令和3年度 第2回調布市空き家等対策推進協議会 議事録 会議名:第2回調布市空き家等対策推進協議会 日時 :令和3年11月22日(月) 10時00分~12時00分 場所 :調布市文化会館たづくり 301・302会議室 オンライン併用 【出席者氏名】 (1)委員 :次頁,委員出席簿参照 (2)事 務 局:都市整備部 江田副参事(建築安全・空き家担当),藤本建築指導課建築安全担当係長,山田住宅課課長,崎間住宅課課長補佐,出店住宅課主任 (3)傍聴者 :なし (4)委託業者:株式会社パスコ 小杉,室伏,白石,奥村 【次第】  1.開会  2.あいさつ  3.会長挨拶  4.報告 (1)空き家等対策の進捗状況について   ア 特定空き家対策について   イ エリアリノベーション事業(富士見町)について   ウ 先駆的モデル事業(LINE連携)について   エ 空き家等相談窓口(ワンストップ相談窓口)について   オ 質疑(協議委員からの提案等)  5.議題 (1)令和3年度空き家実態調査等について   ア 所有者意向調査について(速報)   イ 所有者意向調査の分析について   ウ 質疑(協議委員からの提案等)  6.その他   第3回空き家等対策推進協議会の日程調整について  7.閉会 【配付資料名】 ・次第 ・令和3年度「調布市空き家等対策推進協議会」委員名簿 ・特定空き家相当現地調査結果報告 ・空き家所有者意向調査の結果速報と今後のとりまとめの考え方 ・調布市「空き家等対策」の振返りと今後の予定について ・「調布市空き家等対策」総合スケジュール ・空き家等対策計画及び関連計画の改定について ・令和3年度「開催日程表」 【参考資料】 ・まちの「つながり」プロジェクト 空き家とまちのつなぎかた ・スマイのミライ相談窓口  【委員出席簿】 役職 / 氏名 / 出欠 / 備考 会長/川口(かわぐち)太郎(たろう)/○/明治大学 文学部 教授 副会長/増田(ますだ)弘子(ひろこ)/○/東京司法書士会 調布支部 委 員/高橋(たかはし)大輔(だいすけ)/○/共立女子大学 教授 委 員/手塚(てづか)康弘(やすひろ)/○/NPO法人日本地主家主協会 委 員/齊藤(さいとう)仁志(ひとし)/○/公益社団法人東京都宅地建物取引業協会 調布狛江支部 委 員/比留間(ひるま)力三(りきぞう)/○/一般社団法人東京都建築士事務所協会 南部支部 委 員/谷治(やじ)博史(ひろし)/○/東京都行政書士会 調布支部 東京行政書士政治連盟 調布支部 委 員/狩集(かりあつまり)英昭(ひであき)/×/第二東京弁護士会 委 員/坂本(さかもと)祐樹(ゆうき)/○/調布市社会福祉協議会 地域福祉コーディネーター 【「4 報告」,「5 議題」,「6 その他」についての議事要旨】 〇事務局 4報告 (1)空き家等対策の進捗状況について  ア 特定空き家対策について  資料「特定空き家相当現地調査結果報告」を用いて,特定空き家相当現地調査の結果についての説明を行った。    ◆特定空き家相当195件について,市職員による現地調査を実施    ◆調査結果を基に判定区分を5区分に分割    ◆特定空き家相当から除外に該当するものが25件,状態が著しく悪く特定空き家認定相当に該当するものが8件 〇川口会長 こちらが認定されるかどうかは別として,認定相当が8件,更地等で除外されたのが25件というのは,近隣市等と比較して多いのか少ないのか教えていただければと思います。 〇事務局 認定相当の8件の大部分はH27の調査時から改善が見られていない物件でした。調べていくと所有者が既に亡くなっているなど,空き家の解消に向けて法的な措置を含めて検討していかなければいけない物件が多いのではないかと思っています。判定2であっても判定3に近い予備軍といった状況のものもありますが,近隣自治体の認定状況をみると,8件というのは妥当な件数であると思われます。空き家の変化については,建築指導課において,解体届や確認申請の状況を把握していく中で,かなりの率で空き家としてみていたものが,建て替えに向けて変化しているという動きを確認しています。一方で接道状況から単純に建て替えられないという物件もあり,接道条件の良い物件から解消にむけて動いているという印象です。 〇川口会長 接道条件が悪い物件というのはおおよそどのくらいの割合でしょうか。 〇事務局 195件について,接道の有無を見ていくと約2~3割は直接接道していませんでした。