議員提出議案第15号 調布市がん対策の推進に関する条例 上記の議案を提出する。 令和元年9月3日 提出者 調布市議会議員 須山 妙子 賛成者 調布市議会議員 狩野 明彦 同 元木 勇 同 小林 市之 同 岸本 直子 同 鈴木 宗貴 同 伊藤 学 同 大須賀 浩裕 同 大野 祐司 同 林 明裕 同 井上 耕志 同 清水 仁恵 同 川畑 英樹 同 丸田 絵美 同 西谷 徹 同 橘 正俊 同 内藤 美貴子 同 平野 充 同 雨宮 幸男 同 武藤 千里 同 坂内 淳 同 榊原 登志子 同 木下 安子 同 澤井 慧 同 阿部 草太 同 古川 陽菜    提案理由 総合的ながん対策の推進に当たり、がん対策に関する施策の基本事項を定めるため、提案するものであります。 調布市条例第 号 調布市がん対策の推進に関する条例 がんになる可能性は誰にでもあります。調布市でもがんが死因の第1位を占めています。しかし、がんは、早期発見・早期治療により治せる疾病へと変わりつつあります。 一方、がん対策には新たな課題もクローズアップされています。小児がん、若い世代のがんや高齢期のがんへの対策、さらにはがん患者の就労・就学支援や家族への支援などの必要性が指摘され、がん患者等のライフステージに応じた支援が求められています。 がんを知り、がんを予防する生活習慣の実践とがん検診の受診で、いつまでも自分らしく暮らしていくことも可能になります。 調布市は、近在するがん診療連携拠点病院、保健医療福祉関係者、事業者等がんと向き合う団体等に恵まれており、こうした団体等と連携・協力をしながらがん対策を推進してきました。その特色を生かし、効果的な施策につなげることで、がん対策のより一層の強化を図り、市民が安心して生活できることを目指し、この条例を制定します。 (目的) 第1条 この条例は、前文及びがん対策基本法(平成18年法律第98号)の趣旨を踏まえ、市の責務並びに市民、保健医療福祉関係者及び事業者の役割を明らかにするとともに、がん対策に関する施策の基本となるべき事項を定めることにより、総合的にがん対策を推進することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 保健医療福祉関係者 医師その他の医療関係者、がんの予防に携わる者、がん患者の介護に従事する者及びがんに関する知識の普及啓発活動を行うものをいう。 (2) がん患者等 がん患者及びその家族をいう。 (3) 事業者 市内において事業活動を行う者をいう。 (4) がん医療 がんに対する科学的知見に基づく適切な医療をいう。 (市の責務) 第3条 市は、国、東京都、市民、保健医療福祉関係者、事業者その他の関係団体と連携を図り、調布市の特色に応じたがん対策に関する施策を総合的に実施するものとする。 (市民の役割) 第4条 市民は、がんに関する正しい知識を身に付け、がんの予防に必要な注意を払い、及びがん検診を積極的に受診し、並びにがん患者に関する理解を深め、並びに市が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。 (保健医療福祉関係者の役割) 第5条 保健医療福祉関係者は、市が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるとともに、がんの予防及び早期発見に資する環境の整備並びにがん医療及び福祉サービス並びにがんに関する情報の提供に努めるものとする。 (事業者の役割) 第6条 事業者は、市が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるとともに、従業員及びその家族のがんの予防及び早期発見に資する環境の整備に努めるものとする。 (情報の収集・提供等) 第7条 市は、保健医療福祉関係者等と連携を図り、市民ががんに関する適切な情報を得られるよう、情報の収集・提供その他広報を行うものとする。 (がん教育) 第8条 市は、児童、生徒その他の市民が学校教育、社会教育等の学習の場において、がんに関する理解を深めるための教育を推進するよう努めるものとする。 (がんの予防のための取組) 第9条 市は、がんの予防に資するため、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣、ウイルス等の感染及び生活環境が健康に及ぼす影響等の正しい知識の普及啓発その他の必要な取組を実施するものとする。 (受動喫煙防止の施策の推進) 第10条 市は、がんの予防に資するため、調布市受動喫煙防止条例(平成31年調布市条例第1号)に基づき、受動喫煙を防止するための施策を推進するものとする。 (がんの早期発見のための取組) 第11条 市は、がんの早期発見に資するため、がん検診の質の向上を図るとともに受診率の向上に努めるほか、必要な取組を実施するものとする。 (がん患者等への支援) 第12条 市は、がん患者等の精神的・経済的不安を軽減するため、相談体制及び情報提供等の充実を図るとともに、緩和ケア(がん患者の身体的・精神的な苦痛の軽減又は社会生活上の不安の緩和等を目的とする医療、看護、介護その他の行為をいう。)の充実及びライフステージに応じた支援のための環境整備に努めるものとする。 (がん患者等への就労・就学支援) 第13条 市は、前条に規定するがん患者等への支援のうち、特にがん患者等の就労・就学に際して適切な労働環境や教育環境が整備されるよう、事業者及び教育関係者に対するがん患者等への支援に関する知識の普及その他必要な取組の実施に努めるものとする。 (在宅療養希望者への支援) 第14条 市は、在宅療養を希望するがん患者等に対し、保健医療福祉関係者等と連携及び協力を図り、適切な情報提供及び相談支援その他の在宅療養の充実に必要な取組の実施に努めるものとする。 (計画の取扱い) 第15条 市は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策に関する施策等を調布市における市民健康づくりプランに位置付けるものとする。 (市民への公表) 第16条 市は、毎年度、がん対策に関する施策の実施状況について市民に公表するものとする。 (財政上の措置) 第17条 市は、がん対策に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。 (委任) 第18条 この条例の施行について必要な事項は、市長その他の市の機関が別に定める。 附則 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第16条の規定は令和3年4月1日から、第15条の規定は令和5年4月1日からそれぞれ施行する。