令和6年度 第2回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨    令和6年9月19日(木)午後6時30分から    グリーンホール 小ホール 1 開会 2 議題 (1) 介護予防の取組について (2) 生活支援の展開について 3 事務連絡 4 閉会 1 開会 2 報告事項 (1)介護予防の取組について 【事務局説明】 ○事務局  それでは,地域包括ケア推進係より,介護予防の取組について報告をさせていただきます。資料は,先ほど御案内がありました資料1をお手元に御準備をお願いいたします。  まず初めに介護予防の社会的背景について,次に市の取組について,最後に課題の順でお話をいたします。よろしくお願いいたします。  まず,スライド1からになります。そもそも介護予防とはということなのですが,高齢者が要介護状態になることをできる限り防ぐこと,そして,要介護状態にあっても,その悪化をできる限り防ぐこと,さらには軽減を目指すことと定義されております。  どのような状態にあっても,生活機能の維持向上を積極的に図ることが重要で,その人の生活や人生を尊重し,できる限り自立した生活を送れるように支援する,すなわち自立支援を行うことが介護保険の基本理念でもあります。この介護予防により,自立した生活を送る期間の延長ですとか介護期間の短縮,介護者の負担軽減,介護ニーズの減少などにつながってまいります。  一口に予防と言えど,その概念としましては,一次予防,二次予防,三次予防の3段階がございます。よく耳にする生活習慣病予防における一次予防は健康づくり,二次予防は疾病の早期発見,早期治療,三次予防は疾病の治療や重度化の予防です。  一方,介護予防における一次予防としましては,主として活動的な状態にある高齢者を対象に,生活機能の維持向上に向けた取組を行うものです。二次予防は,介護が必要な状態に陥るリスクが高い高齢者を早期に発見し,早期に対応することにより,状態を改善し,要支援状態となることを遅らせる取組です。そして三次予防は,要支援,要介護状態にある高齢者を対象に,今の状態の改善ですとか重度化を予防するものです。介護予防事業は,この一次予防から三次予防まで切れ目なく総合的に展開することが必要と言われております。  次に,3枚目のスライドに移りまして,介護保険法における介護予防事業の変遷についてお話しします。介護保険制度は,平成12年に創設され,3年ごとの改定に併せ制度改革が行われておりますが,介護予防に関して大きく変遷したのは平成26年の改正です。  改正前は,健康リスクを抱えている人の中から,特に重度なリスクを持つ対象者を抽出し,そのリスクを低下させる個別的な取組,いわゆるハイリスクアプローチを中心とした介護予防事業を実施しており,要介護状態になるおそれのある高齢者を把握し,優先的に介護予防プログラムを提供してきました。しかし,対象者の把握が不十分であるとか,ニーズを満たす介護予防プログラムが提供できないなどの課題がありました。  そこで,平成26年の改正により,リスクの大きさにかかわらず,集団全体を対象として,全体としてのリスクを低下させる取組を行うポピュレーションアプローチの考え方にシフトチェンジしました。個人へのアプローチだけではなく,地域づくりなどの本人を取り巻く環境へのアプローチを含めたバランスの取れた取組を進めることが示され,住民が運営主体となる通いの場をはじめとする一般介護予防事業が創設されました。  また,介護保険法第4条におきまして,国民は自ら要介護状態となることを予防するため,加齢に伴って生じる心身の変化を自覚して,常に健康の保持増進に努めるとともに,要介護状態となった場合においても,進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより,その有する能力の維持向上に努めるものとすると,国民の努力及び義務が規定されております。  これからの介護予防としましては,高齢者が自ら進んで健康づくり事業や介護予防の活動に継続的に参加をし,自分らしい生活を維持できるようになることが大切です。そのためには,年齢や心身の状況などによって分け隔てることなく,住民主体の通いの場が身近にあり,人と人とのつながりを通じて,参加者や通いの場が継続的に拡大をしていくような地域づくりの推進が必要になります。  また,リハビリテーション専門職等を生かした自立支援に資する取組を推進し,介護予防をさらに効果的なものとし,地域の実情に応じて効率的に実施することが重要と言われております。  なぜ住民主体の通いの場の充実が必要かといいますと,通いの場は,平成26年の介護保険法の改正により創設されて以来,住民自らが運営主体となり,介護予防を目的に地域に住む高齢者が定期的に集まり,体操や茶話会,趣味活動などを通じて仲間との交流を深める場として拡大しております。  通いの場は,高齢者を中心とした地域の住民が集い,つながりが生まれる場であるとともに,高齢者が時に担い手となり,時に支えられるような立場となりながらも活躍できる場であることから,地域の支え合いの仕組みが醸成され,孤独,孤立予防に寄与します。また,住民同士のつながりができることで,防災,防犯の意識が高まったり,地域の安心・安全にもつながります。  これまでの研究から,通いの場に参加することで社会参加の機会が増え,健康意識が高まることや認知症の発症リスクが低下すること,趣味,スポーツ,ボランティアなどの社会参加の機会が多いほど鬱の発症リスクや要介護リスクが低下することなども示唆されております。  また,なぜ介護予防においてリハビリテーション専門職の連携が大切かということについてですが,理学療法士などのリハビリテーション専門職が住民主体の通いの場において参加者の状態に応じて安全な動き方や運動方法の指導など,具体的な助言を行うことにより,歩行状態など体の機能低下の程度にかかわらず,様々な状態の高齢者が通いの場へ参加することが可能となると考えられます。  繰り返しになりますが,これからの介護予防事業では,高齢者ができる限り元気に自分らしく地域での暮らしを続けられるよう,リハビリテーション専門職と連携をしながら,地域の実情や住民のニーズに応じた通いの場を普及,展開することが重要です。  以上を踏まえまして,市の取組についてお伝えします。スライドは6枚目になります。  まず,第9期計画の方針としまして,1つに活動場所・グループへの支援,もう一つに自立支援・重度化防止の推進,この2つの施策を柱に事業を展開してまいります。それぞれの内容についてお伝えします。  まず,1つ目の活動場所・グループへの支援につきましては,介護予防の一次予防に当たります。昨年度までの各事業の実績は,スライド7にあるとおりになっております。こちらの各事業につきましては,65歳以上の要介護,要支援認定のない市民を対象とし,実施しております。各事業について簡単に説明をします。  まず,介護予防健診とは,血圧や握力,開眼片足立ちなど,体の機能やバランスなどを確認する5項目をその場で測定し,その結果や問診を踏まえて,医療職から今後の介護予防につながるフィードバックを行うものです。必要時,地域包括支援センターや地域の通いの場につながることもあります。  介護予防普及啓発事業とは,介護予防に関する講演会です。お口の機能やケアに関すること,認知症予防などをテーマに実施しております。  次に,知って活かそう介護予防は,全8回を1シリーズとして,年間3シリーズ実施している運動や栄養,お口の機能など,介護予防について総合的に学ぶ教室です。  そして,ステップアップ教室は,知って活かそう介護予防を卒業した後,同じ参加者の方々に御案内する教室です。この後御紹介します10の筋力トレーニングを中心に,さらに介護予防について習慣づけをしていく全8回の教室です。知って活かそう介護予防から合わせて約4か月間,毎週同じ時間に同じメンバーで同じ場所に通い,一緒に介護予防について運動したり学んだりすることで,参加者同士の結束感が強まります。