令和4年度第2回調布市青少年問題協議会次第                 日時 令和4年10月27日(木)                    午前10時から11時30分まで                 場所 調布市役所5階市長公室 1 開会 2 会長あいさつ 3 協議事項 (1) 令和4年度調布市青少年表彰について (2) 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針案の作成について 4 報告事項 (1) 令和4年度調布市市政功労者表彰及び令和4年度東京都青少年健全育成功労者等表彰について (2) 令和4年度子供・若者育成支援推進強調月間について 5 情報交換 (1) 調布警察署からの情報提供 (2) 中学校校長会からの情報提供 6 その他 【資料】  ・資料1 令和4年度調布市青少年問題協議会委員名簿  ・資料2 調布市青少年表彰規程  ・資料3 調布市青少年表彰における表彰者選定に係る内規  ・資料4 令和4年度調布市青少年表彰スケジュール(案)  ・資料5 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針策定スケジュール(案)  ・資料6 令和4年度調布市市政功労者表彰及び       令和4年度東京都青少年健全育成功労者等表彰  ・資料7 令和4年度子供・若者育成支援推進強調月間における取組  ・参考1 調布市子ども・若者支援地域ネットワークの紹介動画について 【次回会議】  日程:令和5年2月2日(木) 午前10時から11時30分まで  会場:調布市役所5階 市長公室 令和4年度 第2回調布市青少年問題協議会報告 1 開催日時 令和4年10月27日(木) 午前10時から 2 会  場 市長公室 3 出  席 (1) 委員  10人        (2) 事務局  6人 4 会長挨拶 会  長: おはようございます。令和4年度第2回調布市青少年問題協議会,御多用の中,御参集いただきまして,ありがとうございます。  はじめに,前回の第1回協議会の場で専門調査員として選出された皆様につきまして,机上配付にて委嘱状の交付をさせていただいております。御確認いただければと思っております。  本日の議事にもありますが,今年度は令和5・6年度の調布市青少年健全育成方針を策定する年度に当たっているということであります。2年に1回策定しておりますけれども,例年,専門調査員の皆様に素案を作成していただいて,本協議会で協議の上,決定をするというプロセスを踏んでおります。専門調査員の皆様に御負担をおかけいたしますが,よろしくお願いいたします。  昨今,青少年を取り巻くインターネット利用環境が一層多様化する中で,SNSに起因する犯罪被害に遭った児童の数は高い水準で推移するなど,子どもの犯罪被害が深刻な状況にあります。こうした近年の状況を踏まえて,より実情に即した方針を策定することで,今後の青少年健全育成活動に役立ててまいりたいと考えているところでありますけれども,大変難しい話だと思います。  利用をやめるわけにはいかない。使う頻度は恐らくこれからも増えてくるという中で,どうやってたがをはめるのかということは,極端に言えば即効性のある妙案がないと言っていいのではないでしょうか。その中で,どのような方針を考えていくかというのは,なかなか苦労のあるところでございますけれども,皆様方にいろいろ御意見をいただきながら,組み立てていかなければいけないと思っております。  また,来月,11月は子供・若者育成支援推進強調月間となっており,例年同様,市では活動の趣旨を広報するとともに,各関係団体と連携を図りながら,子ども・若者を地域全体で支えていく,そういう社会構築に理解と協力を求めてまいりたいと考えております。  本日も,委員の皆様方には,それぞれのお立場からの貴重な御卓見を拝聴するということで,限られた時間ではございますが,よろしくお願い申し上げます。 5 資料確認  事務局から配布資料の確認 6 協議事項  (1) 令和4年度調布市青少年表彰について 会  長: 次第3「協議事項」の(1)令和4年度調布市青少年表彰について,事務局から説明を申し上げます。 事 務 局: それでは,令和4年度調布市青少年表彰について説明いたします。  今年度は,来年の3月4日土曜日に青少年表彰式を開催する予定ですが,式に向けた選考の取扱やスケジュールなどについて,資料に沿って説明いたします。  まず,資料2の調布市青少年表彰規程を御覧ください。  第1条には青少年表彰の目的を規定しております。青少年表彰は,地域社会に好影響をもたらした善行のあった青少年及び青少年団体を表彰することにより,青少年が自主,自立,自発の意欲に目覚め,他人を思いやる共感性を養い,たくましく生きていく精神が育まれる,よりよき社会環境づくりに寄与することを目的としております。  続いて,第2条で表彰の対象を規定しております。個人につきましては,市内在住,在勤,在学の18歳までの者を対象としており,団体につきましては,市内に事務所または事業所を有し,過半数が18歳までの者で構成された団体を対象としております。  第3条には表彰の基準を規定しており,青少年関係団体の活動に協力し,指導に当たってその功績が顕著であるもの,社会福祉活動,社会環境の美化等の奉仕活動により青少年の模範と認められるもの,防犯,防火,交通安全等に係る啓発活動を積極的に行い,その功績が顕著であるもの,風水害,火災等の防護並びに交通事故,水難事故,その他の事故の防止及び救助活動を行い,その功績が顕著であるものを表彰するものと規定しております。  続きまして,資料3,調布市青少年表彰における表彰者選定に係る内規を御覧ください。  こちらは,表彰者の選定要件について,より詳しく規定しているものでございます。この内規を基に,推薦のあった個人及び団体が表彰に該当するかの選定を行ってまいります。  なお,こちらの内規については,昨年度に一部改定をしており,1,選定要件についての(3)に記載されている,継続的な活動の期間について「原則2年6か月以上」としていたものを「おおむね2年間」に基準を緩和したほか,「団体等の事業計画(通常活動)に基づく活動以外のもの」を表彰するとしていた規定を削除したことにより,多くの方を御推薦いただけるよう改定しております。  続きまして,資料4,令和4年度調布市青少年表彰スケジュール(案)を御覧ください。こちらは,今年度の青少年表彰のスケジュールを記載したものとなります。本日この場において青少年表彰の実施及びスケジュールについて御承認いただいた後,事務局から推薦依頼の書類を市内の各団体等へ配付いたします。  昨年度は個人8名と1団体を表彰しましたが,昨年度に引き続き,青少年の活動を広く拾い上げられるよう,市内の私立を含めた小・中・高等学校をはじめ,公立のPTAや,健全育成推進地区委員会など,幅広に推薦依頼文を送付いたします。  また,市報11月20日号やホームページにも掲載を予定しております。  推薦の締切は12月20日火曜日とし,1月中旬頃に専門調査員会を開催して,推薦書の内容が表彰に該当するかを専門調査員の皆様に御検討いただきます。その結果を来年2月2日木曜日に開催予定の令和4年度第3回青少年問題協議会の場で御報告させていただいた上で,被表彰者を決定いたします。  なお,表彰式は来年の3月4日土曜日の午後3時から,グリーンホール小ホールにて,消毒や検温などの基本的な感染防止対策を講じながら開催してまいります。  令和4年度調布市青少年表彰について,このような形で実施してよろしいか,御協議をお願いいたします。  以上でございます。 