令和6年度 第4回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨   令和7年1月30日(木)午後6時30分から   調布市グリーンホール 小ホール 1 開会 2 議題 (1) 第8期介護保険事業について  (2) 介護人材の確保・定着について 3 その他   (1) 令和6年度高齢者福祉推進協議会振返り   (2) 事務連絡 4 閉会 1 開会 2 報告事項 (1) 第8期介護保険事業について  ○会長  それでは,第8期介護保険事業について,事務局から説明をお願いします。 ○事務局 議題のまず1つ目,第8期介護保険事業について御説明いたします。  まず,介護保険事業の運営に当たっては,介護保険法において,国が定める基本指針に則して市町村など各保険者が3年間を1期とする介護保険事業計画を策定することとなっています。計画では,国が示す基本指針や東京都の介護保険事業計画を踏まえ,地域の実情を勘案して,介護サービスの種類ごとの利用の見込みや市町村が取り組むべき施策を定めることとされています。  調布市における介護保険事業計画は,老人福祉法において策定することとなっている老人福祉計画と併せて,高齢者分野の目標と施策体系を示す計画である調布市高齢者総合計画――昨年度,皆さんも策定に当たって御審議いただきました――において一体的に策定しています。今回は,令和3年度から令和5年度までの第8期の計画における過去数年の高齢者人口や,要介護認定者の状況と介護サービスの受給率や,給付費などの推移を中心に説明させていただきます。  初めに,市内の高齢者人口の推移についてです。こちらのグラフは,市内における65歳以上の高齢者の人口と高齢化率の推移のグラフになります。棒グラフの下段の赤枠の数字が65歳から74歳までの前期高齢者と呼ばれる方の人数,その上は75歳以上の後期高齢者を表しています。こちらの折れ線グラフは,市内の総人口に占める前期・後期高齢者の割合を示していまして,この表の四角マークの折れ線が前期高齢者を,三角マークが後期高齢者の割合を示しております。これら2つの割合を足したものが高齢化率と呼ばれているものになります。  このグラフの右端,令和6年の部分を見ますと,前期高齢者の方は2万1,900人ほど,一方,後期高齢者の方は3万400人ほどであり,合わせて65歳以上の高齢者は5万2,000人を超えている状況になっております。市内の総人口に占める割合です。前期高齢者で9.1%,後期高齢者で12.7%まで伸びております。表ですとちょうど令和3年以降,後期高齢者の数が毎年1,000人ほど増加しております。団塊の世代と呼ばれる方たちが75歳に近づいていて,2025年問題と言われる後期高齢者の方が急増するという特徴は,こちらの表でも表れております。  次のスライドです。こちらは東京都及び近隣市の65歳から74歳までの前期高齢者と後期高齢者者の割合を比較したものになります。グラフの下の分が後期高齢者の割合,その上段が前期高齢者の割合になっています。このグラフの左端が東京都平均となっており,その1つ右隣が調布市なのですけれども,調布市は東京都平均とほぼ同程度になっております。近隣市と比較すると,後期高齢者の方の割合が高い部類になっております。  次に,少し長いスパンで見てみますと,調布市の将来人口推計の図になります。この棒グラフ一番下の数値は75歳以上の高齢者の方の人数,その上が65歳から74歳までの高齢者の方の数です。その上,1つ桁が多いところは14歳から64歳までの,生産年齢人口と言われている現役世代の方たちの人数,その上がゼロ歳から14歳までの年少人口となっています。グラフの中ほどの折れ線グラフ,四角マークが74歳までの前期高齢者の割合,三角マークが後期高齢者の方の割合となります。こちらの推計ですと,調布市の総人口は,棒グラフちょうど真ん中辺りの令和12年頃までが増加,そこをピークに減少していく推計となっています。一方,65歳以上の高齢者の方は2045年以降,2050年くらいまでなのですけれども,増加の傾向になっていると推計しております。  参考までに,東京都の将来人口推計なのですけれども,ちょっと桁が大きくて100万単位になるのですが,こちらの動きとして調布市の特徴と同様に,令和12年頃までは増加傾向で,そこでピークを迎えて減少傾向になります。高齢者人口は今後も増加する推移になっております。  次のスライドです。こちらは65歳以上の方の要介護の認定者数と割合認定率と言われているものの推移を示しております。グラフの中の棒グラフの数値は,下から順に要支援1から,その上に行くに従って介護度が重くなる要介護5までの人数を示しております。一番上の枠で囲ってある部分が合計の認定者の数になります。折れ線グラフは65歳以上の全体の方の人数に占める認定者の数,認定率を記載しています。グラフの一番右側ですと,令和6年8月末時点の数値になります。これですと調布市合計で認定者数が1万1,498人,割合で21.9%となっており,令和2年以前から増加傾向で推移しております。近年では,令和6年3月末から令和6年8月末と比較した頃になりますと,この表で言うと,一番下の段の一番軽い要支援1の方と要介護2という中度に近い方,この表ですとちょうど真ん中の下から4つ目の部分になりますが,ほかの介護度の方に比べて増加する数が少し大きくなっております。  次のスライドになります。こちらは,令和6年3月末の認定者数を年齢別の割合でグラフ化したものになります。こちらは棒グラフの上部の四角枠の数字は,市内の年齢別人口の合計になります。一番下の着色している部分が年齢別の認定者の数を表示しております。また,折れ線グラフは,年齢別の人口における認定を受けている方の割合を示しています。1つ前のスライド資料で,令和6年3月末の全体の認定率は21.7%と記載しておりますが,年齢別に見ると大きな違いが出ています。グラフの一番左側です。65歳から74歳までの方,全体で2万2,000人いるうちの認定を受けている方は1,000人あまりで,割合で言うと4.6%,75歳から79歳までになりますと,割合が12.6%,80歳から84歳までの方になると27.6%,85歳から90歳までを超えると2人に1人,52.4%,90歳以上になると78%の方が認定を受けているようになります。こちらからすると,80歳を超えると認定を受ける方の割合が大幅に増加しているのがうかがえます。こちらは国で示している全国の人数を集計した同様のグラフでも同じような傾向となっております。  次です。こちらは東京都の平均と近隣市の認定率を比較したものになります。表中に調整済み認定率というのですけれども,こちらは国で調整して,各自治体の65歳以上の方の性別や年齢別の人口構成が均一になるように調整して,より地域間で比較がしやすいように数値を調整したものになります。左側の棒グラフになるのですけれども,一番下が全体の認定率に占める要支援1の割合になります。一番下から上のほうへ順に,要支援1から要介護5を記載しております。棒グラフ一番上の四角枠の数値が調整後の全体の認定率となっております。棒グラフですと一番左が東京都平均,その1つ右隣が調布市となっています。調布市は東京都平均,あと,近隣市と比べて比較的高い状況になっております。スライドの右側,点でできている分布図にしたものです。分布図の縦軸が要介護3以上の比較的重い介護度の方の割合,横軸は要支援1から要介護2という比較的軽い方の介護度の割合になります。十字で示しておりまして,この中心は東京都平均になります。調布市は東京都平均の右下,網掛けしているのですけれども,こちらに位置しておりまして,近隣市と比較して軽度の認定の方が多い,一方,重度の認定の方が低い状況になっております。  次のスライドです。1か月における受給者,サービスを受けていらっしゃる方1人当たりの介護給付費について東京都平均と近隣市を比較したものになります。左側の棒グラフはサービス別の給付月額,1か月に給付している金額を記載しておりまして,左側の数値から訪問介護とか通所介護,あと,在宅で受けられる在宅サービス,その1つ右隣が有料老人ホームや認知症対応型のグループホームなどで居住されている方向けの居住系サービス,そのまた右が特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設サービスの金額を記載しております。  調布市は,この棒グラフの一番下に記載しておりまして,近隣市の比較ですと,数字だとちょっと分かりづらいので,右側の分布図を御覧ください。また,同じように東京都平均を十字線で示しております。調布市は東京都平均に比べ,全体的に給付月額は低いほうになっておりますけれども,近隣市と比較すると,横軸の在宅サービスの月額が低い一方,施設系,居住系のサービスはほかよりも高い部類になっております。  