全ての教室が終了した後,参加者同士が地域で新たにグループを立ち上げて活動を継続していく,または既にある通いの場につながっていくことができるように支援をします。  次に,からだと歩行補助具の相談室では,リハビリテーション専門職が個別に相談者の状況に合った杖やシルバーカーなどの福祉用具を相談内容に応じて一緒に検討します。こちらに関しては,要支援認定を受けていらっしゃる方も対象としております。  最後に,簡単10の筋力トレーニング講座とおさらい会についてです。この後御説明しますが,調布市が推奨している10の筋力トレーニングを地域の各所でリハビリテーション専門職から参加者に分かりやすく指導をし,御希望があれば,身近な地域にある通いの場へ御案内をします。  それでは,特に力を入れて取り組んでおります10の筋力トレーニングの取組について御紹介します。まず,介護の一次予防の手前にフレイル予防というのがあります。健康な状態と要介護の間に虚弱な状態,いわゆるフレイルの期間があることが多いです。このフレイルの期間は,適切な働きかけにより改善し得ることが示されております。  フレイルを予防するためには,栄養,運動,社会参加の3つの大事な柱があります。この3本柱の1つ,運動に関して,市では平成29年度から推奨している10の筋力トレーニングを主活動とする通いの場の立ち上げ支援や継続支援に取り組んでおります。1人で自宅で運動することもできますが,それだけではなく,通いの場で定期的に仲間と共に運動に取り組み,交流の時間を持つことで社会参加にもつながります。  10の筋力トレーニングは,略して10筋と呼んでおります。立つ,座る,階段を上り下りするなど,日常生活動作に必要な筋肉に関して,講師や特別な音楽などは要らない,いつでも誰でも取り組めるように工夫された10個の筋力トレーニングになります。先ほども申し上げましたが,1人で黙々と行うというよりは,仲間と一緒に楽しく取り組むことがフレイル予防にも継続のモチベーションにも,とても大切であると推奨しております。  10筋に取り組む通いの場は,スライド10のマップのとおり,市内各所で活動しておりまして,現在60ほどに増加しております。地域包括支援センターや地域支え合い推進員が10筋グループの立ち上げ支援や継続支援を行っており,先ほど御紹介した市の介護予防事業とも連動して,10筋の通いの場の普及に取り組んでおります。  また,通いの場の機能をより効果的にするという点で,令和6年度は東京都介護予防・フレイル予防推進センターのちょい足し研修を取り入れております。ちょい足しとは,日々の生活にフレイル予防の3つの柱から不足する活動を追加して,健康寿命の延伸を実現する生活へとパワーアップを図ることです。  例えば,10筋に取り組んでいる通いの場で,いつもの活動に口腔体操をちょい足しすることで,フレイル予防の運動要素に栄養の要素を加えることができます。本年度,高齢者支援室の保健師,地域包括支援センターや社会福祉協議会の職員など,通いの場に携わる支援者28名が口腔体操や脳トレ,ゲーム体操などのちょい足しを実践できるよう研修を受けました。今後は,講師がいなくても住民が主体的に実施できるよう,このちょい足しを伝達していき,通いの場の機能強化や継続支援を図ってまいります。  もう一つ,令和6年度より新しく10筋の継続支援を行う目的で,リハビリテーション専門職を通いの場に派遣する事業を実施しております。通いの場の課題の1つに,参加率の低迷や活動のマンネリ化が挙げられますが,専門職が通いの場に出向くことで,日頃疑問に思っていることを相談できたり,身体状況に不安がある場合の運動のやり方など,様々な専門的アドバイスを得ることができます。  既に実施した通いの場においては,膝に負担が少ない10筋の方法を聞くことができたですとか,10筋に加えて尿漏れ予防体操を教えてもらえたなどと,非常に満足度が高い感想をいただいており,通いの場の継続のモチベーションアップにつながっていると感じております。  続きまして,9期計画のもう一つの柱である自立支援・重度化防止の推進について御説明します。スライドは11になります。  こちらは介護予防の一次予防に加えて二次予防に当たり,高齢者保健事業,介護予防一体的実施事業を推進しております。一体的実施事業とは,令和2年4月に医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律が施行され,スタートした新たな制度になります。健診,医療,介護を連携させて,健康寿命の延伸と生活の質の向上を目指すものです。市におきましても令和2年度から検討を重ねて,令和3年度から取り組んでおります。  どのような事業かといいますと,我が国の医療保険制度においては,75歳に到達すると,それまで加入していた国民健康保険制度から後期高齢者医療制度の被保険者に移動することになっています。この結果,保健事業の実施主体についても,市町村などから後期高齢者医療広域連合に移ることになり,介護予防と生活習慣病対策,フレイル対策の実施主体が異なることから,高齢者を中心として提供されるような連携が課題でした。このため,75歳以上の後期高齢者を対象として広域連合の保健事業を市町村に委託する形で後期高齢者の健康維持,フレイル予防に努める新たな仕組みとして一体的実施事業が構築されました。  国から示されている具体的な内容は,スライド12のとおりになります。重症化予防などの高齢者に対する個別的支援(ハイリスクアプローチ)と通いの場などへの積極的な関与(ポピュレーションアプローチ),この2つを両輪として実施していくことで,高齢者の健康の保持増進とQOLの向上を図ります。この中でも国保データベースから分析した結果,調布市の特徴に合わせまして,太い矢印で示した事業を市では展開していきます。  それぞれの取組を御説明いたします。スライド13を御覧ください。まずはハイリスクアプローチについてです。生活習慣病の重症化予防事業の継続としましては,後期高齢者健診の結果から抽出された健康状態に課題がある高齢者を対象として,受診勧奨の通知を発送した後,看護職がお電話で医療機関への受診勧奨ですとか健康相談を実施します。必要に応じまして,その後,希望によっては家庭訪問などで健康相談を実施したり,必要なサービスや相談先などを紹介してまいります。  また,2つ目の健康状態不明者等への個別アプローチとしましては,健診も医療も受診しておらず,要介護認定も受けていらっしゃらない健康状態不明者に対しまして,医療職が御自宅を訪問するなどして状態を把握し,必要に応じて適切な医療,介護サービスなどにつなぐことをしております。  具体的には,訪問時に高齢者の質問票をチェックしていただいて,健康状態を総合的に把握するとともに,いいところや改善したほうがよいと思われるところを対象者に説明します。また,対象者の状態に合わせたパンフレット等を用いて,運動,栄養,社会参加についての説明ですとか,医療機関の受診勧奨,健診の受診勧奨を行っていきます。そして,介護申請やその他サービスの導入が必要なときは,地域包括支援センターへ引継ぎを行っています。  それでは,スライド14に移りまして,生活習慣病の重症化予防事業の令和5年度実績をお示しします。前年度,後期高齢者健診を受診した結果,血圧または脂質について受診勧奨判定値のうち重症度の高いレベルに当てはまる方,かつ生活習慣病に関する医療を未受診の方,76歳から80歳を対象に実施しました。結果は,対象者20名中,内科の受診や内服治療につながった方は5人でした。薬を飲みたくない,体質だからなど,それぞれの健康観をお持ちだったり,健診は毎年受けますという方が多い傾向でした。  次に,スライド15枚目ですが,健康状態不明者等への個別アプローチの令和5年度実績です。令和5年度は,過去4年間に健診や医療,介護サービスを受けていらっしゃらない79歳から81歳の39名の方を対象に実施しました。訪問健康相談の御案内という内容のお手紙をまず郵送させていただいて,折り返し御連絡のあるなしにかかわらず,御自宅を訪問した件数は39名中25名でした。折り返しお電話をいただいて,電話で生活や健康状態を把握した方は10名,お手紙のやり取りで把握した方は1名,応答がなかった方は3名です。  