会  長: 説明は終了いたしました。何か御意見,御質問ございますか。よろしいですか。      (「なし」の声あり)  それでは,事務局案のとおり実施するということで御了承いただきたいと存じます。  (2) 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針案の作成について 会  長: 続いて,(2) 令和5・6年度調布市青少年健全育成方針案の作成について,事務局から説明いたします。 事 務 局: それでは,令和5・6年度調布市青少年健全育成方針案の作成について,御説明いたします。  資料5,令和5・6年度調布市青少年健全育成方針策定スケジュール(案)を御覧ください。  資料5を1枚おめくりください。こちらは令和3・4年度調布市青少年健全育成方針になります。  健全育成方針には,家庭・学校・地域・行政の連携による青少年への支援,青少年の社会参加活動の推進,健全な環境づくりと非行防止活動の推進の重点目標を設定しております。  この3つの重点目標それぞれに対して具体的な推進事項を定めており,関係各課において様々な活動や取組を展開しているものでございます。  この健全育成方針については,青少年を取り巻く環境の変化や,国や都の動向などを踏まえ,2年ごとに改定しており,令和5・6年度の調布市青少年健全育成方針を今年度中に策定する必要がございます。例年,専門調査員会にて健全育成方針の素案を作成し,第3回調布市青少年問題協議会の場で委員の皆様に御審議いただき,策定をしております。  資料5の1ページ目を御覧ください。こちらには,健全育成方針の作成スケジュール案を記載しております。本日,この場において,専門調査員会で方針案を作成することについて御承認いただきましたら,12月上旬頃に第1回専門調査員会を開催し,健全育成方針の素案の作成を開始いたします。その後,専門調査員の皆様の御意見をいただきながら,1月中旬に開催予定の第2回専門調査員会にて方針案を決定し,来年の2月2日木曜日に開催予定の令和4年度第3回青少年問題協議会の場で委員の皆様に御審議いただき,策定してまいります。  事務局では,このスケジュールのとおり健全育成方針を策定してまいりたいと考えておりますが,このとおり進めてよろしいか,御協議をお願いいたします。  以上でございます。 会  長: 事務局案は以上のとおりであります。何か御異論ございますか。よろしいですか。      (「なし」の声あり)  それでは,この事務局案のとおり実施することといたします。 7 報告事項  (1) 令和4年度調布市市政功労者表彰及び令和4年度東京都青少年健全育成功労者等表彰について 会  長: 続いて,次第4「報告事項」の(1) 令和4年度調布市市政功労者表彰及び令和4年度東京都青少年健全育成功労者等表彰について,事務局から説明をいたします。 事 務 局: それでは,令和4年度調布市市政功労者表彰及び令和4年度東京都青少年健全育成功労者等表彰について,報告いたします。資料6を御覧ください。  まず,令和4年度調布市市政功労者表彰についてですが,こちらは市民の生活及び文化の向上に功労のあった方を表彰するもので,表彰式が11月11日金曜日に開催されます。今回は,15年にわたり健全育成推進地区委員会の委員として青少年の健全育成に御貢献いただいた6名の方々が表彰されるとともに,15年にわたり市内の青少年の健全な育成と,豊かな人格形成に尽力いただいたNPO法人ちょうふこどもネットについて表彰するものでございます。  被表彰者は,資料のとおりでございますので,後ほど御覧ください。  続きまして,資料6の裏面を御覧ください。令和4年度東京都青少年健全育成功労者等表彰についてですが,こちらは東京都の青少年問題に対する施策の推進に関し,特に功労のあった方に感謝状を贈呈するもので,表彰式は11月16日水曜日に,東京都庁にて開催されます。  今回は,30年にわたり健全育成推進地区委員会の委員として,青少年の健全育成に御貢献いただいた3名の方々に感謝状が贈呈されます。  被感謝状贈呈者は,資料のとおりでございますので,後ほど御覧ください。  以上でございます。 会  長: 説明は終了いたしました。何か御質問ございますか。よろしいですか。      (「なし」の声あり)  ございませんか。  (2) 令和4年度子供・若者育成支援推進強調月間について 会  長: 続きまして,(2) 令和4年度子供・若者育成支援推進強調月間についてですが,事務局からの説明に加え,市の子ども・若者支援の現況について理解を深めるため,子ども・若者総合支援事業ここあの運営状況について,調布市社会福祉協議会から説明をお願いいたします。 事 務 局: それでは,まず事務局から令和4年度子供・若者育成支援推進強調月間について報告いたします。資料7を御覧ください。  国は,子供・若者育成支援推進大綱において,毎年11月を子供・若者育成支援推進強調月間と定めており,子ども・若者の健やかな育成支援に資する行事や広報啓発活動を11月に集中的に実施するように求めております。  調布市の具体的な取組としましては,市報11月5日号や市ホームページにて子供・若者育成支援推進強調月間について広報するとともに,ツイッターやLINE等のSNSを活用して,不登校やひきこもり,無業等の様々な困難を抱える子ども・若者と,その家族を支援するために設置している調布市子ども・若者地域支援ネットワークに関する広報を強化してまいります。  本日は,調布市子ども・若者支援地域ネットワークのリーフレットも併せて配付しております。ネットワークの詳細につきましては,こちらの緑色のリーフレットを後ほど御覧ください。  また,このたび,調布市子ども・若者支援地域ネットワークに関する紹介動画を作成いたしました。参考1と記載した,調布市子ども・若者支援地域ネットワークの紹介動画についてという資料を御覧ください。  動画による情報収集が定着しつつある,子ども・若者及びその保護者世代をターゲットに,動画による広報を行うことで,各相談窓口の利用促進を図ることを目的に,動画を制作いたしました。  動画の内容としましては,ネットワークの概要に関する動画のほか,相談窓口を有する17の構成機関,団体について,各機関2分程度で紹介するものとなっております。  なお,こちらの動画については,調布市のYouTubeに再生リストを作成しており,こちらの参考資料や,先ほど御紹介したネットワークのリーフレットの表面にも再生リストのQRコードを掲載しております。  こちらの再生リストについては,市のホームページにも既に掲載しておりますが,併せて市のツイッターやLINEを活用して,強調月間の中で広報を図っていく予定です。  ほかにも,調布市子ども・若者支援地域ネットワークが主催する講演会を11月20日日曜日に開催いたします。  本日,当日資料として配付いたしました,悩みを抱えるあなたやあなたの家族のための講演会のチラシを御覧ください。オレンジ色のチラシでございます。  本年度は「子どもたちとゲーム・インターネット~ゲームとの向き合い方を考える~」というテーマで,調布市子ども・若者支援地域ネットワークの構成機関の一員でもあります東京さつきホスピタルの川久保綾香医師に講師を依頼しております。  調布市文化会館たづくり12階大会議場で開催するとともに,Zoomを活用したオンライン同時配信を予定しており,当日の内容については,後日,調布市公式YouTubeにてアーカイブを公開する予定でございます。  以上が,令和4年度子供・若者育成支援推進強調月間における市の取組となります。  