次のスライドになります。サービス別受給率の地域差というもので記載しております。こちらは前のスライドで説明した在宅サービス,居住系サービス,施設サービスの受給率について東京都平均,近隣市と比較したものになります。受給率は,65歳以上の方の総数のうち,サービスを利用している方がどれぐらいいるかの割合となっております。左側の棒グラフが下から順に在宅サービスの割合,その上が居住系サービスの割合,一番上が施設サービスの割合を示しております。四角枠囲みが全体の合計した数値になります。右側の分布図で見ていただきますと,調布市は東京都平均とちょうど同程度となっている状況です。  もう一つの資料になります。こちらは介護保険サービスの利用率のグラフになります。要介護認定を実際に受けている方のうち,どれくらいの方がサービスを利用しているかの割合を示したものになります。左側の棒グラフも下から順に在宅サービス,居住系サービス,施設系サービスの割合を記載しておりまして,一番左が東京都平均,その右隣が調布市平均となります。分布図で見ますと,東京都平均,十字線のところよりも,他市と比較しても,調布市は在宅サービス及び居住系サービス共に低い状況となっております。  次の資料になります。第8期の給付費の実績になります。金額がちょっと大きいのですけれども,8期計画期間は令和3年度から5年度になります。この棒グラフの一番下が在宅サービス全体の給付費,その上が有料ホームなどの居住系サービスの給付費,その上が施設サービスのグラフで,上の四角枠が合計値となっています。令和3年度の合計額が,ちょっと桁が大きいのですけれども,約139億円です。令和4年度が143億円,令和5年度になると150億円を超える金額となっており,給付費は年々増加しています。サービスのうち,居住系や施設サービスの伸びに比べて在宅サービスの伸びが大きくなっていることが特徴となっております。  次は,計画値との比較になります。8期計画のときに,介護サービスの利用の見込みを金額で表したものを計画値として,そちらと実際にどうであったかという比較になります。表の縦軸で各年度,横軸でサービス別の計画値と実績値,あとは計画値に対する割合を記載しております。この表の一番下の段には8期の合計ということで,合計値の計画値,実績費,割合を記載しております。表の右下の部分,赤枠で入っているところも御覧ください。8期における合計なのですけれども,計画値は472億円あまりに対して,実績値は433億円あまりで,計画値に対して91.8%の割合となっております。8期においては,給付費は7期に比べて引き続き増加傾向であったのですけれども,ちょうど新型コロナウイルス感染症の真っただ中というかコロナ禍でありまして,そちらがいつまでその状態が続くかというところも考慮しながら計画値を推計しました。実際,コロナウイルスへの対応の長期化,令和5年5月に5類に移行するまでの影響から,計画値ほどサービス利用が伸びなかった結果となっております。  こちらのスライドからは,サービスの種別ごとに給付費の実績と計画値の比較について御報告します。まず,施設・居住系サービスです。こちらはサービス種別がいろいろ並んでいるので,サービスの簡単な説明も併せてさせていただければと思います。サービス種別の主なもので,グラフの一番左側,介護老人福祉施設とありますが,こちらはいわゆる特別養護老人ホームの給付費の実績になります。その1つ右隣が地域密着型の介護老人福祉施設とあるのですけれども,こちらは定員が29人以下の比較的小規模の特別養護老人ホームになります。その右の介護老人保健施設は,退院後の在宅復帰のためのリハビリ施設になります。その右の介護医療院は,比較的重度の介護の方が長期療養するための施設になっております。その隣,特定施設入居者生活介護とあるのですが,こちらはいわゆる介護つき有料老人ホームです。よくCMとかにも出ているのですけれども,そういったところに入所されている方に対する給付費になります。一番右側の認知症対応型共同生活介護は,認知症の方が共同生活を送るグループホームに入っていらっしゃる方への給付費になります。こちらはどのサービスもおおむね増加傾向で推移しました。  こちらは計画値との比較になります。ここからは計画値を上回ったものを赤枠――資料で言うと白黒になってしまっているのですけれども――で囲んでいるものになります。計画値を上回ったものとしては,地域密着型の特別養護老人ホームと介護老人保健施設が計画値を少し上回っております。  次が在宅サービスに移ります。記載しているのは,左から順に,ホームヘルパーが身体介護・生活援助を行う訪問介護,その右は,看護師などが自宅を訪問して,看護・医療的ケアを行う訪問看護,その隣が理学療法士や作業療法士の方が御自宅を訪問してリハビリを行う訪問リハビリテーション,その隣が医師の方や歯科医師の方,薬剤師の方が自宅を訪問して療養所の管理や指導を行う居宅療養管理指導と呼ばれているもの。その右側が,事業者が自宅まで送迎して,施設などで入浴や健康チェック,リハビリとかを行う通所介護,いわゆるデイサービスというサービスになります。こちらも3年間で増加傾向で推移しております。給付費としては,訪問介護と訪問看護,通所介護が大きくなっております。  次の資料になりますと,計画値の比較になるのですけれども,特徴としては,訪問看護や居宅療養管理指導,訪問リハビリなど医療系サービスのニーズが高くなっているため,計画値を上回っているような結果となっております。  もう2つ目なのですけれども,次が在宅サービスです。こちらでは理学療法士や作業療法士などの方が,医療的ケアなどのリハビリを施設で行う通所リハビリテーションや,利用者の方が短期間施設に入所される短期入所生活介護,ショートステイと呼ばれているものです。その隣が車椅子や介護用ベッド,歩行づえなどの福祉用具のレンタルを行う福祉用具貸与,その隣が自宅に手すりやスロープ,段差解消などの工事を行う住宅改修費。一番右は介護保険サービスを利用するに当たり,ケアマネジャーの方のプラン作成費用になる介護予防支援,居宅介護支援の費用になります。福祉用具貸与と居宅介護支援は増加傾向であり,そのほかのサービスはほぼ横ばいとなっています。  計画値との比較にはなるのですけれども,こちらですと,この表の中の一番右側,介護予防支援,居宅介護支援は,サービスの利用に当たってはどうしてもケアプランが必要になります。なので,サービスの利用者の増加に合わせてこちらの給付費も増加しており,計画値を3か年とも上回っております。また,ちょうど表の真ん中ほどの福祉用具の貸与と住宅改修費も計画値を上回りました。こちらは全体の給付費から比べると大きな額ではないのですけれども,これらのサービスは,まず自宅などで生活環境を整えたいという方が増えてきているのかなというところが一因ではないかと考えております。  その次が,在宅サービスのうちの地域密着型サービスに分類されるものになります。地域密着型サービスというのは,高齢者の方が可能な限り住み慣れた自宅や地域で生活を継続できるように市町村が指定して,主にその市町村に居住している方に対し提供されるサービスになります。左から順に,地域密着型通所介護は,定員が18人以下の比較的小規模のデイサービスになります。その隣,定期巡回・随時対応型訪問介護看護というのは,ホームヘルパーによる訪問介護や訪問看護が連携しながら,定期的に御自宅を訪問する巡回や随時対応を行うサービスとなっています。その隣は,認知症の利用者の方を対象とした認知症対応型通所介護。その右隣,施設の通いを中心として短期間の宿泊でしたり,逆にその施設の方が自宅へ訪問してくれるサービスなどを組み合わせた小規模多機能型居宅介護。一番右は,小規模多機能型居宅介護にプラス訪問看護も合わせたサービスになります。こちらも増加傾向で推移しておりますが,小規模多機能型居宅介護や看護小規模型居宅介護,右側のものになるのですけれども,8期期間中は市内に1か所ずつであり,こちらは利用者の退所など,利用者の状況などで給付費の変動が大きくなっています。なので,小規模多機能型のところは,令和4年度から5年度にかけて少し下がっている状況になっております。  最後,こちらが計画値との比較になります。地域密着型サービスでは,小規模多機能型が令和3年度と4年度,看護小規模多機能型のサービスが令和3年度に計画を上回りました。一方,こちらの2つのサービスは令和5年度,看護小規模多機能型は令和4年度以降で計画値を下回っているのですけれども,要因の1つとして,8期においてそれぞれのサービス,1か所ずつ施設整備を行うこととしておりました。それを前提に計画値も設定したのですけれども,施設整備がなかなかできなかったため計画値を下回っているものになります。  