令和3年度 第4回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨        令和4年1月13日(木)午後6時30分から    文化会館たづくり12階 大会議場 1 開 会 2 議 題 (1) 認知症施策について (2) 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について 3 その他 (1) 令和3年度推進協の振返り (2) 事務連絡 4 閉 会 1 開会   欠席者の報告。配布資料の確認。 2 議題 (1)認知症施策について(資料4-1にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  それでは,認知症施策について,資料4―1を使って報告します。  まず,令和2年度の第8期計画策定のときに認知症支援の充実に向けてということで,課題が3つありました。1つ目は,相談できる窓口・体制の充実が必要とのことから,特に当事者の方の意見を引き出して反映した取組が求められていること。2つ目に,認知症の発症や進行を遅らせる予防支援について,適切に必要な方に届けることが求められることから,認知症検診などの検討が必要であること。最後に,新型コロナウイルス感染症による自粛生活の心身への影響が懸念されることから,感染対策を講じたうえでの参加しやすい居場所づくりや認知症の進行予防の取組が必要であること。以上の3つです。  認知症高齢者等への支援の充実については,重点施策の3つ目に挙げており,今回は認知症支援の充実について,「1.調布市版チームオレンジの設置」,「3.通いの場の充実」「5.認知症地域支援推進員による普及啓発」,「7.認知症疾患医療センター」の報告をします。  まず,「1.調布市版チームオレンジの設置」について,既存の資源では補えない場合に,本人や御家族のニーズを引き出して,認知症サポーターや支援者と共に必要な支援,それから社会参加の機会をつくっていくということで,「調布市版チームオレンジの設置」を目指したいと考えました。  令和3年度は,まず当事者と支援者である地域包括支援センターがつながっていくことを目指して,そのきっかけとなる機会を3つ企画しました。1つ目は地域包括支援センターゆうあい,それから,ちょうふの里の認知症地域支援推進員が合同で行ったイベントです。こちらは彩ステーションの相談員さんや利用者の方たちに座談会形式で,彩ステーションでのふだんの雰囲気を再現し,デイサービスとは異なる地域の居場所に参加してみての御本人,当事者の声や家族の声を聞く機会となり,イベント参加者からは,「こういう集まりがある場がほかにもあるといいですね」という感想も聞かれました。  2つ目に,認知症サポーター向けのフォローアップ研修を行いました。もともと認知症サポーターがより理解を深めていただくために行うフォローアップ研修ですが,こちらに若年性認知症の当事者の方を招いて,インタビュー形式で普段の生活や工夫,それから思いなどをざっくばらんに語っていただきました。この当事者は,調布市から数市離れたところにお住まいの方で,スマホの道案内機能を使いながら御自分で自転車をこいで調布の会場までいらしたという方でした。そのような当事者の姿を認知症サポーターの方たちが見て,認知症についてのイメージをかなり一新する機会になりました。  また,この講演会で当事者の方たちをつなげるという仕掛けも考え,当事者の御夫婦を3組,サポーターとは別に御案内しました。この講演会を聞いていただいた後に,講師と当事者の方との間で話がいろいろ盛り上がりまして,何を工夫しているのとか,何を使っているのという情報交換がいろいろありました。そして,その当事者の方たちから,こういう話がしたかったのだという声が上がりまして,それをそばで聞いていた認知症地域支援推進員が人づてに場所を貸せるサポーターをつなぎ,では実際に集まってみようという機会を設けています。当事者の方やその御家族が集まる「スイーツの会」という形で発足を考えており,これから集まっていく予定と聞いています。  3つ目のきっかけづくりとしては,今後の企画になりますが,こちらも当事者を招いての講演会になります。若年性認知症当事者の丹野智文さんにお越しいただき,インタビュー形式で実際の生活ぶりやいろいろな工夫についてお話しいただき,会場からの質疑等に答えていただく形で予定しています。これは市民,関係者向けに地域包括支援センターはなみずき,つつじケ丘,仙川と認知症疾患医療センター青木病院が企画しました。