実際に訪問をすると,趣味や外出を楽しんでいらっしゃるお元気な高齢者の方が多いような傾向にありましたが,一方で,看護師が同行して受診をした方や,地区担当保健師と地域包括支援センターのフォローにつながった方もおられ,個人差が大きいと感じております。  続きまして,一体的実施事業のポピュレーションアプローチの取組内容になります。スライドは16です。この目的としましては,フレイル予防の普及啓発,健康相談などにより,フレイルを身近な問題として捉え,自らが生活の質の低下を来さないように心がける人が増えるということです。  1つ目は,介護予防講演会の参加勧奨です。こちらは前年度,後期高齢者健診の質問票の結果から,口腔機能低下のリスクがあり,2年間歯科の医療機関未受診の方,76歳を対象に,口腔機能の維持向上を目的とした介護予防講演会の参加を勧奨するものです。  なお,質問票というのは国で作成されまして,主に食生活や運動習慣,また物忘れのありなしなど,現在の健康状態を把握して,将来の健康長寿に向けたアドバイスをするために後期高齢者健診で用いられているものになります。  2つ目に,通いの場への積極的な関与としまして,いきいき講座というのを実施しております。こちらは看護師と保健師が通いの場に出向き,フレイル予防の話や10筋,口腔体操,栄養チェックなどを行います。そして,先ほどの質問票を用いまして,個別に健康相談や必要なサービスのつなぎなどを行っております。今年度につきましては,運動を主活動としない手話サークルや茶話会などの通いの場を対象に実施しております。  また,今年度,2圏域において特定の通いの場を対象とせず,地域の集会室などをお借りして,どこにも所属していない地域の方を対象に,予約などなく御参加いただけるようなオープンな講座を展開いたしました。5月に1圏域で実施した結果,17名の方に御参加いただいております。このとき講座を実施していた同じ時刻に,たまたますぐ近くで10筋の通いの場が活動しており,参加者の中で御希望があった方をその通いの場へ直接つなぐこともできました。  スライド17は,令和5年度に実施したいきいき講座のアンケートの集計結果になります。参加者は,そもそも通いの場に参加されている方々ではありますが,いきいき講座を受講したことでフレイル予防に大切なことを知っていただき,今後の生活習慣を見直そうと思われた方が増加しております。講座に参加した方からフレイルの認知度が口コミでも広がるといいと思っております。  また,スライド18は,同じく令和5年度のいきいき講座の実績になります。講座で用いた質問票から,フレイルリスクに該当する方は,参加者84名中32名いらっしゃいました。フレイルリスクを項目別に見ますと,運動面や心の健康のリスクがやや高いことが分かります。今後も通いの場に参加することのメリットを伝えて,継続のモチベーションアップにつながるような働きかけも行ってまいりたいと思います。このほかにも,市報において年数回フレイル予防についての周知を行っております。  最後に,介護予防事業において,スライド20にお示ししたような課題が挙げられます。通いの場の活動場所が不足していることに関しましては,通いの場立ち上げ支援を行う中で,定期的に使用できる場所がなかなか見つからないということがあります。地域福祉センターなど,公的な場所も限られるため,現在,地域にある資源の開拓を進めているところです。友引の日の葬儀場ですとかディーラーさんの空きスペースなど,実際に御厚意でお借りして通いの場が活動しているところもございます。  通いの場の担い手,世話役さんの不足に関しては,活動をリードしていた世話役さんが高齢化や入院などをきっかけに不在になると,そのまま通いの場自体が消滅してしまうことがあります。担い手を育成することが継続支援における課題となっております。また,市の事業や通いの場における男性の参加者が低いことも挙げられております。  一体的事業の課題としては,ハイリスク者への関わりにおいて,健診や医療機関を受診することを許否されるケースのアプローチですとか,いきいき講座に参加した後に実際に行動変容したのかまでフォローし切れていないということが挙げられます。これらの課題に向けて,引き続き介護予防事業の担当者や地域包括支援センター,地域支え合い推進員,リハビリテーション専門職,住民の皆様らと検討を重ねて,よりよい介護予防事業の展開に今後も取り組んでまいりたいと思っております。  以上になります。 ○会長  ありがとうございました。それでは,今の議題について何か御提案,御意見のある方がございましたら挙手でお願いします。事務局がマイクをお持ちいたしますので,御発言はマイクを通じてお願いしたいと思います。どなたか御意見ございますか。モニター員,どうぞ。 ○モニター員  介護予防のことについて丁寧に御説明いただいて,どうもありがとうございました。介護予防というのは,私も含めて高齢者が介護を受けないようにすること,いわゆる一次予防ですよね。これが一番重要だと思うのです。ただいま説明していただいた内容もありますけれども,その中で最近よく取り上げられていると思うのですが,家庭内での事故,いわゆる転倒とか,滑って転んだとか,脚立から落ちたとか,そういう非常に細々した内容について,もうちょっと具体的な,10筋トレーニングで体を鍛えるのも必要なのですけれども,そういうことを起こさないような対策を入れていただいたら非常にいいのではないかと思います。  あと,対策というのは,設備の改善だとか費用がかかる場合が多いので,むしろそういう危険がありますよということを知るトレーニング,よく言うKYT,危険予知トレーニング,そういうことをやるような機会を設けていただいたらいいのではないかと思います。  以上です。 ○会長  ありがとうございました。何かありますか。 ○事務局  貴重な御意見ありがとうございます。 ○会長  今のモニター員の発言で,家の中での転倒に関して医療のほうから少しだけお話しさせていただくと,皆さん御高齢になってくると,眠りがちょっと悪くなってくるのです。途中で目が覚めてしまうとか,寝つきが悪いとか,そういうことをおっしゃる方が割と多い。体の中で眠りをつくるための時計がたくさんあって,その時計が細胞一個一個にあるのですけれども,それがうまく協働して眠りについていくのですが,加齢とともに時計の数がだんだん減ると言われています。そうすると,なかなかうまく眠れないことがあるのです。でも,皆さん自分のサイクルを持たれているので,その時間に眠りたいのです。  なので,眠りたいけれども眠れないから眠れるようにしてくれというリクエストが結構私たちのところに来て,困ったなとなって,しようがないからお薬を出しましょうかと言って出すと,それを飲んで,夜中おトイレに行ったときにふらふらして転んで足の骨を折ってしまったりとか,そういうこともあるのです。  ですから,これは私たちと患者さんとの課題なのですけれども,なるべくそういう眠剤を飲まないようにする。飲まないで眠れるような環境をつくったり,それは今の介護予防の運動にもつながるかもしれませんけれども,体を一生懸命動かして疲労をためて,夜眠りやすくする。そのような工夫もこれから重要なのかなと思います。行政のほうでそのことを話題にするのはなかなか難しいと思いましたので,ちょっと私からコメントさせていただきました。  ほか,何かございますでしょうか。ないようでしたら,次の議題に移っていきたいと思います。  2番目の議題,生活支援の展開について,事務局から御説明をお願いします。 ○事務局  地域包括ケア推進係からご説明します。よろしくお願いいたします。  資料は,資料2―1,介護予防の取組と生活支援の展開,続いて資料2―3,市全体的な活動(第1層)セカンドライフ応援キャンペーン,ともにA3の資料となります。また,本日机上配付しましたパワーポイントの資料です。生活支援体制整備事業令和5年度活動報告,こちらの3点を用いて説明いたします。  それでは,資料2―1,介護予防の取組と生活支援の展開を御覧ください。  現状・課題,社会的背景については記載のとおりです。  続いて,市の現状です。