令和4年度第3回調布市国民健康保険運営協議会 議事録 令和4年11月22日(火)午後2時から  文化会館たづくり本館10階 1001学習室 出席委員 板橋 幸義,倉田 道夫,六車 祥吾,      井上 博文,阿部 智行,常谷 紀子,      井上 耕志,大野 祐司,坂内  淳,内藤美貴子,元木  勇 事務局  (福祉健康部参事)風間 雄二郎      (保険年金課長)荒木 優一      (保険年金課副主幹兼給付係長)若松 靖高      (保険年金課給付係給付担当係長)荒谷 太郎      (保険年金課資格課税係課税担当係長)穐山 雄一 <次 第> 1 開 会 2 議 題   調布市国民健康保険税の税率等について(諮問) <資料>  資料1 調布市国民健康保険税の税率等について(諮問)(案)  ◆調布市国民健康保険運営協議会委員名簿  ◆調布市国民健康保険運営協議会事務局職員一覧 <議事要旨> 1 開 会 会長     ただいまから令和4年度第3回調布市国民健康保険運営協議会を開催いたします。委員の皆様には,ご多忙の中,ご出席を賜り,誠にありがとうございます。本日も会議を公開して開催いたしますので,ご了承をお願いします。 2 議 題   調布市国民健康保険税の税率等について(諮問) 会長     本日は,1件の諮問事項がございます。これから皆様を代表して,長友市長から諮問書を受け取ります。長友市長,お願いします。 市長     調布市国民健康保険運営協議会会長 元木勇様        調布市長 長友貴樹        調布市国民健康保険税の税率等について(諮問)  調布市国民健康保険条例施行規則(昭和49年調布市規則第29号)第2条の規定により,国民健康保険税の賦課方法について,下記のとおり諮問する。       1 諮問事項         調布市国民健康税の税率等について (1)基礎課税額(医療分)         ア 所得割税率 「100分の5.25」を「100分の5.52」とする。         イ 均等割額 「27,600円」を「29,000円」とする。         ウ 課税限度額 「63万円」を「65万円」とする。 (2)後期高齢者支援金等課税額(支援分)         ア 所得割税率 「100分の1.88」を「100分の1.98」とする。         イ 均等割額 「9,800円」を「10,300円」とする。         ウ 課税限度額 「19万円」を「20万円」とする。 (3)介護納付金課税額(介護分)         ア 所得割税率 「100分の1.66」を「100分の1.75」とする。         イ 均等割額 「11,400円」を「12,000円」とする。 (4)適用の時期          令和5年度分の国民健康保険税から適用する。       2 諮問理由  調布市国民健康保険財政の健全性を確保するため,国保財政健全化変更計画書(令和2年2月20日東京都提出)に基づき,税率等の賦課方法を改めるものです。 (長友市長から元木会長に諮問書を手渡す) 会長     ただいま長友市長から諮問書をいただきました。        諮問にあたりまして,長友市長からご挨拶をいただきたいと思います。 市長     こんにちは,市長の長友です。        本日は,ご多用のなか,第3回調布市国民健康保険運営協議会にご出席を賜りまして,誠にありがとうございます。  さて,国民健康保険でありますが,接続可能な社会保障制度の確立を図るため,平成30年度の大きな制度改正を経て早5年目を迎えております。しかしながら,残念なことに財政事情は依然として厳しいというのが現状であり,これはひとつ調布市の例に留まるものではもちろんございませんが,苦慮しているところであります。        この間を振り返ってみますと,令和2年に本協議会からの答申を踏まえて「国保財政健全化計画」を改定し,本市においても,計画的な財政健全化の取組を進めているところです。今回は,この計画に基づく実質的に初めてとなる税率等の改定を行うことについて,先程,本協議会へ諮問させていただきました。  具体的な内容としましては,計画に定めたとおりであり,5%規模の税率改定と政令改正に対応した課税限度額の引上げになります。        長引くコロナ禍や物価高騰もあり,市民生活への影響にも目を配っていく必要がありますが,ますます高齢化が進展するなか,国民皆保険の最後の砦となる国民健康保険制度を今後も持続していくためには,市としましても,計画に基づいて着実に財政健全化の取組を進めていく必要があると考えております。        国民皆保険と一口に申し上げましても,先進国どこも苦慮しているのが実情でありまして,日本のみではございませんけれども,その運営を担うのは各基礎自治体の重要な使命であります。   