33ページ 括弧5,権利の擁護  障害児・しゃの虐待防止や成年後見制度の利用などによる基本的人権の擁護を推進します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <虐待防止体制の推進> ○「障害者虐待防止センター」(障害福祉課)が中心となって,虐待に関する相談,調査や予防のための体制整備を行い,対象者に応じて児童福祉や高齢者福祉とも連携しながら,障害児・しゃ,虐待の防止に取り組みます。 <成年後見制度の利用促進> ○平成28年5月に施行された「成年後見制度の利用の促進に関する法律」も踏まえ,多摩南部成年後見センターでの取組を始め,必要なかたに制度の利用が行き届く体制づくりの検討を進めていきます。 <人権擁護体制の推進> ○人権に関する相談事業を通じて,市民全体への人権の保護や理解啓発に取り組みます。 現行計画事業 星,主要事業 虐待防止体制の推進 ほし,障害者虐待防止センター(障害福祉課) ・児童虐待防止センター事業(子ども政策課) ・高齢者虐待防止対策の推進(高齢福祉担当) 成年後見制度の利用促進 星,多摩南部成年後見センターの運営(福祉総務課) ・利用者サポート事業の実施(福祉総務課) 星,成年後見制度の利用支援(障害福祉課) 人権擁護体制の推進 ・人権に関する相談事業の推進(市民相談課) ・オンブズマン事業(市民相談課)   34ページ 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●障害福祉課における出前講座メニューに,障害者虐待防止法についての講座を新たに追加し,通所事業所への研修に講師として出向き,障害者虐待予防の普及啓発を図っています。 ●すこやか虐待ホットラインをはじめとする電話相談やメール相談のほか,令和3年度からオンラインによる相談も開始し,子育てに困難を抱える家庭の早期発見,支援に努めました。児童虐待や養育困難家庭は,年々増加していることから,令和3年度から児童虐待防止センター事業を直営化し,体制を強化して対応しています。(子ども政策課) ●「みまもっと」を通じ,見守り体制を強化するとともに,地域包括支援センターと協力して,居宅介護支援事業所等向けに,虐待防止のための研修を実施し,ケアマネジャー支援を実施しています。(高齢者支援室) ●令和元年度に策定した「調布市,日野市,狛江市,多摩市,稲城市成年後見制度,利用促進基本計画」を踏まえ,令和2年度には「調布市,日野市,狛江市,多摩市,稲城市成年後見制度,利用促進基本計画,調布市の取組」を策定しました。また,社会貢献型後見人の養成のため,多摩南部成年後見センターによる基礎講習及び実務研修などに取り組んでいます。(福祉総務課) ●成年後見制度の内容を紹介した市民向けパンフレットを新たに作成し,市民からの相談対応や制度の案内時に活用しました。(福祉総務課) ●人権身の上相談は新型コロナウイルスの影響に伴い,令和2年度は年度を通して休止,令和3年度は,令和3年4月25日から同年9月30日まで,及び令和4年1月21日から同年3月21日まで休止しました。(市民相談課) 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害者虐待防止センター 相談・通報・届出件数 10件,3件,12件 多摩南部成年後見センターの運営 利用者数 27人,32人,28人 利用者サポート事業の実施 延べ相談件数 197件,233件,288件   35ページ 今後の課題 ◆障害者虐待の防止  障害児・しゃを虐待から守るため,障害者虐待防止センター(障害福祉課)を中心として,虐待の相談・通報を受ける体制の充実,相談窓口の更なる周知とともに,研修等を通じて事業者における虐待防止体制の充実も支援していくことが必要です。  対応にあたっては,家族全体を支える視点から,高齢,子ども分野などの関係機関とも,連携した取組が必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・性的虐待を未然に防ぐために,思春期から青年期の障害児・しゃのための性教育・本人学習の場や,相談を受け,適切な対応をアドバイスする窓口,福祉事業所同士で学びあえる場の設定など,何らかの枠組みが必要ではないか。(委員意見) ・支援が必要な家庭における課題は,多様かつ複雑化していることから,対応にあたるケースワーカーの専門知識及び技術の向上のほか,関係各部署との連携を強化することが必要(事業進捗評価) ・相談件数の増加に加え,児童虐待対応における基礎自治体の役割が増えていることから,相談体制の強化が必要(事業進捗評価) ◆成年後見制度の利用促進  「親亡き後」への不安を含め,地域で安心して生活し続けていくために,成年後見などの判断能力が不十分な人を,支援するサービスのニーズは高くなっています。それぞれの障害特性やニーズに応えられるよう,相談体制や担い手の育成,確保などに取り組み,制度を利用しやすい環境を整えていくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・成年後見制度の利用について,高齢者にとってではなく,障害者にとって使いやすい制度にしてほしい。専門職が後見人になるのではなく,自治体等の法人が後見人になる法人後見等の利用が,あってほしい姿と思う。(委員意見) ・法人後見の新規受付件数がコロナ禍において前年度を下回る状況が続いている。(事業進捗評価)   36ページ 括弧6,障害福祉サービスによる生活支援  様々な障害福祉サービスにより,障害児・しゃと家族が安心して地域で生活できる体制を整備します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <ショートステイ・一時預かりの充実> ○介護者が病気になったときなどの緊急時の対応やレスパイトの機会を確保するため,市の独自事業による各種ショートステイ・一時預かり事業を継続し,充実を図ります。 <コミュニケーション支援の充実> ○手話通訳者の養成・確保とともに,研修等による通訳者のスキルアップを図り,より聴覚障害者が利用しやすい環境を整備します。 <障害状況に応じた補装具・日常生活用具> ○障害児・しゃ一人ひとりの障害特性や生活環境等に応じて丁寧に相談に応じるとともに,適切に支給決定を行っていきます。 <サービスの質の向上> ○東京都から一部移譲される予定である,障害者総合支援法,児童福祉法に基づくサービス提供事業所に対する指導検査の実施や第三者評価受審の推進により,利用者に,より良いサービスが提供される体制を確保します 現行計画事業 星,主要事業 ショートステイ・一時預かりの充実 星,在宅障害者ショートステイ事業(障害福祉課) 星,在宅障害者(児)委託型緊急一時保護事業(障害福祉課) ほし,障害児緊急一時養護事業・リフレッシュ支援事業(子ども発達センター) ・重度脳性まひ者介護事業(障害福祉課)   37ページ コミュニケーション支援の充実 星,聴覚障害者等コミュニケーション支援事業(障害福祉課) ・手話通訳者の配置(障害福祉課) 障害状況に応じた補装具・日常生活用具 ・補装具費の支給(障害福祉課) ・中等度難聴児補聴器購入費助成事業(障害福祉課) ・日常生活用具費支給事業(障害福祉課) サービスの質の向上 星,障害福祉サービス事業所等に対する指導検査(障害福祉課) ・第三者評価受審費の補助(障害福祉課) 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●在宅障害者(児)委託型,緊急一時保護事業について令和2年度はコロナ感染拡大を受け,一時中止や利用申し込みの減少から実績日数が減っていますが,令和3年度は令和元年度程度まで戻っています。 ●リフレッシュ支援事業については,令和2年10月から休日や夜間の利用も可能にする等,制度を変更し,利用者数が増えています。(子ども発達センター) ●手話通訳者及び要約筆記者を派遣することにより,聴覚障害者等のコミュニケーションを支援し,自立と社会参加の促進を図っています。ニーズは高く,要約筆記の派遣数も増えています。 ●日常生活用具費支給事業は市民からの要望,近隣自治体の対応を見ながら,日常生活用具の種目の追加,対象要件の変更などの改正を行いました。 ●障害福祉サービス事業所等の指導検査については,報酬改定等に伴う説明を含めた事業所への集団指導や,令和3年度には請求事務等に関する研修を新たに調布市福祉人材育成センターにおいて実施し,給付費算定の適正化及び効率化を図りました。 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 在宅障害者ショートステイ事業 利用人数 1,953人,1,265人,1,710人 緊急一時養護事業 利用件数 133件,65件,51件 リフレッシュ支援事業 利用件数 62件,77件,120件 聴覚障害者等コミュニケーション支援事業(手話通訳者) 派遣回数 634回,590回,639回 日常生活用具費支給事業 支給件数 3,936件,4,651件,4,378件   38ページ 今後の課題 ◆ショートステイ・一時預かりの充実  コロナ禍においてショートステイや一時預かりの利用は大きく制限を受け,利用が低迷しましたが,一方で介護者の休息(レスパイト)機会の減少が課題となっています。長期的には既存の受入れ先も,利用希望の増加等により利用しづらい状況があり,重度知的障害者,医療的ケアを含む重症心身障害者,障害児などが利用できる施設の確保が必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・在宅障害者ショートステイ事業について,重度の知的障害者が利用できる,短期入所施設がほかになく,利用希望者がすべて希望どおりに利用できていない。(事業進捗評価) ・在宅障害者(児)委託型,緊急一時保護事業について利用のニーズは高いものの,施設側の要件が厳しくなり,受け入れの枠が減り,利用しづらくなっています。障害児の預けられる場が少ないことが課題(事業進捗評価) ・緊急一時養護事業・リフレッシュ支援事業では,利用者数の増加に伴い,基礎疾患やアレルギーの利用者も増えていることから,預かりにあたり,特別な対応が必要となっている。また,夜間や休日の利用が増えており,平日・休日問わず,安全に事業運営ができるよう,運営体制の整備が必要(事業進捗評価) ◆コミュニケーション支援の充実  より多くの市民が手話に触れ,聴覚障害のあるかたが日常の様々な場面で,手話を通じたコミュニケーションや情報保障が確保されるよう,取組を進めて行くことが必要です。  あわせて,手話の他にも障害特性に応じた様々な方法による意思疎通支援の確保も課題です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・聴覚障害者等コミュニケーション支援事業について利用者からは,継続的な活動(資格取得やカルチャースクール等)にも,通訳派遣ができるようにしてほしいと要望があります。また高齢の聴覚障害者の派遣も多く,医療や生活面に及ぶ相談が増えており,計画相談や関係機関との密な連携が必要な場面が増えています。(事業進捗評価) ・意思疎通支援事業の中に個人給付として代読,代筆の制度をいれてほしい。(委員意見)   39ページ ◆障害特性に応じた補装具・日常生活用具  障害特性による生活のしづらさを補う補装具,日常生活用具については,時代の変化や技術の進歩により生じる新たな用具やニーズに常に対応していくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・時代とともに機器も変化しており,日常生活用具の支給対象の見直しが必要(委員意見) ◆ヘルパー利用環境の改善  障害者の地域生活を支えるサービスであるホームヘルパーについて,人材の不足や事業所不足等により,円滑な利用につながらないことが課題となっています。ヘルパーの育成・確保や事業所との相互理解,連携の推進により,利用しやすい環境を整えていくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害福祉サービス(訪問系,通所施設等)の拡充(委員意見) ・ヘルパーが障害や症状を理解し,配慮しつつ,そのままの自分を肯定的に認めてもらえると,不安定になった時でも早く回復できる。(委員意見) ・障害福祉サービスの円滑な導入のための仕組みづくりが必要(意見具申) ・居宅介護事業所と,市内の相談支援事業所が事例検討会を一緒に行い,困難事例について共有する。(意見具申) ・居宅介護事業所を対象として障害理解を促進するための研修を実施する。(意見具申)   40ページ 括弧6の2,福祉人材の育成・確保  各種障害福祉サービスに従事する有資格者などの福祉人材の育成と確保により,サービスの拡大と質の向上を推進します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) ○「調布市福祉人材育成センター」での取組を,一層充実させ,市民全体からの人材の掘り起こしを含め,障害福祉サービスに従事する資格者の育成・確保を図ります。 ○「調布市福祉人材育成センター」において,現に障害福祉サービス等に従事しているかたの専門性向上やネットワーク構築を推進し,福祉人材の定着と質の向上を図ります。 ○聴覚障害者のコミュニケーション支援を担う手話通訳者の育成について,当事者の意見を踏まえつつ質の向上を図ります。 現行計画事業 星,主要事業 福祉人材の育成・確保 星,福祉人材育成センター(障害福祉課) 星,手話講習会事業(障害福祉課) ・スーパーバイザー相談(支援者向け) 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●福祉人材育成センターでは,コロナ禍を踏まえ,専門研修や講演会等を中心に,オンライン開催への切替えを進め,受講者が増加しました。受講機会を柔軟に確保できると,受講者からも今後も継続の要望がある状況です。市独自で通所事業所に交付している補助金の補助要件に研修受講を組み込んだことも,専門研修受講者の増加につながっています。 ●福祉人材育成センターでは令和4年度より,新たに創設された都補助金を活用して,医療的ケアに関する有資格者向けの技術向上研修を開始しました。 ●手話講習会では,コロナ禍により一部の講座が中止となったり,オンラインによる実施に変更したりしています。   41ページ 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 福祉人材育成センター 研修受講者数 597人,575人,1,573人 手話講習会事業 修了者数 102人,7人,53人 今後の課題 ◆福祉人材の育成・確保  障害児・しゃと家族の地域生活を支える障害福祉サービスを一層充実させていくため,サービス提供の現場で支援を担う福祉人材の育成・確保が課題です。人材の掘り起こし,新たな資格者の養成による量的拡大と,強度行動障害,医療的ケアなどを含めた支援への専門性の向上による,サービスの質の向上を進めて行くことが必要です。  あわせて,事業所を超えた人材同士のネットワークやサポート体制による,離職防止や定着を進めることも課題です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・ヘルパー養成講座は高齢者に対するプログラムばかりとなっており,障害児の接し方について触れる機会がない。(委員意見) ・現場のヘルパーなど最前線で頑張っているかたたちの,社会的地位の向上や賃金体系といったところにも,メス,を入れていかないと,素晴らしい制度があってもやる人がいないという話になっている。(委員意見) ・福祉人材育成センター事業での資格研修受講者を,その後の就労へ繋げていくことが課題。専門研修においては,オンライン開催が多くなったことで参加者同士の交流機会の確保が課題(事業進捗評価) ・手話講習会事業では,講師や世話人の担い手不足が生じています。今後の人材確保のため,開催曜日や時間帯,要件等の見直しを検討することが必要(事業進捗評価) ・福祉の人材確保,施設の運営サポートをどのようにしていくかが課題(委員意見) ・居宅介護,通院等介助ができるヘルパーが少なくなってきている。(委員意見) ・ヘルパーを利用できる時間をもっと多くしてほしい。(委員意見) ・支援現場において事業所を跨いだ人材育成の機会をつくる。(意見具申)   42ページ 括弧6の3,医療的ケアが必要なかたへの支援  医療的ケアが必要なかたの地域生活に必要なサービス,社会資源の整備を推進します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) ○医療的ケアの必要な障害児・しゃと家族が安心して地域で生活できるよう,相談支援,家族のレスパイト,日中活動,ショートステイなどの各種サービスや相談体制を整備します。 ○デイセンターまなびや,子ども発達センターなど,市が運営する障害福祉サービス事業における医療的ケアへの対応体制の整備を推進します。 ○調布市障害者地域自立支援協議会のワーキングにおいて,医療的ケアが必要な障害児・しゃの地域生活に必要なサービス等について,当事者や関係機関とともに検討し,随時事業化を図っていきます。 