市は,平成27年4月から生活支援体制整備事業を開始し,平成29年4月から第1層(市全域)の地域支え合い推進員に市の職員を配置。第2層は社会福祉協議会の職員2名体制で始まり,令和3年度から2名ずつ増員し,昨年10月に福祉8圏域に対して各1名ずつの配置が完了しました。本日は,第1層,第2層ともに第8期中を含め,令和5年度の活動報告から現状を御説明します。  まずは,第2層について,昨年10月に初めて地域支え合い推進員が配置されました第一小学校,富士見台小学校,多摩川小学校エリアを担当する社会福祉協議会の地域支え合い推進員から業務内容を踏まえて御説明をお願いします。よろしくお願いします。 ○地域支え合い推進員  皆様,こんばんは。私は,調布市社会福祉協議会で第2層地域支え合い推進員をしております。これより生活支援体制整備事業令和5年度活動報告のパワーポイント資料を用いまして,活動報告をいたします。よろしくお願いいたします。  スライド2ページに移りまして,本日はこちらの目次に沿って御報告いたします。  スライド3ページ,先ほどお話のあった介護予防とも重なるところがあると思います。まずは社会的背景についてです。内容については,お手元の資料2―1のとおりです。医療,介護サービスの充実だけでなく,地域で暮らし続けていくためには,介護が必要になる前から地域で気にかけ合い,見守り合い,支え合いの場をつくっていくことが必要です。そこから専門的なサービスの前提として,生活支援の必要性が増してきました。  続いてのスライドに移ります。施策の方針としては,地域のつながりである互助の強化や資源開発,ネットワークの構築,常設通いの場の充実などが挙げられています。  生活支援体制整備事業についてです。スライド5ページ目になります。こちらは約9年前の平成27年4月の介護保険改正によって創設されました。高齢者が住み慣れた地域で安心して生活することができるように多様な主体が連携して,地域の自助,互助の拡充を図り,地域包括ケアシステムのベースとなる地域づくりを推進しています。自らの健康に注意を払い,介護予防活動に取り組んだり,健康維持のために自発的に自身の生活課題を解決する自助はもちろんですが,それらを1人で継続するのは容易ではありません。そのため,地域包括支援センターなどと連携をしながら,地域の取組,仕組みづくりを推進しています。  続いてのスライドについては,オレンジ色の冊子の第9期調布市高齢者総合計画の3ページに大きな資料があります。住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように,住まい,医療,介護,予防,生活支援等が連携し,一体的に提供される仕組みです。それらの専門的なサービスが担保されるためには,地域の自主性及び主体性に基づき,地域の特性や実情に応じて構築される必要があります。  この図で言うと,木が生えている前の基盤,土壌がしっかりしていることが大切と言われています。ここではボランティアであったり地域住民の取組,つまり互助が重要視されています。高齢者も含めて,あらゆる住民が役割を持って支え合う地域づくりの推進が求められています。ちなみに,地域支え合い推進員は,こちらの図で言うと根っこのところにあります。  スライド7ページです。地域支え合い推進員についてです。地域支え合い推進員は,生活支援体制整備事業の中で日常生活の生活支援体制を充実,強化することを目的として配置されたコーディネーターです。地域の様々な関係者と情報交換をして福祉ニーズを把握し,インフォーマルサービスや地域活動など,既存の取組を活用しながら,またサービスがなければ開発,活動立ち上げのお手伝いをするなど,生活支援,介護予防サービス提供の体制整備に向けた取組を推進しています。  先ほどの地域包括ケアシステムの図の土壌の部分でもありましたが,こちらのスライドにも植木鉢モデルと呼ばれている図を入れています。介護予防,生活支援の部分はいろいろな関係者がつながっているということがベースにあるため,私たちもより地域に入っていき,豊かに住みやすくするための地域づくりをしています。  続いてのスライドに移ります。地域支え合い推進員の実践について。こちらは地域支え合い推進員の活動イメージです。地域で行われている様々な活動に出向いて話を伺い,その活動に関心を持ち,必要としている高齢者とマッチングすることで,地域の中で暮らしていく仕組みづくりを推進しています。第2層は8圏域に分かれているため,それぞれの圏域の資源をお互いに把握し,効果的,効率的につなげられるように意識しています。  それでは,ここから実際に地域に出ている様子を紹介させていただきます。  スライド10です。今回御報告させていただく担当地域の第一,富士見台,多摩川小学校地域は,スライドのオレンジ色の箇所になります。北は深大寺元町から多摩川まで縦に長く,調布市内では最も高齢化率の低い地域です。それぞれの地域にスマートフォンの使い方を教え合い,交流をする通いの場があったり,企業や商店,電気通信大学の方々と協働するなど,環境を生かした地域活動も多数存在しています。  地域支え合い推進員は,昨年度,令和5年10月に初めて配置され,地域福祉コーディネーターと2人体制でこの地域を担当しています。その中で,第1層また地域包括支援センターちょうふ花園や市民活動支援センターの小島町コーナーなどと日々連携を図りながら業務に当たっております。  スライド11です。ここからは担当地域の特徴についてお話しさせていただきます。こちらのスライドは,調布市地域福祉計画と連動して,社協で作成している地域福祉活動計画の策定会議より,策定委員の住民の方々や関係者の声を抜粋したものです。小学校地域それぞれに異なった特色やネットワークがあることが分かりました。  スライド12は,私が携わっている地域の取組や拠点の一部です。地域にもともとあった活動もあれば,コーディネーターが携わっている個別ニーズをきっかけに立ち上がった活動もあります。地域包括ケアシステムとも絡めて,身近な地域でつながる場,参加する場をつくっていくために働きかけていく中では,活動拠点がないなどの課題から地域活動が立ち上がりにくいところもありました。  スライド13は,実際の地域活動の様子です。シニアクラブや学校の地域コーディネーターと連携した昔遊びのレクチャー,包括や東山病院,地区協議会と連携して行った調布駅前でのちょうふ地域見守り声かけ訓練,通いの場であるひだまりサロンや10の筋力トレーニング,地域の方のお勧めスポットなど,様々な場所に参加させていただいています。  スライド14です。地域の課題について。こちらも地域福祉活動計画の策定会議より抜粋した内容です。地域で共通する点がある一方で,地形や利便性の高い環境ゆえの課題,ニーズがあることも分かりました。これらの内容を踏まえて,昨年度の具体的な取組を御報告させていただきます。  事例7についてです。スライド16,こちらの活動は,第一生命保険株式会社と第1層,地域包括支援センターと連携をして,体操グループの立ち上げ,自走化を支援したものです。キーワードは記載のとおりで,企業連携,介護予防,体操グループの自走化となっております。  概要につきましては,介護予防の事業報告に挙がっておりましたステップアップ運動教室の卒業生による初の体操グループと,地域貢献として活動場所を提供してくださった第一生命保険株式会社とをマッチングし,継続して活動していけるように伴走支援したという事例です。  携わることになったきっかけとしましては,市全域を担当している第1層地域支え合い推進員の高齢者支援室に第一生命保険回部式会社の職員が相談に来てくださったことから始まります。地域貢献がしたいといった旨の御相談をいただき,第一生命保険株式会社と第1層,第2層地域支え合い推進員が三者で話をして,第一生命保険株式会社の本来の業務がある中で,地域に対してどういったことができるかと考えていったところ,地域の方が活動する会場として,オフィスの3階を貸していただけることになりました。  