令和3年度 第2回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨        令和3年9月30日(木)午後6時30分から    Zoomによるオンライン開催 1 開 会 2 議 題 (1) 令和2年度調布市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査結果の報告 (2) 各団体の活動報告 (3) 介護保険事業について 3 その他 (1) 第3回推進協議会について 4 閉 会 1 開会   欠席者の報告。配布資料の確認。オンライン開催に係る注意事項等について。 2 議題 (1)令和2年度調布市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査結果の報告(冊子 令和2年度調布市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査報告書にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  この調査は,要介護状態になる前の高齢者について,要介護状態になるリスクの発生状況や,各種リスクに影響を与える日常生活の状況を把握し,地域の抱える課題を特定するほか,高齢者総合計画の策定やその進捗管理,事業評価のための基礎資料とすることを目的に,毎年実施しています。調査対象者は,市内に在住する65歳以上の要介護認定を受けていない方から,福祉圏域ごとに200人ずつ,計1,600人を無作為抽出し郵送にて実施しました。回収数は1,130件で,回収率は70.6%になりました。調査項目は,国が示した必須の設問に加え,自治体が独自に付け加えることができるようになっており,令和2年度の主な変更点として,2つの設問を追加しています。ひとつは,食事の確保のために利用しているサービス,もうひとつは,インターネットの利用状況等に関する設問です。  それでは,調査結果につきまして,前回調査から変化が大きかった設問と,今回の調査から新たに追加した設問の2点について報告します。  まず,1点目,前回調査から変化が大きかった設問は,外出に関しての設問です。昨年と比べて外出の回数が減っているかについて聞いたところ,「とても減っている」「減っている」を合わせた割合が前年と比較し,男性で24.1ポイント,女性で37.5ポイント,全体で31.3ポイントと大幅に増加しました。  また,外出を控えているかについて聞いたところ,こちらも前年と比較し,男性で36.8ポイント,女性で49.4ポイント,全体で43.6ポイントと大きく増加しました。外出を控える理由ですが,前年と比較して,「その他」の割合が男性で36.8ポイント,女性で49.4ポイント,全体で43.6ポイントと大きく増加し,自由記述の欄を確認したところ,「その他」を選択した495人のうち,約95%の方が新型コロナウイルス感染症を理由に外出を控えていることがわかりました。なお,若干ではありますが,男性より女性のほうが,より外出を控えている傾向が見てとれました。  そのほかには,日頃外出する際,どこまで出かけることが多いか,こちらは行動範囲の設問になりますが,性別,目的に関わらず,「住まい周辺」を選択される割合が上昇しており,外出されても近場での移動が多くなっていることが分かりました。  また,友人の家を訪ねているかの設問でも,「いいえ」を選択された方が全体で16.3ポイントと大幅に上昇しており,交流が減っていることが推測されます。さらには,気分の落ち込みや興味,関心事に対して,市全体でネガティブな回答が増えています。一方,女性のほうが男性より外出自粛の傾向が強いものの,認知症状や運動能力の落ち込みは抑えられている傾向が見受けられました。これは,自宅内で「10の筋力トレーニング」をはじめとした運動習慣や,家事,趣味などの活動量が男性より多いことが1つの要因ではないかと考えています。  現在の感染症禍において,ワクチン接種により高齢者の感染者数自体に歯止めがかかっている状況ではありますが,社会全体で見ると,近いうちに状況が好転する,社会環境や生活全てが新型コロナウイルス感染症の流行する前に戻るようなことはないと思われます。今後も高齢者の動向や傾向,心身等の変化を丁寧に把握しながら,落ち込んでいる項目に対しては,既存事業と連動しながら積極的にアプローチするとともに,各施策を展開する上では,アウトリーチ,困難者の早期発見,掘り起こしの意識を持ちながら,アフターコロナ,ウィズコロナの状況に柔軟に対応してまいりたいと考えています。  続きまして,今回の調査から新たに追加した設問を1つ紹介します。高齢者のインターネットの利用状況について調査しました。インターネットの利用状況については,全体の約半数の方がひとりである程度利用されているという結果になりました。また,インターネットを利用されている方のうち,7割の方がスマートフォンで毎日利用されていることが分かりました。  逆に,インターネットを利用されていない方が,どのような理由で利用にいたっていないかを調査したところ,「使い方がわからない・難しい」が46.0ポイントとなりました。新型コロナウイルス感染症をきっかけに,多くの場面で「オンライン」という言葉が聞かれるようになりました。現在,行政においても会議や説明会,各種事業でのオンラインによる割合が増えてきています。実際に利用すると非常に便利であることを実感しますし,感染症禍において,各種施策を展開する上では,オンライン技術は今後欠かすことのできない手段であると認識しています。  ただし,オンラインのデメリット,例えばそもそもネットにつながれない人が多くいらっしゃること,また福祉の現場で欠かすことのできない温もりといったようなものは伝わりにくいことがあります。これらのデメリットも正しく認識しつつ,上手にオンライン技術を活用しながら各種施策を効果的に展開していきたいと考えています。  なお,調査によって得られた結果や情報は,経年による変化や圏域ごとの比較,また他市との比較やクロス分析等を行いながら,第9期計画策定時の基礎資料といたします。  以上,調査の結果についての報告とさせていただきます。 【意見交換及び質疑応答】 ○委員  この1年は,コロナの対応をずっとしていたというのが正直なところで,ケアマネジャーのほうは,濃厚接触者,陽性者が出てしまうと,その方をどう守っていくのか,またサービス調整をどうするのかというのが常につきまとっていた問題でした。先ほどの調査報告から,外出が減っているとありましたが,逆に言いますと,身体的機能が低下してしまう,もしくは認知症状が進んでしまったという方も何人かいらっしゃいました。それをどのように私たちのほうで対応していくかというのは,これから続くウィズコロナになると思いますが,検討していくことではないのかなと日々感じています。 ○委員  先ほどの調査報告の中で,福祉圏域ごとの集計,解析を行っているということなので,ぜひその件をお願いしたいと思うのですが,老人クラブの活動は,地域福祉センターが主たる活動の場で,コロナ禍で閉じこもりによる心身の健康阻害が一番心配だったわけです。3密の問題とか,そういったことについて配慮しながら,なるべく集まれるような形で進めてまいりました。