。 曜日別の利用状況をみると,金曜日が約2割で最も多く,最も少ないのは土曜日でした。 利用時間帯をみると,最も多いのは9時台と11時台ですが,時間帯による大きな差はない状況です。 6ページをご覧ください。 アプリ登録者数については,合計431人となっています。 デマンド型交通のチラシを運行地域に全戸配布した12月と3月,アンケートの配布と合わせてチラシを全戸配布した8月に登録者が増えています。 7ページをご覧ください。 7ページは月別のユニークユーザー数を示していますが,5月に一度少し減ったものの,6月以降,また微増傾向となっております。 8ページをご覧ください。 アプリ登録をした人の中で実際に利用をした人は119人でした。利用者のうち複数回利用をした人は74%で,リピート利用が多くなっています。 9ページをご覧ください。 予約を行った人の年代をみると,80歳代が最も多く,次いで30歳代が多くなっていて,対象エリア内にお住まいの方が7割以上を占めています。 10ページをご覧ください。 料金区分では,大人での利用が最も多く8割近くを占めているものの,免許返納者も1割を超えています。また,前回の協議会の結果と比べて,乳児・未就学児の割合が微増しています。 11ページでは予約形態を年齢別に示しておりますが,70代を境に電話での予約が多くなり,80歳代,90歳代においてはほぼ電話予約で利用されています。 12ページをご覧ください。 乗降ポイントの利用状況をみると,パレット深大寺店や梅の湯,ブランチ調布などの商業施設のほか,深大寺地域福祉センターや運行エリア外の杏林大学病院の利用が多いです。 湯の森深大湯やグループホームこぶしの花深大寺の利用は,前回の協議会ではランク外だったのが,トップ10に入るようになりました。 13ページでは利用の多い経路を示していますが,パレット深大寺店と梅の湯間での利用が突出して多くなっており,次いで湯の森深大湯とグループホームこぶしの花深大寺間の利用が多いです。 14ページのユーザごとの経路でみると,全体傾向と変わらず,パレット深大寺店と梅の湯間の利用が最も多いです。表を見ると,パレット深大寺店を軸に利用している人が多いことが分かりました。 15ページをご覧ください。 運行実績をまとめると,利用者・登録者数ともに微増傾向で,対象地域に住む80歳代が利用されていること,同じ施設間でのリピート利用が多いことや前回の協議会の時のデータと比較して,30歳代及び乳児・未就学児の利用が若干増加していることが要点として挙げられます。 これらの実績から,一部の利用者にはデマンド型交通が定着してきていること,また子育て世代への利用が増え始めていること,また今後も継続した周知活動や口コミをはじめとする地域内での広がりが必要であることが考えられるため,今後の検討に活かしていきたいと考えております。 次のページからは今後の方針について説明いたします。 17ページをご覧ください。 これまで北部地域では,ミニバス北路線の運行,ミニバス北路線の減便に合わせた北部地域巡回公共交通の実証実験,デマンド型交通の実証実験を行ってまいりました。 デマンド型交通は,ミニバス北路線を利用していた地域公共交通が必要な大人数・多世代の輸送を想定し運行を開始いたしましたが,運行実績からは利用者は少なく80歳代の利用割合が多いことが分かっています。 こうした状況から,運行時間帯などの提供するサービス水準や運行方法が,移動制約者のニーズとミスマッチを起こしている可能性が考えられます。一方で,現状こうした判断をするための,地域全体及び移動制約者の移動実態が把握できておらず,課題が生じています。 18ページをご覧ください。 今後の方針についてですが,デマンド型交通について,今年12月までを予定していた運行期間を延長したいと考えております。 理由は主に2点で,地域公共交通が必要な方の移動実態やニーズ把握をするためにこれまで収集したデータを詳細に分析するのに時間を要すること,また,デマンド型交通を定期的に利用し,生活の手段として定着しつつある可能性がある中で,事業を終了した場合の生活への影響を考慮しました。 実証実験期間中は,北部地域における交通モードを複合して考え検討すること,顕在する地域の移動傾向や潜在する移動制約者を把握するため,詳細にデータ分析を行っていくこと,地域住民とともに考え,協働し,施策に反映する機会を設けていくことの3点を軸に検討を進めます。 19ページをご覧ください。 まず,北部地域における交通モードを複合して考え検討するについてです。 北部地域のモビリティを検討する上で,デマンド型交通の運行実績だけを見て考えていくことには限界があります。バスやタクシー,シェアサイクル等の様々な交通手段を含め俯瞰的に検討していく必要があり,この考えを念頭に検討を進めてまいります。 20ページをご覧ください。 顕在する地域の移動傾向や潜在する移動制約者を把握するため,詳細にデータ分析を行っていくについてです。 デマンド型交通の利用実績などこれまで収集してきたデータや国勢調査等の既存データを顕在需要と潜在需要の観点から分析していきます。 顕在需要とは利用実績やアンケート結果から見える利用傾向などから判断できますが,潜在需要は利用したい人に情報等が届いていないことで潜在化している可能性もあるので,こうした状況把握に努めてまいります。 21ページをご覧ください。 地域住民とともに考え,協働し,施策に反映する機会を設けるについてです。 今後,地域に住民と市がともに協働する場を設けたいと考えています。 また,これまで地域と関わる中で,地形の高低差による移動困難が明らかになっているため,高低差を考慮した乗降ポイントの設置に努めてまいります。 また,乗降ポイントのデザインについても見えにくいと地域からご意見が寄せられておりますので,下記に記載のデザインに順次変更してまいります。 22ページをご覧ください。今後のスケジュールについてお示ししております。 12月で運行を終了する予定でしたが,今年の10月に協議会で運行内容について承認をいただき,国へ運行許可の申請を行います。1月から途切れなく運行できるように準備を進めてまいります。 また,アンケート調査の分析のほか,9月24日~10月5日の日程でモニター調査を行っており,その後ヒアリング調査を実施する予定です。 