簡単ですけれども,以上で介護保険事業についての報告を終わります。ありがとうございました。 ○会長  ありがとうございました。ただいまの御説明に関して御提案,御意見のある方は挙手をお願いいたします。  質問ですが,この最後のところで小規模多機能型の居宅介護と看護小規模多機能型の居宅介護が増えなかったというのは,増えない理由というのは何かあったのですか。プロポーザルがなかった。それとも,利用者が伸びていかないような背景がある。何か考えられる要因というのはあるのですか。後ほどお願いします。では,モニター員,どうぞ。 ○モニター員  介護保険サービスをいかに活用するかというのが介護者にとって非常に重要だと思います。それで,図でちょっと納得できないのが12ページの介護保険サービスの認定者の利用率。この表で,すぐ近辺の市町村と比較した例で,調布市が在宅サービス及び施設及び居住地区のサービスが両方とも低いのです。ということは,介護が全部似たようなものだとしたら,介護者にとっての負担は他の市町村に比べて大きいと見てよろしいのですか。そんな単純なものではないということなのか,その辺を教えてください。 ○事務局  こちらの数値のところなのですけれども,まず調布市の特徴の1つとして認定率が高いことが挙げられます。調布市は,高齢者の早期の実態把握でしたり,介護保険以外のサービス,高齢者向けの一般施策をするサービスを利用するに当たっても,要介護認定の申請をしていただいております。なので,実際,認定を受けてはいるのですけれども,介護サービスを利用されていない方も一定数いらっしゃると思います。  あとは,申請の理由なのですけれども,例えば家の中に手すりとかつける住宅改修をしたいと。まずはそれだけできればいいとか,歩行つえなど福祉用具のレンタルだけあればいいということで,例えばヘルパーによる訪問介護,デイサービスとかそういう継続して利用するサービスまでの利用は希望がない方がいらっしゃれば,利用率のところに影響してくることも考えられます。  あと,2年ぐらい前に,認定を受けられている方のアンケート調査を行った中で,実際サービスを利用されていない理由を質問する項目がありまして,その中でサービスを利用するまでに至らないというか,サービス利用の必要性を感じていないという方も一定数いらっしゃったので,そういった調布市の高齢者の施策を利用していただくに当たって,要介護認定を進めているというところと,介護保険サービスをみんながみんな利用希望ではないですけれども,認定は受けたが,介護保険サービスを利用していないところがこういったところに表れているのかなと思っております。なので,モニター員がおっしゃったように,サービスが足りていないとか,待っているとか,そういった話は直接的に私までは承知していないところであります。 ○モニター員  どうもありがとうございました。 ○会長  委員,どうぞ。 ○委員  よろしくお願いします。御説明ありがとうございました。2つありまして,1つが5ページの調布市の将来推計人口ということで,ここで後期高齢者の割合がどんどん増えてくるという予測が立てられて,確かにそのとおりだと思うのですけれども,実は私の友達が町田のほうにいまして,よくここから車で町田のほうまで行くのです。行く途中,よみうりランドの辺りを通って,百合ヶ丘の辺りを通っていくのですけれども,物すごい坂道があって,町田市内へ行っても物すごい坂道で,町田の友人――建築屋さんをやっているのですが――に聞いても,高齢者にどんどん住めなくなっているところがたくさんある。それに比べると,調布市はほとんど平らですから非常に住みやすいのです。何が言いたいかというと,あちらのほうから移動してくる人がもっと増えるのではないだろうかと。ですから,この推定人口の増加よりも,ひょっとしたらもっと上向きに行くのではないだろうかと何となく見た感じはします。それが1つ。今のは私の意見だけです。  もう一つお聞きしたいのは,最後のところだと思いますけれども,主な在宅サービスというのがあって,私の義理の兄が3年ぐらい前に亡くなったのですが,非常に調子が悪いときにお泊まりデイというのがあったのです。これは非常にグレーだということでいろいろあったのですけれども,そこに行き始めたら,なじみの関係といいますが,非常に小さい単位でよく面倒を見てもらえて,食事もよくとって,すごく元気になったのです。あれは,この中でいくと地域密着型の通所介護,どこら辺に入っているのですか。今もああいう仕組みはあるのですか。仕組みというか,どうなっているか分からないのですけれども,非常によかったなと思っているのです。  以上です。 ○事務局  今お話があったお泊まりデイというのは,通所介護ですとか,通うサービスが,夜間に介護保険事業外でお泊まりのデイサービスをやっているのですけれども,そのことかなと思います。そちらについては介護保険の事業外になるので,今お手元にございます資料の介護給付費の中には出てこないところにはなるのですけれども,市内には通所介護ですとか,地域密着型通所介護でお泊まりデイをやっているところはございます。 ○委員  昼間の間はデイでやっている。夜は本当はいけないのだけれども,夜は連続しているみたいな感じなのですが,そういうことですね。 ○事務局  昼間利用されている通所介護として行っている事業は,この中の介護給付費の中に実績として入っています。数としては,お泊まりデイは少ないサービスになりまして,給付費の中には表れないのですが,今やっているところはございます。やってはいけないというものではなくて,きちんと届出をした上でやっているサービスで,あくまで介護保険の事業とは別のサービスいうことになります。 ○委員  やっていらっしゃるところは今でもあるわけですね。 ○事務局  はい,ございます。 ○委員  分かりました。 ○会長  よろしいでしょうか。顧問,コメントをお願いします。 ○顧問  ただ,お泊まりデイが望ましいサービスかどうかはきちんと議論したほうがいいと思います。デイサービスは基本的に人員が限られ,泊まる居住空間がない。そのような問題も内包していますので,確かにうまくいっているところもあるが,ちょっと心配な点もあるので,市としてはどう考えるかはきちっと捉えておいたほうがいいかと思います。行く場所がないので,お泊まりになっているという問題がある。  それと,ここで利用率の議論なのですが,先ほどおっしゃった12ページの,調布市がちょっと下がっているのではないかということで御説明がありましたけれども,ほかの市でも認定率と利用率で若干違いが出てきていますが,ここで重要なのは,利用支援が十分なのかと。その検証も考えておくことが必要かと思います。使わないというのは,情報が伝わっていない場合もありますし,その方に応じたケアプランができていなければ,利用率は当然低くなるので,市としては利用支援等々を考えるきっかけとお考え下さい。  あと,さっき会長がおっしゃった地域密着の数字ですが,制度上の問題もあるかもしれないのです。事業者が入りにくいというか,事業が展開しにくいような規定になっていると,当然のことながら手挙げをする事業者が少なくなるのは目に見えていることで,ここは課題としてよく挙げられているところだと私は思います。事業が参入できないと。結果的に事業化できないので,なかなか手を挙げないということも多々あると思います。  それと,顧問として打合せをしたからあれなのですけれども,明らかにしておいたほうがいいのは,令和3年度で95.4,令和4年度で92.1,介護老人福祉施設で令和5年度は91.1で,利用率が下がっているのです。これはどう見るかというと,もしかしたらマンパワーが集まらないので事業が提供できないということならば,この後の人材確保で議論しておかないといけないのです。要するに今,応募しても来ない。結果,ベッドは全部使えないということは多々あるようですから,利用者がいないのではなくて,むしろ事業者がベッドを提供できない。だから,目標値から比べると低くなるという状況もあるのが一般的ですから,何も調布市が問題というよりも,それが現実にあるなら,それをどうしますかと。ベッド数をどう確保しますかという議論にもなると理解していただいたほうがよろしいかと思います。目標値に到達できるような人材確保ができないということも今後十分想定されますので,御検討いただければと思います。  以上です。 ○会長  ありがとうございました。今の顧問のお話を聞いていて思ったのですけれども,介護老人保健施設は逆に上がっているので,この両者で取り合いをしていないのかなというのもちょっと気になりましたが,そこら辺はまた分析をしていただければと思います。 (2)介護人材の確保・定着について ○会長  それでは,次の議題に移りたいと思います。議題(2),今御指摘がありました介護人材の確保・定着について御説明をお願いします。 ○事務局  それでは,議題2つ目の介護人材の確保・定着になります。よろしくお願いいたします。  まず,現状なのですけれども,報道などで最近よく見るようになりました介護人材のところ,特に生産年齢人口の減少などにより,介護業界に限らず人材不足が生じている中,介護関連の職種は,ほかの業種と比べて有効求人倍率が大きい状況になっております。  こちらは先ほど顧問もおっしゃっておりましたけれども,安定的な介護サービスを供給できる体制の確保のため,国を挙げて介護人材の確保・定着に向けた取組が課題となっているところであります。下の左側の表は,東京都の保健福祉計画に記載してあるのですけれども,有効求人倍率の表になります。東京都内になりますと,職種合計で1.41倍のところ,介護関連業種ですと5.91倍となり,かなり大きいところになっております。  右側になります。国の主な取組というところで,国も大きく5点,取組の方向性として挙げております。まず介護職員の報酬などの処遇改善。2つ目が多様な人材の確保・育成。3つ目が働きやすさなどの離職防止や定着促進とか,ICTや介護ロボットといったものを活用した生産性向上。4つ目が介護職の魅力向上という部分。最後,5つ目が外国人材の受入れ環境の整備を対策として取り組んでおります。  次に,調布市の市内事業者です。今年度アンケートを取ってみました。令和6年11月から12月までの間なのですけれども,回答件数62の事業所の方から回答をいただきました。こちらについて少し御説明させていただきます。  まず,左側の1番目の問いです。過去1年の採用者数というところなのですけれども,どの事業所も1人から5人ぐらい採用できたというところが割合として一番多くなっております。一方,その右隣,過去1年間の離職の割合ですけれども,一番大きいのは,離職率が1割未満というところなので,離職率は比較的高くないのかなというところです。  次,主な離職理由です。問いの3番ですけれども,上位としては同業種への転職,あとは他業種への転職,3番目が家族の介護や看護といったところを理由に離職をされていらっしゃる方がというところです。一番大きいのが同業種への転職というところです。市としては,事業所の数は把握できるのですが,例えば別の事業所に移られた職員の方がどれぐらいいるとか,そういったところの把握がなかなか難しい。皆様,専門の資格とかをお持ちなので,同業種の中で転職をされている方も多いのではないかと思っております。  その右隣です。事業所が職員定着に向けた取組の工夫などどういったものがありますかというところなのですけれども,やはり働きやすさというところは,どこの事業所の皆様も力を入れておりまして,一番多かった回答が,職場内のコミュニケーションの円滑化でしたり,その次が労働時間の希望です。フルタイムではなくて,短時間勤務でしたり,労働時間帯とか,そういったのは働き方の希望に合わせて聞いているところが多かったです。  次に,人材確保の事業者の方たちの取組というところです。左側のQ5なのですけれども,求人情報誌や求人広告といったところへの掲載と,賃金・福利厚生の充実というところがやはり上位に挙げられております。右側の採用効果のあった取組なのですけれども,ハローワークでしたり求人情報誌・サイトへの広告のところが高かったです。3番目に,職員とか知人からの紹介,人づての紹介というものが挙げられていまして,こういったのは同じ業種の中でのネットワークがあったり,こういう関係から紹介の割合が比較的高いのかなというところがうかがえました。  その次,外国人の方が市内の事業者にどれぐらいいらっしゃるのかなというところもアンケートで聞いてみました。左側ですけれども,未採用や未検討の事業所が数としては一番多かったです。一方,採用している事業所の方の主な出身国を聞いてみたのですけれども,フィリピンの方が調布市の人は一番多く,あとはベトナム,ミャンマー,中国の方とかが何人かいらっしゃるような状況です。  右の問いなのですけれども,外国人材の活用における課題を聞いてみたところ,利用者の方,あとは職員同士の方のコミュニケーションでしたり,日本語の教育とか雇用に係る費用負担とか,そういったところがなかなか課題となっているので進まないというところが多い特徴でした。  アンケートの最後ですけれども,左側の9番です。職員の定着に向けた取組や工夫というところです。先ほどのところとかぶるのですけれども,やはり職場内コミュニケーションの円滑化だったり,労働時間の希望,あとは賃金条件を改善しているというところが大きいところでした。  最後,右側の問いの10番目の質問なのですけれども,人材育成に係る課題というところで,上位にあったのが育成担当の職員がいない。あとは,他事業所の情報交換をする機会がないというところが上位に来ております。職員の数が十分でない事業所ですと,日々の業務をするだけで手いっぱいになってしまって,育成にもなかなか力が入れられていないというところがそれで表れていると思います。  アンケートは以上になるのですけれども,次は,主な市の取組というところで,市が行っている令和6年度に開催した各種研修事業のところになります。今年度は上の表の1つ目です。集団スーパービジョン研修ですが,本日欠席されました顧問に講師いただいたのですけれども,主任介護支援専門員の方ですとか事業所の管理者の方を対象に,サービスの質の向上につながることを目的として行った研修になります。  その下,介護業界の新しい人材確保の方法ということなのですけれども,人材確保の方法として今,介護職員の方が日常行っている業務を少し切り分けて,必ずしも資格をお持ちの介護職員の方とかが行わなくてもよいと思われるような業務にスポットワークすき間バイトと言われているものを活用するという取組を紹介しました。  その下,介護保険制度の理念と福祉職が行うサービス提供に必要なことという研修なのですけれども,こちらは日々お忙しくお仕事をされている介護職員の皆様に,介護保険制度の根幹に立ち返り,価値のある仕事をしていることを実感していただけるようにと実施したサービス理念やサービス提供に関する研修になります。  その下です。介護現場における利用者や家族などからのハラスメント対策に関する研修です。こちらはハラスメントの原因やその背景を知り,対策,方針,事業所として対応していただきたいというところを考える研修として実施しました。  その下です。外国人職員受入制度説明会なのですけれども,こちらは介護人材確保の1つとして,外国人職員を活用するに当たっての国の制度の説明会を施設サービス事業者向けに開催しました。  最後なのですけれども,ストレスマネジメント研修です。こちらは職員の方のストレスに関して正しく理解していただいて,セルフケアの方法を学ぶ機会を設ければということで,ここで働きやすい環境づくりの一助となるように企画した研修となります。こういったものを今年度実施いたしました。  実は11月11日,毎年,国が設定している介護の日というものがありまして,こちらは介護を身近に感じていただこうというところで,こういったもので啓発活動の一環として少し取組をしてみました。中身としては,鳥のキャラクターなのですが,うちの市の職員がデザインしたものになるのですけれども,この職員のデザインした缶バッジを市の職員が同じものをつけていたりとか,調布市立中央図書館でミニコーナーを設置させてもらって,介護に関する資料の展示をさせていただきました。  あとは,東京都が作った広報動画を市庁舎や調布駅構内,あとは深大寺にありますブランチ調布の中にあるデジタルサイネージというモニターのところなどを活用して放映させていただきました。こちらは調布駅構内,ちょうどコンビニエンスストアの向かい側にあるモニターには今でも定期的に放映していらっしゃるので,もし目にする機会があれば,ここにあったのだなというのを御覧いただければなと思います。  次は,調布市内に調布福祉人材育成センターというものがございまして,こちらでも介護人材の確保・定着に関する取組を行っております。今日は人材センターの係長にお越しいただいて,センターの事業説明をしていただければと思いますので,説明を代わらせていただきます。 ○福祉人材育成センター職員  まずは今日,こういった場で貴重なお時間を頂戴できるということは大変うれしく思っております。少しでも御関心を持っていただけたらありがたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  まず,アンケートなどでも出ていたとおり,市内でも人材確保,育成というのは現場でも非常に大きな課題となっております。私ども福祉人材育成センターでは,そういったところの改善であったり,向上といったところをミッションにして,日々活動しております。  