令和4年度 第1回調布市空き家等対策推進協議会 議事録 会議名:第1回調布市空き家等対策推進協議会 日時 :令和4年6月30日(木) 10時00分~12時00分 場所 :市役所5階 特別会議室 オンライン併用 【出席者氏名】 (1)委員 :次頁,委員出席簿参照 (2)事務局:都市整備部 渡辺都市整備部長,江田副参事(建築安全・空き家担当・外環担当),鈴木建築安全担当課長(建築指導課),山田住宅課長,崎間住宅課長補佐(空き家施策担当),出店住宅課主任(空き家施策担当),手嶋住宅支援係長,横田公営住宅係長 (3)傍聴者:なし (4)委託業者:株式会社地域計画建築研究所 田中氏,ランドブレイン株式会社 西田氏,本上氏,松井氏 【次第】  1 開会  2 挨拶(渡辺都市整備部長)  3 挨拶等 (1)会長の挨拶 (2)事務局紹介  4 報告 (1)空き家等に関する対策の進捗状況について  ・エリアリノベーション事業(富士見町)について  ・先駆的モデル事業(LINE連携)について  ・ワンストップ相談事業者合同によるセミナー・個別相談会について (2)住宅マスタープランの改定について  ①事業者の紹介  ②改定スケジュールについて  質疑(協議会委員からの提案)  5 議題 (1)空き家等対策計画の改定について  ①事業者の紹介  ②改定スケジュールについて (2)令和4年度開催日程について  6 その他  7 閉会 【配付資料名】 (1)【資料1】令和4年度「調布市空き家等対策推進協議会」委員名簿 (2)【資料2-1】調布市空き家対策事業 (3)【資料2-2】まちなかラボ富士見BASE(チラシ) (4)【資料3】空き家等対策計画及び関連計画の改訂について (5)【資料4-1,2】住マス改定たたき台案 (6)【資料5】空き家等対策計画資料 (7)【資料6】空き家等対策計画改定スケジュール (8)【資料7】令和4年度「開催日程表」 【委員出席簿】 役 職 / 氏 名 / 出 欠 / 備 考 会長/川口(かわぐち)太郎(たろう)/○/明治大学 文学部 教授 副会長/増田(ますだ)弘子(ひろこ)/○東京司法書士会 調布支部 委 員/高橋(たかはし)大輔(だいすけ)/○/共立女子大学 教授 委 員/手塚(てづか)康弘(やすひろ)/○/NPO法人日本地主家主協会 委 員/齊藤(さいとう)仁志(ひとし)/○/公益社団法人東京都宅地建物取引業協会 調布狛江支部 委 員/比留間(ひるま)力三(りきぞう)/○/一般社団法人東京都建築士事務所協会 南部支部 委 員/谷治(やじ)博史(ひろし)/○/東京都行政書士会 調布支部 東京行政書士政治連盟 調布支部 委 員/狩集(かりあつまり)英昭(ひであき)/○/第二東京弁護士会 委 員/佐藤(さとう)歩(あゆむ)/×調布市社会福祉協議会 地域支え合い推進員 【「4 報告」,「5 議題」,「6 その他」についての議事要旨】 〇事務局 4報告 (1)空き家等対策の進捗状況について ・エリアリノベーション事業(富士見町)について 「【資料2-1】空き家エリアリノベーション推進支援事業(富士見町まちの「つながり」プロジェクト)」を用いて説明を行った。 ◆富士見町エリアで空き家を活用して地域の活性化に繋げるという,東京都の補助を受けて進めている3か年事業の最終年度 ◆空き家活用先進事例のトークインベントを計8回開催 ◆昨年12月に戸建空き家を確保し,1階の和室2部屋をチャレンジショップとして事業者を募集。2事業者を選定し,この6月からまちなかラボ富士見BASEとしてスタート。 「【資料2-2】まちなかラボ富士見BASEチラシ」を用いて ,7/10のオープニングイベントについての説明を行った。 ◆富士見BASEでは,中学生が空き家を活用した図書館とカフェを開いている。また,子供たちとアートイベントをする「みんぐるりんご」,プラスチックのゴミを裁断して再生する過程を子供たちに見せて環境に対する意識を持ってもらうという「ぺブルス」が活動。 ◆オープニングイベントでは,子供たちとアートイベントをする「みんぐるりんご」がブロック塀に自由に色を塗るウォールペイントイベント,まちづくりプロデューサーと事業者を交えたトークイベントを行う。 〇川口会長 この2階建ての民家は築何年ですか。使用にあたって,何か補強とか内装に手を入れたということはありますか。 ○事務局 築40年です。急な階段に手摺りを付けたり,2階の廊下のたわみを補強し,木戸を修復しました。 ○川口会長 1階の3部屋を事業者さんが使用しているということだが,2階の2部屋はどういう使い方をされるのでしょうか。 ○事務局 現在,活用の希望があるのは,英会話教室や子連れのお母さんの集まれる場所です。その辺りで調整しながら,進めていきたいと考えています。 ○川口会長 チラシ裏面下の3つの事業者は公募でしょうか。 ○事務局 公募は,「みんぐるりんご」,「ぺブルス」の2事業者です。カフェは,以前から空き家を活用した活動を希望していた中学生が,このタイミングで始めました。 ○川口会長 実際,応募はどのくらいあったのでしょうか。 ○事務局 今回の応募の内容が企画書にボリュームがあるため,結果的にこの2事業者のみが応募されて,審査の上,選定となりました。 ○川口会長 他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 ○委員 なし ○事務局 4 報告 (1)空き家等対策の進捗状況について ・先駆的モデル事業(LINE 連携)について 「【資料2-1】先駆的空き家対策東京モデル支援事業(調布市空き家LINE公式アカウント)」を用いて説明を行った。 ◆令和2年度・令和3年度に東京都の補助採択を受けて進行 ◆令和2年度にLINE公式アカウントを開設。令和3年度は広域連携というテーマで進め,共立女子大生,晃華学園中高生の連携イベント,すまいのフォトレター展を開催し,登録者数が500名から3000名へ。 ◆今年度は,エリアリノベーション事業などの情報発信の場として活用を進めているところです。 ○川口会長 フォロワーが3000人ということだが,伸びているのか,あるいは停滞しているのでしょうか。 ○事務局 フォロワー数は留まっています。フォトレター展の後,応募が想定外に2000を超え,中高生に向けた発信内容の選定に時間が掛かっており情報更新ができていないので,エリアリノベーションを先に配信することを検討しています。 ○川口会長 今年度,共立女子大,晃華学園中高連携イベントとあるが,何か具体的なものがあるのでしょうか。 ○事務局 これまでLINE等通じて学生に空き家に関する動画をつくってもらったり,空き家問題を考えてもらったが,今回,エリアリノベーション事業で実際の空き家を活用する場ができたので,そこにも参加してもらって,リアルな空き家の活用について情報交換しながら進めていきたいと考えています。 ○川口会長 これは東京都の補助事業ということですが,広域連携はいかがでしょうか。他市との連携は厳しいでしょうか。 ○事務局 令和3年度は,広域連携をテーマに補助採択を受け,他の自治体との横連携にトライしました。複数の自治体にお声掛けして,コンテンツの内容を見て,実際に操作する体験会を行ったが,予算取りしていないという費用の問題やマンパワーの問題で賛同いただける自治体がありませんでした。こちらについては,厳しい状況です。 ○川口会長 他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 ○委員 なし ○事務局 4 報告 (1)空き家等対策の進捗状況について ・ワンストップ相談事業者合同によるセミナー・個別相談会について 「【資料2-1】スマイのミライ(ワンストップ)相談窓口」を用いて説明を行った。 ◆令和2年12月に開設し,1年後に連絡会を開催。 ◆今年2月11日に6つの事業者の合同相談会を開催。10組12名の相談があり,各事業者が対応した。相談者からは,色々な事業者から異なるアドバイスを受けられてよかったという声があり,6つの事業者のワンストップ相談窓口の効果を実感できた。 ◆今後は,この窓口を通じて成約して空き家解消に至ったという事例がでてきて,それを発信し,認知度を上げ,より実効的な相談窓口として相談体制を充実させたい。 ◆今年度10月23日にセミナーと合同相談会を開催予定 ◆来年度から本格実施し,年2回のペースで開催 ○川口会長 これまでに,どれくらいの方から相談があったのでしょうか。 ○事務局 開設から1年後の連絡会で各事業者から伺った中では,2,3件でした。昨年,空き家所有者の意向確認のアンケートの中で90名ほどから相談の希望があったので,合同相談会を開催しました。 ○川口会長 令和4年6月23日の第1回連絡会ではどのような話題が挙がりましたか。 ○事務局 相談の継続の確認や今後の本格稼働に向けた進め方について,また,10月23日の合同相談会に対する事業者からのご意見をいただきました。 ○川口会長 実際に参加されている比留間委員,手塚委員,いかがでしょうか。ご意見はございますか。 ○比留間委員 建築士事務所協会を中心に取り組んでおり,4件のお客様を担当しました。初対面で問題点が見えてきたということ,その後,シェアハウスへの転用や支援制度のアドバイスをしながら,有効活用の展開をしていきたいが,そこから一歩踏み込めない状況です。 ○手塚委員 2件相談を受けました。1件目は,相続で取得した空のアパートをどうしたらいいかという相談で,売却か建て替えかとなり,売却と建て替えた場合のプランとシミュレーションをお出ししました。売却金額が相談者の想定金額より低かったようで,売るのはないかとなり,一方で,建て替え費用も高額になるということで,家族で相談するということとなり,中断しています。 ○谷治委員 2月に合同相談会を開催し,3月の連絡会で,空き家所有者の意向調査でアクションのあった方に継続的に情報を流すべきだということになり,2回目の相談会につながっています。今後,意向調査を実施しながら,増えていくターゲットに対してアプローチをしていき,アドバイスにより最終的には所有者が判断するのだが,その選択肢を与えることが大事だと思います。結果として事例がでてくると違うと思うが,まだ走りだしたばかりで,今後ということになると思います。 ○事務局 4 報告 (2) 住宅マスタープランの改定について ①事業者の紹介 ◆昨年度に引き続き,株式会社 地域計画建築研究所が担当。 ②改定スケジュールについて ◆第3回を10月末に予定。空き家の協議会と居住支援の協議会と合同で時間をいただき,素案に関してご意見いただきたい。 ○川口会長 タイムスケジュールを教えてください。 ○事務局 資料6です。他の計画とパブリックコメントのタイミングを合わせるため,予定が前倒しになっています。10月には原案に近いものを作成した上で皆様のご意見をいただき,12月20日からパブリックコメントを行い,年明けには内容を固めて,年度末にご報告というスケジュールを組んでいます。 ○川口会長 そうすると,10月末に原稿が出揃うということですね。この協議会は9月初旬の第2回が実質的な議論の最後になり,10月の協議会は原案をほぼ変えようがないということですね。 ○事務局 9月でお示しした後,第3回までの間に各委員からご意見をいただき,調整を図らせていただき,3回目を迎えたいと思っています。 今回は,空き家の対策計画が皆さまにご意見をいただきたいメインですが,合わせて,上位計画としての位置づけになる住宅マスタープランにもご意見を賜りたいと思っております。 ○川口会長 住マスについてご説明いただきたいです。空き家の上位計画ということで,住マスには,居住支援やマンション適正化,空き家とありますが,空き家のウエイトが高いでしょうか。 ○事務局 資料4-2は,昨年度作成したもので確定したものではありませんが,6つの柱を設けていて,空き家は基本方針4です。現行計画の施策の体系では,空き家を住まいとして活用する視点は盛り込まれているが,空き家の発生予防や管理不全空き家の適切な対応,相談の部分は比較的手薄だったので,今回の計画の中では,この辺りを重点的に取り組んでいくような形で計画をつくっていきたいと考えています。 資料4-1は,現状考えている空き家対策の方向性で,こちらも昨年度作成したもので,これからブラッシュアップしながら進めていければと思います。 ○川口会長 全体像がよく分かりました。大きな柱の中の一つとして位置づけられているということで,やりがいがあり,責任の重さを痛感いたします。 ○事務局 「【資料4-2】現行計画の施策との関係」を用いて説明を行った。 ◆住宅マスタープランの上位計画に,国がつくった住生活基本計画があり,2年前に住生活基本法に基づく全国計画が出された。 ◆昨年度末に,東京都が都道府県の計画として東京都住宅マスタープランを策定。 ◆住宅政策についての方向性が大きく示されているので,調布市が地方自治体として何が取り組めるかを深めていく。 ◆基本方針は6本柱を掲げている。 ◆1つ目,自分らしい豊かな住まいの実現。ライフステージやデジタルトランスフォーメーション等が掲げられているが,住み続けてもらいたいとか子育て層・高齢者層,ここは具体的な策を整理していく。 ◆2つ目,安全・安心。緊急輸送道路や木造,分譲マンションの耐震化を進めている。 ◆3つ目。東京都のマンションの管理不全等に関する条例策定により,権限が移譲された。管理不全マンションに対する指導・助言・勧告をどうしていくか,評価制度等についてはマンション管理士会等の関係業者と連携をして進めていく。 ◆平成27年策定した住宅マスタープランになかったのが,4つ目の空き家。 ◆5つ目は,住宅セーフティネットの構築。居住支援協議会を立ち上げた。マンションや空き家,居住支援を連動させた施策展開を検討。環境面でカーボンマイナスに関して,東京都が太陽光の義務化についても検討しているので,その辺りを整理したい。 ◆最後に,住民参加によるまちづくりのルール,地域の住環境の形成。市内にURの大きな団地があり,建て替えが検討されているので,良好な住環境づくりで連携をしていく。 ◆その他,分譲マンションの老朽化。適正管理はもちろんだが未来永劫ではないので,再生に向け先の道を示したい。 ◆様々な課題があるが,大きく6本の柱で,皆様のご意見をいただきながら,まとめたい。 ○川口会長 よく分かりました。特に,基本方針4で,空き家の流通促進と有効活用。これは,空き家対策のこの協議会で議論してきた内容が,上位計画にそのまま採用されたので,非常に心強く思っています。  では,具体的に方針4について,資料4-1でご説明をお願いします。 ○事務局 「【資料4-1】空き家の流通促進と有効活用」を用いて説明を行った。 ◆今後,市内の空き家の増加が想定されるので,空き家の発生予防,相談,流通に踏み込んでいく。 ◆空き家を有効活用していくために,住んでいただくという視点を重視。 ◆今後,管理不全空き家等が出てくることが想定されるので,対策について考えていく。 ◆適正な管理された状況,自治体やまちづくり団体等が活動している状況,管理不全の空き家の建て替えが進んで地域コミュニティ等がそこをうまく活用している状況など,住生活の将来像を示した。市民に分かり易いような計画として作成していきたい。 ○川口会長 私共の委員会では,空き家対策計画の策定をします。住マスは,空き家対策計画を踏まえて,ほぼスライドしてはめ込むというイメージでしょうか。 ○事務局 住マスは上位でもありますので,空き家対策計画は実施計画というような位置づけで,具体的な年度による展開を見せられたらと思っています。 ○川口会長 住宅マスタープランに関することをご説明いただいたが,他にご質問のある方はいらっしゃいますか。 ○委員 なし 〇事務局 5 議題 (1)空き家等対策計画の改定について ①事業者の紹介 〇事務局 委託事業者がランドブレイン株式会社に変更となりました。 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策①について説明を行った。 ◆これまで取り組んできた空き家等対策計画の7つの施策と,それに対する具体的な達成目標,達成度,今後についてまとめた。 ◆施策①産学官金の連携による住宅等に関する調査研究について。空き家等対策の効果向上等を図るための基礎的な知見等を獲得するという事業で,「予防アンケート調査・分析事業 市内戸建て所有者に対するアンケート調査」(ミサワホーム株式会社)を実施。居住実態,次世代への継承に向けた取組状況,地域活動への利活用意向等の把握をすることができ,概ね達成。調査等を通じて得られた知見を今後の空き家施策に活かす。 ○川口会長 この調査で知見を得たということですが,一番大きな発見というのは何だったのでしょうか。  〇事務局 この調査の中で,当事者のみならず,後継者や孫を含めた若い世代からも空き家に関する意識を持っていただくことに繋がってきた。また,ミサワホームではサービス付き高齢者住宅は一棟の建物でやっているが,これを戸建てでサービス付きの住宅にできないか。今でも介護サービスというのはそうなのかもしれないが,さらにサービス付き高齢者住宅で求められるサービスが自宅で受けられるようになれば,長く住み続けていただける仕組みのひとつになるのではないか。今後に向けた切り口をいただいた。 〇斉藤委員 何年か前,この調査の報告を受けたときにも同じことを話したかもしれないが,ミサワホームは一民間企業なので,元々の顧客に対するその後どうですかというアンケート調査だと思います。