また,一方で,市の介護予防事業であるステップアップ運動教室の卒業生たちから,卒業後も継続して集まって活動したいという御相談をいただき,活動場所として第一生命保険株式会社を御紹介することになりました。  その後は,ステップアップ運動教室の卒業生と会場の見学を行いました。会場見学をした後は,参加者同士で活動内容のアンケート調査を行ったり,体操の講師と交渉して,月に1回来てもらうために調整をするなど,参加者同士が協力することで,自主グループはつらつ筋陽会が立ち上がりました。  スライド19の現状について,現在は月に2回活動を行っています。そのうち1回は,10の筋力トレーニングや第一生命保険株式会社が開発に携わったコグニ体操をしており,もう一回は,外部講師を招いての体操を行っています。また,当初のメンバーのほかにも,その後のステップアップ運動教室の卒業生や,そのほかの地域で参加を御希望されている方の見学会受入れをしていただけるように調整しました。  スライド20ページの考えたことです。ステップアップ運動教室の参加者には,卒業後も地域で継続して体操の機会を持ってほしい,その機会を継続していくためには何ができるだろうか。また,担当地域は商業施設等が立ち並ぶ恵まれた環境であるため,そちらをどうにかして生かせないかと常々考えておりました。  働きかけです。第一生命保険株式会社には,関心のある地域貢献活動を聞き取り,またそれらは実現可能か検討したり,会場使用の連絡調整を図りました。はつらつ筋陽会には,関係機関の役割を説明した上で,代表の方と他団体の活動を見学し,自主グループとして活動していくためのノウハウを学びました。また,これらのことについては,第1層,包括と密に情報共有を行いながら進めていきました。  スライド22ページの大切にしたことです。この取組で大切にしたことは,それぞれの参加者が負担なく活動を継続していくための情報共有です。また,第一生命保険株式会社には本来の業務があるため,大きな支障なく関わっていただけるように調整しました。そして,多様な機関や住民が関わっている活動であることから,混乱のないように常に方向性を確認し,すり合わせを行いながら関わっていきました。  スライド23ページの今後の展望について。この活動を通しての今後の展望です。まずは,住民それぞれの身近な地域ではつらつ筋陽会のように集まり,支え合い,交流する場が増えていってほしいと思います。そして,報告書には,企業等からの相談を受けた際には,一緒に検討していきたいと記載していますが,相談が来るのを待つだけではなく,こちらから働きかけていくことも必要であると思います。  近年は,企業や福祉事業所等から,地域の一員としてどうしたら貢献できるか,地域とつながれるかといった御相談をいただくケースが増えています。第1層と連携をして,現在関わりのある企業にも,いま一度,地域とどのような関わりが持てるか,持ちたいか確認をしたり,新たなつながりをつくっていくために働きかけていきたいと思います。  また,第9期調布市高齢者総合計画にもありましたが,女性に比べて男性の社会参加が少ないという現状にあります。社会参加はフレイル予防の1つとも言われておりますので,男性の声を聞き,他圏域や他市町村の事例も踏まえて,参加したくなるような社会参加の場を模索していきたいです。  スライド24については,昨年度の報告書には記載がないのですが,今年度以降の活動の様子になります。はつらつ筋陽会には,ステップアップ運動教室の卒業生はもちろん,地域で通いの場を探している方を受け入れていただいたり,電気通信大学が研究をしている10の筋力トレーニングの評価装置の有用性の活動に御協力いただくなどしています。電気通信大学との取組は,担当圏域内の別の活動者にも数名御参加いただき,第一生命保険株式会社という場所の活用について知ってもらう機会になりました。  それでは,最後にまとめです。今回は,事例を基に地域支え合い推進員の取組や今後の展望をお伝えさせていただきました。地域の方から聞こえてきた課題やニーズは,共通している点もあれば,個人差や地域差によって様々でした。地域の実情に応じた支援,活動を推進していくためにも,引き続き地域に出て住民の声を聞いていくとともに,拾い切れていないニーズをより把握できるように働きかけていく必要があると思います。  また,今回の事例では,今までつながっていなかった社会資源と地域住民がつながることで取組が生まれました。公的な資源だけでなく,インフォーマルな取組が生まれることで人と人とがつながり,見守り合い,支え合いにつながっていくと考えます。これからもより長く地域で暮らしていくために,そのような場を創出すべく邁進していきますので,どうぞよろしくお願いいたします。  これで地域支え合い推進員からの活動報告は以上となります。御清聴いただきありがとうございました。 ○事務局  ありがとうございました。  では,続いて第1層の取組について御説明します。資料は2―3,市全体的な活動(第1層)セカンドライフ応援キャンペーンを御覧ください。  第8期からの取組で,セカンドライフ応援キャンペーンを実施しています。高齢者が元気で生きがいを持って自立した生活が送れるように,地域団体,民間企業等の多様な主体が実施している取組を集約,見える化するものです。下から2行目にありますとおり,合計111団体に登録していただいていますが,見える化を開始してから協賛企業,団体との連携で見える化以外の取組も行われており,令和5年度に実施した事例の中から一部を右のページに挙げておりますので,御覧ください。  明治安田生命保険相互会社には,令和4年度から多様な講座や健康測定機器の貸出しを御提供いただいております。令和5年度も調布市シニアクラブや地域包括支援センターが介護予防の勉強や,普及啓発のため講座を活用しました。これまでも講座を実施するに当たり,様々な団体に講座依頼や自前でも講座を作成するなど,試行錯誤していたものです。明治安田生命保険相互会社の講座は,専門機関監修の下つくられたバリエーションの多いものから選べるため,新たな選択肢を増やすとともに,参加者の満足度も高く,何よりも主催する地域包括支援センターの職員の負担軽減につながっていると言えます。  また,健康器材を活用することで参加者のイベントへの参加意欲を高めたり,楽しく健康を考える機会となっています。例えば,定期的に10筋グループの体力測定会や相談会を行う地域包括支援センターでは,毎回同じ機材を活用することで前回と結果を比較することができ,会への参加と体を動かすことへの意欲を高めることができています。  また,明治安田生命保険相互会社では,認知症予防の効果があるとも言われる大人の塗り絵コンクールを実施しており,市でも新たな介護予防の1つとして,高齢者が楽しく取り組めるものなのか,またニーズを把握する上でも調布市枠を設けてコンクールを実施しました。  結果,89と多くの作品が集まり,急遽18日間,文化会館たづくりの1階で展示を行い,素敵な作品への投票を実施したところ,総投票数414票の投票がありました。想像以上に多くの作品の応募があったことから,大人の塗り絵には一定のニーズがあり,展示をすることで楽しめる方が多くいることも分かりました。そのため,今年度は大人の塗り絵講座として,実際に体験しながらうまく塗るコツを教えてもらう講座を2回実施予定です。  続いて,第一生命保険株式会社については,先ほど第2層の活動報告として地域支え合い推進員からお話しいただいた調布営業所3階フロアのお貸出しとコグニ体操DVDを御提供いただいたことを記載しております。  健康のために体を動かしたいという声は,高齢者からよく聞かれます。その際は,市内約60ある10の筋力トレーニングを行うグループの中から御紹介する機会が多くあります。御紹介先として適しているのは,徒歩で行ける場所にあることですが,この第一生命保険株式会社のオフィスは交通の便がいいことで,近隣の方だけでなく,広く通えることが大きな利点と言えますので,今後も高齢者の健康や交流の場として有効活用させていただきたいと考えております。  また,御提供いただいたコグニ体操のDVDは,10の筋力トレーニングを継続して行い,プラスして何かやりたいという気持ちが芽生えているグループにお試しで配付し,活用されています。