第3回総合福祉センターの整備に関する検討会議事要旨 1 日時:令和3年5月12日(水)午後6時30分から午後8時20分 2 場所:調布市役所5階 市長公室   ※傍聴者は,新型コロナウイルスの感染予防への配慮として,別室での傍聴 3 出席者 (1) 委 員 8人 (2) 事務局 福祉健康部 1人 福祉総務課 4人 高齢者支援室高齢福祉担当 1人  障害福祉課 1人 行政経営部 2人 (3) 傍聴者 6人  議事1 開会 議事2 第1回・第2回検討会の振返り ・事務局より以下の資料について説明  資料1 総合福祉センターの整備に関する検討会(第3回)   議事3 「整備の考え方(素案)」のイメージ修正版について ・事務局より以下の資料について説明  資料1 総合福祉センターの整備に関する検討会(第3回)  資料2 総合福祉センターに関する整備の考え方について(素案)イメージ【修正版】全編 資料3 総合福祉センターに関する整備の考え方について(素案)イメージ【修正版】新旧対照資料  資料4 総合福祉センターの整備に係る基本的な方向性の検討について(案) 議事4 意見交換 ○会長:何か御質問,御意見がありますでしょうか。 ○委員2:新たなまちづくりが進められますので,高齢者や障害者の社会的な孤立を防止するための構想がハード面,ソフト面とも取り入れられるよう京王電鉄に積極的に提案し,生かされるように取り組んでいただきたいと思います。 ○会長:国でも,高齢者の社会的な孤立が今後,大きな社会問題になるという認識があります。福祉と社会的孤立は,以前はあまり関連性がないとも言われてきましたが,近年ではメンタルヘルスや,身体的健康への影響が大きく関連していると研究でも明らかになってきています。社会的孤立が原因で,福祉の利用者・当事者が増えるということもしっかり捉えるべきということですね。説明のあった総合福祉センターの整備の考え方で,児童に関連する内容が見えてこないと感じました。地域共生社会の中には子どもも入ってきます。学校以外に子どもたちが集える場として,高齢者や障害者と一緒に触れ合うようなことが,地域共生社会にもつながるのではないかと感じました。 ○事務局:貴重な御意見を頂きありがとうございます。地域共生社会では,障害のある方もない方も,高齢者も子どもも,すべての市民が対象となっております。資料2の26ページに,子どもに関する内容を記載しております。資料3の10ページに記載のとおり,子ども・若者の居場所,学習支援といった事業を総合福祉センター内で展開しております。また,放課後等デイサービスについても実施しております。今回お示しした資料では子どもに関する内容が見えにくい形となっておりますので,より地域共生社会の考え方に沿った内容となるよう検討して参りたいと思います。 ○会長:わかりました。また,生活困窮者の方の議論もこれまであったかと思いますので,そのような視点も含めるよう,お願いしたいと思います。 ○委員4:現在の総合福祉センターには子ども・若者の事業,放課後等デイサービスや高齢者の事業など,様々な事業がありますが,事業同士で交流が進んでいない状況であると思います。契約している方のみが訪れる場所ではなく,地域の方が気軽に立ち寄れるようなスペースがあった方が多世代交流も進むと思いますし,今後,世代間交流が進むと地域としても活気が出てくると思います。また,地域共生社会がより進んでいくと思います。新しい総合福祉センターにそのような考え方を盛り込んでいただく検討をお願いします。 ○会長:ありがとうございます。現在の総合福祉センターは6階建てですが,新しい総合福祉センターは一つのフロアが広いとのことなので,現在よりは交流が図られやすいのではないかと感じました。 ○事務局:御意見のありました通り,現在の総合福祉センターは機能ごとに6階に分かれております。ハードの問題だけではなく,事業を行う社会福祉協議会と市で,運用面での工夫を今後考えていく必要があると認識しています。また,地域福祉計画や高齢者総合計画など,市の計画とも整合を図りながら,より大きな視点も含めた検討を進めていきたいと思います。 ○委員3:職員間の会議等でも,それぞれの垣根を超えたより横断的な連携が必要といった話はよく出ています。例えば,子ども・若者の学習支援の学生ボランティアは100名以上登録いただいており,このような地域の人材と他サービスをどのように結びつけるべきかといった話もしました。しかしながら,一つ一つの事業を展開する中で,やはり現在の建物の形状では連携が取りにくい面がある一方,新たな総合福祉センターはフロアが見渡せるのでそこから色々な連携が生まれやすいのではないかといった期待をしております。 ○会長:地域共生社会を進めていくことには,まずは職員の意識も変えていく必要があると感じました。 