令和6年度第4回調布市公共交通活性化協議会議事録 開会 【事務局】 それでは定刻となりましたので,令和6年度第4回調布市公共交通活性化協議会を開催いたします。 委員の皆様にはご多忙の中,ご出席を賜りまして,お礼を申し上げます。 本日は概ね2時間の開催を予定しております。 本日の委員のご出席でございますが,事前にご欠席の連絡等いただいております。一般社団法人東京ハイヤータクシー協会業務部長のL様,京王自動車労働組合執行委員のN様,東京都都市整備局都市基盤部交通企画課地域公共交通担当課長のS様からはご欠席の連絡をいただいております。また,国土交通省関東運輸局東京運輸支局主席運輸企画専門官のP様からは,ご欠席の代理としてX様のご出席を伺っております。 なお,傍聴につきましては本日5名程度受付をしておりまして,予めご承知おき頂ければと思います。 それではまず会長からご挨拶をひと言いただければと思います。会長よろしくお願いいたします。 【会長】 おはようございます。中央大学のAでございます。今回の中間報告ですけれども,一番重要な点は何点かありまして,1つは上位計画,いわゆる国や東京都の計画と調布市の計画をどういう統制をとっていくか,これが一点目です。 2点目は大きな社会の変化をどう受け止めるか。例えば人口の高齢化というものがありますが,秋田県などは40数%減っていきますけれども東京都は8%です。ところが郊外に400万人ぐらいの高齢者が溜まっていくというところで,調布はその郊外のフリンジにちょうど位置するので,高齢社会に対してどう受け止めるかというのは2つ目の大きな課題であろうと思います。 そのほか公共交通では,日本だけが民間を主導としてやってきたものが,コミュニティバスなどは役所の方でやっていますけれども,公共がそのあたりの面倒を見なければならないという段階に入り始めたのだと思います。例えばライドシェアや福祉有償運送は公共がやるべきものとして10年後にはかなりシフトしていると私は思っていますが,そこをどうスイッチしていくかというところが,かなり大きな課題であり,ここが3つ目の大きな変化をどう受け止めるかというところです。 4つ目は,それでは調布市はどうすべきかというところで,今日はデマンドの実験も議題にありますが,そこをやはり切り抜けるために役所の方は努力していますので,ぜひ支援をしながら冷たくあしらうことも大事なので,そのあたりをバランスよく皆さんにはやっていただきたいです。ということで,私の挨拶に代えさせていただきます。 【事務局】 ありがとうございました。それでは議事に入ります前に資料のご確認をお願いいたします。 本日,タブレット端末または印刷物のいずれかより確認をお願いしております。もしお手元に資料がお揃いでない場合やタブレットに不調がある場合は,スタッフにお声がけいただければと思います。 それでは本日の資料は,事前にお送りさせていただいたもの,お手元の次第に記載があります通り5点ございます。委員一覧と本協議会の設置要綱のほか,資料1として「地域公共交通計画策定に向けた検討状況」,資料2「北部地域デマンド型交通実証実験について」,資料3「調布市公共交通活性化協議会作業部会および運賃協議会の設置について」,でございます。 なお,本日は代理出席も含めますと20名の委員の皆様にご出席いただいておりますので,要綱第7第2項に規定する定数に達しておりますのでご報告させていただきます。 それでは,以降の議事進行を会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。 議題 地域公共交通計画について 【会長】 ただいま事務局からの資料の確認が行われました。それでは最初に資料(1)の「地域公共交通計画について」事務局からご説明をお願いしたいと思います。 【事務局】 おはようございます。それでは「調布市地域公共交通策定に向けた検討状況(中間報告)」についてご説明させていただきます。 本日の資料は,調布市における地域交通の現状,課題,取り組み,方向性を関係各所と共有するものとして作成させていただきました。 これより本会にて内容をご審議いただき,都度ブラッシュアップをしながら関係各所との説明や調整に活用できるものにして参りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 それでは資料説明に入らせていただきます。3ページをお願いいたします。計画の概要はこれまでの通りですが,公共交通網を共有する近隣地域も視野に,市全域に対するものとして作成しております。策定は令和7年度,計画期間は令和8年度から12年度で想定しております。 資料4ページ,5ページをお願いいたします。計画の位置づけですが,これまでの相関図に調布市バリアフリーマスタープランを表出しし,移動の制約がある方々の公平性を高めることとの関連性を示しております。また5ページですがSDGsの概要を取り上げております。右下の図は本市基本構想の施策として,快適な公共交通環境の整備を取り上げております。 6ページ,7ページをお願いいたします。6ページは我が国の公共交通政策の変遷について簡単に示してみました。戦後,日本は民間の公共交通事業者が主体となり,移動需要に対して交通サービスの安定供給が図られてまいりました。その後,人口減少や少子化,マイカー利用の普及などにより,鉄道,バスなどの路線廃止などが顕在化したため,路線の廃止等が事前届け出制となりました。しかし,以降も廃線などは相次ぎ2007年度以降は行政が協議会や計画などを通して,地域公共交通の維持確保と利便性向上に取り組む流れとなりましたが,コロナ禍以降,需要の減少とは別に運転手不足などにより交通の担い手側でも供給の維持が難しい状況に陥っております。近年では,都市部のような移動需要の高い地域でも,既存交通の維持が難しい状況となっております。 7ページをお願いいたします。こちらは6ページの状況を示すデータの一部を掲載しております。需要減少のデータも掲載しておりますが,特に2段目の右から2つのデータをご覧ください。まず,運転手不足について,現在でも運転手不足は深刻でありますが,今後需要供給のバランスは隔たりが大きくなる一方であることを示しております。また,一番右側の図は,令和4年度のものではございますが,鉄道およびバスの運行事業者の約9割が赤字経営で運行しているという状況を示しております。その他,現在は高齢者の免許返納が推奨されてはおりますが,供給側の置かれた厳しい状況を思うと,免許返納により移動手段を失うというようなことも留意する必要がございます。 8ページをお願いいたします。このほかにも今後の地域交通を考える場合に,デジタル技術の活用や環境保全についても視野に入れる必要がございます。この両分野は国や都,交通事業者などと共に取り組む必要が高いため,関係各所の動向を注視して取り組みを進めていく必要がございます。本計画についても,これらの背景を踏まえて政策を展開する必要がございます。 9ページをお願いいたします。ここでは,本市における公共交通の現状と検討の経緯をまとめております。これまでの調布市は,民間事業者が担う鉄道,バス,タクシー等の交通機関が充実しており,市民の移動が支えられてまいりました。しかし,一部の地域では公共交通を利用しにくい状況が点在しております。この公共交通を利用しにくい地域への対応については,平成10年からミニバスを導入し,以降も移動手段が十分でない地域のコミュニティ交通の可能性について検討してまいりました。このように取組を推進してまいりましたが,現在はコロナ禍以前の需要に戻らない状況となり,運転手不足なども重なり,あらゆる面で交通事業者の負担が増大しております。この間,本市は北部地域で実証実験を推進してまいりましたが,利用実績や交通事業者らの厳しい経営状況を考えると,今後どのように整備・展開していくか悩ましい状況です。 そのように課題が多い状況,移動の制約に着目したことは成果であると考えております。高齢者や親子,心身に障害がある方のうち,身近に公共交通機関があっても一般の利用者と同じように利用することが困難であり,かつ移動に関する特定の支援を利用できない方々に着目したことは,当たり前に公共交通を利用できる方々を前提とした計画を描くのではなく,公共交通網を整備しても,取り残されてしまう方々にも焦点を当てて計画を構築することで,令和12年まで国際指標に掲げられて推進するSDGsとの整合性も向上できるのではと考えております。少々意欲的ではありますが,このように視点で検討を進めてまいりたいと思います。 