令和3年度財政援助団体等監査結果報告書 第1 監査の種類   地方自治法第199条第7項の規定に基づく監査 第2 監査の対象   所管部課 福祉健康部福祉総務課,高齢者支援室(高齢福祉担当,介護保険担当),障害福祉課   対象団体 社会福祉法人調布市社会福祉協議会(以下「社会福祉協議会」という。) 第3 監査の実施期間   令和3年12月1日(水)から令和4年3月18日(金)まで 第4 監査の範囲   令和2年4月1日から令和3年9月30日までに執行された財政的援助等に係る出納及びその他の事務 第5 監査の主眼点及び方法   監査の実施に当たっては,調布市監査基準に基づき,次に掲げる事項を主眼として,関係諸帳簿及び関係書類の照合,現地確認,関係職員からの事情聴取等,通常実施すべき監査手続を実施した。   監査の着眼点としては,次に掲げる事項を重点とするものとする。  1 福祉健康部福祉総務課,高齢者支援室(高齢福祉担当,介護保険担当),障害福祉課   (1) 補助金等の交付決定は法令等に適合しているか。   (2) 補助金等の交付目的及び補助等対象事業の内容は明確か。また,公益上の必要性は十分か。   (3) 補助金等の額の算定,交付方法,時期,手続等は適正か。   (4) 補助金等の効果及び条件の履行の確認は,実績報告書等によりなされているか。   (5) 社会福祉協議会への指導監督は適切に行われているか。  2 社会福祉協議会   (1) 事業計画書,予算書及び決算諸表等と所管部課へ提出した補助金等の交付申請書,実績報告等は符合するか。   (2) 補助金等交付申請書の提出及び補助金等の請求,受領は適時に行われているか。   (3) 事業は,計画及び交付条件に従って実施され,十分効果が上げられているか。      また,補助金等が補助等対象事業以外に流用されていないか。   (4) 出納関係帳票の整備,記帳は適正か。また,領収書等の証拠書類の整備,保存は適切か。   (5) 補助金等に係る収支の会計経理は適正か。   (6) 会計処理上の責任体制は確立されているか。   (7) 精算報告は適正に行われているか。また,精算に伴う返還金の返還時期等は適切か。 第6 監査対象の概要 1 福祉総務課   社会福祉協議会の運営及び事業に必要な経費として,調布市社会福祉協議会補助金交付要綱(昭和55年調布市要綱第2号。以下「市要綱」という。)に基づき,補助金として,令和2年度は3億3万416円を,令和3年度は2億5,138万8,000 円を交付している。 (1) 交付対象    市要綱第2に定める次に掲げる経費 ア 協議会運営費(事務局職員等の設置に要する費用,会議費及び事務費) イ 協議会事業費(社会福祉を目的とする事業に関する調査研究,総合的企画,連絡調整及び普及宣伝その他地域福祉向上を目的とする事業に要する費用)(以下「協議会事業費」という。) (2) 補助金交付内訳 心身障害者福祉事業 令和2年度確定額 1,193,250円 令和3年度交付決定額 1,351,000円 利用援助事業 令和2年度確定額 1,211,055円 令和3年度交付決定額 1,290,000円 福祉団体助成費 令和2年度確定額 375,000円令和3年度交付決定額 480,000円 ボランティア活動推進事業 令和2年度確定額 21,787,804円 令和3年度交付決定額 22,440,000円     管理運営 令和2年度確定額 214,007,125円 令和3年度交付決定額 224,427,000円     地域福祉コーディネーター事業 令和2年度確定額 60,941,407円 令和3年度交付決定額 ―     ひだまりサロン事業 令和2年度確定額 514,775円 令和3年度交付決定額 1,000,000円     ファシリテーター養成事業 令和2年度確定額 ― 令和3年度交付決定額 400,000円     計 令和2年度確定額 300,030,416円 令和3年度交付決定額 251,388,000円  2 高齢者支援室(高齢福祉担当)    社会福祉協議会の高齢者福祉事業として,市要綱に基づき,補助金として,令和2年度は1,006万8,462円を,令和3年度は1,511万5,000円を交付している。   (1) 交付対象     協議会事業費   (2) 補助金交付内訳     高齢者会食サービス 令和2年度確定額 1,307,278円 令和3年度交付決定額 5,637,000円     高齢者訪問理美容サービス 令和2年度確定額 679,900円 令和3年度交付決定額 833,000円     電話訪問 令和2年度確定額 496,000円 令和3年度交付決定額 601,000円     友愛訪問 令和2年度確定額 251,456円 令和3年度交付決定額 433,000円     あんしん未来支援事業 令和2年度確定額 7,333,828円 令和3年度交付決定額 7,611,000円     計 令和2年度確定額 10,068,462円 令和3年度交付決定額 15,115,000円  3 障害福祉課    社会福祉協議会の障害者福祉事業として,市要綱等に基づき,補助金として,令和2年度は5,754万9,332円を,令和3年度は6,229万8,000円を交付している。  (1) 交付対象    ア 協議会事業費    イ 調布市福祉人材育成センター事業補助金交付要綱(平成27年調布市要綱第31号)第4に定める経費    ウ 調布市重度知的障害者生活介護事業所運営費補助金交付要綱(平成25年調布市要綱第142号)第4に定める経費    エ 調布市障害者日中活動系サービス推進事業費補助金交付要綱(平成23年調布市要綱第66号)第5に定める経費   (2) 補助金交付内訳 ア 障害者福祉事業(手話講習会事業,中途失聴・難聴者のための手話講習会事業,手話通訳者派遣事業)令和2年度確定額 3,803,909円 令和3年度交付決定額 7,611,000円    イ 調布市福祉人材育成センター事業 令和2年度確定額 19,520,423円 令和3年度交付決定額 20,023,000円    ウ 調布市重度知的障害者生活介護事業所運営事業 令和2年度確定額 29,145,000円 令和3年度交付決定額 28,882,000円    エ 調布市障害者日中活動系サービス推進事業 令和2年度確定額 5,080,000円 令和3年度交付決定額 5,782,000円    計 令和2年度確定額 57,549,332円 令和3年度交付決定額 62,298,000円  4 高齢者支援室(高齢福祉担当,介護保険担当),障害福祉課    社会福祉協議会が運営する高齢者施設及び障害者施設のPCR検査実施費用として,令和2年度調布市高齢者施設における新型コロナウイルス感染拡大防止対策推進事業補助金交付要領(令和2年12月25日施行)等に基づき,補助金として,令和2年度   は257万9,501円を交付している。    