元々ハウスメーカーが建てられる優良な土地で,バブルの頃建てたものが30年経って,その後どうですかというアンケート調査なので,今回の空き家対策とは少しずれていると当初から思っていました。 〇増田副会長 サ高住で提供されているサービスを戸建てで受けられないかということですが,現実的には,そういうサービスを受けられています。有料老人ホームとか,特養のサービスとは別だが,サ高住は建物を借りているわけですから,自宅に居ようとサ高住に居ようと,今,同じサービスが受けられていると思います。 〇事務局 当時と比べて,介護関連も充実してきていると思いますので,新たな施策を考えていく必要があるかと思います。 〇谷治委員 基本的に介護は施設ではなく在宅で看ようという,今の動きの中で,空き家ということだけでなく,介護をどのようにしていくのかが問題で,24時間どういう形で介護するのかという部分が,まだ進んでいません。介護する側の負担が増えているという部分を,どういう形で解消していくのか,在宅で介護を受けられれば空き家にならなくて済むが,国の施策も含めどういう形で持っていくかというのは大きな問題で,一つの自治体だけで解決するのは難しいと思います。この調査が空き家予防の意識調査というきっかけになったとは思いますが,それが全てではないと思います。 〇事務局 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策②,③について説明を行った。 ◆施策②産学官金の連携による啓発ついて 市民参加型空き家啓発等事業ということで,調布市エリアリノベーション事業まちの「つながり」プロジェクト,調布市空き家LINE公式アカウント「スマイのミライ教えてナビ!」を実施。大学生,中高生,地域の方に参加いただき,様々なイベントを行った。多様な主体がイベント等を実施し,様々な立場・視点から空き家に関する啓発が行われ,徐々に空き家に関する関心が高まってきているのではないかということで,ある程度達成。 ◆施策③市民及び産学官金の連携による空き家利活用施策の研究・試行について  ・空き家流通モデル構築事業では,事業環境調査で調布市における空き家流通を取り巻く事業環境の把握,流通モデル案 実証実験で流通関心層への働きかけ,テストマーケティングを実施。 ・地域内の利活用可能性研究事業では,調布市エリアリノベーション事業 まちの「つながり」プロジェクトで空き家利活用方法についての研究結果検証,現地調査(地域の知見等収集)で 地域特性・地域課題の把握,地域の多面的な特徴の抽出を行う。 ・空き家におけるIoT研究事業では,SNSを活用した空き家予備軍の可視化プロジェクトで空き家LINE公式アカウント「スマイのミライ教えてナビ!」開設。広域連携によるSNSを活用した空き家予備軍アプローチプロジェクトで『~15年後の我が家へ~住まいのフォトレター展』を開催。 ◆空き家の利活用については,かなり達成できたのではないか。 その他の事業についても概ね達成。 〇川口会長 ③-2,③-3で具体的事業として,エリアリノベーションとLINEアカウントが出てきて,これは施策内容としてはいくつかに分かれているわけですが,これについては後程,個別に詳しくご意見を伺いたいと思います。 その前に,③-1,空き家の流通モデルを構築するという目的ですが,具体的にどうなったのでしょうか。 〇事務局 初年度,国の補助金をいただいた先駆的モデル事業として,大阪の枚方市の流通モデルを参考に調布版として検証ができないかというスタートだったと聞いています。私が着任後,京王電鉄,多摩信用金庫と協定を結び,当時追跡調査をした令和元年の対象者に対してどうアプローチできるかを3者で検討。一緒に訪問したりしてアプローチしたが,その後の成果が見えなかった。いずれにしても,電鉄にとっては沿線の価値を高めるとか,銀行にとっては顧客の拡大,市にとっては空き家の改善という,それぞれがWin-Winになればと,目指すところに向かっていかに連携できるか試みました。京王電鉄の傘下の不動産とも,どのように対象者となる空き家モデルを解決できるかをアプローチしてきたが,一事業者だけでは解決できないとか,連携をしながらやっていくことがワンストップに繋がったというところが一つ成果となったのではないかと感じています。ただ,本人の同意を取らずにスタートしたようで,個人情報の関係でなかなか難しかったというところで,本人の同意をもってスタートしなければ前に進めないという知見が得られたと思います。 〇川口会長 同床異夢はだめだったという結果だが,だからこそワンストップだという発想に繋がったということですね。 〇増田副会長 東京都の助成金を受けたモデル事業に採択されたことで,司法書士会の中で調布市が空き家施策を非常に一所懸命やっているというのが周知され,調布市出身の司法書士としては委員会に出席しても自慢でした。 〇川口会長 失敗しても,調布市が何かやってるぞということを知らしめることは大事ですよね。良い教訓になったと思います。 本題のエリアイノベーションの話をしたいと思います。髙橋委員が中心になって色々なプロジェクトを行ってきたわけですが,率直にいかがでしょうか。 〇髙橋委員 かなり前から地道な現地調査を行ってきたことが功を奏して,後々実を結ぶことになりました。さらに,それをどう広い地域に活動を広めていくかというときに,8回ほどトークイベントを開催しました。その中で,空き家の活用方法,いわゆるハードの面と運用のソフトの面と,年度ごとにテーマを変えて発信してきたが,それが調布市以外の方にも広まりました。昨年12月に空き家が1軒見つかって動いているが,それ以前の下地づくりの方が効果があったと思います。本当の結果というのは,3か年が終わった後だと思うが,2年目の部分では,かなり住宅課にがんばっていただいたお陰で,いいところにきているのかなと思っています。 〇川口会長 いまやっと見える形になってきて,むしろ,前段階に水面下で色々もがかれました。