ともに生き ともに創る 彩りのまち調布 市報ちょうふ 【1】 No.1780 令和7年(2025年)新春号 ■発行:調布市 ■編集:広報課 ■所在地:〒182-8511調布市小島町2丁目35番地1 ■市ホームページ:https://www.city.chofu.tokyo.jp/ 電話042-481-7111 ●「映画のまち調布」にある映像制作会社白組 調布スタジオの魅力を、「ゴジラ-1.0」を手掛けた山崎貴監督に聞く ◎PROFILE 山崎貴(Takashi Yamazaki)(映画監督(Director)) 1964年、長野県松本市生まれ。幼少期に「スターウォーズ」や「未知との遭遇」と出会い、強く影響を受け特撮の道に進むことを決意。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業後、1986年に株式会社白組に入社。「ジュブナイル」(00)で監督デビューを果たし、CGによる高度なビジュアルを駆使した映像表現・VFXの第一人者となる。最新作「ゴジラ-1.0」(23)は、全米での歴代邦画実写作品興行収入1位となるなど、海外からも高い評価を受ける。第96回アカデミー賞(R)視覚効果賞など数々の賞を受賞。  明けましておめでとうございます。  皆様には、つつがなく良き新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。  調布市は昭和30年4月、当時の調布町と神代町の合併により誕生し、本年、市制施行70周年という記念すべき節目を迎えます。  そして、その令和7年度には、京王線連続立体交差事業と連動し、長きにわたり取り組んできた中心市街地の基盤整備の核となる鉄道敷地及び調布駅前広場の工事が、一部を除いていよいよ完了する予定です。ここに至るまで、大変多くの関係者の皆様にご理解とご協力をいただき、誠に有難く存じます。  市制施行70周年の今年は、市を挙げて、まちを大きく発展させ調布の礎を築いてくださった先人への感謝の意を表すとともに、次代を担う子どもたちを含む多くの市民が、これからの調布市の未来に希望が持てる取組を数多く実施していく予定です。「我がまち調布」の節目の年を大いに盛り上げたいと考えておりますので、皆様方のお力添えをよろしくお願いいたします。  この先も、基本構想に掲げたまちの将来像「ともに生き ともに創る 彩りのまち調布」の実現に向け、真摯に市政運営に努めて参ります。  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 調布市長 長友貴樹 ●おめでとう!調布もゴジラも70周年 市報新春号の掲載情報は12月20日時点のものです 【2】 市報ちょうふ 令和7年(2025年)1月1日 【3】 ●「映画のまち調布」にある映像制作会社白組 調布スタジオの魅力を、「ゴジラ-1.0」を手掛けた山崎貴監督に聞く ◎「最先端と伝統技術が混在し、ハンドクラフト精神が生きた本物の映像を追求する」  市内には、さまざまな規模の映画・映像関連企業が約40社あります。  今回、映画産業が発展してきた「映画のまち調布」にある映像制作会社のひとつ、「白組 調布スタジオ」を訪れ、映像制作の魅力や話題作「ゴジラ-1.0」の作成秘話などを山崎貴監督にお伺いしました。 ◇白組 調布スタジオではどのような仕事をしていますか  主にメディアに対して映画やドラマ、CMなど映像作品のVFX部分を制作し提供しています。その中でも私は、脚本や絵コンテを描いたり、映画を仕上げるなど、映画を作る仕事がメインとなっています。ほかにもCMやイベント用の映像を制作することもありますし、映像制作全般に携わっています。 ◇白組に入社したきっかけは  当時、割と最先端の技術を使える仕事がCM制作でした。社会が新しいことを日々求めていたので、それなりに予算も多くありました。白組は最先端のことを意欲的に取り組んでいるなと感じていましたし、映画や博覧会の映像だったり、さまざまなところに向けて広く事業を手掛けていたので、自分がやりたいことができるかなと思いました。ちょうどその頃、アルバイト募集もあったので入りやすかったですし、何より白組に縁がありました。  最初はミニチュア制作の担当として入社しましたが、入社してすぐにミニチュアを作るだけでなく、それを使ってどういった映像を作るかを考えることから、実際に映像を作るところまでの担当となり、どんどん仕事の領域が広がっていきました。 ◇VFXとはどのような技術でしょうか  VFXとは、Visual Effects(ビジュアルエフェクト)という言葉を略したものです。基本的には視覚効果なので、この世に存在しないものを映像の中だけで存在させるのが主な役割です。