例えば私のところは,30数名の小さなクラブですが,コロナ前は20名から25名ぐらいの参加者でしたが,集まる人が10名ぐらいに減るという状況でした。その点は,コロナに対する配慮とか,家族からの注意があったかもしれませんけれども,会場自体もいろいろな意味で制約があって,会場の定員の半分以下の人数で利用するという事態が続いたわけです。  この調査を見ながら思ったことは,福祉圏域,地域福祉センターならどんな形で配置されているのでしょうか。数は正確につかんでいませんが,福祉圏域ごとに会場が十分足りているのかどうなのかということも,できるだけ把握して,地域的に活動の場が同じように確保されるような方向性を持っていかないとまずいのではないかと思っています。私のところは深大寺地区で農家が多く,畑が大変多い。ただ,住民の数も結構増えて,小学校で言いますと,北ノ台小学校は毎年児童数が増えています。そういったところに対して,市中心部とはまた違う課題も抱えていると思いますので,ぜひ福祉圏域ごとにも状況を把握していただきながら,それぞれ地域ごとの課題が掘り下げられるようにしていただければと思います。 ○会長  アンケートの結果では,女性のほうがまだ家事とか何かやることがあるのでというお話もあったり,インターネット環境が整っている人にとっては,コロナ禍で情報を取りに行く新たな手段ですけれども,持っていない方,持てない方,あるいは扱えない方の件に関しては,今後本当に課題です。  一方で,病院だと,例えばワクチン接種などに関してウェブの申込みなどの場合,ウェブ申込みできないという高齢の方が,お孫さん総動員で申込みをしてくれたり,ただ一方で,ひとり暮らしの方,高齢者の2人世帯の方は,どうしてもそこからこぼれ落ちてしまうというところでは,調布市はケアマネジャーさんや地域包括支援センターの方が相当サポートして,調布市の医療のネットワークにつないでくれて,ワクチン接種を何とかやるということもしていました。  今後,こういうピンチだからこそ開発されるチャンネルとか,地域の力をどのようにサポートするかということが我々みんなに投げかけられているのだろうと思います。 ○委員  今の点に関連してですが,ワクチンの件では,会員でスマホを持っている人が相当いるなと感じました。自身で予約をやったけれども,取れなかったという人も多かったようです。それから,家族の協力を得てということも多かったようですが,今お話があったように,例えば地域福祉センターとか地域包括支援センターに行けば,バックアップしてくれるとか,スマホを持っていても,電話としては使っているが,このときの申込みの仕方についてなかなか分からないとかということもあります。調布市について言えば,今日の議題から外れるかもしれませんが,今,スマホの会社の協力を得て,年何回かスマホ教室をやっていますが,もう少し行政や社協が打って出て,電通大等と提携してスマホの利用の仕方について高齢市民が一番得手ではないと思いますので,そのような機会もつくっていただいて,これからデジタルの問題がかなり重視されると思いますので,デジタル難民が出ないようなこともお願いしたいと思います。 ○委員  社会福祉協議会でも,スマホ等を使うに当たって,ソフトバンクさんと企業の協力を得て,そういった講座等を開き始めています。やはり要望される方も多く,各地域でそういうのが広がっていくといいなというところです。ひだまりサロンというのを社会福祉協議会で持っていますが,そこでスマホを使えるようなネットサロンも立ち上がっています。コロナ禍で会えないからこそ,そういったツールを使って,会わなくてもみんなでつながれるといった活動も出てきていますので,コロナ禍だからこそ生まれた,新たなものができているかと思います。これからそういったものがもっと広がっていくといいかなと思います。 ○委員  調布市地域情報化コンソーシアムでも,10月18日から,シニア向けのスマートフォン講習会をたづくりとあくろす,また,公民館などに出向いて全16回行います。こちら,総務省が主催しているデジタル利活用支援推進事業の一環で,私どもで申請しましたところ採択されました。シルバー人材センターも同様な講習会を行います。  先ほどの報告書に関して2点ほど思ったことをよろしいでしょうか。  まず1つ目,自分一人である程度スマホを利用しているという人が,男性,女性合わせて50%近くいるにもかかわらず,市が発信する情報をどのように入手しているかというところは,やはり「市報ちょうふ」が圧倒的に多いということを考えると,パソコンからスマートフォンでも,こういった情報がもっとよりリアルタイムに入手できることを誰かがいろいろ導いてあげたりしないと,きっといけないのだろうなと。  また,スマホ,デジタル,紙にかかわらず,高齢者の方への情報伝達について,前回もそのようなことを指摘された方がいらっしゃったかと思うのですが,これは非常に大きなテーマではないかと思っていまして,総合計画の中で,いろいろな制度なり支援などを書かれていますが,今後そういったのと並列に置いてもいいぐらい,高齢者にどうやって伝えるか,知ってもらうかということが非常に大きなテーマだと思うのです。残念ながら,ざっと見たところ,計画にはそういったことがあまり大きく書かれていなくて,せっかくいい制度とか場をつくっても,どうやって知っていただくかという視点というか,そこら辺,もう少し重要度を上げて検討したほうがいいのではないかと思います。  2つ目,地域での活動について,会やグループ等地域のコミュニティへの参加頻度ですが,収入のある仕事ができているうちはいいのですが,それができなくなったとき,地域との接点になるであろう,ボランティア,趣味関係やスポーツ関係のグループ,学習・教養サークル,老人クラブ,町内会・自治会等のどれにも参加していないという人がどれぐらいいるのかが知りたいなと思いました。それぞれに参加していないという数字は出ているのですが,どれもやっていないという人がどこかにデータがあるのか,あったら教えてください。その辺り,今後また改めて調査をする機会があったときは,設問の仕方として検討いただければなと思いました。 ○事務局  設問に対して,無回答というところがありますので,100%正確な答えは出てこないですが,地域の活動全て参加していない,関与していないという方の割合は出せますので,その数字がつかめましたら,推進協議会で報告させていただきます。 (2)各団体の活動報告 【介護支援専門員調布連絡協議会説明】 (介護支援専門員調布連絡協議会の活動報告にて説明) ○委員  それでは活動報告をさせていただきます。会員は6月1日現在で253名,役員は15名で活動しています。本年度の活動方針としましては,活動報告に記載のとおりですが,特に,意見交換や情報交換を行っているというのが当会の特色でもあります。  次に,活動内容です。通年は,4月に総会,基調講演を開催し,年3回の研修会の開催,外部連絡会の参加,東京都介護支援専門員研究協議会の参加,あと,役員会を月1回行っています。また,狛江市と府中市の同じ協議会での連携も年に2回行っていました。ただ,令和2年度の活動内容を見ていただくと分かるのですが,総会,基調講演の開催は中止になりました。ただ,総会は書面評決で行っています。年3回の研修会の開催も,第1回,第3回は中止になりました。外部の連絡会への参加は,開催時は極力参加するようにしています。