これが周知されたというお話でしたが,どういう人たちに知られることとなったのでしょうか。 〇髙橋委員 SNSで発信していたが,その中で,話される方にキーマンとなる方たちがいらっしゃいました。先程の京都の事例で空き家の活動をされているキーマンの方がトークイベントのゲストとして来られることもあって,その方に興味のある方がついてくるという感じで,調布市の中でこういう活動しているということが,全国域で広がっていきました。 〇川口会長 以外とまちづくりをやっている人は,SNSで繋がっていますね。そういった意味では,広く専門家の方々に知っていただけたことはよかったです。他にご意見・ご質問のある方はいらっしゃいますか。 〇狩集委員 この3つの事業は6か月限定ということで,私は小学生,中学生の子供がいるので参加すると面白いなと思っているが,市報に掲載するとか市立の小学校に直接伝えるなど,どのように広報されているのでしょうか。 〇事務局 6/5号の市報でオープンのアナウンスをしました。7/10のイベントについては,7/5号の市報で広報します。チラシについては,以前は,市内の小中学生一人ひとりに配布することができたが,各学校1枚までという縛りができてしまっているので,富士見BASEに一番近い石原小学校にのみ送っています。市内の公共施設や駅の広報ラックにチラシを配架するなど,主にチラシがメインで広報しています。 〇狩集委員 チラシは,石原小のそばで,中学校に送っているのでしょうか。 〇事務局 石原小のそばに手厚く配布しています。中学校には配布していません。 〇狩集委員 プラスチックの活動や,カフェなどは中学生が運営しているので,中学校に広報してもよいのかと思います。 〇斉藤委員 エリアリノベーション事業は,きちんと形になって素晴らしいイベントができそうで,唯一の成功例だと思います。私も作成する時点で関わっているLINE公式アカウントについてです。3000名の登録者がいるということですが,飲食店でも友達申請してサービス等を行っています。こんなサービスがあります,こんな特典がありますと,常に発信していかないと公式アカウントをわざわざ見ないので,用がなくなれば友達解除してしまいます。プッシュ型とするようにクーポンの発行,メリットを発行することで,中に誘い込んで興味を持たせる。調布市や東京都の公式アカウントは,今,ワクチンや防災情報があるので登録しているが,自分にメリットがないと思えば簡単に消してしまうと思います。住まいのフォトレター展はとても面白い企画だが,先程の報告では3000名の方をまとめきれていない,公式アカウントを活かせていないのですが,どうやってこれを空き家と結びつけるのか,興味を持たせる内容をつくる必要があると思います。 〇川口会長 LINEについては,後程,詳しく議論したいと思います。仰るとおり継続が大事で,そういう意味では,エリアリノベーションを今回,富士見町でやっている,これをどんどん展開していくためのどういう見通しがあるのか。6カ月運用するが,水面下が大事だったというお話だったが,次期計画にそのようなプランがあるのかどうか,その点はいかがでしょうか。  髙橋委員,空き家はどういうきっかけで見つかったのでしょうか。 〇髙橋委員 意向調査から見つかったものです。 〇川口会長 次回の計画の中で,こういう事業をどういう風にして入れればよろしいでしょうか。 〇髙橋委員 徐々にこの活動が周りにじわじわ広がり,もう1軒,空き家を活用して欲しいという方が出てきている状況です。少しずつ数を増やしていければよいのではないかと思います。 〇川口会長 もう1カ所というのは富士見町エリアでしょうか。 〇髙橋委員 はい。 〇川口会長 周りでこういうことをやっているのを知れば,どんどん広がるということですね。  今,居住支援の話も出ましたが,こういうものを使っていけそうでしょうか。 〇佐藤委員 先日,住宅課から所有者を紹介いただき,直接やり取りして,地域福祉への転用を相談中です。また,市内で場所を探している団体をそこに紹介し,活用に向けて話し合いを進めています。今回見つかった物件が駅から離れていたりと,マッチングには至っていませんが,所有者もすごく活用に対して前向きで,改修や増築にも相談にのってくれているので,活動者と結びつくのではないかと思います。物件を探している別の団体と近々顔合わせを予定しています。  〇川口会長 不動産取引のプロから見て,こういう試みはいかがでしょうか。問題点はあるでしょうか。 〇比留間委員 建築的な話をすると,空き家を転用する,いわゆる住宅を特殊建築物に利活用するとなると,耐震性や防火性,構造基準も変わってきます。オーナーがそこまで理解できて転用するという決断ができるかどうか,相当高いハードルです。さらに様々な法的なものもクリアするところを建築担当がしっかり計画を立ててアドバイスしていかないと,途中で暗礁に乗り上げてしまう気がします。あまり杓子定規なことを言ってしまうと,この流れが止まってしまうので,そこをどう押し進めるのかに疑問が残っています。 〇川口会長 この富士見町の物件はどういう風にしてクリアされたのでしょうか。 〇比留間委員 概念で言うと集会所,多目的交流施設です。そうすると結構基準が厳しくなります。オーナーの独断と偏見で趣味でやっているという範疇であればよいが,そこに助成金や運営団体で法人が絡んでくると,少し難しい問題をクリアしないと進めないかなと思います。 〇斉藤委員 京都の事例,まちなかコモンズ整備事業は,対象が未接道であること で,今の議論の中でどうしようもないと言っている土地に限って事業をやろうというこの取り組みは素晴らしいと思います。空き家・空地になる可能性の高いところに助成金等を入れてやるという,この発想は是非持っていただきたいと思います。 〇川口会長 行政としていかがでしょうか。 〇事務局 助成金の関係で色々調べてみました。