市長所信表明 市政に関する基本的な考え方 調 布 市 目  次 はじめに  1 市政運営の基本姿勢  2 市民生活を守る 緊急課題への対応  2 5つの市政経営の柱  3 (1) 安全・安心のまちづくり  3 (2) 超高齢社会に備えるまちづくり  3 (3) 子育てしやすいまちづくり  4 (4) 市民の暮らしを豊かにするまちづくり  5 (5) 行財政改革とデジタル化の推進  5 インフラ整備と地域別まちづくり  6 令和9年度予算編成に向けて  7 次期基本計画の策定に向けて  7 結びに  8 <はじめに> 市長就任後、初めての市議会定例会に臨み、ただいま議長からお許しをいただきましたので、市政に関する私の基本的な考え方を申し述べ、市議会及び市民の皆様の御理解をいただくとともに、今後の市政運営につきまして御協力を賜りますようお願い申しあげます。 このたび、私は、市民の皆様の負託をいただき、第8代調布市長として市政運営の重責を担わせていただくこととなりました。久しぶりに戻って参りました、この議場が持つ緊張感に触れ、改めてその責任の重さを深く認識したところです。市民の皆様の期待と信頼に応えるため、私は全身全霊を尽くして市政運営に取り組んで参る決意であります。 本市は昨年、市制施行70周年という大きな節目を迎えました。先人のたゆまぬ努力と市民の皆様の御協力、そして歴代市長、市議会の皆様をはじめとする多くの関係者の御尽力により、本市は、都市の利便性と豊かな自然がバランスよく融合した暮らしやすい街として、着実な発展を遂げて参りました。私はまず、その歩みに敬意と感謝を表するものであります。 この間、我が市は、行政と市議会が両輪となって、市民福祉の向上、子育て支援や教育環境の充実、調布駅前広場整備をはじめとする都市基盤整備など、多くの成果を積み重ねてきました。私は、その成果を土台としてしっかりと活かしながら、つつじヶ丘駅、柴崎駅付近の鉄道連続立体交差事業や、調布基地跡地留保地の活用による防災・スポーツレクリエーション公園の整備をはじめとした、「調布 新時代」を拓くための新たなまちづくりに取り組んで参ります。 私は、市政を担うに当たっての思いとして、「今を生きる 明日を担う あなたと共に」というスローガンを掲げて参りました。市政の主役は市民です。市民の代表である市議会の皆様をはじめとして、市民の声に耳を傾け、地域に足を運び、課題を共有しながら解決策をともに考える「対話と協働の市政」を実践して参ります。 <市政運営の基本姿勢> 現在の社会は、人口減少や更なる少子化、超高齢化、物価高騰による市民生活への影響、気候変動による災害リスクの増大、AIをはじめとしたデジタル技術の急速な進展とDXの推進など、大きな変革の時代に直面しています。 本年5月に公表した本市の将来人口推計では、令和10年代前半に総人口がピークを迎え、その後、緩やかに減少に転じることを見込んでいます。さらに高齢化率は今後も高まる一方で、生産年齢人口、いわゆる現役世代は減少していくと見込んでいます。 こういった人口構造の変化や都市機能の再編への対応がこれからの市政に大きく求められています。 こうした中で私は、市政運営に当たり、力強い地域経済の実現を通じて市民生活の安定を図って参ります。経済対策は市民の暮らしを支える重要な柱となります。地域経済の土台を強化するとともに、あらゆる地域資源の強みを活かして、市外から人や投資、企業を呼び込めるような取組を進め、新たな財源や雇用の創出を目指して参ります。 そして、豊かな経済なくして健全な財政、市民福祉の向上は成しえないという強い決意の下、第一に市民生活を守ること、第二に超高齢社会に備えること、第三に次代を担う世代への投資を進めること、第四に持続可能な行財政運営を確立することを基本姿勢として取り組んで参りたいと考えています。 <市民生活を守る 緊急課題への対応> そうした中で、まず取り組むべき課題は、市民生活や市内経済を取り巻く厳しい状況への対応であります。 昨今の国際情勢の急激な変化は、我が国においてもエネルギーや原材料の供給不足を招いており、物価の高騰は、日常生活に困難を抱える市民のみならず、市内事業者にも大きな影響を及ぼしています。 このため、先ずは、市民生活支援と市内事業者支援の双方の視点から、効果的な施策を速やかに実施することとし、支援を必要とする方々へ確実に支援が届くよう、今定例会において、昨年度の決算に伴う繰越金も活用した補正予算案を提出させていただきました。 <5つの市政経営の柱> <(1) 安全・安心のまちづくり> 続いて、具体的なまちづくりに関して、5つの市政経営の柱を申し述べます。 第1の柱は、安全・安心のまちづくりについてであります。 市民の命と暮らしを守ることは、市政の根幹であります。 近年深刻化する特殊詐欺や闇バイトへの対策を強化し、また、防犯カメラ設置支援や地域防犯活動の充実を図ります。 