また,本日は調布市社会福祉協議会の職員にお越しいただいており,調布市子ども・若者支援地域ネットワークの総合相談窓口として,相談事業,居場所事業,学習支援事業の3つを実施している調布市子ども・若者総合支援事業ここあの現状について御説明いただきます。それでは,よろしくお願いいたします。 社会福祉協議会: 本日は,ここあのことを説明できる時間をいただきまして,ありがとうございます。ここあ自体は,この10月で8年目を迎える事業になりました。設立当初から三本の柱――相談支援,学習支援,居場所の事業を大切にしながら,事業の運営をしてまいりました。  ただ,中身は様々柔軟な形で変化しながら,この8年間を歩んできたというように思っているところですが,その内容について,今日は少しお時間をいただいて御説明したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  私はパワーポイントの,ホチキス留めの資料を本日御用意させていただきました。この資料に即しながら,おおよそ30分以内で事業の説明をさせていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。  せっかく本日お時間をいただけたので,資料の表紙にハロウィンの作品を載せてみました。利用者の皆さんが去年たくさん作ったもので,こういった作品を作ることを楽しみに,ここあに通所されている方もたくさんいらっしゃるという状況になっています。  それでは,資料に即しながら,改めて説明させていただきます。先ほど申しましたとおり,ここあは3つの事業を中心に事業の運営をしておりまして,それぞれ少しずつ言及していきたいと思います。  最初に,相談支援の事業について御説明します。  相談支援の対象のところを御覧になっていただくと,おおむね中学生以上の子ども・若者及びその家族という形で,その対象が定義づけられているところです。  もちろん,子ども・若者を支援するための事業ですので,一番の主人公になるのは,その子ども・若者という形になりますけれども,彼らの多くは,自分の置かれている環境や悩みを十分に言語化できる経験を持ち合わせているわけではないのだと思います。  相談してごらんと言って,相談したい内容を自由に言葉で紡げるというのは,ある程度の経験がないとできないことだろうなと思いますし,相手に対する信頼度が培われていないと自分の思いは,きっと発することができない。そういった方々を相手に,私たちは支援しているというところがありますので,導入部分では,やはり家族,特にお母様からの御相談ということで支援が開始されることが多いと思っております。後ほど詳しく御説明しますけれども,本人に支援するのと同じぐらい,家族にも支援の対応をさせていただいている現状となっております。  内容につきましては,学校,仕事,家庭生活などについての困り事の相談に応じています。もちろん電話で対応するだけではなくて,面談をしたり,必要に応じて御家庭にも訪問しますし,学校にも訪問しますし,病院にも訪問します。個々のケースの必要度に合わせて,どこにでも訪問させていただいて,問題の解決に必要な手立てというのを一緒に考えているところです。ほかの機関の紹介や情報提供などもさせていただいております。  開所時間も御覧いただければと思うのですけれども,木曜のみ10時-17時という形になっていますが,平日は10時-20時という形で御相談を受けさせていただいているところです。  御相談したいなという御家庭が,仮に母子家庭であるとするならば,そのお母さんは当然コアタイムを働いていらっしゃって,相談ができないわけです。仕事後に相談できる余地を必ずつくらなければいけないので,20時までの開所時間とさせていただいているところです。19時から面談をお願いしますとか,19時半からお願いしますというところにも対応させていただきながら,いろいろな話を聞かせていただいているというような現状になっております。  開いていただきまして,ここからは表が続いていく感じになります。今,言葉で説明させていただいた相談について,昨年度のデータを示しながら,どういう内容になっているのかというのを皆様と一緒に御確認させていただければと思います。  1つ目は,誰がここあに相談しているかです。この誰がというのは,私たちが誰と相談しているかとイコールでもあるので,そのことを念頭に置いて,お話を聞いていただければと思っております。  四角の吹き出しのところに,文字が少し小さいですけれども,昨年度の相談対応延べ回数6,249回という数字を書かせていただいています。相談者実数としては488人という形になっているのですけれども,主に,この6,249回ということを念頭にお話を聞いていただければと思います。  子ども・若者を支援する上で,家族との関わりというのが必ず出てくるというお話を冒頭にさせていただきました。このグラフ上でもお分かりになるかと思うのですが,「本人」が2,736回,「家族」が2,508回というように,御本人と御家族がほぼ同数と捉えていいと思うのですけれども,同じぐらい私たちは対応させていただいている形になっています。  もちろん,ここで主役になるべきは子ども・若者である御本人たちではあるのですが,彼らの多くは相談って何?ということがあると思っています。自分の思いを誰かに伝えることで,いい思いをしたことがあるか。そういった経験すら培われていない状況で,私たちのところにつながるという事情もございますので,いきなり本人と,本人の悩み事について,自由に言葉を交わせるかというと,もちろん,そうではありません。時間をかけて本人にアプローチしていかなければいけないということが事実としてあると思っています。  現状を言いますと,私たちが支援している人の中で,お母様からの相談をいただいて,2年,3年たった今でも御本人に会えていないようなケースはたくさんあります。  それは,ひきこもりのような状況で,特に顕著かなと思うのですけれども,御本人が,どうしても人に会うということに動機づけられない。  訪問して,ドアの外から少し会話してみたり,こういう者ですということで,来てみましたよとかいろいろな工夫はするのですけれども,御本人が会いたいと思うまでにはなかなか至らないというケースにも,私たちは対応しておりますので,そういったときには,やはり家族と,また次に来ますねということを確認しながら,継続的に支援させていただいているような状況もございます。  「本人」「家族」以下は,様々な関係機関の名前が書いてあります。庁舎の中の各課もカウントされていますし,私ども「社会福祉協議会」の各部署も記載されています。あわせて,「中学校」「高校」あるいは「教育相談所」みたいな教育機関もカウントさせていただいていますけれども,御本人や御家族の相談について,もちろん関係機関から相談が始まるということもたくさんあります。中学校の担任の先生が直接御連絡いただくということもございまして,それは私たち,非常に心強いなと思っています。  今後,こういった相談は,例えば広報とかを通じて,なるべく多くの人に相談してもらえるように啓発していかなければいけないとは思うのですけれども,その一方で,緊急度が高い子ども・若者はどこにいるのだろうと考えたときに,学校の先生がいち早く見つける可能性はたくさんあると思っているところです。そういった,学校の先生が福祉機関である我々に直接相談してくれるということは,私たちにとっても非常に心強くて,私たちが目の届かない場所を,守備範囲としてしっかり守っていただけているのだという安心感を,常日頃から感じているところです。  1枚目の表は,そんな形になっております。  では,そういった,本人,家族,あるいは関係機関とどんなことについて,ここあで相談しているかというのが,2ページ目の下の表になっております。  