私からの説明は以上です。 【会長】 はい,ありがとうございます。ご意見がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。はいどうぞ。 【D委員】 先ほどの,北部に行く前の地域公共交通計画について質問です。多分総合的なことを言っていると思うのですが,非常によくまとまってらっしゃるとは思うのですが,書かれている具体的な意味っていうのかな,それを我々市民レベルで噛み砕いて頭の中で理解するためには,後ろについている参考資料を手に合わせながら説明しないと,最初からハードルがかなり高い。レベルの高い内容について質問してくださいと言われても,より身近な感覚でないと,なかなか把握ができない。自分の頭の中で整理ができない。何をしているのかと思って資料の後ろのほうを見たら例示もあったので,これを適宜差し替えながら状況が分かるように説明していただいた方がより具体的だったのではないかと思います。 【会長】 仰る通りだと思います。今から5分ぐらいで事務局から参考資料をご説明いただけたらと思います。最初のページの11ページから公共交通空白地域の人口がどれくらいいるのか,特に問題が多いところが①から⑤のところで,空白地域として問題が多いことを示している部分などを。 【事務局】 資料1の11ページ以降は,今回の協議会までに行った勉強会等を通じて作成した資料でございます。一つずつ,どのようなものか簡単に触れていければと思います。 これからご紹介いたします各資料ですけれども,まず前提として,どの図もバス停や鉄道駅から一定の距離がある地域に,赤い線などで記しております市内の崖線や河川,またはバスの運行経路,そのような地域的な交通に関係する事項を落とし込み,例えば先程の5ページの図では,さらに高齢の方の人口数を反映しております。その他の図についても,様々な条件の人口分布データを反映させて用意しています。今後は各図同士の重ね合わせなども試行し,本市において交通がどのような状況であるのかを視覚的に把握できればとの意図で,今回このような図を収集しているところです。 まず11ページですが,駅やバス停から離れている地域のうち,人口が多いエリアを視覚化してみました。例えば本市南部にはバス停や鉄道駅から離れている地域が横長にあり,その地域内の人口の多いエリアでは,駅の方向に崖線(布田崖線:赤い線)があるのだと。また国領町の右下には人口がかなり多い地域がありますが,ここも交通機関から離れていることが視覚的にわかるように図に示したところです。 次の12ページですが,昨年度,調布市全域を対象とした住民アンケート調査を実施しております。この調査の項目で「主にバスへの不満度が高い,満足度が低いエリア」という項目がありました。こちらを同じように図に落としたものです。色の濃いところは不満が高いエリアとなります。 この地域はバス交通について色々思うところがあるということを視覚化した図になります。 次の13ページをお願いします。 こちらは5ページ掲載の図のため割愛させていただきますが,やはり京王線南側にある崖線の下付近でバス停から離れている地域に高齢の方が多いことが視覚的に認識できるようにしました。 14ページをお願いします。 こちらは,高齢者の中でも75歳以上,後期高齢者と定義される方々はどのような分布にあるのかを視覚化したものです。やはり本市南側の崖線下に色が濃い地域があることが視覚化できました。 15ページになります。こちらは子どもの人口分布を反映したものです。 担当としては,この図をどう活用していくか,なかなかイメージすることができていないのですが,現時点で取得できるデータでしたので図としました。今後,移動制約の定義が整い,他の図と重ね合わせた時にまた何か見えてくるのだろうなと考えております。 16ページ以降は,バス運行事業者様から提供いただいたバス停に対する運行経路や運行本数を反映したものです。 17ページは京王バス様から提供いただいたデータを反映したものです。 次の18ページが小田急バス様のデータを反映したものです。 これらの運行データを反映した図については,担当が試行錯誤している段階のものであり,各バス運行事業者様と内容精査しておりませんので,その前提でご参照ください。 このような図により視覚化したものを見て行くと,自ずと地域交通の状況が見えてくるのではないか,ということで他の調査等とともに進めている状況です。簡単でございますが以上です。 【会長】 はい,ありがとうございます。それではご質問もしあればどうぞ。 【D委員】 非常に良い説明だったと思うのですね。やっぱり,ちょっと俯瞰からこう見ると,平たく言うと北部地域については人口エリアとしてはそんなに多くはないのだけども,密度多くないのだけども不満が多い,という内容になるのですよ。やはりこれって基礎的には多分押さえておかないといけないことなのではないかなと思うのですよ。そうしないと客観性が出てこなくて,何を持って不便とするのかっていうところを,みんな温度差が出る話だろうと思って。声が大きいからやるとかやらないとかって話じゃないと思うので。 それと,北部じゃなくて南部の方はいわゆる高齢の方について,お手伝いが必要な人たちが多くいるっていうことの実績が分かれば,いわゆる多摩川水害のことも心配なエリアになると思うけれども,色々な意味で多分調布のベースに反映している可能性があるのではないのかなっていうことがまた見て取れるし,それを持って交通モデルについても住民説明の時に大いに,もう少し大きく,先に説明した客観性をみんな立ち止まって考えられるのではないかなって思いましたね。ありがとうございました。 【会長】 ありがとうございます。すぐ近くの世田谷区で,30年ぐらい前に図集を作って,すでに人口がどのくらい住んでいるか,バス路線など,大きな図でした。その図を見るとかなり問題が分かる。問題がどこにどのように所在しているかということが分かって,じゃあデマンド型交通をやるのか,バスの増便をするのか,それともバスは減便でいいということにするのか,そのような判断は,データがあるとできるのですよね。今回はデータ・オリエンテッドのプランニングを立てるという流れの一つではあるというのが今回の取り組み状況のご説明だったと思います。 他にいかがですか。