10筋は黙々と行う体操ですが,コグニ体操は声を出して頭を使いながら体を動かすため,10筋にはない刺激と楽しさが感じられるようです。このことから,新たな体操などを提供することも10筋グループの継続支援の1つになることが分かりました。  このように令和5年度も企業に御協力いただくことで介護予防と生活支援の新たな選択肢を増やすことができました。第9期も地域の企業,団体にお力添えいただき,新たな可能性を模索しながら,できることを増やしていきたいと考えております。  続いて,常設通いの場スタートアップ事業補助金です。こちらは住民からの相談を受け,専門職につなぐことができる相談体制を有する通いの場に対して,立ち上げや運営に係る費用の一部を補助するものです。この事業は,常設,そしてスタートアップの2年間限定と限られていますが,市と社会福祉協議会と協働が可能な人材,団体の発掘育成を目指しているところに特色があります。  令和5年度は,2年目となるふふ富士見,1年目のみんなの部屋に支援をしました。ふふ富士見に関わっている社会福祉協議会のコーディネーターからは,地域の居場所ができることでそこに相談が来て,情報が集まり,相談への敷居が下がることでこれまで拾い切れなかった声やつながることができたケースが2年間でも幾つもあったとのこと。また,困り事への相談だけではなく,地域活動に参加したい,お手伝いしたいなどの声も含め,地域の多世代の居場所だからこそ,キャッチできた声が多かったと報告を受けています。  また,5分300円で対応できる生活支援サービスを実施しており,顔見知りの関係だからこそ,安心して頼めるきっかけとなっております。  さらに,地域のニーズに応じた生活支援の取組が日々拡大しております。みんなの部屋は,多摩川住宅の建て替えに伴い,空いていた仮設店舗を借りて様々な団体が関わり,活用した期間限定の居場所で,今年度5月に閉鎖となりましたが,居場所を通じてつながりを強めた地域が多摩川住宅の集会所を転々としながら活動を続けております。  では,続いて裏面を御覧ください。つながり創出による高齢者の健康増進プロジェクト~CDC(調布・デジタル・長寿)運動~こちらは3年間の実証実験として令和3年度から令和5年度まで,東京都の補助金を頂き,アフラック生命保険株式会社と電気通信大学,市の三者が連携した事業です。  アクティブシニアをよりアクティブにするにはどうしたらいいかを主軸に,場所,人,コンテンツのつながりを促進することで健康寿命の延伸と主観的幸福度の向上を目標として実施しました。このCDC運動でも居場所づくりをしました。  下の表に記載の深大寺リビングラボと染地リビングラボを開設し,健康機器を置いて,開いている日は誰もが立ち寄れ,健康状態を自分で計測できる居場所です。深大寺リビングラボについては,一番下に記載のとおり,別の団体がその場所と健康機器を使って健康増進をコンセプトに「深“(JIN)」という居場所を開設しております。また,リビングラボを訪れる方の目的としてはスマホ相談が多く,その内容は初心者ではなく,ある程度使いこなせる方が新たにアプリをインストールするなど,人それぞれ個別で相談する内容が多いことが分かりました。スマホの個別相談の需要の高さをうかがい知ることができました。  また,百楽けんこう講座で制作された運動をYouTubeで見ることができますので,既存の10筋グループのプラスアルファの活動としての活用もできます。CDC事業は終了しましたが,3年間で得た企業,団体,地域住民とのつながりや取組の中で得られたノウハウやニーズを今後も十分に生かしていきたいと考えております。  それでは,資料2―1に戻ります。左のページの下段,課題等については記載のとおり4点でございます。1点目から3点目について,支え合いの地域づくりの目的,意義,事業内容の認知度を高め,さらに常設通いの場の拡大,第1層と第2層が連携しながら様々なニーズ把握,資源開発,ネットワークを構築し,支え合いの地域づくりを推進していく必要があります。4点目,総合事業サービスB,Cについて,既存,新規事業ともに検討する必要があります。この4点を踏まえ,右のページに記載のとおり第9期計画の取組①から④まで4点を推進していきます。  以上となります。 ○会長  ありがとうございました。それでは,今の御発表に対して何か御提案,御意見のある方は,先ほどと同じように挙手でお願いできますでしょうか。挙手されましたらマイクをお持ちいたしますので,御発言はマイクを通じてお願いします。どなたかいらっしゃいますか。  なかなか広い話題だったと思うのですけれども,では,皆さんには質問を考えていただいて,その間に私から1つ教えていただきたいことがあるのですが,これはどなたにお聞きするのかな,生活支援体制整備事業の御説明を地域支え合い推進員にしていただきました。第一生命の3階のホールを使って,調布市のステップアップ教室の卒業生たちが活動されているということなのですけれども,参加者の規模とか,卒業メンバーがだんだん増えていっているのかとか,活動が膨らんでいっているのかとか,そこら辺の情報は何かお持ちですか。 ○地域支え合い推進員  御質問いただき,どうもありがとうございます。こちらの活動,はつらつ筋陽会は,昨年11月頃から活動を始めまして,立ち上げの際には7人参加者がおりました。そこから3か月後,次の回には2,3人の御案内をして,そこに参加されると決められた方もいれば,別の活動に行きますという方もおりました。会場が階段のみの3階になっているので,その環境になかなか対応できないという方もいらっしゃったのですけれども,次の回では7人の方を御紹介するところで,規模としてはまだまだ人が入る状態なので,会の方と相談をしながら,引き続き受入れをしていきたいと思っております。 ○会長  そうすると,最初のメンバーが7人いて,また7人紹介するという形で,割と膨らんでいく可能性があるのですね。そういった方々が核になって,地域に知っていってもらえると,すごくいいと思って聞かせていただきました。ありがとうございます。  どなたかほかに御意見ございますか。 ○顧問  報告ありがとうございました。的確な報告だと思いますが,私は、介護予防の原点は孤立予防だと認識しています。すなわち家に閉じ籠もっていると介護予防のプログラムを利用できない。結果的にどのように出てきていただくか,どのように活動に参加していただくか,そこに地域支え合い推進員の役割があって,言葉を変えれば,来てもらおうと思わないで,来たい気持ちになってもらうようなメニューをつくれるのか,働きかけをつくれるのか,多分そこが勝負になるだろうと思っています。  ただ,本年は,この猛暑。べらぼうに暑い中で,家に閉じこもるとフレイルになる危険性があると言いつつも、熱中症にかからないために外出は控えろと言わざるを得ない。できれば家のクーラーを使って適切な室温のところで生活したいとみんな考えるけれども,そうなると確実にフレイルになりやすくなってくる。そういう環境とフレイルの問題がとても密接になっている。地域支え合い推進員としてもこういうことに留意したいとか,考えていらっしゃることはありますか。 ○地域支え合い推進員  御質問ありがとうございます。まさに猛暑については,第2層の地域支え合い推進員の中でも話題に上がりました。子どもたちは気温が高くなってくると外の活動を少しセーブしているというお話を以前伺って,高齢者はどうしていこうかという話になったときに,やはりフレイルが進んでしまうよねというところで,私たちとしてできることは,今クールシェアの場所の御案内がありますけれども,そちらを周知していった上で,あるいは身近なところ,もっと移動距離の少ないところでこういう活動が増えていくといいと思っていて,そういった活動拠点を探していく,または参加したいと思えるところをまた模索していきたいと思っています。 ○顧問  ありがとうございました。地方へ行くと,よく喫茶店が使われていて,喫茶店は12時前後は混むけれども,あとはがらがらだというところも結構あると。だから,喫茶店をサロンの場所に活用することも可能です。