災害に強いまちづくりの推進に向けては、気候変動対策はもとより、多摩川、野川、仙川の各流域における浸水対策を強化するとともに、首都直下地震などへの震災対策に全力で取り組んで参ります。 また、フェーズフリーの考え方を活かして地域防災力の向上を図り、避難所となる施設の利便性、安全性を高めるとともに、日常の取組が非常時に役立つ形として参ります。 <(2) 超高齢社会に備えるまちづくり> 第2の柱は、超高齢社会に備えるまちづくりについてであります。 我が国は超高齢社会を迎え、本市においても高齢化は着実に進行しています。 高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりは、市政の最重要課題の一つであります。 高齢者の心身の健康維持や孤立の予防、そして社会参加の促進を図るためにも、地域住民・団体や民間企業、シルバー人材センター等関係機関との連携が有用です。生涯現役、就労や地域活動への参加意欲のある高齢者が、活躍できる場や環境の整備を進めて参ります。 また、フレイル予防をはじめとする健康寿命延伸の取組を強化するとともに、地域包括ケアシステムの更なる深化・推進が必要であると考えています。そのため、調布市医師会、歯科医師会、薬剤師会をはじめとする関係機関との連携を深め、健康・長寿のまちの実現を目指します。 一方で近年、介護現場における慢性的な人材不足は深刻な課題となっています。介護サービスの質と量を維持するため、人材確保や定着支援の充実に取り組むとともに、地域人材の活用を進めて参ります。 さらに、障害の有無にかかわらず、誰もが地域で安心して暮らせる共生社会の充実に向け、障害者福祉施策の充実を図って参ります。 <(3) 子育てしやすいまちづくり> 第3の柱は、子育てしやすいまちづくりについてであります。 次代を担う子どもたちへの投資は、我が国の将来を担い、調布の未来をつくるための、将来に向けた取組であります。 「子育てするなら調布市で」と発信し、子育てしやすいまちとしての地域ブランドを確立させることで、若年層、子育て世代を積極的に招き入れる政策に磨きをかける。それは人口構成比をバランスの良い形とすることにも繋がり、超高齢社会を支え、自治や防災など地域コミュニティの活力の向上も期待され、まちの力、地域力が高まります。 子育て施策については、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援を継続するとともに、病児保育の充実や、学童クラブにおける受入体制の拡大、保育等に携わる人材確保への支援に取り組みます。 教育施策については、日々進化するAIをはじめとしたデジタル技術が急速に発展する時代だからこそ、子どもたちが自ら考え、判断し、創造する力を育む教育が重要であると考えています。デジタル技術を効果的に活用した学びを推進するとともに、人との関わりを大切にしながら、子どもたちが主体的に学び、未来を切り拓く力を身につけられるよう、教育環境を充実させて参ります。 また、調布市教育プランについては、現在、市教育委員会において、令和9年度から令和12年度までを計画期間とする次期プラン策定に向けた検討が進められています。時代の変化やこれからの教育課題に応じた学校教育や社会教育の分野での取組を期待しています。 あわせて、修学旅行における保護者の負担軽減に向けた支援についても検討して参ります。さらに、老朽化が進む学校施設については、計画的な更新に取り組みます。 <(4) 市民の暮らしを豊かにするまちづくり> 第4の柱は、市民のくらしを豊かにするまちづくりについてであります。 地域経済の活性化なくして、市民生活の豊かさは実現できません。 先に申しあげました、物価高騰に伴う喫緊の課題への対策をはじめ、中小企業・小規模事業者への支援や商店街の活性化、創業支援、人材確保支援や資源循環推進とともに、地産地消・食育・防災などの面からも、市民の貴重な財産である都市農業の振興、農業者支援などに継続して取り組んで参ります。 また、本市は深大寺、神代植物公園、調布花火、映画のまち調布、水木マンガの生まれた街など、豊かな地域資源に恵まれています。 こうした歴史や自然、文化の魅力を市内外に広く発信し、地域資源を活用した観光振興を進めます。 あわせて、スポーツ活動を通じた市民の健康増進やスポーツ環境の充実を図るとともに、スポーツ資源を活用したにぎわいの創出と地域交流の促進などに取り組んで参ります。 <(5) 行財政改革とデジタル化の推進> 最後に、第5の柱は、行財政改革とデジタル化の推進についてであります。 今後、人口構造の変化や公共施設の更新需要の増大を踏まえると、持続可能な行財政運営が不可欠です。 私は市役所改革を重要政策として位置付けています。掲げた政策を強力に推し進めていくためにも市役所の組織改革を積極的に進めて参ります。 また、市役所に行かない、書かない、待たない、スマホで行政手続が完結する「スマホ市役所」の実現に向けて、市役所のDX化をより一層推進し、市民の皆様の利便性向上と行政経営の効率化を図って参ります。 