令和4年度 第4回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨 令和5年2月9日(木)午後6時30分から オンライン 1 開会 2 議題 (1) 介護保険事業について (2) 敬老部会からの報告について 3 令和4年度高齢者福祉推進協議会振返り (1) 会長・副会長・委員より振返り (2) 退任モニター員より挨拶 (3) 顧問総評 4 事務連絡 5 閉会 1 開会 2 議題 (1)介護保険事業について 【事務局説明】 ○事務局 本日は資料4-1を使ってご説明させていただきます。  議題(1)の介護保険事業について,ご説明させていただきます。まず,介護保険事業の運営にあたっては,介護保険法において国が定める基本指針に即して,市町村などの各保険者が3年間を1期とする介護保険事業計画を策定することとなっています。計画では国が示す基本指針や東京都の介護保険事業計画を踏まえ,地域の実情を勘案し,介護サービスの種類ごとの量の見込みや市町村が取り組むべき施策を定めることとされています。調布市における介護保険事業計画は老人福祉法において策定することとなっている老人福祉計画と併せ,高齢者分野の目標と施策体系を示す計画である調布市高齢者総合計画において一体的に作成しています。現在は令和3年度から令和5年度までを計画期間とした第8期高齢者総合計画の2年度目にあたります。今回は介護保険事業の中間報告として,過去数年の高齢者の状況や介護保険の給付費などの推移を中心にご説明させていただきます。  はじめに,市内の「高齢者人口」の推移についてです。こちらのグラフは市内における65歳以上の高齢者の人口と高齢化率の推移のグラフになります。グラフの下にあります黄色部分が,65~74歳の前期高齢者,青い部分が75歳以上の後期高齢者を表示しております。また,折れ線グラフの部分は市内の総人口に占める前期・後期高齢者の割合,高齢化率と言いますが,こちらを表示しております。表の中ごろ,令和4年度部分を見ますと,前期高齢者の数は2万3,293人,後期高齢者は2万8,490人,合わせて65歳以上の高齢者の方は5万1,783人となっております。市内の総人口は約23万8,000人となっており,高齢者の占める割合は前期高齢者で9.8%,後期高齢者の方ですと11.9%と,75歳以上の高齢者の方が年々増加しております。  なお,75歳以上の人口が,令和3年から4年にかけて約1,000人増えていますが,こちらは令和4年が1947年(昭和22年)生まれの方が75歳を迎える年であり,1947年(昭和22年)から1949年(昭和24年)生まれのいわゆる団塊の世代の方が全て75歳以上となる,75歳以上の人口が急増する2025年問題の特徴が表れていると思われます。表の右側の赤枠の部分は,第8期計画における推計値でありますが,今後とも高齢者,とりわけ75歳以上の後期高齢者の方が増加すると推計しております。  次に,介護保険料についてです。介護保険のサービス費用は全体の50%を国・都道府県・市町村の負担,残りの50%を40歳以上の方に納めていただく介護保険料で賄われております。介護保険制度では65歳以上の方を第1号被保険者,40歳~64歳の方を第2号被保険者と区分けしており,保険料の決まり方や納付方法がそれぞれ異なっております。グラフでは介護保険料の部分,こちらの右側の50%のうち,1号被保険者の割合が23%で,2号被保険者の割合が27%となっております。この割合は利用者の人口比率に基づいて,1人当たりの介護保険料が同じくらいの水準になるように,国において設定されており,令和5年度まではこの比率となっております。  下の表は,65歳以上の第1号被保険者の方の保険料の収納状況を記載しております。1点訂正がございます。今,画面に表示してある右下の部分ですが,皆様に送付している資料では,3月31日時点と記載がありますが,こちらは各年度の決算額を表示しておりますので,この場を借りて訂正させていただきます。ご了承ください。  次の表は収納状況になりまして,令和4年度部分は収納額が確定していないため,当初予算額のみ記載しております。65歳以上の方の介護保険料は,市町村ごとに介護サービスにかかる費用や65歳以上の方の人数に応じて,3年ごとに基準額を設定しております。