また,スポーツセンターがあれば,暑いときも家に閉じ籠もらないでセンターで体調を維持する。民間企業も活用して,その方ができるだけ家にいないで外に出て,プールならプールで歩いてもらう。どんなに外が暑くてもプールで歩くことは問題ないですから,そのような資源を幅広く捉えて情報提供するということもお考えになっていただいたほうがよろしいかと。ちょっと工夫してみていただければと思います。調布は喫茶店たくさんあるのですかね。 ○地域支え合い推進員  喫茶店もたくさんあって,やはり地域に貢献したいと御相談いただくケースが増えていますし,あと,社会福祉法人,グループホームであったり高齢者施設も地域とつながっていきたい,開放していきたいというお話が昨年度から出ておりましたので,もっと視野を広げてつながりをつくっていきたいと思っております。 ○顧問  ありがとうございます。それが多分、介護予防の肝になると思います。  以上です。 ○会長  顧問,ありがとうございました。ほかにどなたか。委員,お願いします。 ○委員  先ほどの介護予防とはというところの御説明の中で,フレイル予防,重度化防止と要介護状態にならないようにするのだという2つの面があるというところからスタートして,そこはすごくいいと思ったのです。フレイル予防に力を入れておられるのですけれども,それを聞いていると,身体機能の低下予防に特化されているような気がして,あれっと思っていたら,12ページ下のほうで生活機能の向上となっているので,やはりこれはICF的な考え方で生活機能を捉えられているのだと思って,ちょっと安心したのです。  それから,今の活動の様子のところに移って,地域の課題で今御説明いただいた内容の課題として,今3つの小学校地域を御担当されているということで,それぞれ課題があって,その課題を解決するために,民間の場所とかどこかいいところないだろうかということをやられていると今お話を聞きました。実は私,柏野小学校と上ノ原小学校の地域に住んでいるのですけれども,前回の第1回の会議が終わった後,自分たちの周りにはどういう社会資本があるか,いわゆるICFでいくと環境因子。小学校だとか公園だとか,あと,例えば防災備蓄倉庫はどこにあるのかとか,そのようなものを全部含めたところが介護予防に関係してくるので,そういうものがどこにあるのか地元だけ調べてみたのです。  そうすると,小学校にしても,地震のときはいいけれども,水害になったら柏野は駄目とか,それから,公民館なのに公民館に行っても証明書の機能がないとか,福祉関係の人はいないとか,ただ,みんなが会議したりボッチャをするような場所はちゃんとありますとか,全体で見ればいいのだけれども,地域の老人クラブの人間が歩いて行くにしては,中学圏域は広過ぎる感じがしたのです。  そこで,一応資料だけはお出ししておいたのですけれども,今,調布には8つの福祉圏域があって,小学校は20あると。これは国が中学校圏域でやれと言うからやられているのでしょうけれども,どうも私,高齢者の実感としては,小学校圏域で設備とかを整えていただけると,地域の老人たちにとっては非常にありがたいです。  私ども柏野小学校の圏域でいくと2つの老人会なので,2つ足して70人から80人ぐらいのメンバーなのです。そうなると,そこを担当していただける社会福祉協議会の方なり地域包括支援センターの人はみんなの顔が見えるという関係ができるのではないかと思っています。この福祉推進協議会は緑と公園課とか教育委員会の方は入っていない会議なので,第1層,第2層という話でいくと,マイナス1層とかマイナス2層があるのかどうか分かりませんけれども,もうちょっと広い範囲で御検討いただけたらと思います。  以上です。 ○会長  御意見ありがとうございました。地域に根差した御提案だと思いますので,今後に生かして……顧問,何かコメントございますか。 ○顧問  たしか生活支援の議論をするときには,1層,2層,3層に分かれて,今おっしゃったような議論も取り込んでいたように思うのですけれども,違いましたかね。図が1,2,3とあって,2層に地域福祉コーディネーターがいて,さらに小さい領域に今おっしゃったような活動があるということをたしか書いていなかったかな。 ○事務局  そうですね。その図がありました。第1層が市全域,第2層が福祉8圏域,第3層が各福祉圏域内にある市民の活動団体と記載しております。 ○顧問  ですから,今おっしゃったようなことは尊重していこうという姿勢が調布市にはあるのですね。 ○事務局  はい。 ○顧問  以上です。 ○会長  顧問,ありがとうございました。副会長,お願いします。 ○副会長  この中にコグニ体操というのが出てくるのですが,コグニ体操ってどんな体操かと。10筋は結構皆さん広く知っていて,私たちも包括支援センターなので,この体操がすごくいいというのは分かっているのですが,今日御参加している方にコグニ体操を御紹介できるものが何かあれば。これいいのよという感じで,ちょっとPRできたらいいのかなと思ったのです。これ,やると手と足と全然ちぐはぐで,これを結ぶことで認知症予防体操だよみたいな感じのDVDを10筋の方に今お配りして,10筋だけではなく,こういう体操もあるというところで地域の皆さんに取り組んでいただいているのですが,もし何かあったり,こういう体操ですという御紹介をしていただいたら,こういうのを会議で言っていたから使ってみようかなと皆さんもなるのではないかと思ったのですが,お願いいたします。 ○事務局  本日,DVDのご用意がないので,口頭で御説明しますと,コグニ体操は声を出しながら,例えば,1,2,3,4,5と言いながら,手を前後に動かしながら足踏みをします。次は3と5を抜く。1,2は声を出す,でも3は声を出さない,4は言って,5は声を出さないといった,ちょっと考えながら体を動かすところがコグニ体操になります。 ○会長  国立長寿医療研究センターと第一生命が協働でつくった認知症予防の効果もある体操という概念でいいですかね。次回にでも,もし何か資料があったらお配りしてください。 ○事務局  はい。YouTubeにも上がっております。 ○会長  もう見ている委員の方もいらっしゃるかもしれません。 ○副会長  言えばDVDの貸出しはできますよね。 ○事務局  そうですね。 ○会長  ぜひ御活用ください。ほか何か御発言ございますでしょうか。では,委員,その後,次の方,お願いします。 ○委員  先ほど顧問のお話で,夏なので近くのところでという話で,本当に思いつきで申し訳ない,今思いついたばかりで,何だそれはと言われるかもしれないのですが,民生委員の立場からいくと,介護予防で言えば,先ほどおっしゃった孤立というところで,訪問して,こういう活動がありますから出てきてくださいという役目を我々は仰せつかっていると思うのですが,今,正直言って実際に個人のお宅を訪問する機会はないのです。  以前は市のほうから,70歳になられた方の調査で伺うということがありました。あとは敬老金配付とかあったのですけれども,今は一切なくなりましたので,個人宅を訪問する機会は全くなくなりました。ですから,どなたか近所の方であるとか知り合いから,ここにこういう困っている人がいるようですよという情報を得ない限り訪問する機会がないのです。マンションもできてきましたし,そこに住んでいる人にどういう人がいるのか,我々は全く知り得ていないところがあります。  もう一つ,地域で何かやるにしても,去年も言いましたけれども,こういう健康とか見守りとかといったとき,一番小さな単位はマンションとか自治会だと思うのです。一番身近なところで,そこに住んでいる人たちが高齢者の状況が一番分かる立場だと思っています。民生委員は担当区域が広いですから,歩いていて,布団が干しっ放しだとか,洗濯物が干しっ放しだとかというぐらいしか何か状況が悪いのかどうか分からないのですけれども,地域の人たちは見ていますから,どこにどういう変化があるか分かると思うのです。  ただ,地域の自治会が今,なかなか成り立たなくなってきているという状況を伺って,それと先ほどの顧問からあった身近なところに活動場所という話を聞いたときに,小さな自治会はないかもしれませんが,自治会単位で自治会館とか集会所だとかがあるのではないかと思ったのです。