また,東京都介護支援専門員研究協議会の参加も中止です。月1回の役員会も,4月,5月,6月は中止になってしまいました。また,狛江市と府中市の年2回の連絡会も中止となっています。このように活動できない状態が続きました。新型コロナウイルスの影響で,数か月このような状態が続き,役員からもすごく不安の声が上がっていました。また,地域のケアマネジャーからも,どのようにすればいいのか,日々の業務の中で心配事が多くなり,協議会,特に私のほうにいろいろと声を寄せていただく会員も増えていました。どのようにこれを改善できるか,このコロナに対応できるのかというのを考えまして,リモート,Zoomの活用を行ってみようと思い,東京都からの推薦をいただきまして,日本協会の研修に参加しました。以降7月からは役員会をZoomで行っています。ただ,最初は本当に大変でした。ミュートとかビデオ開始などなかなかうまくできずに,役員同士でも教えながらやっている状態でした。特に多かったのが,Wi-Fiの環境設備が整っていなく,参加することができないという役員も数名いましたが,こちらでフォローして,何とか7月からは全員参加で役員会を行うことができました。そのとき,役員のメンバーで,久々に顔が見えたので,すごいよかった,安心したという話が出ています。  第2回の研修会からは,Zoomを活用した研修会を行いました。第2回の研修会はZoomを活用し,調布市医師会会長を招いて,コロナについてのお話をいただきました。参加人数は24名だったのですが,やはり初めてのことだったので,なかなかうまくいかなかったところと,Wi-Fiの環境がなかなか整わなかったこと,また,参加したいのだけれども,集まってできないかという声もすごくありました。ただ,役員の間では,これからもリモートを使うわけだから,ぶれずにやっていこうということで,第2回の研修会は無事終了することができました。  以降,今年の3月に第4回の研修会も行いまして,そのときは78名の参加者で,おそらく過去最大の人数が集まったと思います。逆に言うと,Zoomでやりますというのを当会でうたったおかげで,会員の方からは,交通費がかからなくて参加できるとか,便利だという意見や,つつじケ丘や仙川からたづくりまで来るのが大変だった,移動時間が減ったので,すごい助かりますというお声もいただきました。まだWi-Fiの環境がつながっていなくて参加ができない,こちらの会場に来させてくれとか,そういう話もありますが,第2回から3倍近くの方が第4回に参加することができたので,Zoomを活用した研修会ということをぶれずにやった成果かなと思っています。  令和3年度の4月に行った総会と基調講演には,50名以上の方に参加いただきました。書面評決で行い結果をお伝えしています。また,役員の紹介,本年度の活動内容などをお伝えさせていただきました。基調講演も制度改正の年になりましたので,制度改正について講師を招き,学びの場をつくることができたと思います。  最後になりますが,活動方針は本当にぶれずにやっていこうと思っています。ただ,その中で大切にしたいなと思うのは,制度改正において,地域共生社会における重層的支援というのもスタートしています。ケアマネジャーにとっては,この重層的支援というのも大切なところだと思います。また,そのためにはスキルアップはどうしても必要なことです。その中で,当会は,どんな状況でも必ず研修会や勉強会を開催し,それを行うことによって皆さんがレベルアップし,地域共生社会の一員として加わることが必要なのではないでしょうか。地域の中で必要とされる職能団体になることを目指し,今後も活動していきたいと思います。以上です。 【意見交換及び質疑応答】 ○会長  1人ケアマネジャーの方もいるし,大きな事業所のケアマネジャーさんもいらっしゃいますが,皆様個々で努力をされて,何とか地域のために頑張っていただいていました。特に今回の第5波は,ケアマネジャーの皆さんが,例えば高齢の介護をしている方が陽性になったり,若い世代がコロナ陽性になって,自分一人で生活が難しい方をどうするかとか,事業所で少しクラスターが出てしまって,通えなくなってとか,そういう調整に本当に奔走されて,皆さん大変だったと思います。  意外と医療者,介護者はこういうIT系があまり強くなくて,今まで便利なのは分かっていても,なかなかそちらに行かない。私も1人だったら,多分環境を整えるのは難しかったかなと思います。そんな中で,今回はIT化が相当進みました。便利になると離せなくなるということで,例えばMCS(メディカルケアステーション)というのがあります。在宅療養されている患者様を中心にした,医療介護系の個々のLINEのようなものなのですけれども,調布市はそれがなかなか普及しませんでした。アプリを登録してもらえなかったのです。ところが,このコロナであっという間に普及して,MCSで患者さんの情報をやりとりするケースが増えてきて,必要は発明の母とよくぞ言ったなという感じがしています。便利さを合わせると,今度はどこかに行かなくてもよく,職場で会議に参加できるので,時間の調整もできるし,コロナが終わってもこのオンラインは続くのではないかと思います。 【介護保険サービス事業者調布連絡協議会説明】 (介護保険サービス調布連絡協議会活動報告書にて説明) ○委員  当協議会の活動報告をさせていただきます。私ども介護保険サービス事業者調布連絡協議会の活動目的は,会員相互の情報提供,意見交換,サービス評価,その時々の現場の声からニーズを把握し,会員に向けてのタイムリーな研修等を企画,実施を通して介護保険事業に関するサービスの質の向上と,事業の円滑な運営を図ることを目的として,2000年に介護保険制度がスタートするとともに発足しています。  このような活動を行う専門職,事業者による協議会に対して,調布市より支援,協力を得ながら,高齢者総合計画の実現に向け,利用者に良質なサービスが提供されるよう,運営は11名の役員から成っています。  会員の内訳として,市内を中心に事業活動を行っている民間の指定介護サービス事業所が55事業所,社会福祉法人と医療法人がそれぞれ8事業所,一般社団法人が2事業所,NPO法人,公益社団法人,公益財団法人の全76事業所で構成されています。  次に,今年度はまだ半ばですが,過去5年分の活動報告になります。2020年度においても定例会や研修等の準備を進めていましたが,先ほどの話でもありましたように,新型コロナウイルス感染症の影響を受け,他職種同士の顔をつなぐ役割を担っていた集合型の研修会や交流会が開催できなくなったことにより,当協議会のこれからの運営,活動方法を見直さなければならない状況となりました。そして,2021年度は,感染状況を見ながら,感染対策に十分配慮した上で,対面,オンライン,またはハイブリッドでの活動を再開しました。  事業実施報告になります。会員の皆様に対して,研修会等への参加や意見交流の場を確保することが難しかったことから,今年度はほかの協議会の活動方法を参考にするとともに,前年度の反省を生かし,会場の定員の制限がある中,Zoom等のリモートツールを取り入れることで,役員,研修推進委員による定例会議や研修会議が開催できるよう準備してまいりました。職場や自宅のリモート環境が整っておらず,リモート参加が困難であるとの意見もあることから,現在は集合とリモートの併用開催を行っています。