令和3年度~令和5年度は基準額を月額5,900円と設定しており,その方の所得や世帯状況に応じて月額1,770円から月額1万7,110円まで14段階に分かれて設定しております。保険料の収納率については,令和2年度,令和3年度,それぞれ99%を上回っている状況です。  一方,次のグラフは認定者数になります。介護保険サービスを利用するためには,まず始めに要介護または要支援認定を受けていただく必要があります。ここでは,各年における認定者数と要介護度別の内訳,上部の折れ線は65歳以上の高齢者の方に占める認定者数の割合である認定率を示しております。要介護度別の内訳はグラフの下から順に,要支援1~要介護5となっております。高齢者の方の人口の増加,また,サービスの利用を希望する方の増加に伴い,年々認定者数及び認定率は増加傾向です。右側の赤枠の部分は,計画にも記載している推計値を記載しております。令和4年の部分においては,認定者数が現在1万940人となっており,介護度別としては,下から順に要支援1の方が1,991人,要支援2の方が1,735人,要介護1の方が1,962人,要介護2が1,691人,要介護3が1,332人,要介護4が1,373人,要介護5が856人となっております。認定率は21%となっており,65歳以上の方全体から見ますと約5人に1人が認定を受けている状態になっております。  次は,先ほどの認定者数を年齢別にグラフ化したものになります。先ほど,高齢者数が増加している,とりわけ75歳以上の後期高齢者の方が増加するとお話ししましたが,やはり年齢の高い方ほど認定を受けている傾向を示しております。こちらのグラフは,下から順に年齢ごとに認定者数の数を表しております。グラフの右端,令和4年における年齢別の認定者数ですと,一番下の青い部分が65歳以上75歳未満となりまして,1,081人。その上のオレンジ色の部分が75歳以上80歳未満の方となり,1,331人。緑色の部分が80歳以上85歳未満の方となりまして,こちらが2,337人。黄色部分が85歳以上90歳未満の方で3,188人。一番上の青い部分が90歳以上の方の人数になりまして,3,003人となっております。各年とも認定者数における75歳以上の方の占める割合が概ね90%であり,中でも80歳以上の方が多くなっております。今後は,75歳以上の方が急増する2025年問題を踏まえて,グラフのオレンジの部分が増加するものと見込んでおります。  次のグラフは,認定を受けている方と受けていない方を年齢別に表示したものです。65歳以上の方を年齢別に,どのくらいの方が認定を受けているかの特徴を示しております。棒グラフの上部に四角枠で囲んでいる部分が,市内の年齢別人口の合計です。黄色の部分は,このうちの認定を受けている方を表しています。また,折れ線グラフは年齢別の人口における認定を受けている方の割合である認定率を示しております。先ほど,65歳以上全体の認定者数から見た認定率は21%,5人に1人が認定を受けていると説明しましたが,こちらのグラフでは年齢ごとに認定を受けている方の割合が,65~74歳まで,グラフの一番左端ですけれども,これが全体の4.6%,75~79歳までの方が13.3%である一方,80~84歳までの方は27.7%,85~90歳までの方になりますと51.6%,90歳以上の方は78.1%となっており,85歳を超えると認定を受ける方の割合が大きく増加していることが特徴として表れています。こちらの傾向は,国の推計値においても同様の傾向となっております。  次のグラフは75歳以上の後期高齢者の方のみですが,要介護度別の推移をまとめたものになっております。グラフの下から順に,青色が要支援1,オレンジ色の部分が要支援2,灰色の部分が要介護1,黄色の部分が要介護2,青色の部分が要介護3,緑色の部分が要介護4,一番上が要介護5になっております。こちらの表は75歳以上80歳未満と,80歳以上85歳未満の2つのグラフですけれども,こちらは各要介護度とも構成比が大体同じくらいとなっておりまして,要支援1から要介護1,比較的軽度の方が全体の約6割となっております。  一方,85歳以上では,逆に要介護2以上の認定者数の割合が徐々に増えている特徴が見られます。  続きまして,介護保険の利用状況として,サービス利用者数と給付費についてご報告します。