ここでも地域包括支援センターが関わっている当事者の方々をお誘いして話せるきっかけをつくり,令和4年度以降には,当事者の「やりたい」という声を拾って,支援者がチームとなって考えていける仕組みをつくっていきたいと考えています。  次に,「5.認知症地域支援推進員による普及啓発」と「7.認知症疾患医療センター」の取組について御報告します。今年は,地域包括支援センターに配置されている認知症地域支援推進員と認知症疾患医療センターとが連携して啓発活動を行いました。認知症疾患医療センターは,認知症に関する地域全体の相談窓口で,市民の方,地域の支援者などの,かかりつけ医の相談支援や認知症の普及啓発などに取り組む役割があります。調布市の場合は,青木病院が認知症疾患医療センターになっています。令和3年度は9月いっぱいを「認知症サポート月間」という形で啓発活動を行いました。9月21日が世界アルツハイマーデーということにちなみ9月に行っています。  啓発活動としては,たづくりロビーで展示を行いました。今まで作ってきた認知症ガイドブックなどの案内を出し,関連書籍についての紹介,市内の認知症カフェについての紹介を行いました。  展示については,たづくりだけでなく市役所2階のエントランス,あくろす,それから中央図書館などに御協力いただきました。  また現在,調布市には認知症サポーターが1万人います。今までオレンジリングやサポーターカードをもらってきた方たちに,「ぜひこの月間中にオレンジリングをつけてください」,「応援者がいっぱいいることを一緒にPRしましょう」という呼びかけをしました。  令和3年度から無料でのリング配布がなくなってしまったので,サポーターや推進員から,次の方へのバトンをタッチするメッセージを込めた手作りオレンジリングを作製しようとの提案があり,月間のイベントのときに配布するための準備を進めました。実際にリングをつけ,サポーターたちの写真をいろいろ集めまして,たづくりの展示でこんなにサポーターがいますよ,ということをPRしました。さらに,月間中に講演会など様々な企画をしました。実際には緊急事態宣言により延期,中止となりまして,10月から少しずつ再開できるところを行ってきました。令和4年度も9月に認知症月間をやっていきたいと考えています。  最後に,「3.通いの場の充実」について,地域包括支援センターの副会長から具体的なところを御紹介いただきたいと思います。 ○副会長  認知症状が出ても同じ人間,楽しめる時間を持つことができるという目的で,コロナ禍でも外出できる場所があったほうがいいと考えまして,地域で場所を探しました。小島町の美容室,それから布田のハンドマッサージの場を貸していただけるようになりました。  7年前から地域包括支援センターちょうふ花園でやっている「花カフェ」を一緒にやってくださる民生児童委員さんや傾聴ボランティアさんに,認知症の方,介護をしている方の御苦労が,コロナ禍でこそ重くなっているというお話をしたところ,数名の方に御協力いただけることになりました。少人数で換気に気を付けて,消毒をして,感染予防に配慮して行いました。写真を見ていただくと分かるのですが,第4火曜日は布田のぬくもりカフェで,結構おしゃれな家具があったり,もともとハンドマッサージをしていた場所なのですが,車椅子も入れますし,介護者の方もいらっしゃったり,あと認知症の方がこの日は3人いらっしゃっていましたけれども,皆さんで癒やしの音楽を聴いたりしながら過ごしています。おしゃべりもマスクをしてやっていただいています。おいしいコーヒー,紅茶を飲んで,お菓子もちょっと出てみたいな感じでしたけれども,感染予防に徹してやっています。  心地よく過ごせる場を持てるようになってきまして,こちらは小島町の美容室を利用して行っています。認知症があってもギターがすごく上手な方がいらっしゃって,美容室でギターを演奏していただく,皆さんが歌を口ずさんで,懐かしい曲もいろいろやっています。  それから,トリエ京王調布C館1階の奥に「猿田彦珈琲 調布焙煎ホール」があるのですけれども,9月21日アルツハイマーデーのときに1回目の認知症カフェを行いまして,最初は参加者の方3人だったのですが,2か月に1回の頻度で認知症カフェ,「CARE cafe」というものを始めました。介護者の方も参加されています。11月に行ったときは介護者の方がたくさんいらっしゃっていました。認知症の方は2人でした。これからもおしゃれな広いカフェでこういった集まりをやりたいという声がたくさん聞かれています。認知症で落ち着きのない方も来ていただいたのですが,本当に飽きずに1時間半を過ごせたということもありました。  傾聴ボランティアさんや民生委員さんなどボランティアさんの力もすごくありがたいと思っています。