さらに、AIやデジタル技術を活用し、事務の効率化を進めることで、職員の働き方改革を後押しするとともに、何と言っても「市民のお役に立つ所」が市役所業務の基本であります。そのため、様々なかたちで市民に向き合う時間を確保できる市役所を実現して参ります。 同時に、高齢者などデジタル機器の利用に不安を感じる方々を取り残さないよう、デジタルデバイド対策にも積極的に取り組んで参ります。 <インフラ整備と地域別まちづくり> 続いて、長期的な視野でのインフラ整備と地域別まちづくりの考え方を申し述べます。 本市の発展には、将来を見据えた都市基盤整備が欠かせません。 東部地域においては、つつじヶ丘駅、柴崎駅付近の鉄道連続立体交差事業の早期実現に向け、東京都や関係機関との協議を進めて参ります。これは長年の課題であり、大きな効果が期待される重要事業であります。都市計画道路の整備など都市基盤整備とも並行しながら、地元の地域の皆様との協働による継続的なまちづくりを進めて参ります。 北部地域においては、白鳳院の建設が進められる深大寺周辺地域の交通環境の改善を図ります。また、地域交通ネットワークの充実に向け検討を進めるほか、地域の実情に応じたまちづくりを推進して参ります。 西部地域においては、西調布駅周辺における都市計画道路の整備と併せたまちづくりに加え、調布基地跡地留保地の活用については、防災機能とスポーツレクリエーション機能を兼ね備えた都市公園としての整備を進め、市民の安全・安心と同時に、地域経済の活性化と地域振興を推進して参ります。整備に当たっては、官民連携のプロジェクトとしてFC東京とのこれまでの強固なパートナーシップを基に更なる連携を図り、双方の役割を明確にしながら取り組んで参ります。 南部地域や調布駅周辺地域においては、新たな総合福祉センターの開設を見据えた京王多摩川駅周辺の利便性向上や街の活性化に向けた検討とともに、完成した調布駅前広場の活用及び中長期的な視点も踏まえたグリーンホール建替えに向けた検討、中心市街地の回遊性向上に向けた取組など、それぞれの地域特性を活かしたまちづくりを進め、市域全体の均衡ある発展を通じて地域振興を図って参ります。 <令和9年度予算編成に向けて> 一方、今後の予算編成に当たっては、財政規律を重視しながらも、喫緊の課題である物価高騰対策と市民生活支援、そして将来の調布を担う次の世代に、強く豊かで元気な街を繋げていくため、中長期的な戦略を持って市政経営を進めて参ります。 さらに、社会保障関係経費や公共施設更新需要の増大が見込まれる中、全ての施策を従来どおり実施することは困難になることも想定されます。 このため、事業の評価、見直し、選択と集中を図り、真に必要な施策へ重点的な財源配分を行います。あわせて、国や東京都の補助制度の活用、民間活力の積極的な導入、AIを導入した行政運営の効率化など、あらゆる可能性を探りながら持続可能であることを基本としつつ、前向きな財政運営に臨んで参ります。 <次期基本計画の策定に向けて> また、令和8年度は、現行の基本計画の最終年度に当たります。 私は、今後策定する次期基本計画を、市議会の皆様、市民の皆様とともにつくり上げる調布の未来を描く計画にしたいと考えています。計画を作るプロセスそのものが、まちの連帯感を強める絶好の機会ともなります。 人口構造の変化への対応、公共施設マネジメントの推進、防災・減災対策の強化、AIを活用したDXの推進、市役所の行財政改革、地域経済活性化を通じた地域振興など、本市が抱える重要な課題に正面から向き合い、将来世代に誇れる調布のまちづくりを進めて参ります。 <結びに> 結びに、私は、市民の声を真摯に受け止め、現場に足を運び、誠実な対話と公正で開かれた市政運営に当たっていく所存であります。 行政だけでまちづくりを進めることはできません。市民、地域団体、事業者、大学、関係機関、そして市議会との協力が不可欠であります。 市議会議員の皆様におかれましては、市民福祉の向上という共通の目的の下、建設的な御議論と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 未来を担う子どもたちのために。高齢者が安心して暮らせるために。地域で働き、学び、挑戦するすべての人のために。 「今を生きる 明日を担う あなたと共に」、いきいき わくわくできる「調布 新時代」を皆様と共に創って参りましょう。 登録番号 (刊行物番号) 2026-095                 市長所信表明 市政に関する基本的な考え方            発行日 令和8年9月            発 行 調布市            編 集 調布市行政経営部企画経営課                〒182-8511調布市小島町2-35-1                ℡ 042-481-7368            印 刷 庁内印刷