会場での参加については,緊急事態宣言及び調布市の対応方針に基づいた対策をとり,感染者の増加により,集合研修が困難だと判断された場合には,リモートのみの開催へ切り替えるなど,臨機応変な対応を心がけて,2021年6月から9月まで3つの活動をしてきました。その3つの講演会,研修について参加された方々からいただいた感想を一部紹介します。  「介護サービスにおける苦情対応についての研修では,いつか起こりそうな苦情事案について,経緯や記録について見直し,職員間で情報共有し,未然に防げるようにしたい」,「早めの資料事前配付を希望したい」オンラインになったものですから,その場での資料提供になったもので,そういう意見も聞かれました。  また,先ほどの話でもありましたが,会ではZoomの使い方研修を企画して,Zoomの初級編というところで参加していただいています。コロナ禍でありがたいツールです。「Zoom参加がとても円滑だった」,「顔出ししない方が多かった」,「顔出ししないのはマナーとしてどうか,講師の方に失礼ではないか」などという意見も聞かれました。「コロナ禍のため,仕方がないが,相互の意見交換ができない研修はとにかく寂しい」という意見も出ています。  また,皆で進める調布市の災害対策では,「避難所に行かれない高齢者世帯や独居者は,どのように避難したらいいのだろう」,施設,事業所の運営に関わる方々からは,「BCPの作成をどうしたらいいのか」等,可能な限り皆様の悩みの解決の糸口になるような研修会や情報提供ができないか,役員一同試行錯誤しているところです。  2021年度のこれからの事業計画になります。今年度の計画として,まだ具体化されていないものもありますが,昨年度,残念ながら見送りになった青山学院大学の山本先生による「介護職の働きがいとレジリエンス(逆境力)」は,10月29日に開催予定です。これはZoomと会場との併用で,ハイブリッドで行う予定です。コロナ禍において,いろいろな示唆をいただけるのではないでしょうか。また,令和4年1月には,その人一人一人の視点や立場に立って理解しながらケアを行う,パーソン・センタード・ケアの入門編を企画しています。こちらはZoomでの開催予定です。  最後に,現状を踏まえ今後の当協議会の取組として,新型コロナウイルスの猛威により,どこの事業所さんも苦労されている状況の中,増え続ける認知症患者,常態化しつつある介護職員の人手不足といった業界を取り巻く環境,一方で,地域包括ケアシステムや,地域共生社会の推進といった業界に向けられた期待は,例年と変わるものではありません。当協議会では,会員の皆様が,これからも安定した事業運営を継続できるよう,情報の提供や意見交換,研修等を継続してまいります。アフターコロナ,ウィズコロナの中でも,質の高い介護サービスの実現のため,当協議会の設立趣旨でもある介護保険サービスにおける質の向上と,事業の円滑な実施に向けた会員相互の連携を強化してまいります。  引き続き,今年の4月に発足した「調布市訪問看護ステーション協議会」の活動について報告させていただきます。運営委員メンバーは,スライド資料をご覧ください。事務局を調布在宅医療相談室にバックアップしていただいています。  ここでクエスチョンなのですが,調布市内に訪問看護ステーションは大体幾つあるか,皆さんご存じでしょうか。サテライトや見なしも含め,登録しているステーションは全32か所あります。そのうち,24か所が当協議会に参加しています。  発足の経緯については,割愛しますが,医師会,調布市の皆様の支援を受け発足にこぎ着けました。協議会の目的は,調布市内で活動する訪問看護ステーション相互の連携を強化するとともに,自治体やほかの職能団体との連携により,地域に貢献することです。目的を達成するために,訪問看護ステーション相互の情報共有や親睦を図り,会員の皆様には,先ほど話がありましたMCS(メディカルケアステーション)というツールを使い,一斉メールや情報共有を行っています。また,災害や感染症発生に備えた地域連携の仕組みを構築し,実践するとしています。そのほか,本協議会の目的を達成するために必要な活動を行うとしています。まだ活動し始めて半年の報告になりますが,大きく3つ,1つ目は,新型コロナウイルス感染症の方への対応,2つ目は,事業継続計画・BCP作成,3つ目は,臨床倫理研修を今年度の大きな活動としています。  新型コロナウイルス感染症の方への対応として,利用者やその家族がPCR検査の結果待ちの状態時は,要請を受けて私たちも訪問を調整して行かせていただいたり,濃厚接触者への訪問看護の提供,また,通所に通われている方が通所できなくなった,または,陽性者が出たため,事業所がお休みになるので,その間,訪問看護で行ってくださいなど,そういう対応をしてまいりました。さらに,新型コロナウイルス感染症の8月,自宅療養者がすごく増えたというニュースは,皆さんもご存じかと思いますが,医師会の先生方がすごく頑張っていらっしゃる中,訪問看護でも提供しようということで,市内7か所のステーションが手挙げをして,今,協力ステーションとして体制を構築しています。それに伴い,利用者の訪問もそうですが,自宅療養者の方の対応をするために,個人防護服,自分たちが感染しない練習を,青木病院の先生をはじめ看護部の皆様から5日間にわたって10事業所,38名が在宅ならではのことも含め指導を受けました。  BCP作成については,地域の特性を踏まえ,各ステーションのBCPを作成しようということで,今3回シリーズで行っています。3回行うと,地域ごと自分に特化したBCPができるというシステムになっています。  また,臨床倫理では,地域の先生と他市の訪問看護ステーションと実施する計画を立てています。一番上のワクチン接種調整というところは,事務局が医師会の中にありますので,そこから医療職に限らず,ステーションの中にいる事務職の方,併設の事業所の方もというところでワクチン接種の調整をし,5月に接種をしたという経緯があります。簡単ですが,訪問看護のことであれば,このほかに何でもご相談ください。訪問看護は介護保険だけでなく,医療保険なども活動しています。複雑な制度や加算のこと,専門性の高い看護師も会員にいますので,講師派遣なども気軽にご相談ください。事務局は,今年度は調布在宅医療相談室が担っていますので,こちらにご連絡いただけるといろいろ細かなことも対応できます。地域の1つの資源として活用していただけると助かります。 【意見交換及び質疑応答】 ○会長  調布市だけではなく,もともと看護の協議会をという声はあったし,内部でもやらなければというのはあったのですが,今回コロナが推し進めたという部分はあると思います。最初は,コロナに対する情報をみんな欲しいから,ラインでつながっていきましょうというところからだったのです。立ち上がってくださった医師会の訪問看護ステーションのリーダーシップには本当に頭が下がります。それで情報と,あとはいつ誰が感染してもおかしくない状況で,お互い助け合おうという,一歩出たらライバルの事業所ですが,そこをみんなで助け合えたらどうかなどというところから一気に当協議会が立ち上がりました。立ち上がった後,第5波が来て,高齢者ではなくて,若年の自宅療養者へ酸素ボンベを持っていったりとか,そういうのを医師会の先生たちが一生懸命やっているところに,看護がバックアップしてくださるようなつながりも一気に仕組みとして出来上がり,調布市はすごいなと改めて思いました。