地域包括支援センターのほうからいろいろと話を持っていくと,人のため,困っている方のためには,やっぱりコロナ禍でもやりましょうよという声も聞かれて,こちらとしてはとても感謝しています。 【意見交換及び質疑応答】 ○会長  認知症というと,すぐ検査,薬という議論になりがちですけれども,実はこういう生きるための支援というか地域のつながり,あと知っていただくということがすごく大事で,本当に地域の皆さんが活動してくださっていることがよく分かりました。 ○モニター員  いわゆる認知症施策というときに,私たちは高齢者福祉ということで,高齢者には認知症が多いよねと。それは老化に伴うというイメージを持っているのです。だから,認知症予防をしましょうみたいなときは,イメージの中では,お年寄りの物忘れが激しくなるのを防ぎましょうというのがこの場だと思っているのですけれども,お話の内容を伺っていると,何か医学的な意味なのか,あるいは市として,認知症というテーマは高齢者のところでやるよとのことなのか,簡単な言い方をすれば,若年性アルツハイマー型認知症という名前とか,さっき認知症サポート月間は,世界アルツハイマーデーにちなんでとかがあるのだけれども,アルツハイマーと認知症は同じなんだっけとか,その辺がよく分からないのです。  若年性という名前が出てきて,講師に若い方が来てお話していただきましたというのは,この協議会でやっている話ではないのだけれども,市としての取組はしている,認知症というくくりの中でやっているということなのか,それとも,一般論でとにかく物忘れが激しいという意味合いで,当事者という言葉を使われていますけれども,老いも若きも当事者になられた方については,市として高齢者福祉の協議会で扱っていきましょうということなのか。何か分かったら教えてください。 ○事務局  若年性の方に特化してというのではなく,先ほどおっしゃっていただいた,老いも若きも認知機能が低下した方たちを支えていきたいということで,この施策に取り組んでいるのかなと私は思っています。チームオレンジも,まだまだ活躍できる力がある認知症当事者の方たちと,いかに地域をつなぎ,いかに生きがいを持って暮らしていただくかというのが目指すところかと思いまして,若い方や少しお年を召されたけれどもまだまだ活躍したい方を支えていくための施策を考えているところです。  講演会などに来て話をする,体験談を語ることについては,やはりお若い若年性認知症の当事者の方がお話する力があるというところで,機会は多いのかなと思います。なので,御招待して講演会を設けたという経過はあるかと思います。 ○副会長  地域包括支援センターからも。介護予防という点で,認知症予防の介護教室というものを毎年1回やるような形にはしているのですけれども,体操をしながら認知症を予防していくという認知症予防体操,それからお口の健康を維持しながら認知症にならないように,また合併症とかにならないように予防していくということもやっています。  地域でいろいろな介護予防体操や10の筋力トレーニングとかもやっているのですが,脳のトレーニングと認知症予防の体操みたいなことを一緒に組み合わせてやっているところもあります。小島町のところでは毎月それをやっていたりします。  あとは,若年性の認知症の方も介護保険の申請ができるので,サービスももちろん使えますし,予防しながら,また,デイサービスに通いながら,ヨガなどの体操をしながら,あとマッサージのついている体操をしながら2時間の短時間コースでというような介護予防給付のほうから,また総合事業のほうからの利用もできています。 ○会長  恐らく人数や割合で,どうしても認知症の中にはアルツハイマーの方が多いということで,そちらからの切り口が行きやすいということはあるかと思います。認知症の方の中には,たくさんの疾患があり,それから若年性の方はまたちょっと独特で,やはり予防とか脳トレよりはむしろ,お仕事を続けるためにどう支援したらいいかとか,恐らくその辺りはまだまだ対応しなければいけないところで,対象の方をどこから支えていくかという中で,今回,丹野さんのお話は,まさに若年性の方ですけれども,まずは職場の理解をどう得られるかとか,今地域で取り組んでいる中からちょっと離れてしまうところはあるかと思いますが,その辺りも整理して調布市にどういう資源があるとか,そういうことはやっていけるといいのだろうとは思います。多分,人数の割合の関係で,どうしてもそういうところからスタートするということはあるかと思います。 ○内藤顧問  東京都認知症施策推進会議というのがあって,私はこの議長をやっているのですけれども,人数のお話があったように,必ずしも調布市でものすごく大勢の方がいるかというと,そうでもない。