純粋に接道していないというより,路地状の形態のところに複数物件建っているために未接道となっているものが多く見られました。 〇谷治委員 前回のH27年度調査時の44件から195件に変化しているということですが,44件についてはどのような判定区分になっているかという調査はあるのでしょうか。 〇事務局 H27調査当時,44件については今回のような現地調査を行っていないのと,この判定区分は昨年度策定したものですので,前回調査の44件の判定結果はございません。 〇谷治委員 推移としてはわからないということですね。 〇事務局 おっしゃる通りです。 〇川口会長 特定空き家相当が4倍に増えたというのも,基準が変わったことによるものということですね。 〇事務局 前回の調査についても,国の基準を基に外観目視によって判定しており,基準は変わっていないので,特定空き家相当の物件が増加している傾向にあるといえると思います。ただ建築指導課のほうで認定基準という視点でみると,H27年から追跡している物件が引き続き残っているものもあり,この後の流通状況も含めて経年変化を追っていきたいと思います。 〇比留間委員 昭和56年以前という築年数の分類はしているのでしょうか。 〇事務局 ほぼ半数が昭和56年以前であろうと思われます。そもそも確認申請等の履歴がなく,正確なことがわからないというのが大半です。 〇比留間委員 登記簿の情報はリンクされていないのでしょうか。 〇事務局 登記簿については,全数調査には至っておりません。判定区分3と2の物件については,登記簿等を用いながら調査をしているという状況です。 〇齊藤委員 登記簿の全数調査はされていないということですが,アンケートは送っているのではないでしょうか。 〇事務局 判定区分3の建物については,住宅課ではなく建築指導課が窓口になって所有者との対応を進めております。 〇齊藤委員 そういうことであれば,所有者等はすでに把握されているということですね。 〇事務局 おっしゃる通りです。 〇齊藤委員 認定相当という建物が,6年間このままの状態になっている状況ということですね。 〇事務局 いえ,H27年度時点では認定相当ではなく,あくまでも特定空き家相当という分類となります。H27年度と同じ特定空き家相当という基準でみた195件をさらに程度の悪い順に並べたというのが今回の作業になります。 〇齊藤委員 通学路等に特定空き家相当があると防犯・防災上とても危険であり,それがそのまま残されているのかが気になったためお聞きしました。 〇事務局 決してそのままにしているわけではなく,そういった物件については苦情等も入っているため,苦情等についてはその都度対応しております。 〇川口会長 他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇委員 なし 〇事務局 4報告 (1)空き家等対策の進捗状況について  イ エリアリノベーション事業(富士見町)について  資料「まちの「つながり」プロジェクト 空き家とまちのつなぎかた」を用いて,エリアリノベーション事業についての説明を行った。    ◆コロナ禍のためオンライン配信も実施    ◆全8回実施し,年明けに振返りの内容を発表予定    ◆富士見町において定期借家として1件の空き家提供があり,具体的なプランを検討中    ◆3ヵ年事業の折り返し地点であり,リノベーションをしながら,利用者選定コンペの実施を計画している 〇川口会長 空き家所有者の方が1件名乗りあげたのは大きな成果だと思います。こちらは定期借家1年ということですが,この理由は何でしょうか。 〇事務局 所有者の方は将来的に建て直して戻ってきたいという意思があり,人に貸してしまうと戻ってこられなくなるのではないかということで,二の足を踏まれているという状況でした。借り手の方の権利が強いということで躊躇されている方もいらっしゃるので,定期借家というのは空き家利活用にとって手段の一つになるのではないかと感じています。 〇川口会長 他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇比留間委員 社会福祉協議会の坂本委員からみて,1年限定の定期借地権という形態で利活用の道はあるのでしょうか。 〇坂本委員 私は地域福祉コーディネーターのため,福祉の観点で地域づくりをするのですが,1年限定というのは正直なところ厳しいものがあります。1年かけて作っていくのが地域づくりなので,1年限定となると,何かやりたいという方が一時期借りるということの繰り返しになると思います。