53ページ 括弧3,教育における支援  児童の障害状況に応じた特別支援教育を展開するとともに,学校生活での児童・生徒や保護者の不安や悩みなどの相談に応じます。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <就学支援体制の充実> ○就学相談の充実や「就学支援シート」の活用により,就学前の支援からスムーズに移行できるよう支援します。 <特別支援教育の推進> ○「調布市特別支援教育全体計画」に基づき,調布市立小・中学校全校における巡回指導体制を確立するとともに,教職員研修の推進により各校における支援体制の充実を図ります。 ○インクルーシブ教育を推進し,障害の有無に関わらず,教育を受ける権利を保障するとともに,児童・生徒同士の交流を図ります。 <相談体制の充実> ○教育相談,ソーシャルワーカー相談,スクールカウンセリングなど,多様な相談窓口の活用により,児童や保護者の抱える困難さの内容に応じて,福祉部署の相談機関とも連携しながら,家庭環境も含めた総合的な支援を推進します。 現行計画事業 星,主要事業 就学支援体制の充実 星,就学相談(指導室) 星,就学支援シートの活用(指導室) 特別支援教育の推進 星,特別支援教育の推進(指導室) ・介助員の配置推進(指導室) ・特別支援学級運営に係る発達検査等の実施(指導室) ・教職員研修の推進(指導室) ・教育センターの運営(指導室) ・副籍交流の推進(指導室)   54ページ 相談体制の充実 星,来所相談・電話相談(指導室) 星,ソーシャルワーカー相談(指導室) ・スクールカウンセリング(指導室) 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●通常の学級における指導では,その能力を十分に伸ばすことが困難で,特別な支援が必要な児童・生徒に,障害の程度に応じた適切な教育の場を提供するため,就学・転学・校内通級教室にゅう退級相談を行いました。(指導室) ●就学支援シートを活用して,入学前に配慮を必要とする子どもについて情報共有することで,新1年学級編制での対応や,入学後の保護者と教職員の連携を図った学校体制の検討,個別の教育支援計画や個別指導計画作成への反映等の対応を図っています。(指導室) ●調布市の特別支援教育の実態を踏まえた「調布市特別支援教育推進計画」を平成31年4月に策定しました。調布市立小・中学校における巡回指導体制の確立や教員等の資質・能力の向上を図りました。(指導室) ●各学校の特別支援教育コーディネーターや特別支援教室専門員,特別支援学級の担任や校内通級教室教員,学級介助員など特別支援教育に関わる教職員に対する研修を深め,指導に活かしました。また,校長・副校長・主幹教諭等,職層に応じた研修を実施し,通常の学級においても特別支援教育を推進しています。(指導室) ●スクールソーシャルワーカーが福祉分野に関する専門的な知識や技術を用いて,児童・生徒の置かれた様々な環境への働きかけや関係機関等のネットワークを構築して,問題を抱える児童・生徒に支援を行っています。(指導室) ●スクールカウンセラーについては,経験年数によってカウンセリングに差異が出ないようにするため,年間を通した研修を実施し,各自のカウンセリング技術を高められるようにしています。(指導室) 55ページ 参考指標,指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 就学相談,相談件数,449件,407件,450件 就学支援シートの活用(通常の学級における特別な支援が必要な児童に対する個別支援計画の作成) 小学校作成率,78.1%,84.3%,90.8% 中学校作成率,57.4%,65.8%,62.8% 今後の課題 ◆就学支援体制の充実 保護者が必要な時期に確実に就学相談につながり,子どもにとって適切な選択ができるよう,周知や案内を始めとした体制づくりや相談員のスキルアップを,より一層推進するとともに,就学へのスムーズな移行へ向けて「就学支援シート」を活用し,保育園,幼稚園での支援を小学校につなげていくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・保護者や子どもに寄り添いつつ,早期に就学相談を完了できるような体制づくりと,相談員のスキルアップとともに,適切なにゅうたい級相談につなげるため,学校における校内委員会の充実と適正な運営が必要,事業進捗評価 ・市役所などにキーパーソンがいて,いつ頃から就学相談に来たら良いかなど,道筋を示してあげることが必要,(ヒアリング) ・「就学支援シート」は学校に行ったときに先生も子どもも困らないよう,課題をありのままに書くが,保護者の要望で修正する場合もある。