その他にも,それぞれの立場の方々が抱えるお困り事について,関係者がともに共有・検討する環境が必要と考えております。 10ページをお願いいたします。 しかし,この調布市の地域交通改善に向けた現状の課題解決は決して簡単なものではございません。地域によっては,崖線や狭あい道路など地形的にバスを利用できない地域がございます。そのような地域対応を想定して,小型車両でデマンド型交通の実証実験なども展開しておりますが,バス輸送の代替としてはその役割を果たしているとは言えず,単純に他地域に転用することは難しい状況です。 また,高齢者の公共交通利用は増えていくと見込んでおりますが,バス停までの道のりや公共交通の利用自体が大変な方もいらっしゃいます。当然,このようなケースは高齢の方に限ったことではございません。そのような方々にうち一定の移動サービスの利用が確保できている方は良いのですが,移動サービスの利用ができない,または利用頻度が限られるような方々もいらっしゃいます。このような方々に対しては,移動制約に関する情報を持つ分野と役割分担しながら対応していく環境が必要です。また公共交通の維持についても厳しい環境のなかでバス運行事業者が描く運行路線と公の観点から必要と考える地域交通網が重なっていけるかなどは現在不透明です。このように移動に関するお困りごとについては,関係各所が分野を横断しなければ解決されない事が多くありますので,各関係者が連携,協働しながら役割分担していくことが重要です。 11ページをお願いいたします。このような状況ではございますが,これらの課題を踏まえて今後,以下のように取り組みを進めてまいりたいと考えております。 公共交通ネットワークの構築・維持と公共交通を利用しにくい地域への対応について,都市計画および道路計画等を踏まえつつ,本市全域の公共交通ネットワークとして軸と拠点を再確認するとともに,各地域における地域内交通の役割を整理し,地域の特性に応じた適切な施策を示すためバスネットワークに関する調査を行う。 移動の制約がある方々の移動の困り事についても,少しでも解消し日々の暮らしに必要な移動手段の確保や活動機会の増進に繋げるため,今年度に調査し抽出した公共交通を利用しにくい地域を中心とした交通行動調査を行う。 市における公共交通,福祉交通,私的交通などの役割を整理するとともに,関係各所が抱える課題に対し,限りある交通資源を有効利用するため,調布市公共交通活性化協議会,作業部会などを通じ,連携協働を促進する。 変化の早い地域公共交通については,比較的短い期間での実施・評価・見直しを行うとともに,実証実験の結果を反映するなど,関係者間の協働を促進し,計画をアップデートしやすい仕組みや環境を作っていく。 上記4件を踏まえながら,今後の本協議会で調布市総合交通計画で定めた基本方針および基本交通施策を持続可能なものに展開するため,地域公共交通計画における基本方針を示してまいりたいと考えております。 以上の点から今後,本市本計画策定を推進してまいります。簡単ではございますが,以上となります。 【会長】 はい,どうもありがとうございます。それでは,ただいまの報告につきまして,ご質問,ご意見があればお願いをしたいと思います。いかがですか。 先ほどの報告は,現状を把握し,そして人々のモビリティ問題がかなりあちこちにあるので,それに対して調査・検討して計画を作っていくという,そういう報告だったかと思います。 これにつきまして,こういう点でもうちょっと頑張ってほしいとか,そう いう意見がありましたらお願したいと思います。Dさんご意見いかがでしょうか。 【D委員】 確かに公共交通と一言で言ってしまうと,説明内容に尽きるのではないかと思いますが,北部では主な通りが4つ今あるのですけど,交通量がとても多いバス路線では1日150便ほど走っている通りもあれば,1日1便,2便という通りもある。やはりそれはニワトリが先か卵が先かわかりませんけども,かなりの差が生じている。そこをまたさらに横を横断で行こうとする。全てが全部調布駅に向かうわけではないのでそのぐらいの効率いいバランスというか,そういうのは確かに必要だと思うのです。 この資料をずっとメールで送られて来た事前資料を見ましたけれど,バス停から200mと円を描いていますけれども,1日1便,2便にないところも描いている。それで1日150便近くまである路線にも円を描くということに何かバランスの悪さいうのも感じておりますので,今のここにまとめられた方向性というのは,私は特に意見はないのですけど,現実問題として見ると,そういうバランスの悪さみたいなものがあって,そこがどうして書類になってしまっているのだろう。これはこのまま放っておくと,どんどんそこに人が集まってしまうということになりますので,そこも視野に入れながら,今後の協議に入っていかないといけないのかなと感じております。 【会長】 はい,ありがとうございます。今Dさんがおっしゃった地域で150便と1,2便しかない道路がある。その1,2便しかないところで200mの円を書くと不便地域じゃないと称されるけど,6時間とか5時間に1本来るような道路が,1日150本も運行する道路と同じにして評価してはまずいという,そういう意見だと思います。 ここは今までバスでずっとやってきたところを,デマンドとか,タクシーとか,あるいはライドシェアだとか,いろいろな交通手段が出てきて,後発組の交通手段がうまくセットされてないという現状がある。そこをできるだけ適正になるように変えていくために,来年度以降調査をしっかりやって,取り組んでいきたいというのが市の趣旨ということです。ですから多分Dさんのおっしゃっている差が生じている調布市を,差の生じない調布市に変えていくための戦略が,今日書かれた文章の中にはあったと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 他にいかがですか。 【副会長】 私からよろしいですか。高崎経済大学のBです。よろしくお願いします。 方向性は概ねよろしいかと思っておりまして,一つ留意点としては,やはり対になるものとしては,都市計画の領域でいくと立地適正化計画になってくると思います。その立地適正化計画の中で必ず居住誘導区域というのを指定することになっていますので,その居住誘導区域というのは人口密度をある程度一定数に保っていくために,都市を集約するというエリアになってくるのですけれども,その集約のさせ方,時期であったりとかタイミングであったり,あるいは少し時間が経つと人口密度が若干変わってきたりとか,あるいは高くなったり薄くなったりというエリアが必ず生じてくると思うのです。そのあたりを分析の中でかなり精緻に見ておいた方がいいかと思っています。これは現在ではまず要望の段階なのですけれども,分析する中で必ずセットで考えていただくことを要望申し上げたいと思っています。ですので,都市計画の領域とうまく連携をしていただけると大変よろしいのかなと思いますので,是非そのようなかたちで進めていただければと思います。 【会長】 はい,ありがとうございます。副会長からは立地適正化をしっかりと視野に入れて分析をしてください,居住の区域などは,これから立地適正化で計画区域になったところは人口の変動が大きいと思うのです。増えていったり減っていったり。それが都心部に近いところで起こる場合には,そこを意識して発着ということになりますのでそこも考慮してください,ということになると思います。 他にいかがですか。よろしいですか。他のご意見は後ほどまたいただきたいと思いますので,議題2の「北部地域デマンド型交通実証実験について」事務局からご説明をお願いいたします。 議題 北部地域デマンド型交通実証実験について 【事務局】 それでは「北部地域デマンド型交通実証実験について」わたくし井坂からご説明いたします。資料は2の「北部地域デマンド型交通実証実験について」という資料をご覧ください。事前にメールで資料を送付いたしましたが,見た目や文言等の調整を行い,送付したものからは若干変更しておりますので,本日配付した資料をご確認いただければと思います。また,データ等で資料が必要な場合はこの協議会後メールにて送付をいたしますので,後ほど事務局までお声がけください。 次のページをご覧ください。本日の主な内容は北部地域デマンド型交通の概要と課題整理,今後の取り組み方針の2点です。また令和7年4月から運行するデマンド型交通の運行内容案について委員の皆様に承認をいただきたく思っております。 