陳情文書表 (令和2年5月29日受理) 受理番号 陳情第26号 件名 種苗法改定案に反対する意見書の提出を求める陳情 提出者の住所・氏名 (注)非公開情報 付託委員会 文教委員会 (注)原文のまま記載 種苗法は、農作物の新しい品種を開発した人や企業に「育成者権」を認め、権利を保護するものですが、同時に、農業者が収穫物の一部を種苗として使う自家増殖(自家採取・株分けなどの栄養繁殖)を認めてきました。 改定案は、この条項を削除し、自家増殖を一律禁止にするというものです。禁止対象になる「登録品種」を農家が栽培する場合、種や苗をすべて購入するか、一定の許諾料を払って自己増殖するかを強いられることになり、負担増になることは避けられません。 種子・種苗は、農業生産の基本的な資材です。自家増殖は、地域に合った品種を地域の条件に合わせながら定着・発展させてきたもので、農家の経営安定に役立ってきました。そのため、地域の伝統的な品種の保存・利用や自家増殖は、国際的にも農民の権利として認められています(「食料および農業のための植物遺伝資源に対する国際条約」、国連決議「小農と農村で働く人びとの権利宣言」など)。 品種改良には長い年月がかかります。日本では戦後、主要農作物種子法に基づき、米、麦、大豆の品種改良、種子の生産・供給を、都道府県農業試験所などが担ってきました。その種子法は、2018年に廃止されましたが、関係者の運動等により、ほぼ半数の道県が条例などによって種子法の趣旨を継続しています。 現行種苗法は、公的な機関とともに民間企業・個人が開発した種苗の品種に育成者権を与えています。登録された種苗の無断栽培を禁止し、種苗の使用料を徴収できます。併せて、農業者が購入した種子を栽培して得られた種子・種苗を自家農業に利用する場合、種苗としての販売を除き、育成者権が及ばないという例外規定を設けて、農業者の権利を認めています。 今回の改定では、「育成権者の効力の及ぶ範囲の例外を定める自家増殖に関わる規定」を削除します。つまり、自家増殖の原則禁止です。農業者からは、自家増殖が禁止されると地域や経営に合った品種の確保が困難になる、経費が増大する等の懸念が表明されています。 現在、日本の食料自給率は37%まで落ち込み、6割以上を海外に依存しています。今後、新たな感染症の発生で食料輸入が滞るなど、食料の多くを外国に依存することの危険性を憂慮せざるをえません。 このようなときに、農業者のみならず、消費者・国民にも影響を及ぼす種苗法の改定を行うべきではありません。 よって、国に上記趣旨の意見書を提出することを陳情します。