後ほど述べますが,ここあでは,相談,居場所,そのほかに学習支援の事業もやっておりまして,その関係上,居場所や学習支援といった,ここあに通所したいという相談から御相談がスタートすることが多いです。そのため,「学習支援」が相談内容のトップになっております。  「居場所」のほうも614回という形で,まま多い数になっているところではあるのですけれども,「学習支援」を利用したいということでスタートしていった相談自体も,なぜ「学習支援」を使いたいかということをお母さんが御本人と確認していくときに,様々な御家庭の背景が見えてくることがあります。  「生活」のところが多いのも着目していただければと思うのですけれども,学習支援の事業自体のベースとなっているのは生活困窮者自立支援法の法制度上のサービスになっておりますので,生活困窮世帯の中学生が,ここあに通所しているというのが現状になっています。  では,生活困窮とはどういう状態かということが,面談を通じて少しずつ少しずつ見えてきたときに,実情,それが何を意味しているかというと,例えば,家で勉強できるスペースがありませんとか,生活の場しかないという言い方が正しいかと思うのですけれども,自学をする場所がない。そういった事情が徐々に徐々に,かいま見えてくるということもございます。そうした場合には,自分で勉強できる場所と時間を確保できるようになるといいということになるので,当然学習支援に来ていただくのが大切になると思いますし,加えて,それ以外の時間でも居場所で勉強することができるようにとか,そういった発想も,相談支援を通じて初めて生まれてくると思うのです。  最初の主訴としては,学習支援を使いたいということで入ってきたとしても,その背景には,個々の世帯によって様々なニーズがあるということを相談を通じて私たちは把握していくことになります。  また,「不登校」のところも,私どもでも最近御相談が増えています。不登校に関しては,コロナの影響が多大にあったと思っております。教育機関に確認してみても,調布市内の小・中学校の不登校率が4%台後半までポイントが来ており,かなりの上昇傾向になっていると伺っていまして,うちの相談件数としても不登校のことが増えていると思っています。  コロナという環境要因があると思う一方で,なぜ不登校という状況に陥っているのかということをお母さんや御本人と一緒に確認していくにつれ,例えば,発達障害のことがピックアップされることもままあります。それは発達障害ですというように診断いただいているケースばかりではなくて,集団の授業の中で,音がたくさん鳴るのが気になってしまって教室の中にいられないといった感覚過敏のような状況。ただ,その感覚過敏は,集団の中にいなければ特に社会生活を送るのには問題がないような状況だったりするので,医療につながるまでもないと考えている御家庭も,もちろんあるのではないかと思います。  あるいは,学習障害。よくLDという言葉で表現されると思うのですけれども,学習障害の場合は,得意,不得意という形で様々な障害の症状が出てくると思うのですが,例えば,黒板の縦書きが読めませんというお子さんもいらっしゃるのです。縦書きが読めない場合に,国語の授業についていけるかというと,ついていけなくなることがたくさんあるのではないかと思います。  その子は横書きだと見えるのです。縦書きだと,字がうねって読めないというように私は聞いたことがあるのですけれども,ノートの場合は横に定規を置くと読める。そういったことをきっかけに不登校になるという事情も,お話を聞いていくうちに徐々に分かってくる。  逆を言うと,そういった事情さえ分かれば,どういうサポートによって,例えば学校の授業に加わっていけるのかというヒントになり得るわけです。元々は,こういった形で主訴としては受けていますというカウントの取り方をしていますけれども,一つ一つの中身をひもといていくと,複数のニーズがその中には含まれていますということをお伝えさせてください。それが2ページ目の表になっております。  3ページ目は,どのようにここあに相談しているかについてです。  それぞれ,「面談」「電話」「メール」「訪問」「カンファレンス」「郵送」というようなことが書いてあります。やはりコロナの影響もあって面談の件数が比較的控えめだったと思うのと,逆に,電話とメールで御本人や御家族とやり取りすることは複数あったというところは現れています。ただ,やはり,面談でしか分からないことがあるのではないかと思っていて,その子の雰囲気だとか,元気さ,言語ではなかなか表しにくい要素は,対面でないと伝わってこないことがあるので,もちろん,安全に配慮しながらではあるのですけれども,面談の機会は絶やさず御家庭や御本人と取り結んできたというのが昨年度の実績だったと思っております。  ひとまず,相談のところは,そういった形になります。  続いて,居場所のことも御説明いたします。  居場所は,対象がおおむね15歳以上の子ども・若者に対して,家以外の場所でゆっくり過ごす場として提供させていただいているところです。自由に過ごしつつ,ボランティアさんや,ほかの利用者さんとの交流を持つことができるので,他者に対して徐々に徐々に心を開いていけるという場所になっているのと同時に,そういった場所に楽しく通所できるように,様々なプログラムを準備しているというのが現状になっています。  ページを開いていただいて,そういった自由な場所として設定している居場所の事業ではあるのですけれども,彼らもいずれ,この居場所から社会に巣立っていくということを考える必要があると,私たちも思っています。彼らの話をよくよく聞いてみると,何か次の一歩を踏み出すのに勇気が持てないとお話しする方が多いと思っています。  よく,子ども・若者の支援を語るときに,自己肯定感の低さみたいな言葉で表現される何かがあると思うのですけれども,私もやはり同様に,それに近い感情を覚えることがあると思っています。  その次の一歩の1つに,やはり,皆さん,働くということを頭の片隅に置いていると思っています。もちろん,進学のことを考えるという方もいらっしゃるのですけれども,進学の先には働くことを考えるというのは,やはりどこか頭の片隅にあるというのはありまして,私どもも,そういった方々に何をフィードバックできるかというのを考えたときに,就業体験ができるといいということで,このパワーポイントの資料のとおりのプログラムをつくるに至りました。  無印良品のパルコ調布店とクイーンズ伊勢丹の中に入っている仙川店と提携して,就業体験をプログラム化してみました。主な対象として想定しているのは,アルバイトをなかなか始められない方です。アルバイトを始めるのって,私たちの感覚としては簡単なことか,難しいことか,人それぞれかと思うのですけれども,例えば,面接があるとか,採用の合否があると考えると足がすくんでしまったり,そもそも自分は何ができるのだろうというイメージができないですよね。  そういう状態の中で,足がすくむというのは,それはそうだと私たちも考えていまして,そのハードルを,体験によって少しでも下がるようであれば,それは本人たちのためになるというところで,このプログラムを行っております。  アルバイトを始められずにいる方を主に想定しているところで,彼らの多くは自分の長所を自分でなかなか見いだすことができないのだと思っています。できないことはすごく羅列するのです。いいところというのは――例えば履歴書を書く練習してみるとして,長所,短所を書く欄がありますが,短所はすごく書くのですけれども,長所はなかなか書けない。  当たり前なのですが,それは見いだされていないだけで,見つけようと思えば幾らでも見つけられる何かなのだということです。