(5) 権利の擁護  障害児・者の虐待防止や成年後見制度の利用などによる基本的人権の擁護を推進します。   現行計画期間の振返り ● 平成24年10月の「障害者虐待防止法」の施行に伴い,障害福祉課内に障害者虐待防止センターを設置し,虐待に関する相談や通報に適宜対応するとともに,市民への障害理解に関する講演会を開催して普及啓発を行い,障害者施設に対しては,研修会などによって知識と理解を深めました。 ● 「子ども家庭支援センターすこやか」での児童虐待防止センター事業においては,児童や保護者に障害や精神疾患等の疑いがある場合は,子ども発達センターの療育事業を案内したり,受診を促すなどの対応をしています。(子ども政策課) ● 高齢者の虐待防止のため,地域包括支援センターの職員が初期の情報収集やアセスメントを適切に行えるよう,研修会を開催し,さらに,福祉関係機関に対し,センター職員が虐待対応の研修を開催しています。(高齢者支援室) ● 平成24年4月から「成年後見制度利用支援事業」が地域生活支援事業の必須事業となり,ニーズの高まりに伴い,事業の拡大を図っています。 ● 多摩南部成年後見センターの運営では,成年後見制度利用促進に関する法律と国・都の動向を注視しながら進めています。(福祉総務課)   今後の課題 ◆ 虐待防止・相談体制の充実  平成24年10月の「障害者虐待防止法」の施行以降,調布市では障害福祉課に「障害者虐待防止センター」を設置し,通報や相談の受け付けを行っています。相談内容の複雑化への対応や,家族全体を支える視点から,児童,高齢者など他分野の虐待防止体制と連携した取組が必要となっています。 ◆ 成年後見制度の利用促進  成年後見制度は,判断能力が不十分な方や生活に不安がある方が安心して生活を送るために,また障害のある子どもを持つ方にとっての「親亡き後」のためにも,ニーズが高まっています。   基本的方向性  <虐待防止体制の推進> ○ 「障害者虐待防止センター」(障害福祉課)が中心となって,虐待に関する相談,調査や予防のための体制整備を行い,対象者に応じて児童福祉や高齢者福祉とも連携しながら障害児・者虐待の防止に取り組みます。  <成年後見制度の利用促進> ○ 平成28年5月に施行された「成年後見制度の利用の促進に関する法律」も踏まえ,多摩南部成年後見センターでの取組を始め,必要な方に制度の利用が行き届く体制づくりの検討を進めていきます。  <人権擁護体制の推進> ○ 人権に関する相談事業を通じて,市民全体への人権の保護や理解啓発に取り組みます。   事業計画 <虐待防止体制の推進> 【主要事業】 No 1501 障害者虐待防止センター 障害福祉課 事業概要  障害者虐待の未然防止や早期発見,虐待を受けた障害者の迅速かつ適切な保護,養護者に対する適切な支援及び関係機関との連携協力体制を整備しています。 今後の方向・目標  地域における関係機関等の協力体制の整備・充実を図ります。虐待が発生した場合の一時保護のための居室の確保や,医師や弁護士等により医学的・法的な専門的助言を得るなど専門性や支援体制の強化を図ります。あわせて,障害福祉サービス事業所,市民等を対象とした虐待予防研修を実施します。 No 1502 児童虐待防止センター事業 子ども政策課 事業概要  「すこやか虐待ホットライン」を設置し,市民からのいじめや虐待についての相談に対応しています。必要に応じて児童相談所等の関係機関との連携やサービス調整を行い,虐待の防止・早期発見・児童等への支援に努めています。また,要保護児童対策地域協議会ケース会議を実施するほか,要保護児童対策地域協議会の会議,主催研修を実施しています。要保護児童等の支援,見守りにおいては,保育園,幼稚園等から児童の出欠席状況等について定期的な情報の受理を行っています。 今後の方向・目標  引き続き,各種相談窓口等,関係機関と連携しながら事業を実施するうえで,ワーカー及びコーディネーター等がそれぞれの期待される役割を全うすることはもとより,研修等を活用することで,職員一人ひとりのスキルアップを図り,様々なケースに迅速,的確に対応し,児童虐待の予防,早期発見・対応に努めます。 No 1503 高齢者虐待防止対策の推進 高齢福祉担当 事業概要  高齢者の尊厳ある生活を保障するため,虐待を未然に防ぐための対策や,虐待が生じている場合には早期発見,早期対応を行っています。  見守りネットワーク事業「みまもっと」等を通じ見守り体制を充実するとともに,虐待防止PRや早期発見,対応の啓発などを行っています。 今後の方向・目標  高齢者虐待の発生件数が増加していることから,見守りネットワーク事業の協力団体を増やし,連携を深めていくとともに,高齢者虐待の早期発見や防止に向けた啓発等に引き続き取り組みます。 <成年後見制度の利用促進> 【主要事業】 No 1504 多摩南部成年後見センターの運営 福祉総務課 事業概要  第三者または親族による成年後見を受けることが困難な,所得や資産がない方に後見事務を提供するため,調布市,日野市,狛江市,多摩市及び稲城市により,一般社団法人多摩南部成年後見センターを設立し,運営しています。 今後の方向・目標  成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行されたことから,国・東京都の動向を注視しながら,センターの運営形態の再構築を含め,権利擁護体制の充実により一層努めていきます。また,受任者の拡大を図るため,社会貢献型後見人(市民後見人)の育成拡充に取り組みます。 ⇒見込み量「第5章 2(1)⑤ 成年後見制度法人後見支援事業」(155ページ) No 1505 利用者サポート事業の実施 福祉総務課 事業概要  福祉サービスの利用者等が,地域において福祉サービスを安心して選択し,利用できるように総合的に対応しています。  1 福祉サービスの利用に際しての苦情対応   2 判断能力の不十分な人々の権利擁護相談   3 成年後見制度の利用相談   4 その他福祉サービス利用等に関する専門的な相談  5 多摩南部成年後見センターの説明と利用相談 今後の方向・目標  高齢化の進展などにより,対象者の継続的な増加が予想されることから,相談機能に加え,事業の充実を図ります。 【主要事業】 No 1506 成年後見制度の利用支援 障害福祉課 事業概要  成年後見が必要な状況に至っている知的及び精神の障害者で後見人となるべき親族等がいないなど,申立てができない障害者に代わって市長が家庭裁判所へ後見開始審判の申立てを行っています。また,経済的に成年後見制度を利用することが困難な知的及び精神障害者に対してその費用を助成しています。 今後の方向・目標  後見となる親族がいない知的及び精神障害者の権利を守るため,引き続き事業を継続します。  ⇒見込み量「第5章 2(1)④ 成年後見制度利用支援事業」(155ページ)  <人権擁護体制の推進> No 1507 人権に関する相談事業の推進 市民相談課 事業概要  基本的人権及び自由を尊重し確保することを目的として,日常生活における人権侵害問題などに関する相談業務を実施しています。 今後の方向・目標  市民一人ひとりの人権意識を高めるため,様々な人権啓発活動を行い,引き続き相談業務を継続します。 <その他> No 1508 オンブズマン事業 市民相談課 事業概要  市民からの市政に関する苦情等を公正かつ中立的な立場から簡易迅速に処理し,市政の改善に関する提言等を行うことにより,市民の権利及び利益を擁護するとともに,市政に対する市民の理解と信頼を高め,開かれた市政の一層の推進に資することを目的に実施しています。 今後の方向・目標  市民が気軽に相談できる制度を目指し,引き続き,分かりやすい制度の周知に努めます。