まず,センターの運営について少し知っていただけたらと思います。  所在地は,調布市こころの健康支援センターという,以前は保健所があった場所になりますが,そちらのほうに所在をしております。  運営元は,調布市の障害福祉課から補助,委託を受けまして,調布市社会福祉協議会で運営を行っております。  センターの職員数は4名という非常に小さい係になっておりまして,正規職員2名,嘱託職員2名というチームで運営を行っております。  そのほか,御協力をいただいている皆様としては,運営委員会を設置しておりまして,年に3回から4回ほど会議体を開きまして,運営についての御意見,アドバイスなどを様々頂戴しながら,日頃の運営に生かしているといった状況でございます。  社会福祉協議会がこちらの人材センターを運営する利点が4点ほどあるかと思いますが,まず社会福祉協議会のミッションといたしまして,市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを進めていくために,地域の人材を育成するというベーシックな役割とうまくマッチしているかなというところが1つ挙げられると思います。  また,社会福祉協議会では,高齢,障害,児童など様々な事業を展開しておりますので,偏ることなく地域の人材育成という視点を持つことができるというのも1つかと思います。  また,あわせて,多彩なフィールドを持った事業展開を行っておりますので,様々なところからの情報をいただきながら,また,関わる幅広い人材との連携の中で業務ができるところも大きな利点かと思います。加えて,長年培ってまいりました事業所様ですとか,当事者の方々との関係があるということ,パイプがあるということも大きな強みになっております。  事業としましては,大きく分けて4つの展開を行っております。まず1つは,福祉で働く人を増やすということです。そして2つ目に,福祉で働く人の力をつける,専門性を向上していくというミッション。それから,福祉に関心を持つ人を増やすという普及啓発。そして,働く方々の支え合い,働き続けるモチベーションであったり,そういったものをつくり上げていくネットワーク形成。この4点を大きく分けて事業展開しております。  働く人を増やすという中でも,1つは,資格を取っていただいて,福祉の業界で仕事をしていただくことができるようにしていくということで,資格研修の提供を行っております。  また,働きたいという方々が仕事につながるように,就労支援の取組として福祉のしごと相談・面接会といったイベントも年に1回実施しております。  資格研修は,大きく6つ実施しておりまして,同行援護研修,重度訪問介護,知的障害者移動支援,介護職員初任者研修,行動援護研修,医療的ケアといった研修,資格研修を提供しております。  こちらは,少ない資料なので分かりにくいかもしれないのですが,介護職員初任者研修の車椅子の介助を今演習しているような写真と,医療的ケアが必要な方のモデルの人形を使って,実際の手順などを確認する演習を行っているような写真,それから,同行援護研修の視覚障害の方の外出支援を行う資格研修になりますけれども,JR武蔵野線などに御協力をいただきながら,実際に演習を行っている様子です。このような形で,座学だけではなくて,実際に外に出ていって,演習などをかなり多く取り入れながら資格研修などを行っております。  そして,就労の支援については,毎年11月に実施しておりますが,福祉のしごと相談・面接会ということで,障害の事業所の皆様,それから高齢福祉の事業所の皆様,幅広く御参加いただいて,実際に仕事の様子であったり,どのような働き方ができるのかといったことを直接職員や社員の方に聞いていただくことができるような相談会という形で実施しております。  続いて,福祉で働く力をつける専門性の向上というところでは,階層別の研修であったり,様々な専門的な研修をプログラムしております。  これはコロナ禍からスタートしているオンデマンドで配信をするという研修になりますけれども,学びの利便性を高めるために,集合型の研修だけではなく,事前に収録をして,長期間にわたって御覧いただいて学んでいただけるような配信型の研修なども行っております。こういった研修は隙間時間に学びの時間をつくることができるといった意見などもいただいて,非常に好評をいただいております。  続いて,ネットワーク形成といったところですけれども,こちらは年に1回,ちょうふ福祉実践フォーラムということで,毎年様々なテーマを検討して,そのテーマに向かった交流であったりお互いの実践を学び合う機会とするということで提供しております。実は今年度は2月に実施の予定がありますけれども,2月16日に「元気が出る福祉」ということで,お笑い芸人などをたくさん輩出しているプロダクションの代表の方をお招きして基調講演をいただいて,その後,様々な交流を行う予定になっております。  そして,最後に福祉に関心を持つ人を増やすということで,普及啓発事業も行っておりまして,まずはホームページですとか広報紙等を用いた情報発信などを行っております。実際に働きたいという方が当センターのホームページを御覧になることも非常に多くなっておりますので,各事業所様の求人も掲載させていただいております。実際に当センターのホームページから求人を御覧いただいて,就職に結びついたという声などもいただいております。  本日,皆様のお手元に追加で配付をさせていただきましたヒューマンライブラリーという取組も普及啓発のために行っている事業となります。今年度は2月22日土曜日に実施の予定となっておりましたので,もし関心をお持ちいただける方がいらっしゃいましたら,市内にお住まいの方どなたでも御参加いただけるものとなっておりますので,御検討いただけたらと思います。こちらは様々な生きづらさというものを抱えている方の直接お話を聞ける機会ということで理解を深めていくための事業として実施しております。今年度は4名の方にストーリーをお話しいただいて,少人数の中で対話をしながら理解を深めていく時間をつくっていく予定になっております。まだ御参加いただけますので,よろしければぜひ御参加,御検討いただけたらうれしく思います。  簡単ではありますが,人材センターの事業についての御説明となります。ありがとうございました。 ○会長  ありがとうございました。それでは,今の議題に関しまして,御提案,御意見のある方の御意見を頂戴したいと思います。御意見,御提案のある方は挙手にてお願いします。マイクをまたお持ちしますので,よろしくお願いします。  このセクションでは,現在の介護の人材の確保,定着についてということと,調布市における介護福祉人材の育成をどのようにやっていくかということでお話をいただきました。今日,事業所の方もいらっしゃっていると思うので,思うところとかありましたら御発言いただきたいと思いますが,どうでしょうか。どうぞ,副会長。 ○副会長  人材募集に関しては,この分野だけではなくて,我々の医療の分野であるとか,いろいろなところで不足しているというのはみんな共通の問題としてあるのですけれども,ちょっとお聞きしたいのが最初の資料の1ページを開いたところの離職率のところで,調布市内の事業所の中での離職率を表したものだと思うのですが,実際,東京都とかと比べるとどうなのですか。もしお分かりでしたら教えていただきたいなと思いまして。 ○事務局  東京都とか,そういった数値は今日ちょっと持っていなくて,承知していないところで大変申し訳ないのです。実は市内の事業所なのですけれども,220ぐらいの事業所の方にアンケートをお願いしたのですが,その結果,62事業所と回答率が低かったことがあります。こういったアンケートに丁寧に回答していただける事業所では,働きやすさに取り組まれている回答もありますが,実際,一つ一つの個別の事業所でどれだけの人の出入りができているかというところは承知できておらず,東京都の数字も把握できていないところではあります。すみません。 ○副会長  介護の業界のいろいろなメディアの情報とかを見ていると,仕事がきつい。仕事の内容というよりも,人数がいないので,1人のお仕事量が増えてしまって,志はあるのだけれども,やめてしまうという方は結構いると思うのです。  さっき,顧問がおっしゃっていたように,実際,病床,ベッドはあっても,人が足りないから空けられない。箱としてはあるけれども,死んでしまっているような状態になっているというのは非常にもったいないことだと思うので,たしか処遇改善の補助金があるので,最初はある程度給与を見込んで来るというところがあると思うので,それを何とか定着させるようなところを目指していただきたいなと思います。  