令和3年度 第3回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨        令和3年11月18日(木)午後6時30分から    調布市グリーンホール 小ホール 1 開 会 2 議 題 (1) 地域包括支援センターの担当圏域の見直しに関する現状報告 (2) 介護予防事業,生活支援体制整備事業について 3 報告事項    地域密着型サービスの基盤整備について 4 その他 5 閉 会 1 開会   欠席者の報告。配布資料の確認。 2 議題 (1)地域包括支援センターの担当圏域の見直しに関する現状報告(資料3-1にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  地域包括支援センターの担当圏域の見直しに関する現状報告をいたします。  福祉圏域の話に入る前に,調布市の計画の体系について説明します。高齢者総合計画は,調布市基本計画に基づき高齢者福祉を推進するために策定するものです。調布市総合計画を最上位の計画とし,保健福祉に関する他の分野別計画,調布市高齢者総合計画,調布市障害者総合計画,調布市民健康づくりプラン,調布市子ども・子育て支援事業計画を地域という視点で横断的につなげるとともに,調布市福祉のまちづくり推進計画とも連携を図り,地域福祉の理念や仕組をつくっています。  関連する計画のうち,調布市地域福祉計画,調布市障害者総合計画,調布市高齢者総合計画を「福祉3計画」と呼んでいます。計画の策定に当たっては,これら高齢者以外の分野別の計画とも整合を図って策定しています。本日説明する福祉圏域については,福祉3計画中にうたわれていますが,このように他の計画とも連携しており,統一することになりました。  これまでの圏域設定についてです。福祉分野では,生活保護や障害福祉,高齢福祉の担当ケースワーカーの地区割が異なっていました。一方,地域づくりを担うコミュニティ施策分野では,小学校区を基礎とし複数で構成される8つの圏域,中学校区規模で整備されています。福祉分野においては,様々な区域が混在し,このままでは地域の住民が様々な部署から同じような内容の取組を求められるなど効率的な地域づくりに支障が出るおそれがありました。  市では,持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律が施行された翌年,平成26年度から新たな福祉圏域の設定に向けた検討を進めてきました。最終的に10圏域とするか,8圏域とするかで意見が分かれましたが,市のこれまでのコミュニティ施策との整合を図り,今後の事業の継続性を保つため,小学校区を基礎とし,複数を組み合わせた8つの圏域に決定しました。  第7期高齢者総合計画から,多問題を有する個人や家庭が抱える福祉課題に対応するため,専門機関等の担当エリアの整合及び地域での顔の見える関係づくりを行うことを重視しています。より重層的な支援による解決が必要となることから,福祉3計画の圏域の整理,統一化を図り共通の福祉圏域としました。  2025年に向けて,地域密着型サービスにおける基盤整備については,介護保険事業計画において,サービス基盤整備を進める上で目安とする区域として,日常生活圏域を第6期までの4つから8つの圏域にし,住み慣れた地域で自分らしく最後まで生活する地域包括ケアシステムの理念の下,介護保険サービスの全体のバランスを考慮した上で基盤整備を進めてきました。  再編した新たな福祉圏域の例として,これまでの地域包括支援センターつつじケ丘の担当エリアは3つの福祉圏域にまたがっていました。地域包括支援センターは,包括的・継続的なケアマネジメントを行う機関としての役割や,地域の問題解決や地域資源に係るコーディネーターとしての役割を担っています。地域の課題は福祉分野のみでは解決できません。分野を超えた連携,チームアプローチが必要です。これまでの地域包括支援センター担当エリアでの体制整備では,顔の見える関係づくりが大変でした。よって,地域支え合い推進員,生活支援コーディネーターや地域福祉コーディネーターとも連携しながら新たな福祉圏域での地域づくりを進めていきます。  新たな福祉圏域におけるこれまでの地域包括支援センター所在地については,担当地区を福祉圏域に統一することにより,それぞれの福祉圏域に地域包括支援センターができ,より身近な場所で相談が可能になりました。福祉3計画共通の福祉圏域の考え方を踏まえ,新たな福祉圏域内に1か所以上の地域包括支援センターを設置し,令和2年度から順次引継ぎを行って令和3年4月から新たな圏域で始動しています。民生児童委員や地区協議会などとは今まで以上に連携を強固にし,顔の見える関係性を築いています。地域包括支援センターの立地に関しては,京王線からのアクセスが悪い場所もありますが,市内路線バスの利用によりアクセスできます。東西南北公共交通機関を利用することでアクセス可能であることが調布市の特徴と言えます。  担当地区の再編により変わった点は次の3つになります。1つ目は,全ての福祉圏域に地域包括支援センターが設置され,令和2年度までに移転が完了し,より身近なところで相談が可能になりました。残念ながら一部の地域,今まで福祉圏域内に3か所の地域包括支援センターがあった地域においては,以前の地域包括支援センターのほうが自宅から近く,再編されたことで遠くなったとの意見もいただいています。地域包括支援センターは高齢者の相談窓口であることから,自宅を訪問して,ご本人の日常生活における困りごとの相談に乗っています。地域包括支援センターに来所して相談するには遠くても,包括職員が自宅を訪問して,実際の生活やご本人の状況を確認しながら適切な支援につなげることができます。  また,今回の圏域の再編により,コミュニティが統一され,他機関連携による重層的な支援を受けられるようになります。重層的な支援については,後ほど生活支援体制整備事業で説明します。  