62ページ 括弧5,働くこと,日中活動の支援 障害者が一般企業や通所施設(福祉作業所)で働くことや,その人に応じた活動により,日中を過ごすことを支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より <働く機会,相談の充実> ○「ちょうふだぞう」「こころの健康支援センター就労支援室,ライズ」の2か所の障害者就労支援センターを中心に,若者向け支援などとも連携しながら就労支援,定着支援に引き続き取り組みます。 ○市や関連機関での障害者雇用の推進や,民間事業者への働きかけを行い,新たな雇用の創出に取り組み,障害者が働く機会の充実を図ります。 <多様な障害特性に応じた日中活動場所の整備> ○市が設置する障害者施設では,民間事業所では受入れが困難な重度障害者の対応など支援体制の充実を図ります。 ○今後の特別支援学校卒業生等の通所先の安定的な確保や,重度知的障害者,高齢障害者,発達障害者,高次脳機能障害者など,一人ひとりの多様な障害特性に応じて支援を受けながら働いたり,過ごしたりできる日中活動場所の整備を進めるため,通所施設の設置支援を行います。 <福祉施設で働く障害者の工賃向上> ○「障害者優先調達推進法」に基づき,市の障害者福祉施設等への発注機会を確保,拡大するとともに,「作業所等経営ネットワーク支援事業」などにより受注力の強化を支援し,障害者福祉施設等で働く障害者の工賃向上を図ります。 現行計画事業 星,…主要事業 働く機会,相談の充実 ほし,障害者就労支援事業(障害福祉課) ・若者向け労働相談の実施(産業振興課) ・就労セミナーの実施(産業振興課) ・障害者等雇用事業(産業福祉課)   63ページ ・市内在住の障害者の雇用の促進(障害福祉課) 多様な障害特性に応じた日中活動場所の整備 星,希望の家の運営(障害福祉課) 星,知的障害者,援護施設,そよかぜの運営(障害福祉課) 星,知的障害者,援護施設,スマイルの運営(障害福祉課) 星,デイセンターまなびやの運営(障害福祉課) 星,こころの健康支援センターの運営(自立訓練事業)(障害福祉課) 星,重度知的障害者通所施設への運営費補助(障害福祉課) ・身体障害者デイサービス事業の運営支援(障害福祉課) ・府中生活実習所送迎サービス,運営費補助(障害福祉課) ・障害者,じ,施設防犯対策整備費の補助(障害福祉課) ・アルコール依存症障害者等活動施設等運営費補助(障害福祉課) 星,障害福祉サービス事業所の開設費補助(障害福祉課) 星,障害福祉サービス事業所の運営費補助(障害福祉課) 福祉施設で働く障害者の工賃向上 ほし,作業所等経営ネットワーク支援(障害福祉課) ほし,障害者優先調達推進法への取組(障害福祉課) 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●就労に向けた相談事業として,2か所の就労支援センター間及び関係機関と連携強化しながら,就労や生活面の支援を実施し,ニーズの高い就労後の定着支援についても企業向けセミナー等を開催しました。 ●平成30年4月施行の障害者総合支援法の改正により,新たに創設されたサービス「就労定着支援」について,市が設置する「知的障害者,援護施設,すまいる分室」において平成30年7月より事業を開始し,一般就労へ移行した利用者の定着支援を行っています。 ●新たに事業所開設を希望する事業者への開設相談や,開設経費の補助による支援を行い,サービスの拡大を進めました。 ●市が設置し,重症心身障害者(一部医療的ケアを含む。)を対象とする「デイセンターまなびや」では,通所者の増加ペースが大きくなり,近く新たな利用者の受入れが難しくなることが想定されることから,令和6年度の開設を目途として,新たな重症心身障害者の通所施設の開設準備を進めています。   64ページ ●市が障害者通所施設に交付している運営費補助金について,利用者定員の区分に応じた補助基準額をもとに,別途市が定める指標に応じたポイントにより補助率を決定することとし,事業者の取組推進やサービスの質の向上を図っています。 ●調布市福祉作業所等連絡会は自主製品の販路拡大や共同受注事業を展開していくことによって,利用者の働く意欲の向上及び工賃の引き上げを図っており,運営費の補助を実施しています。 