そこで人数が増えてくると,今度はそこに対しての事業所の負担というのは増えてきますので,一つ一つの仕事の負担は減っても,人件費的なところは増えてしまうので,そこら辺を介護保険料を原資にして,そういう事業所に補助金みたいな形で少し使うであるとか,現場の従事者の処遇改善に使うということもできると思うので,そのような使い道で介護保険のお金を使っていただきたいなと思います。  そうすると,ほかのところにお金が行かなくなってしまうというところがある。調布の介護保険料は結構優秀で,東京都よりもかなり安いというのは知っているのですけれども,たしか第9期が5,900円,東京都平均が6,320円。それは優秀なのか,ちょっと無理しているのか分からないのですが,ある程度人材確保するのにお金が必要であるのであれば,介護保険料の見直しであるとか,増額するであるとか,取れるところからはある程度取るというところをやっていかないと,例えば調布の高齢者ではなくて,若い世代とか,子ども世代とか,生産世代の事業の補助金であるとか,そういうところの枠組みから,高齢者であるとか,福祉のほうにあまり取ってほしくないというのが正直ありますので,原資はある程度こちらの分野の中で蓄えていただきたいなと思っております。だから,介護保険料もある程度上げてもいいのではないかと。  大阪は9,900円で一番高いというのはあると思うのです。そこまでは行かなくてもいいと思うのですけれども,ある程度の金額は上げても文句は出ないと思いますので,そのような取組もしていただきたいなと思います。 ○会長  ありがとうございました。では,お願いします。 ○事務局  御意見ありがとうございました。まず,介護保険料のところなのですけれども,保険料の用途が法律で決められておりまして,人件費とか補助事業といったものに直接充てられるものではないと承知しているところです。なので,処遇改善につながる手当ですと,介護職員だけではなく,ケアマネジャーの方も対象に,東京都が独自で居住支援手当を支給している事業です。こちらは事業者の方とお話しする機会があったのですが,皆さんの事業所も東京都に申請して受給していらっしゃるところです。あと,介護報酬の設定です。公定価格なので,こちらは適正な介護報酬の設定をしてほしいというのは,市としても国や東京都へ引き続き要望していきたいと考えているところです。  以上です。 ○会長  ありがとうございます。医療の場で言うと,応募してもなかなか来ないというのがいろいろな人から聞く話なのですが,ここら辺は実態としてはどうなのでしょうか。私の目の前にお二方,医療介護の代表として来ている方がいらっしゃいます。まず,介護保険サービス事業者調布連絡協議会の委員,実態はどうですか。有効求人倍率5倍という高い数字が出ていましたが,そんなに。 ○委員  数字的にははっきりは申し上げられないのですけれども,介護保険サービス事業者連絡会でも定着していただくためにどうしたらいいかとか,人材確保するためにどうしたらいいかというのは,いろいろな事業者団体が入っているので,いつも連絡会会長を中心にそういう話になっています。研修会もそういうのを含めてレジリエンスに対応できるようなところを研修内容にはしていますが,やはりどうしても人材確保には難しいし,それを定着させるのも難しい。給与体制というか,お金の面でももう少し予算をつけてもらわないといけないみたいな感じで活動しているというのは話題に出ています。 ○会長  ありがとうございます。お隣にいらっしゃいます介護支援専門員調布連絡協議会の委員,いかがですか。 ○委員  介護支援専門員調布連絡協議会,ケアマネジャーの会なのですけれども,今,委員がおっしゃったのと同じで,ケアマネジャーも人員の不足が役員会の中で大分お話に挙がっております。例えば,地域包括支援センターに介護が必要な方が相談に行って,一昔前であれば一,二件,ケアマネさんの事業所に連絡すれば手が届いたのだけれども,今はそれが4件,5件電話しても受けてくれないこともあるということがあって,有効求人倍率は存じ上げなかったのですけれども,そういう声もあるということです。  あと,私の経験でいくと,他市のケアマネさん,包括さんとの会とかでお話を伺うと,多摩地域は全体的にケアマネさんが不足しているという声はよく耳にしております。  対策としては,我々の研修会,勉強になる会というのと,同職種の連携というところも目的にして研修会などは行っているのですが,それが結果としてはなかなか追いついていないのかなというのが実情です。  以上です。 ○会長  ありがとうございます。私たちも近くのお店の時給を見ながら,これでは職員が怒ってしまうのではないかということで,診療報酬がほとんど上がらない中で報酬を上げていかなければいけないという現実があるわけなのですけれども,恐らくほかの事業所の方々もそういう状態の中で頑張っていらっしゃると思います。  これは一自治体で考えることではないと思いますけれども,東京都でも今後,介護人材の不足は10万人以上,かなり大きな数が試算されているところでもありますし,この協議会で云々ということはないのかもしれませんが,いいケアができるためには,それだけのマンパワーが必要ということはどうしても欠かせないところではあるので,何らかの形でそういった手当がついて,より多く人が安心して暮らせればいいなと思います。  また,これは私の単なる希望でもあるのですけれども,今日,調布市福祉人材育成センター担当係長にいらしていただいて,人材育成のお話をしていただきました。ここにいらっしゃる専門職の方々で,人材育成に関してこういうところを注意してほしいとか,こういうことを期待したいとかというのがあれば,併せて御意見いただければ幸いなのです。もちろん,モニター員の方々,ほかの委員の方々も,こういった人材が現場では欲しい,私たちはこういう人が欲しいんだという何かそういった思いがありましたら,ぜひこの場で出していただければ幸いだと思います。どうでしょうか。ちょっと考えていただければと。 では,委員,お願いします。 ○委員  人材育成の件で今お話がございましたけれども,頂いた資料の市内事業者へのアンケートで,人材の確保が難しい,不足しているけれども,特に何も行っていないという方がここのデータの中にあります。こういう経営者が事業をやっているということ。トランプ大統領だったら「あんた,首」とすぐ言いそうな感じです。人材センターの中でいろいろやられているのを今お聞きしたのですけれども,この中で働く人に対する研修も大事なのですが,階層別の中で管理職,施設長の中で,特に事業者に対して職員が働く環境,どういう環境で働いたら定着するのか。ただ専門性だけで職員に勉強しろ,勉強しろと。それはやりますけれども,やっても働く環境が悪かったらほかに行ってしまうのです。資格を持っていますから,資格で働く人は,資格さえあればほかへ行って働けるわけですから。  そうではなくて,定着させるためには施設の魅力があるというか,環境をしっかりするということが大事だと私は思う。これは私の経験で,20年ぐらい前――今は大分変わっているかもしれませんけれども,メーカーに30年も勤めて,それから一回退職して介護の会社に就職しようと思って行って,ヘルパー2級の資格ぐらい要るだろうと思って,世田谷区の老健に研修を受けに行ったときに,老健の入り口を入った途端におしっこのにおいがわあっと来るのです。しかも,着替えてくださいというと,研修生はボイラー室みたいなところで着替える。やらせられることはトイレの掃除とか。そのときに,これが本当に介護人材の仕事かと本当に私は思いました。これは改善していかなければいけないということで,それから介護の会社で,施設もやり替えてきたのですけれども,そういうものも調布の中で,全体として社協の方がそこら辺に取り組んでいただくというのは,私は非常に期待していますので,ぜひ頑張っていただきたいなと思います。 ○福祉人材育成センター職員  委員,ありがとうございます。おっしゃることは,まさにそのとおりかと思うのですけれども,現場としては,特に行っていない,そして不足しているというところは人材も不足しているという状況もあるというのがまず推察されます。ですので,取組を怠っているわけではなくて,本当は何とか取り組みたいのだけれども,まず体制が整っていないという中で,育成に力が入れられない現状もあるのかなと思っております。  ですので,私どもセンターとしては,事業所運営の中で研修にすることもなかなか難しいという事業所様も多いということを把握しておりますので,先ほど申し上げたような配信型の研修などを行って,ほんの少しの隙間の時間でも学びを深めていただけるようにということで取り組んでいるところがあります。ですので,本日課題に挙がっている人材確保,人をどうやって増やしていくのかというところを,こういった場で皆さんと一緒にこれから考えていきたいなと思っております。どうもありがとうございます。 ○会長  ありがとうございました。時間もあるのですけれども,こういう人材育成関して,ここはちょっとお願いしたいというのがあれば,委員,そして副会長から一言ずついただけますでしょうか。人材センター係長も,そういうことも踏まえて人材育成につなげていっていただけたらと思います。  では,一言ずつお願いします。 ○委員  ありがとうございます。大きく分けると,新しい方を増やすというのと,調布から離れていかない方を増やすという考え方があるかと思うのですけれども,半年ほど前の会議での方針としては,今いる方々に続けていただくというのがまずは優先する方針なのかなと私どもは考えています。  以上です。 ○委員  介護事業所サービス連絡会は,とにかくいろいろな団体が入っていますので,私から一言ではちょっと言いがたいところもあるのですが,対価よりもやりがいも同じぐらい大事だということは研修等々でもあったので,そこも含めて調布で働きたいという人を地域で,みんなで迎え入れられるようなところができるといいなと思っています。すみません,個人的な意見で。  ここで1つ質問というか,提案というのがあったので,一緒にしてもいいでしょうか。 ○会長  どうぞ。 ○委員  私は訪問看護をしているので,医療ケア支援の喀痰吸引の特定行為の研修の方に実地指導のほうでよく関わるのですけれども,東京都はたしか年2回ぐらいしか募集がなくて,調布市も年に何回か決まっていて,登録事業所は大体いつでもできるのです。利用者さんは,吸引が必要になったときには年何回のところの応募ではもう間に合わない。来週から退院してくるからお願いしたいとかいうときに,東京都も募集していない,調布市も募集している期間が決まっているので,そこに当てはまっていないとなると,事業所さんが持ち出しで登録事業所にお金を払って喀痰吸引の実地を受けなければならない。  小さい事業所さんとかは,やはりどうしても出費もあるし,プラス先ほどの定着率ではないけれど,実際,研修を受けて,お金も投資して,時間数もやったのに,実際にケアに入ると,こんなはずではないでやめてしまう方もいらっしゃったりするので,私は実地ステーションで関わっているのですけれども,調布市ももう少し流動的に,必要なときに必要な――施設の方が利用されている方が多いかと思うのですが,在宅の方も期間でなくて,もう少し流動的にできるといいのかなと思うので,そこを今後取り組んでいただければどうかなと,東京都の違い,調布独自のやり方でやっていただけるといいのかなと思います。よろしくお願いします。 ○会長  どうですか。 ○福祉人材育成センター職員  そういったニーズがあるのはもちろん承知しているところなのですが,現状,委託費の都合とか,そういったところもありまして,調布市の場合も年2回という形になっておりますので,その辺りは市とも協議して,前向きに検討していければと思います。ありがとうございます。 ○会長  ニーズというのは急に湧いてきますので,必要な方は急に出てくる。私が診てる人でも吸引が必要になって,事業所のヘルパーさんにそういうことをしていただいて,その人の生命を維持できたわけですけれども,今の委員の提案をぜひ考えていただければと思います。最後,委員,お願いします。 ○副会長  いつもお世話になっております。  私はふだん地域包括支援センターで働いているので,先ほどいろいろ出ている中で,今,人材が不足しているというところでは,まずヘルパーさんがいない。そうすると,予防給付の方,特に要支援1,2の方は事業者さんが受けないという決まり事にしていて,特に大手の事業者さんは,もう予防のお客様は受けませんと言われてしまうので,小さな事業所さんにヘルパーさんをお願いして,そちらにしわ寄せが行っているというのが現実です。週1回のヘルパーさんを探すのに10事業所さんぐらい電話して,それでも空いていなくてというのは,私たちがというよりは,利用者さんの不利益になっている。  先ほど高い介護保険料というか,調布市はそんなに高くないかもしれませんけれども,毎月年金の中から介護保険料を引かれて,いざサービスが必要になったときに,必要なサービスが使えない。要は人がいないから,ヘルパーさんが週1回も来られない,来てもらえない。そうすると何が起こるかというと,本来そこで受け入れて,ほかに自分のエネルギーを使おうと思っているところが,おうちの中のお掃除や重たい買物のほうにエネルギーを使ってしまうので,ほかに何か活動しようというようにいかなくなってしまうというのが現状です。  あと,先ほど委員がおっしゃったように,ケアマネジャーがやはり不足していて,包括からケアマネジャーさんを頼もうとすると,こちらも心が萎えてしまうくらいケアマネさんがいない。そうするとどうなるかというと,本来,要介護4とか5とかの方が,退院してきておうちに帰ってくるよというときにケアマネがいないので,サービスが使えなくなってしまうという現象がある。  あと,先ほど東京都がケアマネジャーさんに特別手当みたいな形で,満額ではない,そこからちゃんと引かれてしまうのですけれども,申請をすると月々1万円ぐらいの手当をあげるよと言ったのですが,現状は大手――大手は神奈川県,千葉県,埼玉県とかに事業所があるので,東京都だけのケアマネジャーに手当はあげられないといって申請していないところも実際にはあります。実際にはもらっていません。同じ包括でももらっていないところがあります。これが現状なので,そういう現実ももう一回お調べいただいて,全員が全員ケアマネジャーや包括職員がその手当,東京都の1万円をもらっているわけではないです。そういうところで,ほかの事業者の人は手当をもらっているのに,うちの事業所はもらえないよねと言ったらやめてしまうではないですか。年収が変わってくるし,モチベーションも変わってくる。  そういう現状があるというところを踏まえて,もちろん私たちの人材育成とか処遇とかも大事なのだけれども,最終的には,調布市に住んでいる高齢の方たちが,実際にサービスを使うときに使えないというそこの現状,当事者が一番困るというところを考えて,そこを視点にしないと,実際にはサービスが行き渡っていないというところをちょっと考えていかないと,今後の――もちろん自立をさせて,サービスを使わなくてもいいような予防をもう少し頑張っていこうというのも大事なのだけれども,実際にサービスが必要な方にサービスが行き渡らない。これは利用者さんの尊厳とか本来使えるサービスが使えないというところを考えていかなければいけないのではないのかなと思うのです。  今,シルバー人材さんは1時間1,300円ぐらいでお掃除に来てくれます。ゆうあいさんのサービスだと,会員になると1時間900円ぐらいで来てくれます。ただ,ここも皆さん高齢化です。もちろんシルバー人材は65歳以上の登録とかになるので,そういう方たちが来るのです。でも,介護保険のヘルパーさんがいないので,私たちはそこを紹介せざるを得ないのです。そうすると,ほかにインフォーマルのサービスでシルバー人材さんがありますよ,ゆうあいさんがありますよ,ちょっとお金がかかってしまうけれども,いいですか。でも,そうしないと困るからお願いしますという形でインフォーマルのサービスを使っている。介護保険料を払っているのにインフォーマルを使わなければならないということが実際には起きているので,そこをもう少し重く受け止めなければいけないかなと思っています。  分野的に言うと,人材育成に関しても,各施設の中でいろいろな人事考課があって,もちろん面接をしたりして,その方の人事評価をして,お給料が上がってとか,こういう研修を受けてというようにあるのですけれども,それだけでは職場に定着するという魅力がどこにあるのかなと考えたときに,育成とか処遇とかいろいろなことは考えていかなければいけないのではないかなと思います。  以上です。 ○会長  ありがとうございました。課題はたくさんありそうなので,できるところから着実にやっていっていただきたいなと思います。 3 その他 (1) 令和6年度高齢者福祉推進協議会振返り ○会長  それでは,3 その他,令和6年度の推進協の振り返りに移らせていただきたいと思います。  まず事務局からお願いします。 ○事務局  今年度の推進協も早いもので,もうこれが最後になりました。皆様には各議題において,日頃,地域の中で感じていらっしゃることや,地域づくりに関わっておられる方からの貴重な御意見をいただきながら進めてきたところでございます。  来年度は,第9期の計画の2年目ということで,今年度の推進協の内容を踏まえた上で,より深い議論を進めていくこととなります。推進協には現行計画の進捗状況の確認のほか,各関係団体の会議などで検討された内容について情報共有をするとともに,それを計画へ反映させていくという役割がございます。  