2つ目は,住み慣れた地域で小学生が成長して大人になっても,地域関係者や各種相談機関が決まっていることで,安心してつながりを持って暮らし続けることができます。複数の小・中学校では,地域包括支援センターが行う認知症サポーター養成講座を授業のカリキュラムに取り入れていただいています。このような取組により,地域の方が認知症を理解することで,優しいまちづくりの実現につながり,さらには,家族が介護で困ったときの相談先を知ることができます。  3つ目は,福祉関係の圏域の統一についてです。高齢者,障害者については,令和3年度から統一が完了し始動しています。問題が多岐にわたる方についても,同じ地域の他職種の専門職がタッグを組んで問題解決に取り組むことにより,連携しやすく重層的な支援を行うことができます。特に社会福祉協議会の地域福祉コーディネーター(CSW)や,地域支え合い推進員(生活支援コーディネーター)との連携が深まり,地域の特性を活かしたネットワーク構築が進められています。新たな福祉圏域での活動は始まったばかりですが,地域のつながりを強化し地域包括ケアシステムの推進を図っていきます。  ここからは,実際に地域包括支援センターで活躍されている副会長から,圏域の再編によって変わった点など現場のお話を伺います。 ○副会長  令和3年4月から新たな圏域になりましたが,その半年ほど前から,変更前に担当していた地域包括支援センターから,予防プランを立てている方,問題のあるご家族,様々な問題を抱えている方などについての引継ぎ等を行ってきました。今までは,1か所の小学校区に2つの地域包括支援センターがあったりして,地域の夏祭りや行事,地区協議会に参加するのにもちょっと遠慮して,責任を持って地区協議会の会議に参加するといったことがあまりできなかった感じがします。また,地域包括支援センターではいろいろな問題があるときに,他の課,例えば障害福祉課や生活福祉課と連携して動くのですが,課によって下石原の3丁目はこの相談員さんで,2丁目とは違う方,どっちがどっちの課の相談員さんだっけということもありました。圏域の見直しにより今は統一され同じような感じででき,それぞれの地域でチームに分かれてやっていくということもありまして,連携もとりやすくなってきたと感じています。  さらに,民生児童委員さんも地区が分かれていますが,そういった地区分けでも,一緒ではない地域もありまして,平成18年に地域包括支援センターができたときには,ご不満もいただいていました。今回圏域が見直されたことで,地域包括支援センターも民生児童委員さんとの連携の懇談会とか,それから,社会福祉協議会のCSWや地域支え合い推進員そういった方との連携も深くできるようになってきたと思っています。  地域の方と顔が見える関係を築くため,相談窓口としてまずは地域包括支援センターを健康なうちから知っていただくことも必要になってきたと最近は感じています。介護予防や自分の健康を維持する,いつまでも健康でいられるようにするといった働きかけも,平成18年のころと比べるとだいぶできてきていると思います。これから地域包括支援センターがもっとよくなるためのご意見やご感想がありましたらお願いします。 【意見交換及び質疑応答】 ○モニター員  まず確認したいのは,地域包括支援センターの担当圏域の見直しに関する現状報告ということですが,要は完成したのでしょうか。それとも,まだ計画があるが,その時期は来年度とかということなのでしょうか。あるいは,現在もまだ整理が必要な地域があるのでしょうか。それが1つ目の質問です。 ○副会長  各地域に必ず地域包括支援センターがありますので,新しい圏域で相談を受けている形になり完成しています。3月末で完全に引継ぎましたので,4月から新しい体制でやっています。 ○モニター員  資料3-1のこれまでの圏域設定にあるとおり,各課の担当地区がイコールではないというのがあります。私も親の関係で経験がありますが,とにかく地域包括支援センターの方に相談に乗っていただければ,後は地域包括支援センターの人がいろいろ手配してやってくれるので,市民から見れば,その地域包括支援センターの人がいればいいのです。しかし現実に行政では,実際回そうとしたときに,このことはこの人とかエリアが違うとか何かあったのでしょう。それを例えば表にしてみると分かると思うのですが,きれいに担当が全部収まっているのでしょうか。  例えば,私は入間町〇丁目ですが,「地域包括支援センターはここで,社会福祉協議会の関係なり,市なり,入間町〇丁目の人は,この体制です。」とやると,入間町というところが整理された結果を見たことがないのです。整理したという報告はあるが,それできれいになって,そういうことについての,どちらかというと,先程申したように,地域包括支援センターの方がいれば,市民からは良いのですが,その後ろで地域包括支援センターも含め関係機関サイドの連携がしやすいかしにくいか,入り組んでしまっていてどうとか,そういう課題は片づいていますよね,というのを確認させていただきたいというのが1つです。 ○事務局  今のご質問ですが,正確に言うと,完成しているのはあくまでも高齢福祉の分野において8つの福祉圏域に地域包括支援センターの配置が終わりました,それぞれの圏域に1つずつ地域包括支援センターが配置できましたというところまでです。実際は,他のケースワーカーの地区ですとか,民生児童委員の活動地域ですとか,そういったものは今まだ異なっている状態です。モニター員がおっしゃったように,全ての圏域で担当者が定まって,例えば誰がどこへ相談に行っても全部がつながっているという状況がまさに理想的だと思います。そこを目指して今,市の中で調整を図っています。今は,高齢福祉担当で配置している地域包括支援センターと,地域づくりに関わる地域福祉コーディネーターですとか,第2層の地域支え合い推進員,まずは,地域をつくるところの分野について揃ったところです。ただ,個別のケースワークに関わるところは,まだ課題があるというのが現状となっています。 ○モニター員  資料3-1他計画との関係にあるとおり,いろいろな計画や施策を打っていくから,当然いろいろと違ったり,ずれがあって当然なのです。ただ,そういうのがあるとやりにくいというのが行政サイドの中でもあったのだと思いますから,それが横串をしたこの図で,これ以外のものも本当はいっぱいあると思いますが,地域福祉に関して,この後も進めていただければと思いました。最後に1つだけ質問したいのですが,圏域を見直したことによって,地域包括支援センターの人の数は増えたのでしょうか。見直しによる何か増減があって,それが市の財政上,増加する要因になったのでしょうか。 ○事務局  もともと地域包括支援センターは,調布市内に10か所ありました。これを8つの福祉圏域に分けて,それぞれメインの担当を決めたのですが,2か所については,今,サブセンターという形で残っていますので,トータルの数としては10か所で変わっていません。人員の増減についても,これまで同様,第1号被保険者の数に応じて職員を配置していますので,その辺の増減はないという今までと変わらない状況です。 ○内藤顧問  この圏域の見直しは,かなり画期的なことだと思うのです。行政は一回区割りを決めると,いろいろな圧力があってなかなか変えられないのを,この早い時期に変えて,この4月から始めたというのは非常に画期的なことで,他の分野と協力して支援しなければいけない。それは高齢者の相談であっても,障害者の施策とか生活保護,あるいは子どもの政策とかいろいろなものを含めて複合的に支援しなければいけない,重層的支援というのが始まるタイミングに非常にマッチして,先程,課長から説明があったように,高齢者の相談に行くとうまくマッチする。他はどうなるかということはまだあると思うのですが大変評価できることなのだと思います。 ○委員  今伺って,これまでの10か所の地域包括支援センターが8か所になって,2か所はサブセンターで残るというお話しでした。このサブセンターがずっとそのままサブなのか分かりませんが,やはり窓口が身近にあることはすごく大事なことだと思いますので,将来,サブセンターのないところにも増やすこともあろうかと思うのです。  介護保険事業は言葉が複雑で非常に分かりづらい点がありますので,こういう窓口が多いほうが良いように思います。サブセンターのメリット,デメリットを検証しながら,その結果をどう活かすかということをぜひやっていただきたいと思います。住民からすれば,窓口が減るとか,広域になって,例えば隣の地域包括支援センターのほうが近いのであれば,そこに行ったら,その情報がきちっと担当包括のところに行って,訪問をしてくれるという話も出ていましたが,あえてあちらの方に行きなさいと言わなくてもちゃんと訪問するとか,そういったことのほうが望ましいと思いますので,意見だけ申しあげました。 (2)介護予防事業,生活支援体制整備事業について(資料3-2,3-3,冊子にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  私から介護予防事業と生活支援体制整備事業の一部について説明し,最後に,第2層の地域支え合い推進員から地域の事例を発表します。  私が話す内容は,高齢者総合計画の53ページから64ページまでの3か年計画の1年目ということで,現状の説明をします。  資料3-2の2ページ「1.10筋体操グループの現状」についてです。皆さんもご存じのとおり,市では介護予防の1つの大きな柱として,10筋体操を市民の方に勧めています。計画上でも自主グループを地域にどんどん作っていくことや,そういうところへの支援を地域支え合い推進員や,地域包括支援センターの職員さんと一緒になって進めています。今日参加いただいている方の中にも地域活動をされている方がいらっしゃいますが,今般のコロナで,この2年間はなかなか地域で活動できないなという状況が起きています。2ページの表をご覧いただくと,コロナ前の2019年ぐらいの数字になりますが,約36団体で500人弱の方が参加していました。こちらの計画上では,令和3年3月31日時点だと38グループになりますが,グループとしては存在を認識していたものの,実は活動していなかったということがあり,10月頃に地域包括支援センターにもご協力いただき,実際の活動団体数について調査しました。結果は,33団体,参加者400人弱と,予想通り減っていました。ただ,最近では,コロナの新規感染者が減ったことや2年間活動が全然できなかったということもあり,新規グループの立ち上げがぽつぽつと出てきています。感染者数が減っているとはいえ,やりたいという人たちと,いやいやまだちょっと危ないでしょうという人たちとの2極化も激しくなり,特に屋外に出てこられない人たちへのアプローチが今の課題と認識しています。  3ページ目をご覧ください。「2.常設通いの場スタートアップ補助事業」についてです。今年の4月から始めた事業になります。市では,10筋体操を進めていますが,体操をやるから集まれと呼びかけて集まる方はそう多くはありません。  そこで,より多くの方を巻き込む方策を社会福祉協議会や地域包括支援センターと一緒に考える中で,文京区の「こまじいのうち」という居場所づくりや,新潟市の「地域の茶の間」という居場所づくりをヒントに,体操をやったり,茶話会もやったり,歌を歌ってみたり,食堂もやってみたり,カフェをやってみたり,食を通じての社会参加をやってみたりと,複合的な通いの場が調布市でも作れないだろうかという考えに至りました。  その後,調布市でも先進事例に似たような居場所づくりに取り組む方々と出会えることができ,現在,2団体にこの補助事業を活用し,その活動運営を支援しています。市としても,さまざま支援を通じて,これらの居場所を各福祉圏域に作っていきたいと思っています。  2団体のうちのひとつ,4ページ目「仙川POSTO」は,20代から30代の男性3人が自分たちの稼ぎや寄附金,クラウドファンディング等でお金を集め,副業で運営しています。