例えばゴジラであれば、ゴジラは当然この世に存在しません。しかし、ゴジラから逃げる人たちは実際に再現できるため、逃げる人たちを撮影した映像に、ゴジラや昭和の街並みなどをCGやミニチュアなど、さまざまな技法を使った画を組み合わせて、この世に存在しないものを映像の中で本物に見せるというのがVFXの基本的な考え方です。 ◇VFXという技術の魅力は  一番の魅力は、この世に存在しないものを映像の中で自由に作り出せることです。創造力で辿り着いたものを、あたかも現実にあるかのように見せることができます。最近、VFXはタイムマシンだなと感じることがあります。それは、VFXの技術によって、ある時代の出来事や、僕らが二度と見ることができない出来事、写真でしか見たことがないものを再現できるからで、それがVFXの魅力の一つだと感じています。ほかにも、イマジネーションをそのまま実現できることや、昔と比べ簡単に映像を作ることができるところが魅力だと思います。 ◇白組 調布スタジオが作るVFX作品の特徴や強みは  白組 調布スタジオは、ミニチュアやフィルム撮影をリアルワールドで行うVFXの会社としてスタートしました。自社でスタジオを持ち、実写のミニチュアを作るチームもあるので、技法を問わず何でもできます。CGのみを制作する会社であれば、ミニチュアで何かしたいなと思った場合、ほかの会社との調整を図りながら進めるため時間も掛かりますが、白組であれば大抵のことが自社でできるので、やりたいと思ったことは、すぐに制作できます。  最近は、CGの技術が優秀になってきたので、CGに頼ることも多いですが、シーンによってミニチュアを使う方が優位性のある場合もありますし、映像を作るシーンに合わせて、さまざまな技法の中から取捨選択ができるところが私たち白組の強みだと思います。  「ゴジラ-1.0」の場合、掘っ立て小屋や廃屋などバラックのミニチュアを作りましたが、とても汚れているし、雑然としている物がたくさんあります。そうしたものをCGで一つ一つ作ると時間がかなり掛かりますが、ミニチュアであれば、少ない時間で比較的簡単に本物に近い仕上がりのものを制作することができます。また、複雑に動かさなければならない場合はCGの方が優位性は高いですが、バラックやそこに存在していれば良いもの、あまり動かさないようなシーンの場合は、ミニチュアの方が優位性が高いです。ゴミや藁が丸まったものなどをCGで作ると手間が掛かりますが、ミニチュアであれば、身の回りにある糸くずを丸めるだけで作れてしまいます。ミニチュアは、手早く実在感が欲しい時で複雑な動きがないときは今も使える技術だと思います。 ◇仕事で大切にしていること  私たちの職場は、好きなことをお互いが好き勝手に言える環境で、それがとても良いと思っています。この仕事は、作品の出来に突っ込まれて当たり前だと思いますので、お互い何でも言いやすい空気感は大切にしたいと思っています。それでも、あまり酷いことを言われるとムッとするので、言い方は気を付けてもらいたいなと思います(笑)。少なくとも何でも言いやすい環境を作るのは、結局自分にとって得なんだなと思っています。  若い人たちには、困難な仕事に放り込まれた時に、ただ頑張るだけではなく、困難の中でも楽しむことができる人に育って欲しいですね。情熱だけで乗り越えられないこともあると思いますので、情熱も持ちつつ、楽しむことができる才能はとても大切だと思います。 ◎株式会社白組  今年で設立51周年を迎えた、日本を代表する映像制作会社の一つ。CGやVFX、2D、ストップモーションなどさまざまなアニメーション技術を主力として、CM、劇場用映画から、ゲーム映像、テレビ・ネット番組に至るまで幅広いジャンルを手掛ける。 1973 島村達雄氏が、島村企画室を開設 1983 コンピュータ・グラフィックスシステム稼動開始 コンピュータ・コントロールアニメーション撮影システム導入 1986 調布市多摩川に調布スタジオ新設 1990 調布スタジオを大幅改築 コンピュータ・グラフィックス、モーションコントロール撮影、立体モデル、ミニチュアセットの製作などSFXの総合製作スタジオ化を完成 2023 設立50周年を迎える 映画作品/「ジュブナイル」、「リターナー」、「ALWAYS 三丁目の夕日」、「寄生獣」、「DESTINY 鎌倉ものがたり」、「STAND BY MEドラえもん」など多数。 ◎「ゴジラ-1.0」  2023年11月3日公開した白組 山崎貴による、ゴジラ生誕70周年記念作品。第96回アカデミー賞(R)  ではアジア映画初となる視覚効果賞を受賞。VFXは白組調布スタジオが担当した。 ◇上映決定 映画のまち調布シネマフェスティバル2025 上映日時:3月2日(日曜日)午後3時から  映画のつくり手に贈る映画賞「第7回映画のまち調布賞」の録音賞、編集賞の受賞作品。また、株式会社白組は、同映画賞の特別賞を受賞しています。 ●山崎監督のインタビューを1月20日(月曜日)からテレビでも放映 J:COM(地デジ11チャンネル)「テレビ広報ちょうふ」 〈新春号〉5日から19日 「市長、議長、木島平村長の新年のあいさつ」など 〈20日号〉20日から翌月4日 市政情報、「山崎貴監督インタビュー」など 放送内容は調布市公式YouTubeでも配信中 ●調布FM83.8メガヘルツ市政情報番組「調布市ほっとインフォメーション」 〈新年市長インタビュー〉1月1日(祝日)/午後2時30分から、9時から 2日(木曜日)・3日(金曜日)/午後1時30分から、4時から、9時から (注)放送が休止・時間変更になる場合あり。インターネットでも聴取可。詳細は調布FMホームページ参照 【4】 市報ちょうふ 令和7年(2025年)1月1日 No.1780 「映画のまち調布」にある映像制作会社白組 調布スタジオの魅力を、「ゴジラ」を手掛けた山崎貴監督に聞く の続き ◇調布のイメージは  出勤時は下り方向の電車に乗車するので空いていて良いですね(笑)。調布駅まで行けば、色々なものが揃っているし、街が小さくまとまっているので、効率的に動けて大変助かります。  制作の際にも素材に本当に困ったら、川や野原など近場ですぐに撮って来られる環境もあるので、それも気に入っています。空の素材が欲しい時は、文化会館たづくりの屋上でよく撮影させてもらっています。  ほかにも、調布駅が地下化になり、駅前に映画館ができたのは嬉しかったですね。最新の設備が整った映画館もあるので鉄道の上部は好きです。駅前にまだ土地が余っていますよね!ぜひオープンセット(注)を…駅前では難しいですかね(笑)。(注)撮影のために屋外に作られたセット ◇「映画のまち調布」に期待していることはありますか  市内には撮影スタジオがたくさんあり、映画を作っている街だなと感じます。調布スタジオを建てる時も、近くに角川大映スタジオや日活調布撮影所があることが大きな理由でした。映画を制作する機能が集中している環境がある場所はかなり珍しいと思うので、あまり遠くに行かなくても、調布の中でできることがもっともっと増えていけば良いなと思っています。  あとは、オープンセットを作れる場所が欲しいなと思います。以前、味の素スタジアムの横にあった広い土地に、オープンセットを作っていました。オープンセットが作れるような広い場所が市内にあったら良いな、と。なんとかなりませんかね(笑)。 ◇今後、どのような作品を生み出していきたいですか  最近は、VFX技術が進歩し、頭でイメージしたもののほとんどが再現できるようになってきました。そのため制作者のイメージが貧弱だと、つまらないものしかできませんし、作品もイメージに左右されてしまうため、そこは頑張ってイメージ力を磨いていきたいですね。昔は、そんなことはCGを使ってもできないよと言われてきましたが、今はできることとできないことの境界がなくなってきており、イメージしたものはできるようになってきているため、思い付いたものを無駄にしないようにしたいです。 ◇調布市民にメッセージを  白組の作品を観る時は、「調布で制作しているんだな」と意識してもらえると嬉しいですね。「ゴジラ-1.0」で視覚効果賞を受賞した時は、市内のたくさんのお店でお祝いのポスターを貼っていただいていたのが嬉しかったです。市民の皆さんにはご当地映画として、観ていただけたらと思っています。 ●目指せ!白組 「映画のまち調布」の若手育成のための取り組み  若い人たちに映画製作の魅力を伝え繋げていくための取り組みの一部を紹介します。 ◎調布ジュニア映画塾  中学生がプロの映画監督や技術者の指導を受けながら、脚本、撮影、編集という映画製作の基本を体験 し、短編映画を製作します。 ◎高校生フィルムコンテスト  高校生が自主製作した映画・映像作品を、プロの映画・映像関係者が審査し最優秀作品賞などを決定します。 ◎みんなのワークショップ  プロ制作の短編映像作品台本・セットに沿って、準備から本番までを、撮影など各パートに分かれて体験できるワークショップです。 ●映画を創る力 つなぐ 未来へ 映画のまち調布シネマフェスティバル2025を開催! 映画のつくり手に贈る映画賞授賞式をはじめ、トーク付き上映会、展示やワークショップなどのイベントを開催する映画・映像のお祭りです! 日時/2月7日(金曜日)から3月2日(日曜日) ●市報ちょうふの配布に関する問い合わせ 市報ちょうふ配布コールセンター(配布受託業者株式会社小平広告)電話042-300-3131