今まで老人福祉計画と介護保険事業計画の2つの計画を総称して高齢者総合計画となっておりますけれども,来期の計画からは,本年度に策定されました国の認知症施策推進基本計画についても計画に繁栄できるよう検討していく必要もございます。来年度もぜひ各団体の情報共有も含めて活発な御議論をいただければと思います。  本日は,皆様全員から今年度の御意見,御感想をいただきたいところではございますけれども,時間の都合上,本年度の振り返りとして,会長,顧問のお二方から,お願いしたいと思います。  それでは,会長,よろしくお願いいたします。 ○会長  ありがとうございます。それでは,僭越ながら,私から今年度の振り返りということで簡単にお話をしたいと思います。  今年度は皆様方と4回の協議会を持たせていただきました。この1年間,第9期が始まって,そして今年2025年は,よく言われることですけれども,2025年問題という時代に入ってきているわけです。先ほどありましたけれども,この9期の策定時の高齢者人口は21.8%,5年後には24,10年後には26.9%と,調布の人口の4分の1を超えるところまで来ます。しかしながら,先ほども副会長のお話がありましたように,今の時点で介護人材を探すのにいろいろと苦労なさっている。そういうことを考えると,より厳しい,より工夫をしていかないと回っていかない社会が見えてくる。皆さんもそうなのではないかと思っています。  その中で,今回の9期の概要としては,誰もが自分らしく暮らし続けることができるとか,お互いに認め合って,尊重し合って共に生きるとか,多様なニーズに応じた切れ目のない包括的な支援体制を行うなどの多くの理念があります。そして,第1回目のときには顧問の対談の中からたくさんの気づきをいただきました。生活の支援,高齢者の居場所やら,ケアラーの支援やら,あとは地域包括支援センターを市民全体で支えようとか,今日も人材センターの係長がいらっしゃっていますけれども,社協の力を借りて市民生活をどのようにしていこうかと。また,民生児童委員といった方々のお力も借りて支え合っていこう,そのようなエールをいただきました。  2回目は,介護予防の取組と生活支援の実態に関しましてお話をいただいて,たしかここの場所だったでしょうか,10筋運動とかコグニ体操とか,そういった話が出て,筋力は60歳以降から顕著に低下してきて,70歳以降ではそこにスピードが加わってくるわけですけれども,何もしないとどんどん落ちていく筋肉をどうやって維持していこうかと。今日も介護を受けるのは大変という話が出ましたけれども,その中で副会長は,元気に過ごして介護の必要がない体を保つことも大切ということをおっしゃいました。私たちができることというのは,そうやって自分の健康をできるだけいい状態に保つことだと思います。  去年1月1日に施行されました認知症の法に関しましても,生活習慣病の予防等でかなりの割合が予防できると言われておりますし,欧米では認知症の発症率が減ってきているといった事実がございます。ぜひ私たちも,市民として一つ一つできる課題をこなして,これからの日本の高齢化を乗り越える,それを支援していく一人になっていかなければならないのだろうなと思いました。  また,これから高齢者が日常,病院にかかったり,急に具合が悪くなったり,それが原因で入院したり,退院したり,最後は誰もが心臓が止まって亡くなっていくわけですけれども,それをどうやってスムーズにやっていくか,これも今後の大きな課題であるということを前回の協議会で教えていただきました。そして今日,8期の実態と今後の高齢者の状態,そしてそれに対して市がどのように事業を展開しているかということを教えていただきました。たくさんの方が努力されて,今日ここにあるわけですけれども,いろいろなものがたくさんあり過ぎて,どこに何があるか,私もちょっと分からなくなることがあります。できれば,それがどこかここに行って,このように探していったら知りたいところに行き着くという魔法のボタンが設置されたらいいなと思っています。  御高齢の方々には援助者や御家族がいたりしますので,うちのお父さん,少しぼけてきたのではないかと思うのだけれどもと言ったら,どこかのページに行って,ちょんちょんちょんとやると,あなたの住んでいるところだったら,ここの地域包括支援センターに連絡しなさいとか,認知症疾患センターに連絡しなさい,連絡はここだよなどというのが分かると,すごくアクセスがしやすくなって,いろいろなストレスが減るのかなということも思ったりします。これからいろいろと皆さんと知恵を出し合っていかなければならないところだと思います。  雑駁な話になってしまいましたけれども,これで私の今年度の振り返りとさせていただきたいと思います。  それでは,今年度の最後に,顧問から総評,まとめをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○顧問  ありがとうございました。皆様方とお会いして,いろいろ御意見を伺い,本当に勉強になりました。私こそ御礼を申し上げたいと思っています。  なお,今後の介護保険はどうなるのかということに関しては,率直に不安に思っています。人材のこともそうですし,孤立・孤独の方たちが物すごく多くて,高齢の方の孤独の場合はどうするのかというような,まさに2025年問題が現実化しているというような危機感も持っております。  また,例えば貧困問題,経済的な困難も,いわゆる家を持たない方にどうするかとか,いろいろな施策をやってきておりますが,これが本当に有効に展開できるかということも甚だ難しいところでございまして,その点も考える必要がある。それから,孤独・孤立対策もそう。そして,認知症対策も今後議題になることはよかったと思いますけれども,ある意味で認知症になったからもう患者なのだということではなくて,認知症になっても自分が役に立てるのだということを仕組みに入れていくことが大事だとも思っています。  認知症が進行しますと減るものがあるのです。それは何かというと,当然,介護者の自由時間は減ります。また,いろいろな本人の機会も減るということもあります。でも,今,私たちの仲間で議論しているのは,その認知症の方にありがとうという言葉を言う機会が減っているのではないかと。ですから,ありがとうと言ってその人も笑顔になって,では,次にやってみようというようなこと,これがある意味では認知症対策の肝になります。その人が自己実現できる仕組みをとれるのか,これもとても大事な議論になります。  また,今年は民生児童委員の改選がございまして,あまりいい話を聞かないのです。人数がちゃんと確保できるかとか,それは東京都もそうですし,特に全国の都道府県民児協の方たちが悲鳴を上げているので,これを失敗したら地域包括ケアはできない,見守りなどできないと。まずそこを市として捉えるべきだと思います。これらの議題への取り組みを一つ一つ積み上げていく大事な時期になってきていると私は思っているところでございます。その基本はそれぞれが住みたい,それぞれが生きていきたい,それぞれが自分なりの人生を全うしたいという思いにどう応えていくのかということが大切だなと私は思っております。  なお,特に在宅の場合,組織が小規模なところが多いから,研修に出ることがむずかしい。その現実に対してどうバックアップできるかというようなこと。組織のマネジメントを支援する仕組みをつくっていかないと,新人はどんどんやめていくしというような悪循環にならざるを得ないので,ある意味でそういうマネジメントを外からバックアップするという仕組みをつくっておくことが現実的だなと思います。市にもお願いしているのは,市の人材養成,今日御報告があったセンターのものの結びつきがちょっと見えない,見えにくいのです。どういう形でそれを連携させるかの議論もぜひしていただきたいと思います。  また,特に体系的な議論ですけれども,議論すべき全体像をお示しいただき,今回はこの議論だという議論の整理をしていただきたい。  また,前もってモニター員が自由に意見を言えるようにアンケートをとってもいいと思います。調布は調布として総力で問題の解決をめざす。当事者も認知症の方もそれに参加していただきながら,こういう調布をつくるということがとても大事だなと思います。  そして,最近はこども食堂にひとり暮らしの方もいらして,一緒に食事をしながら交流していく方針を本部が決めましたので,ある意味で児童は児童だ,高齢は高齢だというよう考えではなく,世代交流を考えたい。世代を超えて一緒にやっていくような可能性を模索してもいいのではないかと思います。いろいろありがとうございました(拍手)。 ○会長  枠を超えていろいろと新しい発想をしていくといったことが大切なのだろうなと痛感させられました。ありがとうございました。   その他モニター員挨拶,参事挨拶,事務連絡 4 閉会 - 1 -