そこに,社会福祉協議会や地域包括支援センターが連携し支援している,そういった団体になります。  もうひとつの「しばさき彩ステーション」は,地域の多世代が交差して,お互いに自分の住んでいる地域に関心を持てる,そんなかかわりができる居場所を目指して活動している団体です。こちらは3分程度の動画が「ちょみっと」というファンサイトで見られます。  本事業は,住民から相談を受けて,専門職に繋ぐことのできる相談体制を有する常設の通いの場に対して,立ち上げや運営に係る費用の一部を補助する形になっており,スタートアップの2年間に限定して,市・社会福祉協議会が協働可能な人材・団体の発掘・育成を目指すという点に特徴があります。さらに,年齢,対象を問わない常設の通い場を整備することにより,多世代交流が促進されるだけでなく,地元企業との連携や,空き家・空き店舗対策,そういった方面にもつながるのではないかという意図を持ってこの制度を作りました。  4ページ目と資料3-3をご覧ください。「3.つながり創出による高齢者の健康増進事業」についてです。今年10月から,調布市と電気通信大学,アフラック株式会社との産学官連携により,デジタルを活用した子ども・若者を巻き込んだ高齢者の繋がり創出,デジタルデバイド(デジタル格差)の解消や健康寿命の延伸といった高齢者自身の幸福度の向上を目指す事業を開始しました。その手始めに,エリアを限定して,高齢の方に向けた健康長寿の実態調査のためのアンケート調査を来年1月以降に実施し,その結果分析を踏まえて来年から実証実験に繋げていくことを計画しています。  資料3-3の裏面,項目番号7に,デジタルリビングラボなる言葉があります。この実験の先に,先ほど説明した通いの場にデジタルを通じて集えるような居場所も作っていきたいという企画になっています。また,実証実験をするに当たり,項目番号6のデジタル機器及びデータの活用などというところでは,スマートウォッチを使ってみたり,タニタの体組成計とか,オムロンの血圧計,また認知機能というのはエーザイの機器を使ってみたり,食事に関しては,ベジメーターといって,手をかざすだけでその方の野菜の摂取量が分かるという,そういった機材を使って高齢者の健康状態を計り,良い状態に向かわせるといった企画になります。  介護予防については,3つの話をさせていただきました。1つ目として,10筋体操の現状。2つ目として,常設通いの場をこれから徐々に作っていくこと。3つ目として,産学官連携により,地域全体で介護予防を進めていくこと。その中には,今非常にキーワードになっているデジタルを使って進めていくといった話でした。  続いて,「4.生活支援体制整備事業」について説明します。お手元にある冊子「令和2年度調布市生活支援体制整備事業報告書」に基づいて説明します。まず,第1層地域支え合い推進員の報告として,セカンドライフ応援キャンペーンの展開,企業CSR活動と地域活動のマッチングということで,スマートフォン講座について説明します。冊子の15ページから16ページ,セカンドライフ応援キャンペーンです。こちらは開始して4年ほど経ちますが,初めて聞く方もいらっしゃると思いますので,簡単に説明します。  セカンドライフ応援キャンペーンは,高齢者が自立した生活を送ることができるよう,企業,地域団体等が行う独自の支援,サービス,地域活動等を集約し,公表するキャンペーンです。多様な取組等を集約し,見える化することで,その取組を必要とする人とのマッチングを支援することができます。また,多様な取組を行う企業等とのネットワークを構築することで支え合いの地域づくりを推進していきます。報告書上では93団体の登録となっていますが,令和3年度に入り,106団体まで増えています。取組の内訳を見ると,見守り活動が非常に多いですが,最近では,場所の提供や地域貢献したいが何ができるか,という問合せが多くなっています。一部上場企業をはじめ,企業サイドでもSDGsであるとか,持続可能な発展といったところで,大きな企業であればあるほど,地域のことを考え,地域に還元するという流れになっており,そのような問合せに対していろいろな企業と話しをしているところです。  それとは別に,最近の事例ですと,新聞販売店の組合に対して我々からアプローチして,市内全部の販売店に入りませんかと投げかけました。現在,半分ぐらいから協力するとの返事をもらっています。見守りについては,これまでも新聞販売店の各店舗で行っていただいているのですが,それを協定という形で一緒に行う,タッグを組むという形で進めています。企業側と行政側の双方でアプローチを行っています。  次に,2つ目のスマートフォン講座についてです。4ページ,5ページをご覧ください。ソフトバンクと連携して,無料で令和2年度11回の講座を開催していただきました。開催にあたっては,社会福祉協議会のCSWや地域支え合い推進員がいろいろ手配し,ソフトバンクと共に受講者集めも行いました。報告書のとおり,11回で216人の方に参加いただいています。  現状,高齢者の方でもおよそ半分の方がスマートフォンに乗り換えているのですが,いざ使うとなった時に使い方が分からないといった困り事が多く,今回のワクチン接種や給付金では,スマートフォンやパソコンを使わないと予約ができない,電話では全然つながらないようなことがあり,スマートフォン等のIT機器を否応なく使わざるを得ない状況が高齢者において課題となったため,この講座に対する関心が非常に高いです。  この推進協の委員がいらっしゃる調布市地域情報化コンソーシアム(CLIC)でも,令和3年度はスマートフォン講座を開催しています。市報で募集した途端,2日で満員になる,それが200人単位ですぐ一杯になってしまう。満員で予約ができないという問合せも市にいただいている状況です。  ただし,講座に参加しても,普段からスマートフォンをあまり使わない方が多いので,講座を1回,2回受けただけでは,習得できることも限定されますし,家に帰れば結局使わないといった問題点があります。