そのように医療も介護も看護も,ちょっとずつですが,このコロナでつながって,地域を守る自分たち,仲間たちで力を合わせて助け合おうということが1歩,2歩,3歩進んだという報告でした。 ○委員  第5波では,保健所の業務がひっ迫してしまいまして,自宅療養者の方々への連絡も遅れてしまう事態となりましたが,調布の地域の先生方が先駆的にいろいろと対応してくださっていて,大変心強く感じていました。自宅療養者の方々へのサービス提供といったところも先駆的に先陣を切って対応していただいて,保健所も本当に心強く思っています。  今回,感染者数が大変多く,HC(保健センター)の人員体制も非常に厳しくなってしまったところから,圏域内の看護部長会にSOSの連絡を出しましたところ,訪問看護ステーションの方々にも保健所に駆けつけていただきまして,一緒に業務を行うことができました。地域の力が本当にすばらしいなと思いました。今後,第6波も多分来ると思うのですけれども,今回のように自宅療養者への対応が遅れることがないよう,事前にご相談しながら進めていければと思っています。 ○会長  今回,5波は特に保健所の皆さんが一番ひっ迫して,みんな本当に心配していましたし,大変だったと思います。そこがどうしてもボトルネックになってしまって,いろいろなものが後手に回っていく,その悪循環に入ってしまったということで,1波,2波,3波と毎回手を打っていっていても,今回デルタ株の感染拡大のスピードが速過ぎて,対応がなかなか追いつかなかったという中で,何とかみんなで助け合えたというのは本当にありがたいと思います。ワクチン接種も,調布市の皆さんの戦略的なワクチンの接種サイクル(段階的に対象年齢を拡げていく)がよかったのと,あと医療関係者のネットワークがよくて,ワクチン接種の枠を設けていても,意外と隅々まで医療者,介護者にワクチンを打てますよと届かないのですが,調布市は,こういう協議会とか皆さん責任者の方が自分の関係者のところに伝えてくださって,少なくとも医療・介護者,高齢者施設は,割と早い段階でワクチンが打ち終わったことで,クラスターの発生がほかの市よりは少し抑えられて,医療介護者も何とか踏みとどまれたのかなと。ただ,やはり第5波は恐ろしいことで,ちょっと大変でしたということでした。そういう意味では,市役所の皆さんも本当に大変だったと思います。お疲れさまでした。そしてありがとうございました。 ○モニター員  ただ今,今年4月に発足した調布市訪問看護ステーション協議会の活動について説明があり,とても感動しました。私は,令和2年9月10日及び12月17日に開催されました推進協議会において,ドイツのハイデルベルク市で実施されている訪問看護の取組みである「コロナタクシー」について紹介させていただき,今後のコロナ感染症対応や高齢者在宅医療対応構築に参考になるのではないかとの趣旨の発言をしました。その際,会長及び市川顧問からコメントをいただいています。ドイツで実施されている「コロナタクシー」と同じ趣旨の活動が調布市でも開始されたことは感動的であり,まさにこのようなサービスが全国に拡がると良いなと感じました。 ○市川顧問  今までのお話を聞いて,1つの調布モデルが描けるかなと思いました。私自身もいろいろな失敗,それからいろいろな事業所と関わって,もちろん行政,社協とも関わっているところですが,今回は保健所が厳しいのは事実で,これだけ縮小を迫られている中で,それをみんなで補わないと,何から何まで保健所だというのはあり得ないので,例えば訪問看護とか,医師会とか,市役所とか,関係者が協働してそれを補い合っていったということに関して検証しておくことが必要で,これが,今後再度感染者が増加した際に対応するものではないかと私は思っています。  それぞれのところがいろいろやっていますので,それぞれの区や市にも,それをもう一度検証して,今の段階で新たな波が来たときにどうするのかを話し合うことが必要だろうと言っていますので,ぜひそのモデルを提示していただきたいというのが1点目。  2点目は,ケアマネジャーが大分苦労しながら在宅ケアを守ったと私は思っていまして,それがなければ,孤立の問題や重度化とか,発見が遅れるとかかなりあったと思うのです。お願いなのですけれども,ケアマネ協議会の方々には,ITの限界も含めて何が可能で,またもう一つ新しい提案ができるのかどうか,つまり,事例を検討するとか,研修もそうですけれども,どうやってデータを集め,その集めた情報を政策に提言していくのかというような,ITの使い方をもう一度検討していただくことが,私はケアマネジャーにとっても必要だろうと思っています。  次に,介護保険サービス事業所の関係ですけれども,事業者に関しては,ショートステイだとか小規模事業所は厳しいとか,いろいろな問題が出てきているところですので,その代弁をしていただきたいし,手作りで小さい規模の事業者が淘汰されては地域づくりができませんので,原点を忘れずに,お互いに協力し合っていく仕組みをつくっていただきたいと私は思っています。事業者がそれぞれセーフティーネットというか,一定の協力をしながら,地域へのセーフティーネットをつくれるような,互いの協力関係を持っていただきたいというのが3点目です。  それから,4点目は,訪問看護はとても大事な働きをなさったと思います。調布の1つのモデルだと私は思いますので,医師会もかなり強力に頑張っている。そういう意味では,私が理解したいのは,訪問看護等々の役割と協議会が一緒に補っていくように,ケアマネジャーとかいろいろな協議会との連携可能性はないのかと。そうすると,地域に新しい仕組みが1つできるのではないかと私は思っていまして,いろいろ実践を積み重ねてきているから,それをどこか協働した形に今後模索していただきたいと思いました。 ○会長  大切な宿題をいただいたと思います。今ちょうど一呼吸置いているところで,忘れないうちに,まずは事実確認をして,検証して,こうだったということをまとめられるようにできればと思います。 (3)介護保険事業について(資料2-1,資料2-2にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  介護保険事業について,内容としましては令和2年度の振り返りになりますが,まず 資料2―1,第8期調布市高齢者総合計画全体図を用いまして,介護保険事業の位置づけを改めて説明させていただきます。  調布市高齢者総合計画につきましては,老人福祉計画と介護保険事業計画を一体的に策定しています。介護保険事業計画の策定に当たっては,各自治体とも国の地域包括ケア見える化システムというものを活用し,これまでの実績などを踏まえ,介護給付費の見込み,推計を行いまして,必要なサービス,基盤整備を位置づけ,これらを基に介護保険料を決定し制度の円滑な運営を目指していくこととされています。  左下に総費用の推移というものがありますが,令和元年度は約150億円,単年度で約5億円の増となっています。前年度比,プラス3.5%です。令和2年度につきましては,後ほど説明しますが,約153億円で約2.3億円の増,1.5%の伸びとなっています。次に裏面の右側,計画の具体的な展開,一番下の⑤,介護保険事業の円滑な運営についてです。