ご質問どうぞ。 【F委員】 うちでこの資料を事前にちょっと見てきたのですが,やはり交通空白地域の人口とかっていうのを見たときに,自分の住んでいる場所は他とは比較ができないので,その時にはもううちの仙川のエリアは交通空白地域の人口じゃないのではないかいうことを少し思ったりしたりしていました。それで減便になった時は,地域ではショックなことだったのですが,こうやって見ていくと,やっぱり先ほど仰っていたように,うちの地域は人口的にもあまりそうでもないのかなっていうことで,今日は発言をちょっとできない雰囲気だと思ってしまったのですが。やはり,福祉の調査には時間がかかると何度も仰っていて,あと先ほどの国の調査のことについても仰っていましたが,やはり地域においても元気でピンピンなので大丈夫と仰るのですけど,本当に声を出されない方たちや,バスが乗れなくなってしまったという時に,困りますということが仰れない。このバスに乗ればお買い物できるから大丈夫という話を聞くのですけど,本当に困る方って言葉にも出されず,そのまま移動が困難な人っていうことで外に発言されない人たちが,本当はとても大変だろうなって凄く思うのですけど,じゃあそれを公表した時にコアにその形をどういうふうにするのかっていう話の時に,地域において限られた市の中の財源をどういうふうにするのだろうなっていうのが,事前に少し見たときに,少しため息が出るようなものをすごく感じました。すごい方たちに作っていただけるSDGsの考えや,皆さんも全部含めて救いますというように会長が仰ったのは,どのあたりのところの一言かなということを感じました。 【会長】 今までの交通計画は採算性を前提としていて,採算性がなければ便数を減らすという流れでした。ところが,それでは高齢で移動困難な人あるいは障害を持つ人たちを福祉で全部対応できるかというとそうではない。ですから,交通でやれる範囲のことと福祉でやれる範囲のことで,両方とも対応できないという人は,また別に考える必要があると思うのですが,そのあたりをしっかりやるかどうかということで,こういうデータを今集め始めているという段階です。計画がすぐにできるわけではないのですが,数年のうちには,近い将来,2,3年のうちには計画がきちんとできるかなと考えています。そして,それを一歩ずつ進めて10年かけて行っていくような流れが作れると一番よろしいのかなと思います。今日などはその第一歩だと思っていただければと思います。 他にいかがですか。よろしいですか。はいどうぞ。 【G委員】 11ページは公共交通空白地域となっていて,他のページを見ると公共交通不便地域になっていますが,これは同じと考えてよろしいですか。 【会長】 それはいかがですか。 【事務局】 説明が足りず失礼いたしました。11ページで見出しに公共交通空白地域の人口と言う見出しをつけさせていただいています。これは11ページの右下のところにちょっと小さい字で書いてある文字がありますが,交通空白地域は駅から500m以上かつバス停から200m以上離れた位置。今回の資料の図の整理にあたり物理的な距離を考慮して,バス停と駅からそれぞれ一定の距離を定めて,そこまで歩いて何メートル以上歩かないとバスや電車に乗れないっていうようなエリアを出すために,一度公共交通空白地域という呼び方をさせていただいて書いたものでございます。 【会長】 今後,この定義はきちんとしないといけない。交通空白地域というのは空間上,昔はバスから200mとか300m,鉄道だと500m離れた遠くを空白地域と呼んでいる。バスは300m離れると空白地域という単に物理的な空間で言う場合が一つと,もう一つは300m離れているところは不便でもあるので,それを交通不便地域と定義する人もいる。だから自治体によって交通空白地域と呼んで単に物理的に空白,交通サービスがない部分と,そこは不便な部分であるということの両方をあまり区別せず使っていたのが今までです。 ここで使っている14ページの公共交通不便地域は,不満度が高い地域とは,まさに住民の7割以上の人が不便であると感じているところや,5割以上が不便であると感じているところを図化したものと,不便と交通空白地域がごちゃまぜになっています。その概念も整理しないといけないですね。定義を大事にするというのは,概念をごちゃごちゃにしないということがありますので,私もそこまで細かいことに気づかず失礼しました。 他にいかがですか。はいどうぞ。 【D委員】 先ほど,先生から交通だけでこの交通問題,交通だけではなく福祉の方でも見ないといけない。それで,両方で見れなかったところをどうするかというところは仰っていただきましたけども,多分そこはコミュニティという問題が入り込んでくるのだろうなと思うのですよね。つまり,両方差をつけてみて維持していかないと,この問題になる。やはり埋まらないところが多分出てきて,地域の人たちとその行政サイドのところで,公共交通,特に支え合う交通をどのように作るかというのは,そのコミュニティも含めた形で考えていくことが必要となると,多分地域住民のウェイトが高くなってくると思う。 【会長】 今までのように,地域住民と行政だけで考えていたらダメということですよ。交通事業者もいらっしゃる。そして日本の場合,交通事業者は儲かるということが前提のビジネスとしてやっているので,儲からないところは路線が無くなってしまうので,その儲からない路線を公共がどうカバーしていくかということからコミュニティバスやデマンドが出てきた。これも限界に来て,そこで本当に市民のモビリティニーズに応えるためには計画を作り,市はお金が足りないところはバス事業者やタクシー事業者などに補助を出し,そこを埋めてサービスをもう少し上げてください,というところまで行けるかどうかなんですね。 残念ながら日本の流れをみると,運輸は許認可ばかりやっている。計画はあまり立てていなかったが,それではまずいということで2007年ぐらいから一生懸命努力して,今まで運輸は計画を立てましょうということをずっとやってきている。なので,まだ過渡期ではありますが,過渡期であるがゆえに,調布もそういう形で住民のモビリティに対して最低限頑張りましょう,ということをやらないといけない時期にさしかかっています。事業者の協力と住民の協力がないとこれは実現できませんので,これからは総合力でやっていくということだと思います。 