例えば,空き家の除却費も単純に除却費を出して終わりではなく,税金を投入したのならば,そこを10年間公共福祉的にしなさいといった縛りがある等,各種助成の方法もあって,その辺りを活用しているのかなと思います。土地の権利は所有者のままで変わらず,そこに税金を投入する,その代わり,しばらく地域に貢献をしてくださいねという方式の助成金がありました。調布市も特定空き家相当の空き家をいくつか抱えていますが,特定空き家になる前の段階も踏まえて,助成金関係の調査・情報収集をしているところです。市としてなんとか次の一手を打つことが,空き家施策を前進させるために必要だと感じております。空き家の所有者と話をすると,市に助成金はないのかと聞かれます。近隣市にはいくつか助成を持っているところがありますので,アンテナを立てて情報収集しながら,次の施策に入れていきたいと考えています。また,住宅課で,木造の昭和56年以前建築の旧耐震建築物の耐震診断の助成や改修費の助成をしています。場合によっては,56年以前の老朽化しているものを補強するという対応から,除却の道を検討したらどうかというご意見もいただいているところです。それらと重ねて,更地になると税金が上がってしまうということもあります。ただ,それを公益的な目的なり,皆様のお知恵を拝借しながら,どうやって税も含めて麗しい仕組みがつくれるか考えていきたいと思います。 〇比留間委員 エリアイノベーションの意味合いをもう少し拡大解釈して,今後出てくるだろう住マスの検討の中に,地域性みたいなものとして組み込んでいったら,大きな計画ができるのではないかと思います。今,ひとつの利活用の建物の機能を持っているエリアを活性化しようという範疇,ボトムアップ的になっていますが,上から地域計画のように,この地域では高齢者が暮らしやすいとか,子育てがしやすいとか,介護が充実しているみたいなエリアリノベーション,住マス計画と繋がっていくと面白いと思います。 〇事務局 確かに小中学校のようにエリアを分けてという展開もとてもいいなと思います。ただ,福祉関連部署の声とすると,今回のこのような福祉的な取り組みは,このエリアに欲しいとか様々あり,描きにくい実情です。とはいえ,髙橋委員が仰ったように,今回のエリアリノベーション事業を通して得た知見を,富士見町だけでなく各エリアに横展開をしていくことを目指すことが,イコール,散らばっている空き家の利活用を促進することで,地域の活性化,地域の居場所を推進していきたいなと思います。 〇川口会長 今やっていることを全体に広げるということは,究極の目標であると思いますが,逆に言うと,中途半端にやるとバラバラになってしまって結局何も得られないということもあるかと思います。次回の改定では,今,富士見でそれなりに土地が耕されてきて,機運が盛り上がってきたと,そこで1つ完遂し,その知見を全体で,まさにエリア計画でやるという,先の大きな目標になろうかと理解しました。 続いて,LINE公式アカウントの話に進みます。花火を上げたが,その後がなかなかという印象です。SNSのコンテンツはプッシュ型ですから,どんどん更新していかないと埋没してしまうと思います。今後どうしていこうとお考えになるでしょうか。 〇事務局 これまでイベントが多くありましたので,色々な形でそこにアップして発信できました。漫画の連載もしてきたので,2年間は更新をし続けることができました。今は,フォトレター展と空き家のリノベーション事業をアップすることはできるが,この先,どうするか。今回,公募にあたっては,市報やホームページをご覧になった方もいらっしゃるので,限られた媒体しかないが,いつの日か大きく横展開して数が増えてきた段階で発信するツールを欲しいと思うものの,この先,どういう規模感で展開していくかというところもご意見をいただきながらまとめたいなと思います。あったら便利だが,続けるにも経費も掛かるので考えていきたいと思います。 こういったものは,かなり個人の資質によるものだと思いますので,なかなか情報の更新や興味を引く企画の発信が難しいです。更新がないと離れていってしまうと,費用対効果も含めて,この先の在り方を考える必要があると,担当として感じています。 〇川口会長 それが,次の計画に盛り込むわけですよね。 〇狩集委員 役所が発信するという発想ですが,この方たちにも発信を促していって,この方たちのイベントのメリットで繋ぎとめていくということを一つ思いました。 〇増田副会長 せっかく晃華学園との繋がりができていて,晃華の生徒さんは色々なことにチャレンジしてくださるので,発信について協力してくれるのではないかと思います。 〇事務局 実際,晃華の生徒さんの第一声が,「もう今LINEじゃないんだよね,インスタなんですけど。」ということでした。SNSもどんどん変わってくるので,そこも含めて進めていかなければならないと思います。若い世代へのアプローチを考える必要があると思います。 〇川口会長 これは,市の若い職員に聞けば常識ですね。LINEは逆に中高年が使っていますね。ターゲットを若い人だけではなく,中高年に広げていいのではないかと思います。 〇事務局  元々スタートは,LINEが一番SNSの中で幅広い年代層に使われているというところでした。 〇川口会長 その辺のターゲットの見直しも必要ではないかと思います。 続いて,ワンストップ相談事業者合同によるセミナー・個別相談会についてです。これについて,ご説明お願いします。 〇事務局 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策④について説明を行った。 ◆施策④ワンストップ型相談窓口の創設について  ・定期的な相談会等開催事業と相談窓口の担い手創造事業の2つに分かれている。 ・スマイのミライセミナー・個別相談会は今年2月に開催し,ようやくスタートを切れたということで達成度は△だが,R5年度の本格実施以降は,年2回のセミナー・合同相談会を開催し相談体制の充実を図る。  ・相談窓口の担い手創造事業は,ワンストップ相談窓口に関しては流通促進を図るイメージで進めているが,今後エリアイノベーション事業で空き家の活用の希望が増えた場合,市がマッチングのノウハウを持っていないので,利活用の事業者の相談体制が必要なのではないか。  ・市が直接借りて活用することになると,耐震などハードルが出てくるので,市がマッチングに関してどこまで関われるかも含め,今後検討が必要。 〇川口会長 これは大きく,イベント的なものとワンストップ窓口とかなり性格が違う気がします。セミナー・個別相談会はコロナで開催できなかったということで△ですよね。これは改善点もあろうかと思います。このイベント的なセミナー・相談会について,ご意見はいかがでしょうか。 〇狩集委員 建築関係の団体としての相談窓口としては,事例をパネル化して,こんな事例がありますよというような相談会の体制づくりが必要なのだが,まだその材料がない,まだその蓄積の段階なので,ここはじっと耐えていくしかないと感じています。 〇川口会長 マンネリでもいいから,コツコツと重ねていくことが大事だということですね。 〇谷治委員 一回開催したから結果が出るというものではないので,定期的にやっていくことが必要だと思います。また,いずれ,調布市としての事例集ができればいいなと思います。 〇川口会長 では,もう一つのワンストップ窓口に関して,ご意見・ご感想はいかがでしょうか。発展性はありますか。 〇狩集委員 いわゆる集客するにはイベントだが,イベントとなると時流にのった講演会が必要で,その話の中で啓発されていき,こちらで各専門家が相談に乗りますよという体制づくりをやっていくしかないと思います。 〇川口会長 実施するとしても運営体制の改善などのご意見はありますでしょうか。 〇斉藤委員 個人情報の取り扱いについて,今,どうなっているのでしょうか。相談にみえた方の住所を枝番まで伺っているのですよね。例えば,枝番と名前が分かれば,様々な情報が取れて,それによってその土地がどれくらいの評価があるとか,いくらで売れるということが分かってしまいます。相談に見えた方の個人情報をどこまで扱いますということを説明されているのでしょうか。 〇比留間委員 個人情報の関係者間の開示について承諾しますということです。相談に来られるポイントは,もう一歩踏み込んだ,先の問題です。利活用したいが権利関係者の中で相談が進まないとか,権利者が施設に入っているので手が付けられないが,近隣の迷惑にならない範囲で雑草の処理をお願いしているとか,利活用の具体的な話にいく前の相談が多いのかと思います。 〇谷治委員 意向調査を実施して,意思表示をされた方にアプローチをしているので,そこは優先的にやっていけばいいかと思います。ただ,そこを広げるためには,啓発活動が必要だと思います。両面持ってやっていくしかないかと思います。 〇斉藤委員 先程,手塚委員が実際に売却するならこれくらい,建て替えてアパートを再建築するならこれくらいという提案までいかれて,結果,金額が合わなかったということでしたが,そこまでいくと,金額が合わないだけですから,この土地の活用方法として半分解決したようなものだと思います。次の段階までいくのは,個人情報の取り扱いが引っかかっているのかと思います。 〇比留間委員 今日のテーマの危険空き家への助言レベル,市民が行き詰って誰かに相談したいという段階になったときに,売却したらどうなんだろうという話が出てくると思います。ここのワンストップで扱っている段階では,まだ切羽詰まっていない段階だと思います。 〇川口会長 ワンストップは,基本的には匿名でも話が聞けるのでしょうか。 〇谷治委員 条件が分からない,匿名だとどこかもわからないということですから,一般論では踏み込めない部分だと思います。 〇事務局 今回の相談会に関しては,アンケートに回答いただいて,相談希望の方だったので,相談内容については,希望された事業者に伝えていました。実際に相談を受ける際にも,個人情報同意の署名もいただいているので,相談会の中ではクリアできる内容です。その先は,改めて検討が必要かと思います。 〇川口会長 今後の展開の中では,個人情報をどう取り扱うかも課題だということですね。 〇斉藤委員 個人情報の取り扱いについて,署名すると情報が公開されないと勘違いされている方が非常に多いと思います。承諾書は情報を適宜公開しますよという許可書ですから,その説明を加えておきさえすれば, 場合によっては同伴業者なり,具体的な数字を提供することもできますよというところまでできるといいと思います。 〇川口会長 これは,色々市で検討していただければと思います。 〇事務局 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策⑤について説明を行った。 ◆施策⑤空き家情報の効果的な活用 空き家バンクについて  ・空き家バンクは,アットホームが国の委託を受けて進めている。  ・調布市も昨年度開設したが,登録物件はまだ1軒もない。  ・個人情報の内容について,同意の受け方次第で公開できるならば市発信で解決を求める方法もあるが,市が個人情報を流すのはデリケートな問題なので,空き家バンクに掲載することで,色々なところからアプローチがあり繋ぐことができるとよい。今後,活用していきたい。 〇川口会長  掲載物件がなく,それを促進するような働きかけも今のところしていないということでしょうか。 〇事務局 エリアイノベーション事業で発信することで,空き家オーナーからオファーが来ないか期待しているところです。 〇比留間委員 画期的なことだと思います。これを活用することに全精力を注ぎこんでもいいと思います。 