若年性の方の対策は,東京都全体で支援していて,品川と日野に若年性認知症の方専門の支援センターが設けられています。政策でいうと,今お話しがあったように,認知症であるので認知症政策の中で全体のことをやっているのですが,例えば生活支援,経済的に困窮したときの支援であるとか,それから障害者の分野での支援とかも複合して使って支えるということが行われている感じです。 ○市川顧問  若年性のアプローチは多様であっていいと思っていまして,ここでいう若年性の対応と,20代とか30代の若年性認知症への対応は異なります。後者の自立等の支援を必要とする層は別枠で支援する必要があると私は思っています。ですから,今回の報告は高齢者福祉の視点から広げた介護予防,そして若年性認知症対応が位置する。そのほかのサービスはそのほかの制度で行うべきという認識を持っています。もう一つ,当然,介護者の問題が出てきますし,高齢で重度になられた方のケアというのは,今日は出てきませんけれども,ケアラー支援という形で対応していく。ですから,ここの部分と重なるとともに,他の制度とも重ねながら,そこに漏れのないように支援に入ることになるのだろうと思っています。  それから,脳血管性障害のこととか,アルツハイマーからレビーとか,原因となる疾病はいろいろあります。それも対応が若干違うので,認知症対策にどう入れていくのかということも今後の検討課題として含めておくことが必要になるだろうと思います。 ○会長  時間が限られていますので,もし質問したいと思われる方がおりましたら,後日,市のほうに投げていただいて,それを我々のほうでお答えをシェアしていければと思います。 (2)高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について(資料4-2にて説明) 【事務局説明】 ○事務局  資料4―2を使って,高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について御説明します。  第8期計画における重点施策の1つ目に介護予防の取組があり,その中に高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の体制拡充と事業内容の検討が位置づけられています。  高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施とは,健診・医療・介護を連携させ,健康寿命の延伸と生活の質の向上を目指すものになります。  題名が長いので,以降,「一体的実施」と省略させていただきます。一体的実施は,2024年までに全ての市町村で実施を展開することと決められています。支援内容は,高齢者に対する個別的支援(ハイリスクアプローチ)と通いの場等への積極的な関与(ポピュレーションアプローチ)の2本立てとなっており,ハイリスクアプローチのア,イ,ウの中から1つ以上実施すること。それから,ポピュレーションアプローチは,地域リハビリテーション支援事業の取組と一体的に実施することとなっています。  令和3年度の調布市の一体的実施のイメージ図は資料記載のとおりです。中段にあるように,庁内の横断連携を図り,高齢者の特性を踏まえた,より効果的な事業展開をするためにこのように連携を図っています。  まずは,ハイリスクアプローチについて御説明します。調布市では,初年度の取組として,ア,イ,ウの支援内容の中で健康リスクが高いと思われる,ウの「健康状態が不明な高齢者の状態把握,受診勧奨等,必要なサービスへの接続」を実施することとしました。  目的は,健康状態不明者の状態を把握し,健康相談等を行った後,必要な場合,適したサービスへ接続することにより健康寿命の延伸,生活の質の向上を目指すとしています。  実施内容は,対象者を健診・医療・介護等のデータから過去4年間,調布市の後期高齢者健診未受診,医療レセプトなし,介護サービスの利用がない85歳以上の方としました。その対象者へ事業内容と家庭訪問予定日の案内を送付し,家庭訪問を行い,高齢者のための質問票を用いて現状把握と健康相談を行います。対象者の状態に合わせて,健診受診勧奨のほか,必要時医療機関の受診勧奨や介護サービス,相談先などの紹介を行っています。  8ページが実際に送付している御案内になります。御案内には訪問する日時を明記して,訪問者の名前も記載しています。また,訪問日時の御都合が悪い場合には連絡をいただきたい旨を記載しています。訪問時には,高齢者の質問票をチェックしていただき,健康状態を総合的に把握するとともに,良いところや改善したほうがいいと思われるところを対象者に説明します。