資料は4ページをご覧ください。まず,これまでのデマンド型交通の実証実験について整理します。北部地域の公共交通に関する取り組みは,ミニバス北路線の一部区間が大幅減便になった影響を受けた地域の方々の移動手段を確保するため,巡回ワゴンバスによる定時定路線の実証実験を開始してまいりました。その後,より柔軟に対象地域の方のニーズに対応するため,令和5年12月から北部地域デマンド型交通の実証実験を開始しております。令和6年度第3回公共交通活性化協議会は書面で開催いたしました。デマンド型交通について,利用人数は想定より少なく,高齢者の一部に需要が集中しており,ミニバス北路線の代替手段として十分な役割を果たしているとは言えない一方,少数ではあるものの,高齢者および子育て世代の一部に生活の足として定着しつつあることを考慮すると,移動制約者を中心とした地域住民の移動手段の確保は検討の余地があり,詳細なデータ収集や分析のために運行期間を延長しています。また,エイブルパーキング深大寺北町7丁目の乗降ポイントについては,乗降ポイントで工事が開始されることになり,利用者の安全性を考慮した結果,令和7年1月15日をもって閉鎖しております。 次のページに,現在の運行概要をまとめております。6ページをご覧ください。これまでの協議会での議論や収集してきたデータから北部地域デマンド型交通における課題は3つあると考えています。1つ目は,移動制約者に合った運行です。高齢者を初めとする移動制約者が求めるニーズと,現在運行する運行内容についてミスマッチが起きている可能性があり,ミスマッチを減らしていく必要があると考えています。2つ目は,駅への接続性です。住民からのご意見も多く上がる点ですが生活していく上で,北部地域から駅まで移動するための交通手段の確保についても考慮する必要があります。3つ目は持続可能な公共交通です。公共交通は公費があてられ運行しています。持続可能な公共交通の運行のためには,事業の効率化が必要不可欠であると考えています。 7ページをご覧ください。まず,課題1の移動制約者に合った運行ですが,利用者の想定は下記の通りです。北部地域デマンド型交通実証実験では,地域内における移動手段が主な目的であるため,自立して行動できるものの一般の人に比べて移動に制約がある方を主なターゲットとします。現在の想定は,高齢者は主に免許返納者,家族に送迎を頼めない方などで,障害者は車の乗り降りなどご自身である程度活動ができる方,子育て世代では,免許や自家用車を持っていない方,家族に送迎を頼めない方,ベビーカー等で移動している方を考えております。 次のページをご覧ください。デマンド型交通の現在の利用者数は延べ 1,639人で1日当たりの平均利用者数は5.6人となっています。予約した方の年代を見ると,70歳以上が半数を超えており,やはり高齢者に多く使われていることがわかります。 9ページをご覧ください。登録と利用の状況ですが,利用登録人数は516人となりましたが,そのうちデマンド型交通を実際に利用したのは約3割の164人にとどまっています。利用したことがある人の予約回数を見ると,約7割の方が2回以上のリピーターとなっています。 10ページをご覧ください。乗降ポイントの利用状況ですが,商業施設に近いパレット深大寺や梅の湯,ブランチ調布,公共施設である深大寺地域福祉センターのほか,花水木や杏林大学病院などにおける利用が多くなっています。 11ページをご覧ください。駅への接続性の課題については,まず地域の交通手段の整理を行いました。調布市総合交通計画改訂版では,調布市のバスネットワークイメージを図のように整理しており,北部地域に着目すると,地域内から調布駅や三鷹駅等の地域の拠点に向かう基幹交通は,概ね堅調に維持しています。北部地域は道路幅員が狭く,基幹交通を主に担う大型バスが通れる道路が少ないため,地域内交通は基幹交通までの移動手段を担うものとして整理され,地域内の移動支援や交通拠点への移動手段として交通網を支えています。デマンド型交通における運行でも,駅まで移動可能な基幹交通までの移動を支える取り組みを進めるべきだと考えています。 12ページをご覧ください。交通手段別の特徴を整理しています。堅調に維持する基幹交通を今後も維持していくためには,基幹交通の利用者の維持も大切です。バスと地域内交通,タクシー等の個別輸送ではそれぞれ特徴があるため,特徴を生かした運行を行う必要があると考えています。地域内交通の運行においても,移動制約者の生活支援を担うものとして,駅までアクセスできるような移動のしやすさを考慮する必要があると考えています。 13ページをご覧ください。持続可能な公共交通の課題については,今後の人口の推移と外出率に着目しました。調布市の人口を見ると,人口はほぼ横ばいに推移していますが,高齢化率は増加傾向にあります。外出率が高い生産年齢人口は全国的に減少傾向で,利用者の減少から将来的に公共交通ネットワークの維持が困難になる恐れがあります。東京都の資料によると,高齢化するにつれて外出率が低下することもわかっており,人口減少と高齢化により外出率が低下すれば,公共交通の維持はさらに難しくなると考えています。 14ページをご覧ください。調布市の公共交通の運行に係る経費の決算額の推移を示しています。公共交通に関する予算は年々増加しています。バスをはじめとする公共交通の利用者が減少していく可能性を鑑みると,現在のサービス水準を維持するためには,さらに費用が増加していくと考えられます。市の財源確保が厳しくなる中で,持続可能な公共交通を目指すには,運行の効率化が必要です。 15ページをご覧ください。課題に対する解決のアプローチを示します。まず課題1の移動制約者に合った運行の解決のアプローチは,利用者に合わせた運行内容の見直しや地域住民と協働して地域交通を考える取り組みの実施です。次に課題2の駅への接続性の解決のアプローチは,駅へ接続可能なバス停までのアクセスを考慮した乗降ポイントの設置です。最後に課題3の持続可能な公共交通の解決のアプローチは,効率化を考慮した運行計画の見直しです。 17ページを御覧ください。次に今後の取り組み方針についてです。 今後は大きく2点に取り組みます。まず1点目が,現在のデマンド型交通の運行内容の見直しです。利用者層に合った運行内容を効率的に運行するには運行内容の見直しを行います。具体的な改善内容を検討するにあたっては,利用実績やアンケート調査,モニター調査を参考にします。2点目は地域住民と協働して地域交通を考える取り組みです。これまでの巡回ワゴンバスの運行やデマンド型交通の実証実験は,いずれも利用者が限定的です。より地域のニーズに合う地域交通を確立するため,地域の方々にもご協力いただき,一緒に検討し実施していく体制やスキームの構築を目指したいと考えております。 まずデマンド型交通の改善についてです。19ページをご覧ください。検討項目は5つで,運行日・運行時間帯,料金,予約・利用方法,乗降ポイントの追加,車両です。その項目について,主な利用者として想定している移動制約者に合わせた改善を行いました。検討にあたっては,利用実績の他,これまで地域の方々にご協力いただいたアンケートや利用者モニター調査,地域住民へのヒアリングなどを参考にしております。 20ページをご覧ください。検討項目1点目の運行日・運行時間帯についてです。利用実績から,曜日,時間帯を見ると大きな差異は見られないものの,曜日では金曜日,時間帯では午前中の利用が多くなっています。住民アンケートでは早朝および夜間における交通手段を求める意見があります。運行日,運行時間帯については,今後住民の意見を踏まえた改善が行えないか引き続き検討してまいります。 次のページをご覧ください。検討項目2点目の料金についてです。デマンド型交通の運行前のアンケートでは,支払える金額について300円が最も多くなっています。移動に制約がある方への更なる割引制度や,既存バス等への乗継運賃の導入等については引き続き検討してまいります。 次のページをご覧ください。検討項目3点目の予約・利用方法です。予約形態を年代別に見ると,70歳代を境に電話予約が多くなっています。また,デマンド型交通を利用しない方の理由として「予約をするのが面倒くさい」が一定数見られる状況です。利用のハードルを下げるため,予約の簡素化を含めた方法を検討し,このたびLINE予約を導入します。デマンド型交通の仕組み上,予約をするという行為をなくすことはできないものの,高齢者でもLINEを使ったスマートフォン操作は慣れている方がいらっしゃることや,家族による代理予約も可能になることから,LINE予約の導入を行います。 