市役所においても縦割りから横割りの考え方として各部署と連携を強めながら検討していっていただきたいと思います。 ○委員1:施設の面積ですが,現在の面積を維持できるような計画となっているのかを確認したいです。また,駐車場や駐輪場も含めて確認したいです。 ○事務局:これまでの検討会でお話しさせていただいた通り,既存の機能を維持しながら面積を検討していくこととしておりますが,今より使い勝手が悪くなることは考えておりません。駐輪場と駐車場についても,交通の利便性,利用の利便性を検討しているとおり,よりアクセシビリティが高まるような検討をしていきたいと考えております。 ○副会長:事業間の連携機能の改善に関しても,考え方の一つに盛り込んでいただきたいです。また,今回,議論しているような地域共生社会の考え方については,京王多摩川のエリアだけではなく,市全体に波及するような話であると感じました。新たな総合福祉センターは市のモデルとして発信していくことも重要ではないかと思いました。 ○会長:事業間の連携機能を進める役割の人材も重要かもしれません。是非,今の御意見について,事務局で検討いただければと思います。 ○委員6:「障害者差別解消法」などが進んでいっていることで,障害者団体が以前より活動しやすくなってきています。障害者団体が今後,様々な活動を展開していく中で,誰でも使用できる机やスペースを確保していただきたいと思います。 ○会長:場合によっては個別に部屋を設ける必要もあるとは思いますが,細かく部屋を分けるのではなく,誰もが集える場を作って欲しいということですね。ハード面の設定は今後,御検討いただくと思いますので,このような視点を踏まえて検討していただきたいと思います。 ○委員2:老人クラブについては,事務局と役員が連携する必要があるので,複数の団体に机が一つあるような事務ができるスペースを確保していただきたいとも思います。共有スペースではありますが,現在,活動している団体については一定時間,作業ができるようなスペースが必要かと思いますので検討をいただければと思います。 ○事務局:ハード部分の考え方を複数いただけたと思いますので,それを踏まえて今後,検討していきたいと考えております。これから,京王電鉄と共に取組を進めていきますので,すべて対応しきれないことも場合によっては出てくる可能性もあります。仮に,御要望通りの内容が実現できなかったとしても,その理由をしっかりお伝えしながら,今後の課題解決に向けた議論を積み重ねていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。 ○会長:ありがとうございました。我々の想いも含めて今後,検討いただければと思います。委員2の意見に反対ではないのですが,現在の団体にスペースが確保されてしまうと,既得権という意味合いからも,新しい団体の方が使用できなくなる可能性があります。スペースの取り合いにならないような形で検討いただきたいと思います。 ○委員4:総合福祉センターには障害者団体室という場所があります。そこには事務用品や机が置いてあり,何かあれば作業や会議ができる環境となっています。例えば,車椅子の方がたくさんの荷物を持って会議に向かうということは,なかなか難しいことではないのかと感じます。各団体での必要性をしっかり御判断いただき,皆さんが納得する形で進めていっていただきたいと思っています。 ○会長:ありがとうございます。二つ目の「ユニバーサルデザイン・アクセシビリティ・災害への備え」についての議論に入りたいと思います。これまでの検討会の意見等を踏まえた,市の整備の考え方として,京王多摩川駅に関わる利便性の確保に関して事業者に要請や協議を行うことや,多面的なアクセシビリティへの配慮,必要な移動手段の確保について明記されています。何か御質問や,御意見はありますでしょうか。 ○委員4:これまでの検討会でもアクセシビリティについては,京王電鉄と協議する話が出てきたと思います。是非,当事者の声が直接届くように話し合える場を設けていただきたいと思いました。また,京王多摩川駅を含めたまちづくりを考えていきたいと思いますので,何か協力できることがあれば一緒に検討していきたいと思っています。 ○事務局:京王電鉄との話し合いについては,市も今の御意見と同じ考え方を持っていますので,そのように進められるかも含めて協議していきたいと思います。京王電鉄としても京王多摩川のまちづくりを進めるテーマとして,多世代交流や循環型のまちづくりをコンセプトとして進めています。したがって,京王電鉄と市,皆様も含めて,同じ方向に進んでいると思いますので,一緒に取り組んでいくといった姿勢で取り組めればと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。 ○委員1:京王バスの西路線について本数が少ないこともあり,以前に京王バスに問い合わせたこともありました。