また,対象者の状態に合わせたパンフレットを用いて,運動,栄養,社会参加についての説明や医療機関の受診勧奨,健康診断の受診勧奨を行います。そして,介護申請やその他サービスへの導入が必要なときは,地域包括支援センターへ引き継ぎを行っています。  10ページが対象者にチェックしていただく後期高齢者質問票になります。15項目の質問で構成されていて,支援者はこの質問票を基に個別にアドバイスを行います。ポイントは,できていないことを指摘するのではなく,できているところを支持し,もう少しだけできると良いことを助言するようにしています。  途中経過になりますが,ハイリスクアプローチの今年度の対象者は33人で,そのうち4月から12月生まれの対象者23人中21人は,対象者本人または家族に会ったり電話で連絡が取れました。連絡が取れなかった2人のうち,一人は地域包括支援センターが確認を行い,別の一人は同居家族に訪問サービスが入っているということで,対象者の確認を行いました。対象者の傾向としては,趣味や外出を楽しむお元気な高齢者が多くいらっしゃいました。一方で,衰えがあっても医療機関が嫌いだったり,介護サービスの利用をしたくないという方も多く,個人差が大きいと感じました。  続いて,ポピュレーションアプローチについてです。ポピュレーションアプローチは,12ページのアからウの全てを実施することと決められています。  目的は,フレイル予防の普及啓発,健康相談等によりフレイルを身近な問題として捉え,自らが生活の質の低下を来さないよう心がける人が増えることです。  対象は,10の筋力トレーニングを行っている自主グループのうち,応募があった福祉圏域8か所各1グループとしました。  実施内容は,各グループの活動場所に看護師,保健師が伺い,フレイル予防の普及啓発講座をした後,口腔内機能評価としてパ・タ・カの測定と高齢者の質問票を用いた状態把握と健康相談,必要なサービスの紹介を行いました。  14ページがグループ向けの御案内になります。10の筋力トレーニングに取り組むグループには,地域包括支援センターが活動支援を行っているため,地域包括支援センターからグループの訪問時にフレイル予防の普及啓発,こういった教室を受けませんかということで紹介し,申込みをしていただくようにしました。15ページが実際に教室で用いたパンフレットなどになります。まずはパンフレットを用いてフレイル予防の普及啓発講話を行い,参加者全ての方に高齢者の質問票をチェックしていただきました。その質問票を基に健康状態を総合的に把握し,健康相談を行っています。必要な方には追加でパンフレットをお渡しして,低栄養の予防や口腔内機能低下予防の説明なども行っています。また,16ページ,口腔内機能評価というものなのですけれども,写真にありますように,「パ・タ・カ」を測定する機械を使いまして,この機械に5秒間「パ・タ・カ」それぞれを言い続けていただいて,何回言えるか。その回数によって,今の口腔の機能は何歳ぐらいですよということをお伝えしていきました。こちらは声を出して「パ・タ・カ」を言うので,やろうとするときに戸惑われる方も多かったのですが,やった後は,皆様結果に一喜一憂されて,ほかの参加者の方と盛り上がっている様子も多く見られましたので,測定を行うことで口腔機能のフレイル予防にも一層興味を持ってもらえる取組になったのではないかと思います。  途中経過ですが,ポピュレーションアプローチの実施状況です。今年度目標8グループ中7グループへ実施し,参加者は65人でした。参加者の多くは後期高齢者健診を受診していて,社交的でお元気な印象でした。参加者からフレイルの認知度が口コミでも広がっていくと良いと思います。10の筋力トレーニングに参加することが社会参加の1つになっているので,継続参加することのメリットを伝え,モチベーションを維持してもらうように働きかけを行いました。  最後に,一体的実施の今後の進め方です。感染予防対策を徹底し,健康状態不明者訪問の継続,ポピュレーションアプローチの対象グループの拡大を行い,多くの方にフレイル予防についての普及啓発を行っていくことができるようにしていく予定です。 【意見交換及び質疑応答】 ○会長  ハイリスクアプローチの訪問でお返事をいただくときは疑心暗鬼みたいではなく,割とオープンに,ハードルがそんなに高くなくお返事をいただけたのでしょうか。 ○事務局  ちょっと警戒される方もいらっしゃるかなとは思うのですが,市役所にお電話をしてくださる方は,「何か手紙が来たのだけれども」と言ってかけてきてくださいますし,あと,家庭訪問に行った場合の受入れについては,不審者として扱われるというよりは,お手紙を見ていらっしゃると思うのですが,あまりそれを気にされず,「ああ,来たのね」みたいな感じで受け入れてくださっていると思います。