23ページをご覧ください。検討項目4点目の乗降ポイントの追加です。第3回協議会でもお示しした通り,北部地域は国分寺崖線によりほかの地域に比べ高低差があります。高低差に関して移動に困難を感じているという要望も地域からいただいている他,アンケートでも北部公民館へ行く際に不便を感じているという意見が多く見られたことから,運行エリアから見ると,崖下にあたる北部公民館と賑わいの里調布卸売センターの2ヶ所に乗降ポイントを設置いたします。 次のページをご覧ください。駅から距離がある北部地域から鉄道を利用する場合,よく使われているのは調布駅,三鷹駅,つつじヶ丘駅です。この3つの鉄道駅へのアクセスに重要な路線バスへの乗り継ぎを考慮した乗降ポイントを設置する必要があると考え,深大寺小学校,深大寺,曼珠苑の3ヶ所に乗降ポイントを設置いたします。 25ページをご覧下さい。新規追加の乗降ポイントの位置関係は地図のとおりです。高低差への対応として2ヶ所,バス停の接続性を考慮した乗降ポイントとして3ヶ所,またこれまで設置要望が上がっていたものの調整中となっていた堂山児童遊園についても調整がついたことから,合計6ヶ所の乗降ポイントを新規に追加いたします。今回追加する乗降ポイントは堂山児童遊園が運行区域内,そのほかの5箇所につきましては,区域外ですが市内の乗降ポイントとなりますので,運賃は区域内の乗降ポイントと同様に,大人300円,小児,障害者,介護者,運転免許自主返納者は200円に設定をいたします。なお,これまでと同様,区域運行という形態のため,区域外乗降ポイントから区域外乗降ポイントへの移動はできないこととし,離着地のどちらかは,区域内の乗降ポイントが含まれた運行とします。 26ページをご覧ください。最後に検討項目5点目の車両についてです。現在は2台で運行しておりますが,利用者が少なく乗り合いはほとんど発生していない状況です。今後乗り合うことによる住民意見を確認したいことからその方法については引き続き検討して参ります。 27ページに今回の変更内容をまとめております。今回は予約方法と乗降ポイントの追加について,この会議でご承認をいただきたいと思っております。次に,地域住民と協働して地域交通を考える取組についてです。 29ページをご覧ください。これまで巡回ワゴンバスとデマンド型交通の実証実験を重ねているところですが,地域のニーズに合った地域公共交通を運行するためには,地域にお住まいの方々とともに,北部地域の公共交通を検討していく必要があると考えております。そして地域住民から移動に関する困りごとや詳細なニーズを把握し,ニーズとのミスマッチを少なくすることが必要で,そのために地域住民と協働して,今後の北部地域の公共交通を考えていきたいと思っております。これまでも地域の皆様にアンケートやヒアリング,乗降ポイントの設置などご協力をいただいておりますが,これからは市と地域が協働し,実際の運行内容や課題解決の手段,利用促進の取り 組みなど,一緒に実施していきたいと考えています。 30ページには今後のスケジュールを示しております。概ね3か月に1回程度実施し,地域に合った地域交通の運行や行政と地域が共同して公共交通を考える体制作りへとアウトプットしていきたいと考えております。私からの説明は以上です。 【会長】 はい,どうもありがとうございます。それでは,ただいまのご説明につきまして,ご意見等をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 はい,Dさんどうぞ。 【D委員】 よくまとめていただいたと思うのですが,その中で改めて考えると,やっぱり料金という問題のところを避けて通れない。移動手段の大変な方に配慮してという観点から言っても,例えば杏林大学病院に行くのに,1人で行ける人はもとよりですけども,具合の悪かった人は2人分乗るのだろうと思います。そういう時に,700円の倍に当然なってしまう。だから寄り添うという言葉の使い方によっては,市内といえども,北部地域というのは,調布市はもとよりですけど,三鷹市と密接に生活圏エリアが共同しているのです,行ったり来たりしている。という観点から言っても,域外である杏林大学に対して特に,やはり,移動困難な状態の方を想定すれば,杏林大学の700円以下の料金の見直しというのは考えるべきじゃないのでしょうか。それは地域の中からも象徴的にも取り上げる方が多く居ます。そこはやはり着目されてくるのだろうなというふうに思います。 先ほど市民へのアンケート調査の料金のところで,顕著なパーセンテージで,300円からということになっているものだから,皆300円と思うのですけれども,そこで年代別に見ると,他のところと調布市は違うなというのは,若い,特に20代未満の方においては,その他のところに3分の1ある。設問が300円から始まっているから,若い方にしてみれば下位を狙っていたとしたら,その他に流れている可能性がある。なので,どうしてもこの調布のデマンドの300円が妥当だと,今までいろいろな会議などで出ていましたけれども,その移動困難な方,特に付き添いも付かなければいけないと想定されるところに対しての料金体系のあり方などについても,一考しないと便利さが広まらないという要因になるのではないか。しつこいようですけれど,隣の三鷹市が100円で動いているのでどうしても僕らは比較してしまう。本当に何mか歩いたところに住む人が,僕らの地域を通って行って,それを思い出してしまいます。だからその辺,再度やっぱりこういう風にまとまると,これから進める上においても,移動困難な方への配慮という点を考えるのであれば,杏林大学の700円は再考の余地十分ありだと思って,そこを象徴してもやるべきじゃないかと思います。お願いします。 【会長】 はい,どうもありがとうございます。5ページに,域内が300円,杏林大学は700円と書いてあります。これについて差が大きすぎるのではないかというご指摘です。三鷹が100円なのに,なぜここが700円も取るのかという,三鷹とのバランスが悪すぎるというそういうご意見だと思います。どうもありがとうございました。 少し私からコメントさせていただきたいと思いますが,おそらく三鷹と調布は条件の違いが甚だ大きいところです。そういう意味で同じデマンドを運行するにも需要が少ないところとそうでないところでは行政負担額が全然違うよというところをまず考えておかなければいけない,というのが1点です。それから対象者をどこまで対象者とするかという部分があるのですけれども,移動困難な人の交通手段として考えるか,いわゆる市民の一般の交通手段として考えるかという二つの大きなわかれ目があります。私がもし調布市の役人だったら,市民の移動手段としては考えません。というのはおそらく市民の移動手段として考えると1人5万円とか6万円とかになってしまう。そういう意味では,移動困難な人に対して1回5,000円ぐらいだったら出しましょうと,そういう意味で移動困難な人を対象とすることが本来の筋じゃないかと思っています。それで,三鷹市との比較は,出来ないものを比較するというような状況にあるので,料金を安くするということは,要するに税金で払いましょうと,1人の人が,果たして駅まで行くのに杏林病院まで行くのに5万円で行きますかという,そういう議論なのです。5万円で行くのなら700円までにしましょうとか,という議論になると思うのですが,果たして5万円出しますか。1回5万円かかるのです。そこが,市民の認識が不足しているところです。税金でそれをやっていると。間接的に税金を取って税金で負担していくという流れがあるのだということを市民がご存知かどうか,知らないと思うのです。一回5万円かかるということをちゃんと認識してもらって,それでも700円を300円にしていただくか,あるいはどこまでの人を乗せるかということを吟味してないです。それ自体を。 それで,福祉有償運送というのがもう1つあるのですが,その対象者が乗ってないと思うのです。福祉対象の人はちゃんと障害者手帳を運輸局で審査してそれが妥当な人しか乗せていないです。それとこのコミュニティバスで障害者と言っているけれど福祉対象者は居ない訳です。そういう福祉のちゃんと手帳で認定されている人が乗っているかどうか,そこは確認する必要がある。調布市は福祉有償運送の委員会に実は多摩地域全域の中に入っている。 それから福祉有償運送はこれから先地域公共交通と一体化するという案が国から出ている。