1 障害のある方と家族への地域生活の支援 (1) 相談支援 障害のある方と家族からの様々な相談に応じ,他分野の機関とも連携しながら必要な支援,サービス等へつなげます。 (関連する障害福祉サービス等) 第5章 1(4)相談支援 現行計画期間の振返り ● 平成24年度より「基幹相談支援センター」と「障害者虐待防止センター」を障害福祉課に設置し,専門員の人材育成やネットワーク構築に取り組んでいます。 ● 各相談支援事業所の概要や支援内容についてイラストを用いてわかりやすくまとめたリーフレットを作成し,市内公共施設,病院,作業所等に配布し,事業の普及,周知に努めました。 ● あんしんネット(障害者を地域で支える体制モデル事業)において,障害理解や相談の普及啓発,アウトリーチ支援,ネットワークの整備,緊急時のショートステイやヘルパー派遣などを実施しました。 ● 民生委員・児童委員のための研修では、障害福祉課や支援機関の職員などが講師となり,障害に関する知識を深めました。平成28年度には,各地区の民生委員向けに障害者差別解消法の研修を行っています。(福祉総務課) ● 平成25年度より,こころの健康支援センターで,発達障害者相談支援事業「ぽぽむ」を開始し,発達障害者を対象とした相談対応や個別支援を実施しています。 ● 調布市地域精神保健福祉ネットワーク連絡会を開催しており,参加団体は平成26年度からヘルパー事業所も加わり,32団体となっています。 ● 平成24年度から,自立支援協議会部会にて,相談支援専門員連絡会(サービスのあり方検討会)を設置し,連携を図っています。 今後の課題 ◆ 相談支援体制の充実 一人ひとりのニーズに応じた,どのライフステージにも対応した切れ目ない相談支援体制を構築することが引き続き課題です。各相談機関の人員体制の充実に加え,相談員のスキルアップ,基幹相談支援センターの機能強化,アウトリーチによる支援,発達障害・高次脳機能障害などの専門相談の充実などが今後も必要です。 また,夜間・休日等における相談支援体制の整備も課題です。 ◆ 緊急時の相談支援体制の整備 家族と生活する障害者,単身で生活する障害者などの世帯の状況に関わらず,地域で安心して生活ができるよう,介護者の急病や本人の体調不良,その他夜間・休日などにも対応できる相談支援体制,緊急時のショートステイなどのサービス提供体制の拡充,整備が必要です。 ◆ 中学卒業以降の発達障害児などの相談支援体制の整備 教育関係の相談機関では義務教育世代の相談が多く,特に発達障害児など知的障害がない,または,軽度で福祉サービスの利用がない児童の相談先等の支援体制の充実が必要です。 ◆ 相談支援専門員の量的・質的確保 「サービス等利用計画」を作成する事業所が増加せず,相談支援専門員が不足している状況であり,いわゆる「セルフプラン」によるサービス利用者が半数近くを占めています。 このため,相談支援専門員の質的・量的充実が必要です。 ◆ 障害者福祉と高齢,保健・医療,教育などとの連携,ネットワーク強化 障害児・者が抱える多方面における課題,生活のしづらさや,それらを家族への支援も含め包括的に支援が提供される体制を構築するためには,障害者福祉だけでなく,高齢者福祉,保健・医療,教育などの多機関間の連携,ネットワークが不可欠です。 そのために,障害者福祉の支援機関が他制度への理解を深めること,他分野へ向けての障害者福祉からの情報発信,お互いの情報交換の場などを更に充実させることが必要です。 ◆ 高齢者福祉,保健・医療分野との連携強化 障害者の生活上の困難の多様化に応じ,一人ひとりのニーズに応じた支援を提供するためには,障害福祉分野だけではない多機関による連携が必要です。 お互いに制度の理解,連携を深め,情報共有の場を設けるなど,制度と制度をつなぎ,様々な支援をコーディネートする役割を担う機関,本人だけでなく,その人の家庭全体を含めた問題,課題を受け止められる相談体制づくりが必要です。   基本的方向性 <障害特性に応じた相談支援体制の充実> ○ 基幹相談支援センター(障害福祉課),市内3か所の相談支援事業所,こころの健康支援センターを中心とした相談支援体制を維持,継続しながら,一人ひとりの多様なニーズや障害特性に対応できるよう,発達障害,高次脳機能障害,難病などの専門相談の充実を含め各相談機関のスキルアップを図ります。 ○ 相談窓口の市民全体への更なる周知に努めるとともに,アウトリーチ支援の強化により,相談窓口を市民が利用しやすい環境づくりを進めます。 ○ 本人や保護者の病気,事故などによる夜間,休日等を含めた緊急時の相談体制の充実を図ります。 ○ 「サービス等利用計画」を作成する相談支援専門員の量的・質的充実を図り,福祉サービスの利用その他日常生活及び社会生活における障害者の意思決定支援を推進します。 <地域における総合的・包括的な相談支援体制の整備> ○ 地域福祉コーディネーターの配置と活動を通じて,身近な地域での相談支援体制の整備とともに,地域における様々な課題を把握し,住民主体の支え合いとネットワークにより解決していく取組を推進します。 ○ 障害に限らない総合的,包括的な相談窓口を充実させ,制度の狭間や複合的な課題を抱える住民を,必要に応じて障害福祉の専門相談機関への支援に円滑につなげられる体制の充実を図ります。 <専門職によるネットワークの形成> ○ 障害者福祉以外の分野との連携による,より総合的な支援の展開と,ライフステージによる切れ目のない相談支援体制を構築します。 事業計画 <障害特性に応じた相談支援体制の充実> No 1101 基幹相談支援センター 障害福祉課 事業概要 地域における市内の相談支援事業所の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを障害福祉課内に設置し,総合的な相談業務を実施します。 今後の方向・目標 市内相談支援事業所に対してスーパーバイズを行い専門性や支援体制の強化を図ります。また,市内の特定相談支援事業所において対応が困難な事例や重複障害の事例の対応を,関係機関と連携を取りながら行います。 ⇒見込み量「第5章 2(1)③ 相談支援事業」 No 1102 障害者相談支援事業 障害福祉課 事業概要 障害福祉課と市内3か所の相談支援事業所等がともに連携し,障害者及びその家族からの相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を提供するとともに,障害者に対する権利擁護のために必要な支援を行うことにより,自立と社会参加の促進を図ります。 ○ 障害者地域活動支援センタードルチェ(身体障害) ○ 障害者地域生活・就労支援センターちょうふだぞう(知的障害) ○ 地域生活支援センター希望ヶ丘(精神障害) 今後の方向・目標 今後も関係機関の連携を強め,相談支援専門の技量の向上を目指し,自己決定,エンパワメントの視点を重視し,その人らしい自立にむけた支援を行っていきます。 また,サービス等利用計画作成対象者の拡大に対応するための体制を整備し,一人ひとりのニーズに対応した支援をします。 ⇒見込み量「第5章 2(1)③ 相談支援事業」 No 1103 こころの健康支援センターの運営(相談事業) 障害福祉課 事業概要 精神障害者及びその家族の中心的な相談機関として,生活相談と併せて就労支援,通過型の訓練事業等を行うことで,精神障害者の社会復帰の促進を図ります。 今後の方向・目標 関係機関との連携を図り,精神障害者及びその家族の相談支援を行い,精神障害者の自立と社会復帰を推進します。利用者の状況に応じて子ども・若者を対象とした相談窓口との連携を図りつつ,中学卒業後や,高校生等の相談にも対応できる体制を整備します。   No 1104 発達障害者支援体制整備推進事業 障害福祉課 事業概要 発達障害者が地域で自立した生活を営むことができるよう,社会生活への適応のために必要な訓練や生活支援,就労準備支援,家族等に対する相談及び助言その他の支援を実施するため,発達障害者に対する相談支援を提供する拠点をこころの健康支援センターに整備し,発達障害者に対する支援を推進します。 今後の方向・目標 こころの健康支援センターを拠点として,発達障害のある方の生活相談や社会参加に関する相談に応じるとともに,普及啓発や地域のネットワーク構築を図ります。 No 1105 高次脳機能障害者相談支援事業 障害福祉課 事業概要 障害者地域活動支援センター「ドルチェ」へ事業を委託し,高次脳機能障害者(児)及びその家族等に対する相談支援を実施します。医療機関,就労支援センターその他関係機関との連携を図り,高次脳機能障害者(児)への支援を促進します。 関連する研修会を周知し,関係職員の知識の普及を促進します。 今後の方向・目標 「高次脳機能障害」についての理解を促進するため,市民向けの講演会やサポーター養成講座等の啓発活動を継続して実施します。 研修会等の周知も継続し,関係職員の知識と能力向上を図ります。 No 1106 難病相談窓口 障害福祉課 事業概要 難病に罹患した方や家族に対して,身近な市役所において,難病全般に関する相談を受け,精神的な支援をする目的で難病専門窓口を設置します。 今後の方向・目標 今後も市報等を利用し,利用者の増加,さらなる精神的支援を図るために窓口の周知を図ります。 No 1107 身体障害者・知的障害者相談員 障害福祉課 事業概要 市に登録された障害当事者及びその家族が,地域における身近な相談員として,心身障害者のさまざまな相談に応じ問題の解決や地域活動への参加などを支援します。 ○ 身体障害者相談員 7人  ○ 知的障害者相談員 3人 今後の方向・目標 今後も障害者福祉のしおりやホームページを通して市民に周知を図ります。登録した相談員には連絡会や研修会を通して資質の向上を図ります。 No 1108 地域で支える体制づくりモデル事業(あんしんネット) 障害福祉課 事業概要 知的障害者及び発達障害者を地域で支えていく体制づくりを目的としています。