そうした時に地域のものとして根付くよりは,キラキラした目立つ人たちが借りていく場所として認知されていってしまい,根付くというところまで行きつかない懸念があります。この1年を使って,こういう活用の仕方があるという宣伝はできると思いますので,その宣伝方法には気を付けないといけないと思います。 〇事務局 社会福祉協議会の方へのご報告が遅くなり申し訳なく思っております。対象物件は2階建ての1戸建てで,1階部分は3部屋あり,小商いのような利用で募集を掛けようかと,まちづくりプロデューサーの方と相談しています。2階部分は空いております。小商い等での利用は週末中心となることを想定しているため,平日や2階部分は地域の方に使ってもらえるのではないかと思います。期間限定ではありますが地域の方にも利用していただけないか,改めてご相談させていただければと考えております。 〇川口会長 高橋委員,この件について何かお考えはございますか。 〇高橋委員 坂本委員のおっしゃる通り,1年間で地域の居場所のようなものを実際に運用していくというのは,なかなか難しいというのが現実的なところです。所有者の方の事情もありますので,地域に利活用の種をまく,という意味での場所の使い方にできたらいいと考えております。仮に借用の契約期間延長ができ,利活用希望者が出てきて自走していく事業にできれば,一番理想的だと考えております。 〇川口会長 他の方もご意見・ご質問いかがでしょうか。 〇増田副会長 私は旅行が好きなので,観光産業振興ということで考えると,味の素スタジアムと調布を結ぶルートの間に道の駅のようなものを作っていただけたら,ウォーキングの休憩場所やお茶が飲める場所ができていいと思います。そういったものへの利活用であれば,所有者の方の不安もないのではないかと思います。 〇齊藤委員 現在富士見町で物件を探し,試行的に事業を実施しているということですが,他の地域でも展開していく予定なのでしょうか。 〇高橋委員 今はあくまでも,富士見町という住宅地において試行してみるということで,この実証実験がうまくいけば,全市的に展開していく予定ですので,現段階では富士見町限定で実施しています。 〇川口会長 何年か前の議論でも,一つのショーウインドウにしてみたらどうかということで,富士見町が選ばれていたと思います。 〇比留間委員 発想は素晴らしいと思います。最終的には事業収支になっていくと思いますが,こういった活動が持続していけるよう,助成などの仕組みを行政の方で立ち上げていただけたらと思います。 〇事務局 今後空き家が増えていく中で,所有者と利用者がwin-winの関係になるような自走できる事業を作っていくのが理想ですが,一部改修や耐震が必要になることもあると思います。借りる全ての空き家を助成することは市の財政的にも難しいと思いますが,地域の居場所づくりは今後何よりも重要になってくるものですので,ソフト面含めて援助していける仕組みを作りたいと思いますし,今後の課題と考えております。 〇川口会長 賃料や,リノベーション費用はどちらから捻出しているのでしょうか。 〇事務局 今回は東京都のエリアリノベーション事業の助成金を受けております。利用者については年末にかけて公募を受けて選定していく予定です。所有者の方は最終的には壊すことにしているということなので,DIY契約などどこまで現状復帰が必要となるかは今後調整予定であり,この事例を通して学ばせていただければと思います。賃料についても比較的安価な中で始められそうな様子です。 〇川口会長 市民の皆さんに見ていただくと同時に,行政側も勉強するという事例ですね。他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇委員 特になし 〇事務局 4報告 (1)空き家等対策の進捗状況について  ウ 先駆的モデル事業(LINE連携)について  資料「スマイのミライ相談窓口」を用いて,先駆的モデル事業(LINE連携)についての説明を行った。    ◆昨年度全国の自治体で初となる空き家に関する公式アカウントを立ち上げ    ◆今年度の要件は広域連携 他自治体含めて拡大中    ◆東京都のワーキンググループに,空き家の予防対策という枠で参加予定    ◆興味を示した自治体でのコンテンツ説明や意見交換を実施 〇川口会長 現在の登録数の推移,具体的にどのような反応があったのかを教えてください。 〇事務局 現在登録者数は500名前後で停滞している状況です。