それを見つけるために,このプログラムを用意しているというところがあるので,先方の店長さんたちとも,実際に体験した後の振り返りの時間をこうしていきたいですということをたくさん協議させていただいて,このプログラムの実施に至っています。  店長さんたちには,この就業体験を通じて,こういうことが助かりましたよとか,こういうことがもうちょっとできるとうれしいですねとか,そういった客観的な評価はもちろんいただくのですけれども,基本的には,自分の長所を見つけてもらうためのプログラムにしていきたいですということが各店長さんたちには伝わっているので,それに即した形の振り返りを本人たちにしていただければと思います。  昨年度はお2人,それぞれの店舗で就業体験を1か月ぐらいさせていただいて,お1人は,当時は高卒認定試験を取っている真っ最中でした。高校には在学していたのですけれども,高卒認定試験を受けると言っていて,ただ,これから先どうしていこうかというのをすごい迷われていた,女性の方だったのですが,その方は一気に自信をつけていって,今は,同じくパルコの別の店舗でアルバイトをするようになりました。別の店舗でアルバイトをしながら,ファッション系の専門学校に進学するという形で自立されていっています。  もう一方は,今,20代ではあるのですけれども,まだ高校に在学している方で,その方は社会経験がすごく少ないといいますか,恵まれていない中,この就業体験に臨んだのですけれども,彼も,この体験を通じてすごい自信をつけていって,今,学童のほうで非常勤として働いている状況にまで至っています。  もちろんサンプルは少ないですけれども,結果だけ見ると,自信をつけるというのは非常に大事なことなのだというのを改めて実感させられるような出来事だったと思っています。  もう一つ,居場所のことでピックアップしておきたいと思うのは,利用者で会議をやっていることです。ここあは,もちろん市の施策,事業として展開している場所ではあるのですけれども,実際に,居場所についての過ごし方のルールとか,やってみたいことは利用者さんたちが決める形が望ましいということで,定期的に会議の場を設けています。月に1回はやっているという感じです。  居場所に関わるルールといえば,例えば大声を出してはいけないみたいな基本的なことから始まったりするのですけれども,先ほどからお話が出ていますが,SNS上でのトラブルは彼らにとってももちろん無縁な話ではないですし,もしかすると利用者さん同士でのやり取りの中でトラブルになっているようなこともあるかもしれないと思います。  そういったことを私たち福祉職員の立場から,教育していくみたいな視点でのアプローチももちろんあり得るだろうなとは思うのですけれども,やはり何より大事だと思うのが,自分たちが一当事者として,どのように自分の身を守って相手を配慮するかということを,自分たちで考えてもらうことが一番大事だと思うので,こういった会議の場を通じて,例えば,SNS上で自分の身をどう処していくか,振る舞っていくかというのを,みんなで意見を出し合いながら獲得していってもらうという会議をしています。  そういったことを,居場所のプログラムとして実施しながら,いろいろな力をつけていって,居場所から巣立っていただけるように努めているところです。  次のページに学習支援のことが書いてあります。  学習支援は,先ほど申し上げたとおり生活困窮者世帯の中学生を対象にした事業になっています。もしかすると,ここにいらっしゃる皆様も,ここあイコール学習支援というイメージが強いと思うのです。時系列上でいくと学習支援の事業が一番先に始まったということがありますので,そのイメージが間違っているわけではないですけれども,少し中身を確認していただきながら,その内実を知っていっていただければと思っています。  学習支援の内容については,元調布中,五中の教員であった方のコーディネートの下,大学生のボランティアがマンツーマンで学習を支援しています。  5ページの下の表を見ていただくと,各中学校の利用者数が表れています。昨年度は,学習支援に登録してくれた中学生は102人までいきました。102人というと3クラス分ぐらいですので,すごいなと思うのですけれども,やはり,当然地理的な要件が出てくると思いまして,この学習支援の事業は,総合福祉センターで行っている関係上,学区内の調布中の生徒さんがたくさん通われているというのが,この数字でも明らかであると思います。  逆に,例えば四中であるとか,八中であるとか,東側のほうに位置する中学生の生徒さんは,ここになかなかアクセスできないという状況も,ここから見て取れると思います。ただ,近くにあるから通いやすいというのはもちろんなのですけれども,ここあに通うことに,どうしても心理的な抵抗感があるというお子さんも中にはいらっしゃるので,近くないほうがいいというニーズもここには含まれると思います。そのことも,併せてお伝えさせていただければと思います。  あわせて,ここに数字化していますけれども,大学生のボランティアさんがマンツーマンで教えますというのが事業の内容になっていて,去年は102人の登録者数に対して,大学生のボランティアが129人まで登録していただいたという形になっていて,数字で比べたことはないですが,ここまで大学生のボランティアを抱えて,利用者を抱えて展開している学習支援は,日本でも少ないのではないかという事業になっています。  次ページに行っていただきまして,どのくらいここあの学習支援を使っているかというものを書かせていただきました。  4月から3月に向けての延べ人数です。やはり夏以降になってくると,中学校3年生の受験勉強が本格的に熱が入ってくるという時期になりますから,8月以降は利用者がどんどん増えていく状況になっています。  去年は,中学生の学習支援は142日実施させていただいて,1日平均としては24.2人の方がいらっしゃったという状況になっております。  あわせて,ここには現れていませんけれども,3月,春休みの時期には小学校6年生の子たちも,ここあに通えるようになります。中学準備のために,早めにここあにつながれるようにという形で,春休み時期から小学校6年生の方々が使える状況というのを展開させていただきました。  学習支援については,こういった内容になっていて,私のほうから,この相談,居場所,学習支援を一体的に運営している意味を,最後にお伝えさせていただければと思います。  ケースのことになるので,細かいところもあるのですけれども,概要を抜き出しながら,そのエッセンスを皆様と共有させていただければ幸いです。  まず,この事例を話させていただく前に,相談,居場所,学習支援を一体的にやっているという子ども・若者総合支援事業自体,設立当初は全国的に見てもかなり珍しかったのではないかと思っています。一昨年度,日本全国からの行政視察に私も20回ぐらい対応させていただきましたが,そのぐらい先進的な事業として位置づいていたのだと思っています。  追随する形になっているか分からないですけれども,それを模した形で,今いろいろな自治体でこういった形の一体的な運営を行い始めている事業所があるのですが,それくらいかなり先進的な事業だったのではないかと思っております。  それを踏まえた上で,この一体的に運営している意味というのを,ケースを通じて皆さんと共有させていただければと思うのですけれども,あるAさんのケースです。この事例に関しては,本人が特定されないように加工しておりますので,あらかじめ御了承ください。  