今後も高齢者の増加が見込まれる中,介護保険制度に基づくサービスの質と量の確保に努め,介護保険サービス全体のバランスに配慮し,運営を行うこととしています。介護保険料につきましては,基準額を第8期において月額5,900円に設定し,第7期の5,600円から300円の引き上げとなりました。あわせて,低所得者の負担軽減の実施を行います。なお,東京都の介護保険料の平均は6,080円ですので,調布市はそれより低くなっています。  次に,介護保険総費用の見込みです。計画期間中の令和3年度から5年度までの3年間に必要な総費用ですが,これを524億7,000万円,第7期との計画値との比較で約32億9,000万円の増を見込んでいます。その下のサービスの基盤整備につきましては,必要なサービス量の確保に係るハード面となりますので,基本的には事業者の指定権限を有する東京都が主体となりますが,住み慣れた地域で生活を継続できるようにする,いわゆる地域密着型サービスに係る施設整備につきましては,市に指定権限がありますので,給付費の見込みにも影響があることから,整備の必要性を検討した上で計画に位置づけています。  次の持続可能な介護保険制度の運営につきましては,今後も増加が見込まれる介護給付費の適正化を図る取組です。給付費適正化事業の推進,①要介護認定の適正化,②ケアプランの点検,③住宅改修・福祉用具貸与の点検,④縦覧点検・医療突合,⑤介護給付費通知,あわせて,文書負担の軽減・ICTの活用による業務効率化の支援を計画しています。  それでは,令和2年度の介護保険事業について,資料2―2をご覧ください。まず,高齢者人口の推移になります。総人口,高齢者人口,高齢化率とも増加し続けていまして,75歳未満の前期高齢者数は,平成28年度をピークに減少に転じています。一方で,75歳以上の後期高齢者数は,平成28年度に前期高齢者数を上回り,引き続き増加傾向にあります。令和2年度においては11.5%に達しています。また,要支援,要介護認定者数のうち,約90%の方が後期高齢者となっていますので,後期高齢者数の推移には留意する必要があると考えています。  図表2は,調布市の人口の推移と高齢化率です。折れ線グラフで調布市の高齢化率の変化を記載していますが,調布市の高齢化率は21.6%,これは,全国及び東京都の平均を下回っています。  続きまして,2の「令和2年度の要支援・要介護認定者数」です。図表3は平成24年度以降,要支援・要介護認定者数の推移となります。令和2年度の認定者数は,前年度からほぼ横ばいとなっています。これは,新型コロナウイルス感染症の感染リスクのある中,すぐにサービスを利用する予定のない方などが申請を控えているためであると考えています。中長期的に見ますと,後期高齢者の中でもより高齢の方が増加していくと見込まれることから,予防,重度化防止の取組がより一層重要になるものと考えています。最下段に認定率とありますが,これは65歳以上の第1号被保険者に占める認定者数の割合を表します。こちらも前年度比,ほぼ横ばいとなっています。国平均及び東京都平均と比較しますと,調布市の認定率はともに上回っている状況で,また,近隣市の三鷹,狛江,府中,武蔵野,小金井市などと比較しても,やはり調布市は認定率が高くなっています。認定者の内訳で見ると,他市に比べて赤い枠囲いの要支援1,2の割合が高く,要介護5の割合が低くなっています。この点につきましては,早めに高齢者の状況把握に努めている結果であると考えています。年々,認定者数が増加している状況が分かりますが,要支援1,2とも軽度の区分を中心に増加していると言えます。次に,3ページ(2)の令和2年度の要介護認定の申請状況です。(ア)の要介護認定申請件数について,上段から更新,変更,介護,新規の表記になっていますが,介護認定の更新,※1につきまして,令和2年度は2,555件の申請で,前年度比マイナス49.4%と半減しています。これは平成30年度の制度改正で,更新時の認定有効期間が最長24か月から36か月に延長されたことによる特殊要因によるものです。次の変更,※2です。これは要介護者が要介護間で変更を求める場合で,こちらは2.6%の微増となっています。次の介護※3は,要支援者が要介護を求める場合になりますが,こちらは前年度比12.8%の増となっています。平成30年度から令和元年度には4.3%の増でしたので,要支援から要介護へ変わった方は,前年度に比べて増えているということが見てとれます。次の新規申請については,前年度比0.8%と横ばいとなっています。令和元年度につきましてはマイナス2.0%とやや申請が減少していましたが,数字を見ると下げ止まりといいましょうか,やや横ばいの数字にはなっています。次に,イの判定委員会開催状況です。令和2年度は,前年度比マイナス53.9%と大きく減少しています。こちらは新型コロナウイルス感染症に係る要介護認定の臨時的な取扱いとして,更新時の認定有効期間に合算延長が認められたことにより,判定件数が大幅な減少となりました。次のウ,認定調査件数です。令和2年度は,新型コロナウイルス感染症に係る要介護認定の臨時的な取扱いなどにより,こちらも委託調査を中心に減少,前年度比マイナス53.7%の減少となっています。次に,4ページ,3の介護給付費等の実績についてです。図表の5介護給付費につきましては,第7期計画における計画値と実績値を比較した内容となります。介護保険の各種サービスを利用した場合,利用者は費用の1割負担をし,残りの9割を介護保険の保険者である調布市が負担することになります。一定以上の所得のある方につきましては,自己負担が2割,または3割となり,それぞれ調布市の負担は8割,7割となります。調布市が負担する額を介護給付費といいます。この表では,介護給付費用の推移について,居宅サービス,地域密着型サービス,施設サービス,その他経費の4つの区分で比較をしているところです。居宅サービスは,在宅の介護を中心としたサービス,自宅で利用する訪問介護や施設に通う通所介護のほか,有料老人ホームなどに入所している方の生活介護が含まれています。  それから,2つ目の地域密着型サービスにつきましては,住み慣れた地域で生活を継続できるようにするという観点から適用されるサービスで,認知症高齢者グループホームなどで提供されるサービスとなります。  3つ目の施設サービスにつきましては,入居する特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで適用されるサービスになります。  4つ目のその他経費につきましては,利用者負担の軽減を図るもので,施設に入所している所得の低い方に対して,食や居住費などの自己負担のうち,一定の金額を超える額を給付するもので,補足給付と呼ばれる特定入所者介護サービス費となります。また,一定の自己負担額を超えた分を払い戻す高額介護サービスなどもこちらに含まれます。  図表5の中段の実績値,一番右の欄のとおり,令和2年度は居宅サービスが79億4,400万円余,前年度比プラス0.2%とほぼ横ばい,地域密着型サービスが14億2,300万円余,前年度比3.3%の増,施設サービスが41億6,100万円余,前年度比3.4%と増加傾向にあります。  次に,5ページ,ただいま説明した介護給付費に地域支援事業費を加えた介護保険総費用の推移をグラフにしています。