ただ,中には,来たねという感じでもなく,お手紙のことも覚えていない感じですが,市役所から来ました看護師ですというと,受け入れてくださる方もいらっしゃいます。 ○市川顧問  質問ではないですがお願いです。コロナ禍で状態が悪くなっている高齢者等の発見がすごく難しくなっていて,フレイルの問題はかなり深刻な課題となってきますので,どう発見するかということに関しては,いつも留意しておいていただきたいと思います。知らない間にどんどん悪くなっているケースはあるという実態がありますので,どうぞ深刻になる前にケアできるように,よろしくお願いします。要望です。 ○事務局  努力します。 ○会長  いかがでしょうか。知らない間にどんどん悪くなるとかコロナでとかよく聞くのですけれども,実感として,やはりそういうのはおありですか。 ○委員  前にも触れたかもしれませんが,老人クラブは地域で30人から,大きなクラブですと100人を超えるクラブもありますが,私のクラブでいいますと35・6人の会員ですが,コロナの前ですと,大体月1回の定例会に20人ぐらい集まる。それがコロナ禍では12・3人ぐらい。出られない方は,自分で怖いと思う方もおられれば,家族から出るなと言われた方もいます。最近また感染者数が上がってきていますので,出るなと言われたという事例も出てきています。  1つ伺いたいと思ったのは,15ページの口腔内機能評価です。今,こういうことをやってくれる歯医者さんも少しずつ増えているようですが,調布市の場合はどんな感じでしょうか。ちょっとそれを教えてもらえたら,私も健康教室など,連合会で年何回かやっていますが,認知症の問題というのはなかなか難しいので,むしろこういうフレイルのところから入ったほうがやりやすいような気がします。今日の議題の本質に関わるかどうか分かりませんけれども,ちょっと伺いたいと思います。 ○委員  今の御質問ですが,調布市歯科医師会では後期高齢者歯科健診ということで,市のほうから口腔機能検査ということで高齢者の方へ受診勧奨を出させていただいていますが,私たちが把握している限りでは,応募していただける方があまり多いような気がしないのです。歯周病歯科健診というのは,成人になった多くの人に出しますので,それは受診が結構多いのですけれども,後期高齢者の方に対するその辺のアプローチを,できればもう少し市のほうから何かの形をもってPRしていただけるとうれしいと思っています。  調布市には歯科医師会に所属している約120件の医療機関がありますが,全員の先生たちが手を挙げてオーラルフレイルの健診をしているかというと,そうではなくて,今手挙げ状態で,調布市で20件程度手を挙げて,口腔ケアのフレイルの健診ができる医療機関がありますので,その辺のところも会としてはもっともっと対応できる医療機関を増やしたいと思っていますし,またそういうことを市民の皆様にPRしていただけるようにしていただきたいと思っています。 ○会長  それでは,議題2についても,また御質問等ありましたら,ぜひ事務局に投げていただければと思います。その後対応させていただきたいと思います。 3 その他 (1) 令和3年度推進協の振返り  ア 会長から振返り ○会長  第8期の1年度目で本当に大切なテーマをたくさん挙げていただいていたのですが,コロナでなかなか十分に質疑ができなかったのが残念です。ただ,調布市は着実にいろいろな活動をされているということもありますし,実際,その長年の活動がコロナで逆により強固に,共通の敵を前にして下積みの準備の後にそれが一気にぐっとつながったとか,そんなこともありますので,引き続き地域の力を信じて,またよりよいものにしていけるようになればと思います。ありがとうございました。  イ 退任モニター員から挨拶 ○モニター員  3年間という時間,本当にあっという間で大変勉強になりました。勉強させていただいたという言い方もあれですけれども,やりながら試してという形で勉強させていただいて,1つは,いろいろな高齢者がいらっしゃる中で,地域コミュニケーションの促進,そしてそれを継続させていくことに着眼点があったりして,そういったことを推進されていて,直結の例ではないのですが,コロナの話が上がっておりますので,調布市のワクチンの大規模接種に関しては,調布方式みたいな形で,打つ先生が移動されて,短時間でたくさんの方が打てる形でされていたというお話をいただいたりして,やはりそういったところにも反映されていると思いますし,自治体で行っていく,活動の末端の部分というのでしょうか,本当に手厚い部分ですごく工夫されていらっしゃるし,これからもそういった形でつながっていっていただけたらと感じました。  