(ヒアリング) ・課題や困難などマイナスな印象に偏ったスタートにならないよう,「得意なこと,好きなこと」など,就学支援シートに良いところも書いてほしい。(委員意見) ・就学前にどのような準備が必要なのか,どのような手順で相談するとよいのか,というところが共有されればよいのではないか。優先順位をつけ,できる支援を整理できると良い。(ヒアリング)   56ページ ◆特別支援教育,インクルーシブ教育システムの推進 一人ひとりの障害特性や希望に応じて,特別支援教育を充実させていくことが必要です。健常児と共に地域で権利を保障していくため,インクルーシブ教育システムを推進し,障害の有無に関わらない児童,生徒同士の交流の機会や,市内小中学校において,医療的ケアを含めて障害のある児童,生徒の受入れや,児童生徒に対する障害理解を広げていくことが求められています。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害があるからできないではなくて,サポートがあればできること,その人の本当の力が出てくるのではないか。(委員意見) ・肢体不自由で車いす利用のかたのためにエレベータの設置が必要,(委員意見) ・通常の学級の児童生徒に対する,障害理解教育は,もっと充実が必要。特に知的障害,発達障害,精神障害,高次脳機能障害など,見た目にはわかりにくい障害について学ぶ機会が少ない。(委員意見) ・特別支援教育については若手のみならず,市内,小,中学校通常の学級の教員も対象とした研修を実施していく必要性がある。(事業進捗評価) ・障害のある子がひとり親家庭で,下に幼いきょうだいがいて,保護者も送迎ができず,通学できる日がまばらになっている事例がある。(ヒアリング) ・移動支援が特別支援学級の通学で利用できるようになったが,報酬が低く,事業所が案件を引き受けるのが難しい。(委員意見) ・近年,人工呼吸器の常時管理や,酸素管理等の必要のある児童,生徒でも,友達と会い,刺激を受けられるよう,訪問学級でなく通学籍を選択する人が増えた印象を受ける。(ヒアリング) ・副籍制度※15,を通じて健常児と地域で関わることの大切さについても,保護者の期待が高まり,地域で生活してほしいと考えている人が増えている。(ヒアリング) ※15,都立特別支援学校の小,中学部に在籍する児童,生徒が,居住する地域の区市町村立小,中学校(地域指定校)に副次的な籍(副籍)をもち,直接的な交流や間接的な交流を通じて,居住する地域とのつながりの維持,継続を図る制度。 続きは、次ページです。   ・教育機関,市内小中学校の管理職レベルのかた,養護教諭のかたが,まず医療的ケアについての知識を正しく持っていただくことが必要(ヒアリング) ・市内小中学校で医療的ケアを実施するかたが入学したなら,特別支援学校から必要な連携をとり,一緒に考え,力になれることは多いと思う。(ヒアリング) ・医療的ケアであっても,導尿や栄養注入等,時間が決まっている医療的ケアで,状態が安定していて,市内で看護師等,医療的ケア実施のための環境が整いさえすれば,通常の学級に通うことが本人に合ったケースもあると感じている。(ヒアリング) 以上は、前のページの内容です。 57ページ ◆相談体制における福祉と教育の連携 スクールソーシャルワーカーや教育支援コーディネーターを通じて児童,生徒や保護者の相談に応じるとともに,内容に応じて福祉分野の関係機関とも連携しながら支援していくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・不登校児童生徒のための学校以外の居場所もまだ多くはなく。子ども,若者総合支援事業「ここあ」への相談も増えている。障害福祉,教育分野も含めた連携が必要(委員意見) ・学校と相談する前に教育相談所へ,相談が上がる事例が増えており,保護者からの声が届く風通しの良い学校づくりが必要(事業進捗評価) ・スクールソーシャルワーカーの対応件数が年々増加し,対応状況も逼迫している。(事業進捗評価)