陳情文書表 (平成30年2月26日受理) 受理番号 陳情第89号 件名 調布市情報公開条例第8条に違反する運用を改めることを求める陳情 提出者の住所・氏名 (注)非公開情報 付託委員会 総務委員会 (要旨) 調布市情報公開条例(以下「情報公開条例」または「条例」という。)第8条に違反する運用が行われているので、条例第8条を遵守した運用を行うことを求めます。  情報公開条例に違反する例の一つは、「調布市情報公開条例第7条第2号、5号及び7号該当[理由]未成熟かつ未確定な情報の公開により、市民の財産に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるため等」により、2016年3月15日付27調都街発第3500007号「市政情報一部公開決定通知書」により一部公開決定された文書のうち、「「調布市道路網計画(案)」等に関する説明会の開催結果について」(以下「一部公開文書」という。)です。 一部公開文書のうち、「調布市道路網計画(案)に関する説明会質疑応答(抜粋)」第1回平成28年1月15日及び第2回平成28年1月16日(合計11ページ)について、この文書の一部公開された内容は、ページ1及びページ7はページ番号以外には以下の記述のみであり、それ以外の2から6及び8から11ページはページ番号以外は全て黒塗りです。まさに「のり弁」文書です。 ページ1 調布市道路網計画(案)に関する説明会質疑応答(抜粋) [第1回] 日時:平成28年1月15日(金) 午後7時~8時30分 場所:文化会館たづくり8階 映像シアター ページ7 調布市道路網計画(案)に関する説明会質疑応答(抜粋) [第2回] 日時:平成28年1月16日(土) 午後2時~3時30分 場所:文化会館たづくり8階 映像シアター この一部公開文書は、広く市民を対象にした、調布市都市整備部街づくり事業課主催の説明会の記録です。後に全部公開された文書によれば、出席者は第1回が15名、第2回が36名です。この説明会は、市職員が調布市道路網計画(案)を説明した後、質疑応答(参加者からの質問や意見に対し市職員が答える)が行われたものです。録音も制限されていません。 このような公開の説明会であるにもかかわらず、一般市民である出席者の質問内容を含む、記録のほとんど全てを、「調布市情報公開条例第7条第2号、5号及び7号該当[理由]未成熟かつ未確定な情報の公開により、市民の財産に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるため等」に該当するとして非公開としたことは、後に個人情報を除く全てが公開された文書(以下「個人情報を除く全部公開文書」という。)と比較すれば、条例8条に違反していることが明らかです。 なぜならば、条例8条「実施機関は、公開請求に係る市政情報の一部に、非公開情報が記録されている場合において、非公開情報に係る部分を容易に区分して除くことができ、かつ、区分して除くことにより当該公開請求の趣旨が損なわれることがないと認められるときは、当該非公開情報に係る部分以外の部分を公開しなければならない。」によれば、少なくとも一般の出席者の質問は原則的に全て、「条例第7条第2号、5号及び7号該当[理由]未成熟かつ未確定な情報の公開により、市民の財産に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるため等」とすることに合理性がないからです。 出席者の質問を非公開としたということは、出席者の質問の全部が、条例第7条第2号、5号及び7号に該当し、市民の財産に不当に利益を与え、もしくは不利益を及ぼすおそれがある等の、未成熟かつ未確定な情報に当たるとしているわけで、これは、おかしなことです。 非公開情報に当たらない質問内容を非公開情報としていること(条例8条違反)でなければ、全ての質問者が市の非公開情報を入手してそれを質問したことになります。それはないでしよう。あるいは、公開の説明会であっても策定段階の計画案の一般市民の質問は全て非公開情報に当たるのでしょうか。そうだとすれば、それはそれで恐ろしいことです。 個人情報を除く全部公開文書から、非公開とされた質問内容を具体的に幾つか抜き出して以下に列挙します。 第1回 Q1 安全に通行できる歩道や自転車道を作ってほしいという市民の要望があるが、道路網計画(案)としては課題としている。今後、どのように解決をしていくのか。 Q2 各路線を事業化した際の立ち退き戸数について教えてほしい。 Q3 整備して幹線道路になると大型車が通ることなどが考えられるが、近隣では振動、騒音、大気汚染などの公害といった負の影響が出るのではないか。 Q4 現状の交通量と優先整備路線や生活道路が整備されたときの交通量のデータを示してほしい。 Q5 消防のために必要としている地区内道路を整備すると、抜け道になり交通量が増えかえって危険になるのではないか。 Q6 計画策定時にパブリック・コメントの意見を反映する時間はなく、この手続は意見を聴くだけのアリバイ作りなのではないか。 第2回 Q4 道路網計画(案)は、市が今後10年間で行う整備計画のたたき台ということか。 Q7 調布市都市計画マスタープランでは、「人と環境を優先する」という言葉が使われているが、この考え方は道路網計画ではどのような形で活かされているのか。 Q11 バリアフリーの問題、避難通路の確保をネットワークの中にどのように組み込んでいるか、また関連して電柱の除去について、道路網計画ではどのような考え方があるのか。 以上に列挙した質問内容の一言一句まで全てが条例第7条第2号、5号及び7号に該当するとは全く理解できません。例えば、第2回のQ7「調布市都市計画マスタープランでは、「人と環境を優先する」という言葉が使われているが、この考え方は道路網計画ではどのような形で活かされているのか。」のどこか一部分が、たとえ条例7条5号及び7号に該当するとしても、少なくとも「調布市都市計画マスタープランでは、「人と環境を優先する」という言葉が使われている」という既存文書についての事実関係を述べている文章は明らかに該当しないので、条例第8条に従って、この箇所は公開すべきものです。 以上に述べたとおり、条例第7条を理由に、適正に非公開にすべきところだけでなく、「非公開情報に係る部分以外の部分」まで非公開にしていることは、「非公開情報に係る部分以外の部分を公開しなければならない」とする条例第8条に違反しています。 この条例8条違反の運用が現在まで他の情報公開決定においても行われています。 調布市は、調布市情報公開条例を正しく理解し、条例第8条に違反しない運用を行うことを求めます。 以上について陳情いたします。