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害者就労支援事業,利用登録者数,※1、424人,481人,543人 市内日中活動系サービス事業所 事業所数,※2、45か所,46か所,46か所 定員数,※3、1,105人,1,128人,1,157人 市内就労継続支援B型事業所,平均工賃,16,264円,14,954円,15,636円 市における障害者就労施設等からの物品等の調達実績,合計金額,165,956,476円,161,892,832円,165,478,654円 ※1,※2,※3,年度末時点 今後の課題 ◆働く機会,相談の充実  障害者がより一層働ける社会を目指して,就労支援の充実が必要です。障害者雇用や就労を支援するサービスが拡大する一方で,就労支援機関同士の連携や,就労に向かう前の生活面や社会面のスキルの課題からの支援,離職後の再就職支援,就労中や通勤においても介助を要する重度障害者の就労支援など,より幅広い就労へ向けたニーズに対応できる体制の整備が課題です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・就労したいと考える障害者のかたたちがサービス(就労移行)を利用して目指す場合,2年という期間がネックとなるケースがある。生活上の課題から少しずつ訓練を重ねて就労の準備性を整えることを考えると,他サービス(生活訓練)と連結させたサービスの展開が望ましい。(委員意見) ・障害者雇用自体のハードルが高く設定されていると感じる。中間的就労の場等,新しい働き方が広がってほしい。(委員意見) ・重度訪問介護は就労していると使えない。市町村単位の地域生活支援事業の中で使ってもいいということになっていますが,調布市でもやってほしい。(委員意見)   65ページ ・就労定着支援事業所から就労支援センターへの引継ぎをガイドライン化する(引き継ぐ内容,時期など)等して,定着支援が終了する前に利用者,企業との関係を構築できることが望ましい。(事業進捗評価) ・若者向け労働相談は就労または就学していない若者を対象としているため,不登校や休学中では支援できないことが課題(事業進捗評価) ・希望する働き方では,身体障害(64歳以下),精神障害,難病で「正規の社員,職員,役員」が最も多く,知的障害でも「障害者施設(作業所など)」に次いで多い。(ニーズ調査) ◆障害特性に応じた日中活動場所の整備  地域で暮らす障害者の増加や今後の特別支援学校卒業生等の受入れを見据え,継続的に整備を進めて行くことが必要です。また,それぞれの障害特性や,高齢になった障害者などの多様な活動ニーズに応えられる体制が求められています。  特に手厚い支援体制が必要な重度知的障害者や医療的ケアを含む重症心身障害者については,既存施設での受入れが限界に達しつつあり,新たな施設の整備が課題です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・重症心身障害者施設の整備(委員意見) ・重度知的障害者の通所先の整備(委員意見) ・就労している(したい)障害者のかたで高齢化により以前までのパフォーマンスが発揮することが出来なくなり,就労継続が難しくなったり,再就職が難しく,B型の利用を薦めるケースが増えてきている。年齢にとらわれず,力を存分に発揮できる場の創出が望まれる。(委員意見) ・年齢を重ねると働きたくても再就職が難しくなる。衰えても活躍できる場が増えてほしい。(委員意見) ・福祉事業所が増えているが,しっかりと理念があることが重要(委員意見) ・重度知的障害者の通所施設として平成25年9月に開設された「希望の家深大寺」も,数年先には定員に達することが見込まれ,新たな重度知的障害者の通所施設の受入れ先,整備の検討が必要(事業進捗評価) ・ひきこもりで中間就労,福祉的就労につながれない人に対する課題(ヒアリング) ◆工賃向上への取組  作業所等経営ネットワークの取組などにより受注機会は拡大していますが,コロナ禍での受注作業の落ち込みもあり,今後も就労継続支援B型事業所などの障害者就労施設等で働く障害者の更なる工賃向上への取組が必要です。