現行計画事業 星,主要事業 医療的ケアが必要なかたへの支援 ほし,障害児(者)医療的ケア体制支援事業(障害福祉課) 星,重症心身障害児(者),在宅レスパイト事業(障害福祉課) 星,子ども発達センターにおける医療的ケア対応(子ども発達センター) 星,デイセンターまなびやにおける医療的ケア対応(障害福祉課) 星,調布基地跡地福祉施設,(仮称),整備への参画(障害福祉課) (・在宅障害者(児)委託型,緊急一時保護事業) (・身体障害者,デイサービス事業の運営支援) 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●平成30年度から基幹相談支援センター(障害福祉課)に医療的ケアコーディネーター(看護職)を配置し,医療的ケアの必要なかたの相談に対応しています。 ●令和2年度から,「医療的ケア児支援関係機関連絡会」として市内の関係機関を集め,医療的ケア児に対する情報の共有,体制支援の構築に向け,話し合いを行う場を設置しています。   43ページ ●重症心身障害児(者)在宅レスパイト等事業では,令和4年度から就労を理由とする利用を,可能としました。新型コロナウイルスの影響が限定的になってきたことから,利用者の登録,件数ともに延びています。 ●子ども発達センター通園事業においては,指導医の指示書をもとに,対象児に対し,看護師が医療的ケアを実施する体制を整備しています。また,令和2年度途中から,看護師に加えて,特定の利用者に対する指定の研修(第三号研修)を修了した福祉職も加わり,医療的ケアを実施しています。(子ども発達センター) ●デイセンターまなびやにおいて,令和3年度から呼吸状態が不安定なかたのバス送迎には看護師添乗による送迎を実施しています。 ●調布基地跡地福祉施設,(仮称),整備については令和3年4月の開設を目指していましたが事業者公募が不調となった影響で,令和4年6月に基本プランを改定し,令和7年度の事業開始を目指しています。 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害児(者)医療的ケア体制支援事業(コーディネーター配置) 相談,じつ人数 31人,37人,42人 子ども発達センターにおける医療的ケア対応(通園事業) 利用者実数 0人,1人,2人 市内放課後等デイサービス事業所(重症心身障害児対象) 事業所数,※1 1か所,1か所,2か所 定員数,※2 5人,5人,10人 ※1,※2,年度末時点 今後の課題 ◆相談窓口の一本化と支援機関同士の連携促進  日常生活の様々な場面で手厚い支援を必要とする医療的ケア児・しゃは,医療,福祉,教育など関わる支援機関も多岐にわたるため,相談窓口が複数に分かれており,保護者の負担となっています。それらを一体としてコーディネートできる役割が必要です。就学等のライフステージを通じた,相談窓口の一本化や相互の連携が求められています。   44ページ (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・医療的ケアなどがある場合は,何度もメインの支援機関が変わってしまうことの,家族の負担は相当大きい。(委員意見) ・相談窓口が複数に分かれているため,保護者自身が各関係機関に相談しコーディネートしなくてはいけない。(ヒアリング) ・保護者自身がコーディネートする選択肢はあってもいいと思うが,そこを専門的知識を持った公的なかたが,サポートする体制が必要(ヒアリング) ◆医療的ケアに対応できるサービス・施設の拡大  地域で生活する医療的ケア児・しゃの増加に伴い,医療的ケアに対応するサービスも拡大していますが,十分ではない現状があります。ヘルパー,通所施設,ショートステイ,医療など,様々なサービス分野において,医療的ケアに対応できる人員,設備などの充実を一層進めて行くことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・医療的ケア児が利用できる施設が少なく,希望のサービスを受けることができない現状がある。また,医療的ケアに対する知識を持って関われる職員が少なく,利用者から不安の声がある。(事業進捗評価) ・通園事業において,使用する設備の配備状況や職員体制を踏まえて,安全に医療的ケアが必要な子どもを受け入れることができる人数の設定を検討する必要がある。(事業進捗評価) ・近年の医療技術の進歩や在宅医療の普及を背景に,医療的ケアを必要とする利用者が年々増加し,内容についてもより高度化,複雑化している。(事業進捗評価) ・医療的ケアへの人員,質,施設等の体制整備(ヒアリング) ・(通所施設,在宅レスパイト事業で),急な体調不良でのキャンセルがあっても市からの費用支援があると良い。(ヒアリング) ・在宅診療する医療機関の少なさ(ヒアリング) ・医療的ケア児の受入れは増えたが,呼吸器使用時の受け入れ可能な場所は少ない。(ヒアリング) ・医療的ケア児は医療機関とのかかわりは大きいが,歯科との関わりがうまくできていない。整形外科と関わりがないなど,気付かない医療科がある。(ヒアリング) ・難病でない場合,市の補助金の制度が整備されていないため,発電機や蓄電池など非常電源の確保ができない。(ヒアリング)   45ページ 2,ライフステージに応じた生涯にわたる切れ目のない支援 括弧1,発達相談・早期療育のための支援  障害や発達の遅れ,かたよりについての相談を受け,早期に適切な療育につなげます。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <発達相談体制の充実> ○各種健康診査,保護者からの相談,保育施設,子ども家庭支援センターすこやか等,関係機関との連携などから,子どもの発達の遅れやかたよりを早期に把握し,子ども発達センターなどの療育機関へつなげるとともに,保護者への動機づけや不安解消に丁寧に対応していきます。 ○「アイファイル」の活用をさらに推進し,子どもに対する一貫した切れ目のない支援を図ります。 <早期療育体制の充実> ○子ども発達センターの機能強化を図り,医療的ケアが必要な障害児への対応等,幅広く児童に対して障害や発達の特性に応じた療育を提供できる体制を整備します。 現行計画事業 星,主要事業 発達相談体制の充実 星,子どもの発達相談(子ども発達センター) 星,乳幼児健康診査(健康推進課) 星,乳幼児経過観察健康診査,発達健康診査,精密健康診査(健康推進課) ・母子保健相談(子どもの相談室)(健康推進課) 星,アイファイルの活用推進(子ども発達センター) 早期療育体制の充実 ほし,障害児通園事業(子ども発達センター) 星,発達支援事業(子ども発達センター) ・保育所等訪問支援事業(子ども発達センター) 星,子ども発達センターの,児童発達支援センターへの移行(子ども発達センター)   46ページ 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●子ども発達センターでは,令和元年10月から試行実施していた土曜日の初回相談を,令和2年10月から本格実施しました。障害児相談支援事業については,利用者数・実施件数が増加しました。(子ども発達センター) ●市民向けに例年,対面で行っていた「就学に関する説明会」について,コロナ禍の影響で,令和2年度・3年度は,配信でおこなったことなどにより,直接アイファイルを配布する機会が減りました。(子ども発達センター) ●子ども発達センターは,令和2年10月から通園事業で給食提供を開始したことで,設置基準を満たし,児童発達支援センターへ移行しました。また,地域の中核として,令和2年度から試行実施した巡回支援事業を令和3年度から本格実施するなど,地域支援の充実を図りました。(子ども発達センター) ●居宅訪問型児童発達支援事業については,令和3年2月に事業所として指定を受けましたが,まだ利用契約には至っていません。(子ども発達センター) ●令和4年11月から,子どもの発達相談に関する総合案内窓口として,新たに子ども発達センターに発達相談コーディネーターを配置し,保護者が抱えている子どもに関する心配ごとを整理し,必要な情報の提供や適切な支援機関の紹介に取り組んでいます。(子ども発達センター) ●聴覚障害は,早期に発見することで,音声言語発達等への影響が最小限に抑えられることから,令和元年度から全ての新生児を対象に聴覚検査を行い,その費用を助成するとともに,精密検査が必要となった場合は,受診票を交付し,早期に専門の療育機関につなげています。(健康推進課) ●乳幼児健康健診診査について新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて,集団健診と個別健診を選択制で実施するなど,安心して受診できる体制を取りましたが,健診受診率は低下しました。   47ページ 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 子どもの発達相談 延べ支援件数 2,056件,1,935件,2,060件 乳幼児健康診査(3歳児健診) 受診率 92.2%,91.5%,82.0% 新生児聴覚検査 実施者数 1,724件,1,737件,1,692件 アイファイルの活用推進 配布数 109件,43件,48件 障害児通園事業 在籍児数,※1 39人,39人,39人 発達支援事業 利用じつ人数 738人,688人,636人 ※1,3月31日時点 <市民福祉ニーズ調査結果> 調査項目 令和元年度,令和4年度 アイファイルの使用率(「知っていて,使っている」と回答) 18歳未満 43.5%,52.3% 今後の課題 ◆発達相談体制の充実  子どもの発達の遅れや偏りの発見から適切な療育まで,保護者の不安解消とともに,スムーズにつなげることのできる発達相談体制の充実が必要です。  子どもの成長や,就学などライフステージの変化によらず,分野を超えて切れ目なく,支援をコーディネートできる役割が求められています。  保護者と支援機関をスムーズにつなぐツールの一つとしての「アイファイル」についても,期間の経過により内容の検証や見直しが必要な時期となっています。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・子ども発達センターにつないでも,相談を受けられるのは,3,4か月先と言われ,そこで保護者の気持ちが折れてしまうケースがある。どうせ就学で切れてしまうのでと行かない人もいる。(ヒアリング,委員意見) ・単に手渡す,引き継ぐのではなく,同じ人(又は相談窓口)が,その親子の担当として,幼児期から学齢期,成人まで伴走してくれるようなシステムがほしい。(委員意見) ・アイファイルの改訂にあたっては,10年間使ってきた人たちに,どうだったか,もっとこうだったらということがあるか調査することも必要(委員意見)   48ページ ・アイファイルの配布を始めて10年以上の年月が経過し,子どもや保護者を取り巻く環境も変化していることから,より活用しやすいものになるよう,内容の見直しを行うほか,周知活動に取り組むことが必要(事業進捗評価) ・子ども発達センターにおける初回面接の待機期間が長くなっている。保護者が相談しやすくなるよう,事業の運営方法や内容を見直す必要がある。(事業進捗評価) ・新型コロナウイルスの感染リスクから妊産婦・新生児訪問指導を希望されず,状況把握が遅れることがある。(事業進捗評価) ・飛び地のようなつなぎ方ではなく,(就学など)支援の区切りで毎回頼れる場所,トータルサポートとして1本筋のとおったシステムがあってほしいと思う。(ヒアリング) ・障害福祉サービスを受けていないようなケースでも,障害のある子として市内で把握できるような仕組みがあると良い。(ヒアリング) ◆子ども発達センターを中心とした療育体制の充実  「児童発達支援センター」としての子ども発達センターを中心として,地域全体での療育体制を充実させていくことが必要です。  センターの相談事業,通園事業,発達支援事業,保育所等訪問支援事業,居宅訪問型児童発達支援事業,地域支援,関係機関との協議の場など,様々な事業を組み合わせ,地域の障害児支援における中核的な役割を果たす機関として,機能の充実や多様な療育ニーズへの対応を図っていくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・土曜日に療育を受けられるような仕組み(委員意見) ・児童福祉法が令和6年に改正され,肢体不自由児を対象とした「医療型児童発達支援センター」と,現在子ども発達センターが位置付けられている「福祉型児童発達支援センター」が一元化されることから,情報収集に努め,一元化に向けた対応を整理することが必要(事業進捗評価) ・療育を必要とする障害児等が早期に必要な支援を受けられるよう,事業の運営方法や内容を見直すとともに,地域支援を充実させる必要がある。(事業進捗評価) ・療育センターに通っている子と比較して,市内保育園に主に通園し加配がついている子は,装具や車いす等の情報提供が十分でないように感じる。(ヒアリング)   49ページ 括弧2,子育て施策における支援 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <子育て相談体制の充実> ○保健センター,教育部門,福祉部門との連携のもと,子ども家庭支援センターすこやかを中心に,子育てや家庭の総合的な相談支援体制の充実を図ります。 <保育園・幼稚園での支援体制の充実> ○子ども発達センターの巡回指導や相談支援と連携しながら,一人ひとりの子どもがより良い環境で育つことができるよう支援します。 <子育て支援サービスの充実> ○引き続き,「子どもショートステイ」「トワイライトステイ」「すこやか保育」など,子ども全般を対象とした子育て支援サービスにおいて,障害のある児童も利用できるよう可能な範囲で対応します。 現行計画事業 星,主要事業 子育て相談体制の充実 星,総合相談と子育て支援ネットワーク事業(子ども政策課) ほし,利用者支援事業(基本型)(子ども政策課) ・妊産婦・新生児訪問指導(健康推進課) ・親子のメンタルケア相談(健康推進課) ・母親学級・両親学級・わくわく育児教室(健康推進課) ・出産子育て応援事業(健康推進課) ・乳幼児交流事業(子ども政策課) ・子育て講座事業(子ども政策課) ・子育てひろば事業(子ども政策課) 保育園・幼稚園での支援体制の充実 ほし,保育園(公立・私立)での障害児の受入れ(保育課) ・認証保育所での障害児の受入れ(保育課) ・幼稚園の障害児の受入れ(保育課)   50ページ 子育て支援サービスの充実 ・子どもショートステイ事業(子ども政策課) ・トワイライトステイ事業(子ども政策課) ・すこやか保育事業(子ども政策課) ・産前・産後支援ヘルパー事業(子ども政策課) ・ファミリー・サポート・センター事業(子ども政策課) 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●子ども家庭支援センターすこやかでは,令和3年度から直営化した児童虐待防止センターとも,密に情報を共有し,庁内外の関係機関とも連携を図りながら,利用者へ支援を行っています。令和3年度からはオンライン相談も開始し,利用しやすい体制を作っています。(子ども政策課) ●母親学級・両親学級は,教室の内容を一部動画にしてホームページじょうに公開するとともに,外出に不安を感じるかたへの対応として,オンラインによるゆりかご調布事業や子育てに関する相談事業を開始し,不安や悩みに寄り添いながら丁寧に対応しました。また,令和5年2月からマイナポータルを利用した電子申請「ぴったりサービス」による妊娠届出を開始しました。(健康推進課) ●産後ケア事業は令和2年12月からショートステイ型を追加し,令和4年度からアウトリーチ(訪問)がたを開始し,対象者を1歳未満までと対象範囲を拡大しています。(健康推進課) ●公立保育園では,職員配置や保育園内の整備を行いました。また,いっか月に1から2回程度,障害児保育指導員,言語聴覚士による指導等を実施しています。私立保育園で専用の職員を配置するエンには補助金を交付しています。(保育課) ●心身障害児を受け入れ,保護者の負担軽減を図っている私立幼稚園の設置者に対し,各心身障害児の在園月数に応じた金額の補助を行っています。(保育課) ●子どもショートステイ事業・トワイライトステイ事業において,障害児や発達に特性のある児,重篤アレルギー疾患児なども,受入れ人数を調整するなどして可能な限り対応しました。(子ども政策課)   51ページ 参考指標 指標名 令和元年度,令和2年度,令和3年度 子ども家庭支援センターすこやかでの相談 相談件数 2,410件,2,614件,2,713件 保育園(公立・私立)での障害児の受入れ 在園障害児童数 112人,93人,105人 幼稚園での障害児の受入れ 心身障害児数 27人,22人,31人 今後の課題 ◆多機関連携による,保護者支援・家庭支援  障害児を育てる親,障害のある親のどちらも安心して子育てができるよう,児童分野と障害分野が連携して家庭を支援していけるよう,分野を超えた相談支援体制の充実が必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害のある親と子どもの両方を同じように考えてくれる教育相談所に出会えてよかった。障害がありつつも子育てや介護をするときに,サポートが充実していると良い。