経緯から申し上げますと,子ども家庭支援センターすこやかの相談員さんがもともとつながっていたケースなのですが,御本人は,相談当初は中学校2年生で,中学校に1日しか登校できずに不登校になって,2年生,3年生も結局最後まで登校できなかった子のケースについてです。  御家庭が,御両親からのネグレクトの傾向もあって,かなり孤立している状態で,すこやかの相談員さんも細々とつながっていたケースだったのですけれども,日中,ほかの人と過ごせる場所を探していまして,ここあの居場所につなげたいですというのを,最初にすこやかの相談員から,うちに連絡が入ったという感じになっています。  最後のページを見ていただくと,時系列に並べさせていただいています。そういった相談が入ってから,その相談員さんと一緒に,2週間に1回ぐらい居場所でゲームをやろうかという感じで定期的に来てくれている状態が何か月か続いたというところなのですけれども,その後,そのすこやかの担当職員さんが変更になるという事情があって,そのときに御本人は携帯電話を持っていないという状態,かつ,ネグレクトみたいな状況があるので,本人と連絡がなかなか取れないという状況が私たちにも訪れまして,居場所に来る機会が一気に激減していくという状況になりました。  困ったねということを,すこやかの職員さんとも相談させていただきながら,この時期を過ごすのですけれども,それでも,お家を訪問させていただいたりしていくうちに,支援をまた再開できる状況が生まれてきました。  支援が再開した状況のときには,もう既に中学校3年生の12月ぐらいでした。御家庭も,御本人も,高校に進学するイメージが全然湧いていない状態で,この時期に支援機関に再びつながってきたというところがあって,ただ,漠然とは,高校に行きたいのだなということが言葉から聞き取れる状況でした。  そんな中,受験まであと1か月というタイミングなのですけれども,学習支援は先ほど申し上げたとおり生活困窮世帯へのサービス提供になります。実は,この子の家庭は御両親共に働いていらっしゃるのですけれども,ネグレクトという状態なので,本人の教育機会としてはかなり困窮している状況ではあるのですが,収入の要件としては全然クリアしているという感じでした。かつ,あと1か月しかないというタイミングで,学習に関する支援を大学生に投げることは私たちもできないと思っていましたので,職員である私たちが,すこやかの職員さんと協力しながら,受験にどう向かっていくのかというのを本人と確認して進めてまいりました。  手続に関しましても,まず不登校であり,そのときには学校さんも受験することを知らない状況でした。お母様も,受験の手続ができるかなというところも不透明なままでしたが,そこも丁寧に丁寧に調整させていただきました。受験することを中学校と共有するためにカンファレンスを何回か開かせていただいたり,一番うれしかったのは,学校の担任の先生がすごい熱心な先生で,うちに何回も来てくれて,本人の様子を確認してくれたり,お話ししてくれたりする中で,その先生の御助力もあって手続は滞りなく進んでいった状況だったと思っています。  結果的には,御本人は勉強での受験というのはなかなか難しいこともありますし,不登校ということで内申点がなかなか期待できないという状況の中で,学び直しの学校であるチャレンジスクールのほうを,小論文,面接も一緒に練習しながら受験に臨んでいきました。  ちなみに,この方は小論文の練習をするときに,鉛筆を持ったのが2年ぶりで,字が書けないというようにおっしゃっていました。ペンだこがすぐできてしまって痛いと言って。そのぐらい,そういった機会から離れざるを得なかった環境で生きていたのだなと思うのですけれども,ただ,それも本当に熱心に,本当に頑張ったなと思います。面接の練習もすごくすごく重ねて,本人の意図なのか,台本なのか分からないぐらい一体化したものを答えとして出すぐらいまで練り上げられていったという感じでしたけれども,無事,チャレンジスクールに合格していきました。  今は,本当に毎日学校に通っているという状況の中で,人に大切にされていったという経験がやはり効いているのではないかと思うのです。さっき,なかなかバイトできないという話をしていましたけれども,この子に関しては,そういった人にもまれた経験が土台になって,自分でバイトを見つけてきて,今はバイトも頑張っているみたいです。回転寿司屋でバイトしているという話を聞いています。  概要としては,そんなケースです。  ここで改めて,相談,居場所,学習支援を一体化してやっている意味をお伝えしたいと思うのですが,居場所とか学習支援って,利用者さんがうちに来るという通所の事業なのです。もちろん,通所できる人は来てくれるので,いいと思います。そこで様子を見たり,お話をすることができるという状況があるので,それはそれでよいのですけれども,来ることができなくなる子もたくさんいらっしゃるのです。それはもちろん不登校という状況だったり,ひきこもりという状況が近いと思うのですけれども,そういった方を,どうやって支援していくかというように考えると,やはり相談支援しかなくて,相談支援というのは,私たちケアをする職業を行う身としては必須の事業なのだなということを改めて確認させていただいています。  先日,とある大学生が,ここあを少し見学したいと,興味を持って見学に来てくれたのですけれども,「ここあって無料塾なんですか」という質問をしてくれたのですが,やはり私はすごく違和感があって,塾ではないという言い方をさせてもらっています。その意味が今のケースでも伝わるかと思うのですけれども,学力を支援しているわけではやはりないのかなと。言葉にするのはすごく難しいのですけれども,生きることを支援しているとしか言いようがない事実を,やはり私たちはケアしているのだということが,この3つを一体化してやっている意味の本質なのだと思っています。  下の黒ポチのところにも,受験まであと1か月半しかないけれども,どうしようとか,受験対策をどうする,家族の意向を確認ができていないとか,そういった困難な状況がある中で,生きる支援とはどういうことかというのは様々頭を悩ませながら,こういった経過をたどっていったのです。今振り返ってみると,当たり前ですけれども,ここあだけでやることではなくて,さっきも数々登場しましたけれども,学校さんであったり,教育委員会であったりとか,この子はKiitosにも通っていらっしゃるのですけれども,Kiitosの代表の方だとか,いろいろな方と形を練り上げながら高校進学,あるいは,その後の高校生活を支援していたということも,無料塾ではできないのではないかと思っています。  関係機関との連携という言葉でよく表されることかと思うのですけれども,そうした枠組み自体も,例えば,このネットワークで保障されているというのは,私たちにとっても,すごく心強いことですし,味方がたくさんいるのだなということを支援者同士も日頃から意識しながら,彼らのケアに臨めるというのは,この3つの事業を一体的にやっている本質的な部分なのかなと思いながら,日々,仕事をさせていただいております。  本日の説明は以上になります。ありがとうございました。 会  長: ありがとうございました。事務局及び社会福祉協議会からの説明は以上ですが,御意見,御質問がございましたら,どうぞ。 委  員: 御説明ありがとうございました。  今,無料塾ではない,学力を上げるというよりは生きることを支援しているという御説明があったのですけれども,実際には,受験の結果はよかったように聞いているのですが,その辺は,学力も上がるのですよね。 社会福祉協議会: 学力は上がりますね。やはり,一対一で丁寧に勉強するのって,義務教育の中でそれができるかというと,もちろんできないので,そういったところも効いているのは間違いないと思うのですけれども,今の御質問で,結果,学力は上がっているのですが,目的は学力かと言われると,それ以外にもあるという言い方が正しいと思っているところです。 