【8】 No.1719 令和4(2022)年8月20日 【9】 特集 ●9月は「認知症サポート月間」認知症を知ろう・語ろう・考えよう  毎年9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。市では、9月を「認知症サポート月間」として、認知症や予防について理解を深め、認知症になっても暮らしやすいまちづくりについて考えるきっかけづくりを行います。  今回は若年性認知症を発症した当事者の方、その方をサポートするケアマネジャーの方などにそれぞれの思いを聞きました。 問い合わせ/高齢者支援室電話481-7150 ◎当事者へのインタビュー できる範囲で仕事をしたい、楽しく仕事をできたらいいなと思う  今回インタビューした当事者の方は、父が書道の先生だったことをきっかけに幼少時代に書道を始めました。認知症になった今でもその能力を活かして、デイサービスで好きな文字を書いてます。 ◇自分自身が病気であることを知ったきっかけは  普段生活する中で、病気ではないかと疑うことは全くなかったです。しかし、急にもの忘れが出てきたり、普段できていたことが徐々にできなくなりました。さらに物覚えも悪くなってきて、職場でも度々注意されました。その頃から頭の中がモヤモヤしてきて、物事を頭の中で考えることが難しくなりました。できないことも多くなり、仕事を続けることが難しくなり職場も辞めることになりました。ちゃんと仕事しているのにと悔しい思いもしましたが、こうしたことをきっかけに、病院を受診し病気を知ることになりました。 ◇普段の生活や日常生活で困ることなどは  普段はデイサービスに行っていますが、デイサービスがない日は、自宅に一人でいることが多いので寂しいです。江の島などどこかに外出したいと思いますが、行きたい所までどのように行くのかもわからないし、すぐに道に迷ってしまいます。外に一歩出てしまうと、一人では誰も教えてくれません。そんな時は付き添ってくれる方がいたら良いなと思います。いろんな事ができなくなってきたことを思うと、施設に入り、そこで同じ境遇の方たちと共に過ごしたいなと思う時があります。 ◇書道など自分ができることを活かせることをどう感じていますか  書道はデイサービスに通い始めて久々に書く機会がありました。恥ずかしくて人前に出せる字でもないけれど、書いた作品をデイサービスや自宅に飾ることができるのは嬉しいです。  まだまだ仕事もしたいと思いながら過ごしています。できる範囲でできることがあればやってみたいと思い、今はデイサービスで食事の配膳のお手伝いをしています。 ◇今後こんなことをやってみたい、挑戦したいことはありますか  身体もまだ動くので、できる範囲で仕事をしたいです。通っている施設の人たちと楽しく仕事ができたら良いと思います。以前は編み物が好きでよく好きなものを編んでいました。毛糸でお花を編んだりもしました。趣味で絵を描いたりもしていたので、また始めてみようかなと思います。やった後も、しばらくやっていないと忘れてしまうので、何度もチャレンジしたいです。 ◎ケアマネジャー ファインケアステーション調布主任介護支援専門員 稲沼さんにインタビュー ご本人の話をよく聴くことを大切にしています ◇当事者の方とどのように関わってきましたか  若年性認知症総合支援センターの方が、本人と関わりを持ち、繋げてくださいました。デイサービスに行く予定と家を出る時間を本人と一緒に確認し、表にまとめて自宅の壁に張ることで、本人が忘れないように工夫しています。デイサービス当日の朝に本人に電話を掛けるだけでなく、デイサービスが無い日も定期的に電話を掛けることで、自分自身で施設に行くことをご本人の日常生活の中に浸透するようにしました。  一人での生活に寂しさや不安を感じていたため、本人のお話をよく聴くようにしました。何に不安を感じ、どうしたいのかを一緒に考え、本人が不安なく生活が送れるように関係機関に相談しながら、介護サービスや必要な支援に繋ぐことができました。 ◇本人と関わる中で印象に残ったエピソードは  通所していたデイサービスで、箱根にバスツアーに行くことになり、本人もとても楽しみにしていました。「雨になったり、中止になったりしませんように。