そこで現在,スマートフォン講座に参加された方同士で,LINEグループを作り,「2週間に1回連絡を取り合いませんか」といった仕掛けも社会福祉協議会と進めています。結果がすぐに出ることではありませんが,どのような形でも継続して行っていただけるよう,それも自分たちで活動されるグループ,サークル化を目指して進めているところです。  この後は地域の事例として,地域支え合い推進員から「高齢者の地域交通をみんなで考える」,「助け合いの仕組を地域で考える」について報告します。 ○地域支え合い推進員  冊子の7ページをご覧ください。私からは,「高齢者の地域交通をみんなで考える」,地域交通ふれあい号について報告します。  令和2年の秋,コロナ禍により利用者が減少したバス会社の減収を受けて,北路線が大幅に減便されました。この減便により,遠くのバス停まで歩けない高齢者はどうすればいいのか,外出機会が減るのではないか,介護予防の観点から心配だという声が上がり,以前から活動していた住民団体の方と検討を重ねることになりました。困っている人はどこにいるのか,その方はバスを利用してどこに行っていたのかなど,それぞれがニーズを集めることにしました。  その中で,クリニックにバス通院をしていた一人暮らしの高齢者がいること,野ケ谷の郷でボランティア活動を行っていた高齢者が,活動場所に行くのに困っているという話がありました。地域支え合い推進員としては,社会参加が減少すると,自宅にひきこもりがちになること,フレイル予防の機会も減ってしまうことを考えました。  今回の地域は,今まで地域の中で助け合いや見守りが行われていたため,声が届きにくい高齢者の方のニーズを聞くことができ,そのニーズに対して何を目的に活動すればいいのかを考えていきました。他市の事例を参考にしたり,既存のサービスが活用できないかなど,何度も皆さんで集まって意見交換を行いました。  8ページ,地域のデイサービス事業所の方に,バス減便で困っている高齢者がいることを相談したところ,協力できると言っていただき,地域貢献としてデイサービスで利用していない時間帯に車両を無償で貸していただくことになりました。高齢者施設と地域団体がマッチングできたことで,話合いが進みました。不特定多数の利用ではなく,活動時間や曜日が決まっている野ケ谷の郷でボランティア活動に参加されている高齢者の送迎から始めました。資金や保険など,課題の解決に向けて話し合いを進め,保険の契約や助成金の申請を行うことができ,試運転が開始されました。  10ページ右下の写真のとおり,フェルトで作った手作りの「ふれあい号」がこの車の表示になっています。安全確保の観点から,ボランティアも同乗すること,また運行ルート,頻度については,週に1回,土曜日の運行を行うことで話がまとまり,活動の名前も「地域交通ふれあい号」と決め活動が始まりました。ふれあい号の担い手も負担にならないよう,つながりのあるボランティアスタッフにより送迎が開始されましたが,そこに一緒に来ている,今まで知り合いでなかった新しい方とのつながりが生まれて車の中で情報交換を楽しめる雰囲気で運行しています。  今後,地域交通は変更していくことも考えられます。そのときのニーズに合わせて検討していきたいと皆さんで話しています。支える側,支えられる側ではなく,できることを助け合う地域活動に発展しています。まだこの活動は継続しているもので,今後どのようにしていくかは皆さんと検討している次第です。 ○地域支え合い推進員  次に,冊子11,12ページ,「『助け合い』の仕組を地域で考える~たまの手~」の報告をします。  たまの手は,猫の手も借りたい,貸したい,それから多摩川住宅の「多摩」を取って名付けられた住民による助け合い活動になります。きっかけの部分ですが全部で3つ挙げています。年度で区切られた活動ではないため,足かけ3年ぐらい,いろいろなきっかけを経て今があります。令和2年度のコロナ禍では,これまでは得られていた市外に暮らす家族や親族による生活の手助けが外出自粛により受けにくくなり,地域の中での支え合いがこれまで以上に必要な状況となりました。それより以前は,令和元年度から推進する「第5次地域福祉活動計画」の調査を通じて聞かれたシニア世代の活躍の場が必要,これも1つのきっかけになりました。そして,市が行った住民懇談会にて,退職したシニア層が活躍するマイスターのお店が欲しいといったアイデアも1つのきっかけでした。  現状の確認ですが,たまの手の活動が開始された染地3丁目にある多摩川住宅は,調布の最南端にある3,800戸を超える大型団地です。調布市,狛江市の2市にまたがり,小学校の圏域も大きく3つに分けることができます。建設後50年を超えており居住する高齢者の数は多く,高齢化率は市内でもトップクラスと言えます。全6号棟が自治会や管理組合を組織し,それぞれがイベント,サークルを持ち独立して活動しているため,当初,お互いさまの活動は自分達でやれているよという声が多くありました。地形上の特徴としては,調布駅,布田駅,国領駅など,どの駅に向かうにも坂を上らないといけないような地域にあります。また,建物も古いため,5階建ての住宅にエレベータがないというのは大きな特徴と言えます。  地域支え合い推進員が聞き取ったニーズは,配置されてからの3年間を通してアウトリーチして聞き取ることができたものになります。自分なりに転機になったと感じるのは,号棟の全戸訪問,団地まつりへの休憩ブースの出展,防災まち歩きなどです。また,生活に困窮する方の支援を通じて,我々に相談をしてみようという住民の方の信頼を得ることができたと自負しています。  資料には,多摩川住宅の調布側に存在する4つの管理組合,自治会からそれぞれ聞き取った内容が記載されています。65歳を過ぎても技術を持つベテランが多くいるため,ベテランの活躍する場を作りたい。また,困っている世帯や個人へ自治会側から声をかけるのは限界があるため,自分から手を挙げられる仕組の一助にしたい。