委  員: ありがとうございます。 会  長: 体系的に勉強したことがないから興味が湧くといいなという気もするし,それから,一種,子ども食堂と同じように,やはり,学びに来るけれども,今まで経験していない心地よい居場所という感覚もあるのですかね。 社会福祉協議会: あると思います。分けて説明してしまいましたけれども,学習支援に来ること自体が居場所になっているという子もたくさんいらっしゃって,安心できる人に勉強を教えてもらっているとか,大学生って年齢が近かったりするので,そういう存在になりやすいだろうなと思うのです。そういったことも,この学習支援の裏で支えていることなのかなと思います。 会  長: まだ民業圧迫とか,そういう話は出ないですか。本件はまだそういうことがないと。 社会福祉協議会: そうですね。やはり,すみ分けているのかなという印象はあるのですけれども,塾ではないということしか言いようがないと言えばいいのですかね。  自治体によっては,民間の塾を運営しているような企業に学習支援を委託している自治体もたくさんあるので,いろいろな価値観があるかとは思うのですけれども,調布の場合は,社会福祉協議会に委託していただいていることを考えると,やはり,これは福祉サービスだということを意識しての選択なのだろうと自分は捉えております。 会  長: 1つは,御説明の中にもあったように,所得水準ということで説明はつくと思うのですよ。一定以下の御家庭だと,なかなか塾に通わせるわけにいかないだろうという。ただ,それをはるかに超えている,明らかにというところには,これも御説明の中にあった,勉強だけ,学習だけを与えようとしているのではないということなのかなと思います。 社会福祉協議会: ありがとうございます。やはり,要件をめぐって,いろいろな難しさを感じることがたくさんあって,さっきの事例でも出ていましたけれども,この御家庭は,世帯の収入としては要件を全然超えてしまっている世帯なのですが,本人の実態としては,かなりの困窮しており,冬服がないといって来たこともあったぐらいなのです。買ってもらえないのです。そのため,収入では計れないのだと,単純に思っていいのではないかと思います。  制度のはざまという言い方が合っているのかと思うのですけれども,そういう方をどのようにケアできるのかというのは,引き続き私たちの課題として引き受けると思いますし,ここあの場合は,相談という絶対的な広い枠組みがあるので,とにかくそこで受け切るつもりで私たちは仕事をさせてもらっています。 会  長: 最後に,もう一つ。そういう環境の御家庭だと,子どもに対する教育だけではなくて親に対する教育をしなければいけない。 社会福祉協議会: そうですね。 会  長: そこまでは,なかなかやり難いのですか。 社会福祉協議会: 教育という文脈になるのか,それこそ福祉という文脈になるのか分からないと思っているのですが,お父様は多分,発達障害を持っていらっしゃる感じかなと思っていて,突発的に,北海道で3年間仕事をしてきますという感じで,いきなり家族から離れてしまったりとかというお父さんだったりするのです。  お父さんにも片割れの,相談できる人がいるといいなと思うのです。枠組みに落とし込むわけではないですけれども,親にとっても,相談できる人がいるのって非常に重要なことかなというのは,このケースを通じて改めて思いました。 会  長: ありがとうございました。ほかにはよろしいですか。付随した御質問は。      (「なし」の声あり)  では,そういう活動が事業としてなされていると御承知おきいただきたい。御協力いただける部分があれば,またよろしくお願いします。 8 情報交換 会  長: 続いて,次第5「情報交換」に移ります。まず,調布警察署からの情報提供ということで,よろしくお願いします。 委  員: 皆様方におかれましては,常日頃から,警察業務全般にわたって御理解,御協力,誠にありがとうございます。御指名でございますので,調布警察署から情報提供といたしまして,少年関係の現状などについて,若干,話をさせていただきたいと思います。  全庁的に申し上げますと,非行少年は平成22年から減少傾向でございます。当署においても例外ではございません。犯罪少年は平成30年から減少傾向でありまして,数字を申し上げると令和3年1,810件に対しまして,今年,令和4年は1,714件ということでマイナス傾向でございます。補導の関係で申し上げますと,コロナの感染拡大が若干落ち着きを見せているという影響も考えられるのかと思いますけれども,深夜徘回が8,715件ということで今最大になっております。ゲームセンターだとかといった不健全娯楽が2,702件。  ただ,当署の数で申し上げますと深夜徘回が50件,不健全が32件ということで非常に少ないのですけれども,これは何なのかなと考えてみると,当署の少年に限らず,新宿だとか渋谷といった繁華街で補導されている子たちが非常に多いのが現状でございます。コロナ禍でお家時間が増えたことが影響していると思われるのですが,家庭内,夫婦げんかだとか,それに伴う面前DV,児童虐待などが非常に増えているのが現状です。  とにかく,青少年を取り巻く現状は,最近非常に大きく変化しております。先ほど市長も言われましたけれども,スマートフォンの普及,SNSの浸透に伴って,薬物とか闇バイト,自撮り被害を含む児童ポルノ,それに伴うストーカーやDVが増えてきているのが現状でございます。我々大人の知らない世界で,サイバー空間でいろいろなことが起こっているのかなというのが現状でございます。  小学生とかでしたらゲームのSwitchだとか,ああいうのを利用してサイバー空間に行ってみたり,中学生であれば,スマートフォン以外にも,学校から配付されているタブレットのセキュリティーを解除してサイバー空間に飛び込んでいってしまう。そういったのが現状でございます。  警察としましては,何でもかんでも事件だ,身柄だというようにはもちろんいきませんので,引き続き,関係各部署と連携を密にして,それぞれの事案,事案に応じて対応を取ってまいりたいと思います。いずれにしましても,警察だけでは力に限界がございますので,これからも皆様方をはじめ,様々な関係部署と連携を取りながら,各種対策に取り組んでまいりますので,引き続き御理解と御協力をよろしくお願いしたいと思います。  調布警察署からは以上とさせていただきます。 会  長: ありがとうございました。何か御意見,御質問ございましたら。――今の御説明の中にも一部あった,遊戯施設等で,一定の時間を超えて,明らかに児童・生徒だと思われるようなのがいることがあるわけですね。 委  員: はい。 会  長: そうすると,素朴な疑問として,そこの運営企業に厳しく言っておくということは,どこまでできるのですか。 委  員: もちろん,申入れはいたします。継続的にずっといたりする場合,帰りなさいよという注意などは促してもらうように。 会  長: 20時,21時を超えているようなことはやめるようにと。それから,少なくとも遊戯施設の中に厳しく貼り紙をするとか,そういうことはなされているのですか。 委  員: はい,していただいております。 会  長: それでも,やはりなかなか? 委  員: そうですね。 会  長: 営利だから,商売だから,もうけることに関して,客を追い出すことはやり難いというのはあるだろうが,なかなか難しいのですかね。 委  員: 明らかに,制服とかを着ているのであればもちろん注意できると思うのですけれども,大学生っぽいだとか,一見して大人に見えるとかというのであれば,店側とすれば注意しづらいのかなと思います。 