現在,非常に難しい状況にあると承知しておりますが,委員の皆様には,どうか忌憚のない御意見・御審議をお願い申しあげ,本制度をこれからも円滑に持続していくために,皆様の見識ある御卓見を拝聴させていただくことをお願い申し上げまして,私からの挨拶とさせていただきます。        どうぞよろしくお願いします。 会長     ありがとうございました。委員の皆様には,本日,諮問内容について,ご意見等を頂戴したいと思いますので,よろしくお願いいたします。        なお,長友市長は,ここで退席されますので,ご了承いただきたいと思います。 市長     どうかよろしくお願いいたします。 (長友市長退席) 会長     それでは,これより次第の2議題に入ります。先程,長友市長より「調布市国民健康保険税の税率等について」の諮問をいただきました。内容としましては,令和5年度からの調布市国民健康保険税の税率等の改定であり,前回会議においても,ご意見等をうかがったところです。        まず,前回会議でご質問いただいた内容について,事務局から補足説明があるとのことですので,よろしくお願いします。 (事務局から補足説明) 会長     以上で事務局の説明は終わりました。ご質問等がある場合にはお願いします。 公益G    資料作成ありがとうございます。2つの点から質問等させていただきます。1つは,来年度からの税率改定等の諮問ということですが,社会経済情勢的に言えば,この物価高騰が果たして収まっていくのかというと,そういう可能性は非常に薄いと思っています。  こうした中で,本市もそうですし,国も含めて,この対策をどうしていくのかということが非常に焦点になっていると思います。そういう点で見ると,前回の資料で恐縮ですが,所得ごとの試算の中で,非常に所得の低い加入者のところでも負担増になりますが,この間の国民健康保険の資料を見てみますと,7割軽減は令和2年度から3年度にかけて300人近く増えております,5割軽減,2割軽減の方,特に2割軽減という軽度の軽減の方が減っている状況も確認できます。本当にぎりぎりの方でも,金額は少ないとはいえ,負担が増えるという計算になっています。  あとはいわゆる境界層というか,月収10万円で子供1人を育てているひとり親世帯の例だとか,月収16万円で母1人,子供2人という世帯の例などが挙げられており,このような世帯では,5割軽減の対象にはなっていますが,本当に月収10万円といった水準の場合,生活保護の対象になり得るのではないかというような世帯になりますし,月収16万円の方でも,住民税がぎりぎりかかるかかからないかというような水準だと思います。そういうところにこの非常に厳しい状況の中で,やはり負担が増えるという制度設計になっているということについては,このままでよいのかなという思いがあります。  もう1つは,対象人数が多いということです。300万円,400万円の所得の世帯の皆さんは,実際にはどのような職種か国全体のデータしか分からないということではありますが,間違いなく自営業者と法人ではない方が対象になっているのではないかと思います。  そういう皆さんは今,原材料や燃料代などの高騰があるなか,本市でもそれらの影響を避けるため,前回もご紹介させていただいたとおり,公費を4億円投入して負担軽減を図っているということです。しかしこのような中で,やはり一定の負担増をこの社会保障制度において求めざるを得ないという制度設計になっていることについて,このままでは,市の姿勢としてまずいのではないかと考えています。  現在何とかぎりぎりで生活を踏み止まっている人が,負担増で生活保護になってしまうとか,よくない形でお金借りるとか,更には,事業者の皆さんが事業継続できなくなってしまうということになると,長期的には,市の財政にとっても決していいことではないし,ご本人たちにとってもよいことではないと思いますので,ぜひ再考してほしいと思います。  そこで質問ですが,調布市はこの間,国民健康保険において,特にコロナの中で,色々な負担軽減策を調布市独自も含めてやってきたと思いますが,それが今でも続いているのかということと,最近新たに国も含めて制度的に導入されたものがあれば教えていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 事務局    まず1点目の主には税の減免というところの回答にはなりますが,引き続き令和4年度もコロナの減収,コロナウイルスの影響による減収世帯に対する減免制度を行っております。  徴収部門で相談があった際に,コロナによって減収しているといったお話しがあった場合には,コロナ減免の可能性がないか検討し,納税課と保険年金課で情報共有しながら,必要な方に必要な支援をしていくことに努めさせていただいております。  