委員会提出議案第2号 外環道沿線住民の緊急時避難計画策定を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 平成29年3月15日 提出者 広域交通問題等対策特別委員長 宮本 和実 外環道沿線住民の緊急時避難計画策定を求める意見書 福岡市博多駅前で昨年11月8日未明に発生した大規模陥没事故では、作業員が気づいて避難したわずか15分後に、歩道や信号機、さらには道路が地中に吸い込まれ、瞬く間に30メートル四方にも及ぶ巨大な陥没となった。博多の場合は、道路下の工事であり、交通規制ができたため、事故による死傷者がいなかったのが、不幸中の幸いである。 現在も博多の事故原因は調査中であるが、2月10日付西日本新聞朝刊では,「事故前日から、トンネル上部岩盤の圧力が、現場点検と市への報告が義務づけられた管理値レベル1を超過していたにもかかわらず見過ごされ、事故を未然に防止できる機会を逃した可能性がある(要旨)」ことを伝えている。 外環の工事は24時間体制である。多摩の水源地帯を抱える軟弱な地盤の外環予定地の中でも、調布市緑ケ丘1丁目付近は、浅深度(地下8メートルから40メートル)にランプトンネル2本、大深度(40メートル以深)に本線トンネル2本の計4本のトンネルが通る、特にリスクの高い地域である。さらに京王線から甲州街道の間には、世界最大級の難工事と言われ、いまだ工法も決定していない地中拡幅工事が予定されている。外環沿線に暮らす住民は、眠っている最中にも住宅が地中に引きずり込まれるのではと恐怖にさいなまれている状況にある。 2017年2月2日から7日にかけて、世田谷、三鷹、武蔵野、調布の各区市で、東京外環本線トンネル掘進工事説明会が開催された。そこで繰り返し住民から出された質問は「博多駅前のような陥没が起こった場合、外環の上に住む住民はどのように緊急連絡を受け、避難すればよいのか。計画は立ててあるのか」ということであった。ところがシールド機発進を間近に控えた時点であったにもかかわらず、事業者側に具体的計画がないことがわかり、その後の説明会で、異常時の連絡方法を掘進開始後10カ月間で検討するとの回答があったとのことである。 よって調布市議会は、外環沿線に暮らす住民の安全確保と不安軽減のために、シールド機掘進開始に当たり、実効性を伴う緊急時住民避難計画を速やかに立案し、住民に説明するよう求める。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成29年3月 日 調布市議会議長 鮎川有祐 提出先 内閣総理大臣 国土交通大臣