地域への障害理解や相談機関の普及啓発,アウトリーチ支援,地域のネットワーク体制の整備,また,緊急相談窓口を設置し,知的障害者,発達障害者の緊急時に必要に応じてショートステイやヘルパー派遣などを行います。 今後の方向・目標 今後も緊急相談の対応やアウトリーチを行う他,地域への障害理解や相談機関の普及啓発に取り組みます。また,事業対象者の拡大について検討していきます。 No 1109 精神障害者家族等シェルター事業運営費補助 障害福祉課 事業概要 調布精神障害者家族会との協働により,家族等の一時的な避難・休息場所を確保し,相談その他の必要な支援などの応急的な支援活動を行う事業への補助を実施し,精神障害者及び家族等の社会復帰や自立の促進を図ります。 今後の方向・目標 近年,精神障害者が長期入院ではなく地域で生活することが目指され,その家族等のサポートが更に重要になってくるため,引き続き事業を継続します。 <総合的・包括的な相談支援体制の整備> No 1110 地域福祉コーディネーター事業 福祉総務課 事業概要 制度の狭間で苦しんでいる方や既存の公的な福祉サービスだけでは十分な対応ができない方などに対し,地域福祉を育むことにより,地域の生活課題の解決に向けた取組を行います。また,主な役割として,地域の生活課題やニーズを発見し,受け止め,地域組織や関係機関と協力しながら,地域における支え合いの仕組みづくりや地域での生活を支えるネットワークづくりを行います。 今後の方向・目標 地域の生活課題やニーズを捉え,関係機関等と協力しながら,地域での生活を支えるネットワークづくりを推進するとともに,地域福祉コーディネーター相互の連携を図ることで,より効果的な事業展開に努めていきます。 No 1111 民生委員・児童委員事業 福祉総務課 事業概要 民生委員・児童委員として厚生労働大臣から委嘱を受け,地域の人々の生活状況を把握し,必要な人々に必要な援助を行うこと,地域の人々の生活の向上や地域福祉の向上をめざして関係行政機関と協力してさまざまな社会福祉活動を行うことを役割としています。 市には調布市民生児童委員協議会が組織化され,上記のような活動をするため,委員相互の連携や民生委員・児童委員として必要な勉強会など,自己研鑽を行っています。 今後方向・目標 今後も障害に関する知識,支援の方法等についての研修を充実する等,支援的役割の向上を図ります。 No 1112 生活困窮者自立支援事業 生活福祉課 事業概要 現に生活に困窮し,最低限度の生活を維持できなくなる恐れのある方を早期に発見し,個々の状況に応じた就労支援等を継続的,包括的に提供することで,生活の立て直しを図り,早期の自立を促進することを目的としています。 ワンストップ型の相談窓口(自立相談支援機関)を設置し,様々な相談支援や関係機関との連絡調整等を行うことにより,生活困窮者の自立を支援します。 今後の方向・目標 生活困窮者一人ひとりに寄り添った包括的な相談窓口としての役割を,継続して担っていきます。 就労支援においては,健康状態等,生活困窮者の置かれた状況に応じた就労先の紹介を行うなど,経済的な自立に向けた支援を継続して行っていきます。 関連機関との連携については,他支援機関との情報連携を密にする等して,相談者の抱える複合的な課題解決に向けた支援をしていきます。 No 1113 総合福祉センター相談事業 福祉総務課 事業概要 対面又は電話による福祉全般関する各種相談や問い合わせに応じ,傾聴,情報提供及び各関係機関への連絡・紹介を行います。 今後の方向・目標 相談内容の趣旨を適切に把握し,各関係機関とのスムーズな連携を図りながら,専門性のある相談活動に努めます。  No 1114 相談事業(市民相談) 市民相談課 事業概要 家庭相談,心の相談の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。 今後の方向・目標 継続します。 <専門職によるネットワークの形成> No 1115 調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会 障害福祉課 事業概要 こころの健康支援センターを事務局として,市内の精神保健福祉に関わる医療機関,事業所等による連絡会を実施しています。情報交換及び,相互理解を深めることで連携強化を図っています。 今後の方向・目標 精神障害者が地域で安定し,自立した生活を送るため,各関係機関が課題解決に向けた取り組みを行うと共に,情報交換及び連携することで,支援に繋げていきます。 No 1116 福祉人材育成拠点の整備(ネットワーク構築) 障害福祉課 事業概要 福祉人材育成拠点の整備事業において,障害福祉サービスを提供する事業所,関係機関等による情報交換や勉強会等を行い,ネットワーク構築と連携強化を図っています。 今後の方向・目標 既存のネットワーク(調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会や調布市福祉作業所等連絡会など)を活用し,研修や人材等の情報交換や勉強会を行うことで職種を超えた連携強化を図ります。