介護保険には様々なサービスがありますので,ここでは大きく3つの種類,在宅サービスと居住系サービスと施設サービスに分けてご説明します。まず在宅サービスですが,訪問介護や訪問看護,通所介護など自宅にいながら受けられるサービスとなっております。次の居住系サービスは,有料老人ホームなどの特定施設入居者生活介護と呼ばれているものや,グループホームと呼ばれる認知症対応型共同生活介護など,自宅や介護保険施設などの自宅以外に居住されている方に対するサービスになります。最後,施設サービスは,特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設でのサービスとなります。  まず,サービスの利用者の推移についてです。利用者の方はお一人で様々なサービスを組み合わせて利用されているため,こちらの数値は各サービスの年間利用者数を合計したものとなっております。サービス利用者数については,在宅サービスが利用者全体の約88%を占めている一方,居住系と施設サービスがそれぞれ6%ずつとなっています。サービス利用者数は年々増加しており,平成30年から令和元年のサービス利用者数の伸びは,全体で約8,000人増になっておりますが,令和元年から令和2年の伸びについては,令和2年の新型コロナウイルス感染症の影響により,主に在宅サービスの利用者がぐっと減り,全体では約900人の増加に留まっております。なお,令和2年から令和3年の伸びについては,約7,700人の増となっており,コロナ前の水準にまで戻っている傾向が見られます。  次のグラフは,全体の約9割を占めている在宅サービスにおける,主なサービス利用者数を表示しております。グラフの中の右端の「介護予防支援・居宅介護支援」というのは,いわゆるケアプランの作成にかかる費用となっております。在宅サービスの中で主に利用されているものは,訪問介護や訪問看護,医師の方の往診や,薬剤師の方などが居宅に訪問して療養上の管理・指導を行う居宅療養管理指導のほか,通所介護や福祉用具の貸与などです。特徴としては訪問介護や訪問看護,居宅に訪問するサービスについては増加傾向である一方,通所介護や通所リハビリといった通所系サービスが,令和元年から令和2年にかけて減少しております。こちらも新型コロナウイルス感染症の影響が表れていると思われます。  次のグラフは同じ在宅サービスのうち,地域密着型サービスと呼ばれるものになります。地域密着型サービスは住み慣れた地域での生活を支援するサービスとして,市内在住の方を対象に行われているサービスです。こちらも通所系サービスの利用者が,前述の通所系サービスと同様に,令和2年がぐっと落ちて令和3年に少し戻っています。  次のグラフは,金額ベースの給付費の実績になります。介護保険事業に係る経費は年々増加しておりまして,グラフの一番右端,令和3年度は約140億円となっております。資料には記載しませんでしたが,令和4年度,現在の当初予算額は約147億円となっております。サービス利用者数は全体の約9割が在宅サービスでしたが,金額ベースで見ますと,在宅サービスに係る費用は全体の約50%,居住系サービスは約20%,施設系サービスが約30%となっております。  次のグラフは,計画値との比較です。高齢者総合計画において作成した介護保険事業に係る費用の計画値と実績値を比較したものになります。介護保険事業に係る費用は,3年を1期とする介護保険事業計画において3年間の総費用を積算して,それに基づき介護保険料などを設定しております。こちらの表は介護保険事業に係る全体の費用のうち,在宅・居住系・施設サービスの計画値と実績値を比較したものになります。表の一番左側にあります平成30年から令和2年までは,前回の第7期計画,一番下の令和3年が現行の第8期計画に記載したものと実績になります。表の右端,合計欄の対計画比の割合を見ますと,こちらも令和2年においてはコロナウイルス感染症の影響により,ほかの年と比べて対計画比が低くなっている状況です。  次のグラフは在宅サービスの金額ベースで見た推移のグラフになります。在宅サービスにおいては訪問介護と通所介護に係る費用が大きくなっております。