今日,実は国土交通省の会議が別のところであって,インクルーシブ・トランスポート・ストラテジーという戦略を読んでいたら,例えば航空でA空港とB空港を乗り換えるのに20分余計に待たせたということで,英国ではそれは去年までは96%あったけどこれじゃまずいよねと,98%に上げましょうという目標を立ててやっているようです。鉄道で例えると,JR東日本が障害者を30分も待たせたら,これは合理的配慮という観点ではアウトとなる。英国ではもうそれを法律化や戦略としているのに,日本のバリアフリーは全然やれていないという議論を今日はたっぷりやっていたのですが,そういう意味で,バス事業者が提供したところにデマンド交通とコミュニティバスをやっていてお茶を濁していると,このままでは人々のモビリティを守れない。だから,守るためにどうしたらいいかを戦略的に考えないといけないといけない。 例えば京王バスとか小田急バスは大手ですよね。大手がデマンド交通を経営できるはずがないのですよ。そうするとフランスでは,経営を子会社に委ねたり,地域のNPOだとかそういうところに委ねたりしているわけです。そういう構図が今は全くないので作らないといけない。だから地域でのライドシェアが出てきたというのは,そういう意味でタクシーの6割ぐらいの運賃で海外ではもう運行していますので,そうするともう少し安くやってくださる交通の会社をどこかで作らないといけない。それを調布市が作るかどうか,あるいは京王バスと小田急バスが協力してそのような仕組みを作ってくださるかどうか,そういう流れも出てきているので,そこをどうするかを今は真剣に考えて欲しいですね。 30年40年の交通計画を,少しパッチリと目を開けて作り上げて欲しいなというのが今の状況です。今日はそのスタートラインだと思ってください。スタートラインで1年,2年,3年,4年とやっていては困るので,2,3年でこういう方向に行きましょうと,業界の人もそのことを納得していただいて,業界と住民と調布市が一体となって取り組んでいくという時代が来たと思いますので,ぜひそういう頑張りをしてほしいと思います。 他にいかがですか。 それでは次に行かせていただきます。今日は,その他の報告があると思いますのでお願いします。 議題3 その他 【事務局】 本日は,その他報告事項がございます。今回の協議会開催にあたりまして,京王電鉄バス株式会社のJ委員よりご提供いただいた資料をご用意しておりますので,そちらをご覧ください。J委員,この後ご説明いただいてもよろしいでしょうか。 【J委員】 私から説明させていただきます。京王電鉄バス乗合事業担当のJと申します。よろしくお願いいたします。お手元の資料,私どもが用意したのは2点になります。1つ目がA4横の小田急バス・京王バス共同運行の吉14,鷹66,調35の各系統についての資料からお話させていただきます。 小田急バス様の内容についても私のほうで代弁させていただいてお話をさせていただきます。こちらについてはまだ完全に社内外調整が整っているものではありませんが,この会議の重要性と市内交通への影響の大きさ,そういったところを考えまして,この場を借りてお話をさせていただきます。 内容といたしましては,12月16日に小田急バス様と弊社が合同でダイヤ改正をやらせていただくという内容になります。皆様もご存知の通り,調布市内では,弊社と小田急バス様の共同運行の系統が数多くございます。これは過去の経緯などは割愛させていただきますけれども,共同運行というのは概ね1対1の運行回数比率でお互いの車両,人を出しあって,バス路線を運行していく,そういった運行形態の路線ということになります。これまではそういった運行の仕方に対して色々メリットが多くあったのですけれども,先ほどから議論にあります通り乗務員不足が深刻な状況になってまいりますと,例えば少し減回しようと思っても共同運行である以上,1本減らすということができず,どうしても1対1の関係上,2本,大幅に減らしていくことになり,微細な調整ができないというデメリットがあったりします。 あとは,それぞれの系統に対するお互いの会社の評価というのも違います。それは車庫の位置などの事情から,この路線を京王としてはもっと減らしたいけれども小田急バス様は維持したいとか,そのように評価も違ってくる,そういったところの事情もあります。 そういったところも鑑みまして,今回やらせていただくのは共同運行系統をどちらか一方の会社で運行するように変更するということをやらせていただくことになります。 資料に沿ってお話を改めてさせていただきますが,まず1番の対象系統,吉14系統,こちら吉祥寺から三鷹市役所,西原経由の調布駅北口への路線,こちらにつきましては12月16日以降,小田急バス様が単独運行という形になります。弊社は運行しなくなります。 続いて鷹66系統,こちらについては調布駅の北口から三鷹の方に伸びている系統ですね。途中の経由は先ほどの吉14系統と同じく,西原,三鷹市役所を通っていく路線ということで,こちらは逆に弊社京王バスの方で単独運行してまいります。 さらにもう一つ,調35系統,こちら調布駅北口から杏林大学病院へ伸びている路線,こちらについては小田急バス様の方で単独運行をしていくことになります。※印にありますけれども,この系統は小田急バス様の単独運行になるというところで,杏林大学病院からさらに伸ばして三鷹のほうまで伸びていくという形の運行形態になってまいります。これが今回の大枠での改正の内容というところの一つ目でございます。 なお,これらの系統につきましては,時刻変更もかけていくわけですけれども,大幅には変えることはいたしません。今の小田急バス様と弊社の運行回数を概ね維持していく方向で検討の方はしております。まだ確定ではありませんが,そういう方向性で検討しております。 これに伴いまして2番のところ,少し細かい話になってきますけれども,既にこれらの系統で定期券をお買い求めのお客様が多くいらっしゃいます。 まず一つ,このエリアの特徴的な定期券として,小田急バス・京王バス,その系統に限ってどちらでも乗れるよ,というそういった共通定期券という紙式のものがございます。こちら,今回共同運行をやめるという改正内容になりますので,こちらについては12月15日,改正の前日をもって発売を終了いたします。