会  長: ほかに何かございますか。よろしいですか。――ありがとうございました。  それでは,続きまして,中学校校長会から情報提供をいただけるということで,よろしくお願いします。 委  員: お世話になっております。  今,中学校は合唱コンクール,音楽祭を開催もしくは終わっているところです。本日はグリーンホールで調布5中がコンクールを実施しております。  この議題の中でもいろいろと出されていましたが,SNSをめぐるトラブルについて,中学校長会としてもしっかりと注視していかなければいけないと考えています。  最近の傾向として,保護者の見えないところでSNS上にてトラブルになり,友人などの第三者を介して,学校に持ち込まれる事例が増えています。ご家庭もSNS上のトラブルにはなかなか苦慮していて,すぐに担任や学校に相談があるケースについては,学校も保護者と一緒になって早期の解決に向けて対応しています。  第1回目の会議でもお話しさせていただきましたが,関係機関と協力,連携を図りながら中学生向けの講義もしくは講演会を開く。また,保護者向けにも,SNSに関する情報提供を行っています。  短いですけれども,私からは以上になります。 会  長: ありがとうございました。これからも本当に,継続的に,いろいろなことが出てくるだろうし,大変難しいですね。どなたか,それに関して御意見等ございましたら,どうぞ。 委  員: 質問させていただいてよろしいでしょうか。  生命(いのち)の安全教育というのが,性被害に遭わないよう,自分たちの身を守ることと同時に相手も大切にするというのが今年度か昨年度から東京都から下りてきて,来年から強化期に入ると聞いているのですが,中学校でも取り組まれているのでしょうか。 委  員: そうですね。7月頃から市とも連携をして,そういったことに関して今までは扱いにくいイメージがあったのですけれども,各校の校長から,朝礼講話等を通して保護者,生徒・児童に向けて話をするのと,そういったことに遭わないこともそうですが,もし遭ったときに相談できる窓口をしっかりと示そうねということで,学校便りやホームページ等を使って周知,アナウンスしているところです。 委  員: ありがとうございます。親の会のほうにも,お母様方から相談があることがあり,SNSもそうなのですけれども,何か写真を送れと言われたとか,子どもがそういうことに遭っていることを伝えると怒られるのではないかと思って,すごい秘密にしているなど,いろいろなことがあって。  それは,もう全然相談していいのだよということをお伝えいただけると,子どもたちは,巻き込まれないようにもするでしょうし,万が一,気がついたらそういう感じになったときに,言っても怒られない,相談に乗ってもらえるということがあると,ありがたいなと思っております。 会  長: ありがとうございます。ほかはどなたかございますか。――タブレットを全員に配って学習効果を上げるというのは,もうこれから前進させるしかないけれども,ただ,そういったものが配られなくても,家にパソコンがあるということになると,その内情を学校が分かるわけはないし,大変難しい問題ですよね。  考えてみると,携帯電話というのは,ここ30年以内の話ですよね。それまでは,そういったものはなかったので,話に上がるケースがなかったのです。そうやってずっと考えていくと,1960年代までは,家に電話もなかったのですよね。それは我々の世代だから分かるのだけれども,だから,便利になることと裏腹に,子どもを見守る環境が不便になっている。  本当に難しいですけれども,やはり,先生,社会で,それから一人一人の家庭,子どもたちの環境の中で何が起こっているかというのを,まず正確に知るということですよね。考えようによっては,あんなに面白いおもちゃはないので,いろいろアクセスしたりするのだろうけれども。  それと,もう一つ気になるのが,さっき申し上げましたように昔は電話すらなかった。電話だって,家の電話をみんなで使っているから意思の疎通,大体分かったのだけれども,子どもたちの間では,大人が計り知れないような情報交換,何が行われているのか全然分からなくなってきたというのが不気味ですよね。もちろん,いい面で利用していることのほうが多いとは思いますけどね。  ここの協議会の場でも今後とも具体例を,新しい現象などが起これば協議していくことも当然続いていくと思いますので,どういう現象が起こっているかというのを,ぜひまた御紹介いただければと思います。よろしくお願いします。  そのほか,どなたか,情報提供ということでございましたら。どうぞ。 委  員: 健全育成推進地区代表者連絡協議会です。お世話になります。  先日も代表者連絡協議会のところで,健全育成の手帳の在り方についてお話が出ましたので,児童青少年課のほうから説明をお願いします。 事 務 局: それでは,青少年健全育成推進者手帳について御説明いたします。  こちらの手帳は,青少年健全育成施策に関する各種例規等のほか,青少年問題協議会や補導連絡会,健全育成推進地区委員会全20地区の委員の皆様の名簿を掲載しているものでございます。  青少年健全育成方針の改定や,委員の皆様の任期の切り替わりに合わせて2年ごとに作成しておりまして,委員の皆様に配付しているものでございますが,委員の名簿が含まれていることから廃棄しづらい,何年も委員を務めている場合,何冊も頂くことになり保管場所に困っているなどの御意見をいただくこともございました。  そのため,先日開催いたしました健全育成推進地区代表者連絡協議会において,各地区における手帳の活用状況についてお尋ねしたところ,各種例規や青少年対策の沿革が記載されているページ等については,地域で健全育成に関する質問をされた際に参考にすることもあるが,ホームページ等に情報が掲載されていれば手帳という形にこだわるものではないとの御意見でありましたことから,必要な情報についてはホームページへの掲載や,必要な情報のみを印刷配付することとして,青少年健全育成推進者手帳については来年度以降作成しないという選択肢も視野に入れながら検討してまいりたいと考えております。  今後,12月中に実施予定である補導連絡会や青少年問題協議会の専門調査員会の中でも,皆様の御意見を伺った上で,次回の令和4年度第3回調布市青少年問題協議会の場で改めて御協議いただきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。  説明は以上となります。 会  長: よろしいですか。では,次回のテーマになるということで御承知おき願いたいと思います。よろしくお願いします。  そのほかに,どなたか御発言がありましたら,御自由にどうぞ。       (「なし」の声あり)  よろしいですか。 9 その他  会  長: それでは,最後に,次第6「その他」。事務局から次回の日程等を御説明します。 委  員: 次回は,来年の2月2日木曜日午前10時から,こちらの市長公室での開催を予定しておりますので,よろしくお願いいたします。  以上でございます。 会  長: コロナがその頃,かなり劇的に落ち着いていればなと期待をしつつ,完全には終息しないような中ではありますけれども,子どもたちが気の毒な面と,それから,よく頑張っているなと思う面とありますが,そういうことも含めて,またいろいろな観点から御協議をお願いしたいと思っております。それでは,令和4年度第2回青少年問題協議会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。       閉 会 - 2 - - 1 -