そういうところを活用して,そこに住んでいる高齢者の方を対象とした体操教室みたいなのが開ければいいのではないかなと。本当に今思いついたばかりの話なものですから,実現性とかは全く考えていませんけれども,そういうことも考えられるのではないかと思いました。 ○会長  ありがとうございました。どういったリソースがあるかとかというのは把握されていますか。 ○事務局  自治会で会場を持っているところがあるのですけれども,そこでスマホの講座を実施したり10の筋力トレーニングを実施している団体さんもいらっしゃいます。それぞれの自治会がさらにネットワークを広げようと活動されている印象があります。最近ですと多摩川地区協議会が,先ほど御紹介した明治安田生命保険相互会社の講座の中の健康マージャンという講座を活用して新しい人とつながりたいということで実施しています。それぞれの自治会,地区協議会がさらにネットネットワークを広げようと精力的に活動されていますし,そこで私たちが持っているものを活用していただきたいと考えております。 ○会長  ありがとうございます。委員,よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは,よろしくお願いします。 ○委員  先ほどからいろいろお聞きして,やはり介護予防は介護保険制度を持続,維持発展させていくために非常に重要だということで,事例発表も興味深く聞かせていただきました。そういう中で男性の参加者が少ないというお話とか,先ほども猛暑のお話も出ているのですけれども,今年は熱中症アラートが盛んにスマホに来まして,こういう日は外に出ないでくださいということで,出ようにも出られない状況が大変多くあったのではないかと思います。  そこで,男性の参加者が少ないということにも関連するのですけれども,外に出なくても,何かうちでやってよ,せめてフレイル予防として家で筋トレをやるなり,栄養に気をつけるなり,なかなか出られないときでもこういうことをやってフレイル予防,介護予防につなげる取組も必要なのかなと思っているのですが,人が行動変容するのは非常に難しいと思うのです。何かそういう働きかけは市で既にやっておられるのか,それともいろいろ考えていらっしゃるのか,そこら辺のところをちょっとお聞きしたいのです。  以上です。 ○会長  いかがでしょうか。 ○事務局 以前,コロナのとき,行動制限がかかってなかなか外出できないときに,今日最後のほうにちょっと紹介したCDC事業,オンラインでデジタルを使って体操教室をやったりだとか,体操教室の動画を制作してYouTubeにアップして,実際そんなに視聴者数はないのですけれども,一応そういった取組もしています。あと,今言った10筋なども市の公式YouTubeに上げていますので,そういうものを見て自宅でできるようなものは一応用意しているのですが,実際にそれを使ってやるかというのは,確かに行動変容の絡みがありますので,そういう仕掛けはこれからちょっと考えていかなければいけないのかなと思っています。  以上です。 ○会長  ありがとうございました。委員,よろしいでしょうか。  それでは,最後,顧問からコメントをいただいてもよろしいでしょうか。 ○顧問  ありがとうございます。介護予防とはと書いてある資料1でございますけれども,特に2005年の介護保険改正時にたしか介護予防の議論が出てきたと思います。ちょうど厚生労働省の審議会の中に私もおりまして,介護予防の検討においてはっきり言われたのは,廃用性症候群をなくすこと。そして。持っている能力を使わないで衰えさせているのは福祉ではないのかと指摘されました。何から何までいろいろケアをして,結果的にその人の自立能力を阻害していたり,自分で何かしようという能力を阻害しているのではないかというのが大きなテーマであったことを思い出しています。  そういう意味では,使える能力は使っていただき,維持していただく。そのために少なくとも第一次予防,すなわち疾病や要介護状態にならない取り組みがまず必要です。これはいわゆる俗語で言えばPPK,ぴんぴんころり。多くの方がぴんぴんころりを望みますよね。それは何かというと,寝たきりになりたくないし,できるだけ健康を維持したいということが目指された。これは第一次予防になる。  ただ,ここで見失ってはいけないのは,第二次予防も第三次予防もある。第二次予防はフレイル予防です。虚弱になる危険性は老化に伴い誰でもあります。しかし,虚弱状態になりそうだったら,回復を目指し、通常の社会生活に復帰させる。それから,その状態で維持するという2つの選択肢があると思うのです。そういう意味では,できるだけ早く第二次予防に取り掛かることが望まれます。  第三次予防は,基本的には寝たきり予防と言われていて,要するに,この方が要介護になった,これはやむを得ないことも多々あるわけで,そうしたときに寝たきりにはさせないで,できるだけ起きていたり,できるだけ活動を維持できたりするような方法を取りましょうと。これらを総称してみますと,介護予防の主たる目的は、豊かな老後をどう維持していくか。豊かさを求めたチャレンジだと私は認識しているところであります。  だから,なかなか出にくくなったから駄目ではなくて,その人なりの豊かな生活を目指していこうということになるかと思います。それがちょうど8ページに書かれている,運動はしましょう,栄養はきちっと取ってください,そして社会参加を合わせて支援していくことが孤立予防だと思うのです。出かけていって,人との関わりを通して地域生活を維持してほしいと思っているところです。  また地域包括支援システムで書かれている生活支援・介護予防の議論は,あなたもボランティアしてくださいという議論です。老人クラブ・自治会・ボランティア・NPOと書かれていますが,あなたもボランティアしてください,あなたもいろいろな活動を通して社会に貢献してくださいということも含むので,そういう意味では,その方の居場所をいつも地域に準備できるかということが大切な課題になると思っています。  認知症対策も今そういう議論です。認知症になったから駄目なのではなくて,その人にできることはどんどんしていただいて,豊かに笑顔でいてくださいという,それが認知症予防の大綱に述べられているところです。ですから,みんな共通して豊かな老いや,その人なりの満足のある生活を提供していこうという取り組みが大切と私は思います。  そういう意味では,地域支え合い推進員のところも,やはり広い意味で社会資源を開発したり,その人のモチベーションが生かせる場を見つけたり,あと,さっき言ったような社会資源,企業もあるしスポーツセンターもあるし,いろいろなものがあるので,高齢の方々にそれらの活用をしていただく。そして,地域を豊かなものにしていく。そういう意味を介護予防は持っているので,高齢者支援を行う方は。ぜひその点を忘れずに。資源を広く考え、開発し,活用できる資源の情報は分かりやすく,かつ情報をチェックできるようにいろいろな仕組みをつくっていくという総合的な取り組みを行政、社協。民生委員児童委員、ボランティア、NPO、社会福祉法人等が協働してつくっていただくといいのかなと。また医師会、保健所、病院等も当然そのハウツーを持っていますから,協働する主体を広げていくことになるかと思います。  そういう意味で,高齢者福祉の原点の一つは孤立予防です。その人の人生の豊かさを求め人間としての豊かさを,老いても守っていけるようにサポートすること。それが介護予防の原点だと思います。  以上です。 ○会長  顧問,非常にすばらしいまとめありがとうございます。今の顧問のまとめをそのまま皆さんお持ち帰りいただければ,私はこれ以上言うことはございません。ありがとうございました。  それでは,以上をもちまして第2回高齢者福祉推進協議会を終了したいと思います。これからも委員の皆様,モニター員の皆様方と一緒に地域課題を解決できる調布市を目指して,そして豊かな共生社会を目指して,これからも議論を深めていければと思います。皆さん,本日はどうもありがとうございました。 了