ただ,そのタイミングまでにお買い求めいただいた定期券,最長3ヶ月ですけれども,こちらは有効期限までは改正後もそのまま使えるというところで整理してございます。次回購入時についてはそれぞれの会社の定期券をお買い求めくださいというところでお話をさせていただければと思っております。 あと,事業者都合の払い戻しについても対応させていただきます。会社都合でご不便をおかけするお客様がいらっしゃいますので,こちらについては損が生じないように日割りでの払い戻しというのも対応させていただきます。あと,小田急バスのICの全線定期券,弊社の金額式定期券,モットクパスと呼んでおりますが,そういったところもそれぞれの利用する系統に応じて事業者都合の払い戻し対応を共通定期券にさせていただくということで,こういった掲示を10月の1週目にかけて各バス停に貼らせていただいて,事業者のホームページでもご案内をさせていただく予定でございます。ここまでがまず1ページ目のご説明になります。 続いてページをめくっていただきまして,2ページ目の方ですね。調01系統というところですけれども,これは調布駅南口から多摩川住宅中央行の系統で,品川通りを通って多摩川住宅の方に行ってぐるっと周ってまた調布駅に戻るという系統ですね。こちらも今小田急バス様と弊社で共同運行していますが,こちらについては全便京王バスの運行に切り替わりますけれども,こちらについては今までの話と少し話の毛色が変わりまして,この弊社の運行に切り替わるタイミングと同時に路線の大幅な再編を行わせていただきます。これはどういう再編かといいますと,※印に書いてありますが,改正日以降は調45,調46系統,これはどの系統かと申しますと調布駅南口から出て調布南高校の前を通って,多摩川の縁を走る系統ですね。こちらの系統と合わせた路線再編を行わせていただきます。 こちらの内容につきまして,このA4縦の資料で詳しくお話をさせていただきます。ちょっと繰り返しになりますけれども,こちらの内容も社内外調整が整っているわけではありませんが,影響の大きさに鑑みてお話をさせていただきます。簡単に言ってしまうと,この調01系統,今まで品川通りを走っていた系統を調45,調 46を中心にくっつけて効率的に運行させていただくという内容になります。今,調01系統につきましては,大部分が品川通りを通っている形になります。品川通りというのはバス停で言うと調布駅入口から国領七丁目までの区間を意味しておりますが,こちらにつきましては先ほど調布市様の資料に出てきましたけれども,小田急バス様の系統,弊社の系統含めて1日300便近い,非常に多くのバスが走っている通りになります。そういったところからすると,この多摩川住宅中央に向かう系統は多勢に無勢と言いますか,かなり品川通りのお客様の利用というのは相対的に少ない状況になっております。ですので,調01系統につきましては実質的な商圏と申し上げますか,お客様が期待できる区間というのは多摩川住宅の周辺に限られるというところで,正直申し上げてあまり採算としては良くない路線となっております。ですので,このまま運行を維持することは正直言って難しい,このままいくと減便を遠からず迎えていくことになってしまいますので,どうにかそういったところを防いでいきたいという想いもございます。 一方でこの調45,調46系統,多摩川の縁を通る系統につきましては,川沿いではありますけれども,ライオンズマンションですとか非常に多くのマンションが立ち並ぶ路線になっておりまして,他に併走する系統もありませんので採算性が非常に高い路線となっております。こちらの系統,元々多摩川住宅中央に非常に近い場所を走っておりましたので,その路線の系統とこの多摩川住宅中央の系統,こういったところを八の字でたすき掛けで運行することによって供給本数を維持しつつ,採算性の高い路線にして今後も維持を続けてまいりたいと考えている次第でございます。 補足になりますけれども,多摩川住宅周辺は今後シティテラス多摩川に始まり,今後次々とマンションの建て替えも行われるということで,我々バス事業者としても非常に期待性の高い地域となっております。そういったところの需要に対応していくためにも,バス乗務員が不足している中ではありますが,供給本数を多く維持しながらこういった所への需要に向かっていければと思うところです。 今の調01系統をご利用のお客様方につきましては,調布駅南口への速達性という意味では少しご不便をおかけすることになります。やはり距離的にも品川通りに行った方が早いのではありますけれども,運行本数の維持ですとか,そういった方が我々としては利便性にも資するという検討の下でこういったプランニングをさせていただいております。 こちらの再編後のダイヤ等の詳細につきましては,概ね1ヶ月前,11月16日頃に各バス停の告知を第2弾としてさせていただく予定で考えてございます。今段階でお話できる内容としては以上になります。どうぞご了承のほどよろしくお願いいたします。 【会長】 ありがとうございます。それではただいまの議事につきまして,ご質問ご意見があればお願いしたいと思います。 ちょっと私から。対象系統の吉14,鷹66,調35の定期率と言いますか,利用者の定期の割合はどのくらいですか。 【J委員】 定期率は正直申し上げるとそれほど多いわけではないですね。手元にデータがないですけれども,10%未満とかそれぐらいだったと思います。 【会長】 なぜこんなことを申し上げるかというと,多分ここで不利益を被るのは定期を持っている人が京王の定期で乗った場合に,小田急のバスには乗れませんよね。そういう人たちが不利益を被るのかもしれないというところで,別々にするとそういうことがある程度生ずるということの理解でよろしいですか。この路線がどういう構成になっているか分からないので,同じルートを通る部分はありますか。 【J委員】 同じルートを通るところは残ります。 【会長】 そうすると,14番に乗ろうとか,35番,66番に乗ろうとか,絶えず変える人がいますよね。そういう需要はあるのですか。 【J委員】 ないとは言えないですね。やはり定期券の種別に気をつけて選ばれている方は,そういった考えのもとで現状の定期をお買い求めいただいていると思いますので。 