共立女子大学や晃華学園との連携で登録者数も増やして行ければと考えています。具体的に登録者からの反応は特になく,その辺りを広げていければと思っています。 〇川口会長 齊藤委員もお使いになられたとのことですが,感想なりご意見を教えていただければと思います。 〇齊藤委員 公式LINEアカウントを作成する過程に8週間参加させていただきました。作り方はホームページ作成とほとんど同じでしたが,QRコードさえあればどこからでもアクセスできる手軽さが良いと思います。パンフレットを見るとワンストップ相談窓口という形で入っていくところに7つのQRコードが記載されており,利用者がどこからアクセスすればいいのかわからないという,ワンストップになっていないという面があるので,そういったところは作り方次第だと思いました。 〇川口会長 齊藤委員のおっしゃる通り,改善の余地があるかもしれません。他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇委員 特になし 〇事務局 4報告 (1)空き家等対策の進捗状況について  エ 空き家等相談窓口(ワンストップ相談窓口)について  資料「スマイのミライ相談窓口」を用いて,空き家等相談窓口(ワンストップ相談窓口)についての説明を行った。    ◆2022年2月11日にワンストップ相談窓口の連絡会を実施予定 〇川口会長 コロナという特殊な状況下ではありますが,昨年度の始動から1年が経ち,問合せはどのくらいあったのでしょうか。 〇事務局 住宅課の窓口に来られたのは数名です。内容は相続のことや親が亡くなられた後についての相談で,パンフレットを基に事業者をご案内しました。比留間委員や谷治委員,手塚委員にお世話になりましたので,ご意見等いただければと思います。 〇川口会長 今お名前の出た委員の方々,いかがでしたか。 〇比留間委員 建築士事務所協会として登録させていただきましたが,具体的な相談件数は1件です。情報交換の会議があったのですが,その相談者の方は他の相談窓口も回っていらっしゃるとのことでした。相談内容としては,社宅として貸していた3階建てのテナントが退去したので,何か利活用できないかというものでした。 〇川口会長 むしろコンサルティングのような相談ですね。 〇比留間委員 そうですね。事業収支の採算の話がメインでしたので,我々も建築計画については相談ができるのですが,事業収支については不動産事業が絡んでくるので,相談者の方も別の窓口の事業収支を得意としているハウスメーカーの賃貸部門とご相談が進んでいるということでした。 〇川口会長 ありがとうございます。谷治委員はいかがでしたか。 〇谷治委員 コロナの影響もあり,全面的に相談を受けることができない状況で,相談としては乗っていないです。空き家だけで相談は来ないので,相続などとの絡みの中での空き家という部分になると思います。予防ということを考えると,普及啓発活動をしながら相談会をやるということが必要になると思いますが,コロナでできていないのが実状だと思います。こちらからアプローチが出来ていないので,悩みがある人しか相談に来ず,相談件数が増えてこない状況です。また連携して動かないと6事業者いる意味がなくなってしまうので,合同の相談会をやるといったことが連携を図るきっかけになるかと思います。 〇川口会長 ありがとうございます。手塚委員はいかがでしたか。 〇手塚委員 調布市からの相談は0件でした。理由はわかりませんが,他自治体含め空き家所有者の相談が減少しているという感覚が,日々の業務を通じてあります。 〇川口会長 ありがとうございます。まだなかなか結果が出るという段階ではないようですが,ご意見等ございますか。どちらの事業者への相談が一番多いなどはわかりますか。 〇事務局 前回の事業者の連絡会の中では,三井住友信託銀行をはじめとして,相談があったと聞いていますが,相談件数として突出しているわけではないと思います。銀行は日常的に窓口をもっていらっしゃるので,調布市のスマイの相談窓口からの相談件数でみるとあまり多くはないようです。合同の相談会等を開かせていただいて,幅広いテーマに対し,複数の解決策の提案をいただきながら解決に向けて動いていけたらと思っております。 〇川口会長 民間企業も窓口を持っており,競合しても仕方がないので,他の民間企業ではできない部分といった差別化が出来ればいいですよね。 