96ページ 第4章,次年度の検討へ向けて  これまでに整理してきた課題とともに,国においても障害者福祉施策等の見直しが進められています。  令和5年度末の次期計画策定へ向けて,今後,以下に掲げる内容も踏まえながら,調布市としてどのような取組を進めて行くべきか,引き続き検討していく必要があります。 1,障害者総合支援法等の一部改正  障害者総合支援法など8法の一括改正法が令和4年12月10日に成立し,一部を除き令和6年4月1日より施行される予定です。  改正法では,障害者等の地域生活や就労の支援の強化等により,障害者等の希望する生活を実現することが目的とされています。 括弧1、障害者等の地域生活の支援体制の充実(障害者総合支援法,精神保健福祉法) ○共同生活援助(グループホーム)の支援内容として,一人暮らし等を希望する者に対する支援や,退居後の相談等が含まれることを,法律上明確化する。 ○障害者が安心して地域生活を送れるよう,地域の相談支援の中核的役割を担う基幹相談支援センター,及び緊急時の対応や施設等からの地域移行の推進を担う地域生活支援拠点等の整備を市町村の努力義務とする。 ○都道府県及び市町村が実施する精神保健に関する相談支援について,精神障害者のほか,精神保健に課題を抱える者も対象にできるようにするとともに,これらの者の心身の状態に応じた適切な支援の包括的な確保を旨とすることを明確化する。 括弧2、障害者の多様な就労ニーズに対する支援及び障害者雇用の質の向上の推進(障害者総合支援法,障害者雇用促進法) ○就労アセスメント(就労系サービスの利用意向がある障害者との協同による,就労ニーズの把握や能力,適性の評価及び就労開始後の配慮事項等の整理)の手法を活用した「就労選択支援」を創設するとともに,ハローワークはこの支援を受けた者に対して,そのアセスメント結果を参考に職業指導等を実施する。   97ページ ○雇用義務の対象外である週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者,重度知的障害者及び精神障害者に対し,就労機会の拡大のため,実雇用率において算定できるようにする。 ○障害者の雇用しゃ数で評価する障害者雇用調整金等における支給方法を見直し,企業が実施する職場定着等の取組に対する助成措置を強化する。 括弧3,精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備(精神保健福祉法) ○家族等が同意,不同意の意思表示を行わない場合にも,市町村長の同意により,医療保護入院を行うことを可能とする等,適切に医療を提供できるようにするほか,医療保護入院の入院期間を定め,入院中の医療保護入院者について,一定期間ごとに入院の要件の確認を行う。 ○市町村長同意による医療保護入院者を中心に,本人の希望のもと,入院者の体験や気持ちを丁寧に聴くとともに,必要な情報提供を行う「入院者訪問支援事業」を創設する。また,医療保護入院者等に対して行う告知の内容に,入院措置を採る理由を追加する。 ○虐待防止のための取組を推進するため,精神科病院において,従事者等への研修,普及啓発等を行うこととする。また,従事者による虐待を発見した場合に都道府県等に通報する仕組みを整備する。 括弧4, 難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する,適切な医療の充実,及び療養,生活支援の強化(難病法,児童福祉法) ○難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する医療費助成について,助成開始の時期を,申請日から重症化したと診断された日に前倒しする。 ○各種療養生活支援の円滑な利用及びデータ登録の促進を図るため,「登録者証」の発行を行うほか,難病相談支援センターと福祉,就労に関する支援を行う者の連携を推進するなど,難病患者の療養生活支援や,小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を強化する。