さらに,高齢者のみ世帯,一人暮らし高齢者が増える昨今,ちょっとした生活のお手伝いのような仕組があったらいい。最後に,今後団地の建て替え工事もあり,軽作業やちょっとした荷下ろしのお手伝いなどの必要性が考えられるのではないかというのが,それぞれの号棟の管理組合や自治会さんから聞かれました。  これらは,3年間の間で同じタイミングで出てきたものではなくて,1年目に聞かれたものもありますし,最近になって教えていただいたニーズもあって,やっと4つ揃ったという感じでした。この4つが揃ったときに,この問題を号棟として捉えるのではなく,多摩川住宅1つとして考えていく必要があるのではないかということを提案し,協議体という形で会議を行ってきました。  聞き取ったニーズはあったのですが,地域に働きかけをする中では,今一つ機運が高まり切らない,共感が得られない状況があり,それが何かといいますと,娘や息子,孫,親しい親族が助けてくれているから,今はあまり困っていないという人たちが一定層いたため,なかなかみんなの問題として捉えられない状況が続いていました。ここで,先ほど言った新型コロナウイルスによる外出自粛ですとか,外に出られないという状況が起きたことにより,親しくしていた親族の方が駆けつけられなくなり,一部の人の悩みだったことがみんなの悩みに変わったのが,今年度この活動がすごく活発に動いたきっかけだったと思います。  取組を考えるに当たっては,住民の方々からは一抹の不安も聞かれましたが,機運が高まったこともあり,やらないほうがいいと反対される方はいらっしゃいませんでした。資料には,不安に考えられた点やニーズの実現に向けてというところを書きました。  話し合いの場を設け,関心を持ってくださった方,現状に共感してくださった方,地域の住民の方々と意見,アイデアを交換する中で,活動中のケガや誤って物品を破損したときの弁償,活動資金の調達方法等が話し合われました。資料に書き切れませんでしたが,他にも,利用料の徴収の有無を長く話し合いました。また,この活動はそもそも何を目的とするのか,対応できないときはどうするのか,一番大切にすべきことは何か,こんなことがたくさん話し合われました。こういった皆さんの不安なことや一つひとつの格言を活動理念に収めて作成するよう働きかけました。一部紹介しますと,1つ目に営利目的ではないことを示しています。そして,7つ目には,手伝ってもらうとお礼に何か渡さなくてはいけないと思っている,そういう方に安心して利用してほしいと書いています。このため,利用料は10分100円を目安として,あとはその方のお気持ちという形で受け取ることにしました。これを決める上では,印象的なエピソードとして,自分で電球を替えられない高齢の方が,替えてもらったお礼に自宅からパルコまでバスでお礼の品を買いに行ったということがありました。体が自由に動くわけでもないのに,お礼を買いにわざわざパルコまで行くというのは,電球の交換がどれだけ大変なことなのかということが比較されたケースでした。  私の働きかけの2つ目として,先ほど出ていた活動中の怪我や,誤った物品の破損については,市民活動支援センターのボランティアコーナーで同じ地域で働いている方に相談し,協力を仰ぐことで解消することができました。また,ゆうあい福祉公社が行う「ちょこっとさん」に来ていただき,サービスの提供方法を比較検討しました。初めは,ちょこっとさんがあるのにわざわざ私たちが新たにやる必要があるのかという意見もありましたが,多摩川住宅なりのやり方で実施していこうといった形で意見がまとまりました。  この他,活動を大きく推進させたものの1つとして,生活支援体制整備事業の1層のコーディネーターが行う「調布deステイローカル」という活動も経て,市内で行う有償ボランティアの活動団体などとも意見交換できたことは非常に大きかったと思います。  今後の展望としては,子育て世代や学生の方がボランティアとして活動に参加できるような働きかけもしていけたらと思っています。既に協働している慈恵医大の看護学生たちが行う「みんなの保健室」などともコラボレーションできたらいいねといったことが今話されています。  最後に,今どんな依頼が来ているかを簡単に説明します。洗濯機が防水パンからずれてしまって1人で戻せない,腰が痛くてベッドで寝たい,部屋の掃除を手伝って欲しい,退院後の介護保険の利用申請が通るまでごみ捨てを手伝って欲しいという依頼があります。また,今夏には,お使いの依頼や冬の間使用していた分厚いじゅうたんを丸めて片づけてもらえたのがありがたかったといった話もありました。他には,洗濯物を干して欲しい,粗大ごみ,多いのはソファーや本棚,本なのですが,4階・5階の自宅から1階に下ろして欲しいといった依頼が多くありました。 【意見交換及び質疑応答】 ○モニター員  いろいろな方面からのお話を伺い,本当に感心したというか,思ったことをすぐにたたき台にして話し合って,それを実際にやってみるのはすごく大変なことだと思うのですが,それをやっていただく,見える形で人が動いたり,物が動いたりすることで,高齢者の皆さんはどれほど安心したかとすごく思いました。  先ほど報告があった居場所についても,人と会わないことが高齢者の皆さんにどれだけ負担になるか。1週間前は何でもなかったのに,10日後に会ったら,夜が怖くて全然眠れなくなっていて,電気を付けたらというアドバイスをこちらでさせていただくなど,本当にちょっとしたことなのですが,それがずっと心に残ってしまって,生活に,また大きく言うとその方の人生に大きく影を落としてしまう形になるのかというのを,このコロナ禍ですごく感じています。  そのような中で,先ほど言った居場所を圏域の中に最低でも1か所作っていくのは本当に素晴らしいことだと思うし,明らかに見える形の目標になるため,そこをまずクリアしていく。また,社会福祉協議会から説明があった,誰のためということではなくて,自分の住んでいるところで自分ができることを,要は自分以外の他者のためにやるということが,いろいろな意味で地域に大きく貢献することにもなるし,ご近所含めて,自分の住んでいるところで気持ちよく住んでいく,気持ちよく人生を重ねていくことがすごく大事なのだなと思います。  