国から出ているけれど,豊島区は今週会議があって国の意見は尤もだけれど,2,3年かかるのではないかということで,地域公共交通会議と合併は2,3年のうちにやってはどうかと,そういう形になりました。それから大田区もそうでした。そういう意味で国が出した意見,地域公共交通と一体化するというのはとてもいいと思うのですが,ここは地域公共交通会議です。ここに福祉有償運送がひとつも入ってないのです。もう無視して計画をたてている。それじゃあまずいというので国の方は福祉有償運送と地域公共交通を同じ会議にしょうという,そういう流れがある。その流れに沿った計画案をこれからつくらなければならない。そこについては今日のこのデマンドの実証実験はあくまでもいままでの実証実験の結果であって,これからどういうビジョンを描くかというのは全くないのです。だからここである課題を解決したとしても地域公共交通全体の中では解決してきてないものもいくつか出る。そういう意味で,地域公共交通を一体化することを全然想定していないので,今後,そこの見直しをちゃんとやらないといけないという部分も特にデマンド交通についてはあります。 デマンド交通はここ20年間全然考え方も何も変わってないです。私が1999年に鷹巣で実験したのとほとんど考え方が変わってない。当時はパソコンが無いから,データを取って東大に送って計算結果を秋田まで送ってもらって,そして人を乗せてもらったという経緯があります。その後たくさん全国にいっぱい出てきたので,デマンドの持つ意味をもう一度丁寧に考え直すというのが1つ。それからもう1つは移動制約者って一体誰なのか,これをどこまで財政的に支援するかを考えるというのは,2点目のお話です。ここの2つがしっかり考えられてないと空中分解しますので,ぜひDさんのおっしゃるように,700円じゃおかしいという,ユーザーが納得できない部分もありますのでユーザーが納得できる論理の構築がもう一方で必要だろうと,ここは調布市対三鷹市でうちの調布市は安くしてそうじゃないところは関係ないのだからという,高くしただけの話だから,普通,料金を決めるときには距離とか時間で決めると思います,タクシーなんかでは。それでやったときに果たしていくらになるかとか,そういうことの検討を,普通は料金でやるのですが,そういう意味で,そこのところが違っていますので,Dさんの意見を今後どう受け止めるかは,かなり大変な作業が必要だと思いますので,どうぞ頑張ってください。 私が1人で喋っているとあれですので,他の方でご意見あれば伺いたいと思います。いかがですか。 ただ,デマンドはかなり頑張っていますということと,今年度これから先は少し駅数といいますかストップする場所を増やすとか,そういうことをやると思いますのでLINEで予約という新しいやり方もやりますので,少しやってみて,それからどうするかを考えたらよろしいでしょうというのが,外側から見る見方だと思います。 【副会長】 そうしたら22ページ,皆さんにもご覧いただきたいのですけれど,22 ページの予約のところです。予約をするのは面倒くさいというのが19.1%あって,その下着目していただきたいのですが,「利用の仕方がよくわからないから」,これほぼ同数が挙がっているかと思うのです。この相関が非常に高いので,おそらく使い方がわからないというと,予約をするのが面倒くさいというのは結構一体化していそうな結果だと受け止めることができるのですけれど,ここを少し深掘りしていただいた方がいいかなと思っています。どのぐらいの年代の方がこういう答え方をしてきたか,この2つの項目,例えば70代,80代の方が,同じく・・・これ複数回答ですよね。 【事務局】 複数回答可です。 【副会長】 なので,2つともイエスと言っている可能性がやっぱりあるかなと思うので,この辺は少し見ていただいた方がよろしいのかなと思います。それで,そうすると啓発が必要なターゲット層というのが見えてくると思うので,例えばですけれど,私が他の所をお手伝いしているところなんかですと,利用の仕方がわからない,乗ったことが無いからというので,乗り方の教室を開いたりという事をやるのです。3回,4回とやっていくと,その方が講師役になってくる。つまり学習して体験をして,体験設定をこちらで仕組んだということになるのですけど,それをやってみるというのが次のターンとして出てくる。もう少し深掘りをしていただいて,ターゲットを見つけていただく。モニターさんにもその辺を少し聞いてみるのも有りかもしれないので,そういうやり方をしてみてはいかがかというご提案をしたいと思います。それを踏まえて,戦略はいいと思うのですけど戦術的に短期的にすぐできること,今すぐできることを見つけていってもらいたいと思うので,それを少しやってみていただけば良いのかなと思った次第です。参考までに。 【会長】 デマンドの予約システムという部分で,予約が面倒くさいしわからないというところをもうちょっと深掘りして下さいということです。デマンドの生命は予約なのです。予約をしてちゃんと使わないと駄目だと。しかし日本で僕は何ヶ所かやっているけれどほとんど電話で来ている。ということは,かなりわかってないのです,使い方を。そして役所も使い方を説明に行かないのです。ここのところが説明会を開いても駄目で,パーソナルにこうやるという説明を1人1人やらないとちゃんと使えないと思いますので,パーソナルな説明をぜひお願いしたいと思います。他にいかがですか。 はい,どうぞ。Fさん。 【F委員】 わたくしも高齢者でございますので,皆さん予約の仕方がわからないという不安もそうなのですが,いまだかつてまだLINEは駄目だという方がいらっしゃるのです。頑固にLINEは使わないという方もいらっしゃったりする。 あと,料金の話なのですけど,シルバーパスを持っている方で時間があるからということで金額を0円にするために2線3線でもいいからその方向で調布まで行くとか,金額に関しては非常にシビアに考えていらっしゃる方が多いと思います。 もう1つ,先ほどこの中で,9時からなのですが,もう少し前から病院に行く時に9時前に予約をとりたいですとか,どこかに出ていたと思うのですが,やはりそのあたりのこともあるかなと。 皆さんが何をもってこのデマンド交通を使ってらっしゃるかわからないのですが,時間帯によってお買物なのか,病院なのかわからず,乗っているところと降りていらっしゃるところが私たちの地域でもよくわからないところになるのですけれど,そういうところはどうなのかなと。病院に行きたい方が,少し前にいって,混雑するところ,じゃないところというのがなんとなく私もみてきているので、その辺もどうなのかなと。あと,駅に直通出来ている,三鷹駅とか調布駅とかお金を出してでも自由に自分が使いたいというのがあるのかなと思います。 5万円というのが私もメモをしていて思っていたのですが驚異的な金額だなと。やはりほかのバスとか1人あたり1,600円とかいうのを見ると,すごいなと,実感としてすごいお金なのだなと思っています。 もう1つ基本的なあれなのですが,よくデマンド交通ということでまちづくりなどでお話をするのですけど,デマンド交通という言葉を聞いただけで,皆さんシラ~っとされるのです。多分私たちの地域では実感としてわかってないのでしょうけれど,デマンド交通というのは日本語にするとどうなるのだろうとか,デマンド交通と言っても何となくよくわからないものだという,拒否感というか,わからないものということで,興味を持たれない感じがすごくするので,これは日本語で表記すると何というものになるのかなというすごく素朴な疑問ですが,いかがなのかなと思っております。 【会長】 はい,わかりました。今おっしゃったのは,病院と合わせた時刻表がちゃんと作られるというか,時刻に行けるようにするというのが1つと,多分高齢者はいろいろな人が使う時に着地点というのは病院とかあるいは駅とか,帰りに買い物をするとかそういう事もありますので,駅はいろいろな事が出来るので,そういうことを意識した計画にして下さいというのが1つです, それから,5万円というのはやはり普通に言うと高くなってしまうのです。 それとデマンドという言葉はどうしたらいいか,タクシーGOです。タクシーGOを使えばいいんじゃないか。今いる人はタクシーGOが使えればそこへ全部移ってもらって,自分のお金でタクシー乗ってください。そういうのも有りなのです。そしてどうしてもお困りで移動困難があってという人は,その分補助すればいい,2割とか3割,あるいは5割と。そうすると,調布市の出費は1000円ぐらいで済んでしまう。