もう一つは,3年前に着任させていただいて御挨拶したとき申し上げたかなと思うのですけれども,市内でNPOを立ち上げたのです。それもさっきの話と少しつながっていて,継続して支援とかができるような形で,高次脳機能障害の方たちが通うところ,活動する場所をみんなでつくりましょうという形でやっていって,すごく楽しかった思い出があったりするし,そういったことからも考えると,やはり施設とかそういったものが財産である一方では,人の資源というのでしょうか,人の大切さという辺りも,この時代になってきて改めて再認識したような形で,さっきのオレンジリングの方たちではありませんけれども,地域の中で人々が上手に交流し合ったり,活躍し合ったりするような地域になっていっていただけたらと思います。私も市の東部に住んでおりますけれども,また御縁があったらと思っております。地域コミュニケーションの促進と人の資源の大切さに関して申し上げさせていただきました。ありがとうございました。 ○モニター員  モニター員としてここの場に参加させていただいて,本当にとても刺激を受けました。たくさんの問題が山積していて,改めて大変だと思ったのですが,少しずついろいろな企画とか試みが進んでいて,それを知って心丈夫な気がいたしました。  実は,私は3年ほど前まで10年間店をやっていました。そこへ来るお客さんは50代から70代の方が多かったのですが,そういう方たちに少しでも多く会って,いろいろとお話を伺って声を届けたかったのですが,コロナがあり,あまり多くの人と接することができなかったのがとても残念で,心残りに思っています。  これから自分は何ができるかと考えたときに,今,人と人とのつながりがとても薄れているような気がしまして,私には一人住まいの友達がとても多いので,少しでも多く連絡を取り合って,私にできることがあれば,これから力になりたいと考えています。以上です。ありがとうございました。 ○モニター員  最終年度は,本当にコロナで開催の回数が減ったりなかなか大変だったのですが,あっという間の3年間だったと思います。若干寂しさも感じております。市川,内藤,両顧問の先生方のおかげで介護の視野を広げることができましたし,初めてのオンライン研修をはじめ,多方面からの御助言もたくさんいただいてまいりました。会長には,ドクターというお立場からの貴重な御意見をいただき,たくさんの介護のプロの皆様からも現場の実態の報告,本当に毎回リアルなお話を驚きながら聞いていた状況であります。  また,室長をはじめ高齢者支援室,また行政スタッフの皆様,また社協の皆様も,本当に見えないところでの研鑽や御努力,真摯に真心込めて市民や高齢者に向かわれる姿を目の当たりにして,感動と感謝でいっぱいでございます。たくさんのことを学ばせていただきました。  私も18年間ケアラー生活をしてきましたし,二度の大病をしながら,要介護4の90歳の義父母を在宅で介護してきました。調布市の高齢者支援の手厚さに改めて感謝いたします。また,この推進協に参加させていただきながら,すばらしい機会をいただきまして,私自身の心が動いて,さっきからお話にありました認知症サポーターの講習を受けたり,また支援員の講習を受けさせていただいたり,協力会員にもならせていただいて,後半はコロナもありましたけれども,楽しく有意義に過ごさせていただきました。  このたび,私の場合は転居になりますので,調布市の皆さんの中で得た貴重な体験や経験を生かしながら,自身のライフワークになるように,転居先でも細く長く,まさに自分の歩調でやるしかないのですが,調布市の皆様の奮闘の姿を忘れないで,挑戦していこうかなと思います。改めて,本日まで大変お世話になりました。ありがとうございました。  ウ 顧問総評 ○市川顧問  私もいろいろな委員会を持っておりますけれども,調布市は市民の方,そして推進協議会のメンバーの方が積極的に意見を言ってくださる,提案してくださる。要するに,全部行政にというのではなくて,自分たちは何ができるかを考えておられる,行政は市民の要望に誠実に応える,そういう意味では1つのモデルとなるだろうと思っています。  基本的に,ひきこもりの問題は調査でもはっきり出てきて,60歳以降,特に定年後仕事を辞めたところからのひきこもりが一気に増える。それから,重度の障害,要介護者を介護している家族の負担はかなり深刻だと。経済的にも生活福祉資金の貸付を見ても,高齢者で貸付を受けている方も多く貧困については大変な問題が控えているということがわかっている。コロナ禍にあって,深刻な生活問題が広がっており,対応は緊急性をともない正念場ですから,覚悟を持って進めていただきたい。