(委員意見) ・相談件数の増加傾向が続き,内容の複雑化などにより,対応が長期化するケースもあるため,対応にあたるケースワーカーのスキルや知識の向上,及び関係各部署との連携を強化することが必要(事業進捗評価) ◆子育てサービスでの受入れの拡充  障害児を育てる親,障害のある親のどちらにとっても,就労や自らが望む生活を実現していくために,保育園・幼稚園やその他の子育て支援施策が活用できることは重要です。障害があってもスムーズにサービスが利用できるよう,相談や受入れ体制を充実させていくことが必要です。  また,子ども自身にとっても,障害のない児童と共に地域で過ごし,成長することが出来る機会を保障することが重要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・子どもショートステイ事業はレスパイト利用者の割合が高くなっており,虐待防止としての側面が強くなっています。定員に対し,利用希望が上回ることが多く,利用調整が必要。慢性疾患児や特性の強い児の利用,宿泊利用等も増えている。(事業進捗評価)   52ページ ・障害児の保護者の不安や困りごとを尋ねる質問では,「自分の希望する仕事につくこと・続けることが難しい」が最も多い(35.4%)。(ニーズ調査) ・発達が気になる子に対し,保護者にどのように伝えるかいつも苦慮している。職員の加配について,保護者に納得いただくことが必要だが,家庭により,ハードルやそこに至るまでの時差がある。(ヒアリング) ・統合保育を謳っても専門職員は園内にいないので,子ども発達センターや医療的ケア児コーディネーターなど,つなげられる人がいると良い。(ヒアリング)   53ページ 括弧3,教育における支援  児童の障害状況に応じた特別支援教育を展開するとともに,学校生活での児童・生徒や保護者の不安や悩みなどの相談に応じます。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <就学支援体制の充実> ○就学相談の充実や「就学支援シート」の活用により,就学前の支援からスムーズに移行できるよう支援します。 <特別支援教育の推進> ○「調布市特別支援教育全体計画」に基づき,調布市立小・中学校全校における巡回指導体制を確立するとともに,教職員研修の推進により各校における支援体制の充実を図ります。 ○インクルーシブ教育を推進し,障害の有無に関わらず,教育を受ける権利を保障するとともに,児童・生徒同士の交流を図ります。 <相談体制の充実> ○教育相談,ソーシャルワーカー相談,スクールカウンセリングなど,多様な相談窓口の活用により,児童や保護者の抱える困難さの内容に応じて,福祉部署の相談機関とも連携しながら,家庭環境も含めた総合的な支援を推進します。 現行計画事業 星,主要事業 就学支援体制の充実 星,就学相談(指導室) 星,就学支援シートの活用(指導室) 特別支援教育の推進 星,特別支援教育の推進(指導室) ・介助員の配置推進(指導室) ・特別支援学級運営に係る発達検査等の実施(指導室) ・教職員研修の推進(指導室) ・教育センターの運営(指導室) ・副籍交流の推進(指導室)   54ページ 相談体制の充実 星,来所相談・電話相談(指導室) 星,ソーシャルワーカー相談(指導室) ・スクールカウンセリング(指導室) 現行計画期間の主な取組・進捗状況 ●通常の学級における指導では,その能力を十分に伸ばすことが困難で,特別な支援が必要な児童・生徒に,障害の程度に応じた適切な教育の場を提供するため,就学・転学・校内通級教室にゅう退級相談を行いました。(指導室) ●就学支援シートを活用して,入学前に配慮を必要とする子どもについて情報共有することで,新1年学級編制での対応や,入学後の保護者と教職員の連携を図った学校体制の検討,個別の教育支援計画や個別指導計画作成への反映等の対応を図っています。(指導室) ●調布市の特別支援教育の実態を踏まえた「調布市特別支援教育推進計画」を平成31年4月に策定しました。調布市立小・中学校における巡回指導体制の確立や教員等の資質・能力の向上を図りました。(指導室) ●各学校の特別支援教育コーディネーターや特別支援教室専門員,特別支援学級の担任や校内通級教室教員,学級介助員など特別支援教育に関わる教職員に対する研修を深め,指導に活かしました。また,校長・副校長・主幹教諭等,職層に応じた研修を実施し,通常の学級においても特別支援教育を推進しています。(指導室) ●スクールソーシャルワーカーが福祉分野に関する専門的な知識や技術を用いて,児童・生徒の置かれた様々な環境への働きかけや関係機関等のネットワークを構築して,問題を抱える児童・生徒に支援を行っています。(指導室) ●スクールカウンセラーについては,経験年数によってカウンセリングに差異が出ないようにするため,年間を通した研修を実施し,各自のカウンセリング技術を高められるようにしています。(指導室) 55ページ 参考指標,指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 就学相談,相談件数,449件,407件,450件 就学支援シートの活用(通常の学級における特別な支援が必要な児童に対する個別支援計画の作成) 小学校作成率,78.1%,84.3%,90.8% 中学校作成率,57.4%,65.8%,62.8% 今後の課題 ◆就学支援体制の充実 保護者が必要な時期に確実に就学相談につながり,子どもにとって適切な選択ができるよう,周知や案内を始めとした体制づくりや相談員のスキルアップを,より一層推進するとともに,就学へのスムーズな移行へ向けて「就学支援シート」を活用し,保育園,幼稚園での支援を小学校につなげていくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・保護者や子どもに寄り添いつつ,早期に就学相談を完了できるような体制づくりと,相談員のスキルアップとともに,適切なにゅうたい級相談につなげるため,学校における校内委員会の充実と適正な運営が必要,事業進捗評価 ・市役所などにキーパーソンがいて,いつ頃から就学相談に来たら良いかなど,道筋を示してあげることが必要,(ヒアリング) ・「就学支援シート」は学校に行ったときに先生も子どもも困らないよう,課題をありのままに書くが,保護者の要望で修正する場合もある。(ヒアリング) ・課題や困難などマイナスな印象に偏ったスタートにならないよう,「得意なこと,好きなこと」など,就学支援シートに良いところも書いてほしい。(委員意見) ・就学前にどのような準備が必要なのか,どのような手順で相談するとよいのか,というところが共有されればよいのではないか。優先順位をつけ,できる支援を整理できると良い。(ヒアリング)   56ページ ◆特別支援教育,インクルーシブ教育システムの推進 一人ひとりの障害特性や希望に応じて,特別支援教育を充実させていくことが必要です。健常児と共に地域で権利を保障していくため,インクルーシブ教育システムを推進し,障害の有無に関わらない児童,生徒同士の交流の機会や,市内小中学校において,医療的ケアを含めて障害のある児童,生徒の受入れや,児童生徒に対する障害理解を広げていくことが求められています。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害があるからできないではなくて,サポートがあればできること,その人の本当の力が出てくるのではないか。(委員意見) ・肢体不自由で車いす利用のかたのためにエレベータの設置が必要,(委員意見) ・通常の学級の児童生徒に対する,障害理解教育は,もっと充実が必要。特に知的障害,発達障害,精神障害,高次脳機能障害など,見た目にはわかりにくい障害について学ぶ機会が少ない。(委員意見) ・特別支援教育については若手のみならず,市内,小,中学校通常の学級の教員も対象とした研修を実施していく必要性がある。(事業進捗評価) ・障害のある子がひとり親家庭で,下に幼いきょうだいがいて,保護者も送迎ができず,通学できる日がまばらになっている事例がある。(ヒアリング) ・移動支援が特別支援学級の通学で利用できるようになったが,報酬が低く,事業所が案件を引き受けるのが難しい。(委員意見) ・近年,人工呼吸器の常時管理や,酸素管理等の必要のある児童,生徒でも,友達と会い,刺激を受けられるよう,訪問学級でなく通学籍を選択する人が増えた印象を受ける。(ヒアリング) ・副籍制度※15,を通じて健常児と地域で関わることの大切さについても,保護者の期待が高まり,地域で生活してほしいと考えている人が増えている。(ヒアリング) ※15,都立特別支援学校の小,中学部に在籍する児童,生徒が,居住する地域の区市町村立小,中学校(地域指定校)に副次的な籍(副籍)をもち,直接的な交流や間接的な交流を通じて,居住する地域とのつながりの維持,継続を図る制度。 続きは、次ページです。   ・教育機関,市内小中学校の管理職レベルのかた,養護教諭のかたが,まず医療的ケアについての知識を正しく持っていただくことが必要(ヒアリング) ・市内小中学校で医療的ケアを実施するかたが入学したなら,特別支援学校から必要な連携をとり,一緒に考え,力になれることは多いと思う。(ヒアリング) ・医療的ケアであっても,導尿や栄養注入等,時間が決まっている医療的ケアで,状態が安定していて,市内で看護師等,医療的ケア実施のための環境が整いさえすれば,通常の学級に通うことが本人に合ったケースもあると感じている。(ヒアリング) 以上は、前のページの内容です。 57ページ ◆相談体制における福祉と教育の連携 スクールソーシャルワーカーや教育支援コーディネーターを通じて児童,生徒や保護者の相談に応じるとともに,内容に応じて福祉分野の関係機関とも連携しながら支援していくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・不登校児童生徒のための学校以外の居場所もまだ多くはなく。子ども,若者総合支援事業「ここあ」への相談も増えている。障害福祉,教育分野も含めた連携が必要(委員意見) ・学校と相談する前に教育相談所へ,相談が上がる事例が増えており,保護者からの声が届く風通しの良い学校づくりが必要(事業進捗評価) ・スクールソーシャルワーカーの対応件数が年々増加し,対応状況も逼迫している。(事業進捗評価)   58ページ 括弧4,放課後等の活動の支援 障害児が学校以外の場所でのレクリエーション,スポーツなどの余暇活動をして過ごすことや,障害に応じた専門的な療育を受けることを支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <放課後や余暇の過ごし方の充実> ○既存の学童クラブでは受入れが困難な障害児が利用できる学童クラブの設置を始め,学童クラブでの受け入れや,ユーフォー,児童館の利用における配慮,支援などにより,障害児と全ての児童との交流を促進します。 ○「ゆーいんぐ」,「のびのびサークル」,「にこにこサッカークリニック」などの事業により,障害児の余暇,スポーツ活動を支援します。 <放課後等デイサービスの充実> ○肢体不自由児,医療的ケアが必要な児童などの重度障害児にも対応した放課後等デイサービス事業所の設置支援を行い,拡大を図ります。 ○放課後等デイサービス事業所が,相談支援事業所や教育機関,その他の放課後活動事業などと連携しながら,より一体的に児童を支援できる体制を整備します。 現行計画事業 星,…主要事業 放課後や余暇の過ごし方の充実 星,学童クラブ事業(児童青少年課) ほし,放課後子供教室事業(ユーフォー)(児童青少年課) ・児童館事業(児童青少年課) ・青少年ステーション,キャプス(児童青少年課) ・ゆーいんぐ事業(社会教育課) ・のびのびサークル事業(社会教育課) ・にこにこサッカークリニック(スポーツ振興課) ほし,障害児サッカー教室への補助(障害福祉課)   59ページ 放課後等デイサービスの充実 星,総合福祉センター,放課後等デイサービス事業(ぴっころ)の運営(障害福祉課) ほし,障害児通所支援事業所の開設費,補助(障害福祉課) ほし,障害児通所支援事業所の運営費,補助(障害福祉課) 星,日中一時支援費,支給事業(障害福祉課) 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●令和2年4月に既存の学童クラブでは受入れが困難な障害児が利用できる「ゆずのき学童クラブ」を開設しました。学童クラブ内には,医務室や,スヌーズレンルーム,エレベーター等を設置し,1人1人の障害特性に応じた支援を提供しています。また,市内各学校と学童クラブの間,学童クラブと児童宅の間を車両による送迎事業を実施しており,市内全域から障害児の利用を可能としています。(児童青少年課) ●青少年ステーション,キャプスについてスタッフを対象とした研修等を通じ障害者の応対に関するスキルの向上や,相談員の配置により,ちゅう,高校生世代の様々な活動を支援できるように努めています。(児童青少年課) ●平成30年度から,FC東京の協働により,障害児向けの「あおぞらサッカースクール」を実施しています。 ●ゆーいんぐ事業,のびのびサークルの各事業は,令和2年度及び令和3年度は,コロナ禍では中止,開催回数の減少が多くありましたが,令和4年度は予定どおり開催しました。 ●障害児通所支援事業所の運営費補助は,利用者定員の区分に応じた補助基準額をもとに,別途市が定める指標に応じたポイントにより補助率を決定することとし,事業者の取組推進やサービスの質の向上を図っています。 ●市が設置する総合福祉センター放課後等デイサービス「ぴっころ」は,民間事業所の増加の一方で,受入先の少ない,肢体不自由児の貴重な通所先となっており,高校生以降も引き続いて利用を希望する声が多かったため,平成30年度より,主に肢体不自由や重症心身障害のある高校生の受け入れを拡大しました。 ●令和元年10月から,日中一時支援事業を拡充し,通所施設における延長支援について,市独自の助成制度を設けました。   60ページ 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 学童クラブ事業,障害児在籍数,※1、398人,344人,354人 障害児サッカー教室(FC東京,あおぞらサッカースクール)への補助,延べ参加人数,398人,344人,354人 市内放課後等デイサービス事業所,事業所数,※2,21か所,21か所,23か所 定員数,205人,205人,220人 ※1,4月1日時点 ※2,※3,年度末時点 今後の課題 ◆放課後等デイサービスの充実 障害のある児童の活動場所として,様々な障害種別やニーズに対応できる放課後等デイサービス事業所は今後も充実が必要です。事業所の増加の一方で,受入れ可能な事業所が限られる肢体不自由児や重症心身障害児の行き先を確保していくことも課題です。  市が設置する総合福祉センター放課後等デイサービス「ぴっころ」は,総合福祉センターの移転に伴い,送迎の実施を含む移転後の事業実施体制を検討する必要があります。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・児童発達支援,放課後等デイサービスは,利用者がここ数年,計画以上の増加との報告があり,今後もニーズは増える見込みだと思われる。(委員意見) ・放課後等デイサービス事業所の現場で,日々子ども達と向かいあっている者として,真の意味で連携が,とれるよう施策展開の実現を切望したい。(委員意見) ・「ぴっころ」は,総合福祉センターの移転に伴い,移転後の事業実施体制について,送迎の実施を含め,利用状況の変化も踏まえて検討が必要。(事業進捗評価) ◆多様な活動機会の確保  放課後等デイサービスに限らず,学童クラブなどで健常児と共に活動する機会や,スポーツ,運動やレクリエーション活動など,多様な活動を経験できる場や機会の充実が必要ですが,ボランティアを含め,その担い手を継続的に確保していくことが課題です。  障害児を主な対象とした活動の場だけでなく,民間の習い事,教室での受入れ機会を広げていくことが必要です。   61ページ (参考,これまでの検討経過での意見,調査など) ・ゆずのき学童クラブの車両送迎について,限られた人員,車両(2台)の中,市内全域の障害児の送迎を実施するための調整が課題(事業進捗評価) ・児童館は老朽化している施設が多く,スロープや手すり等のバリアフリー設備が整っていないため,施設の早急な改修が必要(事業進捗評価) ・ゆーいんぐ事業は,参加登録者数の減少とボランティアの確保が課題(事業進捗評価) ・のびのびサークルを運営している保護者の高齢化のため,令和5年度末で活動終了予定となっています。(事業進捗評価) ・子どもの日常生活での不安や課題を尋ねる質問では,「余暇活動の機会が少ない」が他と同率で最も多い(43.1%)。(ニーズ調査)   62ページ 括弧5,働くこと,日中活動の支援 障害者が一般企業や通所施設(福祉作業所)で働くことや,その人に応じた活動により,日中を過ごすことを支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より <働く機会,相談の充実> ○「ちょうふだぞう」「こころの健康支援センター就労支援室,ライズ」の2か所の障害者就労支援センターを中心に,若者向け支援などとも連携しながら就労支援,定着支援に引き続き取り組みます。 ○市や関連機関での障害者雇用の推進や,民間事業者への働きかけを行い,新たな雇用の創出に取り組み,障害者が働く機会の充実を図ります。 <多様な障害特性に応じた日中活動場所の整備> ○市が設置する障害者施設では,民間事業所では受入れが困難な重度障害者の対応など支援体制の充実を図ります。 ○今後の特別支援学校卒業生等の通所先の安定的な確保や,重度知的障害者,高齢障害者,発達障害者,高次脳機能障害者など,一人ひとりの多様な障害特性に応じて支援を受けながら働いたり,過ごしたりできる日中活動場所の整備を進めるため,通所施設の設置支援を行います。 <福祉施設で働く障害者の工賃向上> ○「障害者優先調達推進法」に基づき,市の障害者福祉施設等への発注機会を確保,拡大するとともに,「作業所等経営ネットワーク支援事業」などにより受注力の強化を支援し,障害者福祉施設等で働く障害者の工賃向上を図ります。 現行計画事業 星,…主要事業 働く機会,相談の充実 ほし,障害者就労支援事業(障害福祉課) ・若者向け労働相談の実施(産業振興課) ・就労セミナーの実施(産業振興課) ・障害者等雇用事業(産業福祉課)   63ページ ・市内在住の障害者の雇用の促進(障害福祉課) 多様な障害特性に応じた日中活動場所の整備 星,希望の家の運営(障害福祉課) 星,知的障害者,援護施設,そよかぜの運営(障害福祉課) 星,知的障害者,援護施設,スマイルの運営(障害福祉課) 星,デイセンターまなびやの運営(障害福祉課) 星,こころの健康支援センターの運営(自立訓練事業)(障害福祉課) 星,重度知的障害者通所施設への運営費補助(障害福祉課) ・身体障害者デイサービス事業の運営支援(障害福祉課) ・府中生活実習所送迎サービス,運営費補助(障害福祉課) ・障害者,じ,施設防犯対策整備費の補助(障害福祉課) ・アルコール依存症障害者等活動施設等運営費補助(障害福祉課) 星,障害福祉サービス事業所の開設費補助(障害福祉課) 星,障害福祉サービス事業所の運営費補助(障害福祉課) 福祉施設で働く障害者の工賃向上 ほし,作業所等経営ネットワーク支援(障害福祉課) ほし,障害者優先調達推進法への取組(障害福祉課) 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●就労に向けた相談事業として,2か所の就労支援センター間及び関係機関と連携強化しながら,就労や生活面の支援を実施し,ニーズの高い就労後の定着支援についても企業向けセミナー等を開催しました。 ●平成30年4月施行の障害者総合支援法の改正により,新たに創設されたサービス「就労定着支援」について,市が設置する「知的障害者,援護施設,すまいる分室」において平成30年7月より事業を開始し,一般就労へ移行した利用者の定着支援を行っています。 ●新たに事業所開設を希望する事業者への開設相談や,開設経費の補助による支援を行い,サービスの拡大を進めました。 ●市が設置し,重症心身障害者(一部医療的ケアを含む。)を対象とする「デイセンターまなびや」では,通所者の増加ペースが大きくなり,近く新たな利用者の受入れが難しくなることが想定されることから,令和6年度の開設を目途として,新たな重症心身障害者の通所施設の開設準備を進めています。   64ページ ●市が障害者通所施設に交付している運営費補助金について,利用者定員の区分に応じた補助基準額をもとに,別途市が定める指標に応じたポイントにより補助率を決定することとし,事業者の取組推進やサービスの質の向上を図っています。 ●調布市福祉作業所等連絡会は自主製品の販路拡大や共同受注事業を展開していくことによって,利用者の働く意欲の向上及び工賃の引き上げを図っており,運営費の補助を実施しています。 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害者就労支援事業,利用登録者数,※1、424人,481人,543人 市内日中活動系サービス事業所 事業所数,※2、45か所,46か所,46か所 定員数,※3、1,105人,1,128人,1,157人 市内就労継続支援B型事業所,平均工賃,16,264円,14,954円,15,636円 市における障害者就労施設等からの物品等の調達実績,合計金額,165,956,476円,161,892,832円,165,478,654円 ※1,※2,※3,年度末時点 今後の課題 ◆働く機会,相談の充実  障害者がより一層働ける社会を目指して,就労支援の充実が必要です。障害者雇用や就労を支援するサービスが拡大する一方で,就労支援機関同士の連携や,就労に向かう前の生活面や社会面のスキルの課題からの支援,離職後の再就職支援,就労中や通勤においても介助を要する重度障害者の就労支援など,より幅広い就労へ向けたニーズに対応できる体制の整備が課題です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・就労したいと考える障害者のかたたちがサービス(就労移行)を利用して目指す場合,2年という期間がネックとなるケースがある。生活上の課題から少しずつ訓練を重ねて就労の準備性を整えることを考えると,他サービス(生活訓練)と連結させたサービスの展開が望ましい。(委員意見) ・障害者雇用自体のハードルが高く設定されていると感じる。中間的就労の場等,新しい働き方が広がってほしい。(委員意見) ・重度訪問介護は就労していると使えない。市町村単位の地域生活支援事業の中で使ってもいいということになっていますが,調布市でもやってほしい。(委員意見)   65ページ ・就労定着支援事業所から就労支援センターへの引継ぎをガイドライン化する(引き継ぐ内容,時期など)等して,定着支援が終了する前に利用者,企業との関係を構築できることが望ましい。(事業進捗評価) ・若者向け労働相談は就労または就学していない若者を対象としているため,不登校や休学中では支援できないことが課題(事業進捗評価) ・希望する働き方では,身体障害(64歳以下),精神障害,難病で「正規の社員,職員,役員」が最も多く,知的障害でも「障害者施設(作業所など)」に次いで多い。(ニーズ調査) ◆障害特性に応じた日中活動場所の整備  地域で暮らす障害者の増加や今後の特別支援学校卒業生等の受入れを見据え,継続的に整備を進めて行くことが必要です。また,それぞれの障害特性や,高齢になった障害者などの多様な活動ニーズに応えられる体制が求められています。  特に手厚い支援体制が必要な重度知的障害者や医療的ケアを含む重症心身障害者については,既存施設での受入れが限界に達しつつあり,新たな施設の整備が課題です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・重症心身障害者施設の整備(委員意見) ・重度知的障害者の通所先の整備(委員意見) ・就労している(したい)障害者のかたで高齢化により以前までのパフォーマンスが発揮することが出来なくなり,就労継続が難しくなったり,再就職が難しく,B型の利用を薦めるケースが増えてきている。年齢にとらわれず,力を存分に発揮できる場の創出が望まれる。(委員意見) ・年齢を重ねると働きたくても再就職が難しくなる。衰えても活躍できる場が増えてほしい。(委員意見) ・福祉事業所が増えているが,しっかりと理念があることが重要(委員意見) ・重度知的障害者の通所施設として平成25年9月に開設された「希望の家深大寺」も,数年先には定員に達することが見込まれ,新たな重度知的障害者の通所施設の受入れ先,整備の検討が必要(事業進捗評価) ・ひきこもりで中間就労,福祉的就労につながれない人に対する課題(ヒアリング) ◆工賃向上への取組  作業所等経営ネットワークの取組などにより受注機会は拡大していますが,コロナ禍での受注作業の落ち込みもあり,今後も就労継続支援B型事業所などの障害者就労施設等で働く障害者の更なる工賃向上への取組が必要です。   66ページ 括弧6,余暇,学習活動の支援 就労や主な日中活動以外の場所や時間における,レクリエーション,スポーツなどの余暇活動,学習活動を支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <障害特性に応じた余暇活動支援> ○障害者地域自立支援協議会での検討から始まった「障害者余暇活動支援事業」を拡充し,就労や通所施設での日中活動以外の場での余暇活動の充実を推進します。 ○地域活動支援センター,日中一時支援事業などを活用し,障害のあるかたがその特性に応じた支援を受けながら,様々な活動を行う機会の充実を図ります。 <学習・スポーツなど多様な活動機会の確保> ○市の文化,スポーツ施設や事業において,障害のあるかたの利用への配慮やバリアフリー化など,障害のあるかたが使いやすい環境づくりを進め,障害の有無に関わらず多様な活動や施設利用の機会を保障できる体制を整備します。 現行計画事業 星,…主要事業 障害特性に応じた余暇活動支援 ほし,障害者余暇活動支援事業(障害福祉課) 星,地域活動支援センター事業(障害福祉課) ・杉の木青年教室事業(社会教育課) (・日中一時支援費支給事業(障害福祉課)) 学習,スポーツなど多様な活動機会の確保 ・図書館のハンディキャップサービス(図書館) ・文化会館たづくりでの多様な学習機会の提供(文化生涯学習課) ・文化会館たづくり,グリーンホールの改修(文化生涯学習課) ・東京2020オリンピック,パラリンピック競技大会に向けた取組(オリンピック,パラリンピック担当) ・調布市総合体育館の運営管理(スポーツ振興課) ・障害者団体への体育施設,使用料減額(スポーツ振興課)   67ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●障害の重さや社会的障壁を理由にスポーツ等,余暇活動を行う機会が少ない障害者に対し,余暇活動の場を提供する「障害者余暇活動支援事業」(ほりでーぷらん)を平成30年度より本格実施し,FC東京や東芝ブレイブルーパス東京等のプロスポーツチームとも連携し,運動不足の解消と地域生活の充実を図っています。令和2年度,3年度は新型コロナウイルスの影響に伴い,開催回数を減少し,実施規模及び参加人数を縮小して実施しました。 ●パラリンピック開催を契機とした「パラリンピックレガシー」の創出を目指し,共生社会の重要性を市内外に発信する取組として「パラハートちょうふ,つなげよう,ひろげよう,共に生きるまち」を独自のキャッチフレーズに掲げ,障害者スポーツ体験会,市内のスポーツ,福祉分野における関係団体による協議体の設置など,心のバリアフリーの推進や,障害に対する理解の促進に向けた取組を進めました。(スポーツ振興課) ●スポーツを通じた共生社会の充実を図るため,スポーツ分野と福祉分野の関係団体による「調布市障害者スポーツの振興における協議体」を令和元年度に設置し,障害者がスポーツに親しむ機会の創出における課題の解決に向けた話し合いや事業を実施しています。(スポーツ振興課) ●市内の福祉作業所等で活動する障害児,しゃ,のアート作品の展示会「調布市パラアート展」を調布市福祉作業所等連絡会と共催により毎年開催しているほか,(公財)調布市文化,コミュニティ振興財団との連携により,障害の有無に関わらず,誰もが音楽や演劇など多彩な文化芸術活動に触れられる機会の創出に取り組んでいます(令和2年度は新型コロナウイルスの影響により中止)。(文化生涯学習課) 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害者余暇活動支援事業,参加人数,141人,17人,66人 地域活動支援センター事業,登録者数,1,071人,1,074人,1,086人 <市民福祉ニーズ調査結果> 調査項目,令和元年度,令和4年度 運動,スポーツ活動の実施率(週に1回以上),※1 18歳以上,26.1%,35.5% 18歳未満,40.0%,62.3% ※1,令和元年度と令和4年度で質問の仕方が異なる。   68ページ 今後の課題 ◆多様な余暇活動の場,機会の確保  就労や施設での日中活動以外での,地域生活をより豊かにしていくものとして,障害特性に応じた様々な余暇活動,学習等を経験し,楽しむことのできる場,機会の充実が必要です。活動を広げていくにあたり,ボランティアを含め,その担い手を継続的に確保していくことも課題です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・杉の木青年教室事業は,参加者の活動の見守りや行動の補助を行うボランティアの減少が課題(事業進捗評価) ・障害者余暇活動支援事業では,事業の安定に伴い拡充を目指しているが,実施団体の抱える課題解消やボランティアの確保などを進めていくことが必要(事業進捗評価) ・図書館利用に障害のあるかたの登録や,音声しりょうの貸出しは減少傾向にあります。インターネット上で図書館を介さず利用できるシステムが普及してきたことが一因ですが,必要な人にこのサービスの存在が未だに行き届いていないという部分も大きく,さらにこのサービスを推し進める必要があります。一方で,紙のしりょうの利用は可能だが,外出が困難というかたの宅配要望が増大しており,それに応える体制が必要です。(事業進捗評価) ◆スポーツ,運動機会の充実  東京2020大会のレガシーとして,障害の有無に関わらず,誰もが生涯を通してスポーツ,運動に親しみ,楽しめる機会を創出するなど,スポーツを通じた共生社会の充実を図ることが重要です。そのためには,障害者が参加しやすいイベントや事業の開催,日常的に身体を動かすことができる場の確保などに取り組み,障害者の生活の充実や健康づくりを進めていくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害者にも開かれた場所が,どこにどれだけあるのか当事者にもわかると良い。(委員意見) ・ソフト面で大学との連携や地域での取り組みなどとセットにしてくと恒常的にできるのではないか。(委員意見) ・障害者スポーツというとパラスポーツという方向に行ってしまうが,水泳やランニングなどは健常しゃと同じことを一人でやることができる。そうしたものを幼児の頃から継続していけると良い。(委員意見)   69ページ ・「スポーツ,運動」や「美術,音楽などの文化芸術活動」の機会について,「機会はあるが,十分ではない」と「機会がない」をあわせるといずれも半数近くとなる。(ニーズ調査) ・「スポーツ,運動をする機会」は,いずれの障害種別でも「ほとんどしない」が半数近くとなる。(ニーズ調査) ・スポーツ活動,運動をするための支援は,「活動できる場所(32.7%)」が最も多く,「一緒に活動する仲間(24.4%)」が続いている。(ニーズ調査) ・(スポーツクラブで)通常クラスに障害のある子が入った場合,温かく見守ってくれる保護者もいれば難しい保護者もいる。(ヒアリング) ・競技力向上や集団行動など,スポーツに親しむ目的や想いは様々なので,選択肢を増やすことが望ましい。ヘルパー,サポートスタッフの充実に向けて個人や施設に対する補助があると良いのではないか。(ヒアリング) ・クラブや教室に初めていくことに対してハードルを感じている人は多いと思うので,体験で一緒に行ってあげるというサポートがあると良い。(ヒアリング) ・入会時に障害の有無で判断せず,まず体験していただき,こちらでできることをお伝えしている。(ヒアリング) ・学校卒業後は障害者が体を動かす場が,少なくなる。日常的に取り入れられる運動や,運動ができる施設,自ら通えるようなきっかけづくりによる運動の習慣づけが必要(ヒアリング) ・障害者に向けた運動の指導方法や,健常しゃと共に楽しめる運動方法などを広げ,障害の有無に関わらずスポーツが楽しめる環境づくりにつなげていくことが必要(ヒアリング) ◆文化芸術活動の充実  障害児,しゃ,が絵画,音楽などの文化芸術活動に参加したり,楽しんだりする場,機会の充実が必要です。障害児,しゃ,本人の新たな能力の発揮による生活の充実に加え,活動を通じた地域との交流や障害理解の推進も期待されます。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・アートを通じて対話が始まったり,創造性を掻き立てられたりするなど,健常者の社員と障害者雇用社員の相乗効果を繰り返すことで,ダイバーシティ,インクルージョンな企業づくりに取り組んでいる。(ヒアリング) ・アート活動で「こんなことができるかただったんだ」と評価を受けることを通じて,自己肯定感の高まりにつながった。(ヒアリング) 続きは、次ページです。   ・アート指導として個人の能力を引き出してくれるような人材の確保については課題を感じている。(ヒアリング) ・企業一社だけでやると限界があるので,作業所など広域で様々な立場の人が融合することで展開できるのではないか。(ヒアリング) 以上は、前のページの内容です。 70ページ 括弧7,住まいの確保の支援  グループホームや一般住宅など,一人ひとりの意向や障害状況に応じた住まいの確保を支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <障害者グループホーム等の拡充> ○事業者との相談や,開設費補助,運営費補助の制度を活用し,多様な障害者の居住の場の選択肢を確保できるためのグループホームの拡充をさらに推進します。 ○グループホーム同士のネットワーク構築や,人材育成などによる支援体制の充実を図ります。 <一般住宅への入居支援> ○「調布市居住支援協議会」での検討を進め,「住まいぬくもり相談室」を始めとした高齢者,障害者,子育て家庭などの住宅確保要配慮者の住宅確保を支援するための取組を推進します。 ○市営住宅や,住宅改修費の助成などにより,多様な居住の場の整備を図ります。 現行計画事業 星,…主要事業 障害者グループホーム等の拡充 星,知的障害者グループホーム(すてっぷ,じょい)の運営(障害福祉課) ほし,障害者グループホームの開設費補助(障害福祉課) 星,重度重複障害者グループホームの運営費補助(障害福祉課) ・知的障害者グループホーム家賃助成事業(障害福祉課) 星,知的障害者援護施設なごみの運営(障害福祉課) 一般住宅への入居支援 星,居住支援協議会の運営(住宅課) ・住宅マスタープランの推進(住宅課) ・よりよい住まいづくり応援制度(住宅課) ・市営住宅の計画的な改修(住宅課) ・住宅改修費の支給(日常生活用具費支給事業)(障害福祉課)   71ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●令和3年度に体験型グループホーム「ちゃれんじ」が開設したことにより,市が設置する体験型グループホーム「すてっぷ」とあわせ,体験型グループホームにおいても以前から課題となっていた男女別の受け入れ,同性介助が実現しました。定員の拡大により,利用までの待機期間も短縮されています。 ●重度知的障害者にも対応可能なグループホームにおいても,令和2年度に「調布ヶ丘,じゃんぷ」を開設し,市が設置する「グループホーム,じょい」とあわせて同性介助の徹底を図りました。 ●新たにグループホーム開設を希望する事業者への開設相談や,開設経費の補助による支援を行い,サービスの拡大を進めました。グループホーム全体の利用者も増加傾向にあります。 ●知的障害者援護施設なごみは,新型コロナウイルス感染症の状況により,外泊,外出,面会などを制限して事業継続しています。ショートステイ事業については,令和2,3年度にそれぞれ1回ずつ,やむを得ない場合を除いて受入れを停止しました。 ●居住支援協議会での検討を踏まえ,令和4年度から,住宅確保要配慮者入居促進事業を開始しました。(住宅課) ●重度の身体障害者に対し,必要な住宅改修や屋内移動設備における費用の支給を行いました。 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 市内障害者グループホーム ユニット数,※1、36か所,44か所,48か所 定員数,※2、190人,225人,243人 居住支援協議会の運営(住まいぬくもり相談室) 相談者数,108件,102件,119件 ※1,※2,年度末時点   72ページ 今後の課題 ◆障害者グループホームの拡充  グループホームの事業所数は増加していますが,なお地域におけるニーズは高く,量的拡大だけでなく,重度障害者,高齢障害者,高次脳機能障害者,パートナーとの生活を希望するかたなど,多様な障害種別や希望する生活スタイルに対応できるグループホームの拡充が今後も継続的に必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・調布市内のグループホームのニーズはとても高い。障害をもつかたの自立や生活環境の維持を考えるうえでも,多くのグループホームの整備が望まれる。(委員意見) ・障害があっても,パートナーと同棲や結婚をして一緒に生活をできるようになりたい。そのための住居(グループホームも含む)や生活のサポートがあれば。(委員意見) ・高次脳機能障害者のグループホームに関しては,10年ほど前から話には出ていましたが,遅々として進んでおらず,形になることを望んでいる。(委員意見) ・一般就労者はひとり暮らしに近いグループホームを希望するケースが増えている。一口にグループホームと言っても対象とするかたの,ニーズ別によって設置していくことが必要(委員意見) ・体験型グループホームにおいては,女性向けの「すてっぷ」は利用率が下がっており,周知等により更なる利用促進に努めていくことが必要(事業進捗評価) ・グループホームは依然として不足している状況であり,特に知的障害者を対象としたグループホーム,重度のかた,高齢障害者,その他様々な障害種別,生活スタイルに対応できるグループホームなど,今後も拡大の継続が必要(事業進捗評価) ・今後希望する暮らし方では,知的障害者は「グループホームで生活する」が19.2%を占める。(ニーズ調査) ・施設要件をクリアしていて且つオーナーや管理会社の理解(承諾)の得られる物件が見つからない。(ヒアリング) ◆一般住宅への入居支援  グループホームだけでなく,障害者の住まいの選択の自由を確保するために,一般住宅における障害者の住まいの確保のための取組も必要です。不動産業者や家主などへの支援,地域住民を含めた障害理解の促進に加え,地域の一般住宅で生活する障害者へのサポート体制の充実と支援機関との連携を進め,借り手も貸し手も安心できる体制づくりが課題です。   73ページ (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・家族会の相談でも,家を探すのに苦労されているかたが非常に多い。精神障害者もひとり暮らしの希望がある一方で,高齢の親に対しての協力の必要性は大きく,精神疾患により居住場所が見つけにくいという現状がある。(委員意見) ・障害について不動産事業者や家主に伝えていくことが必要(委員意見) ・住まいぬくもり相談室を活用することで,予約受付時に支援者の同席を依頼しており,客観的な症状を把握できるため,不動産店に物件照会依頼をかける際に症状の出方や,近隣住民へのトラブル要因の有無などを含めて物件探しを検討していただける状態になっている。(ヒアリング) ・「障害があるから」の一言で断られないよう,何が出来て何が出来ないのか,どんな支援が入っていて,どんな支援拡充の余地があるのか,をヒアリングするようにしている。(ヒアリング) ・特に精神疾患のあるかたの場合,精神状態が悪化した時の対応や緊急時の対応が課題(ヒアリング) ・オーナーのご理解。オーナーに安心してもらう事が重要(ヒアリング) ・トラブル発生時の支援,オーナーや管理会社に負担が行かない仕組み(ヒアリング)   74ページ 括弧8,高齢期の支援 障害者が高齢になっても,その人らしく地域生活を継続できるよう支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <高齢障害者に対応したサービス基盤の整備> ○障害者が高齢になっても,本人が希望する生活が続けられるように,新たに平成30年4月の法改正により創設される「共生型サービス」の活用も検討しながら,高齢障害者にも対応できる日中活動場所や居住の場などの整備を図ります。 ○調布市障害者地域自立支援協議会のワーキングにおいて,高齢障害者の支援のあり方や必要なサービス等について,当事者や関係機関とともに検討していきます。 <高齢者福祉との連携推進> ○介護保険サービスへの円滑な移行,障害者本人や家族の高齢化に伴う家族単位でのケアマネジメント体制の推進のため,障害者福祉と地域包括支援センターや介護保険事業所との間で,相互の制度理解や連携体制を強化します。 現行計画事業 星,…主要事業 高齢障害者に対応したサービス基盤の整備 星,高齢障害者の日中活動場所の整備(障害福祉課) 高齢者福祉との連携推進 星,介護保険制度への移行支援,地域包括支援センターとの連携(障害福祉課) ・地域包括支援センターの運営(高齢福祉担当) ・高齢者福祉相談の実施(高齢福祉担当)   75ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●市独自の事業所開設費補助金の候補選考において,令和3年度に精神障害者を対象とした生活介護事業所を交付対象として選定し,開設支援を行いました。 ●地域包括支援センターは令和3年度からの圏域変更に伴い,サブセンターを含む10か所の相談窓口を,設けています。(高齢者支援室) ●65歳に到達する個別ケースについては,各地区担当ケースワーカーが地域包括支援センター等と連携し,円滑な介護保険サービスへの移行を実施しました。個別対応の中では,介護保険サービスに加えて,引き続き障害福祉サービスの提供が必要なかたや,介護保険サービスへの移行を円滑に行うため,丁寧に聞き取りや説明を行い,今後の生活における変化を最小限にとどめるよう配慮しています。 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 地域包括支援センターの運営,相談件数,60,322件,63,381件,64,504件 今後の課題 ◆高齢障害者に対応したサービス基盤の整備  高齢になっても住み慣れた地域で生活し続けたいという希望に応えるため,高齢障害者の特性やニーズに応じた通所施設などの日中の活動の場,グループホームなどの生活の場などを引き続き整備していくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・高齢化する障害者の支援の在り方。「親亡きあと」を見据えた対策も重要であり,地域生活支援拠点等の整備とサービス提供体制が必要(委員意見) ・高齢のろう者が増えたが,介護保険の施設やサービスでろう者も気軽に手話でおしゃべりができるような施設やサービスの情報がない。(委員意見) ・通所先を必要とする高齢障害者は増加傾向にあり,引き続き高齢障害者の特性に合った事業所の確保,整備が必要(事業進捗評価)   76ページ ◆高齢者福祉,介護保険との連携推進  高齢障害者の支援にあたっては,高齢者福祉や介護保険サービスとの連携が不可欠です。障害者が高齢になっても安心してサービスを受けられるよう,双方の理解や連携を深め,一体として支援を提供していける体制が必要です。  あわせて,家族や介護者の高齢化への対応も含め,家族,世帯単位で支援していけるよう,分野を超えた相談支援体制の充実が必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・視覚障害のある高齢者の受入れにあたり,介護施設の従業者が同行援護の資格を取った事例もある。(委員意見) ・高齢者の増加及び独居高齢者の支援などが増えており相談業務の負担が増加している。(事業進捗評価) ・障害福祉サービスから介護保険への移行にあたり,両制度の差について理解いただくのに,時間がかかる場合がある。支援者と時間的に余裕をもって話し合い,適切な説明ができると良い。(ヒアリング) ・市の関係課に,介護保険に詳しい人がだれか一人でもいると良い。(ヒアリング) ・障害福祉サービスを利用しているケースを持たないケアマネジャーでも制度について知る機会があると良い。(ヒアリング)   77ページ 3,安心して住み続けられる地域の環境づくり 括弧1,障害理解と交流 市民全体に障害に関する理解を広げ,障害の有無に関わらず地域で交流しながら共生できる社会の実現に取り組みます。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <障害者差別解消の推進> ○「障害者差別解消法」の施行を踏まえ,障害者差別に関する相談,市民への普及啓発,市役所における職員研修など様々な取組を充実させ,障害者差別のない地域づくりを進めます。 <障害理解の促進と地域交流> ○「ヘルプカード」「ヘルプマーク」の普及啓発を始め,様々な障害に関する市民全体の理解を広げます。 ○市立施設の地域開放や,事業,イベント等を通じて,市民と施設利用者の交流と理解の推進を図ります。 ○調布市障害者地域自立支援協議会のワーキングにおいて,市民全体に障害理解を広げるための方策を当事者や関係機関とともに検討していきます。 現行計画事業 星,…主要事業 障害者差別解消の推進 ほし,障害者差別に関する相談(障害福祉課) ・市役所における研修,合理的配慮の推進(障害福祉課) ほし,障害者差別解消法の普及啓発(障害福祉課) ほし,障害者差別解消支援地域協議会(障害福祉課) 障害理解の促進と地域交流 星,ヘルプカード,ヘルプマークの普及啓発(障害福祉課) ・人権に関する教育,啓発の促進(市民相談課) ・市立障害者施設を活用した地域交流(障害福祉課)   78ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●東京2020大会の開催を契機として,共生社会の重要性をこれまで以上に発信していくため,市のキャッチフレーズとして「パラハートちょうふ,つなげよう,ひろげよう,共に生きるまち」を定め,ロゴを作成しました。より印象的にわかりやすく,一体感を持って展開していくために,取組を象徴するアートデザインを様々な刊行物や,ポスター,イベント等に用いて,効果的なPRを図りました。令和3年からは毎年12月3日から9日までの「障害者週間」を含む,12月の1カ月を「パラハート月間」と定め,普及啓発活動を行っています。 ●市の出前講座のメニューに障害者差別解消法の理解を設け,一般企業からの研修依頼に対応しました。 ●障害者差別解消支援協議会は年3回実施しています。障害者差別に関する相談対応事例を情報共有し,合理的な配慮の在り方について意見交換,検討を行いました。 ●家庭相談,心の相談の専門相談を実施し,市民の日常生活上の悩みや問題の解決のサポートを行っています。(市民相談課) 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 障害者差別に関する相談,相談件数,4件,3件,5件 ヘルプカード,ヘルプマークの普及啓発,ヘルプカード配布数,225件,343件,385件 <市民福祉ニーズ調査結果> 調査項目,令和元年度,令和4年度 障害者差別解消法の認知度(「内容を含めて知っている」と回答) 18歳以上,12.5%,11.6% 18歳未満,※1,35.7%,33.1% ヘルプカードの所持率(「もっていて,いつももち歩いている」と回答) 18歳以上,16.0%,14.2% 18歳未満,32.2%,11.5% ※1,保護者に尋ねたもの   79ページ ◆今後の課題 障害者差別解消のための普及啓発 障害者差別解消法の施行以降,差別の解消や合理的配慮の普及はまだ十分とは言えません。市民全体への普及啓発の継続や,障害者差別に関する相談窓口の充実などを通じて,合理的配慮の広がりと共生社会の充実へ継続的に取り組んでいくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害者差別に関する相談について,障害者団体からは相談窓口の明確化と周知の要望がある。(事業進捗評価) ・「ヘルプマーク」や「障害者差別解消法」などはポスター等の周知により普及してきているという実感はある。(ヒアリング) ◆地域全体への障害理解の推進と交流 誰もが暮らしやすい共生社会の充実のためには,市民の間に様々な障害への理解や,相互に助け合える意識が広がることが不可欠です。障害理解推進のための普及啓発にあたっては,当事者が参加し,自ら交流していくことを通じて,普段障害のある人と接する機会のない,市民に対しても積極的に発信していくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・当事者,地域住民,支援者の相互理解の促進(委員意見) ・障がいについては,まだその内容や配慮等々が広く知られていないために無理解,偏見などがあると思われる。障がい者の理解を促進し共生社会の実現のためにその障がい者の種類,接し方等を分かりやすくまとめて市民や関係機関向けに読本やDVDを作成する。(委員意見) ・自分の経験,体験を周りの人にも理解してもらいたい。(委員意見) ・障害理解が進めば,その支援を担ってくれる人たちも増えるのではないか。(委員意見) ・目立たない障害も多く,聞かなければわからない。(障害者も)自分から進んでしゃべって垣根を取り払い,悩みを共有し寄り添うことが重要(委員意見) ・障害者が出前講座で学校を回っているが,教育現場の学校の先生がこういうことをもっと知っていた方が子どもたちにも伝わるのではないかという話もあった。教育委員会との連携もあると「パラハートちょうふ」の実現が早まるのではないか。(委員意見) ・「ヘルプカード」も初回作成から10年が経過しており,カード内容の見直しの必要性について検討が必要(事業進捗評価) ・「ヘルプカード」も「アイファイル」と同様に,10年使ってみてどうたったかは検証することが必要(委員意見)   80ページ ・パラアート展は興味関心がある人だけしか来ないが,商業ビルなど,一般に生活しているなかで目に入ってくる機会があると良いと思う。駅の構内などでも良く,意図しない人たちにもアートをきっかけに障害理解が広がっていくと良い。(ヒアリング) ・以前と比べると障害のある人を身近に感じられるような機会は増えてきていると思うが,興味のない人には情報がいかない。そのような人に対して情報があると理解が進むのではないか。(ヒアリング) ・当事者による障害理解の促進,普及啓発を行うための人材育成や発信する場が必要(意見具申) ・障害理解を発信する新たな人材育成研修の実施(意見具申) ・障害種別に関わらず当事者が継続的に発信力をつけられる育成プログラムや仕組み作り(意見具申) ・当事者が障害理解について発信できる機会の確保(調布市内の企業や学校などとのヒアリング調査後,研修や地域交流の実施)(意見具申)   81ページ 括弧2,バリアフリーのまちづくり 障害の有無に関わらず,誰に対してもやさしいバリアフリーのまちづくりをハード,ソフトの両面から推進します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <誰もが住みやすいバリアフリーのまちづくり> ○「調布市バリアフリー基本構想」及び「調布市バリアフリー特定事業計画」などに基づき,事業者と連携しながらバリアフリー整備を推進します。 ○当事者との意見交換などにより,障害のあるかたの視点を取り入れ,誰もが住みやすいと感じられるバリアフリーのまちづくりに取り組みます。 <福祉のまちづくりの推進> ○「調布市福祉のまちづくり条例」に基づく「福祉のまちづくり推進計画」を定め,関係部署と連携してハード,ソフト,両面から福祉のまちづくりを推進します。 現行計画事業 星,…主要事業 誰もが住みやすいバリアフリーのまちづくり 星,交通バリアフリーの推進(交通対策課) ・人と環境にやさしい道路の整備(道路管理課) ・駅前広場の整備(街づくり事業課) ・放置自転車対策,駐輪場の整備(交通対策課) ・調布市公共サイン整備方針の策定(都市計画課) 福祉のまちづくりの推進 星,福祉のまちづくり条例の推進(福祉総務課) 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●旧バリアフリー基本構想が目標年次を迎えたこと等から,調布市バリアフリー推進協議会での議論や,まちあるき点検の実施,市民及び事業者との意見交換等,様々な形で検討を行い,改正バリアフリー法に基づき,バリアフリーマスタープランとバリアフリー基本構想を令和4年4月に新たに策定しました。(交通対策課)   82ページ ●調布駅前広場の整備について,交通管理者などの関係機関協議や市民参加を実践しながら,令和3年3月に調布駅前広場整備計画図を決定,公表しました。バリアフリーの観点として,視覚障害者誘導用ブロックの配置について,専門家や障害者団体と意見交換を行い,配置を決定しました。(街づくり事業課) ●放置自転車対策や自転車等駐車場の整備方針を定める「調布市自転車等対策実施計画(改定版)」を令和3年3月に策定しました。(交通対策課) ●福祉のまちづくり推進計画に記載している事業について,振り返りシートにより取組状況や今後の方向性を確認するとともに,庁内連絡会を開催し,取組状況が良好な事業の共有を行いました。また,東京都福祉のまちづくり条例施行規則が改正されたことに伴い「だれでもトイレ」の表示方法について,調布市福祉のまちづくり条例施行規則を改正し,各公共施設においてトイレの表示変更を行いました。(福祉総務課) 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度 バリアフリー特定事業計画進捗状況 着手率,81.7%,82.0% 完了率,62.1%,70.6% 今後の課題 ◆ハード面,設備のバリアフリーの推進 障害の有無に関わらず誰もが利用しやすい施設,道路,交通機関など,事業者とも協力しながら更なるバリアフリー化を進めて行くことが課題です。また,バリアフリーに関する情報をわかりやすく発信していくことも必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・標識にピクトグラムをもっと入れてほしい。障害を持っているかたたちにわかりやすいということは,どなたにもわかりやすいということであると思う。(委員意見) ・自転車等駐車場の恒久的な運営,管理のため公有地化を進めるとともに,施設の老朽化対策や機器の定期的な更新が必要(事業進捗評価)   83ページ ・コロナ禍で大人数での席の使用ができず,距離を確保しなければならなくなったことも,バリアフリーを意識するきっかけとなった。(ヒアリング) ・例えば市のバリアフリー認証,ステッカーなど,行政が主体になって作ってくれれば使いやすい。(ヒアリング) ・人員が限られるため,御案内専属のボランティアや,ハード面は大規模な投資が必要になるため財政的な支援をお願いできるとありがたい。(ヒアリング) ・市内のバリアフリー化について,「充実していない」と評価された項目は,いずれの障害種別でも「歩きやすいように障害物が取り除かれ,段差や凹凸が少なく十分に幅のある歩道や道路」が最も多くなっている。(ニーズ調査) ◆ソフト面,心のバリアフリーの推進 ハード面の整備には規模や費用面により一定の限界もある,一方で,合理的配慮の浸透などにより社会的障壁を取り除き,障害者も利用しやすい店舗や施設を広げていくこともバリアフリーのまちづくりには重要です。誰もが安心して暮らしやすいまちづくりへの意識を市民全体に広げていくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・個人経営のお店でも理解のある場として,混まない時間を伝えたり,ピックアップしたりして当事者のかたに情報が届けられると,障害のあるかたも,皆で外食するような機会を増やせるのではないか。(ヒアリング) ・障害のあるかたは周りの目を敏感に察知し,傷ついてしまう人も多いようだ。迷惑になると考えてしまうこと自体がおかしく,どこに来ても安心して過ごせる社会になれば良い。(ヒアリング) ・障害理解に対してソフト面のハードルを感じる。考えを押し付けることはできないが,バリアフリー,ユニバーサルデザインへの取組は,自分たちにもメリットになるものだと感じているので,少しずつ普及していけると良い。(ヒアリング) ・駅でパニックになり線路に向かって走り出してしまうこともあると思うので,そのような時には一般の利用客のかたにも列車,非常停止ボタンでの緊急停止を押すなど協力をお願いしたい。(ヒアリング) ・見た目での(障害の)判断が難しいお客様,知的障害のかたなど,症状によって状況が異なるかたへのアプローチに対して課題を感じている。(ヒアリング) 続きは、次ページです。   ・多くの社員がいる中で,どのように効率よく学び,実践し,より良いサービス,ご案内ができるか模索している。(ヒアリング) ・心のバリアフリーのために特に必要な取組への回答では,障害者でも障害児の保護者でも「学校における,お互いを理解し,思いやる心を育てるための教育や,障害者などさまざまな人と触れ合う機会の充実」が最も多い。(ニーズ調査) 以上は、前のページの内容です。 84ページ 括弧3,情報提供 福祉サービスや地域生活に関する必要な情報を,様々な障害特性に応じた方法で提供します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <障害特性に応じた情報提供体制の整備> ○音声コードの普及や市ホームページにおけるウェブアクセシビリティの向上,イベント等における手話通訳者の配置,その他新たなIT技術の活用など,多様な障害特性に応じた情報バリアフリーを推進し,障害のあるかたへの情報保障に努めます。 <多様な情報の提供> ○障害のあるかたの地域生活に関わる様々な情報を,ホームページ,市報,冊子の作成,その他様々な方法で的確に提供していきます。 現行計画事業 星,…主要事業 障害特性に応じた情報提供体制の整備 ・音声コードの作成(障害福祉課) ・手話通訳者,要約筆記者の配置(障害福祉課) 星,調布市ホームページ運用事務(広報課) ほし,市報等発行事務(広報課) ・広報番組制作事務(広報課) 多様な情報の提供 ・市報,ホームページでの情報提供(障害福祉課) ・「障害者福祉のしおり」の作成(障害福祉課) ・バリアフリーハンドブックの配布(障害福祉課) ・子育て支援に関する情報提供(子ども政策課,子ども家庭課) ・生涯学習情報システム(さがす見つかるシステム)の活用(協働推進課,文化生涯学習課)   85ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●市において開催するイベント,会議等への手話通訳者,要約筆記者の配置を進めています。令和4年度より新たに調布市社会福祉協議会と手話通訳者派遣に係る委託契約を締結し,派遣手続きに係るルールを定め,通訳者や派遣仲介業務の負担軽減を図るとともに,安定的にイベント,会議等への派遣コーディネート業務を行う体制を確立しました。 ●調布市ホームページは令和3年度から,やさしい日本語翻訳システム「伝えるウェブ」を導入し,さらに情報へアクセスしやすい環境の整備を進めています。(広報課) ●市が作成した「バリアフリーハンドブック」について,希望に応じて配布を継続しています。東京都より依頼があり,調布市ホームページに,「とうきょう,ユニバーサルデザイン,ナビ」のリンクを貼り,都内他市のバリアフリーに関するホームページへアクセスできるようになっています。 ●ちょうふ地域コミュニティサイト「ちょみっと」は令和4年3月には,障害者を含む全てのかたがスマートフォンでも見やすいようデザインを変更したほか,動画や地図情報の掲載を可能とし,よりさまざまな市民ニーズに応えられるようリニューアルしました。(協働推進課) 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 市報等発行事務 声の広報希望者,8件,8件,8件 テキストデータ希望者,36件,38件,50件 今後の課題 ◆障害特性に応じた情報提供の充実 障害の有無に関わらず必要な情報に,誰もがアクセスできるよう,音声,文字情報,手話,色合い,ルビや内容の平易化によるわかりやすさなど,情報バリアフリーを推進し,多様な形態での情報提供体制を確保していく必要があります。   86ページ (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・声の広報は利用者からカセットテープを再生する機器が自宅になく利用することができないとの意見や,録音する機器の劣化があるため,デイジーやアプリなどカセットテープ以外の手法等を検討することが必要(事業進捗評価) ・テレビ広報ちょうふにおいて,手話通訳の導入について検討が必要(事業進捗評価) ・市が設置,運営する会議等について当事者委員の参加に必要な手話通訳者,ヘルパー等の派遣等を確実に確保するよう,各部署に周知の継続が必要(事業進捗評価) ◆デジタル化への対応 スマートフォンやパソコン等の情報端末は多くの障害者にとっても,有効な情報入手の手段となっており,より容易に,確実に必要な情報にアクセスできるよう,障害特性も踏まえつつ,ホームページ,SNS,アプリ,その他オンラインの活用による情報発信のデジタル化を推進し,利用者にとっての利便性を高めていくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・「バリアフリーハンドブック」に掲載する情報について,民間アプリケーション等を含め,今後の展開の検討が必要(事業進捗評価) ・市の保健福祉施策(サービス)に関する情報の入手先を尋ねる質問では,障害者,障害児の保護者いずれも「市の広報紙,チラシ」が最も多く,「市のホームページ」が続いている。(ニーズ調査) ・6割以上の障害者が,普段,スマートフォンなどの情報端末やパソコンを「使っている」と回答している。(ニーズ調査) ・市や社会福祉協議会の講座やイベントがオンラインで開催されたら「参加しやすくなる」と回答した人は,障害者では22.1%,障害児の保護者では49.2%となっている。(ニーズ調査)   87ページ 括弧4,地域ネットワークづくり 地域住民,団体などによるボランティア,地域活動などを支援し,地域住民相互のネットワークづくりと,協働の体制づくりを進めます。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より <ボランティア活動,地域団体の活性化と協働> ○ボランティア,地域団体などの育成や支援を通じて,地域における様々な住民主体の活動を支援するとともに,地域の住民相互のネットワークづくりを促進することで,地域における「支え合い」や福祉との連携による見守り体制づくりを推進します。 ○「調布市市民参加プログラム」等による取組を充実させ,障害者も参加しやすい配慮や,市民,地域団体との協働の仕組みづくりを推進します。 <活動拠点の整備> ○地域福祉センター,ふれあいの家など市民活動や地域組織,ネットワークの活動拠点となる施設の整備,維持管理に努めます。施設の改修工事等の際には,障害のあるかたも,より使いやすい施設となるようバリアフリー化を図ります。 現行計画事業 星,…主要事業 ボランティア活動,地域団体の活性化と協働 星,市民活動支援センターの運営(協働推進課) ・ボランティアコーナーの運営支援(福祉総務課) ・地域福祉活動団体への支援(福祉総務課) ・地区協議会の設立と支援(協働推進課) ・見守りネットワークの推進(高齢福祉担当) ・誰もが参加しやすい『市民参加』『協働』の仕組みづくり(企画経営課) 活動拠点の整備 ・地域福祉センターの管理運営(協働推進課) ・ふれあいの家の整備(協働推進課)   88ページ 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●市民活動支援センターは新型コロナウイルス感染症拡大を受け,市の方針に応じて営業時間の短縮や座席数の削減など,利用を一部制限しました。また,市民活動支援センター主催のイベントである,えんがわフェスタ,まち活フェスタについては,令和2年度,令和3年度ともにオンラインで実施しました。(協働推進課) ●地区協議会として令和元年台風第19号の教訓を踏まえた緊急時の「情報共有体制の構築」や相互の連携促進に取り組み,令和2年度は市から全地区協議会への緊急時連絡先としてメーリングリストを作成し,令和3年度は各地区の代表者等の連絡先をとりまとめた代表者名簿を作成しました。(協働推進課) ●各地域包括支援センターに見守りネットワークの担当者を1名ずつ配置し,社会福祉協議会の支え合い推進員,地域福祉コーディネーターと連携しながら,見守り対応業務に当たっています。近年,通報件数は増加傾向にあり,特に金融機関や郵便局,商店街,医院薬局等の民間企業からの通報が増えている傾向があります。(高齢者支援室) ●地域福祉センターやふれあいの家について,バリアフリー化に関する取組を進めました。(協働推進課) 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 市民活動支援センターの運営,地域活動に参加している市民の割合,22.7%,16.8%,15.7% <市民福祉ニーズ調査結果> 調査項目,令和4年度 地域活動,ボランティア活動に取り組みたい,取り組んでもよいと感じている人の割合 18歳以上,42.2% 18歳未満(保護者),54.6%   89ページ 今後の課題 ◆障害児,しゃ,と家族と地域のつながりの促進 住民相互のネットワークづくりによる,地域における「支え合い」や見守りの更なる推進とともに,障害児,しゃ,や家族が地域の一員としてそこに参加できるような環境づくりが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害当事者と一緒に地域づくりをしたいと福祉側は考えていても,どうやってアプローチして一緒に取り組んでいくかが課題(委員意見) ・参加しやすい地域活動は「わからない,関心がない」が最も多い(44.2%)が,今後取り組みたいかについては,「機会があれば取り組んでもよい」が最も多い(30.9%)。(ニーズ調査) ◆活動拠点の充実 市民活動センター,地域福祉センター,ふれあいの家等の公共施設を始め,様々な地域活動の拠点の整備,維持管理を行い,住民主体の活動を支え,広げていくことが必要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・市民活動支援センターの認知度向上,使いやすさ向上を図ることにより,センターの更なる活用促進につなげることが必要(事業進捗評価) ・地区協議会が未設立の地域を含む全市的なネットワーク構築に向けた検討が必要(事業進捗評価) ・見守りネットワーク事業における,地域包括支援センターの役割を協定団体に周知を図ることが必要(事業進捗評価)   90ページ 括弧5,災害時の支援 災害時,緊急時などにおいて障害のあるかたが安全に,避難できるよう,支援体制の整備や防災対策などを行います。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <避難支援体制の整備> ○「調布市,避難行動要支援者,避難支援プラン」による地域組織との連携をさらに推進し,災害時における障害のあるかたの避難支援体制を構築するとともに,障害のあるかた向けの「初動対応マニュアル」を作成し,支援を行います。 <防災対策の充実> ○防災マップ,洪水ハザードマップ等による情報提供において障害のあるかたにも必要な情報が提供できるよう取組を進めるとともに,防災拠点の整備や備蓄品の確保などにおいても,障害のあるかたに配慮した防災対策を充実させます。 <緊急時の対応体制の強化> ○緊急通報システムや救急医療,情報キットの普及を図り,一人暮らし等でも在宅生活において突然の体調不良,事故,火災,その他の緊急事態に迅速かつ的確に,対処できる体制づくりを進めます。 グループホームの消防設備等の設置補助などにより,福祉施設における防災対策の充実を図ります。 