第3回新たな総合福祉センターの機能・設備に関する検討会議事要旨 1 日時:令和4年8月3日(水)午後7時から午後9時 2 場所:調布市文化会館たづくり10階 1001学習室   ※傍聴者は,新型コロナウイルスの感染予防への配慮として,別室での傍聴 3 出席者 (1) 委 員 13人 (2) 事務局 12人 (3) 傍聴者  5人 4 欠席委員  2人 議事1 開会 議事2 第2回検討会の実施結果等について(資料1)   議事3 新たな総合福祉センターのゾーニング(案)について(資料1) 議事4 新たな総合福祉センターのユニバーサルデザインの基本方針(案)について(資料1) 議事5 意見交換 〇会長:本日はゾーニングとユニバーサルデザイン2つの議題がありましたので,まずはゾーニングのご意見を伺いたいと思います。 ○委員3:高齢者,フレイルという名称について伺います。フレイルは分かりやすいですが,高齢者支援ゾーンは介護がメインであるため,介護支援ゾーンといった方がよいのではないでしょうか。 〇事務局:御指摘の高齢者支援ゾーンにつきましては,現在の総合福祉センター3階で実施している通所介護「アイビー」,市基準の「よつば」が含まれており,主に介護支援事業を行っています。コンセプトを作るにあたりましては,高齢者の方が生きがいをもって,元気に暮らせるといった視点をもって大きな括りとしてまとめています。 〇委員3:丁寧にご説明いただければ分かるとは思いますが,一般の方もいらっしゃいますので,市民との交流も考えると,分かりやすい方が良いのではないでしょうか。そこら辺の整理はいかがでしょうか。 〇事務局:こちらの高齢者支援ゾーンを含む,ゾーン名称は設計上の便宜的な区分であるため,今後は施設全体で機能を整理していくこととなります。ゾーンイメージを踏まえて,適切な名称を検討していきます。 〇委員4:私たち聴覚障害者協会の中で,センターに関する様々な意見交換を行いました。内容については,概ね反映していただいていると思っています。細かいことを申し上げると3点ございます。私どもの団体では,災害時の館内放送を文字化できるような電光掲示板を整備してほしいとの意見を申し上げました。また,館内放送は災害時だけでなく,通常時の放送も文字化していただきたいと思っています。電車の中など様々なところで文字が標示されていますので,災害だけでなく,色々な機会で文字化した情報を標示してほしいと思います。 2点目は,駐車場の話が出ていましたが,新しいセンターの駐車場ではゲートはどのようになっているのでしょうか。たづくりではゲートの近くに必ず警備員がいらっしゃいますが,ゲートを管理する方がいない場合は困ることがあるかもしれません。ゲートの不具合やコインを入れたときの不具合があった場合など,電話で対応ができないことがありますので,聞こえない方に配慮いただきたいと思います。 最後に聴覚障害者協会の事務室について,部屋でなくても,共用のスペースがあれば良いなと思います。皆さんの知恵を使って,各団体の事務ができるようなスペースがほしいと思います。 〇会長:団体で意見交換をしていただいて,3つご意見をいただきましたが,事務局から何かありますか。 〇事務局:災害時の電光掲示板,駐車場の出入口のゲートの有無と警備員の配置,事務コーナーの確保の3点と捉えています。電光掲示板については,ソフト面の使い方も併せて,検討していきたいと考えています。次に,駐車場の出入口のゲートについても,これから設計を行いますので,警備員の配置などのソフト面も含めて,いただいた御意見を認識しながら,設計に反映していきたいと思います。 最後に,事務室の配置については,団体室がどのくらいの広さになるのかについては,設計を進めていかないとわからない部分もありますので,進めていく中でご相談をさせて頂ければと思います。 〇委員9:7月に利用団体からいただいたご意見について,これは良いなと思うものがありました。高齢者の使うスペースについては,今後,高齢者が増えてくると思うので,機能の充実をお願いしたいと思っています。車で来る方や,電車で来る方もいらっしゃると思いますが,利用者の負担にならないような形をお願いしたいと思います。また,シャトルバスについても,できる範囲で検討してほしいなと思います。 〇事務局:高齢者機能の充実につきましては,現施設は40年近く使っていますが,新しい施設で機能・設備を一新しますので,こうしたことにより皆さまが使いやすい施設としていきたいと思います。次に,アクセスにつきましては,京王多摩川駅周辺地域をバリアフリー基本構想の重点地区に新たに位置付けており,街づくりの中でも段差解消などの取組を進めていくと思います。また,年度の後半の議論となりますが,シャトルバス等についても,具体例などをお示ししながら,議論を深めていければと思っています。 