それを応援していきたいと思っているところであります。皆さん方にいろいろ教えていただき,感謝しております。ありがとうございました。 ○内藤顧問  皆さん,1年間どうもお疲れさまでございます。  この1年の会では,地域の中でいろいろな活動をつくっていくというすばらしい活動が御報告されたのだと思います。今日のお話でも認知症カフェの話,それからサポーターの方の支援の話,いろいろなことがございました。前の御報告でも居場所づくり,介護予防の取組,そういうものがあったと思います。こうした地域での取組はすばらしいというのが調布市の非常に大きな特徴だと思います。ぜひこれをモデルにして,次の期にはどうやって市内の中に広げていくかというのが大きい課題になるのではないかと考えております。  また一方で,地域包括支援センターの地域割りが変わったということで,いわゆるフォーマルな介護サービス,地域包括支援センター,ケアマネの方,それから医療機関との連携,そういうところも報告されるときは大体数しか報告されないので,なかなか分かりにくいのですけれども,これは私ごとなのですが,今回,家族が地域包括支援センターからケアマネ,そしてまた介護サービスという経験をしまして,本当にスムーズにサービス利用できるというのも特徴です。これは当たり前のようになっていますけれども,実は全国的に見れば,介護人材は圧倒的に不足しているし,東京は,働く人はいるけれども介護に来る人が少ないといって,これがどこまで持つかというのは非常に大きな課題だと思うのです。働きやすい調布市であることもとても大事だということで,包地域括支援センター,ケアマネ,そして介護サービス,医療介護連携の支援,どれも大変重要なのではないかと思いました。どうもありがとうございます。  エ 福祉健康部参事挨拶 ○参事  皆様,この1年間,貴重な御意見をたくさんいただきまして,本当にありがとうございました。今年度は第8期の高齢者総合計画の1年目ということで,昨年どのような重点取組をしていくか,新たな事業を取り組むかということを検討していただいたところについて,特に検討を進めてまいりました。また,コロナ禍ということで,各団体の皆様方がどのような工夫をして活動を継続していらしたのか,また今後どのような取組を計画していらっしゃるかなど,この協議会において御報告いただき,また皆さんと情報共有したところです。  今年度は,Zoomを活用したオンライン会議など,新たな取組も行いました。毎回多くの資料を御覧いただきながら,各施策の進捗状況や市としての取組の方向についてたくさんの御意見,御提案をいただきました。残念ながら,オンラインということで思うように御意見が言えなかったということもあろうかと思いますが,引き続き,いろいろな御意見をいただければと思っております。本当にたくさんの御意見をいただいたこと,改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。  このように,この協議会にはたくさんの関係団体から委員の方に御出席いただいております。また,市民モニター員の皆様方にもたくさん出席いただいており,それぞれの皆様方の活動や日々の生活の中でお感じになっていることなど,いろいろ出していただきまして,本当にありがとうございます。これらの御意見をぜひ私どもも施策へ反映させていきたいと思っておりますので,今後ともよろしくお願いします。  もうそろそろ目の前に迫ってきた2025年問題,その先の2040年に向けて,ますます関係機関との連携を深め,地域が一丸となって地域包括システムを進化,推進していくことが必要になってくると強く思っております。今後も引き続き,皆様方からの御提案,御意見をいただきながら施策に反映してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いします。  最後になりましたが,先ほど御挨拶いただきました退任モニター員の皆様におかれましては3年間,第7期の2年目というところから第8期計画の策定,そしてその進捗を見守っていただきまして,本当にありがとうございました。そのほかの委員の皆様方,また顧問の先生方におかれましても,引き続きお願いしたいところではございますが,それぞれの推薦団体の御都合もあられまして,この回が最後という方もいらっしゃるかと思います。この会から離れても,引き続き地域の一員として高齢福祉の施策や支え合いのまちづくりをぜひ応援していただき,参加していただきたいと思っております。本当にありがとうございました。 (2)事務連絡   事務局から事務連絡,新モニター員の募集,来年度の推進協について 4 閉会 - 10 -