だからとても莫大なお金で苦労してやっているのだけれど,タクシーGOに来てもらえば一発で解決つく部分が8割方あると。2割方は福祉有償運送で。そこの2割方の福祉有償運送と関連するちょっと膨らました部分を,調布市が頑張るかという思想が無いのです。無いからこうなってしまっている。それはもう火を見るより明らかで,こんなつまらない計画は海外では無いです。ちゃんと移動困難な人に対しては,誰々って定義して,そしてその最前線の人については,ちゃんとドライバーとかが教育をするということだとか,それから特に管理職については,きちっと教育しようというような事がイギリスのインクルーシブ・トランスポート・ストラテジーには書かれている。そして何百億というお金が,国から予算が出ると今年度,来年度というそういう状況です。だから,そういう実態を全然知らず,運輸局も問題なのだけれど,同じようなデマンドが金太郎飴のように,ここ10年,20年同じように出ている。何で福祉有償運送と一体化できないのかというところがあって,そこが一つもできてない。ただその反省に基づいて地域公共交通会議を福祉有償運送と一体化するという提案ができたけれど,自治体の方はすぐにうんと言えない。もう今までやった習慣がしみついているので,2006年からですから,18年も経っているので,もう今更変えるのは嫌だと言うのは,福祉部局の方です。それが2,3年で多分変わると思いますので,ぜひ期待しておいてください。このデマンドも2,3年のうちには新しいモデルに変える必要性があって,概念をしっかりする。みんなにわかるようにする。料金体系もみんなにわかるようにする。そして人々が「あれやって良かったな」と,だから,効率性という言葉があちこち見られるのですけれど,効率性じゃない,安全安心で妥当な運賃で外出ができる。そういうところをちゃんと作ってやるということがこれからのお仕事なのでしょう。 すいません,たくさん話して。他にいかがですか,どうぞ。 【D委員】 今,先生からご説明ありましたけれど,この資料の14ページ,公共交通にかかる費用として,5年度は3,000万,4年度から1,000万くらい上がっています,このタイミングってデマンドですよね。デマンドになってそれまでも,地域巡回から比べると1,000万増やしてみるということの裏付けになると思うのですけど,この費用というのは,北部だけでとった費用ですか,全体ですか。 【事務局】 ミニバスの運行に関して,補助金を支出しているものも含めていますし,デマンドの運行に関する料金の支出も含めてありますし,あと5年度は途中までは巡回公共交通の運行もしておりましたので,ここについても含めております。 【D委員】 6年度はまだ途中だけども,もっと増えているということですね。 【事務局】 そうです。 【D委員】 先生がおっしゃるように,そこの経費が回り回ってくるとまた自分たちに戻って来るという話については十分理解できるので,そこら辺も中身のやり取りというのは確かに重要な項目なのだろうなと私も思います。その辺は適正な支出にしていかないといけないのでしょうから,その辺も含めて,もうちょっとやりとりしないといけないと思います。出せばいいって話ではないと私も理解はしますけれども,何か少しすれ違っている感じがします。 【会長】 Dさんがおっしゃった,中身が見えないという事ですよね。簡単に言えば,公共交通運行関連経費と言わない。つまりデマンドでいくらかかる,あるいは循環バスでいくらかかる,そういうことを個々に出していく必要がある。そして循環バスは何人ぐらい使って1人当たりのコストがどのぐらいになっているのか,デマンドについては何人ぐらい使って1人当たりのコストがどのぐらいになるのか。同時に,デマンドについては,どういう層が使っていて移動困難の人がそのあたりで何割ぐらい占めているというのも欲しいデータです。というのは,移動困難な人は移動手段がそれしかない可能性があるので,それしかない可能性の人はどの程度いるのかというところも,役割として重要ですので,そのあたりのデータとしてきちっと考えていく。それで運行効率化が必要であるというのは,この際忘れて,もう元々運行効率化が出来ていないので,一般のバスとかミニバスを運行効率化というのはわかると思うのですが,効率化の先の話なので,人々のモビリティをどう救済するかということでこのプロジェクトは出来ているので,モビリティの救済が出来たかどうかの判断数値が欲しいのです。それが無いのです。つまり効率化ではなくて,移動困難な人を何割輸送できたかというところが勝負なので,そこについてデータが1つもないのです。そこは真面目にやってください。そこをやらないと,みんな何だかお金ばっかりかかって,でも使いたい人も居るという議論に終始してしまうので,誰をどの程度輸送するかをちゃんと決める手立てがここには見えないです。そこを見えるようにしてくださいという意見が多分Dさんのご意見だと思います。どうもありがとうございました。 ほかにいかがですか。 【事務局】 事務局から1つよろしいでしょうか。 【会長】 どうぞ。 【事務局】 先ほど副会長から実際に,なかなか周知が足りないのではないか,利用の仕方が足りないのではないかというところで,会長からもパーソナルな説明が足りてない。ご指摘の通りであるのですけども,ただちょっとうちの担当も,社会福祉協議会の方に繋いでいただいて,地域の方が集まる場で,そういったアプリの使い方でしたりとか,PRの説明になるとかありまして,また夏場の暑い時期にお祭りも1日参加して地域の方にそういった使い方のご案内とかというのもさせていただいたところであります。その中で,そもそもアプリ自体をスマホに落とせないと,自分の番号がわからないから。アプリの設定以前の問題の方もいらしたということで,ただそういった方の中にも,実はLINEは使っていますよという方も結構いらした。その辺を踏まえて今回,予約の手法にLINEラインを追加したという経緯がございますので,まだまだ周知が足りないところであるかと思うのですけども,ちゃんと頑張っているところもあるのですと,一言だけ補足させていただきます。よろしくお願いいたします。 【会長】 はい。それは宣伝をこれから一生懸命しますというお話です。 他にいかがですか。はいどうぞ。 【副会長】 ちょっと関連して,地元の方にその役割を担っていただくというのが大事で,それが地域の交通を育てる事に繋がると思うので,例えばDさんにお願いをしてみるとか,Fさんにお願いするとか,いろいろなやり方があると思うのです。そこも実は事務局さん,お仕事振っていただくというところも結構大事なところになると思うので,非常にそういう工夫をしていただけるとよろしいかなと。私は応援しておりますので,是非進めていただければと思います。 【事務局】 皆さんよろしくお願いいたします。 【会長】 やはり個人,パーソナルにやらないと無理です。うちの町会で高齢者のスマホ利用会というのを東京都の予算を貰ってやったのですが,そのときは個人個人パーソナルに説明をする,ソフトバンク出身の人が居たり,いろいろな人が居たので,それで使い方を私も教わっているという状況です。ですから,そういうパーソナルな使い方を教える場面を去年は2回やったのですけれど,開く必要があるのでしょう。どうもありがとうございました。ぜひ皆さんに頑張っていただきたいと思います。 その他ご質問ございませんか。はいどうぞ。 【Q委員】 東京運輸支局輸送担当のQと申します。よろしくお願いします。資料の中,29ページに今後は協働して地域交通を考える取組といたしまして,これまでと今後のイメージが書かれているところで,市民さんと自治体さんの方で今まで考えられていたという,今後は運行事業者も入って来るというようなイメージになっておりまして,ただ運行を任せるだけではなくて,運行する事業者においても準備する期間とかも必要になってくるかと思います。 今,タクシードライバー不足でしたり,あとは車両においてもいろいろ準備する期間,事業計画がありますので,急に言われても用意できないとか,減らされると車両が余ってしまうとか,あとはドライバーの手配,ドライバーもこのデマンドだけの運行に当たっている方だけじゃないと思うのです。なので,せっかくこういった形で書いていただいたので,調整していっていただくに当たっては,運行してもらう側だけではなくて,移動の手段を考える上では運行する側の意見とかも,必要になってくると思いますので,その辺も十分に酌み取っていただいて,時間を取っていただかないと,安全運行の問題に関わってくると思いますので,その部分もご配慮いただければと思いますのでよろしくお願いいたします。 