77ページ 3,安心して住み続けられる地域の環境づくり 括弧1,障害理解と交流 市民全体に障害に関する理解を広げ,障害の有無に関わらず地域で交流しながら共生できる社会の実現に取り組みます。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <障害者差別解消の推進> ○「障害者差別解消法」の施行を踏まえ,障害者差別に関する相談,市民への普及啓発,市役所における職員研修など様々な取組を充実させ,障害者差別のない地域づくりを進めます。 <障害理解の促進と地域交流> ○「ヘルプカード」「ヘルプマーク」の普及啓発を始め,様々な障害に関する市民全体の理解を広げます。 ○市立施設の地域開放や,事業,イベント等を通じて,市民と施設利用者の交流と理解の推進を図ります。 ○調布市障害者地域自立支援協議会のワーキングにおいて,市民全体に障害理解を広げるための方策を当事者や関係機関とともに検討していきます。 現行計画事業 星,…主要事業 障害者差別解消の推進 ほし,障害者差別に関する相談(障害福祉課) ・市役所における研修,合理的配慮の推進(障害福祉課) ほし,障害者差別解消法の普及啓発(障害福祉課) ほし,障害者差別解消支援地域協議会(障害福祉課) 障害理解の促進と地域交流 星,ヘルプカード,ヘルプマークの普及啓発(障害福祉課) ・人権に関する教育,啓発の促進(市民相談課) ・市立障害者施設を活用した地域交流(障害福祉課)   78ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●東京2020大会の開催を契機として,共生社会の重要性をこれまで以上に発信していくため,市のキャッチフレーズとして「パラハートちょうふ,つなげよう,ひろげよう,共に生きるまち」を定め,ロゴを作成しました。より印象的にわかりやすく,一体感を持って展開していくために,取組を象徴するアートデザインを様々な刊行物や,ポスター,イベント等に用いて,効果的なPRを図りました。令和3年からは毎年12月3日から9日までの「障害者週間」を含む,12月の1カ月を「パラハート月間」と定め,普及啓発活動を行っています。 ●市の出前講座のメニューに障害者差別解消法の理解を設け,一般企業からの研修依頼に対応しました。 ●障害者差別解消支援協議会は年3回実施しています。障害者差別に関する相談対応事例を情報共有し,合理的な配慮の在り方について意見交換,検討を行いました。 ●家庭相談,心の相談の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。(市民相談課) 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害者差別に関する相談,相談件数,4件,3件,5件 ヘルプカード,ヘルプマークの普及啓発,ヘルプカード配布数,225件,343件,385件 <市民福祉ニーズ調査結果> 調査項目,令和元年度,令和4年度 障害者差別解消法の認知度(「内容を含めて知っている」と回答) 18歳以上,12.5%,11.6% 18歳未満,※1,35.7%,33.1% ヘルプカードの所持率(「もっていて,いつももち歩いている」と回答) 18歳以上,16.0%,14.2% 18歳未満,32.2%,11.5% ※1,保護者に尋ねたもの   79ページ ◆今後の課題 障害者差別解消のための普及啓発 障害者差別解消法の施行以降,差別の解消や合理的配慮の普及はまだ十分とは言えません。市民全体への普及啓発の継続や,障害者差別に関する相談窓口の充実などを通じて,合理的配慮の広がりと共生社会の充実へ継続的に取り組んでいくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害者差別に関する相談について,障害者団体からは相談窓口の明確化と周知の要望がある。(事業進捗評価) ・「ヘルプマーク」や「障害者差別解消法」などはポスター等の周知により普及してきているという実感はある。(ヒアリング) ◆地域全体への障害理解の推進と交流 誰もが暮らしやすい共生社会の充実のためには,市民の間に様々な障害への理解や,相互に助け合える意識が広がることが不可欠です。障害理解推進のための普及啓発にあたっては,当事者が参加し,自ら交流していくことを通じて,普段障害のある人と接する機会のない,市民に対しても積極的に発信していくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・当事者,地域住民,支援者の相互理解の促進(委員意見) ・障がいについては,まだその内容や配慮等々が広く知られていないために無理解,偏見などがあると思われる。障がい者の理解を促進し共生社会の実現のためにその障がい者の種類,接し方等を分かりやすくまとめて市民や関係機関向けに読本やDVDを作成する。(委員意見) ・自分の経験,体験を周りの人にも理解してもらいたい。(委員意見) ・障害理解が進めば,その支援を担ってくれる人たちも増えるのではないか。(委員意見) ・目立たない障害も多く,聞かなければわからない。(障害者も)自分から進んでしゃべって垣根を取り払い,悩みを共有し寄り添うことが重要(委員意見) ・障害者が出前講座で学校を回っているが,教育現場の学校の先生がこういうことをもっと知っていた方が子どもたちにも伝わるのではないかという話もあった。教育委員会との連携もあると「パラハートちょうふ」の実現が早まるのではないか。(委員意見) ・「ヘルプカード」も初回作成から10年が経過しており,カード内容の見直しの必要性について検討が必要(事業進捗評価) ・「ヘルプカード」も「アイファイル」と同様に,10年使ってみてどうたったかは検証することが必要(委員意見)   80ページ ・パラアート展は興味関心がある人だけしか来ないが,商業ビルなど,一般に生活しているなかで目に入ってくる機会があると良いと思う。駅の構内などでも良く,意図しない人たちにもアートをきっかけに障害理解が広がっていくと良い。(ヒアリング) ・以前と比べると障害のある人を身近に感じられるような機会は増えてきていると思うが,興味のない人には情報がいかない。そのような人に対して情報があると理解が進むのではないか。(ヒアリング) ・当事者による障害理解の促進,普及啓発を行うための人材育成や発信する場が必要(意見具申) ・障害理解を発信する新たな人材育成研修の実施(意見具申) ・障害種別に関わらず当事者が継続的に発信力をつけられる育成プログラムや仕組み作り(意見具申) ・当事者が障害理解について発信できる機会の確保(調布市内の企業や学校などとのヒアリング調査後,研修や地域交流の実施)(意見具申)