〇委員1:18ページのトイレのことですが,トイレは生きるうえで大事な分野なので,きれいでかつ,ニーズにあった個数がほしいと思います。「使いやすい環境を整備します」と基本方針(案)に書いてある以上,例えば,センサーで水洗されるような機能を付けてほしいと思います。 〇会長:ご意見として承ります。その他いかがでしょうか。 〇委員3:老人クラブ連合会は,現在35のクラブで構成されており,地域のクラブでは平均年齢が80歳を超えています。これからの高齢者の活動については,後から入る方たちをどうするのかが課題であると考えております。 現在は社会福祉協議会に事務職員を一人置いていただいていますが,連合会として活動が広がってくることを想定していますので,理事や部員などの会員が事務を行えるような机を置いてほしいと,これまでも要望させていただいております。団体室の利用方法について,各団体が事務局に任せきりになるのではなく,団体が主体的に事務局を支えられるような機能配置に配慮をしてほしいと思います。 〇会長:ご意見として承ります。事務局だけでなく,各団体でも事務ができるような配慮がほしいということです。場所が決まれば,あとは使い方の問題ですので,今後の検討かと思います。 では,ゾーニングについてはよろしいでしょうか。これまで議論を積み重ねてきましたが,色々なご意見があって,それを反映した基本的なコンセプトが事務局から示されています。この検討会での意見交換や,各団体との意見交換の結果を踏まえて,本日,事務局が説明した内容で確定したいと思いますが,よろしいでしょうか。 詳細については,今後の実施設計の中で,皆さまのご意見を適宜伺っていただきたいと思います。 引き続き,ユニバーサルデザインの内容でご意見を伺いたいと思います。 〇委員5:20ページの標示・サインについて伺います。市は決まったピクトグラムがあると思いますが,例えば,男女のトイレマークでは,知的障害のお子さんはまず色で見分けるということがあります。しかし,女性と男性の形がはっきりと分かれていないと理解できないと思います。近年はおしゃれなピクトグラムが出ていますが,分かりやすさが大事だと思います。また,ジェンダーの考え方もありますが,急いでいるときに見分けられないと不都合があると思いますので,知的障害の方に対しては,おしゃれなものよりも分かりやすさに配慮してほしいと思います。 次に,デジタルサイネージについてですが,地震などの緊急時に机の下に隠れる場合に,知的障害者に配慮して,その動作を図示したサインを標示していただくなどの配慮をいただきたいと思います。 トイレについては,重度心身障害児の方もいらっしゃいますので,ユニバーサルベッドが必要です。大型の車いすを使っているので,どこにでも入れるわけではありません。例えば,水分補給のために少し施設に立ち寄る方も使いやすいように,交流ゾーンの近くにユニバーサルベッド付きのトイレを整備してほしいと思います。また,ベビーカーと一緒にトイレに入りたい方もいらっしゃるので,広いトイレがあれば,安心できるかなと思います。ユニバーサルベッドとオムツ交換用ベッドは重量などが違うと思いますが,親の会のお子さんでは,小学校中高学年の方でもおむつ替えで使いたいという方もいらっしゃるので,赤ちゃん用のベビーベッドでは不十分だと思います。 〇事務局:標識サインについては,調布市公共サインの整備ガイドがありますので,それを遵守しつつ,そこに載っていないものは団体の皆様の意見を伺っていきたいと思います。 デジタルサイネージについては,今後,スペックなど,機器の調査をしながら,検討していきたいと思います。交流ゾーンの近くにバリアフリートイレを設置することについては,「だれもが使いやすい位置に整備する」という施設のコンセプトに沿った配置をしていきたいと思います。このような機能については,詳細な設計を行う中で意見交換ができればと思います。 〇会長:詳細は今後決まってくると思いますので,またご意見を頂ければと思います。 〇委員4:少し話は逸れますが,センターの中の話に関連して医療関係の具体的な内容について,今のところはどこまでお考えでしょうか。お聞きしたい理由は,障害者と高齢者が使いやすい施設を目指しているので,医療も使いやすい機能になればと思っています。 〇委員13:医療ゾーンの内訳につきましては,医科と歯科が入ります。医科は,週末の夜間に夜間急患診療と,いずれは子どもの休日の昼間の診療を入れていきたいと思っています。歯科の部分は,現在も行っている障害者歯科診療に加えて,休日昼間の歯科診療を入れていきたいと思っています。あらかた青写真はできていますが,現在の施設は手狭であるため,感染症が出たときに対応できるようなゾーニングを検討しています。医科スペースでも,今後,細かいバリアフリーなどを考えていきますが,障害者医療を盛り込むまでは至っていない現状であります。 〇委員4:これからも意見交換をさせていただければと思います。 