私もずっと支援員をやっていて,寒くなってきたのに扇風機がしまえないということで,昨日は扇風機を一緒に分解して,お掃除をしてしまって差しあげたのですが,すごく喜ばれます。そうやって季節に置いていかれない,去年までできたことが自分でできないということがあるので,そこにこうやって光を当てていただける。みんながサーチライトを持って,1人1人を大切にしながらやっていくということに今すごく感動しました。課題はたくさんあると思うし,先ほどのふれあい号のことも今知った状況ですが,本当にそうだなと思いました。行くところがあるということは,それがたとえ病院であっても大事なことです。高齢者の方々の生きがいというか,張り合いというか,自分が生活することの意味をそこでもう一回かみしめていただける,すごく大事なことだと思いますし,また一緒にいろいろな形で考えていかれて,これをもっと推し進めていく。大変なことだと思うのですが,前に進めていくことが,まずは大きな目標になると思います。すごく感謝をして伺いました。 ○モニター員  私も,ただ今発言されたモニター員と同じような感想を持ちました。私は冊子「令和2年度調布市生活支援体制整備事業報告書」を読み感動しました。この報告書の事例1から3には,地域支え合い推進員の活動がわかりやすく説明されています。文章の構成が良く,事例2では「きっかけ」,「現状の確認」,「推進員が考えたこと」,「ニーズの実現に向けて」,「働きかけ」,「推進員が大切にしたこと」,「今後の展望」ときちんとストーリーを持ってまとめられており,説得力がありました。推進員のご苦労と,案件を解決して行った道のりがとてもわかりやすかったです。事例2の最後には,スーパーバイザー室田先生のコメントが掲載されています。そこにも「住民の声を地域支え合い推進員がしっかりと受け止め,時間をかけて準備して住民が納得する形で組織的な取組へと発展させることができたことがこの活動のポイントになります」と書かれていました。私も室田先生のご意見と同じ印象を持ちました。推進員の解決に向けての強い気持ちが関係者を動かし,応援をもらい解決できたのだと思います。このような取組は調布市にとって誇るべきもので,先ほどのモニター員もおっしゃったように,世の中に拡がって行くと良いと思いました。このような活動は,調布市民として誇りに思います。 ○モニター員  私は通いの場のことなのですが,今2つ,柴崎と仙川でとてもいい活動をしているのを見てとても嬉しくなりました。  私は通いの場がたくさんできることを願っているのですが,集まるだけの場所だと多分人は集まらないと思いますので,それぞれが特徴を持って活動していただけたらいいのではないかと思います。例えば,月曜日はお弁当屋さんが来るとか,火曜日はパン屋さんが来るとか,次はケーキ屋さんとか,簡単な直しをやってくれる便利屋さんとか,そういういろいろな売店みたいなのがそこにあると思うと,月曜日はお弁当を買いに行こうかという発想になります。そういう特徴を持った通いの場があちこちにできるといいなと思います。これからとても期待しています。 ○事務局  今ご意見のあったところですが,特にPOSTOに関しては,水曜日が定休日なのですが,その日はお店を居場所としてではなくて,店舗を持たないカフェをやっている方に場所をお貸しして,そこでコーヒー豆をひいてコーヒーをお出しするといった取組を既にやられていて,仙川保育園とかが非常に近いこともあり,その日はお母さんたちのたまり場になっていると聞いています。 ○モニター員  柴崎は割と近いので行けるのにと思うのですが,知られていないですよね。もっとPRしたらどうかと思います。こういうところで食べられますよとか,こういうことをしていますということをもっとPRしていただけたら,行きたい人もいっぱいいると思うので,そこの支援になればすごくいいなと思います。 ○事務局  PR,後方支援に関しては,市と,CLICといった民間の媒体も使いながら,一緒にやっていければと考えています。 ○委員  私は老人クラブもやっていますが,ひだまりサロンで園芸サロンというのをやっています。週1回ということにしていますが,園芸ですから,週1回では水が切れる等の問題もあり,スタッフはほとんど毎日出ていて,会員の方には,週1回程度,火曜日と土曜日のどちらかで無理しないで来てくださいということにしているのですが,大体週1回以上来ていただいてます。  通いの場という発想からいきますと,私も通いの場は必要だと思っていますが,1つは,できるだけPRしてという発言がありましたが,その場のキャパの問題もあると思います。どこまで広げるのか。全く別の経験なのですが,文庫をつくって,そこにふれあいカフェとか,話し合いのたまり場ができるように始めた後輩が,コミュニティセンターを使ったり,市に働きかけて,そういう場をつくるように努力したらどうかと話したら,あまり大がかりにやられて,担い手がきちっと育たないまま走ってしまうのが嫌だと。それで,田舎で結構広い家なので自分の家を改装して,文庫3,000冊ぐらいの目標でいたら5,000冊ぐらい集まったと。それでも広報紙に載せるのはしばらくやらない。まずそこが必要だと思う人たちが育つようにしていくということをやっていました。  結局,調布の場合は,場をどれだけ確保できるのか。そこに様々な団体,例えばひだまりサロンのグループ,あるいは老人クラブとか自治会とか,どういうグループでもいいのですが,身近にそういう集まれる場があれば,そこから熱意のある人が出てくれば,場が生まれると思うのです。  例えば,市老連で言いますと,健康吹き矢に3年ぐらい前から取り組みました。これは社会福祉協議会の建物で月1回やっているだけです。各クラブの中で健康吹き矢をやろうという人間が何人か生まれて,数クラブで,自分たちで筒も買ってやるとか,そういうのが育ってきていますので,場があって,きっかけづくりのためにこういうものを体験してみてはどうでしょうか,ということをすれば育っていくのだと思うのです。