【会長】 多分,単なるSuicaみたいなもので乗れば全く問題ないと思うのですが,そうではない場合,定期を買った場合にそういう人たちが残念だと思うのかどうか,それに対する解決策や対応はどうされるのですか。 【J委員】 そこについては大変申し訳ないですけど,やはり利用率の観点で,例えば20%,30%いれば考えたと思いますが,実績データの中で非常に,こちらが考えている以上に少ないっていうところもありましたので。あとは払い戻し手続きの話が出てきましたけれども,本来この全線定期券やモットクパスについて,他の路線で生き続けるから別に事業者都合の払い戻し自体はしないという考え方もあったのですが,そこについてやはり一定程度ご不便をおかけしてしまうので,少なくとも今お買い求めの部分については対応しようかなというところで整理をさせていただいています。 【会長】 多分,利用者が少ないかもしれないけど,不利益を被る人に対してどう対応するかというのが,まあ仕方ないね,というレベルなのかそうでないのか私は分かりませんが,そういう人たちからある程度,そんなに不満ではない,という意見が聞ければ別ですけどね。旗を振ってこんなの冗談ではない,という人がかなりいた場合には,対応を考えないといけないというところがあって,そういう状況に至るのかどうかもちょっと見えてきませんので,そこもちょっと考慮して対策を考えてみたらどうでしょうか。 【J委員】 そうですね,実は共同運行の解消というのは,弊社のみならず他の会社さんでも最近割とある事例でございまして,やはりそういった対応の内容は参考にさせていただいておりますので,そういったケースではだいたいこういう対応に集約されておりまして,それで特段ハレーションというのは起きてないと考えております。実質的な対策としては正直難しいところはあるのですけれども。 【会長】 一応,問題であることは事実だけれど,無視しても良い少数であるかどうかという,そこの議論は少し会社内で整理して,対策を考えておいたほうが良いと思いますよ。というのは,住民の力をあまり無視すると後でとんでもないことになりかねないということもあるので,そこは注意をしてあまり不便のないように,定期を買おうとする人たちに対してはそれをきちんとやっておかないと後々禍根を残す可能性がありますので,ぜひそこは注意してください。 他にいかがですか。 【D委員】 今とは逆の説の話になってしまうかもしれません。実例でちょっとお話しすると,私のところは吉14を使っています。これは共同運行だから,その専用の定期になってしまう。例えば小田急さん,京王さんであれば,そのエリアは共通定期でなければどこのバスに乗ってもその1枚で行けると。たまたまうちの息子は障がい者なので,こだわりを持ってしまっているものだから,吉14に乗るのに小田急と京王が交互に来るので,待っているのが嫌だから両方の定期を買ってダブルで払っていたのですね。ですから(定期代が)倍になるので,私としてはうちの息子的には問題の解決にはなったかなと思うのです。自分に乗りたいバスが来なければ待っていれば良いのですけども,待てない人からすると,頭の中の整理が必要で,多分本人はできたのだろうと思うが,やはりこの共同運行をしていたら一番のメリットは共通のバスに乗れるということがありますけれど,その反面,共通の定期は他では使えないわけですから,路線固定になってしまうことの,半分は疑問を感じていました。ちょっと変な話ですけど,実際に体験として,そういうことを思っていました。 【会長】 MaaSという言葉がありますが,モビリティ・アズ・ア・サービス,1つのカードでどの交通手段でも予約して乗れるという。そういうのと逆行しているのですよね。だから京王と小田急がくっつけば良いのではないかとか,会社がくっつかなくても運営をくっつけるっていうことをやれば,MaaSができる。それをやらない限り永遠にMaaSはできない。だから運営を共通化するというのは良いことだと思うのですが,やはり会社の独自色みたいなことで自分たちの方針と他の方針と違うのということで,ここに本当は行政が噛んで,ドライバーと車両を行政に,行政はお金について共通券で出すということをやってくれればそれで済むはずで,行政が間にちゃんと噛んでいれば問題なく,こんなつまらない話をする必要性はない。だから5年後,10年後はそういうことがないような方向にしないといけないということも,もう一つあります。 会社単位で考えるから時代に逆行するのですよ。小田急と京王には合併していただいて,例えばここは小田急と京王が一つの会社になっていただくと一番良いのですけど,そういうことができない場合にはその中間となるサービス組織を作ってやっていただくとか,そうすれば全て統一した運賃体系の流れを将来目指してほしいなと思いますけど。 【I委員】 再編というか,路線編成に関して,先ほど仰ったように,こちらで再編や路線を分けることに関しては,確かにお客様にとってデメリットがあると思います。今申し上げていただいたとおりメリットがあり,というのも路線エリアが違いますので,路線はどちらかの会社が多く走っているようなところは,今までの共同運行だとやはり2社どちらかでしか乗れないということで,選択権がある意味そこで絞られてしまうというのがあるのですね。それを単独化することによって,どちらか利便の高い方を選んでいただくという選択もできますので,必ずしもデメリットだけではないと思いますし,お客様にとってデメリットしかないものをやはり2社でやるということもしません。 【会長】 例えば,発達障害の人が来たバスに乗るというような,私もそうですが,そういう人たちにとって2社が交互に来ると困るよね,という非常にシンプルな問題が解けていないですよね。そこはどうですか。その場合には定期2回買わないといけないですかね。同じ路線を京王とそれから小田急が通っていて,来た順に乗るというようなことを考えたとき,2枚買わないといけないのですか。 【I委員】 同じ路線を途中から走っている部分を定期でご乗車いただく場合は,そうなってしまいます。ただ,各社ごとにそれ以外の路線で多い路線がありますので,そういったところはそれぞれの定期を買ったほうが利便性が高まる場合もありますので,一概に一つの部分だけではないです。 【会長】 定期を持って共通に走っているところについてはデメリットが大きいけれど,それ以外にはメリットがあるということですね。 