〇谷治委員 先ほどのLINE連携にも同じことが言えますが,色々な事業が認知されてくると違うと思いますので,市からの発信も含めてどのように認知度を高めていくかということが大きな要素となってくると思います。 〇川口会長 そうですね。ありがとうございます。他にご意見等ございますか。 〇齊藤委員 アンケートの結果でも,何とかしないといけないと考えている所有者の方が数十名いらっしゃるということですが,物件ごとに課題も解決方法も異なります。こちらから見て利活用しやすそうな空き家をふるい分けして,試験的に動かし,成功事例を作っていくのもいいのではないでしょうか。そのために物件情報を共有し,何ができるのかを我々専門家で考えて,こちらからアプローチしていくのも大事ではないでしょうか。 〇川口会長 行政側からのプッシュと,所有者の方に寄り添い課題を引き上げてくるプルの2つの方法が大事ということだと思います。この辺りについては,今年度の所有者意向調査で調査をされているので,そちらの結果を楽しみにしたいと思います。本日の報告事項に関して,ご質問,ご意見等ございますか。 〇比留間委員 2025年問題と言われていますが,団塊の世代が相続の時代を迎えるということで,今はあまり状態の良い空き家はあまりないものの,今後は優良ストックになる空き家が大量に出てくる時代が2025年だと世間的にはとらえられているかと思います。今後のタイムスケジュールの中にマスタープラン等様々な計画があると思いますが,2025年問題辺りに照準をあてて,空き家対策を方向付けするような作戦を考えられたらいかがかと思います。 〇川口会長 2025年をもう少し念頭において検討をということですね。他に全体通してご意見等ございますか。 〇委員 特になし 〇事務局 5議題 (1)所有者意向調査について    ◆アンケートが配布できたのが619件。287件の回答があり,回収率は46.4%であった。そのうち利活用については,ヒアリング可能,市の話を聞いてもいいという回答が約90件    ◆所有者への聞き取り調査は接道の問題,権利の問題など内容別に分類した上で,個別にヒアリングの調整をしていきたいと考えている    ◆自由記述には,「接道条件が厳しい」,「兄弟が海外におり手続きが進まない」,「費用の助成が欲しい」,「改修はできないが被災者等への貸し出しは可能」といった回答があった    ◆それぞれの課題を確認し,ワンストップ相談窓口への案内や,利活用への誘導できるようにしていきたいと考えている 〇川口会長 集計では漏れ落ちてしまう意見等や,お話を聞いてまとめていただいたものだと思います。まずは単純集計の報告をお願い致します。 〇事務局 5議題 (1)所有者意向調査について  資料「空き家所有者意向調査の結果速報と今後のとりまとめの考え方」を用いて,所有者意向調査についての説明を行った。    ◆約半数が,建物の状況を変える取り組みをしておらず,維持管理の頻度も低下している    ◆求める支援内容については回答が分散している    ◆6割がヒアリングへの協力可能,1割が利活用の意向を示している    ◆スマイのミライ相談窓口の認知度は1割程度にとどまる 〇川口会長 ありがとうございます。空き家に関するアンケートは各地で実施されていますが,今回の調査はかなり踏み込んで,より実態に近づいた内容になっているのではないかと思います。個々の自由回答,ヒアリングからも得難い貴重な意見が得られるのではないかと思います。質問,ご意見等いかがでしょうか。 〇谷治委員 8頁の所有者年齢と,9頁の所有者の世帯構成を組み合わせて,単身高齢者のみの割合などが出せれば,空き家化の危険性の高い所有者をターゲットにした,一歩先を行く施策ができると思います。 〇事務局 年齢や世帯構成に着目した分析は可能ですので,支援内容の比較等,実施したいと思います。 〇川口会長 高齢単身者と若年単身者では問題が異なりますし,親と子世代においても50-80問題と呼ばれる方もいらっしゃいますので,その辺りをきちんと分析したほうがいいということですね。 〇谷治委員 ある程度そこを突き詰めていくと,建物の将来の方向性は親世代と子世代で異なると思いますので,そういったアンケートも取れるのかと思います。 〇比留間委員 6頁の市からの働きかけに応じる前向きな方々が,一番悲痛な意見を含んでいると思われます。その部分に絞り込むことで,空き家対策が見えてくると思いますが,絞り込んで分析をすることは可能でしょうか。 〇事務局 対象を絞って分析することは可能です。 