あまり最初から,社会福祉協議会や市がこんなものだということでやるよりは,今言った場とそういうきっかけづくりの体験の場ができれば育つのだろうと思います。  今のお話を聞きながら,欲張らないで,だけども,そういう条件づくりにかなり力を注いでいただきたいなと思います。 3 報告事項  地域密着型サービスの基盤整備について(資料3-4にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  地域密着型サービスの基盤整備について,お手元に資料3-4をご用意ください。  前回の会議で,令和2年度介護保険事業について,介護保険担当から説明させていただき,その中で第8期計画における地域密着型サービスの基盤整備についてもお話ししました。今回は,今後の基盤整備の方向性について報告いたします。  資料3―4をご覧ください。上の図は,第8期計画の111ページにある図と同じものになります。そのうち,今回報告するのは,定期巡回・随時対応型訪問介護看護についてです。まず,どのようなサービスかを説明しますので,資料の裏面をご覧ください。  定期巡回・随時対応型訪問介護看護は,重度の要介護者をはじめとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため,平成24年度に創設されたサービスです。日中,夜間を通じて訪問介護と訪問看護の両方を提供して,1日複数回の定期訪問や利用者からの随時の通報への対応を行います。排泄介助や水分補給,食事介助など,1日に複数回の短時間サービスを必要とする方が利用しやすいサービスであり,訪問介護と訪問看護を連携して,一体的に提供できることや,夜間及び随時の対応が可能であることから,利用者の不安解消,介護者の負担軽減が期待されます。今後増加することが見込まれる重度または医療ニーズの高い要介護者,単身や夫婦のみの高齢者世帯等の在宅生活を支える重要なサービスだと考えています。  資料の表面にお戻りください。上の図にあるように,定期巡回・随時対応型訪問介護看護は,市内に既に1か所あり,当初の予定では,第8期計画期間中に1か所整備することで,第8期終了時点で計2か所とするとしていましたが,1か所あった事業者が令和3年3月31日に休止してしまい,現在のところ,再開の見通しが立っていない状況です。このため,今後の整備の方向性については,下の図にあるように,定期巡回・随時対応型訪問介護看護は,新たに2か所整備することとします。 ○内藤顧問  定期巡回・随時対応型訪問介護看護はフル装備で定期巡回して,そしてまたコールするとやってきてくれるというとてもいいサービスなのですが,都市部では使い手があまりないとか,中に入っていくことが必要なので,そういうところの理解を進めていくことが普及する上で必要となり,普及しないと今回みたいに事業者が撤退していってしまう。そうすると,せっかくのいいサービスがなくなってしまうということで,ぜひ2か所,新しく参入してくれることを期待したいと思います。 4 その他  事務局より報告及び事務連絡  第2回議題に関する追加報告(資料3-5にて説明)   【事務局説明】 〇事務局  第2回高齢者福祉推進協議会にてご説明したニーズ調査につきまして,委員から質問がありましたので,その内容についてご報告いたします。  資料3―5をご覧ください。こちらの資料の大前提として,年齢を回答しなかった方や,各設問を空欄で回答された方がいますので,表中の数字が合わない箇所がところどころありますが,全体の傾向を捉えるための資料としてご理解ください。  1つ目の質問,会・グループ等への参加頻度について,就労との関連性について質問をいただきました。なお,今回調査には1,130人の方にご回答いただき,そのうち,就労していると回答した方が294人,就労していないと回答した方が617人となっています。  ここでの質問は3点でした。1点目,就労していて,地域の活動等に参加している方はどの程度かということで,表の(1)約12.9%になります。2点目,仕事はしているが地域の活動等に参加していない方が,表の(2)10.8%。3点目,就労しておらず,地域の活動等にも参加していない方は,表の(3)29.2%となっています。就労が地域活動への参加意欲を高める1つの要因になっていると考えています。  2つ目の質問,インターネットの利用状況と,市の情報の入手先の関連性について質問をいただきました。表は,インターネットを自分一人である程度利用している人に限定し,年齢別にそれぞれどのような媒体で情報を入手しているかというものをお示ししています。  特徴としましては,網かけ部分にあるとおり,パソコン33.6%,スマートフォン28.8%,SNSが2.9%と,この3つが隣に書いてある全体の平均と比較して数字が高くなっています。  また,①の囲い部分の中の数字を見ていただくと分かるように,年齢が若年層になればなるほど,その傾向も顕著に見られます。そのほかに,この表から②の囲い部分ですが,インターネットを一人で利用されている方で,友人,知人からの情報を入手されている方の割合は18人,10.9%であったのに対し,数字は書いてありませんが,インターネットをあまり利用していない方,インターネットが身近に自分ですぐ使える環境にない方は,51人中12人,割合としては23.5%の方が友人,知人から情報を入手しているという結果になっており,ここに2倍以上の差が見られるということで,インターネットを利用されている方は,友人,知人に聞くよりも,まずはインターネットで調べるというところで,周りの方々とのお付き合いというか,触れ合いとか,そういうものがこの辺で希薄化ではないのですが,変化が見てとれる内容となっています。  以上,前回の推進協で質問いただいた内容について報告を終了します。 5 閉会 - 12 -