議員提出議案第25号 長時間労働を抑制し働く者の心身の健康の保持・増進を図るための施策推進を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 令和 7 年12月11日 提出者 調布市議会議員 山根 洋平 賛成者 調布市議会議員 松野 英夫 同 伊藤 学 同 磯邉 隆 同 青山 誠 長時間労働を抑制し働く者の心身の健康の保持・増進を図るための施策推進を求める意見書  我が国の社会経済活動を支えるのは「人」であり,働く者の心身の健康は, 個人の幸福のみならず,持続可能な社会と企業経営の基盤である。政府は 「人への投資」を掲げ,多様な働き方の実現やリスキリングの推進などを進めている。働き方の選択肢が広がることは歓迎すべきことであるが,それは あくまでも働く者の心身の健康が確保された上での選択でなければならない。 労働基準法が定める労働時間規制は,労働者の生命と生活を守るための歴史的な最低基準である。しかしながら,昨今の過労死等による労災認定件数は依然として高水準で推移しており,過重労働による健康被害の根絶は喫緊の課題である。また,「もっと働きたい」と願う労働者の中には,真に自発的なキャリア形成を望む声がある一方で,物価高騰下において生活を維持するために長時間労働を選択せざるを得ない実態も存在することを看過してはならない。 よって,国においては,今後の労働時間法制の検討に当たり,働く者の命と健康を最優先とするため,下記事項に取り組むよう強く要望する。 記 1 労働基準法に基づく労働時間規制の原則を堅持し,長時間労働の是正に向けた監督指導を強化すること。また,現行の法制度においても,インターバル規制の普及促進など,過労死等を防ぐための実効性ある措置を講じること。 2 「働き方の選択」が,長時間労働の容認や慣例・慣行的な規制緩和につながらないよう,労働者の健康確保措置を厳格化すること。 3 労働者が長時間労働に頼らずとも安心して生活できるよう,持続的な賃上げや中小企業の生産性向上支援を強化し,ワーク・ライフ・バランスの実現と経済成長の好循環を創出すること。 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和7年12月  日 調布市議会議長 宮本 和実 提出先 内閣総理大臣  厚生労働大臣  衆議院議長  参議院議長