〇比留間委員 一番求めているものは何かを知ることができると思いますので,できればお願いしたいと思います。 〇川口会長 ヒアリング希望の方には今後どのようなスケジュールで行う予定でしょうか。どのような形で結果がそれなりに出てくるのでしょうか。 〇事務局 現在90件を項目別に整理しています。その中で順次電話やメールで状況をお聞きし,何が問題になっているかなどを掘り起こしています。次回の協議会では内容についても報告できるようにしたいと思います。 〇川口会長 よろしくお願い致します。頑張って下さい。 〇増田副会長 所有者の年齢は登記簿で把握しているわけではないということでしたので,アンケートに記載された結果ということですね。議題から離れてしまうかもしれませんが,緊急事態宣言が解除されてから,相続の相談が非常に増えました。コロナで来られなかったからという方ももちろんいらっしゃいますが,国の制度として相続登記未了土地の問題があり,そちらの通知が配布されているようです。その通知を持参したり,相続登記未了とされた登記簿を持ってきたりする方がいらっしゃいます。10年以上前の登記をしていないため,登記をしてほしいという依頼もとても多く,年齢の問題もありますが,その方々を支援するお子さんや親族の体制がどうなっているのか,支援する体制が構築されていれば,高齢者の一人暮らしや高齢夫婦世帯でも問題がないのかと思います。 〇川口会長 貴重なご意見ありがとうございます。他にご意見,ご質問等ございますか。 〇齊藤委員 先ほど比留間委員もおっしゃっていた,6頁の市の働きかけに応じる方々に加えて,26頁のヒアリング協力可能な66件のうち対面形式を希望する39件の方々には,どのような困りごとがあって対面形式まで望まれているのか,ぜひお会いして話を聞いてみたいと思います。分析も大事ですが,実際に会って話を聞くのという段階にも来ていると思います。 〇川口会長 ここまで手を伸ばしている調査はあまりないと思います。非常に先駆的な例として頑張ってほしいと思います。ちなみに所有者で市外にお住まいの方の割合はどのくらいなのでしょうか。 〇事務局 申し訳ありません。集計していないため,割合はわかりません。 〇川口会長 多い印象でしょうか。 〇事務局 アンケートを発送したときは,関東圏内が多く,それより遠い方はあまりなかった印象です。市外という分類では多いですがおおよそ関東圏内に収まっているという状況です。 〇川口会長 対面を希望されている方が遠方なのかが気になりました。素朴な疑問ですが,10頁の建物の所有関係に変化があったという回答者の中で,変化の理由に「購入した」というのが12件ありますが,ぼろぼろの空き家を購入するというのは,どのような考えをお持ちなのかなと思いました。 〇事務局 回答を見ていますと部分的ではありますが中古物件を購入しリフォームして使われているという回答が,「その他」の中で1,2件見られました。実際に安く購入ができ,その後の建替えを検討されているのかもしれません。 〇川口会長 購入されたけれども,居住はせず将来的には建替えようということですか。 〇事務局 そういった回答もありましたし,建て替え後の物件にアンケートを送付していた例もありました。 〇川口会長 わかりました。ご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇谷治委員 要望なのですが,前回調査との比較がある場合は,グラフの色等は統一していたければ一目瞭然だと思いますので,揃えていただければと思います。 〇事務局 修正は可能なのですが,設問によっては前回調査と異なる選択肢もあり,全てを揃えることは難しい場合があります。 〇谷治委員 違う色が出てきてもいいと思いますので,同じ項目は同じ色にしていただければ,割合の推移が視覚的に把握できると思います。また濃い色と黒文字は重ねないでいただければと思います。 〇事務局 改善致します。 〇事務局 先ほど話題に出ました登記の話について,勉強不足で申し訳ありませんが,どのように空き家施策とかかわってくるのか教えていただけますでしょうか。 〇増田副会長 今年の3月の国会で通った法案ですが,再来年の4月から施行されるのですが,今まで相続税の納付が必要な方には,10ヶ月以内の納付が義務付けられていましたが,相続登記については決まっておらず,相続税の納付までに行うのが好ましいという状態でした。今後は相続が開始してから3年以内に相続登記をしないと科料が課せられることになりました。テレビや新聞,週刊誌でよく取り上げられるため関心が高く,皆様よくご存じです。 