議員提出議案第24号 普通交付税不交付団体における財源の拡充を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 令和 7 年12月11日 提出者 調布市議会議員 山根 洋平 賛成者 調布市議会議員 伊藤 学 同 磯邉 隆 同 青山 誠 同 川畑 英樹 普通交付税不交付団体における財源の拡充を求める意見書  地方自治体は,喫緊の課題である人口減少や急速に進行する少子高齢化への対応,激甚化する豪雨や巨大地震といった自然災害への備え,老朽化が進む都市インフラの整備など,大きな財政需要を伴う多くの課題に直面している。 このような状況に加え,小・中学校のGIGAスクール構想,新型コロナワクチンの定期接種化,地方公共団体情報システムの標準化など,国の施策により全国統一的に実施される事業に係る新たな財政需要も年々増加の一途をたどっている。 一方,普通交付税の不交付団体は,地方交付税制度の算定上は財源超過とされているものの,これはあくまで制度上の数値であり,実際の財政状況を反映したものではない。むしろ基準財政需要額を上回っているというイメージとは裏腹に,急増する行政需要との間に大きな乖離が生じ,厳しい財政運営を強いられているのが実情である。  こうした中,不交付団体は,国の施策に基づく事業の財源が普通交付税で措置されるため支援の対象外となること,特別交付税の算定において財源超過額が控除されること,さらには国庫補助金の補助率が財政力指数によって一律に引き下げられること(割り落とし)など,制度上の様々な制約により,事業実施に必要な財源を十分に確保できないという構造的な問題を抱えている。 とりわけ,ふるさと納税制度においては,個人住民税の減収に対し,交付団体ではその一部が普通交付税で補填される一方,不交付団体ではそうした措置が一切なく,減収額の全額がそのまま財政を直撃する形となる。これは,自治体運営の根幹である市税収入の減少をもたらし,財政基盤を著しく揺るがすものであり,安定的な住民サービスの提供すら危うくしかねない,看過できない深刻な影響を及ぼしている。 また,企業誘致や産業振興といった自治体の懸命な努力によって得られた法人住民税収の一部が,税制改正により自治体間の税収偏在是正の財源として国に吸い上げられることは,自治体の自主財源確保に向けた努力の意欲をそぎ,真の地方創生に逆行するものである。  よって国におかれては,不交付団体が置かれた厳しい財政状況と,現行制度が抱える構造的な課題を強く認識されるとともに,全ての地方自治体が安定した財源の下で,自らの創意工夫により個性豊かで自立した行政運営を実現できるよう,次の事項について強く要望する。 1 国の政策により全国一律に実施される事業に伴い,地方に新たな財政負担が生じる場合,その財源は地方交付税による間接的な措置ではなく,全額国費による直接的な財政措置とすること。 2 財源調整機能は本来,普通交付税が担うものであることから,特別交付税の算定において財源超過額を控除することや,国庫補助金等において財政力指数に基づき補助率を一律に引き下げる(割り落とし)といった不合理な措置は,速やかに廃止すること。 3 地方税財源の充実確保に向けて,偏在性が小さく,税収が安定的な地方消費税等の税源を移譲するなど,地方税中心の税体系に向け抜本的な税制の再構築を図ること。 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和 年12月  日 調布市議会議長 宮本 和実 提出先 内閣総理大臣  総務大臣  財務大臣  衆議院議長  参議院議長