陳情文書表 (令和2年11月10日受理) 受理番号 陳情第39号 件名 東京都として都立神経病院の「再編統合」は行わないと国に意思表示するよう求める意見書提出を求める陳情 提出者の住所・氏名 (注)非公開情報 付託委員会 厚生委員会 (注)原文のまま記載 (陳情の趣旨) 2019年9月、厚生労働省は全国の公的・公立で運営する 424病院を「再編・統合の議論が必要な病院」として名指しし、期限を決めて対応方針を決めるよう求めました。(その後厚労省はリストの修正を行い 440病院とし、この新型コロナ禍、検討期間延長を認める考えを示しました)。 今回「再編・統合対象病院」として名指しされた府中市にある都立神経病院はl980年に開設された国内唯一の神経・筋難病専門の研究・治療機関であり、現在、 304床で治療を行っています。また開設当時から在宅・訪問治療を行い、現在でも年間 100名の方の訪問治療を行っています。神経難病はその疾患の特性から症状は様々で、痛みや倦怠感など身体的な辛さから日常的な生活の不自由さなど幅広く多岐にわたり、進行状況にも配慮が必要です。また、難病に合併症を持つ方が少なくありません。様々な症状をもつ神経難病に対し、幅広く専門的な見地で治療や日常生活の改善に向けた医師や医療スタッフの丁寧な対応は患者・家族にとってかけがえのない支えです。また、昨年10月の台風で多摩川氾濫の危険が出た際、近隣在住の患者が人工呼吸器の電源が取れなくなる恐れから神経病院に連絡、避難を受け入れてもらうことが出来ました。当日病院は4名の人工呼吸器装着の避難者を引き受けました。あるALSの方が、難病の患者家族にとってなくてはならないと、「都立神経病院は命のふるさと」と名付けてくれました。都立神経病院が患者にとってとても信頼できる病院であることの証です。 病院がその地域で果たす役割を無視して、癌や救急、手術の診療実績が少ないことを理由にした国の「再編統合」の押し付けはやめるべきです。 この「再編統合」については地域の病床数など病院再編を決めるのは都道府県知事であり、そのもとにつくられた地域医療構想調整会議での議論を経て行われることになっています。令和元年度第2回北多摩南部医療構想調整会議では、国の「再編統合」の問題に加えて、東京都がすでに「多摩メディカルキャンパス再編整備計画」の中で都立神経病院については2030年度頃をめどに「難病医療センター(仮)」として、充実、建て替えを予定していることが説明されました。この会議で行政の委員から「市民からは無くさないで欲しい」と声が紹介され、医療機関の委員から「在宅を良くやって頂いて助かっている」「研修会開催もありがたい」と地域貢献も高く評価されていましたが、都の建て替え計画はあっても国の「再編統合」が優先された場合、現状維持どころか難病医療の低下は免れません。東京都がどのような立場に立つかが大変重要になっています。 私たちは厚生労働省が「都立神経病院の再編統合」は行わず、東京都の提案している「多摩メディカルキャンパス再編整備計画」が難病医療をより充実するものとなることを望んでいます。 東京都に対し、「都立神経病院の再編統合」は行わないと国に意思表示するよう要請することを求めます。 (陳情事項) 東京都に対して『東京都としては神経病院は既に「難病医療センター(仮)」として整備する計画があるのでこれ以上の「再編統合」は行わない』と国に意思表示するよう求める意見書を提出して下さい。