【J委員】 定期という領域内で話しているからそういう話になってしまうのかなと思います。実際は,90%程度はICカードでご利用のお客様になっていますので。 【会長】 定期についてはそうなるので,定期のデメリットをどう補填するかということを考えていく施策を検討してくださいということなんですよ。そこのところはそのまま切り捨てをしますか,それとも考えますか,という。 【J委員】 もちろん,中長期的に考えていかなければいけない話だと思います。その前段階として,各社の路線については乗り放題という定期券が実現してきています。あとはそれを統合するっていうのが,今会長が仰ったことに対する回答になると思うのですけれど,そこに至るまではまたハードルがいくつかあったりしますので。今後検討していかなければいけない課題だとは思いますが。 【会長】 障害者の介助者なんていうのももう定期で買えるようになっています。介助者も同じ料金で乗れるとか。 【K委員】 鉄道,バスにつきましては,ICでは今発売されていますよね。バスも合わせてICがありますので,それは準備するのも増えていると思いますけど,実際はタッチすれば介助者の方も自動的に落ちる。申告しなくても大丈夫です。 確かに難しいところはあります。会社統合というよりかは,その運賃体系をどうするかというところにも依ってくる気がします。各社の文化とかもありまして,それをただ全部くっつけてしまえば良いというのは,おそらく解決にはならないという気がするのです。お客様の利便を考えれば,いかにどこまで共通でできるかというのが,まずは第一歩なのかなという気がするのですけれども。まだそこまで至ってないというのは事実でして。ただ今まで歴史を紐解いていきますと今までは区間限定のバスの定期でした。それが少しずつ各社東京都内全線になり,バス全線,神奈川とかの地域も含めるようになりました。 【会長】 大きいところは別として,今の定期を2種類買わなくてはいけないというような人についての対策はあるのですか。 【K委員】 今,共通定期券の話ですよね。そこでまずデメリットを感じるのは,小田急全線か京王全線を持っているという定期の方だけだと思います。共通券では,その系統しか乗れませんので。 【会長】 だから,D委員のお子さんがそういう状況にあるので,それはどういう解決策があるのですか。 【K委員】 そこは例えば,小田急の全線定期を持っている方が,小田急のバスがなくなって全部京王に統一された場合,その系統に乗れなくなってしまうというデメリットはございます。 【会長】 やはり2枚必要ですか。 【K委員】 もしその系統を乗るのであれば,そうです。 【会長】 Dさん,やはり2倍買わないとだめだそうです。 そういう問題が残っているという事実を,京王と小田急はどうするかを少し考えてくださいというご提案をしているのです。それに対して提案がありますか。そこを考えておいてください。そこを切り捨てていくとあんまり良くない結果が出るかもしれないので考えておいてください。 【K委員】 そうですね,そこをいかに影響を小さくするっていうのも大事だと思います。ご不便を被る方がなるべく少なくなるように。 【会長】 それはそれとして考えていただくとして,こちらの日活多摩川住宅のこのルートは良いと思います。 それでは小田急と京王で別々にやってこういう形で通るっていうのはルート的にも納得はできるというところがありますので,ぜひ頑張ってください。 【W委員】 すみません,日活線の件で一つだけ。今日たまたま,通勤時間帯に市内をぐるぐる周る機会があって,丁度その時に日活線のバスの後ろについたんですね。日活のバス停やライオンズのバス停から多くの方が乗って,ほとんど満杯状態で調布駅に向かっていました。今後,多摩川住宅を多分八の字で入ってくると,多摩川住宅で今01系統を使っていた方がこのバスに乗ってくるので,乗り切れないことがないようにおそらくダイヤの改正をこれからやっていくのだと思いますが,その配慮だけぜひお願いしたいなと思います。 【J委員】 そこはもちろん考えておりまして,今の日活線の輸送量では当然ながらカバーできないと思っていますので,そういったところは増回方向で検討しております。 【会長】 Bさんは入っていますか。ご意見があればお願いします。 【副会長】 本日,色々なお話を聞いていて,まずはデータの関係を揃えるっていう点においては非常に賛成しておりまして,A先生も仰っていたように,やはり不足しているものを揃えていくっていうことと,例えば地図上で反映をさせてみるっていうことを繰り返していただきたいなと思っています。 一方で,やはり少しセンシティブな,例えば高齢者のご自宅の情報ですよね,不動産の情報とかも実は結構関わってくるのですよ。というのは,例えば後どれぐらいで要介護状態になってしまうのかとか,実はそういうことも予めある程度行政側で予測つけとかないといけないですよね。空き家になってしまうと,そこが完全に空洞になってしまうので,土地利用と一緒に交通を再編するということが発生してきます。 実は地方都市で,いくつか私も今交通政策を見ているのですけど,そういうものが非常に多くなってきています。一方で,都心部でも同じようなことが起きるので,ではどのようにそこのデータをかいつまんで予測をしていくかということが大事になってくると思います。なので,さっきとパーソントリップ調査のデータがあったと思いますけれども,やはり移動制約者のパーソントリップ調査のデータを私はあまり見たことがなくて,おそらく取得できてないのだと思います。ですから,それを例えば自治体ごとに取ってみるとか,そういう作業がおそらく必要になることだと思われます。なので,人々の移動に関するデータを揃えていくということを確実にやっていただいた方が良い。 バスの話では,京王さんと小田急バスさんの話が出たと思いますが,恐らく例えばですけど,よくA先生とも議論させていただくのですけど,ドイツとかそれから欧州でやっているような,いわゆる連合体を作るというのも実は目指さなければいけないところなのかもしれないと思います。運営を行う運営主体と運行するところは分けていいと思うのですけれども,それぞれをどう1つの会社として収益を一緒に配分をしていくかなど,おそらくそういう議論を先々していかなければいけないですよね。