どうかお天気になりますように。私を箱根に行かせてください」という内容の手紙を書いて毎日お願いしていたことが印象に残っています。  デイサービスに週5回通うようになってからとても生き生きとされ、本人が以前デイサービスで介護職員として働いていたこともあり、「仕事をしたい」と何度もお願いされたため、通所しているデイサービスに雇ってほしいとお願いしたこともありました。 ◇サポートする時に大切にしていることは  ご本人の話をよく聴くことです。先回りをしていろいろやり過ぎず、本人が持つ能力を活かしながらできる限り本人に委ねることも大切だと思います。また、さまざまな支援機関と連携して、本人が不安なく生活が送れるように環境を整えることも大切です。これまで支援に関わってくださった方々には心から感謝しています。  私も若年性認知症の方の支援は初めてで、どのように関わり、支援していったら良いのか迷うことばかりです。支援に関わっている方々の話を聞く場や当事者の方を交えての研修などの機会があると良いと思います。 ◎花カフェ(認知症カフェ)運営ボランティアにインタビュー 人とのふれあいが好き、誰もが気楽に寄れるカフェを作りたい 認知症カフェとは、認知症の本人やご家族が、身近な場所で地域の方と交流できる場のことです。必要に応じ医療・福祉の専門職に相談したりできます。 ◇どんなときにやりがいを感じますか  大西さん:初めてお会いできる方と話せるのが良いです。参加者からの話を聞くと、自分が想像していた以上に人間模様が複雑であると感じています。会話を通じてその方の状況も変わるので、コミュニケーションがとても重要です。関わることで前向きになってくれたら良いと思います。  荻山さん:介護者を少しでも楽にしてあげたいと思っています。それには傾聴することが大切だと身に染みて感じています。介護者が抱える悩みを話していただくことでその方が少しでもリフレッシュできた時にやりがいを感じます。周りの協力で成り立っている部分が大きいので、皆さんとのつながりも大切にしたいです。 ◇どんなカフェにしていきたいですか  大西さん:コロナ禍でさまざまな事が制限される中でも、普段悩みを抱える方の駆け込み寺となるようなカフェにしていきたいです。気楽に通える雰囲気づくりを大切にし、自分の悩みを共有できる場にしたいです。関わる方が共に楽しみ、少しでもサポートできたら良いなと思います。  荻山さん:人と関わるのが好きです。通り過がりの方がちょっと寄って、コーヒーを飲みながら気軽に日々のことを話せる場にしていきたいです。世代問わず、立ち寄っておしゃべりができますので、どなたでも歓迎です。 認知症に関する各種イベントの詳細は10面へ ◎当事者と家族の方の作品展を開催します  デイサービスで始めた陶芸。自宅でデザインを考え、同じテーマでもいつも違う作品を作り上げていました。家族の思い出にまつわるものや母のユーモアが光るキャラクター達。数多くの作品を通して、母のことを知って頂きたいと思います。 ◇作品展示 日時・会場/(1)9月1日(木曜日)から15日(木曜日)午前10時から午後4時・地域包括支援センター仙川 (2)9月20日(火曜日)から30日(金曜日)午後1時から4時30分(最終日のみ午後3時30分まで)・青木病院(上石原3丁目33番地17) 問い合わせ/高齢者支援室電話481-7150 ●J:COM(地デジ11チャンネル)「テレビ広報ちょうふ」 〈5日号〉5日から19日 職員インタビュー、ミニコーナーなど 〈20日号〉20日から翌月4日 職員インタビュー、特集など 放送時間 毎日午前9時から、正午から、午後8時から(各30分)(注)特集内容により、放送時間が変更になる場合があります ●調布FM83.8メガヘルツ市政情報番組「調布市ほっとインフォメーション」 月曜日から金曜日 午前9時15分から、午後1時30分から、4時から、9時から(各15分)/5時30分から(5分) 土曜日 午後5時30分から(5分) 日曜日 午後3時30分から(5分)(注)特集番組により、放送が休止・時間変更になる場合があります 調布FMの放送は、インターネットでも聴くことができます。詳細は調布FMのホームページをご覧ください