〇会長:事務局から補足はありますか。 〇事務局:障害者歯科につきまして,委員13からもありましたが,拡充の検討を含めて考えております。また,今後は交流も含めた事業展開について,検討を進めていきたいと思います。 〇委員13:2階の医療スペースについては,大きな会議室がありますので,例えば,ここで医療者が健康の勉強会を開催するなど,医療と福祉の連携に主眼を置いて,皆さんと連携できることはやっていきたいと思います。 〇委員3:2点あります。医科に関連した難聴の問題についてですが,補聴器がうまく使えないことや,家庭内でのコミュニケーションがうまくいかないなどの相談に出会うことがあります。今後は,耳鼻科に関する相談ができるようなところがあると良いなと思います。また,ユニバーサルデザインでは,外からの動線のところで,駅が近いので京王線を使う方,高齢者のシルバーパスを使ってバスで来る方など,様々な方がいらっしゃいます。今後,ここがバリアフリーのモデル的な地域となるのであれば,アクセス面についても具体的に示していただきたいと思います。京王多摩川駅についてですが,今の改札のところを動線としてつなぐことは,高さの問題から難しいとのことでした。しかし,浸水想定地区なので例えば,改札を今のホームより上にあげて,使うことも考えられるのではないでしょうか。あるいは,味の素スタジアム前の甲州街道をまたぐ歩道橋にエレベーターが設置されているように,駅と総合福祉センターの間の車道にエレベーター付き歩道橋を設置するなど,アクセスについても考えていただきたいと思います。これから高齢者は増えてきますので,使用する頻度を考えると,外からの動線をどのように描いていくのか,検討していただきたいと思います。 〇事務局:動線につきましては,駅舎の改善等を含めて下半期のテーマとしてご説明をしたいと考えております。整備に関する考え方に掲載している内容としては,バリアフリー基本構想の中で,駅舎の改善の取組としてホームやエレベーターなどに関する記載があります。都市整備部の計画と,京王電鉄の取組がリンクしておりますので,改めてご説明をしたいと思います。 また,難聴の問題などにつきましては,先ほど,医療と福祉の連携の観点から,休日夜間の診療と障害者の歯科診療について,委員13と事務局から説明がありましたが,高齢者施策を含めた市全体の施策の課題として,ご意見として承れればと思います。 事務局:健康上の問題につきましては,健康推進課にご相談いただければ,保健師や歯科衛生士などが対応させていただきます。また,出張して相談を受けることができますので,ご相談いただければと思います。 〇会長:委員6からいかがでしょうか。 〇委員6:一昨日に,私自身,資料が見えないということで,事務局からひとつひとつのご説明をいただきました。その中で,視覚障害者との意見交換をしてほしいと意見を申し上げました。また,点字ブロックの敷設などについては,必ず当事者の意見を聞いてほしいということも申し伝えて,その内容を事務局の説明の中で発表していただきました。この場では,一昨日に事務局から御丁寧にご説明いただいたことを感謝申しあげたいと思います。 〇委員8:ユニバーサルデザインで3点あります。まずトイレにつきまして,所沢市や杉並区の施設を例として,紹介いただいております。多様な方々の,多様なニーズを集約していくのは,難しいと思いますが,使いやすいトイレを適切に配置していただきたいと思います。専用トイレ以外は未だ図面で示されていませんので,今後の配置については社会福祉協議会の意見も含めて,良い形で配置いただければ良いなと思っています。現施設のトイレでも,車いすは入れるが転回できない中途半端な広さの個室があるなど,細かいところで課題やニーズがありますので,そのようなところも検討していただきたいと思っております。 2点目は確認となりますが,エレベーターについて,図面にある2台ともストレッチャーが入る広さが確保されているのでしょうか。 3点目は,標示・サインについてです。総合福祉センターの事業はその時代のニーズとともに変化しており,館内表示を変えなければならないことがあります。デジタルサインがあれば,事業の変更に伴う標示の変更等が簡単であると思いますので,そのような標示の機能を考えられれば良いと思っています。 〇会長:トイレの機能は非常に重要で,より良いものにしてほしいということと,エレベーターのストレッチャー対応と,標示・サインについてご意見がありました。事務局いかがでしょうか。 〇事務局:順番は前後しますが,エレベーターについては,2機ともストレッチャーに対応しております。トイレの配置とサインについては,運営される社会福祉協議会のご要望を踏まえて,検討したいと思っています。 〇委員2:保護司会としましては更生保護を助けるという視点があります。