また,令和3年度(9月30日現在)は,障害福祉課において206万7,395円を交付決定している。   (1) 交付対象    ア 令和2年度調布市高齢者施設における新型コロナウイルス感染拡大防止対策推進事業補助金交付要領第4に定める経費    イ 調布市障害者施設における新型コロナウイルス感染拡大防止対策推進事業補助金交付要領(令和2年12月25日施行)第6及び令和3年度調布市障害者施設における新型コロナウイルス感染拡大防止対策推進事業補助金交付要領(令和3年8月11日     施行)第6に定める経費  (2) 補助金交付内訳 高齢者支援室(高齢福祉担当) 令和2年度確定額 ― 令和3年度交付決定額(令和3年9月30日現在) *0円     高齢者支援室(介護保険担当) 令和2年度確定額 851,730円 令和3年度交付決定額(令和3年9月30日現在) ―     障害福祉課 令和2年度確定額 1,727,771円 令和3年度交付決定額(令和3年9月30日現在) 2,067,395円     計 令和2年度確定額 2,579,501円 令和3年度交付決定額(令和3年9月30日現在) 2,067,395円     (注)*は予算措置はしているが交付決定をしていないため 5 社会福祉協議会   (1) 名 称  社会福祉法人調布市社会福祉協議会   (2) 所在地  東京都調布市小島町2丁目47番地1   (3) 設 立  昭和30年4月1日(昭和46年10月2日社会福祉法人成立)   (4) 目 的  調布市における社会福祉事業その他の社会福祉を目的とする事業の健全な発達及び社会福祉に関する活動の活性化により,地域福祉の推進を図ること   (5) 事 業    ア 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施    イ 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助    ウ 社会福祉を目的とする事業に関する調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助 成    エ アからウまでに掲げるもののほか,社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業    オ 保健医療,教育その他の社会福祉と関連する事業との連絡    カ 共同募金事業への協力    キ 福祉サービス利用援助事業    ク 老人デイサービス事業の経営    ケ 老人福祉センターの経営    コ 身体障害者福祉センターの経営    サ 障害福祉サービス事業の経営    シ 障害児通所支援事業の経営    ス 一般相談支援事業の経営    セ 特定相談支援事業の経営    ソ 障害児相談支援事業の経営    タ 地域活動支援センターの経営    チ 生活福祉資金貸付事業    ツ 緊急援護資金の貸付    テ 福祉総合相談事業    ト 自立相談支援事業    ナ 家計改善支援事業    ニ 生活支援体制整備事業     ヌ その他この法人の目的達成のため必要な事業  (6) 組 織(令和3年4月1日現在)    ア 理 事 15人(うち会長1,副会長3,常務理事1)    イ 監 事  2人    ウ 評議員 31人    エ 職 員 205人(正規職員73人,嘱託職員95人,臨時職員37人)    オ 会 員 3,234人(令和2年度実績)  (7) 基本財産    ア 現金 200万円    イ 土地・建物       施設名 障害福祉サービス事業所 希望の家深大寺    (ア) 土地 東京都調布市深大寺北町5丁目6番1他2筆(707.39平方メートル)    (イ) 建物 鉄筋コンクリート造陸屋根2階建物1棟(延565.20平方メートル) 第7 監査の結果 対象事務については,上記のとおり監査した限りにおいて,法令等に従いおおむね適正に執行されているものと認められるが,一部に次のとおり留意を要する事項が見受けられたので,早急に改善措置を講じられたい。  社会福祉協議会 (1) ひだまりサロン事業の助成金交付手続において,要綱で定める活動費及び会場使用料の助成回数の限度を超えて助成されているもの,交付決定後に助成金総額に変更が生じたにもかかわらず変更手続がなされていないもの,交付申請書が申請日前の日付で    受け付けされているものが見受けられた。     ひだまりサロン事業実施要綱等に基づき,適正な事務の執行に努められたい。  (2) 地域福祉コーディネーター事業の事務消耗品費購入に係る伺書において,請求書の品名欄に必要な記載がないものが見受けられた。     経理規程に基づき,適正な事務の執行に努められたい。   (3) 文書収発件名簿において,発文書の出書年月日,記号・番号及び処理欄に記載のないものが多数見受けられた。     文書管理規程に基づき,適正な事務の執行に努められたい。  (4) 文書管理規程で定める特殊文書収受件名簿,規程原簿及び要綱原簿について,使用されていないものが見受けられた。     規則等の定期的な見直しを励行し,必要に応じ規程の改正等の手続をとられたい。  (5) 公印使用簿において,文書の記号番号及び文書発送月日欄に記載のないものが多数見受けられた。     公印規程に基づき,適正な事務の執行に努められたい。  (6) 所管する規則,規程等において,規定内容に不備があるものが多数見受けられた。     規則等の定期的な見直しを励行し,適正な事務の執行に努められたい。