〇事務局 地方の情報はあるが,調布市のようなエリアの情報があまりなくて,他市で1軒掲載されていたものが解決して,今は0となっています。 〇川口会長 元々,都市部ではあまりないということですね。 〇事務局 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策⑤について説明を行った。 ◆施策⑤空き家情報の効果的な活用 空き家管理システムについて  ・計画には載っていたが,具体的にどういうシステムを目指したらよいのかを含めて,今後,民間の事業者のリサーチ等も含め検討を続ける。 〇川口会長 当初意図していたのは,縦割りになっているところを庁内で共有するといったシステムではなかったでしょうか。 〇事務局 経営指導課とは意向調査をしてきた内容も共有しています。この先,介護等,データを重ねたいが難しいところもあります。何をターゲットに構築していくのかを,皆様のご意見をいただきながら考えなおしたいと思っています。 〇事務局 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策⑥について説明を行った。 ◆施策⑥空き家実態調査の更新について  ・5年おきに実態調査を行い,意向確認を行っている。  ・定期的調査で情報のブラッシュアップは必要だが,調査内容が外観目視の実態調査で,空き家の実態にどれだけ迫れているか疑問。 ・実際に回ると,空き家と思っていたが人が住んでいた等,多々ある。  ・福祉の情報,電気・ガス・水道情報を活用して,見た目は空き家ではないが,施設に入って実態は空き家になっている等,踏み込んだ調査ができないか,模索中。 〇川口会長 放っておくと実態が変わるので,定期的に調査していくということですね。それから,所有者意向調査も継続に行うということですね。 〇事務局 「【資料5】空き家等対策計画資料」を用いて施策⑦について説明を行った。 ◆施策⑦危険な空き家への措置の実施 特定空き家等認定審査会の運営について  ・1回目を開催  ・今は,市内で特定の認定をかけて代執行までもっていくような物件はないが,予備軍が10軒程度ある。  ・所有者を特定し,アポイントを取り,どういう状況かを知るところが大事だが,所有者の特定が難しいものもある。 ・第三者に危険が及ぶ物件については,認定審査会にかけていくが,いきなりかけるのではなく,前もって情報提供しながら進めていく。 〇川口会長 10軒の候補があるということですが,どのように同定したのでしょうか。 〇事務局 令和2年の悉皆調査であがってきた特定空き家195軒を,令和3年度,全世帯を回って,特定空き家相当,助言,経過観察,管理中と区分分けをしました。 〇狩集委員 調布市あたりの物件は資産価値がそれなりにあるので相続放棄することは例外なのかと思います。仮に放棄された場合,誰が管理をするのかとなると,相続財産管理人選任申立を,つまり誰がババを引くかという話になってしまいます。固定資産税を滞納されたら役所がやるのかとか,その辺りですよね。 〇事務局 お話にあったのは土地所有者が同じ場合ですよね。実は,土地は借地,建物だけが相続放棄という中で,地主さんと調整を図りながら進めています。10軒は定期的にパトロールしていますが,所有者が既に亡くなっている物件が圧倒的に多いのが問題です。所有者がつかまればしっかり管理してもらうようお願いするが,なかなか管理できない状況もあります。 仮に市がやらないとなると,他にどういう方法があるのでしょうか。 〇狩集委員 財産管理人選任は利害関係人がやるもので,今の事案であれば,地主が利害関係なので,予納金100万払ってやってきますが,誰がその負担をしなければいけないのかが難しいところです。最終的には役所がという話になってしまいます。 〇事務局 我々も最終的には税金をかけてということになる中で,地域の皆さんを含め,特定の人に利益を与えないようにという助言をいただいています。 〇狩集委員 相続財産管理人に選任されて,不動産が売却できれば,市にお金が入ってくるが,時間は掛かります。 〇事務局 そのような事例は他市にもあり,調査しているところですが,なかなか税金を投入するという判断を慎重にしなければならないと思います。 〇川口会長 10軒の中に所有者不明は何軒あるのでしょうか。 〇事務局 2,3軒です。所有者にあたれてない案件,空き家法に基づいて戸籍をあたっている案件もあります。 〇斉藤委員 所有者不明の物件に関してある一定のタイミングで国庫に入れてしまう,登記をしないと20万円以下の罰金というような法改正がありそうですよね。この辺ができると影響があるのでしょうか。所有者を特定するためのきっかけになるのか,あまり関係ないのか。 〇増田副会長 国庫帰属法は,財務省の発言が大きくなって,最初に意図していたものと全く変わってしまいました。最初は,何でも受けてくれるような,固定資産税の10年分納めればいいといったものだったが,どんどん変わって,国税で物納の時の要件が厳しいが,あれと同じようになってしまいました。なかなか期待していたものとは違うと思います。 〇事務局 5 議題 (2)令和4年度開催日程について 〇事務局 開催の日程ですが,今年度4回予定しており,次が9月の初旬,3回目が10月下旬です。3回目の時に合同協議会で住宅マスタープランについてもご意見をいただきたいと思います。最終的には,来年2月中旬にパブコメ終了後の固まった内容のご報告をさせていただきます。 〇事務局 6 その他 第2回空き家等対策推進協議会の日程調整について ◆次回は,9月9日(金)10時~開催予定。都合が悪い場合は調整させていただく。 〇事務局 長時間にわたり,ありがとうございました。いただいたご意見も踏まえて,次回は素案ということで,たたき台をつくってご審議をお願いしたいと思います。 以上をもちまして,第1回調布市空き家等対策推進協議会を閉会させていただきます。ありがとうございました。 以上