それがどのタイミングでできるのか,というのは,今あるその状況を鑑みながらになってくると思うので,やはり少しずつデータ揃えながらこういった協議会の中でできると良いのかなと思っております。 そんなことを今日お話聞きながらずっとここで聞いておりました。 【会長】 どうもありがとうございます。高齢者のデータについては,特に一人暮らしの場合は注意を要しますよということが一つと,それから移動制約者の情報をきちんとデータ化していくということでした。多分,調布市20数万人の人口の中の移動制約者は1割くらいいますので,そこのデータをきちんと取らないといけない。サンプリングで考えると2,3%を取れば取れるのかどうか,あるいは多段サンプルで特定の場所を重点にしてやるという方法もありますので,サンプリングをかなりきちんとやると,それを拡大すればできるかもしれないので,例えばNHKなんかは1,000人ちょっとでデータを取ると思うのですが,その場合イエス・ノーぐらいの意見は良いのですけど,もっと細かいクロス集計をするととても足りないので,サンプリング方法については,またご相談をしたいと思います。 それから,先ほど交通事業者が連合体を組んでいるっていうのは運輸連合といって,ドイツやオーストリアなどでは運輸連合で計画をやっている。例えば東京都が計画を立てて,その中に調布市は計画を渡して,それでOKならば調布市はそのままOKで,そしてそこを運行するのは複数のバス会社に運行を委託するのですね。そしてその委託した費用は全部東京都に持っていかれるのです。ということは,調布市は一銭もいらない。ただ調布市はここにデマンド交通などの施策を行う時に,それを全部調布市は自前でやらなければいといけない,というようなルールがオーストリアでは作られている。運輸連合の下に運輸協定やいくつかの種類が緩いつながりがあり,欧州ではそういう流れの中で公共が運営をしている。日本だけが民間なのですね。これは日本のやり方で良いのか?ということがずっとそのままになっている。地方では,もう運輸連合を作った方が良いと思いますし,東京などの儲かるところは,儲かるといっても不動産でほとんど儲けているのですけれども,交通ではそんなに儲かっていないところが大半ですよね。静岡交通や相鉄もそうですが,相鉄はビルで全部収益を上げていて,交通はプラスアルファのようになっている。交通は本当に儲からないですね。儲からないから減便ということがあり,給料が安くなっている中で,交通をもう少し儲かるようにするというよりは,公共がかなり頑張る必要性があるというような,そういう時代がもう来ているのですね。公共が頑張って,京王や小田急の方々にここを運行してくださいというような流れを作る場所が,今のコミュニティバスなどがそうなっている。そういうスタイルをどういう形で作るかが,これからだと思います。 だから多分,京王や小田急のバスはそのままにして,そして本当は減便をしたいところがあっても,市民のモビリティを守るということを考えると,そこに京王の方々に1割行政が負担するよっていうようなことで,もう少し本数を増やしてくださいとか,そういう例をどこかで作っていっても良いと思うのですね。そういうものが今はまだないので,儲かる路線はそれで儲けていただいて良いと思うのですが,儲からない路線は減便減便あるいは縮小あるいは廃止ということになりかねないので,2つのバス会社でどこがどの程度人が乗っていて儲かっていないという申告を今後していただくと,補助制度などを新たに作ることができるのではないかと思います。 今,国は多少バス交通をやってますけれども,東京ではほとんどやっていないので,できれば東京都に補助を求めるとか,そういうやり方を今後考えて欲しい。それは調布市だけがやり始めると角が立つかもしれないが,他の区にも一緒にやっていただいて,市町村にはそういう形でモビリティを守っていくことを,もうちょっと丁寧に考えませんか。 京王の方と小田急の方にもその辺りの知恵を少し頂きたいところですね。バスの経営にはこんなにかかるので,だからこういうところではこのぐらいの運行しかできないというのは事実として,それで車の方にみんな流れると,ほとんど人が乗らなくて儲からないというところをきちんとしないと,いろいろな話ができなくなるので,詰めて将来の展望をどうするかということを,どこかでご相談をしたいなと思っています。どうぞよろしくお願いします。 他によろしいですか。 それでは,ほぼ議事が終了しましたので,事務局から連絡事項があればお願いしたいと思います。 【事務局】 本日も貴重なお時間をご意見頂きましてありがとうございました。次回の協議会についてですが,今回議題の2で方針を伺ったデマンド型交通の実証期間の延伸につきましては,正式には事業者様と調整の上国土交通省への申請をして,許可を頂いて初めて延伸となりますので,国土交通省への申請内容が整いましたらそちらをご確認いただく予定でございます。今回の申請での変更内容自体は限られてきますので,差し支えなければ書面開催として,事前に資料を送らせていただいてご確認ご意見いただいて,事務局取りまとめで会長にご確認いただくような運びを取りたいのですがよろしいでしょうか。 よろしければ10月中に事務局より書類を送らせていただいて,書面開催を目指したいと思いますのでよろしくお願いいたします。 【会長】 本日の議論はこれで終わるということで,デマンド交通の実証期間の延伸というのは,今回データ見る限りでは,時間帯にあまり差がないことや全体で増加しているということと,それからリピーターが多いということで一定程度は定着しているということが分かりました。一般的に,こういう新しいものが定着するまで2,3年かかるので,そういう意味ではもう少し期間を伸ばしてみて,その結果をさらに次の計画に活かすという,そういう流れで考えておりますので,延長させていただきたいと思います。 その意味で皆さんには,次回は書面開催ということでお願いしたいと思いますので,どうぞよろしくお願いします。 事務局にお返ししたいと思います。 閉会 【事務局】 本日はスムーズな進行にご協力いただきましてありがとうございました。以上をもちまして,令和6年度第2回調布市公共交通活性化協議会を終了いたします。ありがとうございました。