資料の24ページに地域共生社会を充実するための総合的な福祉の拠点とありますが,我々が総合福祉センターで活動を行っていく意義としては,障害者も,高齢者も多くなっていく中で,社会福祉協議会と連携しながら,ご協力いただけるような素晴らしい施設にしてほしいと思います。 〇事務局:委員2からは,更生保護という観点から地域共生社会について御意見をいただきました。現在,市では「再犯防止推進計画」を策定しているところであります。罪を犯した方が,貧困や疾病などを要因に,生きづらさを抱えてしまい,社会的孤立を抱えてしまうことから,再び罪を犯してしまうということがあります。そのようなことがないように,障害,高齢,生活保護の各分野と連携しながら支援をしていくとともに,地域とのつながりが重要であると考えております。そうしたことから,地域共生社会のテーマとして,社会的孤立を防止していく,支え合っていくということは重要ですので,いただいた観点を踏まえながら,施設機能を充実していきたいと思います。 〇会長:高齢・障害・子どもの3つの分野に議論が集中しがちですが,更生保護も地域共生社会の重要なテーマですので,取り入れていただきたいと思います。 〇委員5:放課後等デイサービス「ぴっころ」が2階にありますので,エレベーターとエスカレーターを利用することになると思います。「ぴっころ」を利用するお子さんの中には,エスカレーターが好きな子がいるかもしれず,仕様によっては結構,危険です。子どもが乗り出さない,隙間がないような,考え得る限り安全なエスカレーターにご配慮いただきたいと思います。今もエレベーターを利用していますが,新しい施設では送迎車で一斉に来るとなると,混雑してしまうので,社会福祉協議会の方は動線をよくお考えいただきたいと思います。 〇事務局:エスカレーターの安全性についてのご要望として承りました。今後,設計を進めていく中で,参考となる施設等があれば,適宜,情報提供をいただきながら,設計にも取り込みたいと思います。 〇会長:次のステップでご意見をいただきながら,より良い施設を検討していただければと思います。 〇副会長:24ページについて,全体を振り返る機会をいただきましたので,確認と課題提起をしたいと思います。ゾーニングについては,それぞれご確認をいただいて,検討が進んでいくと理解しております。 24ページの「ユニバーサルデザインの取組(案)を踏まえた機能の連携イメージ」は,ゾーニングを機能に着目して,構成しなおした図と理解しております。各機能が交流をしていくという点で重要な視点であると思っています。そのため,ユニバーサルデザインを進めていく中で,それぞれの分野,機能に特化した内容は十分に活かされるべきであると思います。 交流機能については,表現は難しいですが,そこには2つの意味があると思っています。ひとつは総合福祉センターを利用する方々が,それぞれの立場を超えて交流や情報交換していく機能です。もちろん,プライバシーに配慮が必要な子ども若者支援機能では,少し違った関わり方があると思います。 もうひとつは,利用者でない方と交流していくという2面性をどのように表していくのかが,重要であると思います。施設の中でのユニバーサルデザインは,多様な利用者の特徴によって矛盾してしまう部分もあると思いますが,その中でも最善を尽くして,ユニバーサルデザインが担保されるべきだと思います。機能を表したときに意識の中のユニバーサルデザインの面で,利用者と交流を望む調布市民の方が施設に近づきやすいことが重要であるので,そこをどのように確保していくかが大事だと思います。 京王多摩川駅からのアクセスの問題もありましたが,多くの市民にとって近づきやすいように,京王多摩川駅のアクセシビリティが高く,そこに向かう条件整備も必要であると思っています。 先ほど,委員2がおっしゃったように,生活に困難を持っている方が新たな総合福祉センターに近づきやすいということや,就労体験プログラムを行うなど,ソフト面の可能性を広げることは大変重要であると思います。 ユニバーサルデザインを連携させた交流機能のところを少し階層化するということで,どのように図示して表現するかがポイントかなと思います。 〇会長:重要なご意見をいただきました。「交流機能には次元があり,それをどのように表すのか」という総括的なご意見かと思います。地域住民を含めた外の方との交流は,地域共生社会の考え方からするとむしろそちらがメインであると言っても良いと思います。 行ってみたら楽しめるような「行きやすさ」が重要で,その中で地域住民の意識のユニバーサルデザインに繋がると思います。そのような施設整備に向けて,京王電鉄の方も手を取り合って頑張っていただきたいと思います。 本日の内容は,次回の検討会までに事務局で精査していただいて,具体的な協議をさらに進めていきたいと思います。  本日はお忙しい中,皆さまには第3回の検討会にご参加いただき,どうもありがとうございました。これをもちまして,本日の検討会は終了とさせていただきます。 以上