議員提出議案第8号 建設業従事者のアスベスト被害者補償基金制度の創設を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 平成30年6月18日 提出者 調布市議会議員 狩野 明彦 賛成者 調布市議会議員 渡辺 進二郎 同 小林 充夫 同 鈴木 宗貴 建設業従事者のアスベスト被害者補償基金制度の創設を求める意見書 建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図るよう国に働きかける意見書の提出を求める陳情書については、平成25年3月27日に調布市議会において全会一致で採択され、内閣総理大臣、厚生労働大臣、環境大臣、衆議院議長、参議院議長に提出となった。その一方で、元建設業従事者とその遺族計354人が建設現場でアスベストを吸い、肺がん等を患ったとして、国と建材メーカー42社に賠償を求めた「東京第1陣集団訴訟」の控訴審判決が3月14日に東京高裁であった。 高裁判決は「遅くとも、建設作業でアスベスト吹きつけを原則禁じた1975年10月以降、規制権限を適切に行使ずべきだった」と指摘し、アスベスト含有建材の製造・使用を原則禁じた法令改正がされた前月2004年9月までに、吹きつけ作業を行う屋内作業員に防じんマスク着用などの対策を義務付けなかったのは違法だとし、国の責任を認めた。 高裁判決は今回が2回目で、最初の控訴審、2017年10月の東京高裁判決では一部メーカーの責任が認められていたが、残念なことに今回の判決では、メーカーの責任について「健康被害と因果関係が立証されていない」などとして、1審と同様に原告の主張を退けた。 しかし、労働関係法令上の「労働者」に当たらないとしてきた一人親方については「建設現場で重要な地位を占め、同じ作業に従事する労働者と同等に保護されるべきだ」とし、個人事業主について国の賠償責任を認めたのは初めてで画期的な判決と言える。 建設産業を支えてきた多くの従事者がアスベストで苦しんでいる。早期救済するには、補償基金制度の創設が必要である。よって国と建設業者の共同出資による、補償基金制度の設置を求める意見書を提出する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成30年6月 日 調布市議会議長 田中 久和 提出先 内閣総理大臣 法務大臣 厚生労働大臣 経済産業大臣 衆議院議長 参議院議長