地域支援事業費とは,市区町村が地域の実情に応じて実施する事業で,調布市では平成28年10月から実施している介護予防・日常生活支援総合事業,いわゆる総合事業に関わる経費や,認知症施策や在宅医療,介護連携などの包括的支援事業に係る経費となります。令和2年度については,棒グラフの示すとおり,一番右側の棒グラフになりますが,一番下の部分,一番割合の多い居宅サービス費について,前年度比,伸びていないのが分かります。  次に,6ページ,こちらは給付費の個別サービスの計画,実績,計画費の表になります。青色の枠で囲ってある実績値,こちらは前年度に比べて特徴的に給付費が上昇しているサービスになります。赤色で囲われた枠は,特徴的に減少しているサービスになります。内訳を見ますと,前年度比上昇しているサービスは,訪問系のサービスとなっています。訪問介護,訪問入浴介護,訪問看護,訪問リハビリテーション,居宅療養管理指導など,各サービスの上昇率の平均は約8%程度となっています。  一方,減少しているサービスは通所系のサービスで,通所介護,通所リハビリテーション,認知症対応型通所介護,地域密着型通所介護の平均で,マイナス9.7%となっています。その他,ショートステイも大きく減少しているところです。  このように居宅サービスでは,コロナ禍において,外出を控えたことによる通所系サービスが大きく減り,数字を補うように訪問系のサービスが増えているのがうかがえます。大きなくくりで見ますと,居宅サービスはサービス内で,でこぼこがございますが,全体で前年度比横ばい,地域密着型サービス,施設サービスは3.4%のそれぞれの増加となっています。次に,7ページ,予防給付費の計画値,実績値です。介護予防サービスにおいても,訪問系のサービス,介護予防訪問看護,介護予防訪問リハビリテーション,介護予防居宅療養管理指導については,平均で16.6%と大きく増加し,一方,介護予防通所リハビリテーションがマイナス19.4%と大きく減少しています。こちらも先ほどの給付費と同じ状況が伺えます。次に,下段の図表9です。これは1人当たりの給付月額について,全国比,東京都の平均値に比べてどのようになっているかを示すグラフになります。介護老人福祉施設,特定施設入居者,生活介護などの施設系サービスは全国平均を上回りまして,通所系サービスなどの居宅サービスは下回っていることがうかがえます。  次に,8ページ,こちらは第7期計画期間中の整備計画でございます。認知症対応型共同生活対応,いわゆる認知症高齢者グループホームについて,計画どおり令和元年度に1か所整備しました。一方,令和2年度においては,小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護につきましては,新規医療者の受け入れが困難な状況になっており,令和2年度は,3月と7月の2度にわたり公募を実施いたしましたが,対象地域や見合った物件などが見当たらず,公募要件に合った事業者がありませんでした。  ここで,改めて各サービスの内容,加えて第8期の位置づけを説明します。認知症対応型共同生活介護,いわゆる認知症高齢者グループホームにつきましては,認知症の方が共同生活を行っていくことで,家庭的な環境と地域の方々との交流の中で,入浴,排泄,食事等の日常生活上のお世話と機能訓練を行うものになります。こちらは第7期に1か所開設しています。現在,市内に11か所,定員数189名となっています。当該自治体の高齢者人口に対する整備率としまして,東京都では0.38%未満の地域を重点的に緊急整備地域に指定し,整備促進を図っています。調布市につきましては,現時点で0.37%となっており,現在の空き状況や今後の需要などを勘案して,第8期においても1か所の整備を計画しています。次に,看護小規模多機能型居宅介護です。このサービスにつきましては,医療行為も含めたサービスを24時間,365日利用することができるものとなっています。看護小規模多機能型居宅介護につきましては,他団体でも整備に苦慮しているところでございますが,在宅の重度者の方への対応として有効であると考えています。調布市には,東部地域に1か所ありますが,定員に達している状況が継続していること,また距離のある西部地域で利用が困難であることからも,引き続き第8期において1か所の整備を計画に位置づけています。次に,小規模多機能型居宅介護です。こちらは施設への通いが中心となり,その中でも利用者の方の様態,機能に応じて随時自宅への訪問,施設への宿泊なども組み合わせてサービスを利用することができ,中重度になっても在宅での生活が継続できるよう支援するサービスになっています。こちらも引き続き1か所の整備について,第8期計画へ位置づけています。最後に,定期巡回・随時対応型訪問介護看護になります。このサービスは,重度者の在宅生活を24時間体制で支えるサービスで,日中,夜間を通じ,訪問介護と訪問看護の両方を提供し,定期巡回とともに利用者からの通報に随時対応するものです。市内対応介護保険サービス事業者を対象に行った調査では,新規利用についての相談,要望がありましたので,現在,調布市において不足しているサービスの1つに挙げられています。こちらは第7期計画中に開設を位置づけていませんでしたが,令和3年度4月より既存の1事業者が休止となっています。整備につきましては1か所,第8期計画への位置づけをしているところです。次に,9ページ,こちらは介護保険事業の円滑,適正な運営について,第7期計画に位置づけた取組です。中段左側,自立支援,介護予防,重度化防止に向けた取組につきましては,地域支え合い推進員の配置,認知症サポーターの要請,介護予防,活動の普及啓発の取組のほか,グループホーム連絡会の開催や介護支援専門員に対する研修などに取り組みました。その右側,給付の適正化,質の向上に向けた取組については,東京都が定める介護給付適正化計画を踏まえて,サービスが適正に提供されているかについて,事業所への実地指導をはじめ,各種取組を行っています。介護給付の適正化につきましては,介護給付を必要とする受給者を適切に認定し,受給者が必要とする過不足のないサービスを事業者が適切に提供できるよう促すこととされています。その下の介護保険制度の円滑な運営につきましては,各種団体との連携,研修実施によるサービスの質の向上に取り組んでいるほか,サービス利用者への分かりやすい情報の提供,介護保険サービスの利用料の負担軽減の実施,介護保険制度の改正の対応などに取り組んでまいりました。  また,感染拡大の防止のため,各種活動を休止,自粛する一方,介護保険サービスでは十分対応ができない見守りや安否確認に取り組んだほか,増える熱中症の予防などに取り組んだところです。10ページ,令和2年度給付の適正化と質の向上に向けた取組です。介護給付の適正化につきましては,先ほど御説明したとおりです。(1)の事業者支援業務(研修会の実施)につきましては,新型コロナウイルス感染症拡大のため,令和2年度は実施を見送りました。(2)の適正化事業の実施状況は,要介護度認定の適正化について,全国一律の基準に基づいた要介護認定が適切に実施されたことを目的とした令和2年度に,調布市では,厚生労働省,要介護認定適正化事業の活用基礎情報に基づき,審査判定データ,市の被保険者の傾向,審査会における判定の傾向の分析内容等を委嘱時に審査会委員へ提示し適正化につなげました。