議員提出議案第23号 福島第一原発における処理水(トリチウム水)の処分方法について科学的根拠に基づき建設的な議論を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 令和元年12月12日 提出者 調布市議会議員 澤井 慧 賛成者 調布市議会議員 狩野 明彦 同 平野 充                    福島第一原発における処理水(トリチウム水)の処分方法について科学的根拠に基づき建設的な議論を求める意見書 我が国は2011年東日本大震災に起因する未曽有の原発事故を経験してから9年がたとうとしているが、被災地の復興が進む一方で、原発事故に起因し解決が先延ばしとなっている課題は山積している。 特に原発処理水については、原発の敷地内にあるタンクに貯蔵しており、その量は100万トンに及ぶ。タンクは約1000基が設置されているが、廃炉を円滑に実施する上で、限られた敷地の中での増設は困難な状況であり、2022年夏ごろにはタンク容量が満杯となり限界に至ると公表されており、処理水の処分方法についてはいつまでも先延ばしにできない問題であると考える。福島第一原発のタンクに貯蔵している処理水に含まれるトリチウムは、日本語では三重水素と呼ばれ、水素の仲間であり、自然界でも生成され、雨水や水道水、大気中にも存在している物質である。また 5.7×10-9 %程度の極めて低い濃度であり、放射線のエネルギーが弱い上に、体内に取り込まれても速やかに排出される。 トリチウムを含む水分子だけを処理水から分離して取り出す方法も開発されているが、わずかな量のトリチウムを大量の処理水から取り出すには、膨大なエネルギーとコストが必要である。 国内の原子力施設では、東日本大震災以前から海洋にトリチウム水を放出している。また、国外においてもアメリカ、カナダ、フランス、韓国等の各国において自然環境中への放出が行われている。 よって、福島第一原発における処理水の処分方法について科学的根拠と国際基準に基づいて建設的な議論を推進することを要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和元年12月 日 調布市議会議長 渡辺 進二郎 提出先 内閣総理大臣 経済産業大臣