アクセシビリティの話もこれまで出てきておりますので,早めにバスの件も御対応いただけるとありがたいです。 ○副会長:京王多摩川駅のバリアフリー化等について,是非,事業者だけではなく,市民が参加することが重要であると感じます。高齢者や障害者といった「当事者」が入ることで,建築の専門家の視点では見えにくいバリアフリーチェックを図ることが重要であると感じました。以前もお話したとおり,京王電鉄としても京王多摩川駅の名称を「総合福祉センター駅」としていただくくらい,京王多摩川駅のまちづくりのチャンスとして捉えていただけるよう,交渉してほしいと思っています。 ○会長:ありがとうございました。建物の建設時には,近隣住民へ説明会を実施しますね。それと同様に今回も説明会を実施し,当事者の方にも御参加いただきながら,様々な御意見をいただくことは非常に重要だと思いました。市として働きかけても良いのではないでしょうか。 ○副会長:その際には,高齢者や障害者の施設ができるので御理解くださいといったことではなく,地域の方が使えるような施設ができるという形で進めていただければと思います。。 ○委員4:親の会の会員の中には,障害者の作業所を作ることに反対を受けてきたという方もおります。新しい総合福祉センターについても,住民からの不満の声が上がるのではないかといった心配の意見もありました。少しでも御理解いただけるように,地域の方が参加できる事業の検討も大事であると思いました。 ○委員6:以前に関わったことがある聴覚障害者情報提供施設では,通行者がお互いに見えるように階段の踊り場にミラーを設置したり,用件があった時に鳴らすお知らせランプを配置するなど,聴覚障害者にとって利用しやすいだけでなく,皆が楽しく交流出来るような施設にしようという目的で施設建設運動をした経験があります。新しい総合福祉センターでも夢があふれるような話として進めていっていただきたいと思います。 ○会長:ありがとうございました。皆さんが利用できるカフェなどがあれば,訪れる人も増えると思います。訪れる人が増えれば,地域共生社会にもつながると思います。今後,設計の話も進むと思いますので,おしゃれなカフェなども入れていただければ良いと思いました。その他よろしいでしょうか。 次に,三つ目の視点となる「京王多摩川駅周辺のまちづくり」についてです。何か御質問や,御意見はありますでしょうか。 ○委員2:今後,検討が進んでいくと思いますが,後からでも意見が集められるように,協議できるような場も大事かと思いました。 ○会長:ありがとうございました。例えば,総合福祉センターの運営協議会だけではなく,総合福祉センターを含めた地域のまちづくり協議会などを作っても良いのではないでしょうか。 ○事務局:市内の小学校区をエリアとした地区協議会が,ほとんどの地域で設置されています。地域やその団体とより近い社会福祉協議会とも連携しながら,地域づくりを進めていければと考えています。 ○委員4:障害者施設建設では,利用者の実際の活動を見ていただくことなども大切だと聞いたことがあります。地域の協議会と総合福祉センターがしっかり連携しておくことで,地域の方からも様々な御意見をいただけることもあると思いますので,地域との関わりは重要であると考えます。 ○会長:新たにまちづくり協議会などを作っていくなど,行政主導で介入しながら進めていっていただきたいと思いました。 ○事務局:市の地区協議会は,地域の防災,健全育成など,その小学校区域の民生委員や自治会の方など,様々な方が集まって運営している協議会となっています。既存の地区協議会が,新たな総合福祉センターと連携を図っていくというイメージを現時点では持っています。 ○委員3:新たな総合福祉センターも整備する前と,実際に運営が始まった後の話で整理することも必要ですが,整備の段階で,運用が始まったことをきちんと想定した議論を進めていくことが大切であると感じました。福祉まつりなどのイベントも含め,新たな総合福祉センターの周辺で地域の皆さんと一緒にどのようなことができるかということも想定していきたいと思います。 ○会長:ありがとうございました。これまでは「福祉のまちづくり」でありましたが,今後は高齢者や障害者が増えることで「福祉でまちづくり」という意味合いになると思います。福祉を手段としてまちづくりを進めていくことについて,個人的には一つのモデルともなると思います。総合福祉センターが完成し,まちづくりも進められる。文字通り,「福祉でまちづくり」が果たされ,地域の共生力が高まるというような作用もあると感じています。市全体で広がりを見せる意味でも,地域との連携する仕組みを検討していただきたいと思います。 それでは,四つ目の視点となる「調布駅周辺の福祉機能に関する考え方(案)」についてですが,皆様いかがでしょうか。 ○副会長:新たな総合福祉センターの付属機能といった意味合いではなく,調布駅周辺でも福祉機能の拠点を維持する必要があると思います。どのように主要な機能を残していくかということはしっかりと検討するべきであると思いました。 ○委員4:移転先の京王多摩川駅よりも,調布駅の方がメインの窓口と成り得る場合もあると思います。極端な話かもしれませんが,そのくらいの気持ちでないと主要な福祉機能として維持できないのではないかと思いました。また,利用団体によっては,物を置くスペースが必要だったりしますので,ニーズを聞きながら検討していっていただきたいと思います。福祉機能について,どの場所に,どのようなものを残すかということは,別の機会でお話をされるのかと思っておりますし,団体にヒアリングされるのかと思います。 ○会長:何を残していくかということは,優先順位を付けながら議論していただければと思います。新型コロナウイルス禍は大きな災害となってしまいましたが,その一方でデジタル化も進んでいくことになりました。ICTをうまくブランチに活用して,新しい総合福祉センターと常につながっているような仕組みを検討していただきたいと思います。デジタル革命も進んでいるので,様々な視点から御検討いただければと思います。 最後に,基本的な方向性(案)について何か御意見ありますでしょうか。 もし良ければ,私から少し発言させていただきます。言葉のつながりですが,「新しい総合福祉センターの整備に当たっては」など,新旧の総合福祉センターが明確になる言い方に修正していただければと思います。また,「駅前複合拠点地区」という言葉は分かりにくいと思いますが,皆様いかがでしょうか。 ○副会長:確かに,ここで議論したメンバーは分かると思いますが,一般の方には難しい表現かもしれません。こちらの言葉は京王電鉄から示されたものでしょうか。 ○事務局:資料2の23ページをお願いします。まちづくり全体の開発の考え方として,駅前複合拠点地区といった表現があります。御意見のとおり,初めて見た方が分かるように工夫していきたいと思います。 ○委員6:文中の「踏まえた検討を行うとともに」とありますが,基本機能の維持・向上と,アクセシビリティ向上は大前提であると捉えています。「検討」ではなく「前提として」という表現はいかがでしょうか。はっきりと言い切った方が良いといった意味合いでございます。 ○事務局:ありがとうございます。表現については,これまでの議論を踏まえた形で,場合によっては会長と相談をさせていただきながら,事務局で改めて検討して決定していけたらと思いますがいかがでしょうか。 ○委員6:結構です。 ○会長:少しでも前向きに取り組んでいくことが分かるような表現になるように,事務局と検討させていただきます。 ○委員4:「駅前複合拠点地区」という中に,京王電鉄から示されている「地域共生社会に向けた 多世代が共に生き 多様な主体が交流する」イメージが少しでも伝わるように表現されれば良いと思いました。 ○会長:「新しい総合福祉センターの整備に当たっては,地域共生社会を実現するために,総合福祉センターの基本機能の維持・向上‥」というように,冒頭に入れ込むのはいかがでしょうか。 ○副会長:地域共生社会の創造に向けて総合福祉センターを整備していくという流れの方が,今まで議論してきた内容とも一致すると思います。このように始めに表現した方が分かりやすいと思います。 ○会長:ありがとうございました。その他,いかがでしょうか。 ○委員1:パブリックコメントについては,どの程度,市民の皆様に周知されていくのでしょうか。 ○事務局:素案のイメージを確定させてから,パブリックコメントで意見をいただく流れとなります。広報としては,市のパブリックコメントの手続きに準拠した形で,市報やホームページの他,指定の公共施設に配架するなどして実施していきたいと考えています。 ○委員1:地域の方に知らせていただくことや,「福祉の窓」で周知いただくなど,少しでも多くの方に伝わっていけばと思います。 ○会長:よろしいでしょうか。今回で総合福祉センターの整備に関する検討会は終了となります。事務局にはこれまでの意見をまとめていただき,パブリックコメントを実施し,さらにより良い報告書にしていただきたいと思います。新しい総合福祉センターが広く市民の方々に対して,今の総合福祉センターよりもさらに良い施設になることを期待するとともに,我々も引き続き注視していき,何か意見があれば事務局に意見を伝える必要があると思います。新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが,無事に3回の検討会で,基本的な方向性を示すことができました。皆様から積極的な御意見をいただけたこと,会長としてお礼申し上げます。それでは,検討会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。