24ページ 括弧2,健康づくり・医療的な支援  障害のあるかたの健康維持や生活習慣病等の疾病の予防とともに,地域において適切な医療を受けられる体制を整備します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <健康づくりの支援の充実> ○障害者の高齢化が進んでいる中で,生活習慣病などの予防や早期発見・早期治療のため,各種健康講座の実施や健康診査などにおける障害者の利用促進などを通じて,障害のあるかたの健康増進を図ります。 ○精神保健や発達障害,高次脳機能障害などの普及啓発を通じて,障害に対する理解とともに障害の早期発見や適切な対応につなげます。 ○食事,入浴など,健康な在宅生活の継続に必要なサービスの充実を図ります。 <地域医療の充実と連携促進> ○ちょうふ在宅医療相談室との連携により,重度の障害のあるかた,高齢の障害者などを含め,誰もが適切な在宅医療を受けられる体制づくりを進めます。 ○障害者相談支援事業所,相談支援専門員を中心とした各種相談機関と地域の医療機関,訪問看護ステーションなどとの連携充実に努めます。 現行計画事業 星,主要事業 健康づくりの支援の充実 星,地域健康相談の推進・健康教育の推進(健康推進課) 星,健診・検診の実施(健康推進課) ・訪問指導の推進(健康推進課) 星,精神保健福祉に関する普及啓発(障害福祉課) ・訪問入浴サービス事業(障害福祉課) ・障害者配食サービス事業(障害福祉課) 地域医療の充実と連携促進 ・地域医療の実施(健康推進課) ・ちょうふ在宅医療相談室との連携(高齢福祉担当)   25ページ 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●各種健診・検診について,感染対策を図りながら集団検診は予約制で実施しました。個別検診は,各医療機関で感染対策を図りながら実施しました。(健康推進課) ●こころの健康支援センターでは,疾患理解や障害者雇用等をテーマとした講演会やセミナーを開催し,参加者は年々増加しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響により,講演会等で可能なものはオンラインによる開催に変更しましたが,一部オンラインが難しいものは中止となりました。 ●障害者配食サービス事業は,コロナ禍による外出制限もあり,令和2年度は配食需要が高まりました。お弁当を届けるだけでなく,安否確認も行っているので,障害者の見守りにもつながっています。 ●障害者歯科診療は新型コロナ感染防止対策として,予約人数を制限して実施し,夜間・休日救急体制は年末年始の夜間急患診療を保健センター1階で実施しました。(健康推進課) ●ちょうふ在宅医療相談室との連携として,令和2年度にちょうふ在宅医療ガイドブックを改定しました。ちょうふ在宅ネット(MCS)により,新型コロナ関連情報や研修会を実施しました。また,市民啓発部会でACP(アドバンス・ケア・プランニング)養成講座のマニュアルを,職種連携・情報共有部会で,入退院時連携の手引きを作成中です。(高齢者支援室) 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 健診・検診の実施(個別通知による胃がん検診) 受診率 20%,10.4%,10.9% 地域医療の実施(障害者歯科診療) 受診者数 649人,311人,486人 ちょうふ在宅医療相談室との連携 相談件数 121件,113件,102件   26ページ 今後の課題 ◆生涯を通じた健康づくりの支援  生涯を通じて健康を維持していくためには,疾病にかかり治療が必要になってからではなく,普段の日常生活から,かかりつけ医,かかりつけ歯科医を持ち,医療について相談しやすい環境や,検診・健診等を通じて予防・健康維持につなげていくことができる体制を,ライフステージを通じて構築していくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・大人になってから,検査等せざるを得ない状況を迎えてから大変な思いをするのではなく,子どものときから練習を重ねて,受け入れてくれるような機関や場があると,健康管理が実現されるのではないか。(委員意見) ・知的障害や自閉症などのため,歯の痛みを訴えられない人,身体の不自由や緊張から診療姿勢が困難な人を,より計画的に地域でケアすることが重要(委員意見) ・ライフステージに合わせて定期的に健診していくことが大切。歯科健診では口腔内から生活がわかって,虐待が発見される場合もある。(委員意見) ・知的・精神障害者も医療機関にとっては受け入れにくいポイントがいくつかある。そういったことを医療機関任せでなく,行政がどのようにバックアップしていくかが大事(委員意見) ・コロナ禍で対面式や集客しての健康相談,講演会等の実施が難しい場合の代替方法の検討が必要(事業進捗評価) ◆医療を受けやすい体制づくり  障害特性に応じた専門診療だけでなく,地域生活においては内科,歯科など多様な医療ニーズがありますが,障害児・しゃにとってはアクセスが限られている現状があります。  そのために,福祉と医療の連携を進め,地域の医療機関における障害児・しゃの受入れの障壁となっているものを取り除き,より多くの医療機関を障害児・しゃ,が受診しやすい環境を充実させていくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・調布市こじまちょう障害者歯科診療所の有効活用、医療的ケア児,障害者の口腔の健康を維持するための,かかりつけ歯科医としての活動の推進(委員意見) ・ちょうふ在宅医療相談室は高齢者支援の話が中心となっており,縦割りの解消が必要(委員意見)   27ページ ・ちょうふ在宅医療相談室では,多問題を抱えるかたの相談が多くなり,1ケースにかかる時間,回数は増加傾向にあり,精神科や専門性の高い医療処置や問題家族など,マッチングが必要なケースが増加し,多職種連携が求められている。(事業進捗評価) ・本人のACPにおける意思決定支援のほか,本人を支える家族,介護者も含めた意思決定の支援が必要(事業進捗評価) ・子どもの医療機関(歯科を含む)の受診で困ることを尋ねる質問では,「特にない」(40.8%)を除くと「医療費や交通費の負担が大きい」(16.2%),「専門的な治療やリハビリを行う医療機関が身近にない」(15.4%),「かかりつけ歯科医がない」(10.8%)と続いている。(ニーズ調査)