これに加え,今回の生活困窮とは別にはなりますが,ウクライナから避難してきた方への対応ということで,国保税に関しても減免措置を取っており,必要な支援を実施しているところです。  次に2つ目のご質問について,新たな制度対応ということになりますが,こちらの主だったものとしては,未就学児の均等割軽減ということで,令和4年度から全国で制度がスタートしております。市でも前年度から準備をしまして,着実に対応してきております。 事務局    少し補足させていただきます。今ご説明させていただきました国保税のコロナによる減免について,今年度,当市の場合,国からの補助金が減免額の10分の4,4割しかこないという状況で予定されておりましたが,直近で通知があり,特別調整交付金で,全額補助を受けられる見通しとなりました。  また,コロナに対する傷病手当金についての直近の支払状況ですが,昨年度は,50件いかない程度40数件といったところでしたが,今年度,現時点,今日までの段階で110件支払っており,支払金額の合計で,すでに400万円を超えるような数値になっておりますので,この点からも,コロナにかかり,影響を受けている方も多いと認識していますので,必要な対応を進めているところです。 公益G    ありがとうございました。少し確認したいのですが,国のコロナ減免の制度は続いているのはわかりますが,調布市独自で行っていた1万円の子育て応援減免はどうなるのでしょうか。 事務局    子育て応援減免についてですが,先程ご説明させていただいたとおり,コロナにより減収が見込まれる方については,税を減額するという措置を取っております。  これは,国の制度に基づき実施しており,当初それにプラスをして,調布市独自で子育て応援減免という減免制度を導入しました。こちらについては,令和2年度と令和3年度で実施しましたが,令和4年度については,未就学児の均等割軽減,半額軽減というものが始まりましたので,そのタイミングで子育て応援減免については,終了しております。 公益G    傷病手当金の状況の説明を含め,ありがとうございました。コロナの感染が深刻になっているのか,休まざるを得なくなったときに申請している方が増えているのかという点で見ても,被保険者の皆さんの実態はなかなか大変だと感じています。  また,色々と国の制度が充実されたということではありますが,せっかく市がやっていた独自減免が終わってしまったということは残念だと思います。国保の状況が厳しいという話は,重々理解していますが,例えば,来年度から18歳までの医療費を無料にするということとの関係でいうと,国保の被保険者の場合には,そのことにより,国保特会にも影響は出るだろうし,おそらく国基準を上回る分については,ペナルティのようなものが今もついていると思うのです。  しかし,その中で敢えて公益性を重視して,判断されているということもありますので,この諮問内容自体を再考していただきたいということ,私は反対ではありますが,仮にどうしても実施するのであれば,市民の実態にあった負担にどう軽減していくのかということについて,是非真剣に検討していただきたいと思います。  今,本当に必死で頑張っている皆さんの,金額は小さいけれども,それが社会保障制度において負担が増すかどうかということは,結構大きいと思います。何とか頑張って事業を継続している,何とか自力でいろいろ工夫しながら頑張っている皆さんが,苦境のサイクルに陥らないためにも,もう少し負担軽減策を考えていただきたいということを申し上げます。 公益X    今のやり取りを聞かせて頂いて質問があります。確かにその税率を上げることについては,種々課題があることは事実ですが,都や特に国では,様々な減免制度があり,コロナ禍や物価高騰への様々な支援が今審議されております。非課税世帯から生活困窮者まで拡大されて,支援金が支給されておりますし,また今後もそういった社会情勢の中で,引き続きそういった対応も市としてもやっていただきたと思います。このことは,市議会としても,働きかけていきたいところであります。  そういった中,先程の質疑の中で,子育て応援減免について,市が取り止めたように受け取られてしまうような説明もありましたが,これは令和4年度から未就学児の均等割が半額に軽減されたということについて,確認しているところでありますが,取り止めたということではなく,制度として実施されてきているからこのような形で進んできていると認識していますが,この点についてもう一度説明いただければと思います。 事務局    説明が不足していて申し訳ありませんでした。子育て応援減免については,今のご発言にありましたとおり,令和4年度からは,国の制度において未就学児の均等割を半額軽減するという制度が始まりましたので,そのタイミングで,令和3年度の子育て応援減免の実績を見たところ,数十件というところで適用が少なかったところもありましたので,このタイミングで切り替えをさせていただいたという意味合いで,受け取っていただければと思います。 