現行計画事業 星,…主要事業 避難支援体制の整備 星,避難行動要支援者避難支援プランの策定(福祉総務課) ・災害時,要援護者台帳の整備(障害福祉課) ・災害時初動対応マニュアル(障害福祉課)   91ページ 防災対策の充実 星,地域防災計画の修正(総合防災安全課) ・防災マップ,洪水ハザードマップの配布(総合防災安全課) ・防災拠点の整備(総合防災安全課) ・防災備蓄品の確保,充実(総合防災安全課) ・木造住宅の耐震化促進事業(住宅課) 緊急時の対応体制の強化 ・障害者救急医療,情報キット,給付事業(障害福祉課) ・障害者火災安全,緊急通報システム事業(障害福祉課) ・グループホーム防災対策事業費補助(障害福祉課) 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●避難行動,要支援者,避難支援プランについて制度の理解を深めていただくとともに,協定締結団体に対する取組支援を強化するため,情報共有,情報交換の場として,令和2年度及び令和3年度に避難支援者連絡会を開催し,事業概要の説明や要支援者支援に関するアンケート結果や課題について共有を行いました。また,市報,ホームページのほか,調布FMでのPRや出前講座の活用により幅広い周知の取組を実施しました。(福祉総務課) ●障害児,しゃ,が災害時に迅速かつ適切な支援を受けられるよう,災害時要援護者台帳への登録を案内しています。 ●平成30年度に,視覚障害者,聴覚障害者,高次脳機能障害者向けの「災害時初動対応マニュアル」を作成し,配布しています。(身体障害者,知的障害者,精神障害者向けは平成29年度中に作成済み) ●障害者地域自立支援協議会での検討を経て,令和4年度から市内の障害児,しゃ,通所施設等による「ちょうふ災害福祉ネットワーク」が設立されました。災害時の効果的な情報交換,共有等のための事業所同士のネットワーク,連絡,連携体制の構築を目指して活動を始めています。 ●令和元年台風15,19号や新型コロナウイルス感染症を踏まえた,国の防災基本計画(令和2年5月)の修正や,東京都,地域防災計画(震災編)(令和元年修正)等を踏まえ,近年の災害対応に基づく対応を強化するため,令和3年に調布市地域防災計画を修正しました。(総合防災安全課)   92ページ ●令和2年度に,防災マップ,洪水ハザードマップを一部改訂しました。防災マップ及び洪水ハザードマップは,市内全戸,全事業所に配布するとともに,本庁舎総合案内,市民課及び地域福祉センター等に配架して市民に配布しました。同年に土砂災害ハザードマップを作成し,対象地域の全戸に配布しました。(総合防災安全課) ●防災備蓄倉庫は令和元年台風19号の課題をうけ,避難所対応に従事する職員間の連絡手段としてトランシーバーを導入しました。また,新型コロナウイルス感染症対策として,フェイスシールドやビニール手袋,非接触式体温計,簡易テント,簡易ベッド等を市立小,中学校28校及び大町スポーツ施設に備蓄しました。(総合防災安全課) ●主に新たなグループホームの開設にあたり,必要な消防設備(自動火災報知設備等)の設置費用の補助を行いました。 参考指標 指標名,令和元年度,令和2年度,令和3年度 避難行動,要支援者,避難支援プランの策定,協定締結,団体数,34団体,35団体,36団体 今後の課題 ◆避難支援体制の整備 自治会などの地域団体や障害児,しゃ,施設のネットワークなどと連携し,災害発生時に障害児,しゃ、や家族が安心して避難できる体制の整備が必要です。避難場所や支援に関する情報について,必要な人に確実に届けられる体制づくりも課題です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・避難行動要支援者,避難支援プランにおいては,新規の協定締結を促進するため,制度の理解や負担感の軽減が課題(事業進捗評価) ・緊急時の避難場所,経路,計画区域について,知的障害,精神障害では「確認していない」が最も多く,避難情報の入手先も全体で「わからない」が最も多い。(ニーズ調査) ・サービス等利用計画と災害時個別避難計画の連動の充実を図る。(意見具申) ・総合防災安全課,障害福祉課と協働し,講演会を企画する。(意見具申)   93ページ ◆障害児,しゃ、施設における防災対策 障害児,しゃ,の日常生活に密接に関わる障害児,しゃ,施設における防災対策の強化とともに,風水害,地震等の大規模災害や感染症発生に対応したBCP(事業継続計画)の策定等を進め,継続的に利用者に必要なサービスを提供できる体制を構築することが重要です。 (参考,これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・障害者に限らず,関連施設等を作る場合は,市の作成した「ハザードマップ」による浸水予想区域外で,計画をお願いしたい。(委員意見) ・非常時に備えた通所系事業所と相談支援事業所の連携強化が必要(意見具申) ・「ちょうふ災害福祉ネットワーク」の展開と拡充を図る。(意見具申)   94ページ 括弧6,当事者の参画 障害のある当事者が市政に参画することや,主体となって様々な地域での活動を行うことを支援します。 現行計画における基本的方向性(平成30年3月策定「調布市障害者総合計画」より) <市政への参画の推進> ○市が設置する様々な委員会,協議会等に当事者や家族の委員をおくことで,障害者の視点からの意見を市政に反映させ,障害の分野から調布のまちを見直す契機,機会の充実を図ります。 <当事者活動への支援> ○地域活動支援センターでの当事者サロンの運営支援や,こころの健康支援センターでの施設開放等を通じて,当事者がともに余暇を楽しんだり,お互いに情報交換や相談等ができるように,活動場所の提供やその他の支援を行っていきます。 現行計画事業 星,…主要事業 市政への参画の推進 ・市が設置,運営する会議等への参画(障害福祉課ほか) ・障害者地域自立支援協議会(障害福祉課) 当事者活動への支援 ・こころの健康支援センターの施設開放(障害福祉課) ・当事者サロンの運営支援(障害福祉課) 現行計画期間の主な取組,進捗状況 ●障害者地域自立支援協議会では,地域課題を抽出し,情報を共有し,ワーキンググループを中心に地域課題を検討しているほか,障害者総合計画について進捗管理を行い,策定年度には策定委員会へ意見具申を行っています。これまでも地域課題の検討がきっかけとなり市の新しい事業の創設に繋がっています。 ●市の施設開放や,利用者主体によるサロン活動等は,新型コロナウイルス感染拡大に伴い,貸し出しや活動の中止が多くありました。   95ページ 今後の課題 ◆市政への参画,協働の推進 障害のある当事者,家族が,市が設置する委員会等への参加,パブリックコメントなど様々な機会を通じて市政に参画できる体制の充実が必要です。そのうえで,参加する当事者に対してわかりやすく,かつ,当事者の意見,ニーズをしっかりと反映させながら進めることが重要です。 ◆当事者,家族会活動への支援,連携 障害のある当事者や家族が,事業者からサービスの提供を受けるだけでなく,自らが主体となったサロンや団体活動を通して当事者や家族同士のネットワークを深めたり,生活の楽しみを広げたりする活動を支援していくことが必要です。 (参考:これまでの検討経過での意見,調査結果など) ・コロナ禍の前は就労施設と作業所の利用者とも交流があったが,最近は付き合いがなくなっている。(委員意見)   96ページ 第4章,次年度の検討へ向けて  これまでに整理してきた課題とともに,国においても障害者福祉施策等の見直しが進められています。  令和5年度末の次期計画策定へ向けて,今後,以下に掲げる内容も踏まえながら,調布市としてどのような取組を進めて行くべきか,引き続き検討していく必要があります。 1,障害者総合支援法等の一部改正  障害者総合支援法など8法の一括改正法が令和4年12月10日に成立し,一部を除き令和6年4月1日より施行される予定です。  改正法では,障害者等の地域生活や就労の支援の強化等により,障害者等の希望する生活を実現することが目的とされています。 括弧1、障害者等の地域生活の支援体制の充実(障害者総合支援法,精神保健福祉法) ○共同生活援助(グループホーム)の支援内容として,一人暮らし等を希望する者に対する支援や,退居後の相談等が含まれることを,法律上明確化する。 ○障害者が安心して地域生活を送れるよう,地域の相談支援の中核的役割を担う基幹相談支援センター,及び緊急時の対応や施設等からの地域移行の推進を担う地域生活支援拠点等の整備を市町村の努力義務とする。 ○都道府県及び市町村が実施する精神保健に関する相談支援について,精神障害者のほか,精神保健に課題を抱える者も対象にできるようにするとともに,これらの者の心身の状態に応じた適切な支援の包括的な確保を旨とすることを明確化する。 括弧2、障害者の多様な就労ニーズに対する支援及び障害者雇用の質の向上の推進(障害者総合支援法,障害者雇用促進法) ○就労アセスメント(就労系サービスの利用意向がある障害者との協同による,就労ニーズの把握や能力,適性の評価及び就労開始後の配慮事項等の整理)の手法を活用した「就労選択支援」を創設するとともに,ハローワークはこの支援を受けた者に対して,そのアセスメント結果を参考に職業指導等を実施する。   97ページ ○雇用義務の対象外である週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者,重度知的障害者及び精神障害者に対し,就労機会の拡大のため,実雇用率において算定できるようにする。 ○障害者の雇用しゃ数で評価する障害者雇用調整金等における支給方法を見直し,企業が実施する職場定着等の取組に対する助成措置を強化する。 括弧3,精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備(精神保健福祉法) ○家族等が同意,不同意の意思表示を行わない場合にも,市町村長の同意により,医療保護入院を行うことを可能とする等,適切に医療を提供できるようにするほか,医療保護入院の入院期間を定め,入院中の医療保護入院者について,一定期間ごとに入院の要件の確認を行う。 ○市町村長同意による医療保護入院者を中心に,本人の希望のもと,入院者の体験や気持ちを丁寧に聴くとともに,必要な情報提供を行う「入院者訪問支援事業」を創設する。また,医療保護入院者等に対して行う告知の内容に,入院措置を採る理由を追加する。 ○虐待防止のための取組を推進するため,精神科病院において,従事者等への研修,普及啓発等を行うこととする。また,従事者による虐待を発見した場合に都道府県等に通報する仕組みを整備する。 括弧4, 難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する,適切な医療の充実,及び療養,生活支援の強化(難病法,児童福祉法) ○難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する医療費助成について,助成開始の時期を,申請日から重症化したと診断された日に前倒しする。 ○各種療養生活支援の円滑な利用及びデータ登録の促進を図るため,「登録者証」の発行を行うほか,難病相談支援センターと福祉,就労に関する支援を行う者の連携を推進するなど,難病患者の療養生活支援や,小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を強化する。   98ページ 括弧5,障害福祉サービス等,指定難病及び小児慢性特定疾病についてのデータベース(DB)に関する規定の整備(障害者総合支援法,児童福祉法,難病法) ○障害DB,難病DB及び小慢DBについて,障害福祉サービス等や難病患者等の療養生活の質の向上に資するため,第三者提供の仕組み等の規定を整備する。 括弧6,その他(障害者総合支援法,児童福祉法) ○市町村障害福祉計画に整合した障害福祉サービス事業者の指定を行うため,都道府県知事が行う事業者指定の際に市町村長が意見を申し出る仕組みを創設する。 ○地方分権提案への対応として居住地特例対象施設に介護保険施設を追加する。 2,児童福祉法等の一部改正  児童福祉法等の一部改正法が令和4年6月8日に成立し,一部を除き令和6年4月1日より施行される予定です。  改正法では,児童虐待の相談対応件数の増加など,子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ,子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行うことが,目的とされています。  以下に,本計画に特に関連する内容を抜粋します。 括弧1,子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充 ○市区町村は,全ての妊産婦,子育て世帯,子どもの包括的な相談支援等を行うこども家庭センター(※)の設置や,身近な子育て支援の場(保育所等)における相談機関の整備に努める。こども家庭センターは,支援を要する子どもや妊産婦等への支援計画(サポートプラン)を作成する。 ※ 子ども家庭総合支援,拠点と子育て世代包括支援センターを見直し。 ○児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことの明確化や,障害種別にかかわらず障害児を支援できるよう,児童発達支援の類型(福祉型,医療型)の一元化を行う。   99ページ 括弧2,社会的養育経験者,障害児入所施設の入所児童等に対する自立支援の強化 ○児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化する。社会的養育経験者等を通所や訪問等により支援する拠点を設置する事業を創設する。 ○障害児入所施設の入所児童等が地域生活等へ移行する際の調整の責任主体(都道府県,政令市)を明確化するとともに,22歳までの入所継続を可能とする。 3,地域共生社会の実現に向けた社会福祉法の改正  令和元年に国の地域共生社会推進検討会の「最終とりまとめ」において,地域住民の複合化,複雑化した支援ニーズに対応する市町村における包括的な支援体制の構築を推進するために,①,断らない相談支援,②,参加支援,③,地域づくりに向けた支援による新たな事業の創設が提言されました。  この提言を踏まえた新事業として,「重層的支援体制整備事業」を創設することを含め,「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が令和2年6月に公布されました。  「重層的支援体制整備事業」では,「相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を,一体的に提供するものとして,介護,障害,子ども,生活困窮など各分野の事業の組織横断的な推進による包括的な支援体制の構築を図ること,とされています。   100ページ <資料> 資料1,障害福祉関連基本データ 括弧1,調布市の人口  現在は人口が増加傾向で推移している調布市ですが,令和6年頃をピークに減少に転じると推計されています(調布市人口ビジョン)。また,65歳以上の高齢者人口は増加傾向で推移していますが,年少人口及び生産年齢人口はすでに減少傾向となっています。 グラフ,総人口の推移(住民基本台帳,各年1月1日現在) 各年ごとに、年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~64歳)、老年人口(65歳以上)、総人口の順 昭和60年,35191,136345,12717,184253 平成2年,29761,145529,16419,191709 平成7年,25107,145174,21619,191900 平成12年,24012,143809,28147,195968 平成17年,25697,148000,34473,208170 平成22年,27101,148630,41008,216739 平成27年,28302,148863,47026,224191 令和2年,29740,156429,50885,237054 令和3年,29680,156801,51334,237815 令和4年,29626,156764,51549,237939 グラフ,人口ピラミッド(住民基本台帳 令和4年1月現在) 年齢ごとに、男、女の人口の順 0から4歳,4,776人,4,577人,5から9歳,5,169人,5,007人 10から14歳,5,053人,4,731人,15から19歳,4,857人,4,826人 20から24歳,6,620人,6,756人,25から29歳,7,000人,7,351人 30から34歳,6,773人,7,116人,35から39歳,8,215人,8,126人 40から44歳,8,983人,8,715人,45から49歳,10,001人,9,884人 50から54歳,9,991人,9,864人,55から59歳,8,149人,7,697人 60から64歳,6,181人,6,006人,65から69歳,5,229人,5,444人 70から74歳,6,069人,6,965人,75から79歳,4,044人,5,438人 80から84歳,3,285人,4,970人,85から89歳,2,203人,3,848人 90から94歳,842人,1,967人,95から99歳,163人,568人 100歳以上,14人,81人   101ページ 括弧2,身体障害者手帳所持者数 毎年増加していましたが令和2年度以降減少に転じており,令和3年度末は5,105人となっています。障害種別は「肢体不自由」が最も多く,次に「内部」が続きます。 