こちらも通所系サービスは,令和2年のコロナウイルス感染症の影響により実績値は下がっておりますが,このうち通所介護については,令和3年にはコロナの影響による減少からコロナ前の令和元年の水準にまで戻っていることが確認できます。  次のグラフが地域密着型サービスです。こちらも通所介護の部分については,金額ベースではコロナ前の水準にまで戻っていることが確認できます。  最後に,令和6年度の介護保険制度改正について,現時点で国において検討されているものについて簡単に紹介させていただきます。介護保険制度は3年に1回,介護報酬の改定に合わせて厚生労働省を中心に制度改正に向けた検討が行われます。こちらは,昨年の12月に,厚生労働省の審議機関である社会保障審議会の介護保険部会が提出した意見書の一部になります。意見書の中では大きく2つの観点から意見が出されております。1つ目が「地域包括ケアシステムの深化・推進」に関する観点。もう1つは,「介護現場の生産性向上,介護保険制度の持続可能性の確保」の観点となっており,多岐にわたる意見が出されております。これらを基に,今後,国においても制度改正に向けた議論が続けられます。  具体的なポイントとしては,まず1つ目の「地域包括ケアシステムの深化・推進」においては,生活を支える介護サービス等の基盤整備,地域共生社会の実現,保険者機能の強化などが挙げられております。次の「介護現場の生産性向上,制度の持続可能性の確保」においては,施設や在宅における介護人材の確保,介護現場の生産性向上のほか,制度の持続可能性を確保するため,介護保険料や利用者の負担などの給付と負担に関する意見も出されており,これ以外にも多岐にわたる見直し内容が出されております。調布市でも,来年度の9期の計画策定に向け,国の動向を注視してまいりたいと思っております 以上,介護保険制度についての説明となります。 ○会長 それでは,今の議題についてご意見等ある方は挙手でお知らせください。 ○モニター員 詳しく説明していただいて,どうもありがとうございました。  最後の説明のところで,介護保険制度の意見書で2つ,大きな項目が出されていますけれども,介護保険といいますと,今2つの不足と言って,財源不足,お金がない,それから人材不足,人手がないということで,それに基づいた2つの意見だと思うのですけれども,もう1つ,大きなポイントとして,高齢者の自立支援といいますか,こういう介護保険を使わなくてもいいような状況にする提案もあるかと思います。具体的には,各項目の中にいろいろちりばめられているのだと思いますけれども,やはりこれを1つの項目として取り上げて,体系化して,その効果を追っていかないと,この2つの,お金がない,人手がないというのは,いつまでも続くと思います。やはり,こういう介護を必要とする人を減らしていかなければいけない。そういう体系的な取組が必要なのではないかと思います。以上です。 ○事務局 もちろん意見書の中で,全てを盛り込んでしまいますと量が多くなってしまうというところがありますが,大きなところでは「様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現」という意見も挙げられております。こちらでは,一般介護予防事業,認知症施策の推進ということも意見としてあげられておりますので,こういったものも含めて,今後,検討してまいりたいと思っております。 ○顧問 丁寧にご説明いただいたので,調布市の状況が大変よく分かったと思います。  モニター員からご指摘があったように,今まではどちらかというと,サービスがどんどん増えてお金が足りないという議論でしたが,いよいよ団塊の世代の方が高齢者になり,利用者は増えていくのだけれども介護人材が足りないということになっています。コロナで一時的に利用者自体が減って,少しそれが量的に緩和されましたが,一方では離職する人も全国的に見ると増えたりしているので,介護人材をどうするのかということで,働きやすい環境をつくるということがものすごく大きな課題になっています。生産性とよく言われますが,何か,働き方をきっちり自覚させるではないですけれども,むしろ逆で,働きやすさ改革みたいな意味合いです。  調布市は立地の点でも,隣の23区は1単位当たりの報酬が高く,世田谷区や杉並区と比べると調布市は安いため,もともと若干不利な位置にあります。