議員提出議案第21号 豊洲新市場整備をめぐる重大な問題点について徹底検証を求める意見書提出について 上記の議案を提出する。 平成28年9月15日 提出者 調布市議会議員 井樋 匡利 賛成者 調布市議会議員 雨宮 幸男 同 岸本 直子 同 武藤 千里 豊洲新市場整備をめぐる重大な問題点について徹底検証を求める意見書 築地市場の移転先とされている豊洲新市場で、東京都が土壌汚染対策として行ったと説明してきた盛り土について、小池都知事は緊急記者会見を10日に開き,豊洲新市場の水産棟や青果棟の建物の下の盛り土が行われず,地下空間になっていることを認める発表を行った。 豊洲新市場予定地は1988年まで東京ガス工場が操業し、環境基準の4万3000倍の発がん性物質ベンゼンや、猛毒のシアン化合物、ヒ素などで汚染されていたことが発覚。都の専門家会議は2008年、移転を前提に工場操業当時の地盤面から深さ2メートルにわたり土を掘り下げ、厚さ 4.5メートルの盛り土を行う「土壌汚染対策」を提言していた。ところが、実際には盛り土が行われておらず、深さ5メートルの地下空間となり、底面には砕石層や薄いコンクリートが敷設され、地下水がたまっていた。 858億円も土壌汚染対策に投入していながら、極めてずさんな形でやられていたのは重大である。 豊洲新市場では建物内の大気中からもベンゼンが検出。整備費も 5884億円と当初の見通しから大幅に膨れ上がり、市場の業者からは施設の使い勝手が悪いとの指摘も出されている。小池知事は8月、新市場を11月7日に開場する計画を延期すると発表した。 よって調布市議会は、以下の点についての検証を求めるものである。 1 食の安全・安心にかかわる問題 (1) 建物下の盛り土をやらなかった問題の徹底究明を求める。 (2) 建物内のベンゼン汚染について調査すること。 (3) 地下水管理システムが機能していない問題について検証すること。 (4) これまで行われてきた土壌汚染対策の対応を全面的に再点検すること。 2 施設の耐荷重不足や使い勝手の問題 (1) 施設の耐荷重不足の問題について、設計の経過の検証を行うこと。 (2) 使い勝手の問題について、都の対応に問題がなかったか検証を求める。 3 土地購入、市場の整備工事などの契約にかかわる情報の全面公開 (1) 土地取得に当たっての経過の検証と公表。 (2) 高騰した土壌汚染対策工事費及び施設建設工事契約について、要因の究明を求める。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成28年9月 日 調布市議会議長 鮎川 有祐 提出先 農林水産大臣 東京都知事