グラフ,身体障害者手帳所持者数(調布市事務報告書,年度末) 各年度,視覚,聴覚平衡,音声言語,肢体不自由,内部,合計の順 平成29年度,313,468,71,2531,1760,5143 平成30年度、321,467,68,2488,1804,5148 令和元年度,336,472,67,2489,1837,5201 令和2年度,327,475,72,2397,1870,5141 令和3年度,341,470,76,2340,1878,5105 括弧3,愛の手帳所持者数 毎年増加傾向にあり,令和3年度末は1,388人となっています。程度別では「4度(軽度)」が最も多くなっています。 グラフ,愛の手帳所持者数(調布市事務報告書,年度末) 各年度,1度,2度,3度,4度,合計の順 平成29年度,54,342,262,612,1270 平成30年度,55,348,266,643,1312 令和元年度,57,352,274,661,1344 令和2年度,56,358,281,671,1366 令和3年度,55,372,288,673,1388   102ページ 括弧4、精神障害者保健福祉手帳所持者数 毎年増加傾向にあり,令和3年度末は2,558人となっています。等級別では「2級」が最も多くなっています。 グラフ,精神障害者保健福祉手帳所持者数(調布市事務報告書,年度末) 各年度,1級,2級,3級,合計の順 平成29年度,104,1052,801,1957 平成30年度,128、1135、897、2160 令和元年度,142、1233、1002、2377 令和2年度,144,1243,984,2371 令和3年度,160、1338、1060、2558 括弧5,自立支援医療(精神通院)認定者数 平成30年度から令和2年度にかけて増加し,令和3年度末は3,625人となっています。 グラフ,精神障害者公費負担医療費(通院医療認定者),(調布市事務報告書,年度末) 各年度,人数の順 平成29年度,3,334 平成30年度,3,175 令和元年度,3,345 令和2年度,3,791 令和3年度,3,625   103ページ 括弧6、難病患者医療費等助成申請件数 増加傾向にあり,令和3年度は2,899件となっています。なお,新型コロナウイルスの影響に伴い,令和2年度は更新申請が不要となったため,申請件数が減少しました。 グラフ,難病患者医療費等助成申請件数,(調布市事務報告書,年度末) 各年度,人数の順 平成29年度,2,504 平成30年度,2,593 令和元年度,2,785 令和2年度,1,234 令和3年度,2,899   104ページ 資料2,計画に係る根拠法令(抄) 括弧1,障害者基本法(昭和45年法律第84号) (障害者基本計画等) 第11条(略) 2,(略) 3,市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定しなければならない。 4から9 (略) 括弧2,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成17年法律第123号),※令和6年4月1日施行予定分 (市町村障害福祉計画) 第88条,市町村は、基本指針に即して、障害福祉サービスの提供体制の確保,その他この法律に基づく業務の円滑な実施に関する計画(以下「市町村障害福祉計画」という。)を定めるものとする。 2,市町村障害福祉計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一,障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に係る目標に関する事項 二,各年度における指定障害福祉サービス、指定地域相談支援又は指定計画相談支援の種類ごとの必要な量の見込み 三,地域生活支援事業の種類ごとの実施に関する事項 3,市町村障害福祉計画においては、前項各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。 一,前項第二号の指定障害福祉サービス、指定地域相談支援又は指定計画相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策 二,前項第二号の指定障害福祉サービス、指定地域相談支援又は指定計画相談支援及び同項第三号の地域生活支援事業の提供体制の確保に係る医療機関、教育機関、公共職業安定所,その他の職業リハビリテーションの措置を実施する機関その他の関係機関との連携に関する事項 4,市町村障害福祉計画は、当該市町村の区域における障害者等の数及びその障害の状況を勘案して作成されなければならない。 5,市町村は、当該市町村の区域における障害者等の心身の状況、その置かれている環境,その他の事情を正確に把握するとともに、第八十九条の二の二第一項の規定により公表された結果その他のこの法律に基づく業務の実施の状況に関する情報を分析した上で、当該事情及び当該分析の結果を,勘案して、市町村障害福祉計画を作成するよう努めるものとする。   105ページ 6,市町村障害福祉計画は、児童福祉法第三十三条の二十,第一項に規定する市町村障害児福祉計画と一体のものとして作成することができる。 7,市町村障害福祉計画は、障害者基本法第十一条第三項に規定する市町村障害者計画、社会福祉法第百七条第一項に規定する市町村地域福祉計画,その他の法律の規定による計画であって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。 8,市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 9,市町村は、第八十九条の三第一項に規定する協議会(以下この項及び第八十九条第八項において「協議会」という。)を設置したときは、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとする場合において、あらかじめ、協議会の意見を聴くよう努めなければならない。 10,障害者基本法第三十六条第四項の合議制の機関を設置する市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該機関の意見を聴かなければならない。 11,市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、第二項に規定する事項について、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。 12,市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。 第88条の2,市町村は、定期的に、前条第二項各号に掲げる事項(市町村障害福祉計画に同条第三項各号に掲げる事項を定める場合にあっては、当該各号に掲げる事項を含む。)について、調査、分析及び評価を行い、必要があると認めるときは、当該市町村障害福祉計画を変更することその他の必要な措置を講ずるものとする。 括弧3,児童福祉法,昭和22年法律第164号,※令和6年4月1日施行予定分 第33条の20,市町村は、基本指針に即して、障害児通所支援及び障害児相談支援の提供体制の確保,その他障害児通所支援及び障害児相談支援の円滑な実施に関する計画(以下「市町村障害児福祉計画」という。)を定めるものとする。 ②,市町村障害児福祉計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一,障害児通所支援及び障害児相談支援の提供体制の確保に係る目標に関する事項 二,各年度における指定通所支援又は指定障害児相談支援の種類ごとの必要な見込量 ③,市町村障害児福祉計画においては、前項各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。 一,前項第二号の指定通所支援又は指定障害児相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策 二,前項第二号の指定通所支援又は指定障害児相談支援の提供体制の確保に係る医療機関、教育機関その他の関係機関との連携に関する事項 ④,市町村障害児福祉計画は、当該市町村の区域における障害児の数及びその障害の状況を勘案して作成されなければならない。   106ページ ⑤,市町村は、当該市町村の区域における障害児の心身の状況、その置かれている環境その他の事情を正確に把握するとともに、第三十三条の二十三の二第一項の規定により公表された結果,その他のこの法律に基づく業務の実施の状況に関する情報を分析した上で、当該事情及び当該分析の結果を,勘案して、市町村障害児福祉計画を作成するよう努めるものとする。 6,市町村障害児福祉計画は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律,第八十八条第一項に規定する市町村障害福祉計画と一体のものとして作成することができる。 7,市町村障害児福祉計画は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号),第十一条第三項に規定する市町村障害者計画、社会福祉法第百七条第一項に規定する市町村地域福祉計画,その他の法律の規定による計画であって,障害児の福祉に関する事項を定めるものと,調和が保たれたものでなければならない。 8,市町村は、市町村障害児福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 9,市町村は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律,第八十九条の三第一項に規定する協議会を設置したときは、市町村障害児福祉計画を定め、又は変更しようとする場合において、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くよう努めなければならない。 10,障害者基本法第三十六条第四項の合議制の機関を設置する市町村は、市町村障害児福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該機関の意見を聴かなければならない。 11,市町村は、市町村障害児福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、第二項に規定する事項について、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。 12,市町村は、市町村障害児福祉計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。 第33条の21,市町村は、定期的に、前条第二項各号に掲げる事項(市町村障害児福祉計画に同条第三項各号に掲げる事項を,定める場合にあつては、当該各号に掲げる事項を含む。)について、調査、分析及び評価を行い、必要があると認めるときは、当該市町村障害児福祉計画を変更することその他の必要な措置を講ずるものとする。   107ページ 資料3,調布市障害者総合計画策定事業実施要領 第1,目的   この要領は,調布市が平成30年3月に策定し,令和3年3月に一部改訂を行った「調布市障害者総合計画」(平成30年度から令和5年度。以下総称して「現計画」という。)の改定として,調布市において障害者基本法,昭和45年法律第84号,第11条第3項に基づく市町村障害者計画,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律,平成17年法律第123号,第88条第1項に基づく市町村障害福祉計画及び児童福祉法,昭和22年法律第164号,第33条の20第1項に基づく市町村障害児福祉計画を一体として策定する令和6年度以降の調布市障害者総合計画(以下「次期計画」という。)の策定について必要な事項を定めるものとする。 第2,計画期間   次期計画の期間は,以下の各号に定めるところによる。 括弧1,調布市障害者計画,令和6年度から令和11年度まで 括弧2,第7期調布市障害福祉計画,令和6年度から令和8年度まで 括弧3,第3期調布市障害児福祉計画,令和6年度から令和8年度まで 第3,計画策定支援業務の委託   市長は,次期計画の策定事業(以下「事業」という。)に係る計画策定支援業務を民間の調査研究機関に委託することができる。 第4,事業内容   事業の内容は,次の各号に定めるところによる。 括弧1,調布市障害者総合計画策定委員会(以下「委員会」という。)の運営に関すること。 括弧2,調布市障害者総合計画策定庁内連絡会(以下「連絡会」という。)の運営に関すること。 括弧3,次期計画の策定に必要な調査,情報収集及び分析に関すること。 括弧4,次期計画の策定に関すること。 第5,委員会   委員会は,現計画の進捗状況,地域における障害者福祉に係るニーズの状況並びに国及び社会の動向等を踏まえ,次期計画について検討を行い,計画案を作成し,市長に報告する。 2,委員会は,次の各号に掲げる者のうちから,市長が推薦する者23人以内をもって組織する。 括弧1,当事者,2人 括弧2,市民代表(公募),2人以内 括弧3,障害者団体代表,6人以内 括弧4,保健,医療,福祉に関する事業に経験を有する者,11人以内 括弧5,保健,医療,福祉に関する学識経験者,2人以内 3,市長は,特に必要があると認めたときは,前項各号に掲げる者以外の者を委員会に出席させ,その意見を聴き,又は,資料の提出を求めることができる。 4,委員会に委員長及び副委員長を置く。 5,委員長及び副委員長は,委員が互選する。 6,委員長は,委員会を代表し,会務を総理する。   108ページ 7,副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときは,その職務を代理する。 8,委員会は,委員長が招集する。 第6,連絡会   連絡会は,委員会での検討を踏まえ,計画策定に係る情報収集及び資料作成等を行い,委員会に報告する。 2,連絡会は,市の職員から,市長が任命する者12人以内をもって組織する。 第7,庶務   委員会及び連絡会の庶務は,福祉健康部障害福祉課において処理する。 第8,事業実施期間   本事業の実施期間は,施行の日から令和6年3月31日までとする。 第9,雑則   この要領に定めるもののほか,必要な事項は,別に定める。   附則  この要領は,決裁の日から施行し,事業実施期間終了をもって廃止する。   109ページ 資料4,調布市障害者総合計画策定委員会,委員名簿 (敬称略,順不同) 氏名,所属,肩書等の順 分野,学識経験者 1,委員長,きのした,だいせい,武蔵野大学,人間科学部,社会福祉学科,教授 2,副委員長,あおき,ゆみ,聖路加国際大学,大学院,看護学研究科,准教授 分野,保健,医療,福祉に関する事業に経験を有する者 3,にしだ,しんいち,公益社団法人,調布市医師会,会長,(医療社団法人,梟社会,西田医院,院長) 4,おとぐろ,あきひこ,一般社団法人調布市歯科医師会,会長,(おとぐろ歯科クリニック,院長) 5,にいつ,としお,調布市民生児童委員協議会,障がい福祉部会,幹事(書記) 6,おおさわ,ひろあき,調布市福祉作業所等連絡会,代表,(特定非営利活動法人羽ばたく会,めじろ作業所,施設長) 7,あさか,ちよみ,調布市福祉作業所等連絡会(児童部会)(特定非営利活動法人ふみ月の会,ふみ月チャレンジそめち,施設長) 8,まえだ,ゆうた,社会福祉法人,調布市社会福祉協議会,地域福祉推進課,在宅支援担当,課長補佐 9,ふくだ,しんすけ,社会福祉法人,調布市社会福祉事業団,調布市,障害者地域生活,就労支援センターちょうふだぞう,主任 10,だいこう,かなこ,社会福祉法人,調布市社会福祉協議会,こころの健康支援課,福祉人材育成係長 11,くりき,こうへい,調布地域精神保健福祉ネットワーク連絡会(社会福祉法人新樹会,地域生活支援センター希望ヶ丘,施設長) 12,ちの,たみ,株式会社AT,通所運動療育アットスクール調布,管理者 13,にのみや,けいこ,東京都立調布特別支援学校,主幹教諭,特別支援教育コーディネーター 分野,障害者団体 14,えぐち,ただかず,調布市身体障害者福祉協会,会長 15,あきよし,あきら,調布市聴覚障害者協会,副会長 16,あいざわ,のりこ,調布市視覚障害者福祉協会,会長 17,えがしら,ゆか,調布精神障害者家族会,かささぎ会,会長 18,しんどう,みさ,特定非営利活動法人,調布,心身障害児,しゃ,親の会,会長 19,いちやま,とし,調布市,高次脳機能障害者,支援機関連絡会(杜のハーモニー♪,代表) 分野,当事者 20,こんどう,ひろし,当事者 21,いしじま,さいこ,当事者 分野,市民代表(公募) 22,あきもと,たえみ,市民公募委員 23,あました,みか,市民公募委員  刊行物番号,2022-255 次期「調布市障害者総合計画」策定へ向けて,中間報告書 令和5年3月 編集,調布市,福祉健康部,障害福祉課 〒182-8511 東京都調布市こじまちょう2の35の1 (電話)042-481-7135 (電話)042-481-7089 (電話)042-481-7094 (ファクス)042-481-4288 (メール)syougai@city.chofu.lg.jp (ホームページ)http://www.city.chofu.tokyo.jp/