また,今,訪問介護をやるには,研修を受けた訪問介護員が必要となりますが,それが決定的に減っているというか,高齢化しているというのがどの地域でも大きな課題となっています。これらの課題に対し,先ほど市から説明のあった社会保障審議会では,地域包括ケアシステムの深化・推進の中において,訪問サービスと通所サービスを複合して提供するようなサービスの創設が議論されています。組み合わせがいろいろあるので,どれが本当に実現するかは分かりませんが,おそらく,通所介護と訪問介護を組み合わせたサービスはできるだろうと思います。訪問介護単体では訪問時しか報酬が取れず,経営効率が悪いため,通所サービスとくっつけて改善を図るといった感じです。調布市でも,今までは事業者がたくさんいたからいいのですが,今後は,訪問介護の事業者がどうなっているか,通所介護の事業者がどうなっているかなど,ここ数年ではなく長い期間のこととなりますので,現状を聞いたり調べたりしてみる必要があるのではないかと思います。 ○委員 先ほど,介護を必要とする人を減らす努力の問題が出ましたけれども,第一に考えなければならないのは,やはり介護を必要とする人を支えるための制度だということを,念頭にまず置いていただきたいということが1つです。それと,老人クラブ連合会としては,この介護保険制度ができる時に,先ほどご発言があった,介護者をなるべくつくらないようにする取組について,主体的に健康活動を行うグループ・団体などに対して取り入れてはどうかということを主張しましたが,それ自体は制度発足時には入らなかったです。そのあと入ってきましたけれども,ただ,気にしなければいけないのは,高齢者は70年,80年生きてきて,そう簡単に生活の仕方を変えるというのは,人によってはなかなか難しいということです。こういった介護を減らす努力というのは,やはり本人が十分納得して主体的に関わるようなことに配慮しながらやらないと,押し付けではできないということを念頭に置いていただきたいと思っております。  あと,今日の資料の中で,給付と負担の問題とか,保険者機能の強化の問題が出されましたが,考えていただきたいのは,それらの背景にはやはりその財源をどう確保するのかということになります。今,介護保険制度の分科会でいろいろ議論されている中に,利用料について,現在1割負担,2割負担,3割負担と,所得に応じて利用料の違いがあるわけですけれども,これを,利用料2割負担を全体として通してはどうかというような意見が出ております。私自身は反対をしておりますけれども,先ほど申し上げた介護保険制度をあくせくして軽いうちに利用して,自分の自立した生活ができるように支援するということがすごく大事だと思いますので,入口を狭くして重くなってから介護を受けるということであってはならないと思っております。  他の問題も含めて非常に厳しい国の財政状況ですけれども,やはり国の負担,あるいは事業主の負担,それから保険加入者の負担,全体としてそれで3分の1くらいずつを目安にした財政構造を考えていく必要があるのではないか。それと,保険者の件について言えば,今のこの介護保険の場合も上限の額が設定されております。そういった在り方が本当にいいのかどうか,よくよく見てみると,所得の低い人に保険料の負担割合が大きく,先ほど申し上げた上限額を超えると,あとはどれだけ所得があっても金額は変わりませんので,高額所得者ほど負担率は下がっていきます。こういった問題なども考えていく必要があるのではないかと思っております。 ○会長 調布市は割と要支援1,2など,ケアマネジャーさんを含めて皆さんがしっかりと評価してくださり,予防的観点で給付がされているというふうに私は理解しております。地域包括の皆様も頑張られており,早い段階から介護保険にきちんと入ることで悪くなる方を予防している,食い止めているという,そういう方針でみんなが一丸となって動いていると聞いております。ただ一方で,顧問がおっしゃるように,国レベルですが,ケアマネジャーさんがかなり減っているということと,ケアマネジャーさんの仕事内容(専門性)とその対価が見合っていない(低すぎるのではないか)ことと,大事なお仕事にもかかわらず,人数が減っていること,今後,どういうふうに整備されていくのかというのは少し心配です。