【会長】 ありがとうございます。Qさんから当然のことだと思いますけれども,運行事業者が準備する車両とかドライバーとか,仕組み,どこをどう運行するかとかそういう準備がかなり時間を要しますのでそこも考えてくださいというお願いという事です。どうもありがとうございました。 他にいかがですか。だいぶ時間がたってきましたのでこのくらいにさせていただいて,その他の議題はございますか。 【事務局】 会長すみません,今のデマンドの内容はこちらで承認いただいたということでよろしいですか。 【会長】 デマンドは今後変更が,駅を増やすということとLINEで予約をするということ,この2点,よろしゅうございますね,よろしくお願いいたします。 【事務局】 ありがとうございました。 議題 専門部会について 【事務局】 それでは,本日の議題3つ目です。資料3の「調布市公共交通活性化協議会,作業部会および運賃協議会の設置について」をご覧ください。こちらについては,お時間もおしておりますので簡潔に説明させていただきます。 まず,このたびご説明差し上げますのは本協議会の一部として,専門的な調査ですとか検討,また地域における身近な課題など具体的な議論を進めるための作業部会を設置することについてご了承いただきたいという趣旨でございます。 お手元資料の中央に体系図を示しています。本協議会は現在23名の委員にご参加いただきまして,法定協議会として,各回,議題についてご協議いただいております。この下部組織として個別具体の議論や検討を行うに際して,現在仮称ですけれども,交通計画部会と地域協働部会というものを設置したいと考えています。 各会の所掌については(4)のところに記載をしておりますけれども,交通計画部会は主にバスネットワークや公共交通のサービス水準,技術の導入やカーボンニュートラルなど,ある程度専門的な見地が求められるような内容について取り扱いたいと考えています。 また地域協働部会につきましては,地域における移動の困り事の共有ですとか解決するにはどういうことが必要かというようなテーマ,住民参加の取り組みの推進など主に地域目線での具体的かつ身近な議論や作業をできるような会を想定しています。 各部会の運営につきましては,具体的なプログラムやテーマというのを設定しまして,その都度適切と思われる方々にお声掛けをさせていただきたいと考えています。委員の皆様に限らず,必要に応じてテーマに精通した識者の方ですとか,事業者の皆様,地域の関係者へのご参加をお願いしたいと考えています。構成員としては,想定は5の(5)に示していますが,そうした柔軟な運用を考えております。 本作業部会につきましては,恐れ入りますが法定協議会の開催とは別立てとして,比較的膝を突き合わせたような会議を想定していますので,通常,委員の皆様にお支払いしている謝礼等は生じない想定をしています。本作業部会で議論した内容というものを事務局で各回取りまとめさせていただきまして,法定協議会である本協議会についてはこちらの報告,諮問,承認事項の提出などをさせていただきたいと考えています。令和7年度の地域公共交通計画策定に向けた検討や,北部地域におけるモビリティ検討等,こうした枠組みを活用しながら進めたいと考えておりますので,何卒ご協力くださいますようにお願いいたします。 次に運賃協議会の設置についてです。資料の裏面をご覧ください。運賃協議会は鉄道事業法および道路運送法に基づいて,地域における需要に応じ当該地域の住民の生活のために,旅客の運送を確保する必要がある路線または営業区域に係る運賃等について協議を行うことを目的に設置する会議です。こちらに国土交通省の資料の転記を載せておりますけれども,現在,調布市では,表左側,赤い印のついている地域交通会議と兼ねるようにして,表右側の青いハッチのかかっている地域公共交通活性化協議会の設置・開催をしている状況です。このたびこれに加えて,左から2番目,黄色く枠線で囲っている運賃協議会というのを設置するためにお伺いするものです。至近に,実際にこの会で諮る予定というのはないのですけれども,現在取り組みを進めているデマンド型交通の実証実験等の関係もございますので,この機会に設置をさせていただきたいと考えております。 なお構成員につきましては,市町村または都道府県,運賃等を定めようとする運送事業者,関係住民の意見を代表するものとさせていただいております。今後の運賃協議会に諮る事項が生じた場合には,改めて,各委員の皆様にご連絡をさせていただければと存じます。 その他,本件とあわせて近年,国制度の改正等もございますのでそうした部分を踏まえて,提案書事項を少し加えながら,本協議会の要綱を調整して参りたいと考えております。 手短ですが議題3の専門部会の設置についてご説明は以上になります。 【会長】 はい,ありがとうございます。こういう体制で来年度以降やるということについてご意見等ございますか。 ちょっとわたしから事務的な関係で矢印が少し違うのではないかと思っているのですけど,調布市が一番上にあって,その2つが分かれて,法定協議会と作業部会と分かれていますが,作業部会は法定協議会の下にあった方が,筋がはっきりする。でないと法定協議会と関連してないように見えてしまう状況がありますので,矢印の位置をむしろ3つ,調布市,法定協議会,そして専門部会としておいた方が,筋がはっきりします。 【事務局】 ありがとうございます。 【会長】 あともう1点は,地域公共交通会議の中で,運賃協議会を今後どのように考えるかというところは活性化協議会が責任を持っていた方がいいと思うので,むしろここは運輸支局とご相談して,どういう扱いがいいかを考えておいてください,ということです。福祉の人は多分考えないでしょうから。 【事務局】 ありがとうございます。 【会長】 他にご意見等ございますか。はいどうぞ。 【D委員】 少し前に戻りますが,北部のデマンド交通の方で,8ページ,月別の利用者数で9月,10月とモニターやったのちに一旦ガクンと落ちていると思います。モニター分を引いても落ちているので何か事情をつかんでおられますか。 【事務局】 アンケートを8月に配りましてそのタイミングでアンケートを同封する形でデマンドの案内を配布しております。なので8月以降,8月,9月,10月と大幅に利用が伸びているという状況になっております。中身を見ても,ユニークユーザー数,複数回利用したことのある方がその月だけ伸びている状況,また新規のユーザー数についてもその月が突出して伸びておりますので,その月は,デマンド型交通を初めて利用される方,やはり登録していたけど使ってみようというような方々が増えたのかなと思っております。 一方で11月から12月,ガクンと落ちているような印象がありますけれども,天気を見ていただくと,全体的に見ると雨の日が少ないような状況になっておりまして,多分雨の日にはデマンド型交通を利用するという方々が利用しなかった可能性があるのと,あとは,コアに利用されているリピーターの方の数を見ると,5月の利用者数がほぼ同じ状況になっておりますので,一定数利用されている方の数はあまり変わらなくて新規に利用される方が変動されているというような仮説にはなります。実際には利用されている方に聞いてみないと理由自体ははっきりしないので,現時点では仮説ということになります。 【D委員】 わかりました。ありがとうございます。 【会長】 はい,他にいかがですか。 【C委員】 はい,社協のCです。9ページのところで登録のみという方が352名居て,というところで,これだけの方が登録のみで,本当は使えるといいのにとは思うのですけれども,登録だけでもしてみようというところの成果が上がったというのは,一人一人に丁寧に説明をしていたところもあるのかなと思います。先ほどF委員もなかなかLINEが使えない方もいらっしゃるというところで,先生もスマホの講座に出られてというところですが,社協でもやっておりますので,是非そちらも活用いただいて,一人一人に届けられるように一緒に頑張って行きたいのでよろしくお願いいたします。 【会長】 社協の協力がないと難しいですね。はい,ありがとうございます。 【D委員】 そういう意味では北部地域の民間のサポート拠点で「深”(JIN)」というものがあって,そこは本当にマンツーマンでやっています。コーヒーを飲みながら。そこの施設と協力しながら,向こうは多分ウェルカムだと思いますし,普通にスマホの使い方を教えているスタッフの方もおりますので,そういう市民レベルで手を結んでいくこともいいと思うので。