ケアプランの点検については,保険者と介護支援専門員が協力してケアプランの点検を定期的に実施する事業です。住宅改修等の点検については,受給者の実態にそぐわない不適切,または不要な住宅改修,福祉用具の利用を配慮した上で,適切な住宅改修,福祉用具の給付がなされることを目的としています。住宅改修の点検を通じて,利用者の生活動作の充実が促進され,利用者の希望する生活の実現に向かっているかを確認するところです。こちらは,新型コロナウイルスの感染症の拡大,感染防止の観点から,令和2年度は実施を見送りました。次に,医療情報との突合・縦覧点検です。こちらは報酬請求が誤っている可能性の高い事業所に対し,確認と適切な処置を行い,適切な報酬請求を促すことを目的としています。令和2年度は5帳票を実施しています。次に,介護給付費の通知です。これは受給者や事業者に対して適切なサービス利用を普及啓発するとともに,介護給付適正化を進める目的や意義を保険者と共有することを目的とし,令和2年度は1回送付しました。(3)の実施指導の実施状況です。調布市では,介護給付費の費用の請求等につきまして,法令通達及び市が別に定める指導に係る基準に照らし,必要に応じて助言,指導を行い,または是正の措置を講ずることで,利用者保護,サービスの質の確保,給付の適正を図っています。  新型コロナウイルス感染拡大防止のため,令和2年度につきましては,3件の実施となりました。こちらは令和3年度においても継続して実施しており,また令和3年度は,ウェブサイト上での動画配信による集団指導の試みを10月に予定しています。内容につきましては,通所介護事業所向けとしていますが,制度改正の内容や科学的介護情報システムに関すること,給付解釈に関する内容を予定しているところです。次に,11ページ,介護支援専門員調布連絡協議会,介護保険サービス事業者調布連絡協議会の開催状況です。こちらもやはり新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から,開催を見送りするケースもありました。また,認知症高齢者グループホーム連絡会,認知症対応型通所介護事業者連絡会につきましても,同じく新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から開催を見送りリモート協議などを行っています。次に,12ページ,こちらは介護保険料についてです。(1)第1号被保険者,65歳以上の人数についてまず説明します。令和2年度につきましては5万1,611人,前年度比でプラス356人,プラス0.69%となっています。(2)の介護保険料の調定額及び収納状況です。アの現年分保険料の調定額ですが,これは予定される保険料収入の金額のことで,令和元年度,2年度とも65歳以上の被保険者が増加していますが,調定額は表のとおり減少しています。これは低所得者への保険料軽減措置を段階的に実施していることから,調定額が減少しているものです。保険料の賦課は,所得金額や世帯状況により14段階に分かれていまして,低所得の第1段階から第3段階までの方に対して,図表11のとおり,軽減措置を実施しています。次に,イの滞納繰越分の状況です。こちらは1年以上の納付が遅れている保険料の滞納状況についてです。年々調定額が減少し,滞納金額が圧縮されているのが分かります。介護保険法では,被保険者が保険料を滞納すると,その方の介護保険の給付が制限される仕組みで,給付制限は,状況に応じて3つの処分に分かれています。まず,1年以上滞納しますと,サービス利用者の支払い方法が償還払いとなりまして,一旦,利用料のサービス費全額10割を自己負担分として支払わなければなりません。次に,1年6か月を滞納しますと,申請すれば支給されていた保険給付の額の一部,または全額が差し止めとなってしまいます。そのまま介護保険料を納めないでいると,差し止められている滞納分の介護保険料が差し引かれることになります。最後に,2年以上滞納された場合ですが,期間に応じて保険給付に制限がかかり,介護サービス費の自己負担割合が3割,3割の方は4割に引き上げられます。また,高額介護サービス費等の支給にも制限がかり,制度を利用できなくなります。  このように,保険料を納めないでいると,給付の制限がかかってしまいます。適切なサービスの利用が金銭面で困難になるケースや実際にお使いになるときに大きな負担になってしまい,サービスの利用を躊躇してしまうこともあり得ます。我々は,保険料をお納めされない方につきまして,この点について強くお伝えしているところです。  図表の13,新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことによる減免措置です。新型コロナウイルス感染症の影響により,収入が減少した第1号被保険者で,国基準による介護保険の特例減免を受けた方になります。前年度の年収に比べて,新型コロナウイルス感染症の影響で3割減少,もしくは新型コロナウイルス感染症による主たる生計者の方がお亡くなりになられた場合に,保険料を減免する制度です。令和2年度は68人,486万8,100円の減免を実施しました。被保険者の殆どは年金収入の方なので,新型コロナウイルス感染症による収入面の影響は出にくい状況にありますが,お仕事をされる方もいらっしゃることから,表のとおりとなりました。  最後に,図表14,令和2年度当初の所得段階賦課状況でございます。これは令和2年度当初の介護保険料の所得段階の対象者内訳,基準に対する割合,保険料,人数,人数割合,所得段階別調定額とその割合となります。一番人数が多いのが所得段階の第1段階,9,650人,被保険者の約19%の方が低所得者層の段階となります。次に多いのが第7段階,6,975人で13.5%,金額階層では一番多く,全体の17%になります。  介護保険事業についての説明は以上となります。 【意見交換及び質疑応答】 ○会長  今回も介護保険料が上がりましたが,高齢者比率は全国と比較して決して高くはないものの,そもそも絶対数が増えていくということで,介護保険料が上がるということは致し方ないとは言え,それを市民の方にコミットしていただく必要があるという意味で,説明いただきました。  調布市の特徴としては,要支援1,2等,早めに介護申請をしていただいて,それが承認されて,早いうちから地域の皆さんに関わって,特に要介護4,5が少なくなるよう,頑張っているということと,要支援1,2に関しては,地域包括支援センターの方が関わってくださることで,地域とつながっているという安心感をいただいているということと,たくさんのいろいろな施策も取り組んでいただいているということで,これからも地域を守っていく体制であるということになろうかと思います。他市と比較してはいけないのでしょうけれども,私も医療をしていて,特に病院だと他市の患者さんも入院されますが,調布は患者様が退院して地域にお帰りになるときに,施設の方も,ケアマネジャーさんも,訪問看護も,本当にすっと受け止めていただいて,長く患者様が病院にとどまることがない感覚がすごくあります。入院すればするほど,長くなればなるほど帰れなくなる患者様が多いのですが,調布市の皆さんは,早めの退院でも皆さん受け止めてくださる,非常にいい地域だなというのは,病院医療をしていても実感しています。   3 その他   事務局より事務連絡     4 閉会 - 8 -