8050問題でもそうですが,介護保険の給付を制限するよりは,働き手が安心してしっかりと働ける環境を整えることで,高齢者の方は私たちが地域で見るよという形になるといいなと思いますけれども,それは調布市の皆さんも同じ思いかと思っております。 (2)敬老部会からの報告について 【事務局説明】 ○事務局 私からは,敬老会検討部会にてこれまで検討してきました内容及び結果についてご報告させていただきます。  7月の第1回推進協におきまして,これまで調布市で実施してきました敬老会の内容や参加者状況を皆様にご報告させていただきました。その際,今後の敬老事業の在り方について検討が必要であることから,検討部会を立ち上げさせていただきたい旨,お話をさせていただき,当協議会の委員,モニター員の6名の方に部会メンバーとしてご協力をいただいたところです。部会員の皆様には,いろいろとご協力いただきありがとうございました。これまでの間,部会員の皆様へ2回に渡ってアンケートをお願いしました。1つ目は敬老会について,過去18年間の対象者数,参加者数の推移やアトラクション内容を,2つ目は百歳訪問について,過去の対象者数や訪問に行った件数などを,おのおのご説明させていただき,その内容も踏まえた上で両事業の実施可否についてご意見を頂戴しました。そして,部内会で検討した結果,これまで行ってまいりました高齢者が一堂に会して行う敬老会につきましては,廃止することで全員の意見が一致しております。また,百歳訪問事業につきましては,対象者である100歳になられる方が今後増加し,全ての方への訪問対応が困難であることや,新型コロナウイルス感染症の終息が見えず,高齢者宅に複数人で訪問することで感染の危機が増えてしまうことなどから,今後,100歳になられる方に対しては,現在も行っております,敬老金の贈呈のみとし,市内最長寿者の家,施設等へ訪問等を行うことで進めてまいりたいと考えております。  このほかのご意見や今後の方向性につきましては,部会員からご報告をお願いしたいと思います。 ○委員 敬老会検討部会を代表して,意見を述べさせていただきます。ただ今,事務局から報告がありましたとおり,これまで行っていた高齢者が一堂に会する敬老会は,令和5年度以降行わないことで意見が一致しておりますが,敬老会に代わる事業としまして何がいいのか,部会内では地域活動をしている団体等への金品等を交付するとか,対象者を絞って記念品等を贈呈する,市の福祉・医療事業へ充当するなどといった様々な意見が出されましたが,健康寿命に着目するという観点で,高齢者の健康づくりに特化した内容が好ましいと考えます。人生経験が豊かな高齢者に,いつまでもお元気で長生きしていただけるよう,介護予防的なことを取り入れ,達成感や満足感が得られるような事業が行われることを望みます。また,新しい出会いや触れ合いの機会を増やしていただくきっかけとして,9月の認知症サポート月間において,各圏域で共通して行われている事業やイベントに参加しやすい体制の構築や,年間を通じて高齢者が元気になるイベントの開催など,高齢者を家に閉じこもらせない,社会参加の機会を多く与える事業内容の企画を提案いたします。例えば,新たな出会いや触れ合いの機会の場の創出ですと,各圏域で共通して行われている事業やイベントに参加してスタンプをためていき,一定ポイントに達したら景品を差し上げる。また,高齢者が元気になるイベントですと,例えばカラオケやダンスなど,各地で予選会を行って,勝ち進んだ高齢者グループの代表者による決勝トーナメントを開催して,優勝者に景品を差し上げるなど,あらゆる事業に対して参加する意欲を湧かせることで,高齢者の生きがいづくりや健康づくりにつながり,健康寿命を伸ばすことができるのではないかと思っています。もちろん市の予算の都合もありますので,可能な限り何かしら実現できるよう,今後,市で検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○会長 ありがとうございました。部会員の皆様,本当にお疲れさまでした。率直なご意見を,ありがとうございます。改めての感想でも結構ですし,話し合った皆様との交流も含めて,何かお話しいただけることがありましたら,ぜひここでシェアしていただけるとありがたいと思います。 ○委員 基本的に,生きがいづくり,健康づくりという方向ではよろしいかと思うのですが,私どもの会員の中には,今までの敬老会についても継続してほしいという声も一部ありましたので,その点はまとめの段階で付け加えさせていただきました。  それで,方向性として生きがいづくり,健康づくりということなのですけれども,どのような形でやっていくのか。これは私の受け止め方ですけれども,例えば福祉圏域とか,そういったところで地域の特性を出してやっていくという方向が見えるような気がしますけれども,その福祉圏域とか,受け皿としてそれが十分なのかどうか,この辺については丁寧に検討いただきたいと思っております。  高齢者としては,生きがいづくり,健康づくりの場であるということと同時に,人生の最終章のところに来ていますので,やはり,励ましを頂くということも,1つ,大事な点ではないかと思います。例えば,百歳高齢者訪問の件ですけれども,できるならば民生委員の方等の協力もいただきながら,100歳を超えておられると,やはりなかなか人との接触ということでも,かなり減ってくるという問題もありますので,私はできれば市のトップの方でなくても,民生委員等の協力も得ながら,年1回尋ねていく。何となく,記念品か何かが郵送で届けられるとか,お金が口座に入ってくるということでは,せっかくのお祝いも励ます部分も少し減少するように思いますので,そういった点なども考慮して進めていただければと思います。  私自身は違った意見もいろいろございましたけれども,また発言の機会があるかどうか分かりませんけれども,配慮していただきたい点について申し上げました。 ○モニター員 私も敬老会検討部会に参加させて戴きましたが,高齢者だけでくくらず,子どもとの交流とか,全世代で交流していくようなイベントのほうが,高齢者にとっても気持ちが若返るような気がします。今,私は,空き家対策のほうも取り組んでおりまして,地域での活動となると,この空き家を利用して,何か,高齢者とか全世代型でいろいろなアイデアを出し合いながら進めていくといいのではないかということを付け加えさせていただきたいと思います。 ○モニター員 私は調布市敬老会検討部会の部会員でした。部会でいただいた情報の中で,一番驚いたのは, 2022年7月現在で調布市に100歳以上の方が109名おられ,その内100歳の方が45名とのことでした。人生100年時代とよく聞きますが,本当に調布市にそれが起こっているのだなと思いました。そのような状況であれば,その100歳を迎える方や75歳以上の後期高齢者の方々が希望を持ち,幸せになれるかを考えていく必要があると感じました。私も片方様が今お話しされたように,高齢者と子どもとの交流など,高齢者が生きがいを持って生きられるような政策が必要だと思います。これは市民モニターの意見として,是非,調布市において検討していただきたいと思います。部会に参加した市民モニターとしての意見を述べさせていただきました。 ○会長 ありがとうございます。貴重なご意見が続々と出ていますけれども,ほかにいかがでしょうか。  100年生きられるというのは本当にすごいことだと思います。100年世の中を見てこられて,世界を見てこられた方々という意味では,励ますというのも少し違うかもしれないと私は思っております。むしろ我々からすると,高齢者の皆さん,100歳の方々が頑張ってこられたから今の私たちがあるわけで,敬老のとおり感謝をする場であるのかと思います。100歳にもなると生きがいが本当に必要なのかどうか,100歳になってみないと私も分からないのですけれども,皆さんがおっしゃったように,私も,地域をつくるという意味では,そういう方々を尊ぶという心を育むために,子どもや若い方々との交流ができる場があると,人生を生きるということの尊さを教えていただく良い機会になるのではないかと思ったりしました。確かに,何かを贈るとか,お祝いを渡すとか,そういうものとは少し違うものとして,地域づくりの一環で,100歳の方に教えていただく場などが良いかもしれないなと,皆さんのご意見を聞いていて思いました。  座長があまり話してはいけないのですけれども,申し訳ありません。  ほかにご意見はございますか。言い残したことはないですか。よろしいですね。ありがとうございました。 3 令和4年度高齢者福祉推進協議会振返り 4 事務連絡 5 閉会 - 8 -