私の方も働きかけますけれど。 【会長】 はい,それはよろしくお願いします。いろいろと個人個人に対してきちっ と教育をしてくださるところが,2つ手があがりました。非常にいい事だと思います。 ほかにいかがですか。そうしますと資料3のこういった作業部会を作ってまでも私たちはやるぞという意気込みを見せてくれましたので,これは是非こういう形で調布市は来年度頑張りますよという意思表示というご理解をしていただければと思います。それではご意見が無いようでしたらこのくらいにしたいと思います。 議題 その他 【会長】 以上で事務局の説明は終わりましたけれど,ほかにまだあれば。 【事務局】 本日は議題以外に,今回の協議会開催にあたりまして,一般社団法人東京バス協会乗合業務部長のK委員に東京都のバスの今の状況について簡単な情報説明をいただけることが一つと,京王電鉄バス株式会社のJ委員より主に市内におけるバス運行に関係する情報提供をいただけるということで,それぞれ手短ではありますけれども時間を頂戴いただければと思います。K委員からよろしければ。 【K委員】 東京バス協会のKと申します。どうぞお願いいたします。 今,本会議の中でもいろいろなお話が出ている通り,東京のバスを取り巻く状況というのが大きく変わってきております。特に皆様もご存知だと思いますが,よく2024年問題ということで乗務員が不足しているというような状況です。これは2024年の問題があったから人が減ってしまったというのではなくて,元々構造的なものであったというが正直あったのです。 それは何かというと,おそらく少子高齢化というのがまず1つ,それとともにバス事業自体が独特なところがあり,要は大型の2種免許というのが普通免許を取って3年経たないと基本的に取れないという事情があります。ということは新卒の方がすぐ入ってバスの運転手さん,というふうにはならないので基本的には中途採用が多い業界でした。 とにかく運転士さんが不足しており,単純に数が必要になっておりますので,事業者によって違いますけれど,大体2,3ヶ月毎,最低でも年に2回という形で10人,20人と少しずつ入れていく,その間に教育して一人前に育てていくというシステムで大体回ってきた雇用形態なのです。 そのような雇用形態のなかで,実はコロナで売り上げが大体6割ぐらいに落ちてしまったのです。そうしますともう現状の維持ができなくなってしまうことはわかっておりましたが,ただ運転手さんはこれから絶対減っていくということもわかっていました。雇用というのは基本的に各社が確保しておりますが,このような見通しのなか新規の採用はできなかった。会社によってはちょっとやっていたところもありますけれども,業界全体としては,なかなか採用ができなくなってしまい,それが約3年続いてしまいました。そうしますと順繰りに流れていた雇用確保が3年間途切れてしまいまして,そこで急に,今需要が少しずつ戻しつつあるのですけれども,そこで採用を再開したところで間に合わなくなってしまった現状がございます。 ですので2024年問題というのは,もう単独のものではなくておそらく構造的なもの内在するものになってくる。ということは今後,劇的に運転手さんが増えて良くなるということはあまり考えられないのかなと。おそらくこういう状況のまま行かざるを得ないのだろうというところだと思います。 あともう1つが収入面でも6割まで落ちまして,コロナが終わりまして大体各社9割ぐらいまでは戻ってきているのですけれども,それ以上はもう戻らないと思います。それはリモートでありますとか生活様態が変わってきているというのがあると思いますし,特に顕著なのが夜のお客様がだいぶ減ってしまっている。なお,これは一般論です。一般論なのですけれども,夜はほとんどもう人が居なくなってしまったというのが実情です。このようにお客様の動きもだいぶ変わってきているというのも1つあるのかなと考えています。ですので我々もそういった利用者のいない中でどうやりくりをつけていくかというところを考えていかなければいけませんので,いろいろと模索をしているところであります。事業者によっては,少ない人数でいかに今の路線を維持するかといいますと,例えば路線の統合とか,やりたくはないのですけど,同じ駅に行く複数の路線を途中で1つにするハブとなるバス停を作って,ここまでで1つ,残りの直通は1本だけ残しておいて乗り換えをしてもらうとか,その代わり事業者によっては,PASMOだったら乗り換えの時の運賃はかからないようにするとか,場合によっては先の方の路線については事業者がもうオンデマンドでワゴンに切り替えてしまったりとか,いろんな模索をしているような状況でございます。ですので,今後どうなっていくのかというのが,今までのように我々もバスで全部やるとかというのではなくて,例えばその先はもしかしたらワゴンみたいな車で運行する必要もあるのかもしれませんし,よくラストワンマイルと言っていますけれど,それは場合によってはシェアサイクルかもしれませんし,そこはわからないのですが,いかに皆様とシェアしあってというところです。もうとにかく我々は全部やる,というのではなくてそれは皆さんといかにシェアして,何とかどうやって維持して行こうかというような状況に入りつつあるのかなというところでございます。以上でございます。 【事務局】 ありがとうございます。続いてJ委員よりご説明をお願いします。 【J委員】 京王バスのJでございます。皆様お疲れ様でございます。 まずは先般,昨年12月16日に小田急バス様と合同で大規模なダイヤ改正を実施させていただいたことへの御礼を申し上げさせていただきたいと思います。この会議の場でも内容を詳しくお話をさせていただきました。特に,多摩川住宅エリアにおきましては,他の路線との統合再編成ということで,かなり迂遠なルートでの運行になったことをお詫び申し上げるとともに,地元の皆様には大変ご理解賜りまして,何とか無事に運行できている状態でございます。 次に4月1日の話になりますけれども,当社ではまたダイヤ改正を実施させていただきます。今,K委員からもお話がありましたけれども,これも路線を維持していくためにという趣旨にはなってしまうのですが,今,調布駅の北口13番乗り場から多磨駅行きというバスが出てございます。北口を出てすぐパルコのところを左折して,旧甲州街道をずっと直進して,西調布駅,飛田給駅に入って,そこから味の素スタジアムの前を通って,榊原記念病院を経由して多磨駅に至る,そういった路線で運行させていただいております。 ただこちらの路線ですが,やはり収支,採算性がかなり厳しい路線となっております。鉄道と並行する区間が長いということも大きな理由ではあるのですが。 こちらの路線につきまして,4月1日以降は,基本的には飛田給駅北口を起点として多磨駅とを結ぶ運行となります。つまりは調布駅北口→飛田給駅北口の間は基本的には路線は通らなくなるというダイヤ改正を実施させていただきます。そうすることによって,今,2台程度の車両を使用して運行しているのですけれども,これを1台運行にできるという効率化が可能になります。 こちらの路線につきましては武蔵小金井駅行きの路線と区間重複する部分が大きく,また固有の区間が鉄道駅と非常に近いというところで,利用が少ないというところもございますので,そういった部分での効率化を図らせていただきたいというところでございます。 詳しい内容は弊社ホームページ等に1ヶ月前を目安に,また調布駅北口にも立て看板を設置させていただいて,ご案内の方はさせていただければと思っておりますので,何卒よろしくお願いいたします。以上でございます。 【会長】 大体よろしいですか。その他事務連絡はございますか。 【事務局】 ありがとうございます。連絡等について事務局では特別ございませんが,本日ご承認いただいた事項については,この後運行事業者と,特にデマンド交通について申請手続きに入らせていただきますということが1点と,今後次回の公共交通活性化協議会につきましては日程等は調整前なのですけれども,可能でしたら4月中旬頃を想定して準備をすすめたいと思います。また日程調整の上ご連絡差し上げます。事務局からは以上です。 【会長】 大体議事は終わりましたけれど,ほかに皆さんから何かございますか。よろしいでしょうか。 それでは本日はありがとうございました。以上をもちまして令和6年度の第4回調布市公共交通活性化協議会を終了いたします。どうもありがとうございました。