〇谷治委員 逆に変に伝わっているところもあり,今すぐ登記をしないといけないと誤解されている方もいらっしゃる状態で,今やったら贈与になってしまうという方も相談に訪れることもあります。きちんと内容が理解されていないことも多いです。 〇増田副会長 贈与が絡んでいる影響もあるのでしょうね。 〇川口会長 相続でもめている場合も,ある一定期間のうちに解決しないといけないということですか。 〇増田副会長 相続人が何名いるかを当局に届け出ていれば問題ありません。要するに国は課税対象を把握したいという狙いがあります。東日本大震災の時に土地の所有者が分からないために復興が遅れたということが契機にありできている法案です。 〇川口会長 わかりました。未接道とか,都市計画法あるいは建築基準法上で制約を受けている土地はどのような解決方法があるのでしょうか。 〇事務局 基準法外や,路地状敷地で2m未満の接道長不足等,様々あると思います。一見すると道路ですが,実際には単なる私道の通路というケースもありますが,43条の但し書きの適用をしながら協定通路で市の許可を受けて例外措置として建て替えを許可するという方法もあります。協定を結んでいくことはこれまでも実施してきたことですが,自分の問題として捉えるまでは関心が低く,その辺りの進め方やノウハウについては,今後の相談窓口や合同説明会などでご案内できたら考えております。試行的に実施したのは,土地利用が決まらない状態で解体してしまうと,固定資産税が値上がりしますので,駐車場敷地にするといったことがありました。木造密集地域では防災的な公共空間とすることで固定資産税に対応するという事例もあるようです。所有者のご希望もありますが,隣接者同士が土地の交換をしながら2mを確保するという事例もありますので,どうしたら解決できるのかという入口を相談の段階でご案内したいと考えています。 〇川口会長 一般の方々にとっては,例外規定などの仕組みはよくわかりませんので,行政としていいサービスだと思います。他にこういった法や,ご提案はございますでしょうか。 〇比留間委員 但し書き付きの土地で共有者の同意が得られないというのは,非協力者の方が空き家問題を理解されていないということもありますので,そういった方にアピールしていくことも必要かと思います。 〇坂本委員 27頁の建物の利活用に関するアンケートについて,地域福祉の観点からみると,この設問は非常に重要です。「市や専門家が協力してくれるなら考えてみたい」という回答が26件となっていますが,26件という数に驚きました。調布市と同様23万人規模の自治体で空き家利活用をしてコミュニティスペースができているというのは,私が知っている限りでは1件程度のレベルです。地域に1件できればそこから派生してできていくものなので,拠点があるだけで勝手に広がっていくという,空き家が弱みから強みに変わる瞬間がそこにあると思います。29頁の「市から問い合わせを受けることは構わない」という回答が51件ありますが,利活用可能な26件の中に,問合せ可能な件数が何件あるか気になります。地域福祉コーディネーターは,空き家を利活用したいという相談や要望を受けることが多いですが,そことマッチングできるのであれば,所有者の方と一緒にどうしたら利活用可能なのか,すぐにでも話し合いたいと思いました。とてもヒントになるアンケートの結果だと思います。 〇川口会長 ありがとうございました。トータルに占める割合が多いか少ないかというよりも,こういった問いかけに反応があったというのが貴重な意見であり,誰がこういったことを言っているのかがわかっているのということを,ぜひ次に活かしてほしいと思います。 〇事務局 ぜひ連携をさせていただければと思います。 〇川口会長 他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇委員 特になし 〇事務局 6その他  第3回空き家等対策推進協議会の日程調整について    ◆令和4年2月中旬で調整中    ◆所有者意向調査の分析結果,ヒアリング結果を報告予定 〇川口会長 例年年度末辺りに,セミナーや相談会を実施されていましたが,今年はコロナで実施は無理であるということでよろしいでしょうか。 〇事務局 そちらに関しては,ワンストップ相談窓口の相談会の情報共有でご報告させていただければと思います。 〇川口会長 わかりました。本日の協議会を終了させていただきます。ありがとうございました。 以上