公益X    やめたのではなく,切り替えたということについて確認できました。ありがとうございました。 公益F    今,ご発言があったように,他の施策で生活困窮者並びにそういった方々に対する補填,燃料高騰,物価上昇に対する大きな影響もありますが,その辺りを考慮して,かつ前回の協議会で説明があったように,令和23年度までの長期にわたる税率改定の目標を作って,それに則って令和5年度は5%上げるという形で,他の自治体と比べても非常に緩やかな上昇率を目指しているという点,それと国民皆保険ということで,国全体の動向というものもありますので,その辺りを踏まえると,この税率改定は,やむを得ないのかなと思っています。  本来であれば,もう少し,国や都が制度全体を見てくれればいいのでしょうが,そういうわけにはいかない部分もあると思いますので,調布市としても受け入れざるを得ない部分もあり,他市よりも上昇率を抑えながら対応していることを踏まえますと,税率改定は,やむを得ないのかなという判断をしております。 被保P    私からも意見を述べさせていただきたいと思います。今までの協議会で,皆様が色々なご意見を述べておられました。今回の税率改定は,値上げということで,もちろん被保険者としては,値上げというのは,なるべく避けたいというのがもちろん本音ではありますが,それよりも今は,基本的な財政の健全化,赤字を解消するということが必要なことだと思います。  それはなぜかといいますと,やはり次世代には,なるべく赤字を引き継がず,なるべく現役世代で,今までの赤字を解消していかないと,今後,どんどん少子化が進んで,人口が減っていくことになると思います。  前回の協議会で配布された国保の現状の資料も確認させていただきましたが,その中で,収納率に関しては,随分ご努力があったようで,大変高い数値が今は続いていると思います。また,被保険者の人数に関しては,穏やかながら減少しており,比較的穏やかな感じの数値が続いていますが,もしそれが大きな減少傾向になったときは,赤字を解消するということは,非常に厳しくなると思います。どうしても1人当たりの負担を大きくせざるを得なくなりますので,それを考えますと,今のうちに,なるべく赤字を解消していくということが,すべきことではないかと思います。  あとは,最近の物価高騰ということですが,もちろん色々な影響があるとは思います。戦争等,その他の影響もあるとは思いますが,では,景気がよくなったら金額を上げるのかというと,そうでもないと思います。ですので,今回の改定に関しては,やむを得ないこととし,今後に,なるべく残していかない,なるべく早く,赤字を解消していくということを,強く被保険者の方にも周知をして,値上げをするということでいいのでははないかと思います。 医療R    税率は上げないで済むものなら上げない方がいいと,皆様も同じようなご意見だとは思いますが,確かに,財政面から行くと止むを得ないとする意見が多分大勢だと思います。ただし,医師として健康保険を直接利用される方を見ている立場から言いますと,ただやみくもに赤字解消だけで進めてしまうと,国保制度そのものが立ち行かなくなるようにも思います。元々,国の制度設計の問題が多くあり,そのつけが,私たちに回ってきているだけという面もありますので,何とも言えないところもありますが,おそらくこのままどんどん上げていってしまうと,若い人が健康保険に入らないという現象がどこかで出てくるようにも思います。そうすると,国保の収入自体が激減する可能性がありますので,そこで崩壊してしまうというのが,最悪のシナリオとしては,あり得ると思います。  加入しない方が得だ,病気にならないからといって,今,若い人たちが加入しなければ,制度としては全く持たないこととなります。だからこそ,今は,税率改定はやむを得ないと思いますが,この辺りの課題も考えて上げていかないと,将来は,禍根を残すことになるのではないかと思います。 会長     よろしいでしょうか。色々ご意見ありがとうございました。皆様からのご意見を伺ったところ,反対のご意見もありましたが,賛成のご意見が多数でありましたので,本諮問の内容を適当とすることで,次回の運営協議会において,答申を提出させていただきたいと思います。  では,答申文案については,本日いただいたご意見も踏まえまして,私の方でまとめさせていただき,後日皆様にご確認いただきますので,よろしくお願いします。 会長     他にありませんでしょうか。よろしいでしょうか。        それでは,本日の案件は全て終了いたしました。以上をもちまして,第3回調布市国民健康保険運営協議会を終了させていただきます。本日はお忙しい中,ご参集いただきありがとうございました。