陳情文書表 (令和3年6月1日受理) 受理番号 陳情第50号 件名 東京外かく環状道路本線シールドトンネル工事によって発生した東つつじヶ丘2丁目周辺の地盤損傷範囲を特定するための地上からの深層ボーリング調査範囲の拡充に関する陳情 提出者の住所・氏名 (注)非公開情報 付託委員会 広域交通問題等対策特別委員会 (注)原文のまま記載 (趣旨) 外環道本線シールドトンネル工事によって発生した東つつじヶ丘2丁目周辺の地盤損傷範囲が正確に特定され、適切な地盤補修工事が行われるために、振動・騒音・低周波音による体感的被害や家屋被害が生じた地域全域で深層ボーリング調査及び音響トモグラフィ調査を行うよう国に対して意見書を提出していただきたく陳情いたします。あわせて上記趣旨の実現を図るべく、国および東日本高速道路株式会社(以下、ネクスコ東日本、またはネクスコと表記)・中日本高速道路株式会社に対して市よりの働きかけを要望いたします。 (理由) 私たちは、自分の家の下が一体どのような状態になっているのか知らされないまま、他にも空洞があるのではないか、再び陥没するのではないかという不安を抱え、小さな地震にも怯える日々を送っています。 調布市と調布市議会は昨年10月20日と11月24日の2度にわたり3事業者に、市内のシールドマシン掘進完了区間と陥没・空洞箇所周辺において、ボーリング調査や音響トモグラフィ調査を実施して、路面空洞調査では計測できない深さの地盤状況の調査を徹底的に行うよう緊急要請されました。更に12月11日には調布市議会が同様のことを全会派一致で決議してくださいました。振動によって地盤が緩められた地域を調査で特定することは、豪雨や地震などの災害対策上も不可欠です。 しかし、住民の安全を守るために出された調布市のこの重要な要請が実行されないまま、極めて狭い範囲のボーリング調査結果で、「南行トンネル直上のみが地盤の緩みが生じている可能性のある範囲」として、その地域だけ地盤補修工事のための仮移転交渉が進められています。 地盤補修工事の対象となった住民は、愛着のある住み慣れた我が家を解体され、何年になるかわからない仮移転生活を強いられます。自宅の買い取りを希望しても、どれだけの補償が受けられるのかの基準さえ示されない中で、新たな住居探しなどに翻弄されることになります。また対象外となった住民は、家の間近で行われる2年間にわたる大掛かりな補修工事の影響をもろに受けながら、そこで暮らし続けなければなりません。地域住民の計り知れない犠牲の上に行われる地盤改良工事は何のためでしょうか。周辺一帯を本当に安全な地盤に戻すための工事であるならば、事前に地盤損傷エリアを特定することは大切な第一段階です。 地盤の緩みがトンネル直上だけに限定されていることに対する疑問点は以下の通りです。 【ボーリング調査数不足、微動アレイ調査の信頼性、調査結果の未開示】 1)トンネル直上以外に緩みがないことの根拠となるボーリング調査はトンネル脇の3地点のみで、あまりに数が少ない。 2)周辺エリアに地盤の緩みがないかは、微動アレイ調査結果のみに依拠している。(4月3日の説明会でネクスコ東日本職員が「微動アレイ調査単体では精度的なものは難しい」と発言したことや、3つ目の空洞は微動アレイ調査では確認できず、ぶんぶん公園内のボーリングによって発見されたことから。) 3)微動アレイ調査のうち、若葉町1丁目の入間川沿い東側の道路で行った結果は開示されていない。 【地表面変位計測結果、衛星データ分析による地盤沈下・隆起結果】 1)ネクスコ東日本が公表した陥没・空洞箇所周辺の地表面変位計測結果は、トンネル直上以外でも変位(最大2cm)したことを示している。(地表面の変状は地下の地盤の変状の現れの一つ) 2)日本経済新聞社による衛星データ分析による地盤沈下・隆起結果は、入間川東側(若葉町1丁目の最大3cm以上の沈下)を含む広範囲の沈下を示している。(その周辺の家屋被害の実態とも符合している) 【広範囲に及ぶ振動・家屋被害と振動が地盤に及ぼす影響】 1)外環被害住民連絡会・調布による調査(令和2年12月実施)では、昨年8月から10月にかけて、約3週間から1ヶ月間、振動・騒音・低周波音に悩まされた家が戸建で102軒以上ある。(北行シールドマシンが今後通過予定の入間川東側や、南行マシンが直前で止まっている未掘削地域を含む) 2)振動・家屋被害が多く報告された入間川東側ではボーリング調査が1本も実施されていない。 3)入間川分水路の取水施設から西に約360mの破損箇所のうち、約40mの範囲の損傷8ヵ所はシールド施工の影響と確認されている。 4)振動が地盤に及ぼす影響について、専門家は次のような見解を示している。 <芝浦工業大学工学部土木工学科 地盤工学 稲積真哉教授> ・(緩みの範囲は)この16m幅でいいという理論的な根拠はない。緩みの範囲を特定するためには、周辺で掘削断面下端までを含んだボーリングをもっとやるべきだ。 ・振動波は地盤の脆弱な部分に集中して増幅する。 ・緩んだ地盤は自然には元に戻らず、地震等に弱い状態が続く。 <日本大学理工学部土木工学科 鎌尾彰司准教授> ・通常、震度5以上の地震で起きる噴砂等の液状化現象が若葉町で道路下の埋め戻しの土砂で起こった。 ・煙突状の陥没のあとには広範に陥没現象が生じるという実験的な報告もされている。本地点でもトンネル幅よりも広い範囲で緩みが生じているとすると、将来的に陥没の危険性を有することになる。補修工事をする前に、緩みが疑われる周辺の地盤についても音響トモグラフィ等でしっかり調査し、その結果を住民に公開し説明すべきである。 こうした専門家の見解も踏まえ、上記の疑問点が払しょくされるよう、地上部から掘削断面下端までを含んだ深層ボーリング及び音響トモグラフィ調査を拡充し、その調査結果をもとに住民に丁寧に説明することを、地元調布市から強力に求めていただきますよう、ここに陳情いたします。